JPH0833808A - スクリーン移動式除塵機における濾体への非付着性夾雑物の掻揚装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 濾体への非付着性夾雑物をも効果的に、スク
リーンに付着した夾雑物とともに確実にして除去し、か
つブラシの摩耗を抑制する。 【構成】 無端状スクリーン７を水路１と平行に、かつ
水路水面下に没するように張架配設すると共に、この無
端状スクリーン７を回転駆動し、かつスクリーンにて捕
捉された夾雑物を除去するようになしたスクリーン移動
式除塵機において、無端状スクリーン７の夾雑物付着面
側に複数の突起を設ける。そしてこの無端状スクリーン
７を折曲式に張架し、このＵ形スクリーン内部Ａ１上方
位置にスクリーンと接するように剥取手段１０を配設す
る。これにより無端状スクリーン７面に付着した夾雑物
及び突起にて引掛けられて掻き上げられた非付着性の夾
雑物を除去する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、下水処理においてパン
チングメタル、ネット等を用いた無端状スクリーンに
て、汚水中の夾雑物及び濾体への非付着性夾雑物をも効
率的に確実に除去するようにしたスクリーン移動式除塵
機における濾体への非付着性夾雑物の掻揚装置に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】都市部に降った雨水や家庭での廃水は、
暗渠・下水道等を経て下水処理場へ集められ、ここで下
水中に含まれるごみ等を取り除いた後、この下水を直
接、またはポンプアップして次処理槽へ送って処理する
か、雨水ならば次に河川へ放流している。この下水中の
細塵等の除去は一般にバースクリーン等を用いている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし従来のように細
塵除去にバースクリーン状のスクリーンを用いると、ス
クリーンの目幅を小さくすればスクリーンの有効通過面
積が少なくなり、降雨時等の如く一般的に大容量の汚水
を流して処理するには損失が大きくなり、またフィル
ム，ひも状のごみは、スクリーン目より抜けやすく、確
実な除去は困難であった。また狭いバースクリーンの間
に、バースクリーンの下部にて掻上レーキの歯を挿入す
る際、レーキの歯が薄いため小さなゴミがかんだ場合で
も変形しやすく、挿入不能に陥り、故障に至る等の欠点
がある。また２条のエンドレスチェン間にネットを架設
したネット式の除塵機においては、ネットによる濾体に
付着しにくい夾雑物に対して、強制的にこれを掻き揚げ
るようにネット状スクリーンの内面すなわち夾雑物付着
面側に桟状の突起物を設け、この突起物にて引掛けて掻
き揚げるようにしているが、この突起物がスクリーン上
部に配設した剥取手段としての回転ブラシを摩耗させる
欠点があり、また突起物にて汚水の一部を抄い上げ、こ
の抄上水の落水時、スクリーンに付着して掻き揚げてい
る夾雑物を落下させるなどの欠点がある。

【０００４】本発明は濾体への非付着性夾雑物をも効果
的に、スクリーンに付着した夾雑物とともに確実にして
除去し、かつブラシの摩耗を抑制することを目的とす
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになしたもので、無端状スクリーンを水路と平
行に、かつ下部が水路水面下に没するように張架配設す
ると共に、この無端状スクリーンを回転駆動し、かつス
クリーンにて捕捉された夾雑物を除去するようになした
スクリーン移動式除塵機において、無端状スクリーンの
夾雑物付着面側に複数の突起を設け、この無端状スクリ
ーンを折曲式に張架し、このＵ形スクリーン内部上方位
置にスクリーンと接するように剥取手段を配設し、無端
状スクリーン面に付着した夾雑物及び突起にて引掛けら
れて掻き上げられた非付着性の夾雑物を除去するように
なしたことを要旨とする。

【０００６】

【作用】無端状スクリーンの夾雑物付着面側に複数の突
起を設け、この無端状スクリーンを折曲式に張架し、こ
のＵ形スクリーン内部上方位置にスクリーンと接するよ
うに剥取手段を配設し、無端状スクリーン面に付着した
夾雑物及び突起にて引掛けられて掻き上げられた非付着
性の夾雑物を除去するようになしているので、紐状、球
状体等の非付着性夾雑物も突起にて確実に掻揚排出する
ことができる。

【０００７】

【実施例】以下本発明スクリーン移動式除塵機における
濾体への非付着性夾雑物の掻揚装置を図示の実施例に基
づいて説明する。図において１は水路で、所要孔径及び
穿孔数を有するパンチングメタルまたは所要間隔を有す
るネットを両側に配設する２条のエンドレスチェン間に
架設してエンドレス状としたスクリーンを構成し、この
スクリーンを主体としたスクリーン移動式除塵機２を設
置する。このスクリーン移動式除塵機２は水路上に設置
した本体フレーム３に、駆動装置４にて駆動されるスプ
ロケットホイール５と従動スプロケットホイール６を回
動自在に支持すると共に、これらスプロケットホイール
５，６，及び水路内で無端状スクリーンの両側部をガイ
ドするＵ字形の２本のガイドレール８、８にエンドレス
状にしたスクリーン７を図示のように２つ折Ｗ字形状又
は多段折曲式にして張架し、かつこの２つ折Ｗ字形状又
は多段折曲式とした無端状スクリーン７の下部はほぼ水
路１の底部近くに達するようにして張架配設し、この２
つ折状スクリーン内に原水を流入し、スクリーンを通過
させ濾過し、かつスクリーン７内に付着したスクリーン
渣を掻き取る剥取手段１０及び収集排出装置９を設けて
なるものである。

【０００８】この無端状スクリーン７は、スクリーンの
能力に合わせた所要の幅と水路深等に合わせた長さ（全
長）を有し、平滑な平板に所要径の孔と、孔ピッチにて
多数の穿孔がなされたパンチングメタル（例えばパンチ
グメタルの空隙率を５０〜８０％程度とすることにより
効率的なごみの除去が行える）を互いに隣接し、これを
直接または適当な枠等を介して、その両側に配された２
条のエンドレスチェンに固定され、エンドレス状に、か
つ円滑に屈曲できるようになすとともに、夾雑物の付着
面側に非付着性夾雑物を強制的に掻き揚げるための突起
を定間隔毎に設けて構成されたものである。

【０００９】この無端状スクリーン７の夾雑物付着面側
に突設される非付着性夾雑物の掻揚用突起７Ａは図３、
図４に示すように隣接される各濾体にあるいは所定間隔
をおいて取り付けるもので、これは濾体面に対して予め
定めた９０度より小さな角度θを有するようＬ字形に屈
曲形成し、この基片７０を濾体に固着し、他方の掻揚片
７１に複数の水抜孔７２を穿孔し、さらに必要に応じて
紐状または球状の非付着性夾雑物をより確実に捕捉しや
すいように先端を鋸歯形状その他凹凸形とすることもあ
る。

【００１０】また図５に示す掻揚用突起７Ｂは濾体側に
固定する基片７０にほぼ水平または角度θにて櫛歯状の
掻揚片７３を突設する。櫛歯状掻揚片７３は細い棒状体
を所定間隔Ｐに多数配列して構成するかまたは一枚の平
板を櫛歯状にプレス加工してもよい。さらにこの櫛歯状
掻揚片７３の各先端をブラシの摩耗をより低減するため
に、丸みを帯びるように形成することもできる。なおこ
の突起７Ａまたは７Ｂの濾体よりの突出長Ｌ１は非付着
性夾雑物を引掛け掻き揚げやすいようにして適当に定め
るが、ブラシ１０Ｂの毛の長さＬ２よりも短いものとす
る。

【００１１】さらに無端状スクリーン７の水面より上方
位置には該スクリーンに付着して掻き揚げられる木葉・
ひも状のごみ等の夾雑物（スクリーン渣）をスクリーン
面より剥離除去するための剥取手段１０を備える。この
剥取手段１０は図示のように水路１内に２つ折りＷ字形
状に張架された無端状スクリーン７の各Ｕ形スクリーン
内部Ａ１、Ａ２の掻上側で水面より上方のスクリーン裏
面側位置に回転ブラシ１０Ｂを設け、しかもスクリーン
面に対し所要角に洗浄水が噴射するようにして洗浄用ノ
ズル１０Ｎを配設し、これによりスクリーンに付着した
木葉等は回転ブラシ１０Ｂと洗浄用ノズル１０Ｎの洗浄
水噴射にて強制的に剥離し、スクリーン渣収集排出装置
９内に落下するようになす。

【００１２】剥取手段として回転ブラシ１０Ｂは洗浄用
ノズル１０Ｎと同様水路１内に２つ折りＷ字形状に張架
された無端状スクリーン７の内部で最終掻上側で水面よ
り上方のスクリーン裏面側位置にしかもブラシ先端がス
クリーン面と接触するように配置し、これにより回転ブ
ラシの回転によりスクリーンの孔に絡んだごみもその絡
み力が解かれ除去されるとともに掻揚用突起７Ａ，７Ｂ
に引掛けられた夾雑物も除去されるものとなる。

【００１３】剥取手段としての回転ブラシ１０Ｂは循環
駆動されるスクリーンに対し、予め定めた位置で回転可
能にして配設されるが、この回転ブラシ１０Ｂの位置に
濾体に突設した突起７Ａまたは７Ｂが来たとき、回転ブ
ラシ１０Ｂを濾体面より少し離れるように揺動アーム１
１の先端にブラシ１０Ｂを回転可能に設けることもでき
る。

【００１４】揺動式に回転ブラシ１０Ｂを設ける場合、
揺動アーム１１の支点を本体フレーム３に支持し、該ア
ーム先端に回転ブラシ軸を支持するとともに、スクリー
ン面に対し予め定めた押圧力にて圧接されるよう揺動ア
ーム１１に押圧用ばね１２を取り付け、回転ブラシの先
端はスクリーン面に対しこの押圧用ばね圧にて押圧され
て回転し、突起７Ａまたは７Ｂがブラシ位置に来たと
き、この突起の通過にてばね圧に抗して揺動アームを強
制的に揺動すなわちスクリーン面より離間するように逃
がし、ブラシの摩耗を防ぐようになす。

【００１５】また櫛歯状とした突起７Ｂは回転ブラシ位
置に来たとき、図８に示すように各歯間Ｐにブラシ毛が
挿入され、突起７Ｂに引掛かったあるいは歯間に挿入さ
れた夾雑物も、このブラシにて強制的に除去される。

【００１６】さらに上記実施例におけるスクリーンは、
多段折曲式に張架され、各段Ｕ字形のスクリーンは掻揚
側、降下側いずれもほぼ垂直となっているが、夾雑物が
滑落することなく掻き揚げをより確実に行うため、少な
くとも掻揚側スクリーンを図９、図１０に示す如く傾斜
するように張架するものである。

【００１７】従って水路１内に回転駆動されるよう２つ
折りＷ字形状又は多段折曲式に配設された無端状スクリ
ーン７の各Ｕ形スクリーン内部Ａ１、Ａ２の内側面より
汚水を流入させ、スクリーン外部水路ＢまたはＣへ流出
させると、この汚水中のスクリーン渣は各Ｕ形スクリー
ン内部Ａ１、Ａ２の対向する下降側と掻上側の両内側面
にて捕捉された後、このスクリーンの回動にて捕捉スク
リーン渣はスクリーン掻上側を経て水路上方へ掻き揚げ
られる。これをスクリーンの裏面と接しているブラシの
回転によりスクリーン面に付着しているごみはスクリー
ン面より剥離させられると共に、この下方位置でスクリ
ーン７内上部に設置された流水トラフ等の収集排出装置
９内に落下収集させ、水路外へ排出される。それととも
に紐・球状等の非付着性の夾雑物は突起７Ａまたは７Ｂ
にて引掛けられて掻き揚げられて、回転ブラシ位置にく
るとこの回転ブラシを押圧し、少し揺動させつつ突起面
をもブラシにて掻かれ、除去されるものである。

【００１８】

【発明の効果】本発明スクリーン移動式除塵機における
濾体への非付着性夾雑物の掻揚装置は、無端状スクリー
ンを水路と平行に、かつ水路水面下に没するように張架
配設すると共に、この無端状スクリーンを回転駆動し、
かつスクリーンにて捕捉された夾雑物を除去するように
なしたスクリーン移動式除塵機において、無端状スクリ
ーンの夾雑物付着面側に複数の突起を設け、この無端状
スクリーンを折曲式に張架し、このＵ形スクリーン内部
上方位置にスクリーンと接するように剥取手段を配設
し、無端状スクリーン面に付着した夾雑物及び突起にて
引掛けられて掻き上げられた非付着性の夾雑物を除去す
るようになしたため、紐状、球状体等の非付着性夾雑物
も突起にて確実に掻揚排出することができる。また回転
ブラシを主体とした剥取手段を揺動式にしてスクリーン
の夾雑物付着面側に設けているので、通常は回転ブラシ
の先端がスクリーン面に接着してスクリーン面に付着し
た夾雑物を剥離し、突起位置ではばね圧に抗して回転ブ
ラシをスクリーン面より離間させ突起面と接触するよう
になって、紐・球状体等の突起に引掛けられた非付着性
夾雑物も除去される利点がある。突起を櫛歯状としてい
るので、非付着性夾雑物の引掛掻揚時、汚水を抄い上げ
ることがない等の利点を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明スクリーン移動式除塵機の正面図であ
る。

【図２】同スクリーン部の平面図である。

【図３】同スクリーン部の側面図である。

【図４】非付着性夾雑物を引掛ける突起の平面図であ
る。

【図５】同じく突起の異なる実施例の説明図である。

【図６】本発明の更に異なる実施例の説明図である。

【図７】突起を揺動アーム先端に設けた実施例の説明図
である。

【図８】櫛歯状突起の説明図である。

【図９】スクリーンの張架方法を変えた実施例の説明図
である。

【図１０】同説明図である。

【符号の説明】

１ 水路 ２ 除塵機 ５ 駆動スプロケットホイール ６ 従動スプロケットホイール ７ 無端状スクリーン ７Ａ 掻揚用突起 ７Ｂ 掻揚用突起 ７１ 掻揚片 ７３ 櫛歯状掻揚片 ８ ガイドレール ９ スクリーン渣の収集排出装置 １０Ｎ 洗浄用ノズル １０Ｂ 回転ブラシ １１ 揺動アーム Ａ１ Ｕ形スクリーン内部 Ｂ スクリーン外部水路

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 無端状スクリーンを水路と平行に、かつ
   水路水面下に没するように張架配設すると共に、この無
   端状スクリーンを回転駆動し、かつスクリーンにて捕捉
   された夾雑物を除去するようになしたスクリーン移動式
   除塵機において、無端状スクリーンの夾雑物付着面側に
   複数の突起を設け、この無端状スクリーンを折曲式に張
   架し、このＵ形スクリーン内部上方位置にスクリーンと
   接するように剥取手段を配設し、無端状スクリーン面に
   付着した夾雑物及び突起にて引掛けられて掻き上げられ
   た非付着性の夾雑物を除去するようになしたことを特徴
   とするスクリーン移動式除塵機における濾体への非付着
   性夾雑物の掻揚装置。
2. 【請求項２】 スクリーンの夾雑物付着面側に所要間隔
   毎に多数突設される、非付着性夾雑物引掛用の突起を櫛
   歯状とした請求項１記載のスクリーン移動式除塵機にお
   ける濾体への非付着性夾雑物の掻揚装置。
3. 【請求項３】 スクリーンの付着面側と対向した剥取手
   段である回転ブラシを揺動アームの先端に取り付け、か
   つこの揺動アームに押圧用ばねを設けた請求項１記載の
   スクリーン移動式除塵機における濾体への非付着性夾雑
   物の掻揚装置。