JPH08338296A - 車両用制御装置 - Google Patents
車両用制御装置Info
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- JPH08338296A JPH08338296A JP7166931A JP16693195A JPH08338296A JP H08338296 A JPH08338296 A JP H08338296A JP 7166931 A JP7166931 A JP 7166931A JP 16693195 A JP16693195 A JP 16693195A JP H08338296 A JPH08338296 A JP H08338296A
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- failure
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- sensor
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- Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 信号線の断線や正常な状態から接地線の断線
を正確に識別できる車両用制御装置を提供する。 【構成】 油温センサ16、水温センサ15、エンジン
回転数センサ19は接地端子20Aを共用して、信号線
をそれぞれ入力回路21A、21B、22Aに接続して
いる。マイコン回路27は、油温センサ16の検出信号
を検知して予め定めた故障検出範囲にあるか否かを断続
的に繰り返し識別する。そして、故障検出範囲と判断し
た回数が所定の限界値に達したら、エンジン11と自動
変速機12にフェイルセーフ制御を実行させる。接地端
子20Aを共有しているから、コネクタピン数や配線数
が削減され、接地線の断線検出のための特別な回路を設
ける必要も無い。
を正確に識別できる車両用制御装置を提供する。 【構成】 油温センサ16、水温センサ15、エンジン
回転数センサ19は接地端子20Aを共用して、信号線
をそれぞれ入力回路21A、21B、22Aに接続して
いる。マイコン回路27は、油温センサ16の検出信号
を検知して予め定めた故障検出範囲にあるか否かを断続
的に繰り返し識別する。そして、故障検出範囲と判断し
た回数が所定の限界値に達したら、エンジン11と自動
変速機12にフェイルセーフ制御を実行させる。接地端
子20Aを共有しているから、コネクタピン数や配線数
が削減され、接地線の断線検出のための特別な回路を設
ける必要も無い。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多数のセンサや関連機
器の出力を使用してマイコンに演算処理を行わせること
により、例えばエンジンや自動変速機を電子制御する車
両用制御装置、詳しくは、センサの共通接地線の経路に
おける断線や接触不良を検知する機能を持たせた車両用
制御装置に関する。
器の出力を使用してマイコンに演算処理を行わせること
により、例えばエンジンや自動変速機を電子制御する車
両用制御装置、詳しくは、センサの共通接地線の経路に
おける断線や接触不良を検知する機能を持たせた車両用
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンや自動変速機に取り付けた各種
センサの出力や、アクセル、ブレーキ、セレクトレバー
等から得た運転者の操作内容や、その他の種々の情報を
使用してマイコンに演算処理を行わせることにより、エ
ンジンや自動変速機をそれぞれ電子制御する車両用制御
装置が実用化されている。例えば、自動変速機の変速動
作を制御する制御装置は、車速センサの検出信号から求
めた車速とスロットルセンサの検出信号から求めたスロ
ットル開度の組み合わせを刻々と識別し、この組み合わ
せが予め定めた所定の領域に出入りするごとに、自動変
速機に内蔵された電磁弁を作動させて変速動作を実行さ
せる。また、自動変速機を循環するオイルの温度を検出
する油温センサや、冷却水の温度を検出する水温センサ
の検出信号も制御装置に入力されており、これらの検出
信号を参照して基本の変速動作のタイミングや内容につ
いて種々の微調整が行われる。
センサの出力や、アクセル、ブレーキ、セレクトレバー
等から得た運転者の操作内容や、その他の種々の情報を
使用してマイコンに演算処理を行わせることにより、エ
ンジンや自動変速機をそれぞれ電子制御する車両用制御
装置が実用化されている。例えば、自動変速機の変速動
作を制御する制御装置は、車速センサの検出信号から求
めた車速とスロットルセンサの検出信号から求めたスロ
ットル開度の組み合わせを刻々と識別し、この組み合わ
せが予め定めた所定の領域に出入りするごとに、自動変
速機に内蔵された電磁弁を作動させて変速動作を実行さ
せる。また、自動変速機を循環するオイルの温度を検出
する油温センサや、冷却水の温度を検出する水温センサ
の検出信号も制御装置に入力されており、これらの検出
信号を参照して基本の変速動作のタイミングや内容につ
いて種々の微調整が行われる。
【0003】ここで、一般的な車速センサは、回転する
鉄製の歯車状部材の歯の通過をコイルで検知するもので
あり、その検出信号は、車速に応じて周波数が変化する
交流電圧信号である。この交流電圧信号は、制御装置に
設けた入力回路で方形波のパルス信号に整形される。一
般的な油温センサや水温センサは、温度によって抵抗値
の変化する素子を含み、所定電圧を入力して温度に応じ
たアナログ電圧信号を出力させる。このアナログ電圧信
号は、制御装置に設けた入力回路で振幅に応じたデジタ
ルデータに変換される。それぞれの入力回路で形成され
たこれらのデジタル信号が制御装置内のマイコン回路へ
入力される。
鉄製の歯車状部材の歯の通過をコイルで検知するもので
あり、その検出信号は、車速に応じて周波数が変化する
交流電圧信号である。この交流電圧信号は、制御装置に
設けた入力回路で方形波のパルス信号に整形される。一
般的な油温センサや水温センサは、温度によって抵抗値
の変化する素子を含み、所定電圧を入力して温度に応じ
たアナログ電圧信号を出力させる。このアナログ電圧信
号は、制御装置に設けた入力回路で振幅に応じたデジタ
ルデータに変換される。それぞれの入力回路で形成され
たこれらのデジタル信号が制御装置内のマイコン回路へ
入力される。
【0004】従来の車両用制御装置は、アナログ電圧の
検出信号を発生する複数のセンサの信号線がそれぞれ接
続される複数の信号端子と、複数のセンサに共通の共通
接地線を接続した接地端子と、それぞれの信号端子と接
地端子の間に形成される検出信号をそれぞれデジタル変
換する複数の入力回路と、それぞれデジタル変換された
複数の検出信号を入力して、エンジンと自動変速機の少
なくとも一方の制御に必要な種々の演算処理を実行する
演算手段とを有している。複数のセンサで接地端子を共
用する理由は、接地端子の個数を削減するとともにセン
サの配線本数を削減して配線を簡略化するためである。
検出信号を発生する複数のセンサの信号線がそれぞれ接
続される複数の信号端子と、複数のセンサに共通の共通
接地線を接続した接地端子と、それぞれの信号端子と接
地端子の間に形成される検出信号をそれぞれデジタル変
換する複数の入力回路と、それぞれデジタル変換された
複数の検出信号を入力して、エンジンと自動変速機の少
なくとも一方の制御に必要な種々の演算処理を実行する
演算手段とを有している。複数のセンサで接地端子を共
用する理由は、接地端子の個数を削減するとともにセン
サの配線本数を削減して配線を簡略化するためである。
【0005】ところで、車両用制御装置に接続されたセ
ンサの異常を早期に検知し、異常が発生した場合には速
やかに制御対象物にフェイルセーフ制御を実行させる技
術が特開平6−146968号公報に示される。ここで
は、信号線を通じてセンサに特別なチェック信号を入力
させる診断回路を制御装置内に設けている。また、車両
用の用途ではないが、検出信号から直接にセンサの異常
を検知する技術が特開平4−84059号公報に示され
る。ここでは、温度センサから出力されたアナログ電圧
のレベルが予め設定された通常の変動範囲から外れた場
合に外部に警報を出力する。
ンサの異常を早期に検知し、異常が発生した場合には速
やかに制御対象物にフェイルセーフ制御を実行させる技
術が特開平6−146968号公報に示される。ここで
は、信号線を通じてセンサに特別なチェック信号を入力
させる診断回路を制御装置内に設けている。また、車両
用の用途ではないが、検出信号から直接にセンサの異常
を検知する技術が特開平4−84059号公報に示され
る。ここでは、温度センサから出力されたアナログ電圧
のレベルが予め設定された通常の変動範囲から外れた場
合に外部に警報を出力する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】車両用制御装置では、
センサから接地端子までの共通接地線の経路に断線やコ
ネクタの接触不良が発生すると、センサ自体には異常が
無くても、自動変速機等の制御対象の状態を正確に把握
できなくなり、車両用制御装置が不適切な制御を制御対
象に指令してしまう可能性がある。従って、共通接地線
の経路に異常が発生した場合にも、早期に異常を検知し
て運転者に警報を出力したり、自動変速機に適切なフェ
イルセーフ制御を指令することが望まれる。
センサから接地端子までの共通接地線の経路に断線やコ
ネクタの接触不良が発生すると、センサ自体には異常が
無くても、自動変速機等の制御対象の状態を正確に把握
できなくなり、車両用制御装置が不適切な制御を制御対
象に指令してしまう可能性がある。従って、共通接地線
の経路に異常が発生した場合にも、早期に異常を検知し
て運転者に警報を出力したり、自動変速機に適切なフェ
イルセーフ制御を指令することが望まれる。
【0007】ところで、適当なセンサを選択して、特開
平6−146968号公報に示されるような特別な診断
回路を設けておけば、共通接地線の経路の異常を検知す
ることも不可能ではない。しかし、この場合、診断回路
を設けたセンサ自身や信号線の経路の異常と共用された
共通接地線の経路の異常とを識別できない。また、診断
回路を車両用制御装置内に組み込むことになると、診断
回路を動作させるための出力回路をマイコン回路に設け
る等、車両用制御装置が複雑化して消費電力も増大す
る。また、診断回路を動作させると信号線を通じてセン
サが通常の計測状態から外れるから、ヒータを含むセン
サでは温度変化が残る期間は正常な計測を再開できな
い。
平6−146968号公報に示されるような特別な診断
回路を設けておけば、共通接地線の経路の異常を検知す
ることも不可能ではない。しかし、この場合、診断回路
を設けたセンサ自身や信号線の経路の異常と共用された
共通接地線の経路の異常とを識別できない。また、診断
回路を車両用制御装置内に組み込むことになると、診断
回路を動作させるための出力回路をマイコン回路に設け
る等、車両用制御装置が複雑化して消費電力も増大す
る。また、診断回路を動作させると信号線を通じてセン
サが通常の計測状態から外れるから、ヒータを含むセン
サでは温度変化が残る期間は正常な計測を再開できな
い。
【0008】一方、特開平4−84059号公報に示さ
れるように、検出信号から直接にセンサの異常を検知す
ることとすれば、診断回路を制御装置内に組み込む必要
が無く、マイコン回路にわずかな故障検出プログラムを
追加するだけで共通接地線の経路の異常を検知でき、異
常を識別する期間も、センサが通常の計測状態のまま維
持される。しかし、ここでも、異常を識別されるセンサ
自身の異常や信号線の異常から共通接地線の経路の異常
を識別できない。いずれの場合も検出信号のレベルが通
常の変動範囲から外れることには変わりが無いからであ
る。
れるように、検出信号から直接にセンサの異常を検知す
ることとすれば、診断回路を制御装置内に組み込む必要
が無く、マイコン回路にわずかな故障検出プログラムを
追加するだけで共通接地線の経路の異常を検知でき、異
常を識別する期間も、センサが通常の計測状態のまま維
持される。しかし、ここでも、異常を識別されるセンサ
自身の異常や信号線の異常から共通接地線の経路の異常
を識別できない。いずれの場合も検出信号のレベルが通
常の変動範囲から外れることには変わりが無いからであ
る。
【0009】また、自動車では、路面の凹凸を越える等
して車体に並外れた振動が作用すると共通接地線の経路
に瞬時の接触不良が発生し、その後に再度正常な接触状
態に回復する場合がある。このような場合、異常発生後
直ちに自動変速機にフェイルセーフ制御が設定されて、
運転者が通常の運転感覚で自動車を運転できなくなるの
は好ましくない。センサ自体には異常が無く、通常の制
御を実行して通常の性能を自動変速機から引き出すこと
に何の不都合も無いからである。
して車体に並外れた振動が作用すると共通接地線の経路
に瞬時の接触不良が発生し、その後に再度正常な接触状
態に回復する場合がある。このような場合、異常発生後
直ちに自動変速機にフェイルセーフ制御が設定されて、
運転者が通常の運転感覚で自動車を運転できなくなるの
は好ましくない。センサ自体には異常が無く、通常の制
御を実行して通常の性能を自動変速機から引き出すこと
に何の不都合も無いからである。
【0010】本発明は、共通接地線の経路の異常を正確
に識別でき、自動車の運転上好ましいタイミングで異常
を通報したり、制御対象にフェイルセーフ制御を設定す
ることが可能な車両用制御装置を提供することを目的と
している。
に識別でき、自動車の運転上好ましいタイミングで異常
を通報したり、制御対象にフェイルセーフ制御を設定す
ることが可能な車両用制御装置を提供することを目的と
している。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、アナ
ログ電圧の検出信号を発生する複数のセンサの信号線が
それぞれ接続される複数の信号端子と、前記複数のセン
サに共通の共通接地線を接続した接地端子と、それぞれ
の前記信号端子と前記接地端子の間に現れた検出信号を
それぞれデジタル変換する複数の入力回路と、それぞれ
デジタル変換された複数の検出信号を入力して必要な演
算処理を実行する演算手段とを有する車両用制御装置に
おいて、前記検出信号における通常の変動範囲の外側で
あって、前記信号線が断線した際に現れる前記検出信号
のレベルとも異なる電圧範囲に予め設定した故障検出範
囲を記憶する記憶手段と、デジタル変換された前記検出
信号を検知して前記故障検出範囲にあるか否かを識別す
る入力レベル識別手段と、この入力レベル識別手段の識
別結果に基づいて前記共通接地線の故障を判断する故障
判断手段とを前記演算手段に設けたものである。
ログ電圧の検出信号を発生する複数のセンサの信号線が
それぞれ接続される複数の信号端子と、前記複数のセン
サに共通の共通接地線を接続した接地端子と、それぞれ
の前記信号端子と前記接地端子の間に現れた検出信号を
それぞれデジタル変換する複数の入力回路と、それぞれ
デジタル変換された複数の検出信号を入力して必要な演
算処理を実行する演算手段とを有する車両用制御装置に
おいて、前記検出信号における通常の変動範囲の外側で
あって、前記信号線が断線した際に現れる前記検出信号
のレベルとも異なる電圧範囲に予め設定した故障検出範
囲を記憶する記憶手段と、デジタル変換された前記検出
信号を検知して前記故障検出範囲にあるか否かを識別す
る入力レベル識別手段と、この入力レベル識別手段の識
別結果に基づいて前記共通接地線の故障を判断する故障
判断手段とを前記演算手段に設けたものである。
【0012】請求項2の発明は、請求項1の構成におい
て、前記故障判断手段は、前記入力レベル識別手段によ
る識別を所定時間ごとに繰り返し実行し、前記検出信号
が前記故障検出範囲にある累計回数が所定の限界値に達
した場合に初めて前記共通接地線の故障と判断すること
としたものである。
て、前記故障判断手段は、前記入力レベル識別手段によ
る識別を所定時間ごとに繰り返し実行し、前記検出信号
が前記故障検出範囲にある累計回数が所定の限界値に達
した場合に初めて前記共通接地線の故障と判断すること
としたものである。
【0013】請求項3の発明は、請求項1または2の構
成において、前記入力レベル識別手段による前記識別の
対象となる前記センサは、その信号端子が前記入力回路
内で接地電位と電源電位にそれぞれ抵抗を介して接続さ
れ、前記一対の抵抗によって電源電位を分割した電位を
堺とする一方の側に前記通常の変動範囲を持つセンサと
したものである。
成において、前記入力レベル識別手段による前記識別の
対象となる前記センサは、その信号端子が前記入力回路
内で接地電位と電源電位にそれぞれ抵抗を介して接続さ
れ、前記一対の抵抗によって電源電位を分割した電位を
堺とする一方の側に前記通常の変動範囲を持つセンサと
したものである。
【0014】請求項4の発明は、請求項1、2または3
の構成において、前記演算手段は、前記演算手段に入力
される複数の検出信号について、前記信号端子と前記接
地端子の間に現れた検出信号に基づくデータを、この検
出信号のレベルと無関係であって前記制御を安全側に働
かせ得るデータと強制的に置き換える安全設定手段を含
むものである。
の構成において、前記演算手段は、前記演算手段に入力
される複数の検出信号について、前記信号端子と前記接
地端子の間に現れた検出信号に基づくデータを、この検
出信号のレベルと無関係であって前記制御を安全側に働
かせ得るデータと強制的に置き換える安全設定手段を含
むものである。
【0015】
【作用】請求項1の車両用制御装置では、演算手段が検
出信号のレベルを識別して故障を判断するが、通常の変
動範囲を外れた場合をすべて故障とするのではなく、セ
ンサ自身が異常を起こしたり、信号線の経路が断線や接
触不良を起こした場合とは異なる「共通接地線の経路の
異常に固有な故障検出範囲」にある場合だけを故障と判
断する。
出信号のレベルを識別して故障を判断するが、通常の変
動範囲を外れた場合をすべて故障とするのではなく、セ
ンサ自身が異常を起こしたり、信号線の経路が断線や接
触不良を起こした場合とは異なる「共通接地線の経路の
異常に固有な故障検出範囲」にある場合だけを故障と判
断する。
【0016】請求項2の車両用制御装置では、異常が識
別されたら直ちにこれを共通接地線の経路の断線や接触
不良と判断するのではなく、繰り返し識別を行って異常
が識別された累積回数が所定の限界値に達した場合を共
通接地線の故障と判断して、警報や必要なフェイルセー
フ制御への移行を実行させる。
別されたら直ちにこれを共通接地線の経路の断線や接触
不良と判断するのではなく、繰り返し識別を行って異常
が識別された累積回数が所定の限界値に達した場合を共
通接地線の故障と判断して、警報や必要なフェイルセー
フ制御への移行を実行させる。
【0017】請求項3の車両用制御装置では、信号線が
断線すると、一対の抵抗で電源電位を分割した電位その
ものが入力回路でデジタル変換される。また、分割した
電位よりも高低一方の側に通常の変動範囲が閉じ込めら
れているから、その反対側の範囲を有効に利用して故障
検出範囲を設定可能である。すなわち、センサ自身の異
常や信号線の異常に相当する電圧範囲を避けたために、
故障検出範囲の幅が狭くて不自然な範囲となって肝心の
共通接地線の故障の判断が不正確となる事態が避けられ
る。
断線すると、一対の抵抗で電源電位を分割した電位その
ものが入力回路でデジタル変換される。また、分割した
電位よりも高低一方の側に通常の変動範囲が閉じ込めら
れているから、その反対側の範囲を有効に利用して故障
検出範囲を設定可能である。すなわち、センサ自身の異
常や信号線の異常に相当する電圧範囲を避けたために、
故障検出範囲の幅が狭くて不自然な範囲となって肝心の
共通接地線の故障の判断が不正確となる事態が避けられ
る。
【0018】請求項4の車両用制御装置では、異常が繰
り返し識別されて共通接地線の断線が明白で放置できな
い状況に至って共通接地線の断線状況と判断されると、
直ちにフェイルセーフ制御を制御対象に指令して実行さ
せる。そして、フェイルセーフ制御の指令は、共通接地
線の経路の断線によって信用できなくなった検出信号を
予め定めたより安全な信号レベルに置き換えることによ
って実行される。
り返し識別されて共通接地線の断線が明白で放置できな
い状況に至って共通接地線の断線状況と判断されると、
直ちにフェイルセーフ制御を制御対象に指令して実行さ
せる。そして、フェイルセーフ制御の指令は、共通接地
線の経路の断線によって信用できなくなった検出信号を
予め定めたより安全な信号レベルに置き換えることによ
って実行される。
【0019】
【実施例】図1〜図6を参照して実施例の車両用制御装
置を説明する。ここでは、自動変速機とエンジンを1つ
の制御装置(エンジン、オートマチックトランスミッシ
ョン統合コントロールユニット)を用いて制御する。図
1はエンジンと自動変速機の制御システムの構成の説明
図、図2は入力回路の説明図、図3、図4は共通接地線
の経路に異常が発生した場合の検出信号の変化の説明
図、図5は共通接地線の断線検出処理のフローチャー
ト、図6は図2と対比させた比較例の説明図である。図
3中、(a)、(b)は油温センサの検出信号、
(c)、(d)は水温センサの検出信号である。また、
図4中、(a)、(b)はエンジン回転センサの検出信
号、(c)、(d)はエンジン回転センサの検出信号か
ら形成したデジタル信号である。
置を説明する。ここでは、自動変速機とエンジンを1つ
の制御装置(エンジン、オートマチックトランスミッシ
ョン統合コントロールユニット)を用いて制御する。図
1はエンジンと自動変速機の制御システムの構成の説明
図、図2は入力回路の説明図、図3、図4は共通接地線
の経路に異常が発生した場合の検出信号の変化の説明
図、図5は共通接地線の断線検出処理のフローチャー
ト、図6は図2と対比させた比較例の説明図である。図
3中、(a)、(b)は油温センサの検出信号、
(c)、(d)は水温センサの検出信号である。また、
図4中、(a)、(b)はエンジン回転センサの検出信
号、(c)、(d)はエンジン回転センサの検出信号か
ら形成したデジタル信号である。
【0020】実施例の制御装置20は、エンジン11と
自動変速機12の運転に必要な演算処理を単一のマイコ
ン回路27を時分割使用して実行する。マイコン回路2
7の破線枠で囲んだ内側の各処理(制御23A、23
B、23C、断線検出25、強制設定26)は、マイコ
ン回路27で処理される一連のプログラムによって実行
される。処理フローについては、図5を参照して後述す
る。
自動変速機12の運転に必要な演算処理を単一のマイコ
ン回路27を時分割使用して実行する。マイコン回路2
7の破線枠で囲んだ内側の各処理(制御23A、23
B、23C、断線検出25、強制設定26)は、マイコ
ン回路27で処理される一連のプログラムによって実行
される。処理フローについては、図5を参照して後述す
る。
【0021】エンジン11には、エンジン11の出力軸
の回転速度を検知するエンジン回転センサ19、エンジ
ン11を循環する冷却水の温度を検知する水温センサ1
5等が配置される。エンジン11のスロットルバルブ1
3にはスロットルセンサ14が配置される。自動変速機
12には、運転者が自動変速機12に設定したセレクト
位置を検出するインヒビタスイッチ18、自動変速機1
2を循環するオイルの温度を検知する油温センサ16、
自動変速機12の出力軸の回転速度を検知する車速セン
サ17等が配置される。エンジン回転センサ19、スロ
ットルセンサ14、水温センサ15、油温センサ16か
ら出力される検出信号は、電圧レベルがそれぞれ異なる
アナログ電圧である。
の回転速度を検知するエンジン回転センサ19、エンジ
ン11を循環する冷却水の温度を検知する水温センサ1
5等が配置される。エンジン11のスロットルバルブ1
3にはスロットルセンサ14が配置される。自動変速機
12には、運転者が自動変速機12に設定したセレクト
位置を検出するインヒビタスイッチ18、自動変速機1
2を循環するオイルの温度を検知する油温センサ16、
自動変速機12の出力軸の回転速度を検知する車速セン
サ17等が配置される。エンジン回転センサ19、スロ
ットルセンサ14、水温センサ15、油温センサ16か
ら出力される検出信号は、電圧レベルがそれぞれ異なる
アナログ電圧である。
【0022】油温センサ16、水温センサ15、エンジ
ン回転センサ19からそれぞれ引き出された信号線は、
制御装置20の信号端子20B、20C、20Dにそれ
ぞれ接続される。一方、油温センサ16、水温センサ1
5、エンジン回転センサ19からそれぞれ引き出された
接地線は図示しない共通の中継端子で1本の共通接地線
にまとめられて、接地端子20Aに接続される。なお、
図1中には、説明の都合上、エンジン11と自動変速機
12に配置された多数のセンサの中から、水温センサ1
5、油温センサ16、エンジン回転センサ19を選択し
て信号線を図示しているが、制御装置20には、スロッ
トルセンサ14、インヒビタスイッチ18、車速センサ
17等の各種センサ出力や、アクセル、ブレーキ等から
得た運転者の操作内容や、その他の参考的な種々の情報
も入力されている。
ン回転センサ19からそれぞれ引き出された信号線は、
制御装置20の信号端子20B、20C、20Dにそれ
ぞれ接続される。一方、油温センサ16、水温センサ1
5、エンジン回転センサ19からそれぞれ引き出された
接地線は図示しない共通の中継端子で1本の共通接地線
にまとめられて、接地端子20Aに接続される。なお、
図1中には、説明の都合上、エンジン11と自動変速機
12に配置された多数のセンサの中から、水温センサ1
5、油温センサ16、エンジン回転センサ19を選択し
て信号線を図示しているが、制御装置20には、スロッ
トルセンサ14、インヒビタスイッチ18、車速センサ
17等の各種センサ出力や、アクセル、ブレーキ等から
得た運転者の操作内容や、その他の参考的な種々の情報
も入力されている。
【0023】油温センサ16の検出信号は入力回路21
Aで、水温センサ15の検出信号は入力回路21Bで、
そのアナログ電圧レベルを表現するデジタルデータにそ
れぞれ変換されて、マイコン回路27にシリアル入力さ
れる。エンジン回転センサ19の検出信号は入力回路2
2Aで、車速に応じて周波数が変化するパルス信号に変
換されてマイコン回路27に入力される。マイコン回路
27は、格納された一連の処理プログラムに従ってこれ
らのデジタル信号を読み込み、制御23A、23B、2
3Cの演算を実行する。制御23A、23B、23Cの
演算結果は、出力回路24に転送されて次の書き替えま
で保持され、エンジン11や自動変速機12に搭載され
た図示しない電磁弁やアクチュエータ等を実際に駆動す
る。例えば、スロットルセンサ14の出力信号から求め
たスロットル開度と、車速センサ17の検出信号から求
めた車速を用いて、スロットル開度と車速の組み合わせ
に応じた変速段を定め、自動変速機12に内蔵された図
示しない電磁弁を駆動することにより、自動変速機12
にこの変速段を設定する。
Aで、水温センサ15の検出信号は入力回路21Bで、
そのアナログ電圧レベルを表現するデジタルデータにそ
れぞれ変換されて、マイコン回路27にシリアル入力さ
れる。エンジン回転センサ19の検出信号は入力回路2
2Aで、車速に応じて周波数が変化するパルス信号に変
換されてマイコン回路27に入力される。マイコン回路
27は、格納された一連の処理プログラムに従ってこれ
らのデジタル信号を読み込み、制御23A、23B、2
3Cの演算を実行する。制御23A、23B、23Cの
演算結果は、出力回路24に転送されて次の書き替えま
で保持され、エンジン11や自動変速機12に搭載され
た図示しない電磁弁やアクチュエータ等を実際に駆動す
る。例えば、スロットルセンサ14の出力信号から求め
たスロットル開度と、車速センサ17の検出信号から求
めた車速を用いて、スロットル開度と車速の組み合わせ
に応じた変速段を定め、自動変速機12に内蔵された図
示しない電磁弁を駆動することにより、自動変速機12
にこの変速段を設定する。
【0024】マイコン回路27は、また、断線検出25
において入力回路21Aの出力を用いて共通接地線の異
常を定期的に検出して、異常と判定された回数が所定の
限界値に達した場合に共通接地線の故障と判断する。共
通接地線の故障が判断されると、強制設定26において
直ちにフェイルセーフ制御の設定が実行される。
において入力回路21Aの出力を用いて共通接地線の異
常を定期的に検出して、異常と判定された回数が所定の
限界値に達した場合に共通接地線の故障と判断する。共
通接地線の故障が判断されると、強制設定26において
直ちにフェイルセーフ制御の設定が実行される。
【0025】図2に示すように、油温センサ16の入力
回路21Aでは、信号端子20Bが抵抗R1を介して入
力回路21Aの電源電位に接続されると同時に、抵抗R
2を介して入力回路21Aの接地電位に接続される。そ
して、図3の(a)に破線で示すように、正常時の変動
範囲は抵抗R1、R2で電源電位を分割した電圧V0 と
接地電位の間の所定の電圧幅に納まり、仮に油温センサ
16自身に異常が発生した場合でも、信号端子20Bの
電位が実際の油温を反映しなくなるものの、電圧V0 と
接地電位の間の異常な値に過ぎず電圧V0 以上とはなり
得ない。また、油温センサ16の信号線の経路に断線が
発生した場合、信号端子20Bの電位が電圧V0 とな
る。
回路21Aでは、信号端子20Bが抵抗R1を介して入
力回路21Aの電源電位に接続されると同時に、抵抗R
2を介して入力回路21Aの接地電位に接続される。そ
して、図3の(a)に破線で示すように、正常時の変動
範囲は抵抗R1、R2で電源電位を分割した電圧V0 と
接地電位の間の所定の電圧幅に納まり、仮に油温センサ
16自身に異常が発生した場合でも、信号端子20Bの
電位が実際の油温を反映しなくなるものの、電圧V0 と
接地電位の間の異常な値に過ぎず電圧V0 以上とはなり
得ない。また、油温センサ16の信号線の経路に断線が
発生した場合、信号端子20Bの電位が電圧V0 とな
る。
【0026】ところが、共通接地線の経路に故障(断線
や接触不良)を発生した場合、図3の(b)に示すよう
に、信号端子20Bの電位が電圧V0 以上の領域を不安
定に出入りする状態となるため、5Vと電圧V0 の間に
故障検出範囲(電圧AD0 から電圧AD1 まで)を定め
ることにより、共通接地線の経路の故障を確実に識別で
きる。
や接触不良)を発生した場合、図3の(b)に示すよう
に、信号端子20Bの電位が電圧V0 以上の領域を不安
定に出入りする状態となるため、5Vと電圧V0 の間に
故障検出範囲(電圧AD0 から電圧AD1 まで)を定め
ることにより、共通接地線の経路の故障を確実に識別で
きる。
【0027】なお、水温センサ15の入力回路21Bで
は、信号端子20Cが抵抗R3を介して入力回路21B
の電源電位5Vに接続されている。このため、信号端子
20Cの電位の正常時の変動範囲は、図3の(c)に破
線で示したように、0Vと5Vの間の広い範囲であり、
水温センサ15自身に異常が発生すると、信号端子20
Cの電位が実際の水温と無関係な0Vと5Vの間の値と
なる。また、水温センサ15の信号線の経路に断線が発
生した場合、信号端子20Cの電位が5Vとなる。とこ
ろが、共通接地線の経路に故障(断線や接触不良)を発
生した場合、図3の(d)に示すように、信号端子20
Cの電位が5Vに近い狭い範囲で不安定に変動する状態
となってしまうため、入力回路21Aの場合のように、
通常の変動範囲、水温センサの異常、信号線の断線の3
つのケースから共通接地線の断線を識別できる故障検出
範囲を定めにくい。無理に設定すれば、通常の変動範囲
の上限と5Vの間のごく狭い領域となって、共通接地線
の断線を見逃す可能性や、通常の変動範囲や信号線の断
線と混同する可能性が高まる。
は、信号端子20Cが抵抗R3を介して入力回路21B
の電源電位5Vに接続されている。このため、信号端子
20Cの電位の正常時の変動範囲は、図3の(c)に破
線で示したように、0Vと5Vの間の広い範囲であり、
水温センサ15自身に異常が発生すると、信号端子20
Cの電位が実際の水温と無関係な0Vと5Vの間の値と
なる。また、水温センサ15の信号線の経路に断線が発
生した場合、信号端子20Cの電位が5Vとなる。とこ
ろが、共通接地線の経路に故障(断線や接触不良)を発
生した場合、図3の(d)に示すように、信号端子20
Cの電位が5Vに近い狭い範囲で不安定に変動する状態
となってしまうため、入力回路21Aの場合のように、
通常の変動範囲、水温センサの異常、信号線の断線の3
つのケースから共通接地線の断線を識別できる故障検出
範囲を定めにくい。無理に設定すれば、通常の変動範囲
の上限と5Vの間のごく狭い領域となって、共通接地線
の断線を見逃す可能性や、通常の変動範囲や信号線の断
線と混同する可能性が高まる。
【0028】なお、エンジン回転センサ19の入力回路
22Aでは、抵抗R5を介して入力された信号端子20
Dの電位を抵抗R4で5Vに吊り上げて+側にバイアス
している。このアナログ電圧信号は、比較器A1に入力
して方形波に整形することによりデジタル変換される。
比較器A1は、出力側と+入力の間に配置した抵抗によ
ってヒステリシス特性を付与されており、−入力の電位
が上昇する過程におけるしきい電圧(+入力の電位)H
iは、−入力の電位が下降する過程におけるしきい電圧
Loよりも高くなっている。図4の(a)に示すアナロ
グ電圧信号が入力された比較器A1の出力は、図4の
(c)に示す方形波のパルス信号に整形される。
22Aでは、抵抗R5を介して入力された信号端子20
Dの電位を抵抗R4で5Vに吊り上げて+側にバイアス
している。このアナログ電圧信号は、比較器A1に入力
して方形波に整形することによりデジタル変換される。
比較器A1は、出力側と+入力の間に配置した抵抗によ
ってヒステリシス特性を付与されており、−入力の電位
が上昇する過程におけるしきい電圧(+入力の電位)H
iは、−入力の電位が下降する過程におけるしきい電圧
Loよりも高くなっている。図4の(a)に示すアナロ
グ電圧信号が入力された比較器A1の出力は、図4の
(c)に示す方形波のパルス信号に整形される。
【0029】ところが、共通接地線が故障(断線や接触
不良)した場合、図4の(b)に示すように、信号端子
20Dの電位の比較器A1の−入力電圧がしきい値L0
を下回らなくなり、比較回路の出力は図4の(d)に示
すように0Vに固定されてしまう。一方、信号線が断線
した場合やエンジン回転数センサ19が起電力を喪失し
た場合には、信号端子21Dの電位が0V固定となっ
て、このときの比較回路A1の出力は、ヒステリシス範
囲内のため、0Vまたは5Vのどちらかに固定される。
何故なら、エンジン回転センサ19の出力が0Vのとき
は信号端子20Dの電圧は0Vとなり、比較器A1の−
入力の電圧は(Hi+Lo)/2となるからである。従
って、比較器A1の出力が0V固定または5V固定であ
っても、これを直ちに共通接地線の故障とは判定できな
い。また、仮に共通接地線の故障によって比較器A1の
出力が0Vと5Vの中間レベルの特定範囲になるとして
も、この特定範囲を識別するためには、1個のA/D変
換回路をこの識別専用に追加する必要がある。従って、
本実施例では、A/D変換回路を追加することなく直ち
に異常を識別できる検出信号、中でも故障検知範囲を広
く取れて、間違い少なく共通接地線の断線を識別できる
油温センサ16の検出信号(のA/D変換データ)を用
いている。
不良)した場合、図4の(b)に示すように、信号端子
20Dの電位の比較器A1の−入力電圧がしきい値L0
を下回らなくなり、比較回路の出力は図4の(d)に示
すように0Vに固定されてしまう。一方、信号線が断線
した場合やエンジン回転数センサ19が起電力を喪失し
た場合には、信号端子21Dの電位が0V固定となっ
て、このときの比較回路A1の出力は、ヒステリシス範
囲内のため、0Vまたは5Vのどちらかに固定される。
何故なら、エンジン回転センサ19の出力が0Vのとき
は信号端子20Dの電圧は0Vとなり、比較器A1の−
入力の電圧は(Hi+Lo)/2となるからである。従
って、比較器A1の出力が0V固定または5V固定であ
っても、これを直ちに共通接地線の故障とは判定できな
い。また、仮に共通接地線の故障によって比較器A1の
出力が0Vと5Vの中間レベルの特定範囲になるとして
も、この特定範囲を識別するためには、1個のA/D変
換回路をこの識別専用に追加する必要がある。従って、
本実施例では、A/D変換回路を追加することなく直ち
に異常を識別できる検出信号、中でも故障検知範囲を広
く取れて、間違い少なく共通接地線の断線を識別できる
油温センサ16の検出信号(のA/D変換データ)を用
いている。
【0030】図5を参照してマイコン回路27における
演算処理のフローを説明する。このフローでは、図3の
(b)に示すように、油温ATMPが上限AD1 、下限
AD0 の故障検出範囲か否かを判定し、故障検出範囲と
判断されるごとに異常検出回数NATを1カウントする。
そして、異常検出回数NATが限界値NNGに達したら、断
線フラグNABを1にしてエンジン11と自動変速機12
をフェイルセーフ制御に切り替える。フェイルセーフ制
御は、制御23A、23B、23C等で使用される油温
ATMP、水温ETMP、エンジン回転数NEの各デー
タを、実際の検出信号とは無関係な固定された油温AT
MPF、水温ETMPF、エンジン回転数NEFの各デ
ータにそれぞれ置き換えることで実行される。
演算処理のフローを説明する。このフローでは、図3の
(b)に示すように、油温ATMPが上限AD1 、下限
AD0 の故障検出範囲か否かを判定し、故障検出範囲と
判断されるごとに異常検出回数NATを1カウントする。
そして、異常検出回数NATが限界値NNGに達したら、断
線フラグNABを1にしてエンジン11と自動変速機12
をフェイルセーフ制御に切り替える。フェイルセーフ制
御は、制御23A、23B、23C等で使用される油温
ATMP、水温ETMP、エンジン回転数NEの各デー
タを、実際の検出信号とは無関係な固定された油温AT
MPF、水温ETMPF、エンジン回転数NEFの各デ
ータにそれぞれ置き換えることで実行される。
【0031】ステップ111では、異常検出回数NATと
断線フラグNABをリセットするとともに、他の制御に使
用される変数を初期化する。ステップ112では、断線
フラグNABが1か否かを識別する。断線フラグNABが1
の場合、フェイルセーフ制御が開始されているので、ス
テップ119に進んでそのままフェイルセーフ制御を継
続させる。ステップ113では、図1の入力回路21
A、21BでA/D変換された油温ATMP、水温ET
MPの各データを読み込むとともに、入力回路22Aで
整形されたパルス信号の個数を所定時間カウントしたエ
ンジン回転数NEのデータとして読み込む。
断線フラグNABをリセットするとともに、他の制御に使
用される変数を初期化する。ステップ112では、断線
フラグNABが1か否かを識別する。断線フラグNABが1
の場合、フェイルセーフ制御が開始されているので、ス
テップ119に進んでそのままフェイルセーフ制御を継
続させる。ステップ113では、図1の入力回路21
A、21BでA/D変換された油温ATMP、水温ET
MPの各データを読み込むとともに、入力回路22Aで
整形されたパルス信号の個数を所定時間カウントしたエ
ンジン回転数NEのデータとして読み込む。
【0032】ステップ114では、油温ATMPが故障
検出範囲の下限AD0 に満たないか否かが識別される。
下限AD0 に満たない場合は少なくとも共通接地線の断
線ではないから、ステップ120へ進んで通常の制御が
継続される。ステップ115では、油温ATMPが故障
検出範囲の上限AD1 を越えるか否かが識別される。上
限AD1 を越える場合は、電源トラブルや外部ノイズが
原因である可能性が高く、共通接地線の断線とは考えに
くいから、ステップ120へ進んで通常の制御が継続さ
れる。ステップ114、115を通じて油温ATMPが
故障検出範囲内と判断されるとステップ116へ進む。
ステップ116では、異常検出回数NATのカウントを1
増す。ステップ117では、異常検出回数NATが限界値
NNGに達したか否かを識別する。達している場合はステ
ップ118で断線フラグNABを1とし、ステップ119
で油温ATMP、水温ETMP、エンジン回転数NEを
油温ATMPF、水温ETMPF、エンジン回転数NE
Fに置き換えてステップ120でフェイルセーフ制御を
実行させる。達していない場合はステップ120で通常
の制御を継続させる。
検出範囲の下限AD0 に満たないか否かが識別される。
下限AD0 に満たない場合は少なくとも共通接地線の断
線ではないから、ステップ120へ進んで通常の制御が
継続される。ステップ115では、油温ATMPが故障
検出範囲の上限AD1 を越えるか否かが識別される。上
限AD1 を越える場合は、電源トラブルや外部ノイズが
原因である可能性が高く、共通接地線の断線とは考えに
くいから、ステップ120へ進んで通常の制御が継続さ
れる。ステップ114、115を通じて油温ATMPが
故障検出範囲内と判断されるとステップ116へ進む。
ステップ116では、異常検出回数NATのカウントを1
増す。ステップ117では、異常検出回数NATが限界値
NNGに達したか否かを識別する。達している場合はステ
ップ118で断線フラグNABを1とし、ステップ119
で油温ATMP、水温ETMP、エンジン回転数NEを
油温ATMPF、水温ETMPF、エンジン回転数NE
Fに置き換えてステップ120でフェイルセーフ制御を
実行させる。達していない場合はステップ120で通常
の制御を継続させる。
【0033】実施例の制御装置によれば、油温センサ1
5の検出信号だけを調べて、接地端子20Aを共用する
すべてのセンサについて、共通接地線の経路の断線や接
触不良を正確に識別できる。また、油温センサ15のよ
うな故障検出範囲を設定し易いセンサを選択できるか
ら、共通接地線の断線を検知し損なったり、判断を間違
う可能性が低くなる。これに対して、図6に示すように
各センサごとに接地端子を設けた場合、配線の本数やコ
ネクタピン数が増して機器の小型化が困難になるととも
に、共通接地線の断線を検知しようとすれば、それぞれ
のセンサで検出信号がそれぞれの故障検出範囲にあるか
否かを識別する必要がある。なお、図6に示される各構
成は、センサごとに固有の接地端子を設ける以外は図2
に示される各構成と同一であり、図2と共通の符号を付
して構成や機能の説明を省略している。この場合、水温
センサ15のように故障検出範囲を設定しにくいセンサ
では共通接地線の断線を正確に識別できない。
5の検出信号だけを調べて、接地端子20Aを共用する
すべてのセンサについて、共通接地線の経路の断線や接
触不良を正確に識別できる。また、油温センサ15のよ
うな故障検出範囲を設定し易いセンサを選択できるか
ら、共通接地線の断線を検知し損なったり、判断を間違
う可能性が低くなる。これに対して、図6に示すように
各センサごとに接地端子を設けた場合、配線の本数やコ
ネクタピン数が増して機器の小型化が困難になるととも
に、共通接地線の断線を検知しようとすれば、それぞれ
のセンサで検出信号がそれぞれの故障検出範囲にあるか
否かを識別する必要がある。なお、図6に示される各構
成は、センサごとに固有の接地端子を設ける以外は図2
に示される各構成と同一であり、図2と共通の符号を付
して構成や機能の説明を省略している。この場合、水温
センサ15のように故障検出範囲を設定しにくいセンサ
では共通接地線の断線を正確に識別できない。
【0034】また、共通接地線の軽度の断線や接触不良
でセンサ自体の機能には問題が無い場合には、限界値N
NGの範囲でフェイルセーフ制御の開始が猶予されるか
ら、共通接地線の状態さえ回復すれば、通常の制御が継
続されて何の違和感も無く快適な運転を継続できる。
でセンサ自体の機能には問題が無い場合には、限界値N
NGの範囲でフェイルセーフ制御の開始が猶予されるか
ら、共通接地線の状態さえ回復すれば、通常の制御が継
続されて何の違和感も無く快適な運転を継続できる。
【0035】なお、マイコン回路27は発明の演算手
段、マイコン回路27内の図示しないメモリは発明の記
憶手段、ステップ114、115は発明の入力レベル識
別手段、ステップ116、117、118は発明の故障
判断手段にそれぞれ相当する。油温センサ16は、発明
の識別の対象となるセンサに相当する。ステップ119
は、発明の安全設定手段に相当する。
段、マイコン回路27内の図示しないメモリは発明の記
憶手段、ステップ114、115は発明の入力レベル識
別手段、ステップ116、117、118は発明の故障
判断手段にそれぞれ相当する。油温センサ16は、発明
の識別の対象となるセンサに相当する。ステップ119
は、発明の安全設定手段に相当する。
【0036】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、共通接地線の
故障に固有な故障検出範囲を設定しているから、共通接
地線の故障を正確に識別でき、正常な状態や信号線の断
線と混同する心配が少ない。また、故障を判断している
期間もセンサの状態が通常どおりに維持されるからセン
サの動作や寿命に悪影響が無い。さらに、故障の判断機
能は、演算手段の外に回路を追加することなく、演算手
段におけるわずかなプログラム変更によって実現される
から、車両用演算装置が小型化され、既存の車両用制御
装置をそのまま使用することも可能である。また、信号
線の断線か共通接地線の故障かが判別できるから、修理
を間違い無く短時間で実行できる等、サービス性が向上
する。
故障に固有な故障検出範囲を設定しているから、共通接
地線の故障を正確に識別でき、正常な状態や信号線の断
線と混同する心配が少ない。また、故障を判断している
期間もセンサの状態が通常どおりに維持されるからセン
サの動作や寿命に悪影響が無い。さらに、故障の判断機
能は、演算手段の外に回路を追加することなく、演算手
段におけるわずかなプログラム変更によって実現される
から、車両用演算装置が小型化され、既存の車両用制御
装置をそのまま使用することも可能である。また、信号
線の断線か共通接地線の故障かが判別できるから、修理
を間違い無く短時間で実行できる等、サービス性が向上
する。
【0037】請求項2の発明によれば、共通接地線の軽
度の断線や瞬時に回復する接触不良では直ちには故障の
判断を行わないから、不必要なフェイルセーフ制御を開
始して自動車の運転感覚を損なう心配が無い。
度の断線や瞬時に回復する接触不良では直ちには故障の
判断を行わないから、不必要なフェイルセーフ制御を開
始して自動車の運転感覚を損なう心配が無い。
【0038】請求項3の発明によれば、正常な状態や信
号線の断線に相当する電圧範囲からある程度離して、故
障検出範囲の幅を広く確保できるから、共通接地線の故
障をさらに正確に識別できる。
号線の断線に相当する電圧範囲からある程度離して、故
障検出範囲の幅を広く確保できるから、共通接地線の故
障をさらに正確に識別できる。
【0039】請求項4の発明によれば、データの置き換
えによってフェイルセーフ制御を実行するから、特別な
フェイルセーフプログラムの追加が不要である。
えによってフェイルセーフ制御を実行するから、特別な
フェイルセーフプログラムの追加が不要である。
【図1】エンジンと自動変速機の制御システムの構成の
説明図である。
説明図である。
【図2】入力回路の説明図である。
【図3】接地線の経路に異常が発生した場合の検出信号
の変化の説明図である。
の変化の説明図である。
【図4】接地線の経路に異常が発生した場合の検出信号
の変化の説明図である。
の変化の説明図である。
【図5】接地線の断線検出処理のフローチャートであ
る。
る。
【図6】図2と対比させた比較例の説明図である。
11 エンジン 12 自動変速機 13 スロットルバルブ 14 スロットルセンサ 15 水温センサ 16 油温センサ 17 車速センサ 18 インヒビタスイッチ 19 エンジン回転センサ 20 制御装置 20A 接地端子 20B、20C、20D 信号端子 21A、21B、22A 入力回路 23A、23B、23C 制御 25 断線検出 26 強制設定
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年7月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01M 17/007 G01M 17/00 J
Claims (4)
- 【請求項1】 アナログ電圧の検出信号を発生する複数
のセンサの信号線がそれぞれ接続される複数の信号端子
と、 前記複数のセンサに共通の共通接地線を接続した接地端
子と、 それぞれの前記信号端子と前記接地端子の間に現れた前
記検出信号をそれぞれデジタル変換する複数の入力回路
と、 それぞれデジタル変換された複数の前記検出信号を入力
して必要な演算処理を実行する演算手段とを有する車両
用制御装置において、 前記検出信号における通常の変動範囲の外側であって、
前記信号線が断線した際に現れる前記検出信号のレベル
とも異なる電圧範囲に予め設定した故障検出範囲を記憶
する記憶手段と、 デジタル変換された前記検出信号を検知して前記故障検
出範囲にあるか否かを識別する入力レベル識別手段と、 この入力レベル識別手段の識別結果に基づいて前記共通
接地線の故障を判断する故障判断手段とを前記演算手段
に設けたことを特徴とする車両用制御装置。 - 【請求項2】 前記故障判断手段は、前記入力レベル識
別手段による識別を所定時間ごとに繰り返し実行し、前
記検出信号が前記故障検出範囲にある累計回数が所定の
限界値に達した場合に初めて前記共通接地線の故障と判
断することを特徴とする車両用制御装置。 - 【請求項3】 前記入力レベル識別手段による前記識別
の対象となる前記センサは、その信号端子が前記入力回
路内で接地電位と電源電位にそれぞれ抵抗を介して接続
され、前記一対の抵抗によって電源電位を分割した電位
を境とする一方の側に前記通常の変動範囲を持つセンサ
であることを特徴とする請求項1または2記載の車両用
制御装置。 - 【請求項4】 前記演算手段は、前記演算手段に入力さ
れる複数の検出信号について、前記信号端子と前記接地
端子の間に現れた検出信号に基づくデータを、この検出
信号のレベルと無関係であって前記制御を安全側に働か
せ得るデータと強制的に置き換える安全設定手段を含む
ことを特徴とする請求項1、2または3記載の車両用制
御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7166931A JPH08338296A (ja) | 1995-06-08 | 1995-06-08 | 車両用制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7166931A JPH08338296A (ja) | 1995-06-08 | 1995-06-08 | 車両用制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08338296A true JPH08338296A (ja) | 1996-12-24 |
Family
ID=15840320
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7166931A Pending JPH08338296A (ja) | 1995-06-08 | 1995-06-08 | 車両用制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08338296A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7869172B2 (en) | 2008-01-08 | 2011-01-11 | Mitsubishi Electric Corporation | Digital controller |
CN103728129A (zh) * | 2012-10-16 | 2014-04-16 | 重庆长安汽车股份有限公司 | At变速器油温试验方法 |
CN106768966A (zh) * | 2017-01-11 | 2017-05-31 | 北京公共交通控股(集团)有限公司 | 一种选档器测试系统 |
JP2019203693A (ja) * | 2018-05-21 | 2019-11-28 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 電子制御装置 |
-
1995
- 1995-06-08 JP JP7166931A patent/JPH08338296A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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