JPH0834358B2 - 部品装着機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は多品種の小形部品を基板の所定位置に高速で
装着する機械の部品供給装置に係り、特にテープリール
に格納された多品種の電子部品をプリント基板に高速で
装着する電子部品装着機の部品供給装置に関するもので
ある。

〔従来の技術〕

従来、多品種の電子部品をプリント基板に装着する電
子部品装着装置は、特開昭55−118698号にて開示されて
いるように、左右に往復運動し、且つ所定位置に停止す
る部品供給テーブルに、電子部品供給ユニットが載置さ
れ、この供給ユニットの電子部品を、移載ヘッドが一個
吸着するたびに部品供給テーブルが移動する構造になっ
ている。その機構を平面図として第９図に示す。

電子部品装着機は、本体ベース１、部品供給テーブル
２、ロータリーヘッドあるいは直角座標形ロボットを用
いた移載機構３（第９図ではロータリーヘッドを示
す）、XYテーブル４を主たる構成部材と、また、部品供
給テーブル２の駆動機構には、第９図のＥ−Ｅ断面であ
る第10図に示すように、リニアガイド５の上にある部品
供給テーブル２を、ラック７、ピニオン８で、減速器９
を介して、モータ10で駆動する方式がある。また他に、
ボールねじをサーボモータあるいはステッピングモータ
で駆動する方式のものもある。

部品供給テーブル２には、電子部品を内部に納めたテ
ープリールユニットが、数10種から100種近く平行に載
置されている。このテーブル２は、必要とされる電子部
品のあるテープリールが、ロータリヘッド３の吸着位置
3aの真下に来るように、高速位置決めされる。ロータリ
ーヘッド３が、電子部品を吸着し、回転するのと同期し
て、XYテーブルは、プリント基板の予め接着剤を塗布し
てある所定の位置が、ロータリーヘッド３の移載位置3b
の真下にくるように、位置決めされる。次いで電子部品
をプリント基板へ装着する。

上記作動を高速で連続的に行う。

〔発明が解決しようとする問題点〕

上記の如き従来の装置においては、電子部品がテーブ
ル上に無くなった時は、装置全体を止めて部品を補充す
る。１秒間に数個も高速移載するこの種の装置において
は、この段取り時間による停止は、作業量の低下とな
る。

また、部品の種類が、20〜40種程度のうちは、可動部
重量も数10kgであり、モータの容量も1KW以下で、コン
トローラの容量も小さくてよいが、高速（0.3〜0.4秒／
個）で、多品種（約100種類）になると、可動部の重量
も100kg以上となり、モータ、コントローラの容量も大
きくなり、経済的ではない。

さらに、100kg以上の重量物が、高速移動するため、
その振動、騒音も大となり、高精度の装着装置として
は、装着性能の低下及び構成部材の強度低下をまねく等
の種々の問題点を有する。

本発明の目的は、部品供給テーブルを複数個設け、か
つこれを一本のボールねじによつて駆動できる構成を実
現することによつて、部品を装着作業中のテーブルの駆
動を停止することなく、部品補充が可能な部品装着機を
得ることにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するため本発明は、数種類の部品が搭
載されガイド上を案内されて移動する部品供給テーブル
と、前記テーブル上の部品を吸着して他側のXYテーブル
上の基板の所定の位置に装着する装着機構とを備えた部
品装着機において、前記部品供給テーブルを複数のテー
ブルで構成すると共に、これら複数のテーブルと連結さ
れ、これらテーブルの移動範囲に配置された前記ガイド
と略同一長さの１本のボールネジを設け、該ボールネジ
の一端にモータを連結し、該ボールネジと前記各テーブ
ルとの間に前記ボールネジと螺合しかつ前記各テーブル
とボールネジの軸方向に係合するナットをそれぞれ設
け、かつ該各ナットと各テーブルとの間に前記ナットと
ボールネジとの相対運動を発生させるための手段を設
け、前記相対運動を発生させることにより前記各テーブ
ルを所定位置に個別に移動し得るように構成したことを
特徴とするものある。

〔作用〕

上記の様に部品供給テーブルが複数個に分割され、各
分割テーブルが同一直線路上に個別に駆動、停止可能に
構成されるため、各分割テーブルの重量は軽くなり、ま
た供給する電子部品が載置されている分割テーブルのみ
を、高速駆動し且つ所定位置に位置決めし、電子部品を
移載基板に移載する作業中、他の分割テーブルは静止し
ているため、その間に電子部品の補充が出来る。

また、本発明によれば、各テーブルにそれぞれ設けら
れたナツトと一本のボールねじとの相対運動を発生させ
るための手段を各ナツトと各テーブルとの間に設けてい
るから、一本のボールねじを設けるだけで複数の部品供
給テーブルを駆動することができる。

〔実施例〕

以下本発明の一実施例の部品供給装置を第１図乃至第
４図いもとずき説明する。第１図は部品供給装置の平面
図、第２図は第１図のＡ−Ａ線断面図、第３図は第１図
のＢ部拡大断面図、第４図は第１図のＣ−Ｃ線断面拡大
断面図を示す。

本体ベース11は部品供給テーブルが走行する所定長さ
を有し、上両面側にレール状のリニアガイド12が突設さ
れ、中央部にはボールねじ13と、回転形サーボモータ14
からなる駆動機構を装設する溝15が、本体ベースの長手
方向ほぼ全長にわたって形成されている。

本体ベース11上を走行する部品供給テーブルは、電子
部品を約100種類程度供給するテーブルでは全体で数ｍ
を必要とする。これを複数個に分割した分割テーブル16
（16a,16b,16c,16d,16e）を形成し、各分割テーブル16
は、下面の両側に設けられた走行部材17が上記リニアガ
イド12に係合されて、個別にこのリニアガイド12上を走
行する。

各分割テーブル16は、第２図に示すごとく溝15内にあ
るボールねじ13と回転形サーボモータ14により、駆動並
びに位置決めされる機構である。そして、第３図に示す
ごとく、各分割テーブル１の下面には、ボールねじ13の
ナット18と分割テーブル16との間に、各ナット18と各テ
ーブル16との間に前記ナット18とボールねじ13との相対
運動を発生させるための手段として、電磁クラッチ等の
着脱機構19が設けられている。従って、所望の分割テー
ブルの電磁クラッチ19のみ作動するように制御される
と、該分割テーブル16のナット18とボールねじ13との間
に相対運動が発生し、該分割テーブルは移動位置決めさ
れる。これにより、１個の分割テーブル16は、サーボモ
ータ14により駆動される。

なお、電磁クラッチ19が離れたときは、ナット18は、
ナット18の外周に取り付けられた玉軸受19aによりナッ
ト18も回転し、テーブル16が長手方向に移動しないよう
になっている。

上記複数個の分割テーブル16の内、移載機構であるロ
ータリーヘッド３に対向している分割テーブル、すなわ
ち第１図においては、分割テーブル16bのみが、高精度
に繰返し位置決め走行し、他の分割テーブル16a,16c,16
d,16eは本体ベースの両側に移動し停止される。

各分割テーブル16の位置決めは、第１図に示すリニア
スケール20により位置検出して、行われる。すなわち、
第４図に示す、リニアスケール20のヘッド21により各分
割テーブル16は、現在、何拠に位置しているか検出し、
それから、指令値に従って移動停止する。そのため、各
分割テーブル16には、各々、リニアスケールヘッド21が
固定されている。

本実施例の制御装置を、第５図のブロック図に基づき
説明する。複数個の分割テーブ16a、……、16eに対し、
サーボモータ14、ドライバ22、サーボコントローラ23か
らなる１組のサーボ機構を設け、その上位にシステムコ
ントローラ24が備えてある。上記サーボ機構と分割テー
ブルとの間には、駆動回路25と位置検出回路26を切換え
る切換器27が設けられている。すなわち、切換器27は、
各テーブルの電磁クラッチ19a,……,19eと、リニアスケ
ールヘッド21a,……,21eを切換接続する。

次に各分割テーブルの動作を第４図にて、説明する。
第４図は、システムコントローラ24に指令された部品を
搭載している分割テーブル16bが、第１図に示すロータ
リーヘッドの3aの真下に来るべく、切換器27にて、電磁
クラッチ19bを作動させ、且つ、リニアスケールヘッド2
1bを位置検出回路26を接続させて、サーボコントローラ
23の位置偏差量が零になるまで、ドライバ22にて直流モ
ータ14を駆動する状態を示している。他方、他の分散テ
ーブル16a,16c,16d,16eは本体ベースの両端部に寄せら
れ、駆動回路25と位置検出回路26は、切換器27内で、接
続されてはいない。次いで、システムコントローラ24に
より、隣の分割テーブル16cを位置決めするよう指令さ
れると、まず分割テーブル16bは端へ移動退避する。そ
して、その後切換器27は、電磁クラッチ19bを切り、19c
を作動させ、リニアスケールヘッド21cを接続する。接
続後、指令された電子部品が、ロータリーヘッド３の真
下3aの位置に来るよう位置決めする。切換駆動、位置決
め動作は、この様に行われ、複数の分割テーブルを１組
のサーボ機構で位置決めすることが出来る。

また、本実施例によれば、各分割テーブルはボールね
じ及びナットにより駆動される構成であるから、例えば
リニアモータのような、直線状にマグネットを多数配置
する構成上の複雑さを無くして、構成を簡単にすること
ができ、所定の位置に正確に移動、位置決めすることが
できる。なお上記実施例では部品供給テーブルを５分割
した例で説明したが、部品供給テーブルは、２分割でも
あるいはそれ以上の場合でも同様に実施することができ
る。

尚各分割テーブルには、小形電子部品が20〜30種類載
置されており、高速で基板に装着するものであるから、
一つ飛ばした分割テーブルの載置部品を装着するような
作動は行わず、必ず隣の分割テーブルの部品の装着作業
を行うように指令される。

複数個の分割テーブルのうち、電子部品がなくなった
分割テーブルは本体ベースの両側に停止しており、この
状態のときに、電子部品を補充することが出来る。この
補充時間中にも中央部に位置する分割テーブルからは電
子部品がロータリーヘッドを介しプリント基板に電子部
品が装着されており、装置全体として稼働中に電子部品
を部品供給テーブル（分割テーブル）に補充している。

上記のように複数個の分割テーブルのうちロータリヘ
ッドを介し電子部品装着作業を行っている分割テーブル
のみが高速に位置決め移動しており、他の分割テーブル
は静止しているから、分割テーブルである可動部の重量
は従来に比べ数分の１に減少され、装置の各部品に発生
する力、振動、騒音も小さくなり、性能、強度に対する
信頼性も向上する。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明の部品装着機は、部品供
給テーブルを複数個に分割し、これら分割された複数の
テーブルの移動範囲に、１本のボールねじと該ボールね
じに螺合するナットを設け、各ナットと各テーブルとの
間にナットとボールねじとの相対運動を発生させるため
の手段を設け、該手段の作動による相対運動の発生によ
り各テーブルの駆動及び位置決めを行うようにしたか
ら、１本のボールねじで複数のテーブルを別個に移動位
置決めすることができ、従来装置に比べて構成が簡単で
かつ安価に製作することができる。また、電子部品装着
作業を行っている分割テーブル以外の他の分割テーブル
は、本体ベースの両側に静止させておくことができるの
で、装置の稼働中に、部品を補充することができ、部品
装着機の稼働率を向上することができる。さらに、可動
部としての部品供給テーブルを複数個に分割したから、
各テーブルの重量を軽くでき、各テーブルの高速駆動が
容易となる。また、テーブルの移動範囲に配置されたガ
イドと略同一長さの１本のボールねじの一端にモータを
連結したので、所要のテーブルの数をボールネジの数を
増減することなく任意に増減することができ、また、部
品装着機全体をコンパクトに構成することができ、さら
に、複数のテーブルはガイドと略全長に亙り移動するこ
とが可能であり、部品の補充領域としてガイドの全長に
亙る範囲内で任意の位置を選択することができ、その選
択の自由度が大であり、また、複数のテーブルを独立し
てでも、それらを合体させて同時に駆動させることもで
き、後者のように合体した場合は、取扱部品種を２倍以

上にすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す部品供給装置を備えた
電子部品装着機の平面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線矢
視断面図、第３図は第１図のＢ部拡大断面図、第４図は
第１図のＣ−Ｃ線拡大断面図、第５図は、制御装置の構
成図、第６図は、従来の部品供給装置を備えた電子部品
装着機の平面図、第７図は第６図のＥ−Ｅ線矢視拡大断
面図である。 ３……装着機構、11……本体ベース、12……リニアガイ
ド、13……ボールねじ、18……ボールねじナット、14…
…直流モータ、16……分割テーブル、17……走行部材、
19……電磁クラッチ、19a……玉軸受、20……リニアス
ケール、21……リニアスケールヘッド、22……ドライバ
ー、23……サーボコントローラ、24……システムコント
ローラ、25……駆動回路、26……位置検出回路、27……
切換器、28……エンコーダ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木谷 文彦 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 製作所清水工場内 (56)参考文献 特開 昭61−239696（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−21300（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】数種類の部品が搭載されガイド上を案内さ
   れて移動する部品供給テーブルと、前記テーブル上の部
   品を吸着して他側のXYテーブル上の基板の所定の位置に
   装着する装着機構とを備えた部品装着機において、前記
   部品供給テーブルを複数のテーブルで構成すると共に、
   これら複数のテーブルと連結され、これら複数のテーブ
   ルの移動範囲をカバーするように配置された１本のボー
   ルネジを設け、該ボールネジの一端にモータを連結し、
   該ボールネジと前記各テーブルとの間に前記ボールネジ
   と螺合しかつ前記各テーブルとボールネジの軸方向に係
   合するナットをそれぞれ設け、かつ該各ナットと各テー
   ブルとの間に前記ナットとボールネジとの相対運動を発
   生させる電磁クラッチ手段を設け、前記相対運動を発生
   させることにより前記各テーブル所定位置に個別に移動
   し得るように構成したことを特徴とする部品装着機。