JPH08337756A - 液状皮膜形成剤および木材の仕上げ方法 - Google Patents
液状皮膜形成剤および木材の仕上げ方法Info
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- JPH08337756A JPH08337756A JP7169338A JP16933895A JPH08337756A JP H08337756 A JPH08337756 A JP H08337756A JP 7169338 A JP7169338 A JP 7169338A JP 16933895 A JP16933895 A JP 16933895A JP H08337756 A JPH08337756 A JP H08337756A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 木材等の下地塗り等に用いることができ、と
の粉と同等の艶消し効果が得られるのみならず意匠的な
効果も付与することができ、また、との粉よりも優れた
耐候性、耐久性が得られる皮膜形成剤、また、木材の仕
上げ方法を提供する。 【構成】 付加反応型シリコーン系材料100重量部に
平均粒径が0.1乃至500μmである酸化第二鉄微粉
末等の粒子を1乃至100重量部分散し、粘度が200
0ポイズ以下で室温で硬化する液状の皮膜形成剤を構成
する。そして、この皮膜形成剤をハケ等により木材1の
表面に塗工し、木材1の表面に粒子2が分散されたシリ
コーン系材料の塗膜3を形成した。
の粉と同等の艶消し効果が得られるのみならず意匠的な
効果も付与することができ、また、との粉よりも優れた
耐候性、耐久性が得られる皮膜形成剤、また、木材の仕
上げ方法を提供する。 【構成】 付加反応型シリコーン系材料100重量部に
平均粒径が0.1乃至500μmである酸化第二鉄微粉
末等の粒子を1乃至100重量部分散し、粘度が200
0ポイズ以下で室温で硬化する液状の皮膜形成剤を構成
する。そして、この皮膜形成剤をハケ等により木材1の
表面に塗工し、木材1の表面に粒子2が分散されたシリ
コーン系材料の塗膜3を形成した。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、木材等の下地塗りに
用いる液状皮膜形成剤等に係り、特に、耐候性、耐熱
性、撥水性に優れた皮膜形成剤と、該皮膜形成剤を用い
た木材の仕上げ方法とに関する。
用いる液状皮膜形成剤等に係り、特に、耐候性、耐熱
性、撥水性に優れた皮膜形成剤と、該皮膜形成剤を用い
た木材の仕上げ方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、木材等の目止めや意匠効果付与の
目的で下地塗りにはとの粉が用いられている。との粉
は、酸化鉄を含んだ黄土色の粒土を水簸して細・粗を調
製し、乾燥・粉砕して製造され、下地塗り等に際して
は、との粉は水等に分散させて用いられている。
目的で下地塗りにはとの粉が用いられている。との粉
は、酸化鉄を含んだ黄土色の粒土を水簸して細・粗を調
製し、乾燥・粉砕して製造され、下地塗り等に際して
は、との粉は水等に分散させて用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たとの粉にあっては、酸化鉄の微粉末を水に分散させて
用いる、すなわち、酸化鉄を顔料、溶剤として水を用
い、場合によってはベヒクルとしてニカワなど親水性マ
トリックスを混合しているため、撥水性及び耐水性が得
られず、ニスやラッカーなどの塗料によるオーバーコー
トを要した。これらオーバーコート用の塗料は、アクリ
ル系、ウレタン系、塩化ビニル系などを主成分としてい
るため、長期使用においては耐光性、耐水性などに関す
る劣化が問題となっていた。
たとの粉にあっては、酸化鉄の微粉末を水に分散させて
用いる、すなわち、酸化鉄を顔料、溶剤として水を用
い、場合によってはベヒクルとしてニカワなど親水性マ
トリックスを混合しているため、撥水性及び耐水性が得
られず、ニスやラッカーなどの塗料によるオーバーコー
トを要した。これらオーバーコート用の塗料は、アクリ
ル系、ウレタン系、塩化ビニル系などを主成分としてい
るため、長期使用においては耐光性、耐水性などに関す
る劣化が問題となっていた。
【0004】この発明は、上記問題に鑑みてなされたも
ので、木材等の下地塗り等にとの粉に代えて用いること
ができ、オーバーコートが不要で、しかも、優れた耐候
性、耐久性が得られる皮膜形成剤を提供することを目的
とする。また、この発明は、木地目を生かした色彩的な
意匠性、つや消し効果またはつや出し効果、風合い等に
関する意匠効果を得て、木地目による微細な凹凸の解消
(目止め)の解消を一度の作業により行うことができる
木材の仕上げ方法を提供することを目的とする。
ので、木材等の下地塗り等にとの粉に代えて用いること
ができ、オーバーコートが不要で、しかも、優れた耐候
性、耐久性が得られる皮膜形成剤を提供することを目的
とする。また、この発明は、木地目を生かした色彩的な
意匠性、つや消し効果またはつや出し効果、風合い等に
関する意匠効果を得て、木地目による微細な凹凸の解消
(目止め)の解消を一度の作業により行うことができる
木材の仕上げ方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明にかかる皮膜形成剤は、付加反応型シリコ
ーン系材料100重量部に、平均粒径が0.1乃至50
0μmである充填材粒子を1乃至100重量部分散し、
粘度が2000ポイズ以下に構成した(請求項1)。ま
た、この発明にかかる木材の仕上げ方法は、付加反応型
シリコーン系材料100重量部に平均粒径が0.1乃至
500μmである充填材粒子を1乃至100重量部分散
して粘度が2000ポイズ以下の液状皮膜形成剤を構成
し、該液状皮膜形成剤を木材表面に塗工するように構成
した(請求項2)。そして、上記請求項1または請求項
2記載の発明においては、上記付加反応型シリコーン系
材料として、23°C±2°Cの温度(以下、室温と称
する)において1乃至36時間で硬化するもの(以下、
室温付加反応型シリコーン系材料と称する)を用いるこ
とができる(請求項3)。
め、この発明にかかる皮膜形成剤は、付加反応型シリコ
ーン系材料100重量部に、平均粒径が0.1乃至50
0μmである充填材粒子を1乃至100重量部分散し、
粘度が2000ポイズ以下に構成した(請求項1)。ま
た、この発明にかかる木材の仕上げ方法は、付加反応型
シリコーン系材料100重量部に平均粒径が0.1乃至
500μmである充填材粒子を1乃至100重量部分散
して粘度が2000ポイズ以下の液状皮膜形成剤を構成
し、該液状皮膜形成剤を木材表面に塗工するように構成
した(請求項2)。そして、上記請求項1または請求項
2記載の発明においては、上記付加反応型シリコーン系
材料として、23°C±2°Cの温度(以下、室温と称
する)において1乃至36時間で硬化するもの(以下、
室温付加反応型シリコーン系材料と称する)を用いるこ
とができる(請求項3)。
【0006】本発明において、上記の色彩的な意匠性を
発揮させるには、充填材粒子としては酸化金属、土など
の有色の粉末が適しており、この粉末が木地目の凹部に
充填されることで色の濃淡が得られる。なお、この粉末
が木地目の凹部に入り込むためには、粉末の粒径が50
0μm以下である必要がある。また、本発明は、粉末を
分散させることにより得られる自然感のある着色(有色
粉末が透明ベヒクルの中に存在することにより得られる
微細なゆらぎのある着色状態)を達成するため、粒径が
10μm以上の充填材粒子を用いる。平均粒径が0.1
μm以下の粒子、すなわち、従来から使用されている顔
料などでは上記自然感は得られない。したがって、本発
明における充填材粒子の粒径は10乃至500μmであ
る。
発揮させるには、充填材粒子としては酸化金属、土など
の有色の粉末が適しており、この粉末が木地目の凹部に
充填されることで色の濃淡が得られる。なお、この粉末
が木地目の凹部に入り込むためには、粉末の粒径が50
0μm以下である必要がある。また、本発明は、粉末を
分散させることにより得られる自然感のある着色(有色
粉末が透明ベヒクルの中に存在することにより得られる
微細なゆらぎのある着色状態)を達成するため、粒径が
10μm以上の充填材粒子を用いる。平均粒径が0.1
μm以下の粒子、すなわち、従来から使用されている顔
料などでは上記自然感は得られない。したがって、本発
明における充填材粒子の粒径は10乃至500μmであ
る。
【0007】本発明による塗膜のつや状態は、存在する
充填材粒子の量に依存する。したがって、淡色の膜でつ
や消し状態を得たい場合は、少量の有色粉末とシリコー
ンボール、コラーゲン粉末など透明粉末を添加すること
によって補うと良い。また、塗膜の風合いは、ベヒクル
の材質と粒子の質および添加量に依存し、これらを調整
することでドライなタッチ、ウェットなタッチを選択す
ることができる。ドライなタッチはパルプ、コラーゲン
等を添加すると得られ、ウェットなタッチはシリコーン
ボール等の添加により得られる。
充填材粒子の量に依存する。したがって、淡色の膜でつ
や消し状態を得たい場合は、少量の有色粉末とシリコー
ンボール、コラーゲン粉末など透明粉末を添加すること
によって補うと良い。また、塗膜の風合いは、ベヒクル
の材質と粒子の質および添加量に依存し、これらを調整
することでドライなタッチ、ウェットなタッチを選択す
ることができる。ドライなタッチはパルプ、コラーゲン
等を添加すると得られ、ウェットなタッチはシリコーン
ボール等の添加により得られる。
【0008】上記粒径が10〜500μmの充填材粒子
は、その添加割合がベヒクル100重量部に対して1重
量部より少なければ前記意匠効果を得られず、100重
量部を超えると物性の低下などがあり適さない。したが
って、本発明における粒径が10〜500μmの充填材
粒子の添加量はベヒクル100重量部に対して1〜10
0重量部の範囲で与えられる。なお、添加する充填材粒
子の材質には制限はなく、目的に応じて自由に選択でき
る。
は、その添加割合がベヒクル100重量部に対して1重
量部より少なければ前記意匠効果を得られず、100重
量部を超えると物性の低下などがあり適さない。したが
って、本発明における粒径が10〜500μmの充填材
粒子の添加量はベヒクル100重量部に対して1〜10
0重量部の範囲で与えられる。なお、添加する充填材粒
子の材質には制限はなく、目的に応じて自由に選択でき
る。
【0009】また、木材の目地止めは、マトリックスが
木目の凹部に充填されて形成することにより得られる
が、凹部に充填されるには2000ポイズ以下の粘度を
要し、本発明の範囲となる。さらに、本発明は、膜が耐
光性、耐水性を長期にわたって維持でき高い信頼性を得
るため、ベヒクルとしてシリコーン系材料を使用した。
アクリル系、ウレタン系、塩化ビニル系などの一般の高
分子マトリックスは主鎖が炭素−炭素結合(結合エネル
ギーは85kcal/mol)で構成されるが、本発明
におけるシリコーン系は硅素−酸素結合(結合エネルギ
ーは106kcal/mol)が骨格であり、化学的な
安定性がより優れ、高い耐久性が達成される。
木目の凹部に充填されて形成することにより得られる
が、凹部に充填されるには2000ポイズ以下の粘度を
要し、本発明の範囲となる。さらに、本発明は、膜が耐
光性、耐水性を長期にわたって維持でき高い信頼性を得
るため、ベヒクルとしてシリコーン系材料を使用した。
アクリル系、ウレタン系、塩化ビニル系などの一般の高
分子マトリックスは主鎖が炭素−炭素結合(結合エネル
ギーは85kcal/mol)で構成されるが、本発明
におけるシリコーン系は硅素−酸素結合(結合エネルギ
ーは106kcal/mol)が骨格であり、化学的な
安定性がより優れ、高い耐久性が達成される。
【0010】シリコーン系材料は、その硬化様式により
分類される。第一はパーオキサイド硬化(加硫)型、第
二に縮合反応型、そして、第三は付加反応型である。本
発明は主に木材の加工を目的とするため、加熱を要する
パーオキサイド硬化型は不適であり、縮合反応型は脱オ
キシム等の反応により木材を変質または変色させるおそ
れがある。一方、付加反応型は触媒と抑制剤の配合方法
によっては室温での硬化が可能であり、これが本発明に
は適している。
分類される。第一はパーオキサイド硬化(加硫)型、第
二に縮合反応型、そして、第三は付加反応型である。本
発明は主に木材の加工を目的とするため、加熱を要する
パーオキサイド硬化型は不適であり、縮合反応型は脱オ
キシム等の反応により木材を変質または変色させるおそ
れがある。一方、付加反応型は触媒と抑制剤の配合方法
によっては室温での硬化が可能であり、これが本発明に
は適している。
【0011】付加反応型シリコーン系材料は、ビニル基
などの不飽和炭素結合基を有する下記の化学式1で表さ
れるオルガノポリシロキサンと、下記の化学式2で表さ
れる水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロ
キサンとのヒドロシリル反応により付加重合硬化する。
などの不飽和炭素結合基を有する下記の化学式1で表さ
れるオルガノポリシロキサンと、下記の化学式2で表さ
れる水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロ
キサンとのヒドロシリル反応により付加重合硬化する。
【0012】
【化式1】
【化式2】
【0013】付加反応型シリコーン系材料を硬化するの
に不可欠なのは、塩化白金酸などに代表される触媒、ア
セチレンアルコールなどに代表される抑制剤であり、マ
トリックスの物性向上のためにシリカなどが配合され
る。上記触媒は不飽和炭素結合を有するオルガノポリシ
ロキサンの不飽和炭素結合に存在するπ電子と結合する
ことでπ電子を活性化し、活性化したπ電子が水素原子
を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと付加
反応する。したがって、触媒添加量が増えれば、より早
い速度で反応が進行したり、また、低い温度でも数日間
の内に硬化させることができる。一方、抑制剤は、オル
ガノポリシロキサンの不飽和炭素結合よりも触媒との結
合が起こりやすく、ヒドロシリル反応の機会を奪うため
反応の速度が抑制される。低温においては、触媒にブロ
ックした抑制剤が脱離する時間が短くなるため、配合し
たマトリックスを未硬化のまま保存することができる。
に不可欠なのは、塩化白金酸などに代表される触媒、ア
セチレンアルコールなどに代表される抑制剤であり、マ
トリックスの物性向上のためにシリカなどが配合され
る。上記触媒は不飽和炭素結合を有するオルガノポリシ
ロキサンの不飽和炭素結合に存在するπ電子と結合する
ことでπ電子を活性化し、活性化したπ電子が水素原子
を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンと付加
反応する。したがって、触媒添加量が増えれば、より早
い速度で反応が進行したり、また、低い温度でも数日間
の内に硬化させることができる。一方、抑制剤は、オル
ガノポリシロキサンの不飽和炭素結合よりも触媒との結
合が起こりやすく、ヒドロシリル反応の機会を奪うため
反応の速度が抑制される。低温においては、触媒にブロ
ックした抑制剤が脱離する時間が短くなるため、配合し
たマトリックスを未硬化のまま保存することができる。
【0014】通常、シリコーン系材料は、100°C〜
200°Cの温度範囲において1〜60分程度の時間で
硬化するが、この際、マトリックスに対し、0.01〜
0.05%の触媒、0.1〜0.3%程度の抑制剤を配
合している。本発明においては、室温にて1〜36時間
の範囲で硬化させる必要があるため、触媒は0.05〜
1.0%、抑制剤は0.1〜1.0%の範囲が適してお
るが、これらの添加量および材質は上記オルガノポリシ
ロキサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの構
造および架橋点の数により任意に選択できる。
200°Cの温度範囲において1〜60分程度の時間で
硬化するが、この際、マトリックスに対し、0.01〜
0.05%の触媒、0.1〜0.3%程度の抑制剤を配
合している。本発明においては、室温にて1〜36時間
の範囲で硬化させる必要があるため、触媒は0.05〜
1.0%、抑制剤は0.1〜1.0%の範囲が適してお
るが、これらの添加量および材質は上記オルガノポリシ
ロキサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサンの構
造および架橋点の数により任意に選択できる。
【0015】本発明により得た液状の皮膜形成剤は、木
材に仕上げ剤として塗布することにより用いるが、木材
の材質、形状には特に制限はない。また、塗布する際の
方法も、ハケ塗り、スプレーなど、特に制限はなく、木
材の特性により自由に選択することができる。さらに、
皮膜形成剤の硬化方法も任意で、場合によっては、皮膜
形成剤が発泡しない程度であれば多少加熱を行ってもか
まわない。
材に仕上げ剤として塗布することにより用いるが、木材
の材質、形状には特に制限はない。また、塗布する際の
方法も、ハケ塗り、スプレーなど、特に制限はなく、木
材の特性により自由に選択することができる。さらに、
皮膜形成剤の硬化方法も任意で、場合によっては、皮膜
形成剤が発泡しない程度であれば多少加熱を行ってもか
まわない。
【0016】
【作用】この発明によれば、皮膜形成剤は室温付加反応
型シリコーン系材料が室温で硬化して木材等の表面に撥
水性に優れた塗膜を形成するため、高い耐候性、耐久性
が得られる。また、充填材粒子は、シリコーン系材料の
塗膜により保持され、一部が木材の毛細管に浸入し、他
の一部が塗膜上に突出して光を乱反射する。このため、
従来のとの粉と同等の下地塗り剤および艶消剤として機
能するのみならず意匠的な効果も得ることができ、との
粉等の代替品として用いることができる。そして、室温
付加反応型シリコーン系材料は2000ポイズ以下の低
粘度であるため塗工が容易に行え、また、充填材粒子と
ともに木材の毛細管に浸入しやすく、毛細管への粒子の
充填も確実に行える。特に、この発明は、室温付加反応
型シリコーン系材料として、第1液と第2液とを有する
2液付加反応型シリコーン系材料を用いることで、保管
や塗工作業が容易に行える。
型シリコーン系材料が室温で硬化して木材等の表面に撥
水性に優れた塗膜を形成するため、高い耐候性、耐久性
が得られる。また、充填材粒子は、シリコーン系材料の
塗膜により保持され、一部が木材の毛細管に浸入し、他
の一部が塗膜上に突出して光を乱反射する。このため、
従来のとの粉と同等の下地塗り剤および艶消剤として機
能するのみならず意匠的な効果も得ることができ、との
粉等の代替品として用いることができる。そして、室温
付加反応型シリコーン系材料は2000ポイズ以下の低
粘度であるため塗工が容易に行え、また、充填材粒子と
ともに木材の毛細管に浸入しやすく、毛細管への粒子の
充填も確実に行える。特に、この発明は、室温付加反応
型シリコーン系材料として、第1液と第2液とを有する
2液付加反応型シリコーン系材料を用いることで、保管
や塗工作業が容易に行える。
【0017】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面を参照して説
明する。 〔実施例1〕液状のビニル基含有ポリシロキサンと抑制
剤の混合物(商品名;シルマークTM 信越化学工業
(株)製)100重量部と、塩化白金酸系触媒(商品
名;CAT PL−2信越化学工業(株)製)0.5重
量部とをデスパーにて混合し、さらに、充填材粒子とし
て平均粒径125μmに分級された酸化第二鉄粉末20
重量部を加えて攪拌し、得られた混合物を室温下にて保
管した。この混合物の粘度は1000ポイズであった。
また、なら材片にカンナを用いて表面を整え、これを被
塗装材とした。
明する。 〔実施例1〕液状のビニル基含有ポリシロキサンと抑制
剤の混合物(商品名;シルマークTM 信越化学工業
(株)製)100重量部と、塩化白金酸系触媒(商品
名;CAT PL−2信越化学工業(株)製)0.5重
量部とをデスパーにて混合し、さらに、充填材粒子とし
て平均粒径125μmに分級された酸化第二鉄粉末20
重量部を加えて攪拌し、得られた混合物を室温下にて保
管した。この混合物の粘度は1000ポイズであった。
また、なら材片にカンナを用いて表面を整え、これを被
塗装材とした。
【0018】次いで、保管しておいた上記混合物に、オ
ルガノハイドロジェンポリシロキサン(商品名;CAT
TM 信越化学工業(株)製)を、上記シルマークT
M100重量部に対して8.5重量部添加し、ディスパ
ーにて混合し、直ちに上記被塗装材にハケを用いて塗布
して室温下で静置した(24時間後は完全に硬化してい
た)。
ルガノハイドロジェンポリシロキサン(商品名;CAT
TM 信越化学工業(株)製)を、上記シルマークT
M100重量部に対して8.5重量部添加し、ディスパ
ーにて混合し、直ちに上記被塗装材にハケを用いて塗布
して室温下で静置した(24時間後は完全に硬化してい
た)。
【0019】この実施例1の皮膜形成剤は、図1に示す
ように、被塗装材であるなら材片1に塗工して室温にて
乾燥させると、なら材片1の表面に酸化第二鉄粉末2を
分散保持したシリコーン系塗膜3が形成され、酸化第二
鉄粉末2が光を適度に乱反射して半つや消し状態が得ら
れ、また、酸化第二鉄粉末2により木目の凹部1aが濃
く着色され優れた意匠効果が得られた。そして、シリコ
ーン系塗膜3は撥水性が高く、優れた耐候性、耐久性お
よび耐熱性が得られた。
ように、被塗装材であるなら材片1に塗工して室温にて
乾燥させると、なら材片1の表面に酸化第二鉄粉末2を
分散保持したシリコーン系塗膜3が形成され、酸化第二
鉄粉末2が光を適度に乱反射して半つや消し状態が得ら
れ、また、酸化第二鉄粉末2により木目の凹部1aが濃
く着色され優れた意匠効果が得られた。そして、シリコ
ーン系塗膜3は撥水性が高く、優れた耐候性、耐久性お
よび耐熱性が得られた。
【0020】〔実施例2〕液状のビニル基含有ポリシロ
キサンと抑制剤の混合物(商品名;シルマークTM 信
越化学工業(株)製)100重量部、塩化白金酸系触媒
(商品名;CATPL−2信越化学工業(株)製)0.
5重量部、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(商
品名;CAT TM 信越化学工業(株)製)8.5重
量部、充填材として市販されている黄色のとの粉(平均
粒径50μm)20重量部と平均粒径が2μmのシリコ
ーンレジン製シリコーンボール50重量部とをディスパ
ーで攪拌し、得られた混合物を−20°Cの冷凍庫に保
管した。この混合物の粘度は1500ポイズであった。
そして、この混合物を冷凍庫から取り出し、上記実施例
1と同様にしてなら材片に塗布した。
キサンと抑制剤の混合物(商品名;シルマークTM 信
越化学工業(株)製)100重量部、塩化白金酸系触媒
(商品名;CATPL−2信越化学工業(株)製)0.
5重量部、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(商
品名;CAT TM 信越化学工業(株)製)8.5重
量部、充填材として市販されている黄色のとの粉(平均
粒径50μm)20重量部と平均粒径が2μmのシリコ
ーンレジン製シリコーンボール50重量部とをディスパ
ーで攪拌し、得られた混合物を−20°Cの冷凍庫に保
管した。この混合物の粘度は1500ポイズであった。
そして、この混合物を冷凍庫から取り出し、上記実施例
1と同様にしてなら材片に塗布した。
【0021】本発明者の実験によれば、上述した実施例
1および実施例2はともに、との粉と同等の艶消し効果
が得られることに加え、充填材粒子2が木目等の凹部に
充填することで優れた意匠効果を得ることもでき、さら
に、との粉に比較して高い撥水性が得られ、優れた耐候
性、耐久性が達成されることが実証され、また、塗工の
作業性も優れたものであった。
1および実施例2はともに、との粉と同等の艶消し効果
が得られることに加え、充填材粒子2が木目等の凹部に
充填することで優れた意匠効果を得ることもでき、さら
に、との粉に比較して高い撥水性が得られ、優れた耐候
性、耐久性が達成されることが実証され、また、塗工の
作業性も優れたものであった。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、液状の付加反応型シリコーン系材料100重量部に
平均粒径が0.1〜500μmの充填材粒子を1〜10
0重量部分散して粘度が2000ポイズ以下の皮膜形成
剤を達成するため、撥水性に優れた塗膜を形成して高い
耐候性、耐久性が得られることに加え、との粉と同等の
艶消し効果が得られるのみならず、また、高い耐候性、
耐久性が得られ、さらに、2000ポイズ以下の低粘度
であるため塗工が容易に行え、またさらに、充填材粒子
は粒径が小さく木材の毛細管に浸入しやすいため、毛細
管へのシリコーンボールの充填も確実に行え優れた意匠
効果も演出することができる。
ば、液状の付加反応型シリコーン系材料100重量部に
平均粒径が0.1〜500μmの充填材粒子を1〜10
0重量部分散して粘度が2000ポイズ以下の皮膜形成
剤を達成するため、撥水性に優れた塗膜を形成して高い
耐候性、耐久性が得られることに加え、との粉と同等の
艶消し効果が得られるのみならず、また、高い耐候性、
耐久性が得られ、さらに、2000ポイズ以下の低粘度
であるため塗工が容易に行え、またさらに、充填材粒子
は粒径が小さく木材の毛細管に浸入しやすいため、毛細
管へのシリコーンボールの充填も確実に行え優れた意匠
効果も演出することができる。
【図1】この発明の実施例にかかる皮膜形成剤を塗工し
た木材の模式断面図である。
た木材の模式断面図である。
1 なら材片 2 充填材粒子 3 シリコーン系材料の塗膜
【化1】
【化2】
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 5/00 PPF C09D 5/00 PPF PPG PPG 7/12 PSJ 7/12 PSJ 183/05 PMT 183/05 PMT
Claims (3)
- 【請求項1】 付加反応型シリコーン系材料100重量
部に、平均粒径が0.1乃至500μmである充填材粒
子を1乃至100重量部分散してなる、粘度が2000
ポイズ以下の液状皮膜形成剤。 - 【請求項2】 付加反応型シリコーン系材料100重量
部に平均粒径が0.1乃至500μmである充填材粒子
を1乃至100重量部分散して粘度が2000ポイズ以
下の液状皮膜形成剤を構成し、該液状皮膜形成剤を木材
表面に塗工することを特徴とする木材の仕上げ方法。 - 【請求項3】 前記付加反応型シリコーン系材料が、2
3°C±2°Cの温度において1乃至36時間で硬化す
るものである請求項1記載の液状皮膜形成剤または請求
項2記載の木材の仕上げ方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7169338A JPH08337756A (ja) | 1995-06-13 | 1995-06-13 | 液状皮膜形成剤および木材の仕上げ方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7169338A JPH08337756A (ja) | 1995-06-13 | 1995-06-13 | 液状皮膜形成剤および木材の仕上げ方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08337756A true JPH08337756A (ja) | 1996-12-24 |
Family
ID=15884714
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7169338A Pending JPH08337756A (ja) | 1995-06-13 | 1995-06-13 | 液状皮膜形成剤および木材の仕上げ方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08337756A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014137617A (ja) * | 2013-01-15 | 2014-07-28 | Fujifilm Corp | 耐熱性加飾用着色組成物、静電容量型入力装置の製造方法および静電容量型入力装置、並びに、これを備えた画像表示装置 |
-
1995
- 1995-06-13 JP JP7169338A patent/JPH08337756A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014137617A (ja) * | 2013-01-15 | 2014-07-28 | Fujifilm Corp | 耐熱性加飾用着色組成物、静電容量型入力装置の製造方法および静電容量型入力装置、並びに、これを備えた画像表示装置 |
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