JPH0834604A - 有価物の回収方法 - Google Patents

有価物の回収方法

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JPH0834604A
JPH0834604A JP6194866A JP19486694A JPH0834604A JP H0834604 A JPH0834604 A JP H0834604A JP 6194866 A JP6194866 A JP 6194866A JP 19486694 A JP19486694 A JP 19486694A JP H0834604 A JPH0834604 A JP H0834604A
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    • C01B25/16Oxyacids of phosphorus; Salts thereof
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01DCOMPOUNDS OF ALKALI METALS, i.e. LITHIUM, SODIUM, POTASSIUM, RUBIDIUM, CAESIUM, OR FRANCIUM
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 水溶性ニッケル塩と、このニッケル塩の錯化
剤として配合された有機物と、次亜リン酸塩及びこの次
亜リン酸塩が酸化することにより生成された亜リン酸塩
とを含有し、アルカリ金属イオンを多量に含む無電解ニ
ッケルめっき液中の有価物を回収することを目的とす
る。 【構成】 めっき液にシュウ酸を添加して、液中のニッ
ケルイオンをシュウ酸ニッケルとして沈澱除去し、これ
を回収した後、硫化物を加えて液中の重金属イオンを硫
化重金属として沈澱除去し、これに鉱酸とカルシウム化
合物を添加した後、空気中で焼成してアルカリ金属イオ
ンを鉱酸アルカリ金属塩に、かつ次亜リン酸塩及び亜リ
ン酸塩のリン分をハイドロキシアパタイトになすと共
に、上記有機物を熱分解により除去し、次で鉱酸アルカ
リ金属塩とハイドロキシアパタイトの混合固形物を水に
投入して溶解することにより、それぞれ分離回収するこ
とを特徴とする有価物の回収方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、使用済無電解ニッケル
めっき液中の有価物を回収する方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】次亜リ
ン酸塩を還元剤とする無電解ニッケルめっき液は、従来
より電子部品、精密機器、或いはプラスチック等の表面
処理に広く使用されているが、このめっき液は、めっき
反応の進行につれ、還元剤として使用されている次亜リ
ン酸塩が酸化されて亜リン酸塩となり、めっき液中に蓄
積される。この亜リン酸塩の濃度が一定の限度を越える
と、このめっき液は使用不能となる。
【0003】このため、従来からかかる次亜リン酸塩を
還元剤とする使用済の無電解ニッケルめっき液を処理す
る方法として種々の方法が提案されているが、このめっ
き液を工業的に有効に処理し、しかもめっき液中の有価
物を簡単かつ確実に回収再利用し得る処理方法は未だ実
用化されていない。
【0004】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
次亜リン酸塩を還元剤とする使用済無電解ニッケルめっ
き液を経済的にかつ二次公害を引き起こすことなく確実
に処理し得ると共に、このめっき液中の有価物を簡単に
しかも純度よく回収し得る上、使用する装置も比較的簡
単で、工業的に有利な無電解ニッケルめっき液の有価物
の回収方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、
上記めっき液中の有価物を簡単に回収し、その再利用を
計ると共に、処理施設外に公害物質を全く排出しない無
電解ニッケルめっき液中の有価物の回収方法を開発し
た。
【0006】即ち、使用済みの無電解ニッケルめっき液
中には、硫酸ニッケル等の水溶性ニッケル塩、クエン酸
ナトリウム等の錯化剤(有機物)、次亜リン酸塩等の次
亜リン酸塩及びその酸化物である亜リン酸塩が多量に含
有され、また上記錯化剤や次亜リン酸塩、亜リン酸塩に
由来するナトリウムイオン等のアルカリ金属イオンが多
量に存在している。
【0007】本発明者らは、かかるめっき液の工業的に
有利な処理法、その有価物の回収方法について鋭意検討
を行った結果、めっき液中のニッケルイオンをシュウ酸
によりシュウ酸ニッケルとして沈殿除去し、これを回収
すると共に、このニッケルイオン除去後のめっき液に硫
化物を加え、なお微量残存するニッケルイオン、更にZ
n,Fe,Pb,Alイオン等の微量存在する重金属イ
オンを硫化重金属として除去し、この重金属イオン除去
後のめっき液に硫酸等の鉱酸と酸化カルシウム、水酸化
カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、塩化カ
ルシウム又は有機酸カルシウムとを加えた後、空気中で
焼成することにより、上記アルカリ金属イオンを水溶性
の鉱酸アルカリ金属塩となす一方、上記次亜リン酸塩及
び亜リン酸塩のリン分を水不溶性のハイドロキシアパタ
イトとして固定し、かつ上記焼成で固形物中の有機物を
分解し、水蒸気と炭酸ガス等とすることができ、これに
よって鉱酸アルカリ金属塩とハイドロキシアパタイトと
をそれぞれ分離、回収し得ること、そしてこのようにし
て分離回収されたシュウ酸ニッケル、ハイドロキシアパ
タイト、鉱酸アルカリ金属塩はいずれも純度的にもよ
く、工業的に再利用し得ることを見い出し、本発明をな
すに至ったものである。
【0008】従って、本発明は、水溶性ニッケル塩と、
このニッケル塩の錯化剤として配合された有機物と、次
亜リン酸塩及びこの次亜リン酸塩が酸化することにより
生成された亜リン酸塩とを含有し、アルカリ金属イオン
を多量に含む無電解ニッケルめっき液中の有価物を回収
する方法であって、該めっき液にシュウ酸を添加して、
上記めっき液中のニッケルイオンをシュウ酸ニッケルと
して沈殿除去し、これを回収すると共に、ニッケルイオ
ン除去後のめっき液に硫化物を加えてこのめっき液中の
重金属イオンを硫化重金属として沈殿除去し、次いで重
金属イオンが除去されためっき液に鉱酸と酸化カルシウ
ム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウ
ム、塩化カルシウム及び有機酸カルシウムから選ばれる
カルシウム化合物とを添加した後、空気中で焼成して、
上記アルカリ金属イオンを鉱酸アルカリ金属塩に、かつ
次亜リン酸塩及び亜リン酸塩のリン分をハイドロキシア
パタイトになすと共に、上記有機物を熱分解により除去
し、次いで上記鉱酸アルカリ金属塩とハイドロキシアパ
タイトとの混合固形物を水に投入して鉱酸アルカリ金属
塩を水に溶解することにより、ハイドロキシアパタイト
と鉱酸アルカリ金属塩とをそれぞれ分離回収することを
特徴とする有価物の回収方法を提供する。
【0009】以下、本発明につき更に詳述すると、本発
明において処理される使用済無電解ニッケルめっき液
は、硫酸ニッケル等の水溶性ニッケル塩、クエン酸ナト
リウム等のカルボン酸やカルボン酸塩(主としてナトリ
ウム塩)、その他の有機酸、有機酸塩などのニッケルの
錯化剤(有機物)、それに次亜リン酸塩(主としてナト
リウム塩)、及び亜リン酸塩(主としてナトリウム塩)
を含有するものであり、上記錯化剤、次亜リン酸塩、亜
リン酸塩、更には無電解ニッケルめっき液を使用してい
る時に使用したpH調整剤である水酸化アルカリやアン
モニア水に由来するアルカリ金属イオン(主としてナト
リウムイオン又はアンモニウムイオンであるが、カリウ
ム塩やpH調整にKOHを使用した場合はカリウムイオ
ン)を多量に含んでいるものである。
【0010】なお、めっき液中の上記成分の濃度やpH
は、処理に際して全く問題にならず、濃度、pHに制限
はない。しかし、後述する処理ステップでの添加試薬量
を決定するため、処理前に少なくともニッケルイオン、
リン分(次亜リン酸塩及び亜リン酸塩)、アルカリ金属
イオン量及びpHは分析により測定しておく必要があ
る。
【0011】本発明においては、上記めっき液に対し、
まずシュウ酸を加えてめっき液中のニッケルイオンをシ
ュウ酸ニッケルとして沈殿させる。この場合、シュウ酸
添加量としては、ニッケルイオン1モルに対し、1〜
1.5モル、特に1〜1.3モルとすることが好まし
い。また、この処理に際して、めっき液のpHは1.5
〜3、特に1.8〜2.4とすることが好ましく、この
ためめっき液に硫酸等の鉱酸を加えて上記pHに調整す
ることが好ましい。更に、シュウ酸を添加しためっき液
は70℃以上に加熱し、その状態を3時間以上保つこと
により、ニッケルイオンが確実にシュウ酸と反応してシ
ュウ酸ニッケルとなる。
【0012】ここで、生成した沈殿物(シュウ酸ニッケ
ル2水和物)は濾取し、沈殿を水で洗浄した後、乾燥し
て、微細なシュウ酸ニッケル2水和物の乾燥粉末とし、
再利用を計るか、或いは得られた乾燥粉末を仮焼して酸
化ニッケルの微細な粉末とした後、ニッケル源として再
利用が可能となる。
【0013】この場合、シュウ酸を加えてめっき液中の
ニッケルイオンをシュウ酸ニッケルとして沈澱させてい
るため、当該沈澱物にリンを抱き込むことがなく、当該
沈澱物から金属ニッケルを回収する際にこのリンが金属
中に共存することを防止でき、商品価値の高い金属ニッ
ケルとすることができる。
【0014】なお、本工程において得られた洗浄液は上
記濾液と合併して、次の工程に移すことが好ましい。
【0015】次に、上記のようにニッケルイオンを除去
しためっき液には、硫化物を加え、このめっき液中にな
お微量残存するニッケルイオン、更に微量存在するZ
n,Fe,Pb,Alイオン等の重金属イオンを硫化重
金属として沈殿除去する。これにより、ハイドロキシア
パタイト等の後述する有価回収物中にこれら重金属が混
入して純度を低下させることが防止し得る。例えば、か
かる硫化物処理を行わない場合、ハイドロキシアパタイ
ト中にニッケル分が150ppm程度混入していたもの
を、硫化物処理によりハイドロキシアパタイト中へのニ
ッケル混入量を10ppm程度に低下させることができ
る。
【0016】ここで、この硫化物処理に使用する硫化物
としては、硫化ナトリウム、硫化カリウム等のアルカリ
硫化物や硫化アンモニウムが好適に用いられ、また重金
属処理用として公知の各種の有機硫化物も好適に用いら
れる。この有機硫化物としては、具体的にはチオアミド
化合物(例えばチオ尿素、ジフェニールチオ尿素、オル
トトリルチオ尿素など)、ジチオ酸塩化合物(例えばジ
メチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジエチルジチオ
カルバミン酸カリウムなど)、チアゾール化合物(例え
ばメルカプトベンゾチアゾール、ベンゾチアゾールジサ
ルファイド、N−Nジエチールチオカルバモイル−2−
メルカプトベンゾチアゾールなど)、チウラム系化合物
(例えばテトラメチルチウラムモノサルファイド、テト
ラメチールチウラムジサルファイド、ジペンタメチーレ
ンチウラムテトラサルファイドなど)等が挙げられるほ
か、硫黄含有キレート樹脂を使用することができる。
【0017】上記硫化物処理に際し、そのpHは使用す
る硫化物により適宜選定されるが、通常pH6〜10、
特にpH7〜9の弱酸性、中性又は弱アルカリ性領域で
行うもので、このため上記シュウ酸処理後のめっき液の
pHは1.5〜3であるので、水酸化ナトリウム等の苛
性アルカリを使用して所用pHに調整することができ
る。このように、弱酸性乃至弱アルカリ性領域で硫化物
処理を行うことにより、後述する鉱酸及びカルシウム化
合物のめっき液の濃縮をそのまま弱酸性乃至弱アルカリ
性領域で行うことができるので、その操作が容易、安全
になり、濃縮設備も必ずしも高耐食性(高耐酸性)のも
のを使用しなくともすみ、設備費の低減が可能になる。
【0018】なお、上記硫化物の添加量はニッケルイオ
ン1モルに対し、1〜2モル、特に1〜1.5モルとす
ることが好ましく、また生成した硫化重金属の沈殿は濾
過等の通常の分離手段により除去される。この分離除去
された硫化重金属スラッジは常法により廃棄等の処理を
することができる。
【0019】以上のようにして重金属イオンを除去した
めっき液には、次いで鉱酸及びカルシウム化合物を添加
する。ここで、鉱酸としては、硫酸、塩酸等が使用され
るが、無電解ニッケルめっき液中に主として含まれる鉱
酸イオンと同じ鉱酸を使用することが好ましい。例え
ば、ニッケルイオン源として硫酸ニッケルを使用した場
合は硫酸を使用することが好ましい。一方、カルシウム
化合物としては、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、
炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、有
機酸カルシウムから選ばれるものを使用する。この場
合、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウ
ム、有機酸カルシウムはいずれの場合でも使用可能であ
るが、硫酸カルシウムはめっき液中の鉱酸イオンが硫酸
イオンである場合、塩化カルシウムは鉱酸イオンが塩素
イオンの場合に使用することが好ましい。
【0020】上記鉱酸の使用量は、めっき液中に含まれ
るアルカリ金属イオンの全量を鉱酸アルカリ金属塩とす
るに必要な量であり、この場合、カルシウム化合物とし
て硫酸カルシウムや塩化カルシウムを使用するときはこ
の硫酸イオン、塩素イオン量と鉱酸との合計量がアルカ
リ金属イオン全量を鉱酸アルカリ金属塩とするに必要な
量である。更に、めっき液中に鉱酸イオンが含まれてい
る場合はこの鉱酸イオン量も合算する。
【0021】なお、例えば、硫酸を用いる場合は、全硫
酸イオン量はアルカリ金属イオン1モルに対し0.3〜
0.7モル、特に0.4〜0.6モルとすることが好ま
しい。
【0022】一方、カルシウム化合物の添加量は、めっ
き液中に含有されているリン分をハイドロキシアパタイ
トとするに必要な量であり、具体的にはリン分1モルに
対しカルシウムとして1.5〜2モル、特に1.6〜
1.8モルの添加量とすることが好ましい。
【0023】なお、この鉱酸とカルシウム化合物の添加
において、めっき液のpHは特に制限されない。
【0024】次いで、このめっき液中の水分を必要によ
り蒸発乾固し、リン、アルカリ金属、鉱酸及び有機物を
含む固形分とする。なお、蒸発乾固は常法によって行う
ことができる。
【0025】本発明では、この固形分を空気中で焼成す
る。この場合、焼成温度は700〜870℃、特に75
0〜850℃とすることが好ましい。また、焼成は回転
炉等を用い、空気を十分供給しながら行うことが好まし
い。なお、焼成時間は3時間以上、特に5時間以上とす
ることが好ましい。
【0026】この焼成操作によりめっき液中に存在して
いた低酸素酸の次亜リン酸及び亜リン酸は全てオルソリ
ン酸まで酸化され、かつ計算量添加されているカルシウ
ム塩と化学反応して、水に不溶性のハイドロキシアパタ
イトとなる。また、アルカリ金属分は計算量添加された
鉱酸と反応して、水に可溶性の鉱酸アルカリ金属塩とな
り、有機物は充分な空気の存在下で高温度で焼成される
ため、熱分解して二酸化炭素と水蒸気となって除去され
る。
【0027】従って、本操作によって、無害でかつ有用
なハイドロキシアパタイトと硫酸ナトリウム等の鉱酸ア
ルカリ金属塩の混合物が得られる。
【0028】次に、本発明においては、ハイドロキシア
パタイトと鉱酸アルカリ金属塩との混合物に水を加え、
この水に鉱酸アルカリ金属塩を溶解させると共に、この
水溶液中にハイドロキシアパタイトが懸濁した水スラリ
ーを得る。この場合、加える水の量は、鉱酸アルカリ金
属塩の3〜6倍重量、特に4.5〜5.5倍重量とする
ことがよく、また水を加えた後は30〜80℃、特に4
0〜60℃に撹拌下で1〜5時間、特に2〜3時間保持
することが好ましい。
【0029】次いで、上記水スラリーを濾過するなどの
方法により、ハイドロキシアパタイトと鉱酸アルカリ金
属塩水溶液とを分離する。なお、分離したハイドロキシ
アパタイトは必要により鉱酸アルカリ金属塩を更に溶出
させるため、上記操作を再度施すことができ、最終的に
得られたハイドロキシアパタイトは、水で洗浄し、常法
により加熱乾燥することによってハイドロキシアパタイ
トの粉末とし、工業薬品或いは動物の飼料や肥料として
使用することができる。
【0030】一方、上記鉱酸アルカリ金属塩は、常法に
従って濃縮し、蒸発乾固することにより、鉱酸アルカリ
金属塩の粉末とすることができ、これは工業薬品として
再利用することができる。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、次亜リン酸塩を還元剤
とする使用済無電解ニッケルめっき液を簡単な操作で確
実にかつ二次公害を引き起こすおそれなくクローズド処
理することができると共に、ニッケル、リン及びアルカ
リ金属分をそれぞれ極めて純度よく固定化して分離回収
し、その有効利用を計ることができ、しかも設備も比較
簡単で、経済的で工業的有利に処理することができる。
【0032】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明は下記の実施例に制限されるものではな
い。
【0033】〔実施例1〕無電解ニッケルめっき廃液 使用済無電解ニッケルめっき液として下記組成のものを
使用した。
【0034】
【表1】
【0035】ステップ1 上記無電解ニッケルめっき液1.0リットルを内容量2
リットルのガラス製ビーカーに正確に秤り取り、これに
試薬特級シュウ酸2水和物13.8gと97.0%硫酸
液44.5gとを加え、pH2.10とした後、緩やか
に撹拌しながら、加熱し、溶液の温度を75℃とし、5
時間その温度を保った。
【0036】冷後生成した沈殿物を濾取し、沈殿物を約
100mlの水で洗浄した後、80℃の温度で12時間
乾燥して、シュウ酸ニッケル2水和物15.9gを得
た。
【0037】このものは、粉末X線回折分析によりシュ
ウ酸ニッケル2水和物であることが確認され、化学分析
により純度98.5%のシュウ酸ニッケル2水和物であ
ることが確認された。
【0038】ステップ2 上で得たニッケル除去後の濾液と沈殿物を洗浄した洗液
とを合併し、この液を25%苛性ソーダ溶液を用いてp
Hを8.0に調整した。次にこの液に硫化ソーダの水和
物(固形)を0.318g投入し、85℃に加熱昇温と
温度維持をしながら1時間撹拌を行った。時間経過後、
生成した沈殿物を濾取することにより硫化物スラッジ
0.08gを得た。
【0039】ステップ3 上で得た硫化物処理後の濾液に97%硫酸液45.0g
と98%酸化カルシウム144.5gとを添加した後、
水浴上で加熱して蒸発乾固せしめ、白色の固形物529
gを得た。次いで、この固形物を内容量3リットルの回
転炉に移し、炉を緩やかに回転せしめながら、炉内の温
度が780℃となるように加熱し、空気を供給しながら
6時間その温度を保持した。冷後、回転炉より内容物を
取り出し、460gの焼成物を得た。粉末X線回折分析
によって焼成物はハイドロキシアパタイトと硫酸ナトリ
ウムの混合物であることが確認された。また、化学分析
によって本焼成物は253gのハイドロキシアパタイト
と207gの硫酸ナトリウムからなる混合物であること
が確認された。
【0040】ステップ4 上で得た焼成物のうち400gを取り、これに水900
gを加えて撹拌しながら50℃に加温し、2時間撹拌を
続けた後、懸濁液を濾過した。濾紙上の不溶物(ハイド
ロキシアパタイト)を200gの50℃の水で3回に分
けて洗浄し、濾液及び洗浄液は合併して、次のステップ
5の原料液とした。濾紙上のハイドロキシアパタイトを
更に500gの50℃の水で洗浄し、洗液520gを得
た。濾紙上に残ったハイドロキシアパタイトの洗浄物を
200℃で乾燥して、ハイドロキシアパタイト粉末21
8gを得た。粉末X線回折分析によって、本品はハイド
ロキシアパタイトの典型的な回折図形が得られることが
確認され、化学分析によって飼料や肥料等に使用可能な
品質のリン酸三カルシウムであることが確認された。な
お、このハイドロキシアパタイト中のニッケル混入量は
2ppmであった。
【0041】ステップ5 上で得た硫酸ナトリウムを高濃度で含有する濾液及び洗
液の合併液を水浴上で濃縮乾固し、硫酸ナトリウム粉末
169gを得た。粉末X線回折分析により本品は無水の
硫酸ナトリウムであることが確認され、化学分析によっ
て工業薬品に使用可能な品質の硫酸ナトリウムであるこ
とが確認された。
【0042】〔実施例2〕均質化された実施例1と同じ
無電解めっき液1.0リットルを正確に秤り取り、実施
例1のステップ1と同様の操作を行って得たニッケル除
去後の濾液と沈殿物を洗浄した洗液とを合併し、この液
にステップ2と同様の操作を行い、次いで97%硫酸液
45.0gと99.5%炭酸カルシウム151.0g及
び96%水酸化カルシウム79.0gとを添加し、水浴
上で加熱して蒸発乾固し、白色の固形物545gを得
た。この固形物を実施例1のステップ4と同様に回転炉
に移し、同様の操作を行って焼成物462gを得た。
【0043】この焼成物は、同様にハイドロキシアパタ
イト253gと硫酸ナトリウム209gとの混合物であ
ることが分析によって確認された。
【0044】次に、上で得た焼成物のうち400gをと
り、これに実施例1のステップ4において得られた52
0gの洗浄液と水380gとを加え、800℃で乾燥し
てハイドロキシアパタイト粉末217gを得た。更に、
この時得られた硫酸ナトリウムを高濃度に含有する濾液
及び洗浄液について実施例1のステップと同様の操作を
行って176gの硫酸ナトリウム粉末を得た。
【0045】これらは、粉末X線回折分析及び化学分析
によって、飼料や肥料等に使用可能な品質のリン酸カル
シウム及び工業薬品に使用可能な品質の硫酸ナトリウム
であることが確認された。なお、このハイドロキシアパ
タイト中のニッケル混入量は2ppmであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C23C 18/31 D (72)発明者 荒木 建 大阪府枚方市出口1丁目5番1号 上村工 業株式会社中央研究所内 (72)発明者 加藤 保 大阪府枚方市出口1丁目5番1号 上村工 業株式会社中央研究所内 (72)発明者 古井 剛史 大阪府枚方市出口1丁目5番1号 上村工 業株式会社中央研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性ニッケル塩と、このニッケル塩の
    錯化剤として配合された有機物と、次亜リン酸塩及びこ
    の次亜リン酸塩が酸化することにより生成された亜リン
    酸塩とを含有し、アルカリ金属イオンを多量に含む無電
    解ニッケルめっき液中の有価物を回収する方法であっ
    て、該めっき液にシュウ酸を添加して、上記めっき液中
    のニッケルイオンをシュウ酸ニッケルとして沈殿除去
    し、これを回収すると共に、ニッケルイオン除去後のめ
    っき液に硫化物を加えてこのめっき液中の重金属イオン
    を硫化重金属として沈殿除去し、次いで重金属イオンが
    除去されためっき液に鉱酸と酸化カルシウム、水酸化カ
    ルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、塩化カル
    シウム及び有機酸カルシウムから選ばれるカルシウム化
    合物とを添加した後、空気中で焼成して、上記アルカリ
    金属イオンを鉱酸アルカリ金属塩に、かつ次亜リン酸塩
    及び亜リン酸塩のリン分をハイドロキシアパタイトにな
    すと共に、上記有機物を熱分解により除去し、次いで上
    記硫酸アルカリ金属塩とハイドロキシアパタイトとの混
    合固形物を水に投入して鉱酸アルカリ金属塩を水に溶解
    することにより、ハイドロキシアパタイトと鉱酸アルカ
    リ金属塩とをそれぞれ分離回収することを特徴とする有
    価物の回収方法。
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