JPH08333959A - 建 具 - Google Patents

建 具

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JPH08333959A
JPH08333959A JP16794195A JP16794195A JPH08333959A JP H08333959 A JPH08333959 A JP H08333959A JP 16794195 A JP16794195 A JP 16794195A JP 16794195 A JP16794195 A JP 16794195A JP H08333959 A JPH08333959 A JP H08333959A
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Tetsuo Kamisaka
哲夫 上坂
Mamoru Ito
護 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、建具本体と炭を組み合わせること
によって、室内の脱臭、脱湿を行なったり、香料の蒸散
に伴う快適空間を形成したり、防虫・殺虫効果を発現さ
せたり、炭を構成する紙や布等を建具本体に適用するこ
とによって、工芸的及び/又は幽玄的な模様を発現した
り、又は炭の透かしや色が見えるようにした建具を提供
することを目的とするものである。 【構成】 本発明は、建具本体と炭を組み合わせてなる
ことを特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭を利用して室内の脱
臭、脱湿を行なったり、適宜、防虫剤、殺虫剤又は香料
のうちの少なくとも1種を揮散させる他、炭による工芸
的及び/又は幽玄的な造形を施してなる建具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、住宅、旅館、ホテル等の建築物に
おいて、戸、襖、障子、屏風、欄間、衝立、間仕切り等
の仕切り、照明器具、行灯又は家具等の建具は、建築物
の構成要素や装飾品として利用されている。
【0003】ところで、室内には、ハウスダスト、ペッ
ト臭、人体から発生する分泌物や排泄物等に伴う悪臭、
食品、ゴミ又はタバコなどに伴う悪臭等、人間の嗅覚に
対して種々の不快な要因が存在している。これらの悪臭
が、室内に漂ったり、室内の壁面等に付着すると、その
悪臭が生活臭となって簡単に除去することができない。
【0004】従来より、このような問題の対策用品とし
て、芳香剤を用いたり、お香等が焚かれることが知られ
ている。
【0005】又、梅雨等の季節や雨天時等による天候上
の要因によって、また室内における湯沸かし等による湿
気の発生等、人為的な要因によって、室内が高湿度にな
る場合があり、これが体や心理に不快感を与える原因に
なったり、カビやダニ等が発生し易い環境を招いてい
る。
【0006】従来、室内の高湿度に対する対策として
は、極力高湿度を招く要因を人為的に発生させないよう
にする他、エアコンを利用して除湿するなどの対策が講
じられている。
【0007】なお室内におけるダニ等の繁殖や、蚊等の
進入に対しては、スプレータイプの殺虫剤や煙霧を利用
する蒸散方式の殺虫用品などの製品がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、冷蔵庫
や下駄箱等、特定の空間における悪臭を除去するため
に、いわゆる活性炭を用いた脱臭剤を配置することが提
案されているが、それらの空間と室内の空間を比較する
と、室内空間の方が圧倒的に広く、このような脱臭剤で
は殆ど効果が認められない。この点は、室内に据え置く
タイプの芳香剤においても同様である。
【0009】これに対して、スプレータイプの芳香剤
は、必要に応じて噴霧を行う不便さがあり、さらには噴
霧箇所がベタ付いたり、噴霧箇所の壁面や畳、カーペッ
ト等を変色させる虞れが有り、この点は、スプレータイ
プの殺虫剤においても同様の不具合がある。
【0010】また、室内に蚊等が入ると、人に不快感を
与えるのであり、又、ダニ等の寄生虫が繁殖すると、ダ
ニ等に伴うアトピー性皮膚炎やアレルギーが発生し、一
層生活環境が悪化する。
【0011】更に、従来技術であるエアコンによる除湿
は、これが設置されていることが前提要件となり、仮に
エアコンで室内の除湿を行う場合でも、室内の除湿を強
制的に行うと体の不調等の原因になることが多く、一般
に自然除湿が望まれている。
【0012】特に、煙霧式の芳香用品や殺虫用品は、火
を取り扱うためにその取り扱いや後処理に面倒さがある
他、室内が煙霧で汚れる不具合がある。
【0013】本発明はこのような不具合を解決するため
に提案されたものであり、室内の構成要素や装飾品であ
る壁材、襖、障子、欄間、室内照明器具の傘や風防又は
室内装飾品等の各種建具本体と、炭を組み合わせること
によって、室内の脱臭、脱湿を行なったり、香料の蒸散
に伴う快適空間を形成したり、防虫・殺虫効果を発現さ
せたり、炭を、紙や布等を構成要素とする建具本体に適
用することによって、工芸的及び/又は幽玄的な模様を
発現したり、又は炭の透かしや色が見えるようにした建
具を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る建具は、前
記目的を達成するために、建具本体と炭を組み合わせて
なることを特徴とするものである。
【0015】(建具本体)本発明において、建具本体と
は、炭を備える前の状態をいい、これら建具本体に炭を
備えたものが本発明の建具である。
【0016】又、本発明において、建具本体は、室内を
構築ないし装飾するものであれば特に限定されるもので
はなく、具体的には、例えば壁材、襖、障子、欄間等の
他、特に室内照明器具の傘や風防或いは家具等が含まれ
る。
【0017】壁材は、空間を仕切るのに最適な強度、重
量、断熱性、耐熱性を有する天然木板や合板或いは石膏
ボード等で形成されたものであり、襖や障子等は、空間
を和風様式で開閉自在に仕切るべく木枠に紙が張り付ら
れて形成されたものであり、行灯或いは室内照明器具の
傘や風防は、明かりを一定範囲内に集中させたり間接的
な照明効果をもたらすように枠体に布や紙などが張り付
られて形成されたものであり、その多くの建具本体は、
好みに合わせた各種の形状模様や、色彩の他、絵模様等
が施されている。なお、ここに記された壁材や襖、障子
等は建具を代表的なものを例示したものであって、ここ
に記載されたものに限定する意味ではない。
【0018】(炭本来の特質)一方、ここに使用される
炭は、火を燃料として使用する場合に燃料の木材がもつ
自然の性質から、煤煙を除き、軽くし、火燃を保たせ腐
るのを防ぐ目的で形成されたものをいう。なお、広域に
は、黒炭、白炭の他、消し炭も含むまれるが、これらは
製造工程や熱量、重量、耐久時間の差があるだけで本質
的には同じものである。
【0019】炭は、もともと木材などを焼いた後に残っ
た炭素体であり、木材等と同様の組織、構造を有する
が、木材等の原材より約1/3に縮小された形状になっ
て、数ミクロンから数百ミクロンに至る縦にも横にも通
じる各種の多数の微細孔からなる多孔質の集合体になっ
ており、これら微細孔はことごとく外部に通じている。
【0020】しかも、炭における微細孔の内部表面積
は、木炭1g辺り300平方メートルにもなり、その表
面に気体や液体などの分子が付着されるので、炭には大
きな吸着力がある。
【0021】吸着には物理的吸着と化学的吸着とがあ
り、物理的吸着とは、分子間の引力によってそのまま吸
着される現象をいい、炭の吸着力は、ほとんどこのミク
ロン孔による物理的吸着であり、悪臭や湿気などは物理
的吸着によって吸着されるのであり、一方、化学的吸着
とは、イオン状のものを炭の表面の官能基で吸着する性
質をいい、主に水中の金属イオンの吸着、浄化に用いら
れる。なお、活性炭は、木炭を900℃前後でガス(水
蒸気)付活することにより吸着能力を増大させたもので
ある。
【0022】本発明はこの炭本来が保有する特質であ
る、優れた吸着性、及びこの吸着性による吸臭性、吸湿
性と、通気性に着目したものである。
【0023】(本発明に用いられる炭の種類)なお、本
発明に使用される炭は、木や竹、樹皮、果実や籾殻、更
に合成繊維等を原材とする固形炭、粒状炭、粉末炭、活
性炭、消し炭又は炭素繊維物等が含まれており、これら
の炭から選ばれた1種又は2種以上が挙げられるのであ
り、本発明においては、特に、これらを組み合わせるこ
とによって、工芸的及び/又は幽玄的な造形が施された
り、又は炭の透かしや色が見えるように構成するのが望
ましい。なお炭を焼いて製造する手法は種々挙げられ
る、本発明のおいてはこの手法の問わず、何れの手法で
得られた炭でも良いのである。
【0024】前記炭の原材料としては、本発明に用いら
れる炭を判り易く例示したものであって、これに限定さ
れるものではない。例えば、木材では、広葉樹のウバメ
ガシ、カシ、ナラ又はクヌギ等が挙げられるのであり、
又、針葉樹のマツ、スギ又はヒノキ等があり、外国産木
材のユーカリ、マングローブ、サザンカ、オリーブ又は
アカシア等が挙げられる他、廃材のマツクイムシ枯損
木、ミカン廃木、ゴム廃木、ブドウヅル廃木、住宅解体
材、割り箸等が挙げられるのであり、その他の材料とし
ては、樹皮、木材の枝条、鋸屑、オガライト、ペレッ
ト、竹、籾殻、ヤシガラ、梅の実等が挙げられる。
【0025】また、炭の製造方法(炭化法)としては、
築窯法の白炭又は黒炭が挙げられるのであり、工業的手
法の平炉法、ブロック釜法、乾留法、スクリュー法又は
流動炉法等が挙げられるのであり、簡易手法としての穴
やき法、伏せやき法、移動式鉄板ガマ法、ドラムカン
法、薪ストーブ法等が挙げられるが、本発明の建具に用
いられる炭は、製造方法を限定するものではない。
【0026】前記炭は、例えば水洗を行い自然乾燥し、
鋸刃等で、所望の大きさに或いは薄く、切断される。切
断された炭は、例えば種々組み合わせて各種模様や図形
等を形成し、これを建具本体に組み込んで種々の図案が
構成できる。
【0027】特に、ウバメガシ等の広葉樹より製造した
炭は強靭であり、所望の太さのものを切断したり、所望
の厚みに切断したものを、接着等の方法で、寄せ木的に
模様化したり、図形化することができるのである。
【0028】建具本体への炭の組み込み方法としては、
建具本体、例えば襖や障子の内部に移動可能に封入した
り、炭を適宜の形状のまま又はそのまま、組み込んだ
り、或いは袋詰めにしたり、接着剤で接着したり、ホゾ
や枠等への嵌め込み、差し込み等の方法が挙げられる。
接着剤を用いる場合において、例えば障子紙等のように
フィルム状或いはシート状のものを用いるときには、こ
のフィルム或いはシートの表面に接着剤の溶液で各種の
模様や図形を描き、これが乾燥する以前に、粒状炭或い
は粉末炭を振りかけた後、余剰の粒状炭或いは粉末炭を
払い落とし、次いで乾燥することによって、種々の模様
や図形を描くことができる。
【0029】炭を建具本体の内部に移動可能に封入する
と、炭の粒子が襖や障子の開閉の際に移動し、互いに摩
擦し合い、そのとき摩擦音が発生し、聴覚に快い感覚を
与えるのである。
【0030】ところで、炭が組み込まれた建具を住宅、
旅館、ホテル等の建築物の構成要素や装飾品として利用
することにより、炭の有する優れた吸着力によって脱臭
・脱湿機能が発現するうえ、ハウスダスト、ペット臭、
人体から発生する分泌物や排泄物等に伴う悪臭、食品、
ゴミ又はタバコなどに伴う悪臭等、人間の嗅覚に対する
種々の不快な悪臭を効果的に除去できる。
【0031】又、本発明においては、炭が揮散性の防虫
剤又は殺虫剤を含有し、この防虫剤又は殺虫剤を放散さ
せて防虫効果や殺虫効果を発現させるのが望ましい。
【0032】そして、このように建具本体に、炭に防虫
剤又は殺虫剤を含有させたものを適用すると、室内に蚊
等が入らなくなり、しかもダニ等の寄生虫や雑菌等の繁
殖も抑制され、ダニ等に伴うアトピー性皮膚炎やアレル
ギーを防止し、一層優れた生活環境が得られるのであ
る。
【0033】(防虫・殺虫剤)なお炭に含有される防虫
剤や殺虫剤としては、飛散性で、しかも虫等の嫌う臭い
の成分を室内に微量ずつ発散させて防虫を図るものの
他、殺虫成分を微量づづ室内に拡散させて殺虫効果のあ
るものであれば特に限定されるものではなく、具体的に
は、その一例として、ヒノキ等の木材や除虫菊等の葉か
ら得られる植物性のものの他、人体に悪影響のない化学
物質で製造される殺虫成分等、各種のものが挙げられ
る。
【0034】本発明においては、炭が香料を含有し、こ
の香料を徐々に放散して室内空間を快適にするのが望ま
しい。
【0035】(香料)ここに使用される芳香成分として
は、ヒノキチオール、ジャスミン、バーブ等の植物性香
料と、じゃ香、霊猫香、龍ぜん香、海狸香等の動物性香
料などの天然香料の他、化学物質を原材料として人工的
に合成した合成香料、或いはこれらの混合物等が挙げら
れる。
【0036】本発明においては、炭が建具本体を構成す
る部材と組み合わされ、しかも炭によって工芸的及び/
又は幽玄的な造形が施されたり、又は炭の透かしや色が
見えるように構成するのが望ましい。
【0037】また、この炭を建具本体を構成する紙や布
等に備えて模様を形成することによって、この炭による
模様が工芸的及び/又は幽玄的な模様として透かして見
えるようにしたり、また、炭による絵模様が染み出て見
えるようにし、独創的で、商品価値が著しく向上するの
である。
【0038】本発明は、和風建築物において効果が大き
く、例えば料亭等のトイレブース入口の戸に炭を寄せ木
的に組み合わせ、男性と女性を図案化すれば、男性トイ
レ或いは女性トイレの識別を容易に行うことができる
上、炭の持つ優れた吸着機能により、トイレ内の悪臭や
湿気を除去し、更に、炭による模様が工芸的及び/又は
幽玄的な模様として透かして見える結果、高級感が増す
のである。
【0039】
【作用】本発明に係る建具は、上記構成を有し、建具本
体と炭を組み合わせてなる。この炭は、数ミクロンから
数百ミクロンに至る縦にも横にも通じる各種の多数の微
細孔からなる多孔質の集合体になっており、これら微細
孔はことごとく外部に通じている。
【0040】しかも、炭における微細孔の内部表面積
は、木炭1g辺り300平方メートルにもなり、その表
面積に気体や液体の分子が付着するので、炭には大きな
吸着力があり、室内の悪臭や湿気などを除去する作用を
有するのである。
【0041】さらに、本発明の建具においては、前述の
ごとく、炭が湿気を多孔体内に吸着するため、湿気の少
ない快適な居住環境が得られる。この吸湿作用は、梅雨
の時期等、雨天時が長期間続いたときに一層有効とな
る。
【0042】なお、これら炭内に吸着した悪臭や湿気
は、外部から空気を流通させることにより、また太陽光
を採光させることによって自然に分解して多孔体外に排
出させることが可能であり、繰り返し長期間にわたって
使用できる。
【0043】又、本発明においては、炭に揮散性の防虫
剤又は殺虫剤を含有させると、この炭の吸着力によっ
て、防虫剤又は殺虫剤を徐々に放散させ、防虫剤又は殺
虫剤を一挙に放散させるものではないから、長期間にわ
たって、防虫作用や殺虫作用を発現するのである。
【0044】そして、このように建具本体に、炭に防虫
剤又は殺虫剤を含有させたものを適用すると、前記各構
成に示した各作用に加えて、室内に蚊等が入らなくな
り、しかもダニ等の寄生虫や雑菌等の繁殖も抑制され、
ダニ等に伴うアトピー性皮膚炎やアレルギーを防止する
作用を有するのである。
【0045】更に、本発明においては、炭に香料を含有
させると、この炭の吸着力によって、香料を徐々に放散
させ、香料を一挙に放散させるものではないから、長期
間にわたって、室内を快適空間にする作用を有するので
ある。
【0046】本発明においては、炭が建具本体を構成す
る部材と組み合わされ、しかも炭によって工芸的及び/
又は幽玄的な造形が施されたり、又は炭の透かしや色が
見えるように構成されていると、炭本来のもつ色合いと
炭による絵模様がこれら建具に描かれ、和風調の建具、
ひいては和風調の室内環境が得られる作用を有するので
ある。
【0047】即ち、本発明の建具の如く、前記各構成に
加えて、各種の炭を、任意の模様を描く如く、建具本体
に適用し、炭による工芸的及び/又は幽玄的な模様が透
かし見えるように、又は炭の色が染み出されるようにす
ると、一層和風調の室内環境が得られる。特に、障子や
襖の紙材や行灯などの照明の傘や風防等に炭を貼り付け
たり、挟み付けて炭による任意の模様が描かれるように
すると、明かりを通して炭による模様が浮き出され、そ
の情景は一層情緒のあるものとなる。また、炭による色
合いがこれら紙等を通して染み出るようにしたものも同
様の作用を有し、一層和風調の室内環境が得られる。
【0048】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0049】図1は本発明の建具の一例である格子扉を
示す正面図、図2は炭を袋詰めした状態を示す斜視図、
図3は、袋詰めした炭を、建具本体の一例である襖の空
間内に収容した状態を示す斜視図、図4は同じく襖内の
拡大断面図、図5は炭を障子に付着させた状態を示す斜
視図、図6は同じく障子の拡大断面図、図7は障子の枠
内を拡大して示す正面図、図8は本発明の建具の一例で
ある屏風を示す斜視図、図9及び図10は何れも本発明
の建具の一例である行灯を示す斜視図、図11及び図1
2は本発明の建具の一例である仕切りを示す斜視図、図
13〜16は各々本発明の建具に描かれる炭による造形
を例示する図である。
【0050】図1に示す建具Aは格子扉10を示してお
り、ガラス製又は紙製の面材11が桟12の片面側全面
に備え付けられて建具本体A1すなわち格子扉10が構
成されており、この建具本体A1の面材11には炭1が
一定の造形を形成するように組み込まれている。
【0051】即ち、前記面材11の片面、例えば桟12
に、適当な大きさの炭や、適当なサイズに切断し、研磨
された炭1が接着材等を利用して強靭に固定化されたも
のとなっており、ここに使用される炭1は、例えばウバ
メガシを焼いた炭(備長炭)をよく水洗し、自然乾燥し
たものが使用されているために、手や被服等を汚したり
するようないことはない。例えばこの扉10を玄関用の
扉として使用するときなどにおいては、この炭1の絵模
様(造形)が光を受けたときにシルエットになって浮か
び上がり、炭1による工芸的及び/又は幽玄的な模様が
得られる。
【0052】本発明を構成する建具本体Aは、襖、障
子、欄間、衝立、行灯、家具等各種のものが含まれてお
り、炭1も各々の形状、材質、及び目的に応じて各種の
形状、原材料のものが使用され、その加工の方法及び程
度や組立て方法も各種あるが何れのものも本発明に含ま
れる。
【0053】図2は、炭1を粉末又は粒状にした粉粒炭
1aを、少なくとも通気性・通湿性を有する布又は紙、
或いは微細孔が多数形成された樹脂製の袋2内に収容さ
れたものであり、図中2aは袋2端部の接着又は融着面
を示している。
【0054】図3及び図4に示すように、この袋2を、
それぞれ襖20における桟21と襖紙22、22とによ
って形成される空間P内に収容し、炭1本来がもつ脱臭
機能によって、前記袋2及び襖紙20の微細孔や繊維間
の隙間を通して室内の悪臭を吸着させ、またこの炭1本
来がもつ吸湿機能が同様に室内の湿気を吸着する構造に
形成されている。
【0055】ここに使用される炭1に多数形成されてい
る多孔体内に香料を含有させることによって、前記袋2
及び襖紙20の微細孔や繊維間の隙間を通して室内に芳
香を発散させて室内の居住環境を良好なものにする。
【0056】この他、ここに使用される炭1に多数形成
されている多孔体内に防虫剤又は殺虫剤を含有させるこ
とによって、前記袋2及び襖紙20の微細孔や繊維間の
隙間を通して室内にこれらの防虫・殺虫剤を微量ずつ発
散させて室内に蚊やダニ等の侵入や繁殖を防ぐような構
造にすることも可能である。
【0057】なお、図3及び図4においては襖20を例
にとって説明したが、両面を障子紙をはってその内部に
空間を形成した障子でも良いのである。
【0058】図5及び図6は、粉末状又は粉粒状の炭1
を図1に示した場合と同様に接着剤等で、障子30にお
ける障子紙32に適当な模様をもって面状に備えて構成
したものであって、この場合も、前述と同様に炭1本来
がもつ脱臭作用及び脱湿作用を発現させることができる
のであり、又、所望により、炭1に防虫機能又は殺虫機
能をもたせて、前述と同様な機能を発揮する構造にする
ことも可能であり、さらに、前記袋2を形成する原材料
中に炭1を封入したものでも良く、また炭1を配合した
板材で形成しても良いのである。
【0059】また、図7に示すように、前述の空間P内
に一定の形状の固体である炭1、例えば一定長さの木片
の形状を維持したままの木炭を、接着材Sによって、寄
せ木的に図案を造ったり、そのまま張り付けたり、桟と
接する面を設けて、桟に接着材Sで接着、固定したもの
でも良いのである。
【0060】このように、これら襖及び障子に炭で模様
を形成すると、前述した各機能の他、襖及び障子に炭1
による絵模様が工芸的及び/又は幽玄的な模様として透
かし見えるように、又は炭の色が染み出され、和風の室
内においてはその和風感を一層高めることができる。
【0061】図8は、屏風40Aの周縁を形成する木枠
41の周囲に、上記同様に、所望の裁断を行った木炭か
らなる炭1を並べて接着して構成したものであって、こ
のように構成することにより、前述と同様の各作用、効
果が得られる他、この木炭の形状に起因する造形の程度
が高い屏風にすることも可能である。
【0062】図9は、行灯50の周囲のフレーム51に
沿って木炭形状の炭1を並べて接着して構成したもので
あって、このように構成することにより、前述に示した
各作用、効果、すなわち消臭機能、吸湿機能、芳香機
能、防虫・殺虫機能等を発現する行灯50にすることが
できる他、炭を付加することによる造形の程度が高い行
灯50にすることが可能になる。図中52は行灯50の
紙製風防(おおい)である。
【0063】図10は、行灯50Aにおける紙製風防5
2Aに、木炭片又は粉末状又は粉粒状の炭1を接着剤な
どによって、適当な造形の絵模様Rが描かれるように備
えたものであって、このように構成することにより、行
灯50A内の光源によって風防52Aからの炭1による
絵模様Rがシルエットになって浮かび上がるようにし
た、装飾程度の高いものである。
【0064】図11は、例えばトイレ室内に備えられ、
且つトイレ室内を脱臭したり、トイレ室内に芳香を放散
したりする仕切り60を示しており、この仕切り60の
枠61内に木炭形状の炭1を備え、しかも多数の小孔6
3が形成された蓋62で閉じられている。
【0065】尚、64は紙又は小孔を有する樹脂シート
等で形成されたカバーであり、このカバー64で仕切り
60の全体を覆っている。
【0066】勿論、この仕切り60は、トイレ室内に用
いるだけの場合を想定したものではなく、例えば押入れ
の中等で使用することが可能であり、図に示した仕切り
60の形状もその一例を示しただけのものであってこれ
に限定されるものではない。
【0067】更に、カバー64が、小孔を有する樹脂シ
ートで形成されていることによって、通気性の面だけで
なく、汚れた場合の清掃が容易になるのである。
【0068】図13〜図16は、それぞれ、本発明の各
種建具に表現される絵模様Rの一例を示す図であり、こ
の絵模様をより抽象性の高いものにすることによって現
在の感覚に適合し、また和風のみならず洋風にも適応し
得る造形とすることができる。
【0069】このような絵模様Rを例えば障子紙等のよ
うにフィルム状或いはシート状の表面に描くには、この
フィルム或いはシートの表面に接着剤の溶液で各種の絵
模様を描き、これが乾燥する以前に、粒状炭或いは粉末
炭を振りかけた後、余剰の粒状炭或いは粉末炭を払い落
とし、次いで乾燥することによって、描くことができ
る。
【0070】
【発明の効果】本発明に係る建具は、上記構成を有し、
建具本体と炭を組み合わせてなり、炭には大きな吸着力
があり、室内の悪臭や湿気などを除去するために、湿気
の少ない快適な移住環境を得ることができる効果を奏す
るのであり、特に、この吸湿効果は、梅雨の時期等、雨
天時が長期間続いたときに一層効果的である。
【0071】又、本発明においては、炭に揮散性の防虫
剤又は殺虫剤を含有させると、この炭の吸着力によっ
て、防虫剤又は殺虫剤を徐々に放散させ、防虫剤又は殺
虫剤を一挙に放散させるものではないから、長期間にわ
たって、防虫効果や殺虫効果を発現するのである。
【0072】そして、このように建具本体に、炭に防虫
剤又は殺虫剤を含有させたものを適用すると、前記各構
成に示した各効果に加えて、室内に蚊等が入らなくな
り、しかもダニ等の寄生虫や雑菌等の繁殖も抑制され、
ダニ等に伴うアトピー性皮膚炎やアレルギーを防止し、
一層優れた生活環境が得られる効果を有するのである。
【0073】更に、本発明においては、炭に香料を含有
させると、この炭の吸着力によって、香料を徐々に放散
させ、香料を一挙に放散させるものではないから、長期
間にわたって、室内を快適空間にする効果を有するので
ある。
【0074】本発明においては、炭が建具を構成する部
材と組み合わされ、しかも炭によって工芸的及び/又は
幽玄的な造形が施されたり、又は炭の透かしや色が見え
るように構成されていると、炭本来のもつ色合いと炭に
よる絵模様がこれら建具本体に描かれ、和風調の建具、
ひいては和風調の室内環境が得られる効果を有するので
ある。
【0075】即ち、本発明の建具の如く、前記各構成に
加えて、各種の炭を、任意の模様を描く如く、建具本体
に適用し、光を通した影のシルエットとして、炭による
工芸的及び/又は幽玄的な模様が透かし見えるように、
又は炭の色が染み出されるようにすると、一層和風調の
室内環境が得られる。特に、障子や襖の紙材や行灯など
の照明の傘や風防等に炭を貼り付けたり、挟み付けて炭
による任意の模様が描かれるようにすると、明かりを通
して炭による模様が浮き出され、その情景は一層の情緒
の高いものとなる。また、炭による色合いがこれら紙等
を通して染み出るようにしたものも同様の効果を有し、
一層和風調の室内環境が得られる効果を有するのであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の建具の一例である格子扉を示し
た正面図である。
【図2】図2は炭を多孔質の袋に袋詰めして示した斜視
図である。
【図3】図3袋詰めした炭を本発明の建具の一例である
襖の空間内に収容した状態を示した斜視図である。
【図4】図4同じく襖内の拡大断面図である。
【図5】図5炭を建具本体の一例である障子に付着させ
た状態を示した斜視図である。
【図6】図6は同じく障子の拡大断面図である。
【図7】図7は障子の枠内を拡大して示した正面図であ
る。
【図8】図8は本発明の建具の一例である屏風を示した
斜視図である。
【図9】図9は本発明の建具の一例である行灯を示した
斜視図である。
【図10】図10は本発明の建具の一例である行灯を示
した斜視図である。
【図11】図11は本発明の建具の一例である仕切りを
示した分解斜視図である。
【図12】図12は本発明の建具の一例である仕切りを
示した斜視図である。
【図13】図13は本発明の建具に描かれる炭による造
形を例示した図である。
【図14】図14は本発明の建具に描かれる炭による造
形を例示した図である。
【図15】図15は本発明の建具に描かれる炭による造
形を例示した図である。
【図16】図16は本発明の建具に描かれる炭による造
形を例示した図である。
【符号の説明】
1 炭 2 袋 10 扉 20 襖 30 障子 A 建具 A1 建具本体 P 空間

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建具本体と炭を組み合わせてなることを
    特徴とする建具。
  2. 【請求項2】 炭が固形炭、粒状炭、粉末炭、活性炭、
    消し炭又は炭素繊維などから選ばれた少なくとも1種で
    ある請求項1に記載の建具。
  3. 【請求項3】 炭が揮散性の防虫剤又は殺虫剤を含有し
    ている請求項1又は2に記載の建具。
  4. 【請求項4】 炭が香料を含有している請求項1ないし
    3のいずれか1項に記載の建具。
  5. 【請求項5】 炭が建具本体を構成する部材と組み合わ
    され、しかも炭によって工芸的及び/又は幽玄的な造形
    が施されたり、又は炭の透かしや色が見えるように構成
    されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の建
    具。
JP16794195A 1995-06-08 1995-06-08 建 具 Pending JPH08333959A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10331298A (ja) * 1997-06-02 1998-12-15 Yukio Ikegaki 間仕切り
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