JPH0834547A - シート状物の巻付け方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 両面粘着テープ或いは糊等を用いることな
く、しかも薄物、厚物の如何にかかわらずシート状物を
空ボビンに皺、折り曲がり等を発生させることなく確
実、かつきれいに巻き付けることができるシート状物の
巻き付け方法を提供する。 【構成】 ターレットアーム４の一方端の巻取り軸にセ
ットしたボビンに巻取られたシート状物が満巻状態にな
った状態において、ターレットアーム４を半回転させ、
同ターレットアーム４の他方端の巻取り軸にセットした
空ボビン３上でシート状物１を切断装置でカットして、
満巻状態のボビン２に対するシート状物１の供給を停止
させ、次いで押え部材７を介してシート状物１の巻付け
先端部を空ボビン３に押さえ付ける共に、圧接ローラ８
を空ボビン３の外周に沿って移動させてシートに適当な
張力を加えた状態でボビンに巻付けながら、カッティン
グ後のシート状物１の先端を、巻付けたシート状物１で
挟み込んだ状態で空ボビン３を回転させ、シート状物の
巻取りを開始する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は各種プラスチックシー
ト、フィルム、紙等シート状物の巻取り装置において、
シート状物を満巻状態のボビンから空ボビンに巻換える
際に用いるシート状物の巻付け方法に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来シート状物の巻取り装置における巻
換えの際のシート状物の巻付け方法としては、テープレ
ス巻取りにおけるウェブガイド式、ベルトレーサ式等が
ある。ところが、これらはシートの巻始めの皺や折り曲
がり及びボビンへの密着力の不足による巻き取り時の滑
り等、シートの剛性に関連して問題が発生し易いと云う
欠点があった。即ち、薄いフィルム等の場合は皺になり
易く、また弾性の強いシート状物を巻取る場合は、先端
部が立ったままシート状物の巻取りを行って先端部を折
り込んだ状態で巻き取ってしまい、きれいな巻取りがで
きないと云う欠点があった。また滑り等を発生させない
方法として、シート状物を両面テープ又は糊を用いて空
ボビンに貼り付ける方法もあるが、この場合は、巻き始
めにシートのロスがあるばかりか、自動化に向かないと
云う欠点があった。

【０００３】この対策として従来も、例えば図７、図８
に示す実開昭６２−５３２７１号公報に記載されたもの
がある。即ち、図７、図８に示すシート状物切断巻取り
装置において、シート状物１０１を巻取るターレット式
シート状物巻取り機構１０２は次のように構成されてお
り、同機構１０２は、中央部にある回転軸１０３Ａの回
りに、１８０度づつ回転可能なターレットアーム１０３
と、このターレットアーム１０３と一体に設けられ先端
にガイドローラ１０４Ａを有する２本のガイドアーム１
０４と、前記ターレットアーム１０３の両端に着脱可
能、かつ図示しない駆動源により駆動されて回転可能な
２個のボビン１０５Ａ、１０５Ｂとを備えている。また
前記ターレットアーム１０３の一端側のボビン１０５Ｂ
の近傍には、図示しない駆動源により一端部を中心とし
て回動可能な押えロールアーム１０６が設けられてお
り、この押えロールアーム１０６の先端には押えロール
１０７が回転可能に備えられ、図８に示すように押えロ
ールアーム１０６がボビン１０５Ｂ側に回動した際に
は、押えロール１０７がシート状物１０１をボビン１０
５Ｂに圧接可能に構成されている。

【０００４】一方前記押えロールアーム１０６の中間部
には、カッターアーム１０８の基端が回動可能に設けら
れており、このカッターアーム１０８の先端には、鋸刃
状鋼板、加熱刃、レーザー式等のカッター１０９が備え
られ、更にこのカッター１０９の前記押えロール１０７
側には、バネ鋼或いはゴム、プラスチックシート等の弾
性材料からなり、例えば先端がＵ字状に折り曲げられた
バネ鋼からなる押え部材１１０が設けられている。これ
により押えロール１０７と前記ボビン１０５Ｂとが接し
た状態において、カッターアーム１０８が押えロール１
０７側に回動した際には、カッター１０９がシート状物
１０１を切断可能、かつ押え部材１１０が切断されたシ
ート状物１０１の先端をボビン１０５Ｂに圧接可能に構
成されている。

【０００５】また前記押えロールアーム１０６の途中に
固定されたブラケット１１１には、カッターアーム駆動
源としてのエアシリンダ１１２の基端が回転可能に取付
けられ、このエアシリンダ１１２のピストンロッド１１
２Ａの先端は、前記カッターアーム１０８の途中に回動
可能に連結されており、エアシリンダ１１２の駆動に伴
いカッターアーム１０８が押えロールアーム１０６とは
独立に動作できるようになっている。更に前記ボビン１
０５Ｂと押えロール１０７が接する際には、ボビン１０
５Ｂを下方から支持可能なホルダー１１３が、押えロー
ルアーム１０６が設けられた側のボビン１０５Ｂの直下
に、上下動可能に設けられており、このホルダー１１３
の一端の延長部分１１３Ａは前記カッター１０９がシー
ト状物１０１を切断する際に、シート状物１０１に接触
可能に構成されている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで前記機構にお
いて、シート状物を切断して空のボビンに巻き取る場
合、押え部材１１０が切断されたシート状物１０１の先
端をボビン１０５Ｂに圧接しているため、シート状物１
０１を薄物、厚物の如何にかかわらず確実、かつきれい
にボビン１０５Ｂに巻き付けることができるものの、巻
き付けの空ボビン１０５Ｂには予め両面粘着テープを貼
り付けておく必要があると云う欠点があった。そこで本
発明は、両面粘着テープ或いは糊等を用いることなく、
しかも薄物、厚物の如何にかかわらず、シート状物を空
ボビンに皺、折り曲がり等を発生させることなく確実、
かつきれいに巻き付けることができるシート状物の巻き
付け方法を提供しようとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】このため本発明は、ター
レットアームの一方端の巻取り軸にセットしたボビンに
巻取られたシート状物が満巻状態になった状態におい
て、ターレットアームを半回転させ、同ターレットアー
ムの他方端の巻取り軸にセットした空ボビン上でシート
状物を切断装置でカットして、満巻状態のボビンに対す
るシート状物の供給を停止させ、次いで押え部材を介し
てシート状物の巻付け先端部を空ボビンに押さえ付ける
共に、圧接ローラを空ボビンの外周に沿って移動させ、
シートに適当な張力を加えた状態でボビンに巻付けなが
ら、カッティング後のシート状物先端を巻付けたシート
状物で挟み込んだ状態で空ボビンを回転させ、シート状
物の巻取りを開始するようにしたもので、これを課題解
決のための手段とするものである。

【０００８】

【作用】本発明のように構成されたシート状物の巻き付
け方法は、シート状物の巻取り装置において、シート状
物を満巻状態のボビンから空ボビンに巻換える際に用い
る。即ち、ターレットアームの一方端のボビンに巻取ら
れたシート状物が満巻状態になると、ターレットアーム
が半回転して同ターレットアームの他方端の巻取り軸に
予めセットした空ボビンが巻取り位置にくると共に、満
巻ボビンは空ボビンをセットした取外し位置にくる。こ
の状態で切断装置手前の押え部材を介してシート状物を
ボビンに押え付けると共に、切断装置を作動させて空ボ
ビン上でシート状物をカットし、満巻状態のボビンに対
するシート状物の供給を断ち切る。

【０００９】シート状物切断後、切断装置手前で押え部
材を介して空ボビン上に押え付けられたシート状物に対
し、圧接ローラを移動させてシート状物を空ボビンに１
巻きした状態で巻付けると、シート状物は圧接ローラに
より十分に張力を与えられた状態で空ボビンに巻き付け
られる。その結果、シート状物は空ボビンに密着して、
滑りなく巻き始めから良好な巻取りを開始することがで
きる。しかも圧接ローラを移動させることにより、カッ
ティング後のシート状物先端を１巻きしたシート状物で
挟み込むことができ、これによってシート状物先端の折
り曲がりや皺の発生を防止して、シート状物の巻き始め
ロスをも無くすことができる。この巻き付け完了状態
で、空ボビンを巻取り方向に回転させてシート状物の巻
取りを開始するとともに、圧接ローラを元の位置に戻
し、空ボビンに対するシート状物の巻き付けを含むボビ
ン交換作業は完了する。

【００１０】

【実施例】以下本発明を図面の実施例について説明する
と、図１〜図６は本発明の実施例を示し、１はシート状
物のプラスチックフィルム等のシート、２は巻き上がり
の満巻ボビン、３は空ボビン、４は満巻状態で軸４Ａを
中心に半回転するターレットアーム、５はカッター、５
Ａはカッター５をフィルム幅方向に往復動可能とするロ
ッドレスシリンダで、同ロッドレスシリンダ５Ａは上部
アーム１１に固定され、図１の２点鎖線状態に退避可
能、かつ図１の実線状態に移動可能となっており、この
時カッター５は、フィルム１の全幅より外方に位置して
いて、フィルム１の走行に支障がないようにされてい
る。６は一定の圧接力を保持しながらシート１の巻取り
径に従って変位する押さえローラで、軸６Ａを中心に回
動可能となっている。７は押え部材、１２は押え部材７
を進退可能に駆動するエアシリンダで、いずれも上部ア
ーム１１に取付けられている。また押え部材７は、エア
シリンダ１２が作動すると、図２の位置に進出して空ボ
ビン３に対向する面が同ボビン３に沿った円弧で形成さ
れていて、カッタ５で切断されたシート１の端部を同ボ
ビン３に押えて巻付けるように案内可能となっている。
８は圧接ローラで、シート１をボビン３に圧接させると
共に、特に図１の実線状態から２点鎖線に移動すること
ができるようになっている。

【００１１】また図４において、アーム１３は下部アー
ム１４に回動自在に連結され、一端に圧接ローラ８を回
転自在に軸支すると共に、他端にはエアシリンダ１５が
連結されている。下部アーム１４は軸１４Ａを中心に回
動自在となっており、一端にはエアシリンダ１６が連結
されると共に、前記エアシリンダ１５の反ロド側が連結
されている。９はシート１を適宜支持するガイドローラ
で、アーム１３に回転自在に軸支されている。１０は巻
換え時等の巻取り停止時に図１の矢印方向に移動してシ
ート１の流れを一時的に吸収する他、圧接ローラ８にて
シート１をボビン３に巻き付ける際、シート１に適度な
張力を与えながらシート１を繰り出す作用を有するアキ
ュームローラであって、全体として次のような機構を有
する。即ち、ターレットアーム４の一方端の巻取り軸に
セットしたボビン２に巻き取られたシート１が、満巻状
態になった状態においてタレットアーム４が半回転し、
ターレットアーム４の他方端の巻取り軸にセットした空
ボビン３上でシート１をカッター５でカットする。次い
で満巻状態のボビン２に対するシート１の供給を停止さ
せた後、シート１をターレットアーム４の他方端の巻取
り軸にセットした空ボビン３に巻き付けるに際し、カッ
ター５の手前の押え部材７を介してシート１を空ボビン
３に押さえ付けると共に、圧接ローラ８を移動させてシ
ート１を空ボビン３に巻き付けながら、カッティング後
のシート１の先端を図２に示すように巻き付けたシート
１で挟み込んだ状態で、ボビン３を回転させてシート１
の巻取りを開始すると共に圧接ローラ８を元の位置に戻
す。

【００１２】次に以上の如く構成された実施例について
作用を説明すると、このように構成されたシート１の巻
き付け方法は、シート１の巻取り装置において、シート
１を満巻状態のボビン２から空ボビン３に巻き換える際
に用いる。即ち、ターレットアーム４の一方端のボビン
２に巻き取られたシート１が満巻状態になると、ターレ
ットアーム４が半回転してターレットアーム４の他方端
の巻取り軸に予めセットした空ボビン３が、巻取り位置
にくると共に（図４の状態）満巻ボビン２は空ボビン３
をセットした取外し位置にくる。この時押えローラ６は
図１の如く空ボビン３に圧接して自由回転している。こ
の状態でボビン３の回転を停止すると共に、エアシリン
ダ１６と１５を作動させることにより、図４から図１の
状態にしてシート１に充分な張力を与えた後、ロッドレ
スシリンダ５Ａを作動してカッター５をシートの幅方向
に移動して空ボビン３上でシート１をカットし、満巻状
態のボビン２に対するシート１の供給を断ち切る。

【００１３】シート１の切断後に、エアシリンダ１２を
作動して押え部材７を介して空ボビン３上にシート１の
切断端を押え付けると共に、エアシリンダ１５，１６を
作動して図５から図２（図６）の状態にして圧接ローラ
８をボビン３の外周を移動させ、シート１を空ボビン３
に１巻きした状態で巻き付ける（図２の状態）。その結
果、シート１は空ボビン３に密着して滑りなく巻き始め
から良好な巻取りを開始することができる。しかも圧接
ローラ８を移動させることにより、カッティング後のシ
ート１の先端を、１巻きしたシート１で図２に示すよう
に挟み込むことができ、これによってシート１先端の折
り曲がりや皺の発生を防止して、シート１の巻き始めロ
スを無くすことができる。この巻き付け完了状態で、上
部アーム１１を図１の２点鎖線の位置に退避させると共
に、空ボビン３を巻取り方向に回転させてシート１の巻
取りを開始すると同時に圧接ローラ８を元の位置に戻
し、空ボビン３に対するシート１の巻き付けを含むボビ
ン交換作業が完了する。

【００１４】

【発明の効果】以上詳細に説明した如く本発明によれ
ば、圧接ローラによりシートに十分な張力を与えた状態
で、ボビンにシートを巻き付けることによりボビンにシ
ートが密着し、滑りがなく、巻き始めから良好な巻取り
を行うことができる。また押え部材によりシート端部を
押え、圧接ローラがシートをボビンに巻き付けてシート
先端を挟み込むことにより、シート先端の折り曲がりや
皺等のない巻取りを行うことができる。更にこの方式は
従来の方式に比べ、実質的にシートの厚さ、剛性の影響
を受けず、ボビンの精度にも左右されない等の利点があ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るシート状物の巻取り装置の全体を
示す側面図である。

【図２】図１における要部の拡大図である。

【図３】カッターと押え部材の詳細を示す要部の拡大図
である。

【図４】圧接ローラの動作を示す動作説明図である。

【図５】図４と作動状態を異にする圧接ローラの動作を
示す動作説明図である。

【図６】更に図５と作動状態を異にする圧接ローラの動
作を示す動作説明図である。

【図７】従来のシート状物の巻取り装置の全体を示す側
面図である。

【図８】図７の要部の拡大図である。

【符号の説明】

１ シート ２ 満巻ボビン ３ 空ボビン ４ ターレットアーム ４Ａ 軸 ５ カッター ６ 押えローラ ７ 押え部材 ８ 圧接ローラ ９ ガイドローラ １０ アキュームローラ １１ 上部アーム １４ 下部アーム １５，１６ エアシリンダ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ターレットアームの一方端の巻取り軸に
   セットしたボビンに巻取られたシート状物が満巻状態に
   なった状態において、ターレットアームを半回転させ、
   同ターレットアームの他方端の巻取り軸にセットした空
   ボビン上でシート状物を切断装置でカットして、満巻状
   態のボビンに対するシート状物の供給を停止させ、次い
   で押え部材を介してシート状物の巻付け先端部を空ボビ
   ンに押さえ付ける共に、圧接ローラを空ボビンの外周に
   沿って移動させ、シートに適当な張力を加えた状態でボ
   ビンに巻付けながら、カッティング後のシート状物先端
   を巻付けたシート状物で挟み込んだ状態で空ボビンを回
   転させ、シート状物の巻取りを開始することを特徴とす
   るシート状物の巻付け方法。