JPH091607A - 射出圧縮成形の良品判別方法および装置 - Google Patents

射出圧縮成形の良品判別方法および装置

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JPH091607A
JPH091607A JP14990595A JP14990595A JPH091607A JP H091607 A JPH091607 A JP H091607A JP 14990595 A JP14990595 A JP 14990595A JP 14990595 A JP14990595 A JP 14990595A JP H091607 A JPH091607 A JP H091607A
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mold
completion
injection
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JP14990595A
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English (en)
Inventor
Akio Okamoto
昭男 岡本
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 キャビティ内の樹脂に最も近い金型部で製品
外観に影響を与えずに圧縮状態を検知して、簡単なソフ
トならびにハードにより高精度な良品判別を行なうよう
にした射出圧縮成形時の良品判別方法および装置を提供
するものである。 【構成】 樹脂の射出圧縮成形を行なう際に、圧縮工程
中は金型パーティング面に向けて照射した超音波信号の
反金型側の反射波信号を検出した時点を金型内に充填し
た樹脂の圧縮完了検知時とし、良品成形時の圧縮工程開
始から前記圧縮完了検知までの経過時間を基準時間とし
て、生産成形時の前記経過時間が、前記基準時間に対し
て成形品の品質許容範囲値から設定される許容値からは
ずれた場合に不良品と判断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】金型内に溶融樹脂を射出充填後型
締側で圧縮を行なう射出圧縮成形時の射出充填量を高精
度に制御する射出圧縮成形の良品判別方法または装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、射出圧縮成形によって得られた成
形品の良品判別は次のようにして行なわれていた。 (1)金型内に充填する射出充填量の制御精度が、その
後の型締側での圧縮工程に大きな影響を与えるため、射
出充填工程中の射出ストローク設定値に対する偏差で良
品判別を行なう。
【0003】(2)金型の位置を検出し、射出充填工程
中の型開量設定値に対する偏差、または、圧縮工程中の
圧縮完了位置設定値に対する偏差で良品判別を行なう。
【0004】(3)金型内の樹脂圧力、樹脂温度などを
検出して、圧縮工程中の各々の設定値に対する偏差(例
えば、樹脂の冷却固化収縮挙動に対応したPVT曲線と
実測値との差)で良品判別を行なう。によってなされて
いた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の良品
判別方法では次のような問題があった。すなわち、 (1)計量時の背圧設定の違い、射出時のチェックリン
グの作動のバラツキ、可塑化中の樹脂温度のバラツキな
どにより、射出充填量は変動する可能性がある。さら
に、成形品の品質は圧縮工程完了後の状態で決まるた
め、射出充填工程時の射出ストローク設定値に対する偏
差で良品判別を行なうのは非現実的と言える。
【0006】(2)射出充填工程中の型開量設定値に対
する偏差で良品判別を行なう場合では、上記(1)と同
様の理由により、さらに、最適型開量設定が難しい上
に、成形中の樹脂温度などの成形条件が変動した場合の
対応が不可能なことにより、正確性に欠ける良品判別方
法と言える。
【0007】また、圧縮完了位置設定値に対する偏差で
良品判別を行なう場合では、成形品の最終形状により近
いタイミングで判別ができるようになるが、例えば、充
填量が過大で明らかに品質許容値をはずれている場合で
も圧縮力値の設定によっては圧縮完了位置設定値まで圧
縮が可能となることもあり、金型内樹脂の圧縮状態と圧
縮力値の整合性を正確に把握しておかなければ間違った
判別を行なう可能性が大きい。いずれにしても、金型内
の樹脂の状態を間接的に検出している方法であるので高
精度な射出圧縮成形の良品判別方法への適用は難しいと
言える。
【0008】(3)上記(1)、(2)と比べて、金型
内の樹脂の状態を直接検出しているので最も精度の高い
判別方法と言えるが、従来の検出センサはいずれも金型
内樹脂に直接接触させなければならず(検出センサを突
出ピンに取付けて突出ピンを介して検出する場合でも突
出ピンと樹脂は接触)、そのため製品外観に影響を及ぼ
さない位置へ限定されるため、センサ取付位置によって
は大きな誤差を生じる。
【0009】さらに、従来の検出方法では、ピンポイン
トであるため、金型の樹脂の状態を全体的に把握するこ
とは不可能であり、かりに、検出位置を複数化したとし
ても、単発的な検出信号の集合にすぎず、逆に検出信号
の処理に高度なソフト・ハードを必要とすることにな
り、操作性は極めて悪い、といった多くの問題があっ
た。
【0010】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
で、本発明の目的は、キャビティ内の樹脂に最も近い金
型部で製品外観に影響を与えずに圧縮状態を検知して、
簡単なソフトならびにハードにより高精度な良品判別を
行なうようにした射出圧縮成形時の良品判別方法および
装置を提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る第1の発明では、樹脂の射出圧縮成形
を行なう際に、圧縮工程中は金型パーティング面に向け
て照射した超音波信号の反金型側の反射波信号を検出し
た時点を金型内に充填した樹脂の圧縮完了検知時とし、
良品成形時の圧縮工程開始から前記圧縮完了検知までの
経過時間を基準時間として、生産成形時の前記経過時間
が、前記基準時間に対して成形品の品質許容範囲値から
設定される許容値からはずれた場合に不良品と判断し、
また、第2の発明では、良品判別において、不良品と判
別された条件のうち、経過時間が許容値よりも短い場合
には、射出充填量を増加させるよう補正を行なうように
し、逆に経過時間が許容値よりも長い場合には、射出充
填量を減少させるよう補正を行なうようにした。さら
に、第3の発明では射出充填量設定部を備え、該設定部
に基づいて射出充填を行なう射出制御部を備えるととも
に、金型内の樹脂の圧縮完了検知を、金型に組込んだ超
音波センサと該センサからの信号をカウントする超音波
受発信部からなる圧縮完了検出部で行ない、良品成形時
の圧縮工程開始から前記圧縮完了検知までの経過時間を
基準時間として設定する基準時間設定部と、生産成形時
の前記圧縮完了検知部からの検出信号と前記基準時間設
定部の設定値を比較して設定された品質許容値からはず
れた場合に、不良品信号を発生させるとともに前記射出
充填量設定部へ射出充填量の補正信号を発生させる良品
判別部を有した構成にする。
【0012】
【作用】圧縮完了の検知、すなわち、金型が密着した状
態の検知を、金型パーティング面に向けて照射した超音
波信号の反金型の反射波信号を検出することにより行な
っているので、金型内を伝播する超音波信号の伝播速度
は極めて高いことから、従来の検出方法とは比較になら
ない程、高応答の検知が正確にできる。このことは、一
連の成形サイクルの動作中に、良品判別を同時に行なう
場合、良品判別に要する時間は極めて短くなり、その結
果、生産性を高めるため、成形サイクルを1秒でも短縮
したいという近年の要求に対して、全く問題なく対応で
きることを示している。
【0013】また、良品成形時の圧縮完了までの経過時
間を基準として、成形品の品質許容値を考慮した設定値
で生産成形時の圧縮完了経過時間を計測することで良品
判別を行なっていることにより、型締側で圧縮作用を付
加させる射出圧縮成形では、圧縮完了まで連続的に樹脂
へ圧縮力が付加されていなければならず、加えて、圧縮
工程中は樹脂は冷却による固化が進行しているため、圧
縮開始から圧縮完了までの経過時間は、良品を安定して
得るためには最も重要な因子である。したがって、超音
波信号を用いて圧縮完了検知を正確かつ瞬時に行ない、
圧縮完了までの経過時間で良品判別を行なうには射出圧
縮成形における理想的な判別方法と言える。
【0014】さらに、良品判別のための方法は反射波信
号の有無の検知と経過時間の計測のみで上記理想的な判
別が達成でき、そのためのソフト・ハードも極めてシン
プルでよい。また、良品判別と同時に、不良品と判断し
た場合には、直ちに射出充填量の補正手段を講じること
により、不良品の連続発生が未然に防止でき、その結
果、良品を安定して連続的に供給することができる。な
お、射出充填量の補正手段の場合においても、超音波信
号による瞬時の良品判別ができるため、次成形サイクル
へ遅れることなくタイムリーな補正ができる。
【0015】
【実施例】以下に、本発明に係る射出圧縮成形の良品判
別方法および装置の実施例を図面を用いて詳細に説明す
る。
【0016】図1は本発明の実施例に係る制御概念図、
図2は本発明の実施例に係る超音波信号の伝播状態を示
す説明図、図3は検出された超音波信号のモデル図、図
4は良品判別のフロー図である。
【0017】図1において、固定金型3は図示しないマ
シンベースの一端上に固着された固定盤5に取付けられ
ており、一方マシンベースの他端部には前記固定盤5と
対向して可動金型2が可動盤4に取付けられている。
【0018】前記可動盤4の背面部には型締シリンダ6
内を前後動するピストン6aとこのピストン6aのピス
トンロッド6bの先端部に可動盤4が固着され、ピスト
ン6aの前後に圧油を導入して可動盤4を前後動自在と
する構成となっている。符号25はキャビティを示す。
【0019】符号10は射出装置であって、この射出装
置10はスクリュ11、射出シリンダ12、正逆転用モ
ータ13、ホッパ14aおよびバレル14から構成され
ている。
【0020】バレル14内にスクリュ11が回転自在に
設けられ、ホッパ14a内の樹脂原料が供給ゾーン、圧
縮ゾーンにおいて加熱圧縮され、計量ゾーンにおいて溶
融計量され、そして射出ゾーンを経てノズル15内へ射
出されるように構成されている。
【0021】そして、バレル14の外周面には樹脂原料
を外部加熱するためのヒータが設けられており、樹脂原
料が溶融されながらスクリュ11の回転によって前方へ
送られるようになっている。
【0022】符号12は射出シリンダ、12aはピスト
ン、13は正逆転用モータであってスクリュ11に直結
されており、スクリュ11を正逆回転するようになって
いる。
【0023】符号8、16は油圧制御弁、9a、9bは
油圧供給源である。17は制御部を示し、超音波センサ
18、超音波受発信部19、型締完了検知部20、射出
制御部21、射出充填量設定部22、良品判別部23お
よび基準時間設定部24から構成されている。
【0024】可動金型2の背面部に設けられた超音波セ
ンサ18は送信波と反射波を受発信する超音波受発信部
19に接続されている。また、超音波受発信部19は型
締完了検知部20に接続されるとともに、型締完了検知
部20は良品判別部23に接続され、さらに、良品判別
部23は射出充填量設定部22と基準時間設定部24に
接続されている。
【0025】一方、射出制御部21は射出シリンダ12
の動作を制御する油圧制御弁16に接続されている。
【0026】以上のように構成された射出圧縮成形装置
の作用について述べる。
【0027】可動金型2(本実施例では可動金型2に取
付けたが、固定金型3側でもよい)の反パーティング面
に取付けた超音波センサ18からパーティング面26へ
向けて照射した超音波信号は、金型2内を伝播してパー
ティング面26へ到達し、パーティング面26で反射し
て再び超音波センサへ戻る(S1 波)。
【0028】この時、圧縮完了前の状態、すなわち、可
動金型2を固定金型3が離れている状態では、S1 波の
みの検出であり、圧縮完了では、両金型2、3が密着す
るので、パーティング面26に到達した超音波信号は、
両金型2、3の密着状態により定まる割合で、一部が固
定金型3へ伝達される。
【0029】伝達された超音波信号は金型3内を伝播し
て、固定盤5側の金型3面へ到達し、一部は固定盤5へ
伝達するが、大半は反射して、再びパーティング面26
と伝達挙動を示して超音波センサ18へ戻る(S2
波)。
【0030】したがって、圧縮工程中に、S2 波が検出
された場合は、両金型2、3が密着した状態、すなわ
ち、圧縮完了を示すことになり、S2 波の有無を判定す
ることによって、圧縮完了の検知が正確にできる。
【0031】次に図3を用いて検出された超音波信号の
モデル図について説明する。以上述べたような超音波信
号の伝播状態を、例えばデジタルオシロスコープを用い
て画面で観察すると、超音波センサ18からの発信信号
は送信波信号として、パーティング面26での反射波信
号(S1 波)、反金型部の反射波信号(S2波)は時間
差をもってそれぞれのピーク値を示すのである。
【0032】ここで異なる物体が合わさった場合の境界
面における反射波信号の形態は、音圧反射率(Rp)で
定まる。
【0033】
【数1】
【0034】ここで、Z1 、Z2 は各々の物体の音響イ
ンピーダンス(kg/m2 ・s)を示し、超音波信号の
伝播方向によって各々の組合せが決まるのである。ま
ず、圧縮完了前、すなわちパーティング面26が開いて
いる時は、超音波信号の伝播方向は金型(Z1 )→(Z
2 )となり、各々の音響インピーダンスはZ1 =金型=
45.3×106 kg/m2 ・s Z2 =空気=4×
10-4kg/m2 ・sであるので、(ただし、金型材質
を標準的な鉄系材料、空気は20℃の状態とした。)Z
1 >Z2 となり、Rpは負を示す。従って、S1 波は送
信波信号に対して逆位相(破線)となる。
【0035】次に、圧縮完了時においては、可動金型2
と固定金型3を同一材料とすれば、(また、固定金型3
と固定盤5も同一材料とした場合)Z1 =Z2 であり、
Rpは正を示すので、S1 波、S2 波は送信波信号に対
して同位相となる。
【0036】したがって、圧縮完了の検知には以下に示
すいずれかの方法を採用することができる。 (1)S2 波が検出された時点を圧縮完了とする。 (2)S1 波の位相が反転した時点を圧縮完了とする。 (3)正位相のS1 波が検出された時点を圧縮完了とす
る。
【0037】また、S1 波、S2 波の音圧レベルは、パ
ーティング面26の密着状態により決定されるので、上
記(1)、(3)の場合には判定のための音圧レベルを
あらかじめ定義しておく必要がある。さらに、音圧レベ
ルの変化量を利用して、パーティング面26の密着状態
を推定する。すなわち圧縮完了の状態をより細かく検出
できるため、圧縮完了時の金型の圧縮変形などを制御し
てより高品質な型締制御へ応用することも可能である。
【0038】なお、超音波信号の検出は、反射波信号
(S1 波、S2 波)の有無を判断するのみでよいため、
金型2、3の温度変動による金型寸法の経時変化などの
外乱因子に全く影響されず(従来の検出方法で例えば金
型2、3にリニアスケールなどを取付けて検出する場合
にはこの温度補正が絶対に必要となる)、また、実際に
は、図3の説明で用いたデジタルオシロスコープなどは
不要であり、超音波センサ18と超音波信号をカウント
する超音波受発信部19のみの極めて簡単なソフトやハ
ード構成でよく、高精度な良品判別が低コストででき
る。
【0039】この場合、良品判別に超音波信号を用いる
メリットとしては、 (1)金型の樹脂挙動を直接検知できる上に、樹脂には
非接触のため製品外観に影響を与えない。 (2)超音波信号の伝播速度が極めて速いため、検出応
答性が高く、従来の検出センサで問題であった検出遅れ
が解消でき、さらに外乱因子にも強いため高精度な検出
が可能。 (3)超音波センサを金型裏面へ固定するだけでよく、
金型の改造が極めて少ない。 などが考えられる。
【0040】また、本実施例では超音波計測のスペック
としては次のような条件を有したものを用いた。超音波
センサ18については、周波数が5MHz、また、セン
サ径は1/2インチのものである。
【0041】ここで、周波数が5MHzとしたのは、周
波数が高い程直進性はよいが伝播距離が短くなるためで
あり、さらに、センサ径を1/2インチとしたのは、セ
ンサ径が小さい程ビーム性はよいが信号レベルが低くな
るためである。また、超音波受発信部19については、
超音波信号をパルス制御できるものが望ましい。
【0042】次に図4を用いて、射出圧縮成形における
良品判別方法について述べる。 (1)樹脂充填の樹脂圧によって金型が開くことを許容
する比較的小さい型締力値で型締を行なう。または、所
定の型開量を確保した状態にて型締を行なう。 (2)射出充填量設定部22の設定値に基づいて、射出
制御部21は射出充填を行なう。
【0043】(3)射出充填工程の途中、あるいは充填
完了後の任意の時点より、型締シリンダ6を駆動させて
圧縮工程を行なう。この場合、型締制御は、樹脂の冷却
固化収縮挙動に対応した圧縮作用ができることにより、
樹脂に必要以上の型締圧力を負荷しなくてすむため、ま
た操作性およびコスト的にも最も有利な圧力制御で行な
う。速度制御の場合では、樹脂の冷却固化収縮挙動との
整合性を厳密に調整する必要があり、操作性、コストと
もにデメリットが多い。同時に、金型パーティング面2
6に向けて照射した超音波信号を検出して、圧縮完了検
知をモニタする。
【0044】(4)圧縮完了検知は前述した3通りの方
法が可能であるが、検出に最も簡単な金型反射波信号
(S2 波)が検出された時点を圧縮完了とする。なお、
あらかじめ、良品成形時の圧縮工程開始から圧縮完了ま
での経過時間を基準時間として基準時間設定部24へ記
憶させておく。また、成形品の品質許容値を考慮して基
準時間に対する時間偏差値を求め良品判別のための許容
時間として設定しておく。
【0045】上記設定方法は、例えば、成形条件を探索
する目的で行なう生産成形運転前の予備成形運転時に求
めておくとよい。(この場合、型締および射出の最適制
御条件も合せて設定しておく。) (5)生産成形時の圧縮工程開始から圧縮完了までの経
過時間と許容時間を比較して良品判別を行なう。
【0046】型締側で圧縮作用を付加させる射出圧縮成
形では、圧縮完了まで連続的に樹脂へ圧縮力が付加され
ていなければならず、加えて圧縮工程中は樹脂は冷却に
よる固化が進行しているので、樹脂に圧縮力を有効的に
付加されている時間、すなわち、圧縮開始から圧縮完了
までの経過時間を監視することが良品を得る上で最も重
要な因子である。
【0047】また、型締および射出側の動作制御の中
で、可塑化状態、チェックリングの動作状態、樹脂温度
のバラツキ状態は直接的に制御できない領域であり、し
たがって、成形品に影響を与える最も大きな因子となり
得る。すなわち、成形条件を変動させる主要因は射出充
填量のバラツキであり、圧縮工程における型締制御に変
動がなければ、射出充填量のバラツキは経過時間の変動
となって表われる。
【0048】(6)設定時間に対して経過時間が短い場
合は、射出充填量がショートしている場合であり、樹脂
の冷却固化収縮挙動を十分に満足させるための圧縮力の
作用が不足しており、圧縮力の付加がなくなった圧縮完
了後も樹脂の収縮挙動は継続されているため、成形品は
変形、歪りを生じる。したがって、良品判別部23は不
良品信号を発信するとともに、射出充填両設定部22へ
充填量の増加補正信号を発信させて、連続した不良品の
発生を防止する補正手段を講じる。
【0049】(7)設定時間に対して経過時間が長い場
合には、射出充填量がオーバーしている場合であり、樹
脂への圧縮作用は十分に付加されているが、冷却がかな
り進行した状態(樹脂は固化がかなり進行して流動性を
失なっている状態)でも圧縮力の付加が継続されている
ため、型締側での圧縮力が成形品へ偏応力の付加とな
り、変形、歪りが生じる。また、成形品の品質許容値
(例えば、重量、肉厚)からもはずれた状態でもある。
したがって、良品判別部23は不良品信号を発信すると
ともに、射出充填量設定部22へ充填量の減少補正信号
を発信させて、連続した不良品の発生を防止する補正手
段を講じる。 (8)経過時間が許容時間内であれば良品と判断する。
【0050】
【発明の効果】以上説明したことからも明らかなよう
に、本発明では、 (1)金型パーティング面に向けて照射した超音波信号
の反金型側の反射波信号を検出して圧縮完了検知を行な
っていることにより、極めて高応答、高精度な検知がで
きるため、成形サイクル短縮により高い生産性を目指し
ている要求に対して問題なく対応できる。 (2)良品判別の方法は、反射波信号の有無の検知と圧
縮完了までの経過時間の計測のみで行なっていることに
より、極めてシンプルなソフト・ハード構成でよく、高
精度な良品判別が簡単にでき、操作性が大幅にアップす
る。 (3)良品判別と同時に射出充填量の補正手段を行なう
ことにより、不良品の連続発生を未然に防止でき、その
結果、極めて高い良品率を得ることができ、生産性が大
幅にアップする。 (4)外乱因子に強く、かつ検出応答性の高い超音波信
号を用いていることにより、安定して高精度な良品判別
ができる。 (5)超音波センサの取付は、金型裏面へ固定するだけ
でよいので、センサ取付のための加工が容易となり、操
作性が大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る制御概念図である。
【図2】本発明の実施例に係る超音波信号の伝播状態を
示す説明図である。
【図3】検出された超音波信号のモデル図である。
【図4】良品判別のフロー図である。
【符号の説明】
2 可動金型 3 固定金型 4 可動盤 5 固定盤 6 型締シリンダ 8、16 油圧制御弁 9a、9b 油圧供給源 10 射出装置 11 スクリュ 12 射出シリンダ 13 正逆転用モータ 15 ノズル 17 制御部 18 超音波センサ 19 超音波受発信部 20 型締完了検知部 21 射出制御部 22 射出充填量設定部 23 良品判別部 24 基準時間設定部 25 キャビティ 26 パーティング面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂の射出圧縮成形を行なう際に、圧縮
    工程中は金型パーティング面に向けて照射した超音波信
    号の反金型側の反射波信号を検出した時点を金型内に充
    填した樹脂の圧縮完了検知時とし、良品成形時の圧縮工
    程開始から前記圧縮完了検知までの経過時間を基準時間
    として、生産成形時の前記経過時間が、前記基準時間に
    対して成形品の品質許容範囲値から設定される許容値か
    らはずれた場合に不良品と判断することを特徴とする射
    出圧縮成形の良品判別方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の良品判別において、不良
    品と判別された条件のうち、経過時間が許容値よりも短
    い場合には、射出充填量を増加させるよう補正を行なう
    ようにし、逆に経過時間が許容値よりも長い場合には、
    射出充填量を減少させるよう補正を行なうようにしたこ
    とを特徴とする射出圧縮成形の良品判別方法。
  3. 【請求項3】 射出充填量設定部を備え、該設定部に基
    づいて射出充填を行なう射出制御部を備えるとともに、
    金型内の樹脂の圧縮完了検知を、金型に組込んだ超音波
    センサと該センサからの信号をカウントする超音波受発
    信部からなる圧縮完了検出部で行ない、良品成形時の圧
    縮工程開始から前記圧縮完了検知までの経過時間を基準
    時間として設定する基準時間設定部と、生産成形時の前
    記圧縮完了検知部からの検出信号と前記基準時間設定部
    の設定値を比較して設定された品質許容値からはずれた
    場合に、不良品信号を発生させるとともに前記射出充填
    量設定部へ射出充填量の補正信号を発生させる良品判別
    部を有することを特徴とする射出圧縮成形の良品判別装
    置。
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FR2759319A1 (fr) * 1997-02-13 1998-08-14 Inoplast Sa Procede et installation de moulage d'une matiere composite avec controle de la fermeture du moule
JP2012111091A (ja) * 2010-11-24 2012-06-14 Nissei Plastics Ind Co 射出成形機の材料監視装置
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