JPH08336872A - 射出圧縮成形の良品判別方法および装置 - Google Patents

射出圧縮成形の良品判別方法および装置

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JPH08336872A
JPH08336872A JP14297695A JP14297695A JPH08336872A JP H08336872 A JPH08336872 A JP H08336872A JP 14297695 A JP14297695 A JP 14297695A JP 14297695 A JP14297695 A JP 14297695A JP H08336872 A JPH08336872 A JP H08336872A
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resin
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product
mold
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JP14297695A
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Inventor
Akio Okamoto
昭男 岡本
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製品外観へ全く影響を与えずに圧縮工程中の
金型内の樹脂状態を直接検出して、高精度な良品判別を
行なうようにした射出圧縮成形の良品判別方法および装
置を提供するものである。 【構成】 樹脂の射出圧縮成形を行なう際に、圧縮工程
中において、金型キャビティ内の樹脂に向けて照射した
超音波信号の樹脂の反射波信号を用いて、金型内の樹脂
の圧縮状態を検知し、圧縮工程完了時まで、前記反射波
信号が継続して検出された場合には良品と判断し、継続
して検出されなかった場合には不良品と判断して良品判
別を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】金型内に溶融樹脂を射出充填後型
締側で圧縮を行なう射出圧縮成形時の射出充填量を高精
度に制御する射出圧縮成形の良品判別方法または装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、射出圧縮成形によって得られた成
形品の良品判別は次のようにして行なわれていた。 (1)金型内に充填する射出充填量の制御精度が、その
後の型締側での圧縮工程に大きな影響を与えるため、射
出充填工程中の射出ストローク設定値に対する偏差で良
品判別を行なう。
【0003】(2)金型の位置を検出し、射出充填工程
中の型開量設定値に対する偏差、または、圧縮工程中の
圧縮完了位置設定値に対する偏差で良品判別を行なう。
【0004】(3)金型内の樹脂圧力、樹脂温度などを
検出して、圧縮工程中の各々の設定値に対する偏差(例
えば、樹脂の冷却固化収縮挙動に対応したPVT曲線と
実測値との差)で良品判別を行なう。によってなされて
いた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の良品
判別方法では次のような問題があった。すなわち、 (1)計量時の背圧設定の違い、射出時のチェックリン
グの作動のバラツキ、可塑化中の樹脂温度のバラツキな
どにより、射出充填量は変動する可能性がある。さら
に、成形品の品質は圧縮工程完了後の状態で決まるた
め、射出充填工程時の射出ストローク設定値に対する偏
差で良品判別を行なうのは非現実的と言える。
【0006】(2)射出充填工程中の型開量設定値に対
する偏差で良品判別を行なう場合では、上記(1)と同
様の理由により、さらに、最適型開量設定が難しい上
に、成形中の樹脂温度などの成形条件が変動した場合の
対応が不可能なことにより、正確性に欠ける良品判別方
法と言える。
【0007】また、圧縮完了位置設定値に対する偏差で
良品判別を行なう場合では、成形品の最終形状により近
いタイミングで判別ができるようになるが、例えば、充
填量が過大で明らかに品質許容値をはずれている場合で
も圧縮力値の設定によっては圧縮完了位置設定値まで圧
縮が可能となることもあり、金型内樹脂の圧縮状態と圧
縮力値の整合性を正確に把握しておかなければ間違った
判別を行なう可能性が大きい。いずれにしても、金型内
の樹脂の状態を間接的に検出している方法であるので高
精度な射出圧縮成形の良品判別方法への適用は難しいと
言える。
【0008】(3)上記(1)、(2)と比べて、金型
内の樹脂の状態を直接検出した場合は、最も精度の高い
判別方法と言えるが、使用する成形樹脂のPVT曲線を
あらかじめ算出する必要があること、そして判別に要す
るパラメータとして、樹脂圧力と樹脂温度の検出が同時
に必要なことにより、ソフトならびにハードの複雑化に
伴い、操作性が著しく低い。
【0009】また、簡易法として、樹脂圧力、樹脂温度
のいずれか1点のみで、設定値に対する偏差で判別を行
なう場合においても、従来の検出センサではいずれも金
型内樹脂に直接接触させなければならず(検出センサを
突出ピン端部に取付けて突出ピンを介して計測する場合
でも突出ピンと樹脂が接触)、そのため製品外観に影響
を及ぼさない位置へ限定されるため、センサ取付位置に
よっては大きな誤差を生じる。といった多くの問題点が
あった。
【0010】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
で、本発明の目的は、製品外観へ全く影響を与えずに圧
縮工程中の金型内の樹脂状態を直接検出して、高精度な
良品判別を行なうようにした射出圧縮成形の良品判別方
法および装置を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る第1の発明では、樹脂の射出圧縮成形
を行なう際に、圧縮工程中において、金型キャビティ内
の樹脂に向けて照射した超音波信号の樹脂の反射波信号
を用いて、金型内の樹脂の圧縮状態を検知し、圧縮工程
完了時まで、前記反射波信号が継続して検出された場合
には良品と判断し、継続して検出されなかった場合には
不良品と判断して良品判別を行なうようにした。
【0012】第2の発明では、良品と判断された場合に
は、金型内の樹脂の第1の反射波信号と第2の反射波信
号の反射時間差とからあらかじめ算出される樹脂内部を
伝播する超音波信号の伝播速度より、成形品の厚さを演
算し、演算効果と成形品の品質許容範囲値を比較して良
品判別を行なうようにした。
【0013】また、第3の発明では、不良品と判断され
た場合には、射出充填量の補正手段により射出充填量を
増加させるよう補正を行なうようにし、第4の発明で
は、第2の発明の良品判別の結果、不良品と判断された
場合には、射出充填量の補正手段により射出充填量を減
少させるように補正を行なうようにした。
【0014】さらに、第5の発明では、射出充填量設定
部を備え、該設定部に基づいて射出充填を行なう射出制
御部を備えるとともに金型内の樹脂の圧縮状態の検知
を、金型に組込んだ超音波センサと該センサからの信号
をカウントする超音波受発信部からなる樹脂検出部で行
ない、前記検出部からの検出信号に基づいて、良品判別
を行なう良品判別部を備え、前記良品判別部は良品判別
信号を発信するとともに、前記射出充填量設定部へ射出
充填量の補正信号を発生させる構成とする。
【0015】
【作用】金型内の樹脂の圧縮状態を金型キャビティ内の
樹脂に向けて照射した超音波信号の樹脂反射波信号を用
いて検知していることにより、直接的な検出方法である
ため、最も精度の高い判別方法であるとともに、従来の
検出センサと異なって金型内の樹脂にはセンサ部が直接
に接触することがなく、製品外観へは全く影響を及ぼさ
ないので、取付位置を限定することなく、樹脂の圧縮状
態を高精度に検知できる。
【0016】型締側で圧縮作用を付加させる射出圧縮成
形では、圧縮工程完了まで連続的に樹脂へ型締力が付加
されていなければならず、圧縮工程中は金型キャビティ
内の樹脂は常にキャビティ壁へ密着している状態が理想
的である。したがって、圧縮工程中の密着状態を超音波
信号を用いて検知することにより成形サイクル中の動作
の中で良品判別が正確に行なえる。
【0017】すなわち、金型キャビティ内の樹脂へ向け
て照射された超音波信号は、樹脂がキャビティ壁へ密着
している場合には、樹脂へ超音波信号が伝達され、その
結果、樹脂反射波信号として検出される。したがって、
密着状態の検知は樹脂反射波信号の有無を判定すること
でよく、極めてシンプルな検出原理で高精度な良品判別
ができる。
【0018】さらに、樹脂内部を伝播する超音波信号の
伝播時間を計測することにより、樹脂成形体、すなわち
製品の肉厚が容易、かつ正確に測定でき、樹脂反射波信
号の有無検出方法と合わせて、製品の肉厚のバラツキ度
でもって良品判別を行なうため、より高精度な判定がで
きる。
【0019】また、良品判別と同時に、不良品と判断し
た場合には、射出充填量の補正を行なうようにしている
ため、その結果、不良品率が低下して安定して良品を連
続的に供給することができる。
【0020】
【実施例】以下に、本発明に係る射出圧縮成形の良品判
別方法および装置の実施例を図面を用いて詳細に説明す
る。
【0021】図1は本発明の実施例に係る制御概念図、
図2は本発明の実施例に係る超音波信号の伝播状態を示
す説明図、図3は検出された超音波信号のモデル図、図
4は良品判別のフロー図である。
【0022】図1において、固定金型3は図示しないマ
シンベースの一端上に固着された固定盤5に取付けられ
ており、一方マシンベースの他端部には前記固定盤5と
対向して可動金型2が可動盤4に取付けられている。
【0023】前記可動盤4の背面部には型締シリンダ6
内を前後動するピストン6aとこのピストン6aのピス
トンロッド6bの先端部に可動盤4が固着され、ピスト
ン6aの前後に圧油を導入して可動盤4を前後動自在と
する構成となっている。符号25はキャビティを示す。
【0024】符号10は射出装置であって、この射出装
置10はスクリュ11、射出シリンダ12、正逆転用モ
ータ13、ホッパ14aおよびバレル14から構成され
ている。
【0025】バレル14内にスクリュ11が回転自在に
設けられ、ホッパ14a内の樹脂原料が供給ゾーン、圧
縮ゾーンにおいて加熱圧縮され、計量ゾーンにおいて溶
融計量され、そして射出ゾーンを経てノズル15内へ射
出されるように構成されている。
【0026】そして、バレル14の外周面には樹脂原料
を外部加熱するためのヒータが設けられており、樹脂原
料が溶融されながらスクリュ11の回転によって前方へ
送られるようになっている。
【0027】符号12は射出シリンダ、12aはピスト
ン、13は正逆転用モータであってスクリュ11に直結
されており、スクリュ11を正逆回転するようになって
いる。
【0028】符号8、16は油圧制御弁、9a、9bは
油圧供給源である。17は制御部を示し、超音波センサ
18、超音波受発信部19、樹脂検出部20、射出制御
部21、射出充填量設定部22および良品判別部23か
ら構成されている。
【0029】可動金型2の背面部に設けられた超音波セ
ンサ18は送信波と反射波を受発信する超音波受発信部
19に接続されている。また、超音波受発信部19は樹
脂検出部20に接続されるとともに、樹脂検出部20は
良品判別部23に接続され、さらに、良品判別部23は
射出充填量設定部22に接続されている。
【0030】一方、射出制御部21は射出シリンダ12
の動作を制御する油圧制御弁16に接続されている。
【0031】以上のように構成された射出圧縮成形装置
の作用について述べる。
【0032】まず、超音波信号の伝播状態について図2
を用いて説明する。可動金型2(または固定金型3)の
反キャビティ部へ取付けた超音波センサ18からキャビ
ティ25内に射出充填された樹脂へ向けて照射した超音
波信号は、金型内を伝播してキャビティ25壁へ到達
し、キャビティ25壁で反射して再び超音波センサ18
へ戻る(S1 波)。
【0033】この時、キャビティ25内へ樹脂が充満
し、圧縮力が付加されて樹脂とキャビティ25壁が密着
されていれば、キャビティ25壁へ到達した超音波信号
は、樹脂の密着状態および金型と樹脂の物性などにより
定まる割合で、一部が樹脂へ伝達される。
【0034】伝達された超音波信号は樹脂内を伝播し
て、固定金型3側のキャビティ25壁へ到達し、一部は
固定金型3へ伝達するが大半はキャビティ25壁で反射
して、再び可動金型2側のキャビティ25壁間で伝達挙
動を示して超音波センサ18へ戻る(B1 波)。
【0035】型締側で圧縮作用を付加させるいわゆる射
出圧縮成形では圧縮工程完了まで連続的に樹脂へ圧縮力
が付加されていなければならず、そのためには、樹脂は
キャビティ25壁と常に密着している状態を保つことが
必要である。
【0036】したがって、圧縮工程中において、この樹
脂の反射波信号(B1 波)が、検知されている間は、金
型キャビティ25内の樹脂には型締側からの圧縮力が付
加されていることを示しており、B1 波が検知されない
場合は、型締側の圧縮力が樹脂に付加されていない、す
なわち、樹脂とキャビティ25壁は密着してなく、隙間
が生じた状態を示しており、B1 波の有無を判定するこ
とによって、圧縮工程中の樹脂の圧縮状態が簡単かつ正
確に検知できる。
【0037】なお、超音波センサから発信された超音波
信号は、金型内で反射を繰り返すとともに、(伝播する
被物体の物性により定まる超音波減衰特性に応じて、S
1 、S2 、S3 …と反射波信号は繰り返し計測される)
とともに、樹脂に伝達された超音波信号も、樹脂層(成
形品の厚さ、t値)の中で反射を繰り返し、樹脂反射波
B1 、B2 …が計測される。特に、この樹脂反射波(B
1 、B2 )を用いて後述する第2の良品判別の判定信号
とする。
【0038】次に図3を用いて検出された超音波信号の
モデル図について説明する。以上述べたような超音波信
号の伝播状態を、例えばデジタルオシロスコープを用い
て画面で観察すると、超音波センサ18からの発信信号
は送信波信号として、また、キャビティ25壁での反射
波信号(S1 波)や樹脂反射波信号(B1 、B2 波)と
して、時間差をもってそれぞれのピーク値が検出され
る。
【0039】この場合、超音波信号の伝播方向が金型か
ら樹脂のキャビティ25壁、樹脂→金型のキャビティ2
5壁のように、異なる物体が合わさった場合の境界面に
おける超音波信号の各々の反射波信号の形態は、次式に
示すように音圧反射率(Rp)で定まるのである。
【0040】
【数1】
【0041】ここで、Z1 、Z2 は各々の物体の音響イ
ンピーダンス(kg/m2 ・s)を示し、超音波信号の
伝播方向によって各々の組合せが定まる。すなわち、超
音波信号の伝播方向が金型(Z1 )→樹脂(Z2 )のキ
ャビティ25壁での反射波信号(S1 波)の場合はZ1
>Z2 となるためRpは負となり、送信波信号に対して
逆位相の形態を示し、逆に、樹脂(Z1 )→金型(Z2
)のキャビティ25壁での樹脂反射波信号(B1 、B2
波)の場合は、Z1 <Z2となるためRpは正となり、
送信波信号(伝達信号)と同位相の形態を示すことにな
るのである。
【0042】上記結果を利用して樹脂反射波信号(B1
、B2 波)の識別を行なう。すなわち、金型と樹脂の
厚さによって各反射波信号の検出順位は多少異なるが、
通常においては、金型の厚さ>樹脂の厚さであるため、
送信波信号の次に逆位相の反射波信号(S1 波)、次い
で送信波信号と同位相の樹脂反射波信号(B1 、B2 …
金型と樹脂の厚さの組合せに応じて、繰り返し数が定ま
る)が検出されることとなり、容易に樹脂反射波信号
(B1 、B2 波)の識別ができるのである。
【0043】また、圧縮工程完了まで樹脂反射波信号
(B1 波)が検出された場合においては、第1の反射波
信号(B1 波)と第2の反射波信号(B2 波)の反射時
間差(T値)を計測することにより、樹脂の種類と圧縮
工程完了時の樹脂温度によりあらかじめ算出される樹脂
内部の超音波の伝播速度から樹脂の厚さ(製品の厚さ)
が金型内の状態で求めることができるのである。
【0044】さらに、この方法を用いれば、金型2、3
に起因する変動因子(温度変動、圧縮力による弾性変
形)の影響を全く受けず、樹脂のみの状態で計測できる
ため、外乱因子に強い高精度な計測が可能である。
【0045】すなわち、上記の演算結果と、成形品の品
質許容範囲値を比較して、良品判別を行なう第2の良品
判別手段と、圧縮工程中のB1 波の有無による第1の良
品判別手段と合せて、成形サイクル中に同時に高精度な
良品判別を行なうことができる。
【0046】なお、超音波信号の検出は、樹脂反射波信
号の有無の検知、および反射時間差を計測するのみとし
ているので、実際には、図3の説明で用いたデジタルオ
シロスコープなどは不要であり、超音波センサと超音波
信号をカウントする超音波受発信部の簡単なソフト・ハ
ード構成でよく、大幅なコストダウンが図れることにな
る。
【0047】この場合、良品判別に超音波信号を用いる
メリットとしては、 (1)金型の樹脂挙動を直接検知できる上に、樹脂には
非接触のため製品外観に影響を与えない。 (2)超音波信号の伝播速度が極めて速いため、検出応
答性が高く、従来の検出センサで問題であった検出遅れ
が解消でき、さらに外乱因子にも強いため高精度な検出
が可能。 (3)超音波センサを金型裏面へ固定するだけでよく、
金型の改造が極めて少ない。などが考えられる。
【0048】また、本実施例では超音波計測のスペック
としては次のような条件を有したものを用いた。超音波
センサ18については、周波数が5MHz、また、セン
サ径は1/2インチのものである。
【0049】ここで、周波数が5MHzとしたのは、周
波数が高い程直進性はよいが伝播距離が短くなるためで
あり、さらに、センサ径を1/2インチとしたのは、セ
ンサ径が小さい程ビーム性はよいが信号レベルが低くな
るためである。また、超音波受発信部19については、
超音波信号をパルス制御できるものが望ましい。
【0050】次に図4を用いて、射出圧縮成形における
良品判別方法について述べる。
【0051】(1)樹脂充填の樹脂圧によって金型が開
くことを許容する比較的小さい型締力値で型締を行な
う。または、所定の型開量を確保した状態に型締を行な
う。 (2)射出充填量設定部22の設定値に基づいて、射出
制御部21は射出充填を行なう。
【0052】(3)射出充填工程の途中、あるいは充填
完了後の任意の時点より、型締シリンダ6を駆動させて
圧縮工程を行なう。同時に、キャビティ25内の樹脂に
向けて照射した超音波信号を検出して、樹脂の圧縮状態
をモニタする。 (4)圧縮工程完了まで樹脂反射波信号(B1 波)が継
続して検出されない場合には、不良品と判断して良品判
別部23では、不良品信号を発信させるとともに、射出
充填量設定部22へ樹脂量の増加補正信号を発信させ
て、充填量の補正手段を行なう(第1の良品判別)。
【0053】このことは、型締側で圧縮を行なう射出圧
縮成形においては、圧縮工程完了まで樹脂へ連続的に圧
縮力が付加されていなければならず、そのためには、樹
脂が常にキャビティ25壁に密着していることが必要で
あると考えられる。
【0054】したがって、圧縮工程中に樹脂反射波信号
(B1 波)が検出されなくなることは、型締側の圧縮挙
動に対して樹脂の冷却固化挙動が不整合となるため、樹
脂とキャビティ25壁に隙間が生じ、その結果、型締側
の圧縮力は樹脂へ作用しなくなるので、変形や歪を伴っ
た不良品となる。
【0055】また、型締側の圧縮挙動と樹脂の冷却固化
圧縮挙動のバランスがくずれる原因は、キャビティ25
内へ充填する樹脂量が不足しているためであり、そのた
めに、充填量の増加補正手段を同時に行なって、不良品
の発生を最小限にとどめようとするのである。 (5)圧縮工程完了までB1 波が検出された場合におい
ても、例えば充填量オーバによる成形品の品質許容範囲
からはずれた不良品を含んでいる可能性があるので、次
の第2の良品判別を行なう。
【0056】(6)すなわち、樹脂反射波信号B1 波と
B2 波の反射時間差(T、ただし往復時間であるので、
実際は2/T)を瞬時に計測して、あらかじめ求めてい
る樹脂内部の超音波信号の伝播速度から、金型内に未だ
樹脂がある状態で成形品の厚さを演算する。演算結果と
品質許容値を比較して範囲外であれば(この場合、オー
バする)、良品判別部23は不良品信号を発信させると
ともに、射出充填量設定部22へ充填量の減少補正信号
を発生させる。 (7)第1の良品判別および第2の良品判別を通過した
場合に、良品と判断するのである。
【0057】
【発明の効果】以上説明したことからも明らかなよう
に、本発明では、 (1)圧縮工程中に、キャビティ内の樹脂に向けて照射
した超音波信号の樹脂反射波信号を検出して金型内の樹
脂の圧縮状態を検知して良品判別を行なうことにより、
最も確実な金型部で圧縮状態を直接検知しているので、
極めて高精度な良品判別が行なえるとともに、従来の検
出センサで問題となっていた製品外観センサの接触跡が
全くないので、取付位置を限定することなく、適切な位
置で圧縮状態の検知ができ、その結果、信頼性の高い良
品判別ができる。 (2)樹脂反射波信号の有無判断による第1の良品判別
と、樹脂反射波信号の時間計測による第2の良品判別の
2重の判別基準により、判別結果の正確性が極めて高
い。 (3)良品判別と同時に射出充填量の補正手段を行なう
ことにより、不良品の連続発生を未然に防止でき、その
結果、極めて高い良品率を得ることができ、生産性が大
幅にアップする。 (4)外乱因子に強く、かつ検出応答性の高い超音波信
号を用いていることにより、安定して高精度な良品判別
ができる。 (5)超音波センサの取付は、金型裏面へ固定するだけ
でよいので、センサ取付のための加工が容易となり、操
作性が大幅にアップする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る制御概念図である。
【図2】本発明の実施例に係る超音波信号の伝播状態を
示す説明図である。
【図3】検出された超音波信号のモデル図である。
【図4】良品判別のフロー図である。
【符号の説明】
2 可動金型 3 固定金型 4 可動盤 5 固定盤 6 型締シリンダ 8、16 油圧制御弁 9a、9b 油圧供給源 10 射出装置 11 スクリュ 12 射出シリンダ 13 正逆転用モータ 15 ノズル 17 制御部 18 超音波センサ 19 超音波受発信部 20 樹脂検出部 21 射出制御部 22 射出充填量設定部 23 良品判別部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂の射出圧縮成形を行なう際に、圧縮
    工程中において、金型キャビティ内の樹脂に向けて照射
    した超音波信号の樹脂の反射波信号を用いて、金型内の
    樹脂の圧縮状態を検知し、圧縮工程完了時まで、前記反
    射波信号が継続して検出された場合には良品と判断し、
    継続して検出されなかった場合には不良品と判断して良
    品判別を行なうことを特徴とする射出圧縮成形の良品判
    別方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の良品判別において、良品
    と判断された場合には、金型内の樹脂の第1の反射波信
    号と第2の反射波信号の反射時間差とからあらかじめ算
    出される樹脂内部を伝播する超音波信号の伝播速度よ
    り、成形品の厚さを演算し、演算結果と成形品の品質許
    容範囲値を比較して良品判別を行なうことを特徴とする
    射出圧縮成形の良品判別方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の良品判別において、不良
    品と判断された場合には、射出充填量の補正手段により
    射出充填量を増加させるよう補正を行なうようにしたこ
    とを特徴とする射出圧縮成形の良品判別方法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の良品判別の結果、不良品
    と判断された場合には、射出充填量の補正手段により射
    出充填量を減少させるように補正を行なうようにしたこ
    とを特徴とする射出圧縮成形の良品判別方法。
  5. 【請求項5】 射出充填量設定部を備え、該設定部に基
    づいて射出充填を行なう射出制御部を備えるとともに金
    型内の樹脂の圧縮状態の検知を、金型に組込んだ超音波
    センサと該センサからの信号をカウントする超音波受発
    信部からなる樹脂検出部で行ない、前記検出部からの検
    出信号に基づいて、良品判別を行なう良品判別部を備
    え、前記良品判別部は良品判別信号を発信するととも
    に、前記射出充填量設定部へ射出充填量の補正信号を発
    生させることを特徴とする射出圧縮成形の良品判別装
    置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108274696A (zh) * 2017-12-28 2018-07-13 太仓朗盛金属制品有限公司 一种自动化模具及其工作方法

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