JPH0833726B2 - パターン変換装置 - Google Patents

パターン変換装置

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JPH0833726B2
JPH0833726B2 JP1282746A JP28274689A JPH0833726B2 JP H0833726 B2 JPH0833726 B2 JP H0833726B2 JP 1282746 A JP1282746 A JP 1282746A JP 28274689 A JP28274689 A JP 28274689A JP H0833726 B2 JPH0833726 B2 JP H0833726B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はワードプロセッサやパソコン、ファクシミリ
端末等の情報処理装置で用いる文字ファント等の画像パ
ターンの拡大等を行うパターン変換装置に関するもので
ある。
[従来の技術] 従来の高画質なパターン変換技術としては特開昭61−
208082号公報に記載されているように、処理対象ドット
内の補間データを得るために、部分パターンメモリを複
数個用意し、これらのメモリの出力を合成する技術が知
られている。
また、昭和63年度画像電子学会全国大会予稿27号117
頁〜120頁「自動ボトムアップベクトル化フォント」に
記載されているように、ドットフォントのアウトライン
を抽出し、個別ベクトル化、ベクトルの平滑化を行な
い、その後塗つぶしを行なう技術が知られている。
[発明が解決しようとする課題] しかし、前記従来技術の、パターンメモリを複数個用
意する技術は、任意倍率の拡大を高画質に実行する場
合、パターンメモリの数が急速に増加し柔軟性に乏し
く、かつ、ハードウェアコストが増大するという問題点
があった。
一方、ドットフォントのアウトラインを抽出する技術
は、柔軟性に豊むが、処理が複雑であるために、処理時
間を要し、また、LSI化が困難であるという問題点があ
った。
本発明の目的は、高画質で任意倍率の拡大に柔軟かつ
高速に対応可能で、低いハードウェアコストで実現でき
るパターン変換装置を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、前記目的達成のために、第1のパターン変
換装置として、原画像を構成する各画素を、順次、拡大
処理対象画素とし、当該拡大処理対象画素の領域内の、
設定された拡大率に応じて定まる複数の補間位置に各々
画素を補間して、原画像を前記拡大率で拡大した拡大画
像の当該拡大処理対象画素に相当する部分を生成するパ
ターン変換装置であって、 前記拡大画像の拡大処理対象画素に相当する部分を分
割した領域である各部分領域毎に、前記拡大処理対象画
素および当該拡大処理対象画素周辺の画素の濃度の配列
パターンに応じて、当該部分領域内に含まれる前記補間
位置の各々に補間する各画素の濃度の仮配列パターンを
決定する手段と、 各部分領域毎に、当該部分領域について決定した補間
する各画素の濃度の仮配列パターンを、当該部分領域の
前記拡大処理対象画素内の位置に応じて回転し、回転し
た補間する各画素の濃度の仮配列パターンを、補間する
各画素の濃度の配列パターンとする手段とを有すること
を特徴とするパターン変換装置を提供する。
また、本発明は、前記目的達成のために、第2のパタ
ーン変換装置として、原画像を構成する各画素を、順
次、拡大処理対象画素とし、当該拡大処理対象画素の領
域内の、設定された拡大率に応じて定まる複数の補間位
置に各々画素を補間して、原画像を前記拡大率で拡大し
た拡大画像の当該拡大処理対象画素に相当する部分を生
成するパターン変換装置であって、 前記拡大処理対象画素の領域を分割した領域である部
分領域の各々について、前記拡大処理対象画素および当
該拡大処理対象画素の周辺の画素の並びを、当該部分領
域の前記拡大処理対象画素内の位置に応じて並び変え、
当該部分領域を当該部分領域の前記拡大対象画素内の位
置に応じて回転した領域内を区分けする直線を表す方程
式を、並び変えた前記拡大処理対象画素および当該拡大
処理対象画素の周辺の画素の濃度の配列パターンに応じ
て定義する補間境界設定手段と、 前記各部分領域毎に、前記補間位置の各々について、
前記定義された方程式が表す当該部分領域を回転した領
域内を区分けする直線の上下のいづれに、当該補間位置
に対応する回転した領域内の位置が位置するかと、前記
拡大処理対象画素の濃度とに応じて、当該補間位置に補
間する画素の濃度を決定する画素濃度決定手段とを有す
ることを特徴とするパターン変換装置を提供する。
[作用] 本発明に係るパターン変換装置では、前記拡大画像の
拡大処理対象画素に相当する部分を分割した領域である
各部分領域毎に、各部分領域内に補間される画素の濃度
を決定している。
ここで、拡大処理対象画素の領域を分割した部分領
域、たとえば本願明細書添付図面の第5図のように、拡
大処理対象画素の領域を上下左右の4つの部分領域に分
割した場合には、画像の上下左右の等方性より、特定の
部分領域に対応する拡大画像の領域が取りえる濃度の配
列パターンを、90度回転した濃度の配列パターンが、こ
の特定の部分領域と半時計回り方向に並ぶ部分領域に対
応する拡大画像の領域が取りえる濃度の配列パターンと
なる。同様に、180度回転した濃度の配列パターンが、
この特定の部分領域の斜め方向に並ぶ部分領域に対応す
る拡大画像の領域が取りえる濃度の配列パターンとな
り、270度回転した濃度の配列パターンが、この特定の
部分領域の時計回り方向に並ぶ部分領域に対応する拡大
画像の領域が取りえる濃度の配列パターンとなる。
したがい、いずれか特定の部分領域に対応する拡大画
像の領域が取りえる濃度の配列パターンのみを用意し、
前述した本発明の第1のパターン変換装置の如く、各部
分領域毎に、用意した濃度の配列パターンを適用し、そ
の後に、この濃度の配列パターンを回転することによ
り、各部分領域に対応する拡大画像の領域の濃度の配列
パターンを決定することができる。そして、この場合に
は、この特定の部分領域に対応する拡大画像の領域が取
りえる濃度の配列パターン数は、当然のことながら、拡
大処理対象画素全体に対応する拡大画像の領域が取りえ
る濃度の配列パターン数に比べ少なくすることができ
る。したがい、パターンメモリの数は少なくて済み、ハ
ードウエアコストを低く押さえることができる。また、
同じ容量のパターンメモリで、より多くの拡大率に対応
することができ、柔軟性に富む。また、従来のアウトラ
インを抽出する技術に比べ高速に処理が可能である。
また、この場合において、前述した本発明の第2のパ
ターン変換装置の如く、用意する濃度の配列パターンの
情報のうちの配列中における濃度の境界の情報を、直線
の方程式として用意し、各部分領域を回転した領域にお
ける直線の上下両側の濃度を決定し、これに基づいて最
終的な配列パターンを求めるようにしても同様の効果を
得ることができる。このように直線の方程式によって濃
度境界が表現された配列パターンによれば、任意の拡大
率に対応することができ、柔軟性に富む。
[実施例] 以下、本発明の第1の実施例を説明する。
まず、本実施例に係るパターン変換装置が、実行する
拡大平滑化処理アルゴリズムの説明を行なう。
第4図に平滑化アルゴニズムの概要を示す。
本装置は、文字ファント等の任意倍率の拡大処理を行
うものであるが、本実施例においては、一例として、
縦、横共、4倍に拡大する例について説明する。
第4図に示すように、3×3画素の原画像400を4倍
に拡大する場合、画素数は16倍の144画素となる、美し
い拡大文字ファント等を得るためには、これらの画素の
各々について白黒濃度を決定し平滑化する必要がある。
本実施例は、この濃度決定を、原画像の画素に対応す
る位置領域の画素の集合(以下画素ブロックという)を
単位として実行する。
402は、処理対象画素ブロック(中央部)内の濃度補
間境界を、処理対象画素ブロックに対応する原画像画素
(以下、処理対象画素という)およびその周辺画素(以
下、単に周辺画素という)の濃度配列状態により決定す
る処理を例示したものである。
第4図中(a)を例にとると、3×3の領域のうち、
中央の領域が現在の処理対象画素ブロックを示し、その
他の領域は、周辺画素を示す。
各画素のうち黒く塗ったものは黒画素、白いものは白
画素、斜線のものはどちらでも良いものとする。
処理対象画素ブロックに対応する処理対象画素が白で
周辺画素の濃度が第4図(a)のような配列となった場
合には、図示したように処理対象画素ブロックの左上部
の一部を黒くし、残りの部分を処理対象画素と同じ白と
することにより平滑化を行う。
この黒く濃度変化させた部分と濃度変化させない部分
との境界を補間境界と呼ぶ。
本実施例では、以下第4図(b)〜(h)までの、補
間境界のパターンを用意している。
第4図(c)は第4図(b)が裏返しになったもの、
第4図(d)〜第4図(f)は第4図(a)〜第4図
(c)の白黒濃度を反転したものとなっている。
第4図(g)と第4図(h)は、ひらがなを拡大する
時に用いる特殊パターンであり漢字やカタカナを拡大す
る時には、この配列での補間処理は行なわない。このこ
とにより、ひらがなは丸みをおびた、漢字、カタカナは
直角が保持された高画質な拡大ができる。
第4図で示した濃度配列パターンは、補間が処理対象
画素の左上に行なわれる例を示したものであるが、実際
の補間は、右上、左下、右下についても同様に補間を行
なう。
第5図は、処理対象画素ブロックeの濃度補間境界の
例を示したものである。
第5図中a〜d、およびf〜iは周辺画素である。前
述したように、左上、右上、左下、右下について補間を
行った場合、一つの処理対象画素ブロックに対し、最大
4本の補間境界が存在する可能性があり、これらを同時
にパターン処理するに大きなハードウェアを必要とす
る。
このため、本実施例では、第5図中で太線で示した一
部の領域に着目する。この部分を拡大したのが第6図で
ある。
第4図に示したパターンを用いた場合、第6図に示す
領域では直線はいずれかの一本に限定することができ
る。そこで、さらに、この部分領域を単位に処理を行う
ことにより、処理を簡単化することができる。
この部分領域の補間領域の決定は、前述したように周
辺画素を参照画素として決定するが、本実施例において
は、この参照画素の配列を並び換え、各部分領域の処理
を統一的に行うことにより、さらに処理を簡単化する。
第10図に、部分領域の処理を行う際、参照画素の配列
をどのように変化させるかを示す。
表中、X1〜X9は参照画素の配列を示し、SHFX、SHFYは
処理対象部分領域の識別を示す画素遷移フラグであり、
左列より左上、右上、左下、右下の部分領域を示す。
A、B〜Iは周辺画素を示し、第5図中の同一符号と対
応する。
第11図は、第5図に示した参照画素配列X1〜X9によ
り、第6図に示すどの境界を選択するかを示す濃度補間
決定表である。
表中の1は黒、0は白を示し、空白は白でも黒でも良
いことを示す。たとえば、左上の部分領域処理時、第6
図に示す境界が選ばれる場合は、第5図の周辺画素
(bcdeg)が(10101)もしくは(01011)の並びになっ
た場合であることを示している。以下同様に〜の境
界となる場合も示している。はひらがな拡大時の特殊
モード用である。
以上、すなわち参照画素を基に、第11図により、部分
領域における補間直接の傾き正負S、補間直線の傾きの
絶対値PAおよび切片PBを決定する。
ここで第6図と第11図の直線と、直線に付した番号と
同番号の欄の正負S、補間直線の傾きの絶対値PAおよび
切片PBの値の対応より明かなように、正負S、補間直線
の傾きの絶対値PAおよび切片PBは、第6図の部分領域の
左上の頂点を(X,Y)=(0、0)とし、左下の頂点を
座標(X,Y)=(0、1)とし、右上の頂点を座標(X,
Y)=(1、0)とし、右下の頂点を座標(X,Y)=
(1、1)として定めている。
なお、基本的には、以上の平滑化アルゴリズムを各部
分領域および各画素ブロックについて順次実行すること
により全画像の境界を設定することができるが、補間対
象パターンが複雑になると接続関係が保てない場合が起
こる。
つまり、以上の処理では、2つのストロークの合流
点、すなわち、4つの濃度領域が隣り合う場合までは接
続関係を維持した補間が可能であるが、3つ以上のスト
ロークが合流すると接続関係を維持できなくなる。この
例を第12図に示す。
第12図においては、2つのパターンの原画像および処
理例を1段目、2段目に示している。処理例に見るよう
に原画像が複雑化すると原画像にはない特異パターンが
発生し、接続関係がくずれてしまう。
そこで、部分領域処理において、第13図に示すの参照
画素のパターンが発生した場合には、補間処理を禁止す
る。これにより、第12図の最下段のように特異パターン
の発生を抑圧することができる。
次に、求めた補間直接の傾きの正負S、補間直線の傾
きの絶対値PAおよび切片PBより定まる方程式を、各画素
について求解し、処理対象画素ブロックの各画素(以
下、着目点という)の濃度を塗りつぶし、出力する。
以上で、部分領域に関しての拡大処理を終了する。
本実施例に係るパターン変換装置は、以上のような処
理を、前記部分領域を単位として、各画素ブロックにつ
いて、順次行うことにより画像の拡大処理を実現する。
第1図に、本実施例に係るパターン変換装置の構成を
示す。
図中、11は入力データ1を一時蓄えるラインバッフ
ァ、13はラインバッファ11よりデータ抽出部12が抽出し
たデータより補間領域境界を求める補間直線決定論理部
である。
15は、処理前サイズレジスタ17に設定されたパターン
変換前のサイズ値および処理後サイズレジスタ18に設定
されたパターン変換後のサイズ値を用いて、部分領域の
前記補間領域の塗りつぶし処理に用いる座標を生成する
座標生成部、14は、座標生成部15が生成した座標と補間
直線決定論理部が決定した境界線より、塗りつぶし処理
を行う塗りつぶし部である。
以下、その動作を説明する。
まず、全体の動作について、説明する。
ラインバッファ11は、一旦、入力データ1を蓄積す
る。
データ抽出部12は、処理対象画素に応じて、処理対象
画素の周辺画素データをラインバッファ11より取り出
し、処理対象としている部分領域に応じて、その配列を
並びかえ、参照画素として、補間直線決定論理13に供給
する。
補間直線決定論理13は、供給された参照画素より、部
分領域における補間境界を決定し塗りつぶし部14に供給
する。
塗りつぶし部14は座標生成部15より供給される座標と
補間境界に基づいて、部分領域の各画素の濃度を決定
し、各画素データを出力する。
なお、あらかじめ、拡大、縮小のパラメータは、バス
16を通じて処理前サイズレジスタ17、処理後サイズレジ
スタ18にX,Y方向独立に設定する。座標生成部15は、こ
れらのパラメータに基づいて、前記座標をクロック信号
3を用いて生成する。また、ラインバッファ11、データ
抽出部12、塗りつぶし部14へ、データ更新やパラメータ
変更の指示等を行う。
次に、前記ラインバッファの詳細について説明する。
第2図に、ラインバッファ11の内部構成を示す。
図中、111、112、113はセレクタ、114はラッチ1140〜
1148からなるウィンドウマトリックス、115、116、115
はシリアルレジスタである。
ラインバッファ11において、入力データ1は、セレク
タSEL111を経由し、ウィンドウマトリクス114に入力す
る。
セレクタSEL111の出力は、ウィンドウマトリックス中
において、ラッチ1140に入力し、ラッチ1140の出力は、
ラッチ1141に入力するというようにラッチ1140〜1142は
直列に接続されシフトレジスタのごとく動作する。
また、ラッチ1140〜1148の出力は、すべてラインバッ
ファ11の外へ出力できるようになっている。
ラッチ1142の出力はウィンドウマトリクス114から出
てシフトレジスタSR115に入力する。シフトレジスタSR1
15は、画像の1ライン分の画素数からウィンドウマトリ
クス114の1行分つまり、ここでは3画素を減算した画
素数分のデータを蓄積している。
以下、同様に3ライン分のデータをこのラインバッフ
ァ11では保持する。
セレクタSEL111〜SEL113は、これらのデータを更新す
るか、保持するかを選択するものであり、外部信号SHMV
により制御される。外部信号SHMVは、処理対象画素が図
中eに格納されるようラインバッファを制御する信号で
ある。
なお、データ更新時は、新しいデータがセレクタSEL1
11を介し、ラッチ1140〜1142およびシフトレジスタ115
に入力され、順次、次のラインへデータが転送される
が、データ保持時は、同じデータがくり返し巡還するこ
ととなる。
以上、このようにシフトレジスタ115〜117を用いるこ
とにより、前記の拡大平滑処理時、同一データを何回も
本装置にロードする必要がなくなり、データ処理スルー
プットを向上できるという利点がある。
また、本実施例では、シフトレジスタ115〜115をデー
タ保持用メモリとして用いたが、これはRAMを用いても
等価である。
外部信号SHMVにより、処理対象画素が図中eに格納さ
れ、その周辺画素がa、b、c、d、f、g、h、iに
それぞれ格納されると、座標生成部15は、処理対象画素
ブロック内の座標をX、Y方向について発生する。
この座標生成部15は、X座標生成部とY座標生成部よ
り構成される。
以下、座標生成部15について説明する。なお、この座
標生成部15は、特許請求の範囲の請求項5にいう「補間
位置を、前記画素濃度決定手段に供給する手段」に相当
する。
第7図に座標生成部15のX座標生成部の構成を示す。
図中、151はセレクタ、152、155、156レジスタ、15
4、157は比較器、158は除算器、153は演算器(以下、AL
Uという)である。
X座標生成部は、原画像のX方向の画素数を処理前画
素数レジスタ17から、拡大画像の画素数を処理後画素数
レジスタ18から読み取り、注目点の部分領域内における
X座標DXXおよび部分領域の識別を示す画素遷移フラグS
HFX等を出力するものである。
以下、その動作を説明する。
ALU153は、セレクタ151を介して得られた処理前画素
数レジスタ17の内容と、一時レジスタ152の内容を加算
し、その加算結果を一時レジスタに格納する動作を、加
算結果が処理後画素数レジスタの値以上になる迄繰り返
す。
この加算結果と処理後画素数レジスタの値との比較
は、比較器154で行われるが、比較器154は、比較の結
果、加算結果が処理後画素数レジスタの値以上となった
ら、セレクタ151を処理後画素数を選択出力するよう切
り替えると共に、ALU153に、一時レジスタ152の値より
処理後画素数の減算を指示する。
この減算結果は、一時レジスタに格納され、以降の処
理前画素数レジスタ17の内容と加算に用いられる。
以上の処理を繰り返すことにより一時レジスタには、
画素ブロック内の画素数分のX座標が順次、巡還的に格
納される。
この、一時レジスタに格納されるALU153の出力値は、
同時に比較器157と座標変換器156に供給される。
比較器157は、この値と処理後レジスタの値を除算器1
58で1/2にした値とを比較し、がより大きければ、画素
遷移フラグSHFXを出力すると共に、その旨、座標変換器
156に通知する。
座標変換器156は、ALU153の出力値と比較器157よりの
通知に基づいて、ALU153が出力しているX座標を各部分
領域内のX座標DXXに変換して出力する。
前記SHFXは、このDXXが画素ブロック内における右側
の部分領域のものであることを示すものであり、DXXは
処理を行う着目点の部分領域内のX方向の位置を示すも
のである。
次に、第8図に座標生成部15のY座標生成部の構成を
示す。
Y座標生成部の構成は、X座標生成部と同じであり、
原画像のY方向の画素数を処理前画素数レジスタ17か
ら、拡大画像の画素数を処理後画素数レジスタ18から読
み取り、注目点の部分領域内におけるY座標DYYおよび
部分領域の識別を示す画素遷移フラグSHFY等を出力する
が、その処理は、X座標生成部の処理Iサイクルを基準
タイミングとして実行される。
すなわち、X座標生成部ALU153の出力値が1巡還する
毎にY座標生成部のALU153aの出力値は更新する。
なお、SHFYは、このDYYが画素ブロック内における下
側の部分領域のものであることを示すものであり、DYY
は処理を行う着目点の部分領域内のY方向の位置を示す
ものである。
こうして作成されたSHFXとSHFYと、ラインバッファ11
のa〜iからの画素データA〜Iよりデータ抽出部12お
よび補間直線決定部13は、部分領域の補間境界を求め
る。
以下、データ抽出部12および補間直線決定部13につい
て説明する。
第3図にデータ抽出部12と補間直線決定部13の構成を
示す。
データ抽出部12はラインバッファ11のa〜iからの画
素データA〜Iを入力し、部分領域の識別を示す座標生
成部よりの外部信号SHFX、SHFYにより定まる所定の参照
画素X1〜X8を第10図に従い出力する。これは、次段の補
間直線決定部13の入力となり、補間直線決定部13では、
前述したようにこれと処理対象画素と周辺画素とより第
6図、第10図に従って、部分領域における補間境界の直
線の傾きの正負S、補間境界の直線の傾きの絶対値PAお
よび切片PBを決定する。
このようにして参照画素X1〜X8を抽出するデータ抽出
部12と、補間境界の直線を定義するS,PA,PBを求める処
理を行う補間直線決定論理部13が特許請求の範囲の請求
項2にいう「補間境界設定手段」に相当する。
さて、このようにして、補間境界の直線を定義するS,
PA,PBが決定されたならば、次に、塗りつぶし部14にお
いてこのS,PA,PBより定まる方程式が表す直線と、座標
生成部15よりのDDX,DDYが表す座標との上下の位置関係
に応じて、処理対象画素ブロック中の画素(以下、着目
点という)の濃度を求め、出力する。すなわち、この塗
りつぶし部14が、特許請求の範囲の請求項2にいう「画
素濃度決定手段」に相当する。
以下、塗りつぶし部14について、説明する。
第9図に塗りつぶし部14の構成を示す。
図中、141、142はシフタ、143は演算器(以下、ALUと
いう)、144は比較器、145はペイント器である。
以下、その動作を説明する。
まず、第1図の座標生成部で作成した位置データDXX
をシフト141で乗除算する。
これは、第1図の補間直線決定論理部13で作成した境
界直線の傾きPAにより、前記DXXを2倍、1倍、1/2倍に
変化させるものである。この処理は、単なるシフト操作
で実現できる。
同様に切片に関しても、座標生成部からY方向の処理
後の画素サイズの1/2の値であるYDISTHを入力し、シフ
タ142により0倍、1倍、2倍し、ALU143にて、傾きの
符号PSを考慮して、乗除算後のDXXと加算する。
そして、これとY方向の位置データDYYと比較器146で
比較して、比較結果と処理対象画素の値と画素遷移フラ
グSHFX、SHFYとにより、ペイント器155が白か黒かの濃
度を決定する。すなわち、補間直線の上部の画素は処理
対象画素と異なる濃度、下部の濃度は等しい濃度とす
る。本実施例において、ここのような濃度を求めるまで
の処理を行った部分が特許請求の範囲の請求項1にいう
「仮配列決定手段」に相当する。そして、SHFX、SHFYを
参照して、右上の部分領域については、左右の画素を並
び替え、左下の部分領域については、上下の画素を並び
替え、右下の部分領域について上下左右の画素を並び替
えて出力する。なお、この並び替え処理は、画素データ
を蓄えるメモリと、該メモリへの書き込みアドレスの変
換アドレスによるメモリよりの読み出し等の技術により
容易に実現できる。なお、本実施例において、以上の様
な並び替えと出力を行う部分が、特許請求の範囲の請求
項1にいう「配列決定手段」に相当する。
これで、1処理対象画素の拡大処理が終了するので、
SHMVにより、順次、新たな処理対象画素をラインバッフ
ァ11のeに格納し、以上の処理にを繰り返すことによ
り、全体として、拡大画像を得ることができる。
以上のように、本実施例に係るパターン変換装置によ
れば、少ないハードウェアで高画質な拡大ができる。ま
た、処理前と処理後の画素数を入力するだけで拡大処理
を実行するので、ホスト装置のMPU等やユーザーの負荷
を少なくできる。また、3ライン分のメモリを内蔵して
いるため、外部から何回も同じデータを入力する必要が
なく、ホスト装置等よりの画像データ転送のバス等を専
有する時間が少なくでき、システム全体の処理のスルー
プット性能を向上できる。
次に、本発明に係るパターン変換装置の第2の実施例
について説明する。
第14図に本実施例に係るパターン変換装置の構成を示
す。
図中、1701は補間処理有無記憶部、1702は処理許可禁
止判定部である。
他部は、前記第1実施例に係る同一符号部と同一であ
るので説明を省略する。
すなわち、本実施例は、前述した第1実施例に補間処
理有無記憶部1701と処理許可禁止判定部1702を付加した
例である。
これらは、特異点発生を抑圧するための手段である。
まず、特異点の発生について、説明する。
第15図(a)太線部は原画像の1画素を示しており、
細線は1画素内を4分割する線を示しており、2重線は
補間処理により、孤立部が発生するか否かをチェックす
るウインドウを示している。
ウインドウは着目画素の1つの角を中心に連続性をチ
エックするために設ける。
例えば、第15図(b−1)では左上の部分のみ原画素
の濃度が変化されているため、問題はない。第15図(b
−2)では上側の2画素とも一部原画素の濃度が変化さ
れているがそれぞれ孤立することはありえない。しかし
第15図(b−3)では、3画素の濃度が1角をはさんで
変化し、右上の濃度変化された部分1201が孤立してしま
い特異点が発生してる。同様に第15図(b−4)では右
上、左下の部分1202,1203で孤立点が発生している。す
なわち、濃度変化の重なりにより、補間部が分離してし
まう。
このため、本実施例では、補間境界の設定を行なう際
に、角部分が孤立しないことを確認しながら処理する、
もしくは、過去に補間境界を設定した領域な孤立してし
まう補間境界の設定は行わないことにより特異点発生を
防止する。
この特異点防止のためには、拡大対象画素の各角周辺
の補間状況を知り、1の角をはさんで3ヶ所以上の補間
境界の設定が重ならないように処理を制御することによ
り特異点を防止すれば良い。
そこで、本実施例に係るパターン変換装置において
は、補間処理記憶部1701を設け、データ抽出部12が抽出
した参照画素をもとに、各処理対象画素の配列パターン
を記憶する。この補間処理記憶部1701が特許請求の範囲
の請求項6にいう「既に成された直線の方程式の定義状
況を記憶する手段」に相当する。そして、処理許可禁止
判定部1702が、この記憶されている配列パターンより各
処理対象画素の各部分領域につき補間境界を設定するか
否かを決定し、補間直線決定論理部13を制御する。この
処理許可禁止判定部1702が特許請求の範囲の請求項6に
いう「新たな直線の方程式の定義を禁止する手段」に相
当する。
なお、画質をある程度犠牲にするのであれば、拡大対
象画素の左側(直前に処理を行なったもの)の画素の拡
大処理における補間状況だけにより判定することで特異
点防止は可能であり、また、上の画素の画素の拡大処理
における補間状況だけにより判定することで特異点防止
は可能であり、また直前画素と上の画素の状況により判
定することで特異点防止は可能である。この場合、補間
が行われた領域と角を共有する領域については補間処理
を抑圧すれば良い。
[発明の効果] 以上のように、本発明によれば、高画質で任意倍率の
拡大等に柔軟かつ高速に対応可能で、低いハードウェア
コストで実現できるパターン変換装置を提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は第1実施例に係るパターン変換装置の構成を示
すブロック図、第2図はラインバッファ部の構成を示す
ブロック図、第3図はデータ抽出部と補間直線決定論理
部の構成を示すブロック図、第4図は2値画素の配列に
よる補間の例を示す説明図、第5図は補間境界線の例を
示す説明図、第6図部分領域における補間境界線を示す
説明図、第7図はX方向の座標生成部の構成を示すブロ
ック図、第8図はY方向の座標生成部の構成を示すブロ
ック図、第9図は塗りつぶし部の構成を示すブロック
図、第10図はデータ抽出部が配列変換に用いる表を示す
図、第11図は補間直線決定論理部が境界線の決定に用い
る表を示す図、第12図は特異点パターンの拡大処理の例
を示す表を示す図、第13図は補間直線決定論理部が特異
点処理に用いる表を示す図、第14図は第2実施例に係る
パターン変換装置の構成を示すブロック図、第15図は特
異点防止の概念図である。 11……ラインバッファ、12……データ抽出部、13……補
間直線決定論理部、15……塗りつぶし部、14……3画素
縮小論理部、16……拡大縮小セレクタ、141、142……シ
フタ、143……演算器、144……比較器、145……ペイン
ト器、1701……補間処理有無記憶部、1702……処理許可
禁止判定部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 健治 茨城県日立市東多賀町1丁目1番1号 株 式会社日立製作所多賀工場内 (72)発明者 多々内 允晴 東京都千代田区神田駿河台4丁目6番地 株式会社日立製作所内 (56)参考文献 特開 昭63−129397(JP,A) 特開 昭63−75789(JP,A)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原画像を構成する各画素を、順次、拡大処
    理対象画素とし、当該拡大処理対象画素の領域内の、設
    定された拡大率に応じて定まる複数の補間位置に各々画
    素を補間して、原画像を前記拡大率で拡大した拡大画像
    の当該拡大処理対象画素に相当する部分を生成するパタ
    ーン変換装置であって、 前記拡大画像の拡大処理対象画素に相当する部分を分割
    した領域である各部分領域毎に、前記拡大処理対象画素
    および当該拡大処理対象画素周辺の画素の濃度の配列パ
    ターンに応じて、当該部分領域内に含まれる前記補間位
    置の各々に補間する各画素の濃度の仮配列パターンを決
    定する仮配列決定手段と、 各部分領域毎に、当該部分領域について決定した補間す
    る各画素の濃度の仮配列パターンを、当該部分領域の前
    記拡大処理対象画素内の位置に応じて回転し、回転した
    補間する各画素の濃度の仮配列パターンを、補間する各
    画素の濃度の配列パターンとする配列パターン決定手段
    とを有することを特徴とするパターン変換装置。
  2. 【請求項2】原画像を構成する各画素を、順次、拡大処
    理対象画素とし、当該拡大処理対象画素の領域内の、設
    定された拡大率に応じて定まる複数の補間位置に各々画
    素を補間して、原画像を前記拡大率で拡大した拡大画像
    の当該拡大処理対象画素に相当する部分を生成するパタ
    ーン変換装置であって、 前記拡大処理対象画素の領域を分割した領域である部分
    領域の各々について、前記拡大処理対象画素および当該
    拡大処理対象画素の周辺の画素の並びを、当該部分領域
    の前記拡大処理対象画素内の位置に応じて並び変え、当
    該部分領域を当該部分領域の前記拡大対象画素内の位置
    に応じて回転した領域内を区分けする直線を表す方程式
    を、並び変えた前記拡大処理対象画素および当該拡大処
    理対象画素の周辺の画素の濃度の配列パターンに応じて
    定義する補間境界設定手段と、 前記各部分領域毎に、前記補間位置の各々について、前
    記定義された方程式が表す当該部分領域を回転した領域
    内を区分けする直線の上下のいづれに、当該補間位置に
    対応する回転した領域内の位置が位置するかと、前記拡
    大処理対象画素の濃度とに応じて、当該補間位置に補間
    する画素の濃度を決定する画素濃度決定手段とを有する
    ことを特徴とするパターン変換装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載のパターン変換装置
    であって、 前記拡大処理対象画素の周辺の画素として、前記拡大処
    理対象画素に縦横斜め方向に隣接する8画素を用い、か
    つ、前記部分領域を拡大処理対象画素の領域を縦方向と
    横方向の少なくとも1方向について2分割した領域とす
    ることを特徴とする2値画像パターン変換装置。
  4. 【請求項4】請求項2記載のパターン変換装置であっ
    て、 前記補間境界設定手段は、前記直線の方程式を、当該直
    線が区分けする領域における、当該直線の傾きおよび当
    該領域の境界との切片により定義することを特徴とする
    パターン変換装置。
  5. 【請求項5】請求項2記載のパターン変換装置であっ
    て、 前記原画像の水平および垂直方向の各画素数と、前記拡
    大画像の水平および垂直方向の各画素数とを用いて算出
    した、前記拡大処理対象画素領域内の複数の補間位置
    を、前記画素濃度決定手段に供給する手段を備えたこと
    を特徴とするパターン変換装置。
  6. 【請求項6】請求項2記載のパターン変換装置であっ
    て、既に成された直線の方程式の定義状況を特定可能な
    情報を記憶する手段と、記憶している情報から特定され
    る直線の方程式の定義状況が、新たな直線の方程式を定
    義した場合に、前記拡大画像において同濃度の画素の塊
    から孤立した画素を生じる可能性にある定義状況となっ
    たときに、前記補間境界設定手段による新たな直線の方
    程式の定義を禁止する手段を備えたことを特徴とするパ
    ターン変換装置。
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