JPH08338232A - 内燃機関の触媒劣化判別装置 - Google Patents

内燃機関の触媒劣化判別装置

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JPH08338232A
JPH08338232A JP7144690A JP14469095A JPH08338232A JP H08338232 A JPH08338232 A JP H08338232A JP 7144690 A JP7144690 A JP 7144690A JP 14469095 A JP14469095 A JP 14469095A JP H08338232 A JPH08338232 A JP H08338232A
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fuel ratio
air
engine
deterioration
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 触媒の劣化判別実施頻度を減少させることな
く、正確に触媒劣化の有無を判別する。 【構成】 内燃機関1の触媒コンバータ12上流側と下
流側排気通路にそれぞれO2 センサ13、15を配置す
る。制御回路10はO2 センサ13、15の出力に基づ
いて機関空燃比を理論空燃比にフィードバック制御する
とともに、フィードバック制御実施中にO2 センサ1
3、15の出力軌跡長に基づいて触媒劣化の有無を判別
する。制御回路は、機関吸入空気量から現在の触媒温度
を推定し、この触媒温度に基づいて劣化判別を実施する
吸入空気量の範囲を設定する。また、制御回路はエアフ
ローメータ3で検出した吸入空気量が上記により設定し
た劣化判別吸入空気量の範囲内にある場合にのみO2
ンサ出力軌跡長による触媒劣化判別を実施する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、少なくとも触媒コンバ
ータ上流側の空燃比センサ出力に基づいて機関空燃比を
目標空燃比にフィードバック制御するとともに、少なく
とも触媒コンバータ下流側の空燃比センサ出力に基づい
て触媒コンバータの劣化の有無を判別する内燃機関の触
媒劣化判別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の排気系の触媒コンバータの上
流側と下流側との排気通路にそれぞれ空燃比センサを配
置し、少なくとも上流側の空燃比センサ出力に基づいて
機関空燃比を理論空燃比に制御するとともに、下流側空
燃比センサ出力に基づいて触媒劣化の有無を判別する技
術が知られている。
【0003】三元触媒は、通過する排気空燃比が理論空
燃比よりリーン空燃比側のときに排気中の酸素を吸着
し、通過する排気空燃比が理論空燃比よりリッチ空燃比
側のときに吸着した酸素を放出するO2 ストレージ作用
を行う。このため、触媒コンバータ上流側の排気空燃比
が比較的短い周期でリーン空燃比とリッチ空燃比との間
で変動を繰り返しているような場合でも、三元触媒が正
常であれば、触媒コンバータ通過後の排気の空燃比変動
は触媒のO2 ストレージ作用により緩和され、触媒下流
側の排気空燃比は理論空燃比近傍に維持される。このた
め、三元触媒が正常であれば、下流側空燃比センサ出力
の振幅は小さく変動周期は長くなる。
【0004】一方、触媒のO2 ストレージ作用は触媒の
劣化に応じて低下するため、三元触媒が劣化すると触媒
コンバータが吸着可能な酸素量が少なくなり触媒コンバ
ータ下流側の排気空燃比の変動は触媒コンバータ上流側
での排気空燃比の変動に近づくようになる。すなわち、
触媒に流入する排気空燃比がリッチ空燃比側に振れてい
る場合には触媒から吸着した酸素が放出されるが、O2
ストレージ作用が低下していると触媒が吸着できる酸素
量が低下するため、流入排気空燃比がリッチになると劣
化触媒では吸着した酸素を短時間で放出し尽くしてしま
い、その後は流入する排気空燃比がリッチ空燃比側に振
れていても酸素を放出できなくなる。このため、触媒が
酸素を放出し尽くした後は触媒下流側の排気空燃比もリ
ッチ空燃比側に振れるようになる。また、流入排気空燃
比がリーン空燃比側に振れている場合にも、劣化触媒で
は吸着可能な最大酸素量が低下しているため、触媒の酸
素吸着量が短時間で飽和してしまい、その後は流入する
排気空燃比がリーン空燃比側に振れていても排気中の酸
素を吸着できなくなり、触媒下流側の排気空燃比もリー
ン空燃比側に振れるようになる。すなわち、三元触媒が
劣化すると下流側空燃比センサ出力の振幅は大きく、変
動周期は短くなり上流側空燃比センサ出力の振幅と周期
とに近づくようになるのである。
【0005】従って、機関空燃比が理論空燃比を中心と
してリーン空燃比側とリッチ空燃比側との間を比較的短
い周期で規則的に変動しているような場合には、下流側
空燃比センサ出力を監視することにより三元触媒の劣化
の有無を判別することができる。特公平7−26578
号公報は、上記O2 ストレージ作用の低下を検出して触
媒の劣化判別を行う触媒劣化判別装置を開示している。
【0006】同公報は、空燃比センサとして排気空燃比
がリッチかリーンかに応じて異なる出力電圧を発生する
2 センサを触媒の上流側と下流側とに配置し、空燃比
フィードバック制御中の下流側O2 センサ出力のリッ
チ、リーンの反転周期が所定値より短くなった場合に触
媒が劣化したと判定するようにしたものである。また、
同公報では、誤判定を防止するために、機関1回転当た
りの吸入空気量が所定の劣化判別実施領域内にある場合
にのみ触媒劣化判別を行うようにしている。
【0007】触媒からの酸素放出量は、O2 ストレージ
作用のレベルが同一であっても排気流量に応じて変化す
る。すなわち、O2 ストレージ作用のレベルが同一であ
っても排気流量が大きければ単位時間当たりの触媒の酸
素吸放出量は大きくなる。このため、排気流量が過大な
状態ではO2 ストレージ作用が低下していない正常な触
媒であっても、流入排気空燃比がリッチ空燃比側に振れ
ている間に短時間で酸素を放出し尽くしてしまい、その
後は酸素を放出できなくなる。また、同様に排気流量か
過大な状態では、O2 ストレージ作用が低下していない
正常な触媒であっても、流入排気空燃比がリーン空燃比
側に振れている間に短時間に触媒が飽和してしまい、そ
の後は排気中の酸素を吸着できなくなる。このため、排
気流量が過大な場合には、触媒が正常であっても下流側
空燃比センサ出力は上流側空燃比センサ出力と同様に変
動するようになってしまい、正常な触媒が劣化したと誤
判定される場合が生じる。
【0008】また、逆に排気流量が過少な状態では、単
位時間当たりの触媒からの酸素の吸放出量が低下するた
め、O2 ストレージ作用の低下した劣化触媒であっても
流入排気空燃比がリッチ空燃比側に振れている間に吸着
した酸素の全量を放出できず、流入排気空燃比がリーン
空燃比側に振れている間には飽和量まで酸素を吸着でき
なくなる。このため、排気流量が過少な状態では劣化し
た触媒であっても下流側空燃比センサの出力変動は小さ
くなり、劣化した触媒が正常であると誤判定される場合
が生じる。
【0009】上記特公平7−26578号公報の装置
は、上記排気流量の変動による誤判定を防止するため、
排気流量が所定の診断領域にある場合にのみ触媒劣化判
別を実施するようにしたものである。一方、触媒のO2
ストレージ作用は触媒の劣化の程度だけでなく、触媒温
度により大きく変化する問題がある。すなわち、触媒の
2 ストレージ作用は触媒が劣化するにつれて低下する
が、劣化の程度が同一の触媒では触媒温度が高いほどO
2 ストレージ作用が高く、触媒温度が低いほどO2 スト
レージ作用が低くなる。このため、触媒温度が異なる条
件で下流側空燃比センサ出力に基づいて触媒劣化検出を
行うと、同一の触媒であっても下流側空燃比センサ出力
の変動の様子が異なってくることになり、触媒の劣化を
正確に判別できない場合が生じる。
【0010】例えば、劣化の程度が低くまだ十分に使用
することができる触媒は、高温状態で劣化判別を行えば
正常と判定されるが、低温状態で劣化判別を行うと低温
によるO2 ストレージ作用の低下のために劣化している
と誤判定されてしまう場合がある。また、逆に劣化が進
み交換が必要な触媒であっても高温時にはO2 ストレー
ジ作用が増大するため、高温状態で劣化判別を行うと劣
化しているにもかかわらず正常と誤判定されてしまう場
合が生じるのである。
【0011】この問題を解決するために、特開平5−2
48227号公報は、触媒温度により触媒劣化判別に用
いる判別値を変更するようにした触媒劣化判別装置を開
示している。同公報の触媒劣化判別装置は、特公平7−
26578号公報の装置と同様に空燃比フィードバック
制御中の下流側O2 センサ出力のリッチ、リーン反転周
期、または上流側O2 センサ出力の軌跡で囲まれる面積
と下流側O2 センサ出力の軌跡で囲まれる面積との差が
所定の判別値以下になった場合に触媒が劣化したと判定
するようにするとともに、触媒温度によるO2 ストレー
ジ作用の変化のために誤判定が生じることを防止するた
め、上記劣化判定に用いる判別値を触媒温度に応じて変
更するようにしたものである。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記特開平
5−248227号公報の装置のように劣化判定の判別
値を触媒温度に応じて変更しただけでは触媒の劣化を正
確に判定できない場合が生じる。例えば、前述したよう
に触媒からの酸素吸放出量は排気流量に応じて変動する
ため、劣化判別中に排気流量が変動した場合には触媒温
度によって判別値を変更するだけでなく、排気流量によ
っても判別値を変更しない限り正確な劣化判別はできな
い。また、触媒劣化を判別するためにはある程度の時間
下流側空燃比センサ出力をモニターする必要があるが、
モニター中に触媒温度が変動した場合にはモニター終了
後の劣化判別時の温度に基づいて判別値を決定しても正
確な劣化判別ができない問題がある。
【0013】また、下流側空燃比センサ出力のリッチ、
リーンの反転周期やセンサ出力軌跡で囲まれる面積は、
触媒の劣化程度が同一であっても排気流量およびO2
ンサの応答性等によって大きくばらつくため、もともと
ばらつきの大きい領域では判別値を触媒温度に応じて変
更するようにしても誤判定を防止することはできない。
【0014】一方、触媒劣化判別を上記のような問題が
生じない運転状態(例えば、触媒温度や排気流量が、判
定結果にばらつきを生じない領域である程度の時間一定
に維持されている状態)の時にのみ実行するようにすれ
ば、誤判定を防止して正確な触媒劣化判別を行うことが
可能となる。しかし、実際の運転ではこのような条件が
長時間継続することはまれであるため、触媒劣化判別を
このような条件が成立した場合にのみ行うようにしたの
では触媒劣化判別の実施頻度が大幅に減少し、触媒の劣
化を早期に検出できなくなる問題が生じる。
【0015】本発明は上記問題に鑑み、触媒劣化判別の
実施頻度を高く維持しつつ、しかも誤判定を防止して正
確に触媒劣化有無の判別を行うことが可能な内燃機関の
触媒劣化判別装置を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、内燃機
関の排気通路に配置された、O2 ストレージ作用を有す
る三元触媒と、前記三元触媒の上流側の排気通路に配置
され、前記三元触媒上流側の排気空燃比を検出する上流
側空燃比センサと、前記三元触媒の下流側の排気通路に
配置され、前記三元触媒下流側の排気空燃比を検出する
下流側空燃比センサと、少なくとも前記上流側空燃比セ
ンサの出力に基づいて、機関空燃比を目標空燃比にフィ
ードバック制御する空燃比フィードバック制御手段と、
前記三元触媒の温度を検出する触媒温度検出手段と、機
関吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段と、前記空
燃比フィードバック制御実施中に、機関吸入空気量が所
定の判別実行領域内になったときに、少なくとも前記下
流側空燃比センサ出力に基づいて前記三元触媒の劣化の
有無を判別する劣化判別手段と、前記触媒温度検出手段
により検出された三元触媒の温度に応じて、機関吸入空
気量の前記判別実行領域を設定する領域設定手段と、を
備えた内燃機関の触媒劣化判別装置が提供される。
【0017】
【作用】領域設定手段は触媒温度に応じて、劣化判別手
段が触媒劣化有無を判別する機関吸入空気量領域を設定
する。機関吸入空気量領域は、触媒温度毎に下流側空燃
比センサ出力に基づく触媒劣化有無の判定結果のばらつ
きが少なくかつ劣化の有無が明確に判定できる領域が設
定される。
【0018】
【実施例】以下、添付図面を用いて本発明の実施例につ
いて説明する。図1は、本発明を自動車用内燃機関に適
用した場合の実施例の全体概略構成を示す図である。図
1において、1は内燃機関本体、2aは機関1の各気筒
の吸気ポートに接続された吸気マニホルド、11は各気
筒の排気ポートに接続された排気マニホルドをそれぞれ
示している。
【0019】吸気マニホルド2aは共通のサージタンク
2bを介して吸気通路2に接続されている。図1に3で
示したのは機関1の吸入空気量を検出するエアフローメ
ータである。エアフローメータ3は、例えばポテンショ
メータを内蔵した可動ベーン式のものが使用され、吸入
空気量に比例した電圧信号を発生する。また、吸気通路
2には運転者のアクセルペダルの操作量に応じた開度を
とるスロットル弁16が設けられ、更にスロットル弁1
6近傍には、スロットル弁16が全閉時にアイドル状態
信号(LL信号)を発生するアイドルスイッチ17が設
けられている。
【0020】図1に7で示すのは、吸気マニホルド2a
の各気筒の吸気ポート近傍に配置された燃料噴射弁であ
る。燃料噴射弁7は、後述する制御回路10からの信号
に応じて開弁し、加圧燃料を各気筒の吸気ポート毎に噴
射する。燃料噴射弁7からの燃料噴射量制御については
後述する。排気マニホルド11は共通の排気管を介して
触媒コンバータ12に接続されている。触媒コンバータ
12は、三元触媒を内蔵し排気中のHC、CO、NOX
の3成分を同時に浄化することができる。また、触媒コ
ンバータ12の上流側、すなわち排気マニホルド11の
排気集合部には上流側空燃比センサ13が、触媒コンバ
ータ12の下流側排気管14には下流側空燃比センサ1
5がそれぞれ設けられている。本実施例では空燃比セン
サ13、15として排気中の酸素成分濃度に応じた電圧
信号を発生するO2 センサが用いられている。すなわ
ち、O2 センサ13、15はそれぞれ排気空燃比が理論
空燃比に対してリーン空燃比側かリッチ空燃比側かに応
じて異なる出力電圧を発生する。
【0021】図1に18で示すのは、排気系に二次空気
を導入するための二次空気導入弁(ASV)である。二
次空気導入弁18は機関減速時、アイドル運転時等に排
気マニホルド11に二次空気を導入してHC、COエミ
ッションを低減する操作を行う。更に、機関1の点火デ
ィストリビュータ4には、それぞれ機関クランク軸の一
定回転毎にパルス信号を発生する2つのクランク角セン
サ5、6が設けられている。本実施例では、クランク角
センサ5は例えば特定気筒が圧縮上死点に到達する毎に
(すなわちクランク回転角720°毎に)基準位置検出
用パルス信号を出力し、クランク角センサ6は例えばク
ランク回転角30°毎にクランク回転角検出用のパルス
信号を出力する。
【0022】また、機関1のシリンダブロックのウォー
タジャケット8には機関冷却水温度に応じたアナログ電
圧を出力する冷却水温度センサ9が設けられている。制
御回路10は、例えば入出力インターフェイス102、
CPU103、ROM104、RAM105、を相互に
双方向性バスで接続した公知の構成のマイクロコンピュ
ータとされ、更にマルチプレクサ内蔵型AD変換器10
1、電源に直接接続されエンジンスイッチがオフの状態
でも記憶内容を保持可能なバックアップRAM106、
クロック発生回路107等を備えている。
【0023】制御回路10は、機関の燃料噴射制御、点
火時期制御等の基本制御を行う他、本実施例では、後述
するように上流側O2 センサ13と下流側O2 センサ1
5の出力に基づく空燃比フィードバック制御と触媒12
の劣化判定とを行っている。これらの制御を実行するた
め、制御回路10にはAD変換器101を介してエアフ
ローメータ3からの機関吸入空気量信号、冷却水温度セ
ンサ9からの冷却水温度信号、O2 センサ13、15か
らの空燃比信号がそれぞれ入力されている他、入出力イ
ンターフェイス102を介してクランク回転角センサ
5、6からのパルス信号、アイドルスイッチ17からの
アイドル信号等が入力されている。
【0024】なお、機関吸入空気量信号、冷却水温度信
号は、一定時間毎に実行されるAD変換ルーチンによっ
て取り込まれ、RAM105の所定領域にそれぞれ機関
吸入空気量データQ、冷却水温度データTHWとして格
納される。また、クランク回転角センサ6のパルス信号
が入力する毎に、そのパルス間隔から図示しないルーチ
ンにより機関回転速度が算出され、RAM105の所定
領域に機関回転数データNeとして格納される。
【0025】一方、制御回路10は入出力インターフェ
イス102を介して燃料噴射弁7に接続され、燃料噴射
弁7からの燃料噴射を制御している。図1に108、1
09、110で示したのは、それぞれ燃料噴射弁7から
の燃料噴射量を制御するための、ダウンカウンタ、フリ
ップフロップ、駆動回路である。すなわち、後述するル
ーチンにおいて燃料噴射量(時間)TAUが算出される
と、燃料噴射時間TAUがダウンカウンタ108にプリ
セットされるとともに、フリップフロップ109がセッ
トされ、駆動回路110が燃料噴射弁7の駆動信号を出
力する。これにより燃料噴射弁7は開弁し燃料噴射が開
始される。ダウンカウンタ108はクロック107のク
ロック信号を計数してプリセットされた時間TAUが経
過するとフリップフロップ109にセット信号を出力す
る。これにより、フリップフロップ109がセットされ
るため、駆動回路110は燃料噴射弁7の駆動信号を停
止し、燃料噴射弁7は閉弁する。従って演算された燃料
噴射時間TAUに相当する時間だけ燃料噴射弁7が開弁
し、TAUに相当する量の燃料が燃料噴射弁7から機関
1に噴射されることになる。
【0026】また、制御回路10は入出力インターフェ
イス102を介して前述の2次空気導入弁18、及び触
媒劣化時に付勢されるアラーム19に接続されている。
本実施例では、後述するように、機関運転状態から間接
的に三元触媒12の温度を検出して、触媒温度に応じて
設定される排気流量(吸入空気量)領域で機関が運転さ
れているときに、上流側O2 センサ出力軌跡長LVOM
と下流側O2 センサ出力軌跡長LVOSとの比LVOS
/LVOMの値に基づいて触媒12の劣化有無を判断す
る。図2は、空燃比フィードバック制御中の上流側O2
センサ13出力VOMと下流側O2 センサ15出力VO
Sの、触媒劣化による変化を模式的に示す図である。図
2(A) は、触媒が正常な場合のVOM、VOSの変化を
示している。前述のように、触媒が正常な場合には、触
媒に流入する排気空燃比が空燃比フィードバック制御に
より周期的にリーンとリッチとに変動していた場合で
も、触媒のO2 ストレージ作用により触媒下流側での排
気空燃比の変動は緩和され、触媒下流側の排気空燃比
は、後述する第2の空燃比フィードバック制御の影響
で、長い周期で緩やかにリーンとリッチとの間で変動す
る。従って、上流側O2 センサ出力VOMと下流側O2
センサ出力VOSとの変化は図2(A) に示したようにな
る。この場合、VOMとVOSとの軌跡の長さLVO
M、LVOS(図2(A) 参照)を比較すると、VOMは
比較的短周期の変動が繰り返されるため軌跡長LVOM
は大きくなり、一方VOMの変動周期は極めて長いため
軌跡長LVOSは小さくなる。従って、触媒が正常であ
ればLVOSとLVOMとの比LVOS/LVOMは極
めて小さな値になる。
【0027】一方、触媒が劣化してO2 ストレージ作用
が低下すると、触媒が吸着できる酸素の量が減少するた
め、流入する排気空燃比がリッチ空燃比側に振れている
途中で触媒が吸着した酸素の全量を放出し、また、リー
ン空燃比側に振れている途中で吸着酸素量が飽和するた
め下流側の排気空燃比も上流側と同様に比較的短い周期
で変動するようになる。このため、触媒が劣化するにつ
れて下流側O2 センサ出力VOSの変動周期は短くな
り、触媒が大幅に劣化した状態では図2(B) に示すよう
に、下流側O2 センサ出力VOSも上流側O2 センサ出
力VOSと同様に変動するようになる。従って、下流側
2 センサ出力と上流側O2 センサ出力の軌跡長比LV
OS/LVOMは触媒が劣化するにつれて増大し1.0
に近づくようになる。
【0028】本実施例では、制御回路10は後述するよ
うに下流側O2 センサ出力の軌跡長LVOSと上流側O
2 センサ出力の軌跡長LVOMとを算出し、これらの軌
跡長の比軌LVOS/LVOMが予め定めた所定値以上
になった場合に触媒が劣化したと判定し、LVOS/L
VOMが上記所定値以下の場合に触媒が正常であると判
定する。
【0029】上述のように、本実施例の触媒劣化判別
は、触媒に流入する空燃比が周期的に理論空燃比を中心
としてリッチ空燃比側とリーン空燃比側とにフィードバ
ック制御されていることが必要とされる。そこで、触媒
の劣化検出について説明する前に、その前提となる本実
施例の空燃比フィードバック制御についてまず簡単に説
明する。
【0030】図3は本実施例の燃料噴射量演算ルーチン
を示すフローチャートである。本ルーチンは、制御回路
10により一定クランク回転角毎(例えば360°毎)
に実行される。図3のルーチンでは、燃料噴射量、すな
わち燃料噴射弁7の燃料噴射時間TAUが、機関1回転
当たりの吸入空気量Q/Neと、後述する空燃比補正係
数FAFとに基づいて算出される。
【0031】すなわち、図3のルーチンでは、吸入空気
量データQ、回転数データNeをRAM105の所定領
域から読み込み、機関1回転当たりの吸入空気量Q/N
eを算出する(ステップ301)とともに、基本燃料噴
射時間TAUPを、 TAUP=α×Q/Ne として算出する(ステップ302)。ここで、基本燃料
噴射時間TAUPは燃焼室に供給される混合気を理論空
燃比とするために必要とされる燃料噴射時間であり、α
は定数である。
【0032】また、実際の燃料噴射時間TAUは、上記
TAUPを空燃比補正係数FAFで補正した値、 TAU=TAUP×FAF×β+γ として算出される(ステップ303)。ここで、β、γ
はそれぞれ機関運転状態に応じて決定される定数であ
る。また、上記により燃料噴射時間TAUが算出される
とステップ304では時間TAUがダウンカウンタ10
8にセットされ、時間TAUに応じた量の燃料が燃料噴
射弁7から噴射される。
【0033】次に、ステップ303の空燃比補正係数F
AFの算出について説明する。空燃比補正係数FAFは
上流側O2 センサ13出力に基づく第1の空燃比フィー
ドバック制御と下流側O2 センサ15出力に基づく第2
の空燃比フィードバック制御とにより算出される。図
4、図5は上流側O2 センサ13出力に基づく第1の空
燃比フィードバック制御を示すフローチャートである。
本ルーチンは制御回路10により一定時間間隔(例えば
4ms毎)で実行される。
【0034】本ルーチンでは、上流側O2 センサ13の
出力VOMを比較電圧VR1(理論空燃比相当電圧)と比
較し、触媒コンバータ上流側での排気空燃比が理論空燃
比よりリッチ(VOM>VR1)のときには空燃比補正量
FAFを減少させ、リーン(VOM≦VR1)のときには
FAFを増大させる制御を行う。O2 センサは排気空燃
比が理論空燃比よりリッチ空燃比側のときに、例えば
0.9ボルトの電圧信号を出力し、排気空燃比が理論空
燃比よりリーン空燃比側のときに例えば0.1ボルト程
度の電圧信号を出力する。本実施例では、上記比較電圧
R1は0.45ボルト程度に設定される。上記のように
空燃比補正量FAFを排気空燃比に応じて増減すること
により、エアフローメータ3、や燃料噴射弁7等の燃料
供給系の機器に多少の誤差が生じている場合でも機関空
燃比は正確に理論空燃比近傍に修正される。
【0035】以下、図4、図5のフローチャートを簡単
に説明すると、ステップ401はフィードバック制御実
行条件が成立しているか否かの判定を示す。フィードバ
ック制御実行条件は、例えば、O2 センサが活性化して
いること、機関暖機が完了していること、フュエルカッ
トから復帰後所定時間が経過していること、二次空気導
入弁18から二次空気が供給されていないこと等であ
り、実行条件が成立している時にのみステップ402以
下のFAF算出が行われる。フィードバック制御実行条
件が成立していない場合には、ルーチンは図5、ステッ
プ425に進み、フラグXMFBの値を0にセットして
ルーチンを終了する。フラグXMFBは第1の空燃比フ
ィードバック制御を実行中か否かを示すフラグであり、
XMFB=0は第1の空燃比フィードバック制御が停止
されていることを意味する。
【0036】ステップ402から415は空燃比の判定
を示す。ステップ409と415とに示すフラグF1
は、機関空燃比がリッチ(F1=1)かリーン(F1=
0)かを表す空燃比フラグであり、F1=0からF1=
1(リーンからリッチ)への切換えは上流側O2 センサ
13が所定時間(TDR)以上継続してリッチ信号(V
OM >VR1)を出力したときに(ステップ403、4
10から415)、またF1=1からF1=0(リッチ
からリーン)への切換えは上流側O2 センサ13が所定
時間(−TDL)以上継続してリーン信号(VOM
R1)を出力したときに行われる(ステップ403から
409)。CDLYは空燃比フラグ切換えタイミングを
判定するためのカウンタである。
【0037】図5ステップ416から423では、上記
により設定されたフラグF1の値に応じてFAFの増減
を行う。すなわち、今回ルーチン実行時のF1の値と前
回ルーチン実行時のF1の値を比較して、F1の値が変
化したか、つまり空燃比がリッチからリーン、またはリ
ーンからリッチに反転したかを判断する(ステップ41
6)。そして、現在のF1の値がF1=0(リーン)の
場合には、先ずF1=1からF1=0(リッチからリー
ン)に変化(反転)した直後に比較的大きな値RSRだ
けFAFをスキップ的に増大させ(ステップ417、4
18)、その後はF1=0である間はルーチン実行毎に
比較的小さな値KIRずつ徐々にFAFを増大させる
(ステップ420、421)。同様に、現在のF1の値
がF1=1(リッチ)の場合には、先ずF1=0からF
1=1(リーンからリッチ)に反転した直後にスキップ
的にRSLだけFAFを減少させ(ステップ417、4
19)、その後はF1=1である間はルーチン実行毎に
KILずつ徐々にFAFを減少させる(ステップ42
0、422)。また、上記により算出したFAFの値を
最大値(本実施例ではFAF=1.2)と最小値(本実
施例ではFAF=0.8)で定まる範囲を越えないよう
にガードした後(ステップ423)、フラグXMFBの
値を1にセットして(ステップ424)本ルーチンは終
了する。
【0038】次に、下流側O2 センサ15出力に基づく
第2の空燃比フィードバック制御について説明する。図
6、図7は第2の空燃比フィードバック制御ルーチンを
示している。本ルーチンは制御回路10により、第1の
空燃比フィードバック制御より長い所定間隔(例えば5
00ms毎)で実行される。本ルーチンでは、下流側O
2 センサ15の出力VOSを比較電圧VR2(理論空燃比
相当電圧、例えば0.45ボルト)と比較し、触媒コン
バータ下流側での排気空燃比が理論空燃比よりリッチ
(VOS>VR2)のときには第1の空燃比フィードバッ
ク制御で用いる補正量RSR(図5ステップ418)を
減少させるとともにRSL(図5ステップ419)を増
大させる。また、触媒コンバータ下流側での排気空燃比
が理論空燃比よりリーン(VOS≦VR2)の時には補正
量RSRを増大させるとともにRSLを減少させる操作
を行う。これにより、触媒コンバータ下流側で排気空燃
比がリッチの場合には第1の空燃比フィードバック制御
ではFAFの値は全般的に小さく設定されるようにな
り、逆に下流側での排気空燃比がリッチの場合にはFA
Fの値は全般的に大きく設定されるようになる。このた
め、上流側O2 センサ13が劣化したり特定の気筒の排
気の影響を強く受けたために上流側O2 センサ13出力
が実際の排気空燃比からずれたような場合でもFAFの
値は下流側O2 センサ15出力に基づいて補正されるの
で、機関空燃比は正確に理論空燃比に維持される。
【0039】以下、図6、図7のフローチャートを簡単
に説明すると、図6ステップ601から606はフィー
ドバック制御実行条件が成立しているか否かの判定を示
す。第2の空燃比フィードバック制御の実行条件は、第
1の空燃比フィードバック制御が実行中(XMFB=
1)であること(ステップ601)、機関暖機が完了し
ていること(冷却水温度THWが所定値(例えば70
℃)以上であること)(ステップ602)、機関がアイ
ドル運転中でないこと(アイドルスイッチ17からのL
L信号が入力していないこと)(ステップ603)、二
次空気が導入されていないこと(ステップ604)、お
よび機関負荷(機関一回転当たりの吸入空気量Q/N
e)が所定値以上であること(ステップ605)、下流
側O2 センサが活性化していること(ステップ60
6)、が条件とされる。上記条件のいずれか1つでも成
立していなかった場合には、第二の空燃比フィードバッ
ク制御は実行されず、ステップ619でフラグXSFB
の値を0にセットした後ルーチンを終了する。フラグX
SFBは第2の空燃比フィードバック制御を実行中か否
かを示すフラグであり、XSFB=0は第2の空燃比フ
ィードバック制御が停止されていることを意味する。
【0040】ステップ601から606の全ての条件が
成立していた場合にはステップ608でフラグXSFB
の値を1にセットした後、下流側O2 センサ15で検出
した排気空燃比がリッチか否かにより補正量RSR、R
SLの値を増減する操作を行う。すなわち、図7ステッ
プ609では下流側O2 センサ15の出力VOSをAD
変換して読み込み、ステップ610ではVOSがリーン
空燃比相当値(VOS≦VR2)か否かを判定し、VOS
の値がリーン空燃比相当値であった場合には、ステップ
611でRSRの値を一定量ΔRSだけ増大し、増大後
のRSRが所定の最大値MAX(本実施例ではMAX=
0.09)を越えないようにガードする(ステップ61
2、613)。また、ステップ606でVOSの値がリ
ッチ空燃比相当値(VOS>VR2)であった場合には、
ステップ614でRSRの値を一定量ΔRSだけ減少さ
せ、減少後のRSRが所定の最小値MIN(本実施例で
はMIN=0.01)より小さくならないようにガード
する(ステップ615、616)。
【0041】また、上記により算出されたRSRの値を
用いてステップ617では第1の空燃比フィードバック
制御ルーチンで用いるRSL(図5ステップ419)の
値を、RSL=0.1−RSRとして算出する。すなわ
ち、RSRとRSLとの和は本実施例では常に一定値
(0.1)に保持されており、RSRが増大するとRS
Lが減少しRSRが減少するとRSLは増大するように
なっている。
【0042】上記第2の空燃比フィードバック制御ルー
チン実行により、下流側O2 センサ15で検出した排気
空燃比がリッチの場合にはRSRの減少とRSLの増大
が、また、排気空燃比がリーンの場合にはRSRの増大
とRSLの減少とが同時に行われる。図8は、図4、図
5の第1の空燃比フィードバック制御を行った場合の、
上流側O2 センサ13で検出した空燃比(A/F)変化
(図8(A) )に対するカウンタCDLY(同(B) )、フ
ラグF1(同(C) )、空燃比補正係数FAF(同(D))
の変化を示している。図8(A) に示すように、A/Fが
リーンからリッチに変化した場合でも空燃比フラグF1
(図8(C) )の値は直ちに0から1には変化せず、カウ
ンタCDLYの値が0からTDRに増大するまでの時間
(図8(C) T1)の間は0のまま保持され、T1 経過後
に0から1に変化する。また、A/Fがリッチからリー
ンに変化した場合もF1の値はカウンタCDLYの値が
0からTDL(TDLは負の値)に減少するまでの時間
(図8(C) T2 )の間は1のまま保持され、T2 経過後
に1から0に変化する。このため、図8(A) にNで示し
たように外乱等により上流側O2 センサ13の出力が短
い周期で変化したような場合でもフラグF1の値は追従
して変化しないため、空燃比制御が安定する。
【0043】第1の空燃比フィードバック制御の結果、
空燃比補正係数FAFの値は図8(D) に示すように周期
的に増減を繰り返し、機関空燃比はリッチ空燃比とリー
ン空燃比とに交互に変動する。また、図3で説明したよ
うに、FAFの値が増大すると燃料噴射時間TAUは増
大し、FAFの値が減少すると燃料噴射時間TAUも減
少する。
【0044】また、図8(D) から判るように、第2の空
燃比フィードバック制御(図6、図7)によりRSRが
増大しRSLが減少すると、リッチ空燃比側への振れ幅
が大きくなり空燃比が全体的にリッチ空燃比側に移行す
る)。また、逆にRSRが減少しRSLが増大すると、
機関空燃比のリーン空燃比側への振れ幅が大きくなり空
燃比が全体的にリーン空燃比側に移行する。
【0045】従って、第2の空燃比フィードバック制御
によりRSR、RSLの値が増減されると、機関空燃比
はリッチ空燃比側またはリーン空燃比側に変化する。な
お、本実施例では第2の空燃比フィードバック制御でR
SR、RSLを設定する場合について説明したが、第1
の空燃比制御における他の補正量を第2の空燃比フィー
ドバック制御で設定することによっても機関空燃比を変
化させることができる。例えば、KIR、KIL(図5
ステップ421、422)の値、またはTDR、TDL
(図5ステップ408、413)の値を第2の空燃比フ
ィードバック制御に基づいて設定することによっても同
様に機関空燃比を変化させることが可能であるし、或い
は上流側O2 センサ13の比較電圧VR1(図4ステップ
403)の値を第2の空燃比フィードバック制御に基づ
いて設定することによっても同様に機関空燃比を変化さ
せることが可能である。次に、本実施例の触媒劣化判別
について説明する。前述のように、本実施例では下流側
2 センサ出力と上流側O2 センサの出力との軌跡長比
に基づいて触媒劣化の有無を判定している(図2(A) 、
(B) )。ところが、下流側O2 センサ出力の変動は触媒
の劣化の程度が同一であっても種々の条件によって変化
する。
【0046】例えば、下流側O2 センサ出力の変動に影
響を与える要因の主なものとしては触媒温度と排気流量
とがある。すなわち、触媒温度が高いほど触媒のO2
トレージ能力は高くなるため、他の条件が同一であれば
下流側O2 センサ出力は触媒温度が高いほど変動しにく
くなり(すなわち軌跡長比LVOS/LVOMは小さく
なり)、触媒温度が低いほど変動しやすくなる(すなわ
ち軌跡長比LVOS/LVOMは大きくなる)。
【0047】また、触媒に流入する排気流量が大きいほ
ど触媒は短時間で吸着した酸素の全量を放出し尽くし、
また短時間で飽和量まで酸素を吸着する。このため、他
の条件が同一であれば下流側O2 センサ出力は、排気流
量が大きいほど変動しやすくなり(すなわち軌跡長比L
VOS/LVOMは小さくなり)、排気流量が小さいほ
ど変動しにくくなる(すなわち軌跡長比LVOS/LV
OMは大きくなる)。
【0048】さらに、同一の触媒を用いて触媒温度と排
気流量とを一定に維持しながら軌跡長比LVOS/LV
OMを測定した場合でも、軌跡長比LVOS/LVOM
の値はO2 センサの応答性等により測定結果が比較的大
きくばらつくことが判明している。図9(A) 、(B) は正
常な触媒(図9(A) )と劣化した触媒(図9(B) )とに
ついて機関吸入空気量Qと触媒温度TCAT とを変えて実
際に下流側O2 センサ出力と上流側O2 センサ出力との
軌跡長比LVOS/LVOMを実測した結果を図示して
いる。なお、機関吸入空気量Qは略排気流量と等しいた
め、図9(A) 、(B)のQはそのまま排気流量と考えるこ
とができる。
【0049】図9(A) (正常触媒)を参照すると、同一
の触媒であっても軌跡長比LVOS/LVOMは、排気
流量Q(Q1 <Q2 <Q3 )と触媒温度TCAT とが変わ
ると大きく変動し、しかも同一の排気流量、触媒温度で
あってもLVOS/LVOMの値は大きくばらついてい
る。例えば、図9(A) において排気流量がQ1 、触媒温
度がTCAT1の場合について見ると、LVOS/LVOM
の値は最大値R1 と最小値R2 との間でばらついてお
り、ばらつきの大きさは最大で中心値に対して±0.3
程度になっている。また、ばらつきの大きさは触媒温度
がある程度高くなると小さくなり、例えばTCA T が20
0℃以上の領域ではばらつきは比較的小さくなってい
る。この傾向は流量がもっと大きい場合(Q2 、Q3
についても同様である。すなわち、軌跡長比のばらつき
は触媒温度と排気流量との組合せに応じて変化する。
【0050】一般にばらつきのない理想的な状態で測定
した場合には、LVOS/LVOMが0.5以下であれ
ば触媒の劣化が進んでおらず正常な触媒と判断できる
が、実際には図9(A) のように同一の排気流量と温度で
も軌跡長比が最大で±0.3程度ばらつく状態では正常
判定のための軌跡長比の判定値を0.5としたのでは、
理想的な状態で測定した場合に軌跡長比が0.5程度と
なる触媒は、実際の運転中に測定すると軌跡長比が0.
2から0.8までばらつくことになる。このため、仮に
判定値(0.5)を温度や排気流量に応じて変更したと
しても正確な劣化判定を行うことは困難である。
【0051】すなわち、判定値を0.5とした場合、正
常な触媒(理想的な状態で測定して軌跡長比が0.5よ
り小さい触媒)が常に正常と判定されるためには軌跡長
比のばらつきを考慮して、正常な触媒の軌跡長比が常に
0.2以下(0.5からばらつきの大きさ0.3を引い
た値)になる触媒温度と排気流量の条件で劣化判定を行
う必要がある。すなわち、これ以外の触媒温度と排気流
量との条件で触媒劣化判定を行うと、ばらつきの影響に
より正常な触媒が劣化したと判定されてしまう場合が生
じるのである。(例えば、図9(A) において触媒温度T
CAT1、排気流量Q1 の条件で劣化判別を行うと、測定し
た軌跡長比はR1 とR2 との間のいずれの値をも取り得
ることになり、正常な触媒であっても軌跡長比が判定値
である0.5を越えてしまう場合が生じる。) 図9(A) から正常な触媒を常に正常と判定できる排気流
量と温度との組合せをみると、例えば触媒温度が400
°の場合には排気流量がQ3 以下であれば常に正常な触
媒の軌跡長比は0.2以下になることが判る。また、同
様に触媒温度が300℃の場合には排気流量はQ2
下、200℃の場合には排気流量はQ1 以下であれば正
常な触媒を常に正常と判定することができることが判
る。
【0052】次に、図9(B) を用いて、劣化触媒の判定
について考える。図9(B) は劣化した触媒(ばらつきの
ない理想的な状態で軌跡長比が0.5以上になる触媒)
について、図9(A) と同様排気流量Qと触媒温度TCAT
を変えて軌跡長比を実測した結果を示している。図9
(B) において、排気流量Q1 ′、Q2 ′、Q3 ′の相互
の関係は、Q1 ′<Q2 ′<Q3 ′であり、図9(A) の
1 、Q2 、Q3 との関係は、Q1 ′<Q2 ′<Q1
3 ′<Q2 <Q3 となっている。
【0053】すなわち、劣化した触媒では、軌跡長比が
小さくなる領域が全体的に排気流量が大きく、かつ触媒
温度が高い側に移行する。図9(A) の場合とは逆に、図
9(B) では劣化した触媒が常にばらつきを考慮した判定
値(この場合は、0.5+0.3=0.8)以上になる
条件、すなわち劣化した触媒が正常と誤判定されること
がない排気流量と触媒温度との組合せを考える。図9
(B) から判るように、この条件は、触媒温度が400℃
の場合には排気流量Q3 ′以上、300℃の場合は
2 ′以上、200℃の場合はQ1 ′以上となる。
【0054】上記から、常に誤判定を生じずに正常な触
媒を正常と判定し、劣化した触媒を劣化したと判定でき
る判定実施条件を排気流量と触媒温度との1つの組合せ
に固定することも可能である。例えば、図9から判るよ
うに、排気流量QがQ2 ′≦Q≦Q1 、かつ触媒温度T
CAT が200℃≦TCAT ≦300℃の領域でのみ判定を
実施するようにすれば、常に正確な劣化判定を行うこと
が可能となる。しかし、判定実施条件をこの範囲のみに
限定してしまうと、判定実施可能領域が極めて狭くなり
実際の運転上の判定実施頻度が減少するため触媒劣化の
早期発見ができなくなる可能性がある。そこで、本実施
例では各触媒温度毎に判定実施条件を設定することによ
り運転時の判定実施領域を拡げ判定実施頻度を増大させ
ている。
【0055】図10は、本実施例の触媒劣化判別実施条
件を示す図である。図10において、QH で示した線は
各触媒温度において触媒劣化判別実施を行う最大排気流
量、QL は最小排気流量を示している。例えば、触媒温
度TCAT が300℃の場合には劣化判別実施可能な最大
排気流量はQ2 、最小排気流量はQ2 ′となる。すなわ
ち、線QH は各触媒温度において正常な触媒を常に正常
と判定することができる最大排気流量を、線QL は劣化
した触媒を常に劣化したと判定することができる最小排
気流量を表している。このように、各触媒温度に応じて
劣化判別を実施する排気流量領域を設定したことによ
り、上述のように劣化判別条件を排気流量と触媒温度と
の1つの組合せに固定した場合(例えば、Q2 ′≦Q≦
1 かつ200℃≦TCAT ≦300℃、(図10斜線領
域)に固定した場合)に較べて劣化判別条件が大幅に増
大している。
【0056】ところで、上述のように触媒温度TCAT
に劣化判別実施のための排気流量領域を設定した場合、
劣化判別可否を判定するためには現在の排気流量Qと触
媒温度TCAT とを検出して、QとTCAT とが劣化判別実
施領域内にあるか否かを判定する必要が生じる。ここ
で、排気流量Qはほぼ機関機関吸入空気量に等しいため
排気流量についてはエアフローメータ3で検出した機関
吸入空気量を用いて領域判定を行うことが可能である。
【0057】また、触媒温度TCAT については、触媒コ
ンバータ12の触媒床に温度センサを配置して直接触媒
温度を検出することも可能であるが、本実施例では以下
に説明する方法を用いて機関運転状態から間接的に触媒
温度を検出して温度センサ設置によるコスト上昇を防止
している。実際の運転中には、触媒温度は機関運転状態
に応じて変動しているが、例えば機関空燃比が理論空燃
比にフィードバック制御されている場合には機関燃焼室
内の燃焼温度は大きく変化しないため、触媒温度の単位
時間当たりの上昇速度と下降速度とは排気流量(機関吸
入空気量)とその時の触媒温度とにより定まる。
【0058】図11、図12は触媒温度TCAT の機関吸
入空気量Qによる時間変化を示すグラフであり、図11
は温度上昇(加熱)、図12は温度下降(冷却)の場合
をしめしている。図11、図12は横軸の単位時間とし
て後述する触媒温度検出ルーチンの実行間隔tを取って
示している。図11から判るように、触媒温度は現在の
触媒温度が低いほど、また機関吸入空気量が大きいほど
急速に上昇し、触媒温度が高くなるにつれて上昇速度は
低下してある程度の時間が経過すると機関吸入空気量に
より定まる一定の温度に収束する。例えば、図11にお
いて、機関吸入空気量Q2 の場合について見ると、初期
温度がT0 であった場合には触媒温度TCAT は最初は単
位時間t当たりT2 −T0 だけ上昇するが、初期温度が
4 の場合には単位時間当たりT5 −T4 しか上昇せ
ず、更に初期温度がT5 (機関吸入空気量Q2 の場合の
最終到達温度)の場合には温度上昇は0となる。
【0059】また、冷却の場合は図12に示すように触
媒温度は、現在の触媒温度が高いほど、また機関吸入空
気量が小さいほど急速に下降し、触媒温度が低下するに
つれて下降速度は低下してある程度の時間が経過すると
機関吸入空気量により定まる一定の温度に収束する。例
えば、図12において、機関吸入空気量Q2 の場合につ
いて見ると、初期温度がT9 であった場合には触媒温度
CAT は最初は単位時間あたりT9 −T7 だけ下降する
が、初期温度がT7 の場合には単位時間当たりT7 −T
6 しか下降せず、更に初期温度がT5 (機関吸入空気量
2 の場合の最終到達温度)の場合には温度降下は0と
なる。
【0060】本実施例では、各触媒温度TCAT の単位時
間当たりの変化量ΔTCAT と機関吸入空気量Qの組合せ
について図11、図12の関係を予め実験等により求め
て図13に示すような形式の数値テーブル(マップ)と
して制御回路10のROM104に格納してある。ま
た、図11から図13は空燃比フィードバック制御実行
中の触媒温度変化について示したが、例えば燃料増量
中、フュエルカット実施中にも図11又は図12と同様
な関係が成立する。本実施例では、燃料増量中、フュエ
ルカット実施中の触媒温度の単位時間当たり変化につい
ても、別途図13と同様な形式の数値テーブルを予め実
験等により作成し、ROM104に格納してあり、制御
回路10は、機関運転中にこれらのマップを用いて触媒
温度TCAT の単位時間当たりの変化ΔTCAT を積算して
現在の触媒温度を常時算出する。
【0061】図14は本実施例の触媒温度検出ルーチン
を示すフローチャートである。本ルーチンは制御回路1
0により一定時間(図11、図12の単位時間t)毎に
実行される。図14においてルーチンがスタートする
と、ステップ1401では現在の機関吸入空気量Qが、
またステップ1403では現在の触媒温度TCAT がそれ
ぞれRAM105の所定領域から読みだされる。なお、
機関始動時には、TCAT の初期値として吸入空気温度ま
たは冷却水温度のうちいずれか高い温度が使用される。
また、ステップ1405では、現在燃料増量実施中か否
か、ステップ1407では現在フュエルカット実施中か
否かが判定され、現在燃料増量もフュエルカットも実施
されていない場合(すなわち、空燃比フィードバック制
御中である場合)には、ステップ1409に進み、図1
3に示したマップから、現在の機関吸入空気量Qと触媒
温度TCAT とを用いて、単位時間当たりの触媒温度変化
量ΔTCATが決定される。
【0062】次いで、ステップ1411では、ΔTCAT
を用いて、今回のルーチン終了時の触媒温度がTCAT
ΔTCAT として算出される。また、ステップ1413で
は、算出したTCAT の値がRAM105の所定領域に格
納され、今回のルーチン実行は終了する。また、ステッ
プ1405で現在燃料増量中、またはステップ1407
で現在フュエルカット実施中であった場合には、それぞ
れステップ1415またはステップ1417で別途燃料
増量時またはフュエルカット時のΔTCAT のマップを用
いてΔTCAT が算出され、このΔTCAT の値を用いてス
テップ1411以下が実行される。本ルーチン実行によ
り、RAM105の所定領域には、常に現在の触媒温度
CAT が格納されるようになる。
【0063】図15、図16は、上記触媒温度TCAT
用いた本実施例の触媒劣化判別ルーチンを示すフローチ
ャートである。本ルーチンは、制御回路10により一定
時間毎に実行される。図15においてルーチンがスター
トすると、ステップ1501、1503では触媒劣化判
別の前提条件が成立しているか否かが判定される。本実
施例の触媒劣化判別は空燃比フィードバック制御実行中
に行うことが前提となっているため、ステップ1501
では第1の空燃比フィードバック制御が実行中であるこ
と(フラグXMFBの値が1にセットされているこ
と)、及びステップ1503では第2の空燃比フィード
バック制御が実行中であること(フラグXSFBの値が
1にセットされていること)が判定され、ステップ15
01、1503のいずれか1つでも成立しない場合に
は、ルーチンは図16に進み触媒劣化判別を実行するこ
となく終了する。
【0064】ステップ1501、1503の両方の条件
が成立した場合には、ステップ1505でRAM105
の所定領域から機関吸入空気量Qと図14のルーチンで
算出した触媒温度TCAT が読み込まれ、ステップ150
7では触媒温度TCAT に基づいて図10のマップから現
在の触媒温度における触媒劣化判別実行可能な最大吸入
空気量QH と最小吸入空気量QL とが決定される。
【0065】また、ステップ1509では、現在の吸入
空気量Qが上記最大値QH と最小値QL とで定まる吸入
空気領域内にあるか否かが判定され、領域内にない場合
には図16に進み、触媒劣化判別を実行することなくル
ーチンを終了する。ステップ1509で現在の吸入空気
量Qが劣化判別実施領域内にあった場合には(QL ≦Q
≦QH )、次にステップ1511から1515で上流側
2 センサ出力VOMの軌跡長LVOMと下流側O2
ンサ出力VOSの軌跡長LVOSとが算出される。すな
わち、ステップ1511では上流側O2 センサ13出力
VOMと下流側O2 センサ15出力VOSとをAD変換
して読み込み、ステップ1513では、VOMとVOS
との軌跡長LVOM、LVOSとが算出される。
【0066】本実施例では、図17に示すように、軌跡
長LVOM、LVOSをそれぞれ、|VOM−VOM
i-1 |と|VOS−VOSi-1 |の積算値として算出す
る。ここで、VOMi-1 とVOSi-1 は、それぞれ前回
ルーチン実行時のVOMとVOSの値である。またステ
ップ1503で積算値算出後、VOMi-1 、VOSi-1
の値は次回のルーチン実行に備えて更新される。
【0067】図16、ステップ1517から1531は
触媒劣化判別操作である。本実施例では、ステップ15
01、1503、1505の劣化判定条件が成立した時
間の累積が所定時間に到達するまで、軌跡長LVOMと
LVOSとの積算を行い、累積時間が所定時間に到達す
る毎にこれらの軌跡長を用いて触媒劣化の有無を判別す
る。これにより、ステップ1501、1503、150
5の条件が連続的に所定時間成立していなくても、条件
が成立した時間の累積が所定時間に到達すれば触媒劣化
判別を行うことができるため、触媒劣化判別が行われる
頻度が大幅に増大する。
【0068】図16ステップ1517では、上記条件成
立累積時間を計時するための計時カウンタCTの値がプ
ラス1増大され、ステップ1519ではカウンタCTの
値が所定値CT0 を越えたか否か、すなわち条件成立累
積時間が所定時間に到達したか否かが判定される。ここ
でCT0 の値は、例えば20秒程度に相当する本ルーチ
ンの実行回数である(例えば、本ルーチンの実行間隔が
50msであれば、CT0 =20/0.05=400と
なる)。ステップ1519でCT≦CT0 であった場合
には、軌跡長の積算が不十分であるため、今までの軌跡
長の積算値はそのままにしてルーチンの実行は終了す
る。すなわち、軌跡長の積算は実行するが劣化判別は行
わない。
【0069】また、ステップ1519でCT>CT0
あった場合にはステップ1521以下の触媒劣化判別を
行う。すなわち、ステップ1521では、今までに求め
た軌跡長の積算値LVOSとLVOMとの比R=LVO
S/LVOMを算出し、ステップ1523で、この軌跡
長比Rが所定値K以下であるか否かを判断する。本実施
例では、図9(A) 、(B) に示したように触媒劣化の有無
を判別する軌跡長比の判別値Kは0.5に設定されてい
る。
【0070】ステップ1523でR≦Kの場合には、す
なわち触媒は正常であるため、ステップ1525でアラ
ームフラグALMの値が0に設定され、ステップ152
3でR>Kであった場合にはステップ1527でアラー
ムフラグALMの値は1に設定される。フラグALMの
値が1に設定されると、制御回路10により別途実行さ
れる図示しないルーチンにより、劣化アラーム19(図
1)が点灯され、運転者に触媒が劣化したことが報知さ
れる。また、フラグALMの値はステップ1529で制
御回路10のバックアップRAM106に格納され、次
回の修理点検に備えられる。そして、ステップ1531
では、カウンタCT、軌跡長の積算値LVOM、LVO
Sがクリアされて本ルーチンは終了する。
【0071】本実施例では、軌跡長比の触媒劣化判別の
ための判別値Kは触媒温度にかかわらず一定値(例え
ば、K=0.5)とされているが、前述したように触媒
劣化の有無の判定は、軌跡比のばらつきを考慮した上
で、正常な触媒が必ず正常判定され、かつ劣化した触媒
が必ず劣化したと判定される運転領域で実施されるため
誤判定を生じることがなく、正確に触媒劣化有無の判定
を行うことが可能となっている。
【0072】
【発明の効果】本発明によれば、触媒温度を検出し、検
出した触媒温度に応じて触媒劣化判別を実施する機関吸
入空気量領域を設定するようにしたことにより、触媒劣
化判別の実施頻度を低下させることなく、極めて正確に
触媒劣化有無の判別を行うことが可能となるという効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を自動車用内燃機関に適用した実施例の
概略構成を示す図である。
【図2】O2 センサ出力軌跡長比に基づく触媒劣化判別
の原理を説明する図である。
【図3】燃料噴射量演算ルーチンを示すフローチャート
である。
【図4】第1の空燃比フィードバック制御ルーチンを示
すフローチャートの一部である。
【図5】第1の空燃比フィードバック制御ルーチンを示
すフローチャートの一部である。
【図6】第2の空燃比フィードバック制御ルーチンを示
すフローチャートの一部である。
【図7】第2の空燃比フィードバック制御ルーチンを示
すフローチャートの一部である。
【図8】図4、図5のルーチンを説明するタイミングダ
イアグラムである。
【図9】O2 センサ出力軌跡比の触媒温度と排気流量と
による変化を説明する図である。
【図10】触媒温度と触媒劣化判別を実施する吸入空気
量領域との関係を示す図である。
【図11】触媒温度変化と排気流量との関係を示す図で
ある。
【図12】触媒温度変化と排気流量との関係を示す図で
ある。
【図13】触媒温度算出に用いる数値マップの形式を示
す図である。
【図14】触媒温度検出ルーチンを示すフローチャート
である。
【図15】触媒劣化判別ルーチンを示すフローチャート
の一部である。
【図16】触媒劣化判別ルーチンを示すフローチャート
の一部である。
【図17】本実施例のO2 センサ出力の軌跡長の算出方
法を示す図である。
【符号の説明】
1…内燃機関本体 3…エアフローメータ 10…制御回路 12…触媒コンバータ 13…上流側O2 センサ 15…下流側O2 センサ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気通路に配置された、O2
    ストレージ作用を有する三元触媒と、 前記三元触媒の上流側の排気通路に配置され、前記三元
    触媒上流側の排気空燃比を検出する上流側空燃比センサ
    と、 前記三元触媒の下流側の排気通路に配置され、前記三元
    触媒下流側の排気空燃比を検出する下流側空燃比センサ
    と、 少なくとも前記上流側空燃比センサの出力に基づいて、
    機関空燃比を目標空燃比にフィードバック制御する空燃
    比フィードバック制御手段と、 前記三元触媒の温度を検出する触媒温度検出手段と、 機関吸入空気量を検出する吸入空気量検出手段と、 前記空燃比フィードバック制御実施中に、機関吸入空気
    量が所定の判別実行領域内になったときに、少なくとも
    前記下流側空燃比センサ出力に基づいて前記三元触媒の
    劣化の有無を判別する劣化判別手段と、 前記触媒温度検出手段により検出された三元触媒の温度
    に応じて、機関吸入空気量の前記判別実行領域を設定す
    る領域設定手段と、を備えた内燃機関の触媒劣化判別装
    置。
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DE69612326T DE69612326T2 (de) 1995-06-12 1996-06-11 Vorrichtung zum Feststellen der Verschlechterung eines Katalysators einer Brennkraftmaschine
EP96109329A EP0748927B1 (en) 1995-06-12 1996-06-11 A device for determining deterioration of a catalytic converter for an engine

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0878611A2 (en) 1997-05-12 1998-11-18 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha A device for determining deterioration of a catalytic converter for an engine
JP2008057334A (ja) * 2006-08-29 2008-03-13 Mitsubishi Motors Corp 触媒の温度推定装置および触媒の温度推定方法
JP2010174805A (ja) * 2009-01-30 2010-08-12 Toyota Motor Corp 内燃機関装置およびこれを搭載するハイブリッド車
JP2014199043A (ja) * 2013-03-29 2014-10-23 本田技研工業株式会社 エンジンの排気浄化制御装置

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