JPH0834631B2 - デジタル移動通信システム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、複数の無線基地局と移動局間で、制御局か
らの制御チャネル信号を送受信するデジタル移動通信シ
ステムに関し、特に、無線基地局から移動局へ送信され
る信号の通信品質を知らせる装置を無線局内に備えたデ
ジタル移動通信システムに関する。

［従来の技術］ 従来、この種のデジタル移動通信システムは、第３図
に示すように、一の制御局40を中心にしてサービス領域
41,42ごとに無線基地局51,52を配置し、これら無線基地
局51,52を中心にして、それぞれのサービス領域内に存
在する移動局53との間で制御チャネル信号の授受を行な
っていた。

すなわち、制御局40からの制御チャネル信号は、無線
基地局51（52）を介して移動局53へ送信され、移動局53
からの信号は、無線基地局51（52）を介して制御局40に
送信されていた。

この場合、制御局40は、各無線基地局と移動局間にお
ける信号の授受が有効におこなわているか、あるいは電
波障害はないか等の通信品質を把握する必要がある。こ
のため、従来は、通信品質を把握するため次のような方
法を採用していた。

移動局から無線基地局への制御チャネル信号（以下、
上り制御チャネル信号と称す。）の通信品質の検出にあ
っては、無線基地局内に電波障害検出装置を設けること
により行なっていた。

また、無線基地局から移動局への制御チャネル信号
（以下、下り制御チャネル信号と称す。）の通信品質の
検出にあっては、移動局内に、受信入力電界および受信
チャネル周波数中の特定のチャネルのS/Nを監視し、デ
ジタル信号の試験用誤り率測定を行なう電波障害検出装
置を設け、これら装置から得られたデータを無線基地局
を介して制御局に送信し、送信されたデータを解析して
電波障害の有無を検出していた。

［発明が解決しようとする課題］ 上述した従来の通信品質の把握方法のうち、上り制御
チャネル信号の把握方法は、電波障害検出装置を無線基
地局内に設けてあるので、容易かつ正確に行なえる。

しかし、下り制御チャネル信号の検出は移動局内で行
なっているため、煩雑なデータの授受と解析を必要とし
実用的でなかった。このため、下り制御チャネル信号の
電波障害が生じた場合、制御局でその検出ができないと
いったことが多く、下り制御チャネルの情報である空チ
ャネルや通話用周波数の情報等を移動局に正確に伝送で
きず、呼処理の制御等に悪影響を及ぼすことがあった。

本発明は上述した問題点にかんがみてなされたもの
で、無線基地局からの下り制御チャネル信号の通信品質
を、隣接する他の無線基地局において把握することによ
り、下り制御チャネルにおける電波障害等を容易に検出
できるようにしたデジタル移動通信システムの提供を目
的とする。

［課題の解決手段］ 上記目的を達成するために本発明は、制御局を中心に
複数の無線基地局を配置し、制御局からの制御チャネル
信号を無線基地局と移動局間で送受信するデジタル移動
通信システムにおいて、上記複数の無線基地局のうちの
任意の無線基地局に、隣接する他の無線基地局から発信
さされる制御チャネル信号を受信するアンテナと、当該
信号の通信品質を求める制御チャネル専用受信装置と、
制御局および制御チャネル専用受信装置に接続され、前
記制御チャネル専用受信装置で検出された信号の通信品
質情報を制御局に送信する無線基地局制御装置を備えた
構成としてあり、このうち制御チャネル専用受信装置
は、受信した信号を復調する受信機と、復調された信号
を復号し、さらに信号品質と相関関係にあるパスメトリ
ック差をもとに信号品質を求めるヴィタビ復号器とで構
成してあり、好ましくは複数の無線基地局のすべての無
線基地局内部に、制御チャネル専用受信装置を設けた構
成としてある。

［作用］ 上記構成からなるデジタル移動通信システムによれ
ば、無線基地局と移動局間の上下制御チャネル信号の授
受を制御局によって監視することにより、電波障害等を
回避した確実な信号授受が可能となる。

［実施例］ 以下、本発明の一実施例について図面を参照して説明
する。

第１図は本発明の一実施例を示すデジタル移動通信シ
ステムの概略図である。

図面において、１は制御局であり、発呼・着呼等の呼
処理制御時に交換局（図示せず）とのインタフェースを
行なうとともに、後述する無線基地局における制御チャ
ネルの電波障害を検出する。

2,3は無線基地局であり、制御線100によって制御局１
と接続されている。このうち無線基地局２の内部には、
移動局４との信号授受を行なうアンテナ21と、アンテナ
21に接続され信号の送受信を行なう送受信装置22を設け
てある。また、無線基地局２の内部には、無線基地局３
からの下り制御チャネル信号を受信するアンテナ31と当
該信号の通信品質を求める制御チャネル専用受信装置が
設けてあり、前記送受信装置22とともにそれぞれ無線基
地局制御装置20に接続されている。

ここで、第２図にもとづいて制御チャネル専用受信装
置について説明する。第２図において、320は受信機
で、アンテナ31に接続されており、受信された下り制御
チャネル信号を復調し、受信電界検出信号及び復調信号
を出力する。321はヴィタビ復号器であり、受信機320か
ら出力された復調信号を復号し、さらに信号品質と相関
関係にあるパスメトリック差をもとに、信号品質を求め
る。322は信号処理器であり、ヴィタビ復号器321で求め
られた受信電界検出信号を入力し、下り制御チャネルの
通信品質情報として無線基地局制御装置20へ出力する。
無線基地局制御装置20は入力された情報を制御線100を
介して制御局１へ送信する。

したがって、このような構成からなるデジタル移動通
信システムによれば、まず、制御局１から、制御線100
を介して無線基地局2,3へ信号が送出される。次いで、
無線基地局２では、入力された信号をアンテナ21を介し
て送受信装置22から移動局４へ下り制御チャネル信号と
して送信する。

一方、アンテナ31からは、無線基地局３からの制御チ
ャネル信号が受信され、制御チャネル専用受信装置32内
の受信機320に入力される。受信機320では、入力した信
号を復調し、さらにヴィタビ復号器321によって復号さ
れ信号品質を求める。そして、求められた信号品質のデ
ータは無線基地局制御装置20へ入力され、さらに制御線
100を介して制御局１へ送信される。制御局１では、送
信されたデータをもとに、下り制御チャネル信号の電波
障害の有無を検出する。

そして、電波障害を検出した場合には、制御チャネル
のキャリアを変更することによって、電波障害を回避す
る。

なお、本実施例では、無線基地局３からの制御チャネ
ル信号を無線基地局２が受信する構成としてあるが、無
線基地局３を無線基地局２と同じ構成とすることによっ
て、無線基地局３からの信号を無線基地局２が受信する
構成とすることもできる。

また、本実施例では、信号品質を求める手段としてヴ
ィタビ復号器を用いているが、これと同一または相当す
る動作を行なう公知の各種手段を適用してもよい。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明のデジタル移動通信シス
テムによれば、従来、制御局が知りえなかった下り制御
チャネル信号の通信品質及び電波障害の有無の検出が可
能となり、常に確実な通信システムの提供が可能となる
といった効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示すデジタル移動通信シス
テムの概略図、第２図は本発明の要部である制御チャネ
ル電波障害検出装置のブロック図、第３図は従来のデジ
タル通信システムの概略図である。 1:制御局、2,3:無線基地局 4:移動局、20無線基地局制御装置 21,31:アンテナ 22:送受信装置 32:制御チャネル専用受信装置 320:受信機、321:ヴィタビ復号機 322:信号処理器

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】制御局を中心に複数の無線基地局を配置
   し、制御局からの制御チャネル信号を無線基地局と移動
   局間で送受信するデジタル移動通信システムにおいて、 上記複数の無線基地局のうちの任意の無線基地局に、隣
   接する他の無線基地局から発信される制御チャネル信号
   を受信するアンテナと、 当該信号の通信品質を求める制御チャネル専用受信装置
   と、 制御局および制御チャネル専用受信装置に接続され、前
   記制御チャネル専用受信装置で検出された信号の通信品
   質情報を制御局に送信する無線基地局制御装置と を備えたことを特徴とするデジタル移動通信システム。
2. 【請求項２】前記制御チャネル専用受信装置を、 受信した信号を復調する受信機と、復調された信号を復
   号し、さらに信号品質と相関関係にあるパスメトリック
   差をもとに信号品質を求めるヴィタビ復号器とで構成し
   たことを特徴とする請求項１記載のデジタル移動通信シ
   ステム。
3. 【請求項３】複数の無線基地局のすべての無線基地局内
   部に、制御チャネル専用受信装置を設けたことを特徴と
   する請求項１または２記載のデジタル移動通信システ
   ム。