JPH08333533A - 水性インク、これを用いたインクジェット記録方法及びかかるインクを用いた機器 - Google Patents
水性インク、これを用いたインクジェット記録方法及びかかるインクを用いた機器Info
- Publication number
- JPH08333533A JPH08333533A JP16152595A JP16152595A JPH08333533A JP H08333533 A JPH08333533 A JP H08333533A JP 16152595 A JP16152595 A JP 16152595A JP 16152595 A JP16152595 A JP 16152595A JP H08333533 A JPH08333533 A JP H08333533A
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- Ink Jet (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 従来技術の問題点を解決し、画像形成手段が
蒸発と浸透のみに依存するのではなく、高い画像濃度を
達成し、且つ高品位記録に欠かすことのできないフェザ
リングやブリーディングの発生の問題も同時に解決した
優れた特性の水性インク、これを用いたインクジェット
記録方法及びかかるインクを用いた機器を提供するこ
と。 【構成】 色材と液媒体とを含む液組成物からなるイン
クにおいて、熱可逆的に転移温度以上で水溶液から相分
離する熱可逆的相分離性高分子及び/又は曇点を有する
界面活性剤と、アンモニウム塩とを含むことを特徴とす
る水性インク、これを用いたインクジェット記録方法及
びかかるインクを用いた機器。
蒸発と浸透のみに依存するのではなく、高い画像濃度を
達成し、且つ高品位記録に欠かすことのできないフェザ
リングやブリーディングの発生の問題も同時に解決した
優れた特性の水性インク、これを用いたインクジェット
記録方法及びかかるインクを用いた機器を提供するこ
と。 【構成】 色材と液媒体とを含む液組成物からなるイン
クにおいて、熱可逆的に転移温度以上で水溶液から相分
離する熱可逆的相分離性高分子及び/又は曇点を有する
界面活性剤と、アンモニウム塩とを含むことを特徴とす
る水性インク、これを用いたインクジェット記録方法及
びかかるインクを用いた機器。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクを吐出口(オリ
フィス)から小液滴として吐出、飛翔させ、この小液滴
を被記録材表面へ付着させて記録を行なうインクジェッ
ト記録において使用する水性インク、及びこれを用いた
インクジェット記録方法、かかるインクを用いた機器に
関し、特に、得られる画像の滲み(フェザリング)及び
混色滲み(ブリーディング)を解消し、且つ高発色を実
現するものである。
フィス)から小液滴として吐出、飛翔させ、この小液滴
を被記録材表面へ付着させて記録を行なうインクジェッ
ト記録において使用する水性インク、及びこれを用いた
インクジェット記録方法、かかるインクを用いた機器に
関し、特に、得られる画像の滲み(フェザリング)及び
混色滲み(ブリーディング)を解消し、且つ高発色を実
現するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、インクジェット記録用のイン
クは、安全性及び臭気等の面から水性インクが主流であ
り、インクジェット用インクとして、各種の水溶性染料
或いは顔料を、水、又は水と水溶性有機溶媒とからなる
液媒体に溶解又は分散させ、更に必要に応じて、保湿
剤、染料溶解助剤及び防かび剤等を添加したインクが知
られている。インクジェット記録は、毎秒数千滴以上の
インク滴を吐出することが可能であり、高速記録が容易
であること、騒音が少ないこと、カラー化が容易である
こと、高解像度化が可能であること、普通紙記録が可能
であること等の多くの長所を有しており、ここ数年来普
及が目覚ましい。
クは、安全性及び臭気等の面から水性インクが主流であ
り、インクジェット用インクとして、各種の水溶性染料
或いは顔料を、水、又は水と水溶性有機溶媒とからなる
液媒体に溶解又は分散させ、更に必要に応じて、保湿
剤、染料溶解助剤及び防かび剤等を添加したインクが知
られている。インクジェット記録は、毎秒数千滴以上の
インク滴を吐出することが可能であり、高速記録が容易
であること、騒音が少ないこと、カラー化が容易である
こと、高解像度化が可能であること、普通紙記録が可能
であること等の多くの長所を有しており、ここ数年来普
及が目覚ましい。
【0003】更に、近年パソコンの低価格化、高性能化
及びGUI環境の標準化により、プリンタ等の画像記録
も、高発色、高品位、高堅牢性、高解像度記録及び高速
記録の要求が高まり、色材成分をできるだけ紙の表面へ
残し、記録ドットのエッジを鮮明にし、フェザリング、
ブリーディング等を少なくするという技術手段が種々提
案されている。
及びGUI環境の標準化により、プリンタ等の画像記録
も、高発色、高品位、高堅牢性、高解像度記録及び高速
記録の要求が高まり、色材成分をできるだけ紙の表面へ
残し、記録ドットのエッジを鮮明にし、フェザリング、
ブリーディング等を少なくするという技術手段が種々提
案されている。
【0004】その第1の例として、特開昭58−136
75号公報に、ポリビニルピロリドンをインク中に添加
し、記録ドットの紙への吸収と広がりを制御する方法
が、又、第2の例として、特開平3−172362号公
報には、特定のマイクロエマルジョンをインク中に添加
してインクの吸収とドットの広がりを制御する方法が開
示されている。
75号公報に、ポリビニルピロリドンをインク中に添加
し、記録ドットの紙への吸収と広がりを制御する方法
が、又、第2の例として、特開平3−172362号公
報には、特定のマイクロエマルジョンをインク中に添加
してインクの吸収とドットの広がりを制御する方法が開
示されている。
【0005】更に、ゾル−ゲル転移現象をインクに適用
した第3の例として、特開昭62−181372号公報
及び特開平1−272623号公報等には、室温でゲ
ル、加熱によりゾル状態となり、ゾル状態で被記録材に
記録し、インクの冷却によりゲル状態へ戻る為インクの
紙への浸透を制御し得るものが示されている。
した第3の例として、特開昭62−181372号公報
及び特開平1−272623号公報等には、室温でゲ
ル、加熱によりゾル状態となり、ゾル状態で被記録材に
記録し、インクの冷却によりゲル状態へ戻る為インクの
紙への浸透を制御し得るものが示されている。
【0006】又、最近第4の例として、特開平6−49
399号公報には、可逆的熱ゲル化特性を有する化合物
をインクに添加し、良好な発色性、定着性を有し、滲み
が少なく、且つ、印字物の保存性に優れ、信頼性にも優
れたインク及びかかるインクを用いたインクジェット記
録方法、機器が開示されている。この技術的背景は、特
定の水溶性高分子の水溶液を加熱してゆくと水溶性が低
下し、溶液が白濁する現象に基づくものである。この様
な水溶性高分子の代表的なものとしては、N−イソプロ
ピルアクリルアミド、ポリビニルメチルエーテル、ポリ
エチレンオキシド及びヒドロキシプロピルセルロース等
が挙げられる。これらの高分子はその溶解度が負の温度
係数を持っている為、転移温度以上では溶液からの分離
析出状態となる。その析出状態では疎水的なミクロゲル
が生成し、溶液の粘度が低下する。そして、析出状態で
被記録材上へ記録を行うと、被記録材表面での温度降下
により元の粘度に戻る、即ち、増粘しインクの浸透を抑
制できるとするものである。
399号公報には、可逆的熱ゲル化特性を有する化合物
をインクに添加し、良好な発色性、定着性を有し、滲み
が少なく、且つ、印字物の保存性に優れ、信頼性にも優
れたインク及びかかるインクを用いたインクジェット記
録方法、機器が開示されている。この技術的背景は、特
定の水溶性高分子の水溶液を加熱してゆくと水溶性が低
下し、溶液が白濁する現象に基づくものである。この様
な水溶性高分子の代表的なものとしては、N−イソプロ
ピルアクリルアミド、ポリビニルメチルエーテル、ポリ
エチレンオキシド及びヒドロキシプロピルセルロース等
が挙げられる。これらの高分子はその溶解度が負の温度
係数を持っている為、転移温度以上では溶液からの分離
析出状態となる。その析出状態では疎水的なミクロゲル
が生成し、溶液の粘度が低下する。そして、析出状態で
被記録材上へ記録を行うと、被記録材表面での温度降下
により元の粘度に戻る、即ち、増粘しインクの浸透を抑
制できるとするものである。
【0007】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、以
上述べた従来の第1及び第2の例では、紙への浸透を抑
制するものである為、インクが紙上で浸透せずに残る時
間が長く、定着性に問題がある。又、異なる色間の混色
(ブリード)が発生してしまうという問題もある。第3
の例に挙げたゾル−ゲル転移インクでは、印事物の保存
温度の変化によって流動性が生じることがあり、画像の
流れ出しによる混色汚損や転写汚損の問題がある。
上述べた従来の第1及び第2の例では、紙への浸透を抑
制するものである為、インクが紙上で浸透せずに残る時
間が長く、定着性に問題がある。又、異なる色間の混色
(ブリード)が発生してしまうという問題もある。第3
の例に挙げたゾル−ゲル転移インクでは、印事物の保存
温度の変化によって流動性が生じることがあり、画像の
流れ出しによる混色汚損や転写汚損の問題がある。
【0008】又、第4の例に挙げた可逆的熱ゲル化特性
を有する化合物を含有するインクでは、水溶性セルロー
スエーテル類を使用している為、温度降下による粘度上
昇が緩慢であり、インクジェット記録の様に1画素を数
10msec以下の高速で記録する方法には適用できな
い。又、インクジェット記録に使用する場合には、イン
ク吐出時の粘度の上限が20mPa・s以下と低い為、
低濃度で用いなければならず、十分な増粘効果を得るこ
とが困難であるという問題もある。
を有する化合物を含有するインクでは、水溶性セルロー
スエーテル類を使用している為、温度降下による粘度上
昇が緩慢であり、インクジェット記録の様に1画素を数
10msec以下の高速で記録する方法には適用できな
い。又、インクジェット記録に使用する場合には、イン
ク吐出時の粘度の上限が20mPa・s以下と低い為、
低濃度で用いなければならず、十分な増粘効果を得るこ
とが困難であるという問題もある。
【0009】水性インク、特にインクジェット用インク
として小液滴吐出に必要な物性としては、一般に、表面
張力が20dyne/cmより大きく(表面張力はリフ
ィル速度に関係)、粘度が1〜20mPa・sの範囲で
あり、pHが3〜10の範囲で、更に、定着時間はでき
るだけ短い方がよく、20sec未満であること等が要
求される。
として小液滴吐出に必要な物性としては、一般に、表面
張力が20dyne/cmより大きく(表面張力はリフ
ィル速度に関係)、粘度が1〜20mPa・sの範囲で
あり、pHが3〜10の範囲で、更に、定着時間はでき
るだけ短い方がよく、20sec未満であること等が要
求される。
【0010】ここで、インクの紙への転移について考え
る。一般に、液体の紙への転移現象については、Luc
as−Washburnの式が知られており、液体の転
移量をV、紙の粗さ指数をVr、吸収係数をKa、転移
時間をT、濡れ開始時間をTwとすると、液体が水の場
合には下記式(1)の関係にある。 式(1)中の吸収係数Kaは、紙と液体(インク)の両
方の物性に関し、次式(2)で表わされる。 式(2)において、rは紙の毛管半径、γは液体(イン
ク)の表面張力、θは接触角、ηは液体(インク)の粘
度である。
る。一般に、液体の紙への転移現象については、Luc
as−Washburnの式が知られており、液体の転
移量をV、紙の粗さ指数をVr、吸収係数をKa、転移
時間をT、濡れ開始時間をTwとすると、液体が水の場
合には下記式(1)の関係にある。 式(1)中の吸収係数Kaは、紙と液体(インク)の両
方の物性に関し、次式(2)で表わされる。 式(2)において、rは紙の毛管半径、γは液体(イン
ク)の表面張力、θは接触角、ηは液体(インク)の粘
度である。
【0011】上記式(1)から、色材を紙の表面へ残す
為には、できるだけ液体の浸透を遅くする、即ち、Ka
を小さくすることが必要である(Kaを小さくすること
で蒸発の時間が稼げる)。この為のインク物性として
は、インクの表面張力を小さく、インクの粘度を大き
く、接触角を大きくすればよいことがわかる。しかしな
がら、先に述べた様に、インクジェット用のインク物性
には種々の制約があるので、Kaの値を調節するのは容
易ではない。
為には、できるだけ液体の浸透を遅くする、即ち、Ka
を小さくすることが必要である(Kaを小さくすること
で蒸発の時間が稼げる)。この為のインク物性として
は、インクの表面張力を小さく、インクの粘度を大き
く、接触角を大きくすればよいことがわかる。しかしな
がら、先に述べた様に、インクジェット用のインク物性
には種々の制約があるので、Kaの値を調節するのは容
易ではない。
【0012】一方、液体が非水系の溶媒、例えば、エタ
ノール等である場合には、式(1)中の濡れ時間Twを
無視できるので定着を早くすることができるが、この場
合はKaも大きくなって浸透の効果が大きい為、画像と
しては“フェザリング”が多くなってしまう。更に、式
(2)中、cosθの項は、インクと紙との組み合わせ
で決まるものであるから、用紙の種類によって良かった
り悪かったりして、用紙選択性を満足することが出来な
い。以上述べた問題は、従来知られている色材を分散さ
せた分散インクであっても、画像形成が浸透と蒸発に依
存している限りは起こり得ると考えられる。
ノール等である場合には、式(1)中の濡れ時間Twを
無視できるので定着を早くすることができるが、この場
合はKaも大きくなって浸透の効果が大きい為、画像と
しては“フェザリング”が多くなってしまう。更に、式
(2)中、cosθの項は、インクと紙との組み合わせ
で決まるものであるから、用紙の種類によって良かった
り悪かったりして、用紙選択性を満足することが出来な
い。以上述べた問題は、従来知られている色材を分散さ
せた分散インクであっても、画像形成が浸透と蒸発に依
存している限りは起こり得ると考えられる。
【0013】従って、本発明の目的は、上記従来技術の
問題点を解決し、画像形成手段が蒸発と浸透のみに依存
するのではなく、高い画像濃度を達成し、且つ高品位記
録に欠かすことのできないフェザリングやブリーディン
グの発生の問題も同時に解決した優れた特性の水性イン
ク、これを用いたインクジェット記録方法及びかかるイ
ンクを用いた機器である。
問題点を解決し、画像形成手段が蒸発と浸透のみに依存
するのではなく、高い画像濃度を達成し、且つ高品位記
録に欠かすことのできないフェザリングやブリーディン
グの発生の問題も同時に解決した優れた特性の水性イン
ク、これを用いたインクジェット記録方法及びかかるイ
ンクを用いた機器である。
【0014】
【課題を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明に
より達成される。即ち、本発明は、色材と液媒体とを含
む液組成物からなるインクにおいて、熱可逆的に転移温
度以上で水溶液から相分離する熱可逆的相分離性高分子
及び/又は曇点を有する界面活性剤と、アンモニウム塩
とを含むことを特徴とする水性インク、これを用いたイ
ンクジェット記録方法及びかかるインクを用いた機器を
提供することにある。
より達成される。即ち、本発明は、色材と液媒体とを含
む液組成物からなるインクにおいて、熱可逆的に転移温
度以上で水溶液から相分離する熱可逆的相分離性高分子
及び/又は曇点を有する界面活性剤と、アンモニウム塩
とを含むことを特徴とする水性インク、これを用いたイ
ンクジェット記録方法及びかかるインクを用いた機器を
提供することにある。
【0015】
【作用】本発明者らは上記した従来技術の問題点を解決
すべく鋭意研究の結果、前述の様な制約が生じるのは、
インクが温度の変化に依らず色材と液媒体とが常に均一
な状態を保たれた液体であることに起因することに着目
し、インクが温度をトリガーにして状態変化を起こし、
被記録材上では色材が濃厚な液体として挙動し得るイン
クとすれば、上記の様な制約を受けることがないことを
知見して本発明に至った。即ち、ここでいう状態変化
は、室温においては通常のインク状態で、この場合には
高分子が溶解しているが、インクが一定の温度(転移温
度Ts)以上に上昇した状態となった場合には、高分子
同士が会合を起こしインクから色材を取り込んで相分離
し、且つインク中の曇点Tcを有する界面活性剤が熱可
逆的に増粘する結果、インク全体が、濃厚な色材成分を
含んだ高粘度液体の状態となることであり、この高粘度
液体の状態で被記録材上へ記録することによって、記録
時には高粘度の濃厚な色材相が被記録材表面に残り、そ
の後の自然冷却される過程でインクの粘度が再び下降
し、インクの一部が被記録材中へと浸透される。
すべく鋭意研究の結果、前述の様な制約が生じるのは、
インクが温度の変化に依らず色材と液媒体とが常に均一
な状態を保たれた液体であることに起因することに着目
し、インクが温度をトリガーにして状態変化を起こし、
被記録材上では色材が濃厚な液体として挙動し得るイン
クとすれば、上記の様な制約を受けることがないことを
知見して本発明に至った。即ち、ここでいう状態変化
は、室温においては通常のインク状態で、この場合には
高分子が溶解しているが、インクが一定の温度(転移温
度Ts)以上に上昇した状態となった場合には、高分子
同士が会合を起こしインクから色材を取り込んで相分離
し、且つインク中の曇点Tcを有する界面活性剤が熱可
逆的に増粘する結果、インク全体が、濃厚な色材成分を
含んだ高粘度液体の状態となることであり、この高粘度
液体の状態で被記録材上へ記録することによって、記録
時には高粘度の濃厚な色材相が被記録材表面に残り、そ
の後の自然冷却される過程でインクの粘度が再び下降
し、インクの一部が被記録材中へと浸透される。
【0016】ここで、インク中に添加される高分子及び
界面活性剤は、記録する際の広範囲な環境温度に対応さ
せる為に、上記した相変化及び粘度変化が可逆的に起こ
ることが条件となる。又、曇点を有する界面活性剤の機
能としては、上記した曇点Tc以上でインク全体を増粘
させる効果と、増粘したインクの再溶解を高める効果を
併せ持つことを要する。即ち、熱可逆的相分離性高分子
は、単独では相分離した会合体の冷却による再溶解が極
めて緩慢である為、インクジェット用インクの様な高速
記録には適合しない。そこで、曇点Tcを有し、それ自
身が熱可逆的増粘性を示し、且つ上記の熱可逆的相分離
性高分子に混合された状態で会合体を形成する様な、比
較的低分子で挙動変化の速い界面活性剤を併用するこに
よって、インク全体の再溶解を促進させることが可能と
なる。従って、本発明で用いる熱可逆的相分離性高分子
の転移温度Tsと界面活性剤の曇点Tcとは一致させこ
とがが望ましいが、高分子は一般に、その構造や分子量
等に分布を有している為、厳密に一致させる必要はな
い。この点、本発明に用いられる熱可逆的相分離性高分
子は、転移温度Tsを広範囲に選択することが可能であ
るので、併用する界面活性剤の曇点Tc、及びインクの
使用条件等に幅広く対応させることができる。
界面活性剤は、記録する際の広範囲な環境温度に対応さ
せる為に、上記した相変化及び粘度変化が可逆的に起こ
ることが条件となる。又、曇点を有する界面活性剤の機
能としては、上記した曇点Tc以上でインク全体を増粘
させる効果と、増粘したインクの再溶解を高める効果を
併せ持つことを要する。即ち、熱可逆的相分離性高分子
は、単独では相分離した会合体の冷却による再溶解が極
めて緩慢である為、インクジェット用インクの様な高速
記録には適合しない。そこで、曇点Tcを有し、それ自
身が熱可逆的増粘性を示し、且つ上記の熱可逆的相分離
性高分子に混合された状態で会合体を形成する様な、比
較的低分子で挙動変化の速い界面活性剤を併用するこに
よって、インク全体の再溶解を促進させることが可能と
なる。従って、本発明で用いる熱可逆的相分離性高分子
の転移温度Tsと界面活性剤の曇点Tcとは一致させこ
とがが望ましいが、高分子は一般に、その構造や分子量
等に分布を有している為、厳密に一致させる必要はな
い。この点、本発明に用いられる熱可逆的相分離性高分
子は、転移温度Tsを広範囲に選択することが可能であ
るので、併用する界面活性剤の曇点Tc、及びインクの
使用条件等に幅広く対応させることができる。
【0017】以上の様な基本構成を有する本発明の水性
インクは、インクジェット記録を行う際の、記録ヘッド
からの小液滴吐出時には低粘度である方が高速記録にお
いて有利である為、動作時には粘度が低い状態でインク
を吐出させ、記録時には、例えば、曇点Tc以上に加熱
しておいた被記録材上に記録すること等によって上記の
効果が発揮される様にするのが好ましい。
インクは、インクジェット記録を行う際の、記録ヘッド
からの小液滴吐出時には低粘度である方が高速記録にお
いて有利である為、動作時には粘度が低い状態でインク
を吐出させ、記録時には、例えば、曇点Tc以上に加熱
しておいた被記録材上に記録すること等によって上記の
効果が発揮される様にするのが好ましい。
【0018】しかし、本発明の水性インクは、熱可逆型
増粘性であり、粘度の極大点を有する為、曇点Tc以上
では急速にインクが増粘するが、更に温度上昇させると
粘度の極大点より高温側で逆に粘度が降下する。従っ
て、この粘度の極大温度をTpとし、Tpより十分高
く、且つインクの吐出が可能な粘度となる温度にインク
を加熱しておき、このインクの小液滴を被記録材へ記録
する様にしても、被記録材表面にインクが付着後、イン
クの温度が下降してTp付近の温度で増粘される為、上
記と同様に本発明の効果を得ることが出来る。
増粘性であり、粘度の極大点を有する為、曇点Tc以上
では急速にインクが増粘するが、更に温度上昇させると
粘度の極大点より高温側で逆に粘度が降下する。従っ
て、この粘度の極大温度をTpとし、Tpより十分高
く、且つインクの吐出が可能な粘度となる温度にインク
を加熱しておき、このインクの小液滴を被記録材へ記録
する様にしても、被記録材表面にインクが付着後、イン
クの温度が下降してTp付近の温度で増粘される為、上
記と同様に本発明の効果を得ることが出来る。
【0019】次に、好ましい実施態様を挙げて本発明を
更に詳細に説明する。本発明の水性インクは、色材と液
媒体とを含むインク中に、熱可逆的に転移温度Ts以上
で水溶液から相分離する熱可逆的相分離性高分子及び/
又は曇点Tcを有する界面活性剤と、アンモニウム塩と
を含むことを特徴とする本発明において使用する熱可逆
的相分離性を示す高分子とは、その水溶液、水懸濁液等
が一定の温度(転移温度Ts)以上で相分離し、且つ該
相分離が温度の変化に伴い可逆的に起こる高分子をい
う。該高分子の転移温度Tsとしては、記録装置が通常
使用される環境温度(室温)よりも高く、且つ温度によ
る増粘を効果的にする為(状態変化の前後の温度差を大
きくする)、10℃以上85℃以下のものを用いるのが
望ましい。85℃を超えるとインク中の水分の蒸発によ
る著しい増粘を引き起こすので好ましくない。又、後述
する熱可逆的相分離性高分子と併用される界面活性剤と
しては、曇点が、上記の様な高分子に対応させる為に1
0℃以上100℃未満のものを使用するのが好ましい。
更に詳細に説明する。本発明の水性インクは、色材と液
媒体とを含むインク中に、熱可逆的に転移温度Ts以上
で水溶液から相分離する熱可逆的相分離性高分子及び/
又は曇点Tcを有する界面活性剤と、アンモニウム塩と
を含むことを特徴とする本発明において使用する熱可逆
的相分離性を示す高分子とは、その水溶液、水懸濁液等
が一定の温度(転移温度Ts)以上で相分離し、且つ該
相分離が温度の変化に伴い可逆的に起こる高分子をい
う。該高分子の転移温度Tsとしては、記録装置が通常
使用される環境温度(室温)よりも高く、且つ温度によ
る増粘を効果的にする為(状態変化の前後の温度差を大
きくする)、10℃以上85℃以下のものを用いるのが
望ましい。85℃を超えるとインク中の水分の蒸発によ
る著しい増粘を引き起こすので好ましくない。又、後述
する熱可逆的相分離性高分子と併用される界面活性剤と
しては、曇点が、上記の様な高分子に対応させる為に1
0℃以上100℃未満のものを使用するのが好ましい。
【0020】先ず、上記の様な特性を有する熱可逆的相
分離性高分子について説明する。本発明で使用される熱
可逆的相分離性高分子としては、具体的には、窒素含有
環を有する活性水素化合物のアルキレンオキシド付加物
のビニル系カルボン酸エステル(a)を構成単位とし、
且つ該ビニル系カルボン酸エステル(a)が50重量%
以上含有されている水溶性ビニル系重合体(A)等が挙
げられ、更に好ましくは、上記ビニル系カルボン酸エス
テル(a)が、(置換)モルホリンのエチレンオキシド
及び/又はプロピレンオキシド1〜20モル付加物のア
クリル酸エステル又はメタクリル酸エステルである化合
物等が挙げられる。
分離性高分子について説明する。本発明で使用される熱
可逆的相分離性高分子としては、具体的には、窒素含有
環を有する活性水素化合物のアルキレンオキシド付加物
のビニル系カルボン酸エステル(a)を構成単位とし、
且つ該ビニル系カルボン酸エステル(a)が50重量%
以上含有されている水溶性ビニル系重合体(A)等が挙
げられ、更に好ましくは、上記ビニル系カルボン酸エス
テル(a)が、(置換)モルホリンのエチレンオキシド
及び/又はプロピレンオキシド1〜20モル付加物のア
クリル酸エステル又はメタクリル酸エステルである化合
物等が挙げられる。
【0021】上記の窒素含有環を有する活性水素化合物
は、窒素含有環とアルキレンオキシドが付加する為の活
性水素を有する化合物であり、例としては、窒素含有脂
環式化合物[アジリジン環を有するものとしては、アジ
リジン、2−メチルアジリジン;ピロリジン環を有する
ものとしては、ピロリジン、2−メチルピロリジン、2
−ピロリドン、スクシンイミド;ピペリジン環を有する
ものとしてはピペリジン、2−メチルピペリジン、3,
5−ジメチルピペリジン、2−エチルピペリジン、4−
ピペリジノピペリジン、4−ピロリジノピペリジン、エ
チルピペコリネート;ピペラジン環を有するものとして
は、1−メチルピペラジン、1−メチル−3−エチルピ
ペラジン;モルホリン環を有するものとしては、モルホ
リン、2−メチルモルホリン、3,5−ジメチルモルホ
リン;及び、ε−カプロラクタム等]、窒素含有不飽和
環状化合物[3−ピロリン、2,5−ジメチル−3−ピ
ロリン、2−ヒドロキシピリジン、4−ピリジルカルビ
ノール、2−ヒドロキシピリミジン等]が挙げられる。
これらのうち好ましいものとしては、窒素含有脂環式化
合物であり、更に好ましくは、ピペリジン環を有するも
の及びモルホリン環を有するものであり、最も好ましい
ものはモルホリン環を有するものである。
は、窒素含有環とアルキレンオキシドが付加する為の活
性水素を有する化合物であり、例としては、窒素含有脂
環式化合物[アジリジン環を有するものとしては、アジ
リジン、2−メチルアジリジン;ピロリジン環を有する
ものとしては、ピロリジン、2−メチルピロリジン、2
−ピロリドン、スクシンイミド;ピペリジン環を有する
ものとしてはピペリジン、2−メチルピペリジン、3,
5−ジメチルピペリジン、2−エチルピペリジン、4−
ピペリジノピペリジン、4−ピロリジノピペリジン、エ
チルピペコリネート;ピペラジン環を有するものとして
は、1−メチルピペラジン、1−メチル−3−エチルピ
ペラジン;モルホリン環を有するものとしては、モルホ
リン、2−メチルモルホリン、3,5−ジメチルモルホ
リン;及び、ε−カプロラクタム等]、窒素含有不飽和
環状化合物[3−ピロリン、2,5−ジメチル−3−ピ
ロリン、2−ヒドロキシピリジン、4−ピリジルカルビ
ノール、2−ヒドロキシピリミジン等]が挙げられる。
これらのうち好ましいものとしては、窒素含有脂環式化
合物であり、更に好ましくは、ピペリジン環を有するも
の及びモルホリン環を有するものであり、最も好ましい
ものはモルホリン環を有するものである。
【0022】又、本発明におけるアルキレンオキシド
は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド及びブチレ
ンオキシドが好適である。前記した本発明における熱可
逆的相分離性高分子の転移温度Tsの調節は、このアル
キレンオキシドの種類や付加モル数を調節することで容
易に行うことが出来る。例えば、エチレンオキシドの場
合は、付加モル数を多くすると転移温度Tsは上昇し、
プロピレンオキシドやブチレンオキシドの場合は付加モ
ル数の増加で転移温度Tsは低くなる。アルキレンオキ
シドの付加モル数としては1〜20モルが好ましく、よ
り好ましくは1〜5モルである。
は、エチレンオキシド、プロピレンオキシド及びブチレ
ンオキシドが好適である。前記した本発明における熱可
逆的相分離性高分子の転移温度Tsの調節は、このアル
キレンオキシドの種類や付加モル数を調節することで容
易に行うことが出来る。例えば、エチレンオキシドの場
合は、付加モル数を多くすると転移温度Tsは上昇し、
プロピレンオキシドやブチレンオキシドの場合は付加モ
ル数の増加で転移温度Tsは低くなる。アルキレンオキ
シドの付加モル数としては1〜20モルが好ましく、よ
り好ましくは1〜5モルである。
【0023】上記した熱可逆的相分離性高分子の構成単
位であるビニル系カルボン酸エステル(a)は、上記し
たアルキレンオキシド付加物とビニル系カルボン酸との
エステルであり、ビニル系カルボン酸としてはメタクリ
ル酸、アクリル酸(以下、これらを総称して(メタ)ア
クリル酸と称す)、マレイン酸、ビニル安息香酸及びこ
れらの誘導体が好ましく、特に好ましくは、(メタ)ア
クリル酸及び(メタ)アクリル酸誘導体が挙げられる。
位であるビニル系カルボン酸エステル(a)は、上記し
たアルキレンオキシド付加物とビニル系カルボン酸との
エステルであり、ビニル系カルボン酸としてはメタクリ
ル酸、アクリル酸(以下、これらを総称して(メタ)ア
クリル酸と称す)、マレイン酸、ビニル安息香酸及びこ
れらの誘導体が好ましく、特に好ましくは、(メタ)ア
クリル酸及び(メタ)アクリル酸誘導体が挙げられる。
【0024】更に、本発明でいう水溶性ビニル系重合体
(A)とは、上記ビニル系カルボン酸エステル(a)1
種類以上の重合体、又は、ビニル系カルボン酸エステル
(a)1種類以上と他のビニル系モノマー(b)との共
重合体であって、ビニル系カルボン酸エステル(a)1
種類以上をその構成単位として50重量%以上含有する
ものであればよい。
(A)とは、上記ビニル系カルボン酸エステル(a)1
種類以上の重合体、又は、ビニル系カルボン酸エステル
(a)1種類以上と他のビニル系モノマー(b)との共
重合体であって、ビニル系カルボン酸エステル(a)1
種類以上をその構成単位として50重量%以上含有する
ものであればよい。
【0025】この際に使用される他のビニル系モノマー
(b)としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル
(メタ)アクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリド
ン、(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、スチレ
ンスルホン酸、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メ
タ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、ブチ
ル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレ
ート、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロ
ヘキシル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニ
トリル、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、ブタジエ
ン、イソプレン等が好適である。
(b)としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル
(メタ)アクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリド
ン、(メタ)アクリル酸、(無水)マレイン酸、スチレ
ンスルホン酸、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メ
タ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、ブチ
ル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレ
ート、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロ
ヘキシル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニ
トリル、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、ブタジエ
ン、イソプレン等が好適である。
【0026】尚、水溶性ビニル系重合体(A)を構成す
るモノマーのうち、ビニル系カルボン酸エステル(a)
の構成比によって相分離の温度幅が変化する為、その温
度幅をできる限り小さくする為には、ビニル系カルボン
酸エステル(a)の構成比を、ビニル系重合体(A)全
体の好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重
量%以上とする。
るモノマーのうち、ビニル系カルボン酸エステル(a)
の構成比によって相分離の温度幅が変化する為、その温
度幅をできる限り小さくする為には、ビニル系カルボン
酸エステル(a)の構成比を、ビニル系重合体(A)全
体の好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重
量%以上とする。
【0027】又、熱可逆的相分離性高分子の転移温度T
sは、前述した様に、熱可逆的相分離性高分子を構成す
る上記した様なビニル系カルボン酸エステル(a)中の
アルキレンオキシドの種類や付加モル数を変化させるこ
とで、任意の温度に容易に調整することが出来る為、温
度上昇特性が、形態や記録方法等によって変化する種々
の記録ヘッドに適用することが可能である。但し、該転
移温度Tsは、インク中の塩、界面活性剤、溶剤等の添
加成分の種類、量によっても変化するので、適用するイ
ンク組成での転移温度を用いる必要がある。
sは、前述した様に、熱可逆的相分離性高分子を構成す
る上記した様なビニル系カルボン酸エステル(a)中の
アルキレンオキシドの種類や付加モル数を変化させるこ
とで、任意の温度に容易に調整することが出来る為、温
度上昇特性が、形態や記録方法等によって変化する種々
の記録ヘッドに適用することが可能である。但し、該転
移温度Tsは、インク中の塩、界面活性剤、溶剤等の添
加成分の種類、量によっても変化するので、適用するイ
ンク組成での転移温度を用いる必要がある。
【0028】本発明において、インク中に添加される上
記した様な熱可逆的相分離性高分子の分子量及び添加量
は、インクジェット記録用インクとしての粘度の許容範
囲内(20mPa・s以下)に収める必要があるが、分
子量が2,000以上50万以下の範囲のものを使用す
るのが好ましい。分子量が50万を超えると分子鎖が長
くなり過ぎ、再溶解速度が低下したり、曳糸性が出るの
で好ましくない。上記範囲内で分子量が2,000程度
の場合は、相分離効果が弱いので添加量を多くする必要
があり、好ましくは、2〜10重量%添加する。又、同
様に分子量が50万に近い場合は、少量の添加で十分な
相分離効果を示す為、好ましい添加量としては0.00
5〜5重量%である。尚、この場合は、5重量%を超え
るとインク全体の粘度が上昇してしまうので好ましくな
い。尚、本発明においては、分子量が異なるものを混合
使用しても本発明の効果が十分に得られる。
記した様な熱可逆的相分離性高分子の分子量及び添加量
は、インクジェット記録用インクとしての粘度の許容範
囲内(20mPa・s以下)に収める必要があるが、分
子量が2,000以上50万以下の範囲のものを使用す
るのが好ましい。分子量が50万を超えると分子鎖が長
くなり過ぎ、再溶解速度が低下したり、曳糸性が出るの
で好ましくない。上記範囲内で分子量が2,000程度
の場合は、相分離効果が弱いので添加量を多くする必要
があり、好ましくは、2〜10重量%添加する。又、同
様に分子量が50万に近い場合は、少量の添加で十分な
相分離効果を示す為、好ましい添加量としては0.00
5〜5重量%である。尚、この場合は、5重量%を超え
るとインク全体の粘度が上昇してしまうので好ましくな
い。尚、本発明においては、分子量が異なるものを混合
使用しても本発明の効果が十分に得られる。
【0029】次に、本発明で使用される曇点を有する界
面活性剤について説明する。曇点を有する界面活性剤と
は、該界面活性剤を含有させた水溶液や水懸濁液等が、
一定の温度(曇点Tc)以上で増粘し、粘度の極大温度
Tpを有し、該極大点Tp以上の温度では粘度が下降す
る特性を有し、且つ温度−粘度の関係が可逆的である特
性を有するものをいう。前記した様に、本発明で使用す
る界面活性剤の曇点Tcとしては、熱可逆的相分離性高
分子に対応させる為に30℃以上100℃未満のものを
使用するのが好ましい。
面活性剤について説明する。曇点を有する界面活性剤と
は、該界面活性剤を含有させた水溶液や水懸濁液等が、
一定の温度(曇点Tc)以上で増粘し、粘度の極大温度
Tpを有し、該極大点Tp以上の温度では粘度が下降す
る特性を有し、且つ温度−粘度の関係が可逆的である特
性を有するものをいう。前記した様に、本発明で使用す
る界面活性剤の曇点Tcとしては、熱可逆的相分離性高
分子に対応させる為に30℃以上100℃未満のものを
使用するのが好ましい。
【0030】上記の様な特性を有する本発明で使用され
る界面活性剤としては、具体的には以下に示す化合物が
好ましく使用される。第一には、下記一般式(I)で示
される高級アルコール−エチレンオキシド付加型界面活
性剤が好適に使用される。 R−O−(CH2CH2O)n−H ・・・・・(I) (式中、Rは炭素数8以上22以下のアルキル基、nは
6以上20以下の整数)更に、第二には、下記一般式
(II)で示されるプロピレングリコール−エチレンオキ
シド付加型界面活性剤が挙げられる。 (式中、mは20≦m≦80の整数、nは5≦n≦20
0の整数)
る界面活性剤としては、具体的には以下に示す化合物が
好ましく使用される。第一には、下記一般式(I)で示
される高級アルコール−エチレンオキシド付加型界面活
性剤が好適に使用される。 R−O−(CH2CH2O)n−H ・・・・・(I) (式中、Rは炭素数8以上22以下のアルキル基、nは
6以上20以下の整数)更に、第二には、下記一般式
(II)で示されるプロピレングリコール−エチレンオキ
シド付加型界面活性剤が挙げられる。 (式中、mは20≦m≦80の整数、nは5≦n≦20
0の整数)
【0031】上記の様な界面活性剤を用い水溶液とした
場合には、曇点Tc迄は温度上昇に伴って粘度は殆ど変
化せず一定であり、曇点Tcを超えると高い匂配で粘度
が上昇する。更に温度を上昇させると粘度の極大点Tp
があり、該温度Tp以上では粘度が下降し、粘度の下降
速度、即ち再溶解速度が増粘速度とほぼ等しく、温度−
粘度関係がヒステリシスを殆ど持たないという特徴があ
る。又、曇点Tcは、界面活性剤分子を構成するアルキ
レンオキシドの種類や付加モル数を変化させることで、
任意の温度に容易に調整することが出来る。この為、例
えば、温度上昇特性がヘッドの形態や記録方法等によっ
て変化する様な、種々の記録ヘッドにも適用することが
可能である。但し、曇点Tcは、併用する熱可逆的相分
離性高分子、インク中の塩、他の界面活性剤、溶剤等の
添加成分の種類、或いはこれらの量によっても変化する
ので、適用するインク組成での曇点Tcを用いる必要が
ある。
場合には、曇点Tc迄は温度上昇に伴って粘度は殆ど変
化せず一定であり、曇点Tcを超えると高い匂配で粘度
が上昇する。更に温度を上昇させると粘度の極大点Tp
があり、該温度Tp以上では粘度が下降し、粘度の下降
速度、即ち再溶解速度が増粘速度とほぼ等しく、温度−
粘度関係がヒステリシスを殆ど持たないという特徴があ
る。又、曇点Tcは、界面活性剤分子を構成するアルキ
レンオキシドの種類や付加モル数を変化させることで、
任意の温度に容易に調整することが出来る。この為、例
えば、温度上昇特性がヘッドの形態や記録方法等によっ
て変化する様な、種々の記録ヘッドにも適用することが
可能である。但し、曇点Tcは、併用する熱可逆的相分
離性高分子、インク中の塩、他の界面活性剤、溶剤等の
添加成分の種類、或いはこれらの量によっても変化する
ので、適用するインク組成での曇点Tcを用いる必要が
ある。
【0032】本発明においては、添加する界面活性剤の
構成官能基の種類や分子量を、インクジェット記録用イ
ンクとしての粘度の許容範囲内(20mPa・s以下)
に収める必要がある為、例えば、一般式(I)の界面活
性剤を用いる場合には、Rが炭素数8以上22以下のア
ルキル基であって、nが6以上20以下の整数の範囲の
ものが好ましい。一般式(II)の界面活性剤を用いる場
合には、プロピレングリコール部が疎水部として機能
し、mが20以上80以下の整数であり、且つ親水部で
あるエチレンオキシドは、nが5以上200以下(全分
子中の10〜80重量%)の範囲のものが好ましい。
尚、全分子中のエチレンオキシドの比率を上げていくと
曇点Tcが上昇するので、エチレンオキシド比率、プロ
ピレンオキシド比率を変化させることで曇点を自由に設
定することが可能である。
構成官能基の種類や分子量を、インクジェット記録用イ
ンクとしての粘度の許容範囲内(20mPa・s以下)
に収める必要がある為、例えば、一般式(I)の界面活
性剤を用いる場合には、Rが炭素数8以上22以下のア
ルキル基であって、nが6以上20以下の整数の範囲の
ものが好ましい。一般式(II)の界面活性剤を用いる場
合には、プロピレングリコール部が疎水部として機能
し、mが20以上80以下の整数であり、且つ親水部で
あるエチレンオキシドは、nが5以上200以下(全分
子中の10〜80重量%)の範囲のものが好ましい。
尚、全分子中のエチレンオキシドの比率を上げていくと
曇点Tcが上昇するので、エチレンオキシド比率、プロ
ピレンオキシド比率を変化させることで曇点を自由に設
定することが可能である。
【0033】上記の様な界面活性剤のインク中への添加
量は、これらのものは比較的分子量が小さいので、添加
量範囲を広く設定することが出来、0.1〜10重量%
の範囲とするのが好ましい。0.1重量%未満の場合に
は増粘効果が弱く、一方、10重量%を超えると、イン
クの粘度が高くなり過ぎること、及び紙等への浸透性が
高くなり過ぎて発色性を低下させるので好ましくない。
尚、一般式(I)及び(II)の異なる界面活性剤を混合
使用する場合には、夫々の曇点が近いものを用いれば本
発明の効果を十分に得ることが出来る。
量は、これらのものは比較的分子量が小さいので、添加
量範囲を広く設定することが出来、0.1〜10重量%
の範囲とするのが好ましい。0.1重量%未満の場合に
は増粘効果が弱く、一方、10重量%を超えると、イン
クの粘度が高くなり過ぎること、及び紙等への浸透性が
高くなり過ぎて発色性を低下させるので好ましくない。
尚、一般式(I)及び(II)の異なる界面活性剤を混合
使用する場合には、夫々の曇点が近いものを用いれば本
発明の効果を十分に得ることが出来る。
【0034】本発明者らは、上記した様に、本発明で使
用する熱可逆的相分離性高分子及び曇点を有する界面活
性剤を添加した水溶液は、温度により熱可逆的に、相分
離及び増粘・減粘作用を行えることを見出したが、更
に、染料を代表とする活性水素を有する化合物が、この
温度による増粘・減粘作用を全く阻害してしまうことを
見出した。このことは、色材に染料を含有するインクに
適用した場合には、温度による増粘・減粘作用が得られ
ないことを意味する。上記した現象は、染料構造に含ま
れる活性水素、即ち、イミノ基、アミノ基、水酸基等
が、上記界面活性剤の親水基に優先配位する為、界面活
性剤の温度による疎水性水和を阻害する為に生じるもの
と推定される。
用する熱可逆的相分離性高分子及び曇点を有する界面活
性剤を添加した水溶液は、温度により熱可逆的に、相分
離及び増粘・減粘作用を行えることを見出したが、更
に、染料を代表とする活性水素を有する化合物が、この
温度による増粘・減粘作用を全く阻害してしまうことを
見出した。このことは、色材に染料を含有するインクに
適用した場合には、温度による増粘・減粘作用が得られ
ないことを意味する。上記した現象は、染料構造に含ま
れる活性水素、即ち、イミノ基、アミノ基、水酸基等
が、上記界面活性剤の親水基に優先配位する為、界面活
性剤の温度による疎水性水和を阻害する為に生じるもの
と推定される。
【0035】そこで、本発明者らは、これらの阻害物質
の隠蔽効果を示す材料を鋭意探索した結果、アンモニウ
ムイオンを生成し得る塩の添加が阻害物質として最も効
果的であることを見出した。即ち、アンモニウムイオン
が活性水素化合物の配位子として作用し、熱可逆的相分
離性高分子及び界面活性剤の疎水性水和に活性水素が影
響を及ぼさない様にする為と考えられる。又、硫酸ナト
リウム等も同様に隠蔽作用を示すが、これをインクに添
加した場合は、染料の塩析作用が生じてしまい染料の溶
解安定性が悪くなるので好ましくない。更に、Na等の
金属イオンがインク中に多量に存在すると、特に熱エネ
ルギーを作用させインクの発泡により液滴の吐出で記録
を行う熱インクジェット記録では、熱作用面のコゲによ
る吐出不安定を引き起こす原因となるので好ましくな
い。
の隠蔽効果を示す材料を鋭意探索した結果、アンモニウ
ムイオンを生成し得る塩の添加が阻害物質として最も効
果的であることを見出した。即ち、アンモニウムイオン
が活性水素化合物の配位子として作用し、熱可逆的相分
離性高分子及び界面活性剤の疎水性水和に活性水素が影
響を及ぼさない様にする為と考えられる。又、硫酸ナト
リウム等も同様に隠蔽作用を示すが、これをインクに添
加した場合は、染料の塩析作用が生じてしまい染料の溶
解安定性が悪くなるので好ましくない。更に、Na等の
金属イオンがインク中に多量に存在すると、特に熱エネ
ルギーを作用させインクの発泡により液滴の吐出で記録
を行う熱インクジェット記録では、熱作用面のコゲによ
る吐出不安定を引き起こす原因となるので好ましくな
い。
【0036】本発明において好ましく使用される上記効
果を有する無機アンモニウム塩としては、例えば、塩化
アンモニウム、硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウ
ム、硫酸アンモニウムナトリウム、リン酸アンモニウ
ム、リン酸水素アンモニウム、リン酸二水素アンモニウ
ム、ピロリン酸アンモニウム、ピロ硫酸アンモニウム、
炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、カルバミン
酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、ホウ酸アンモニウ
ム等を挙げることが出来る。
果を有する無機アンモニウム塩としては、例えば、塩化
アンモニウム、硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウ
ム、硫酸アンモニウムナトリウム、リン酸アンモニウ
ム、リン酸水素アンモニウム、リン酸二水素アンモニウ
ム、ピロリン酸アンモニウム、ピロ硫酸アンモニウム、
炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、カルバミン
酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、ホウ酸アンモニウ
ム等を挙げることが出来る。
【0037】上記の様なアンモニウム塩のインク中への
添加量は、染料の含有量に応じて加減する必要がある
が、好適には0.1〜10重量%の範囲とする。ここ
で、0.1重量%より少ないと隠蔽効果がなく、10重
量%より多いとインクの乾燥により塩の析出が発生し、
ノズル詰まりを引き起こす為好ましくない。又、アンモ
ニウム塩は、使用される染料の構造によって種類を選択
する必要があり、例えば、スルホン酸ナトリウム塩型の
染料の場合には、リン酸アンモニウム類が効果的であ
り、カルボン酸アンモニウム型の染料の場合には硫酸ア
ンモニウム類の添加が有効である。
添加量は、染料の含有量に応じて加減する必要がある
が、好適には0.1〜10重量%の範囲とする。ここ
で、0.1重量%より少ないと隠蔽効果がなく、10重
量%より多いとインクの乾燥により塩の析出が発生し、
ノズル詰まりを引き起こす為好ましくない。又、アンモ
ニウム塩は、使用される染料の構造によって種類を選択
する必要があり、例えば、スルホン酸ナトリウム塩型の
染料の場合には、リン酸アンモニウム類が効果的であ
り、カルボン酸アンモニウム型の染料の場合には硫酸ア
ンモニウム類の添加が有効である。
【0038】以上述べた様な熱可逆的相分離性高分子及
び曇点を有する界面活性剤を含む本発明水性のインク
は、更に増粘によるブリーディング抑制の為には、被記
録材上でインクが10maPa・s以上に増粘すればよ
いので、インクを1℃/minの昇温速度で加熱した場
合の粘度の温度匂配を転移温度Ts以上で20mPa・
s/℃以上とすると被記録材上での十分な増粘効果が得
られる。
び曇点を有する界面活性剤を含む本発明水性のインク
は、更に増粘によるブリーディング抑制の為には、被記
録材上でインクが10maPa・s以上に増粘すればよ
いので、インクを1℃/minの昇温速度で加熱した場
合の粘度の温度匂配を転移温度Ts以上で20mPa・
s/℃以上とすると被記録材上での十分な増粘効果が得
られる。
【0039】図1のグラフaに、熱可逆的相分離性高分
子2重量%、曇点を有する界面活性剤5重量%、リン酸
水素アンモニウム3重量%、染料としてC.I.Dir
ect Yellow 86を2重量%、残りをイオ
ン交換水で調整した水性インクの温度−粘度関係の一例
を示した。この際に使用した熱可逆的相分離性高分子と
しては、2−(2−モルホリノエトキシ)エチルメタク
リレート(モルホリンのエチレンオキシド2モル付加物
とメタクリル酸とのエステル)100部と、2,2’−
アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.1部
とをアンプルに加え、凍結脱気後密閉し、60℃で8時
間重合させて得たものであり、転移温度Tsは56℃で
ある。又、併用した界面活性剤は、プロピレングリコー
ル−エチレンオキシド付加型界面活性剤で、式(II)
中、m=35、n=15で、エチレンオキシドが全分子
中に約40重量%占めるものであり(商品名:三洋化成
工業(株)製ニューポールPE−74)、曇点Tcは5
5℃である。
子2重量%、曇点を有する界面活性剤5重量%、リン酸
水素アンモニウム3重量%、染料としてC.I.Dir
ect Yellow 86を2重量%、残りをイオ
ン交換水で調整した水性インクの温度−粘度関係の一例
を示した。この際に使用した熱可逆的相分離性高分子と
しては、2−(2−モルホリノエトキシ)エチルメタク
リレート(モルホリンのエチレンオキシド2モル付加物
とメタクリル酸とのエステル)100部と、2,2’−
アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.1部
とをアンプルに加え、凍結脱気後密閉し、60℃で8時
間重合させて得たものであり、転移温度Tsは56℃で
ある。又、併用した界面活性剤は、プロピレングリコー
ル−エチレンオキシド付加型界面活性剤で、式(II)
中、m=35、n=15で、エチレンオキシドが全分子
中に約40重量%占めるものであり(商品名:三洋化成
工業(株)製ニューポールPE−74)、曇点Tcは5
5℃である。
【0040】図1のグラフa中、実線は水性インクを1
℃/minで昇温させた場合、点線は1℃/minで降
温させた場合の粘度−温度曲線を夫々示している。又、
図中、一点鎖線は上記曇点を有する界面活性剤単独の水
溶液の場合、二点鎖線は上記熱可逆的相分離性高分子単
独の水溶液の粘度−温度曲線を夫々示している。尚、グ
ラフa中、転移温度はTs、曇点はTc、粘度の極大点
はTpであり、記録する時の(記録ヘッドから吐出す
る)インク温度は、昇温による増粘効果を使用する場合
はT1に、被記録材の温度はT2に夫々設定して記録す
る。又、インクを昇温させて粘度を下降させた状態で記
録する場合は、インクの温度をT3に設定し、被記録材
の温度をTc以下にする(室温と等しい場合であり、特
別に被記録材の温度制御は不要である。)。
℃/minで昇温させた場合、点線は1℃/minで降
温させた場合の粘度−温度曲線を夫々示している。又、
図中、一点鎖線は上記曇点を有する界面活性剤単独の水
溶液の場合、二点鎖線は上記熱可逆的相分離性高分子単
独の水溶液の粘度−温度曲線を夫々示している。尚、グ
ラフa中、転移温度はTs、曇点はTc、粘度の極大点
はTpであり、記録する時の(記録ヘッドから吐出す
る)インク温度は、昇温による増粘効果を使用する場合
はT1に、被記録材の温度はT2に夫々設定して記録す
る。又、インクを昇温させて粘度を下降させた状態で記
録する場合は、インクの温度をT3に設定し、被記録材
の温度をTc以下にする(室温と等しい場合であり、特
別に被記録材の温度制御は不要である。)。
【0041】又、熱可逆的相分離性高分子の効果は、イ
ンク中に溶解している該高分子が、一定の温度(転移温
度Ts)以上に上がった状態で該高分子同士が会合を起
こし、水溶液から色材を取り込んで相分離することにあ
るので、この現象は、インクの温度に対する光透過率で
測定することが可能である。即ち、色材が該高分子に取
り込まれて水溶液から相分離するとインク全体が濁る
為、その濁度の変化を光透過率でトレースすればい。図
1のグラフbは、このインクの温度−光透過率の関係
を、昇温速度1℃/minで昇温させながら、分光光度
計を用いて波長400nmで測定した結果を示す。
ンク中に溶解している該高分子が、一定の温度(転移温
度Ts)以上に上がった状態で該高分子同士が会合を起
こし、水溶液から色材を取り込んで相分離することにあ
るので、この現象は、インクの温度に対する光透過率で
測定することが可能である。即ち、色材が該高分子に取
り込まれて水溶液から相分離するとインク全体が濁る
為、その濁度の変化を光透過率でトレースすればい。図
1のグラフbは、このインクの温度−光透過率の関係
を、昇温速度1℃/minで昇温させながら、分光光度
計を用いて波長400nmで測定した結果を示す。
【0042】次に、本発明の水性インクに用いる色材に
ついて説明する。本発明の水性インクに使用される色材
としては、先ず第一に下記の様な染料が挙げられる。即
ち、本発明で使用可能な染料としては、上記した熱可逆
的相分離性高分子及び曇点を有する界面活性剤と相互作
用を起こし、転移温度Ts以上で界面活性剤の会合を促
進するものであればいずれのものでもよく、例えば、直
接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料
等が挙げられる。これらは、大部分の疎水性色素骨格
と、数個の、スルホン酸塩(−SO3M)、カルボン酸
塩(−COOM)、アンモニウム塩(−NH3X)等の
可溶化基、及び水素結合性の水酸基(−OH)、アミノ
基(−NH2)、イミノ基(−NH−)等の置換基から
なり、且つ上記した様な雲点を有する界面活性剤と複合
体を形成することができるものである。又、分散染料は
それ自体は水不溶性であるが、分散剤としてナフタレン
スルホン酸塩等の多環系アニオン活性剤を併用している
為、染料のみかけのイオン性は直接染料と同じくアニオ
ン性であり上記染料と同様に使用することが可能であ
る。
ついて説明する。本発明の水性インクに使用される色材
としては、先ず第一に下記の様な染料が挙げられる。即
ち、本発明で使用可能な染料としては、上記した熱可逆
的相分離性高分子及び曇点を有する界面活性剤と相互作
用を起こし、転移温度Ts以上で界面活性剤の会合を促
進するものであればいずれのものでもよく、例えば、直
接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料
等が挙げられる。これらは、大部分の疎水性色素骨格
と、数個の、スルホン酸塩(−SO3M)、カルボン酸
塩(−COOM)、アンモニウム塩(−NH3X)等の
可溶化基、及び水素結合性の水酸基(−OH)、アミノ
基(−NH2)、イミノ基(−NH−)等の置換基から
なり、且つ上記した様な雲点を有する界面活性剤と複合
体を形成することができるものである。又、分散染料は
それ自体は水不溶性であるが、分散剤としてナフタレン
スルホン酸塩等の多環系アニオン活性剤を併用している
為、染料のみかけのイオン性は直接染料と同じくアニオ
ン性であり上記染料と同様に使用することが可能であ
る。
【0043】上記の様な染料の具体例としては、C.I.Di
rect Black 17、C.I.Direct Black 19、C.I.Direct
Black 62、C.I.Direct Black 154、IJA26
0、IJA286、C.I.Food Black 2、C.I.Reactive
Black 5、C.I.Acid Black 52、C.I.Projet Fast Bla
ck 2等のブラック染料、C.I.Direct Yellow 11、C.
I.Direct Yellow 44、C.I.Direct Yellow 86、C.I.
Direct Yellow 142、C.I.Direct Yellow 330、C.
I.Acid Yellow 3、C.I.Acid Yellow 38、C.I.Basic
Yellow 11、C.I.Basic Yellow 51、C.I.Disperse Y
ellow 3、C.I.Disperse Yellow 5、C.I.Reactive Yel
low 2等のイエロー染料、C.I.Direct Red 227、C.
I.Direct Red 23、C.I.Acid Red 18、C.I.AcidRed
52、C.I.Basic Red 14、C.I.Basic Red 39、C.I.
Disperse Red 60、IJR−016等のマゼンタ染料
及びC.I.Direct Blue 15、C.I.Direct Blue 199、
C.I.Direct Blue 168、C.I.Acid Blue 9、C.I.Acid
Blue 40、C.I.Basic Blue 41、C.I.Acid Blue7
4、C.I.Reactive Blue 15等のシアン染料を挙げるこ
とが出来る。これらの染料以外でも、可溶化基を減らし
て耐水性を高めたものや、溶解度をpHの変化に敏感に
した特殊なグレードのもの等、何れも本発明で使用する
ことが可能である。
rect Black 17、C.I.Direct Black 19、C.I.Direct
Black 62、C.I.Direct Black 154、IJA26
0、IJA286、C.I.Food Black 2、C.I.Reactive
Black 5、C.I.Acid Black 52、C.I.Projet Fast Bla
ck 2等のブラック染料、C.I.Direct Yellow 11、C.
I.Direct Yellow 44、C.I.Direct Yellow 86、C.I.
Direct Yellow 142、C.I.Direct Yellow 330、C.
I.Acid Yellow 3、C.I.Acid Yellow 38、C.I.Basic
Yellow 11、C.I.Basic Yellow 51、C.I.Disperse Y
ellow 3、C.I.Disperse Yellow 5、C.I.Reactive Yel
low 2等のイエロー染料、C.I.Direct Red 227、C.
I.Direct Red 23、C.I.Acid Red 18、C.I.AcidRed
52、C.I.Basic Red 14、C.I.Basic Red 39、C.I.
Disperse Red 60、IJR−016等のマゼンタ染料
及びC.I.Direct Blue 15、C.I.Direct Blue 199、
C.I.Direct Blue 168、C.I.Acid Blue 9、C.I.Acid
Blue 40、C.I.Basic Blue 41、C.I.Acid Blue7
4、C.I.Reactive Blue 15等のシアン染料を挙げるこ
とが出来る。これらの染料以外でも、可溶化基を減らし
て耐水性を高めたものや、溶解度をpHの変化に敏感に
した特殊なグレードのもの等、何れも本発明で使用する
ことが可能である。
【0044】上記の様な染料のインク中における濃度と
しては、溶解度の範囲以内で自由に選択可能で、通常1
〜8重量%が好ましく、布、金属(例えば、アルマイ
ト)等への記録には3〜10重量%が好ましく、更に記
録画像に濃淡が必要な場合には0.1〜10重量%が好
ましい。
しては、溶解度の範囲以内で自由に選択可能で、通常1
〜8重量%が好ましく、布、金属(例えば、アルマイ
ト)等への記録には3〜10重量%が好ましく、更に記
録画像に濃淡が必要な場合には0.1〜10重量%が好
ましい。
【0045】本発明の水性インクに使用される色材とし
ては第二に、カーボンブラック及び各種の有機顔料が挙
げられる。これらの色材は、前記した分散染料と同様に
分散剤を併用する為、本発明のインクの構成成分である
熱可逆的相分離性高分子化合物と分散剤を介して相互作
用をなし得る。この様な顔料としては、インクジェット
記録用に適合したものであればいずれのものも使用でき
るが、中でも黒色インクに用いるカーボンブラックは、
ファーネス法、チャネル法で製造されたものであって、
1次粒子径が10〜40mμm、BET法による比表面
積が50〜300m2/g、DBP吸油量が40〜15
0ml/100gのものを用いるのが望ましい。
ては第二に、カーボンブラック及び各種の有機顔料が挙
げられる。これらの色材は、前記した分散染料と同様に
分散剤を併用する為、本発明のインクの構成成分である
熱可逆的相分離性高分子化合物と分散剤を介して相互作
用をなし得る。この様な顔料としては、インクジェット
記録用に適合したものであればいずれのものも使用でき
るが、中でも黒色インクに用いるカーボンブラックは、
ファーネス法、チャネル法で製造されたものであって、
1次粒子径が10〜40mμm、BET法による比表面
積が50〜300m2/g、DBP吸油量が40〜15
0ml/100gのものを用いるのが望ましい。
【0046】これら顔料の具体的な例としては、カーボ
ンブラック(三菱化成製のNo.2300、No.900、M
CF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA
7、MA8、#2200B、コロンビヤカーボン社製の
Raven1255、Raven1060、キャボット社製のRega
l330R、Regal660R、Mogul L、DEGUSSA
社製のColor Black FW18、Printex 35、Printex
U等)、カーボンブラックの表面を酸化処理或いはプラ
ズマ処理したもの、不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、フ
タロシアニン系顔料、イソインドリノン系高級顔料、キ
ナクリドン系高級顔料、ジオキサンバイオレット、ペリ
ノン・ペリレン系高級顔料等の有機顔料を使用すること
が出来る。更に、上記顔料に分類される色材材料とし
て、染料を体質顔料に染めつけた、いわゆる、染色レー
キも本発明の水性インクを構成する色材として使用可能
である。
ンブラック(三菱化成製のNo.2300、No.900、M
CF88、No.33、No.40、No.45、No.52、MA
7、MA8、#2200B、コロンビヤカーボン社製の
Raven1255、Raven1060、キャボット社製のRega
l330R、Regal660R、Mogul L、DEGUSSA
社製のColor Black FW18、Printex 35、Printex
U等)、カーボンブラックの表面を酸化処理或いはプラ
ズマ処理したもの、不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、フ
タロシアニン系顔料、イソインドリノン系高級顔料、キ
ナクリドン系高級顔料、ジオキサンバイオレット、ペリ
ノン・ペリレン系高級顔料等の有機顔料を使用すること
が出来る。更に、上記顔料に分類される色材材料とし
て、染料を体質顔料に染めつけた、いわゆる、染色レー
キも本発明の水性インクを構成する色材として使用可能
である。
【0047】本発明の水性インクを構成する上記した成
分を、溶解又は分散する液媒体としては、イオン交換水
を使用するが、信頼性、保存安定性、或いはインクの浸
透性の調節等、より優れたインクジェット記録適性を付
与する為に、次に挙げる様な、保湿剤、或いは溶解助剤
を含有させてもよい。この様な材料として、1,2−エ
タンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プ
ロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブ
タンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタ
ンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,7−ヘプ
タンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオー
ル、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、グリセリ
ン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
テトラエチレングリコール、ポリエレングリコール20
0、ジプロピレングリコール、2,2’−チオジエタノ
ール、1,2,6−ヘキサントリオール等のアルキレン
グリコール類;モノエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類;
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチ
ルスルホキシド、スルホラン、1,3−プロパンスルト
ン等の非プロトン性極性溶媒;1,2−ジメトキシエタ
ン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエ
タン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチ
レングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコー
ルジブチルエーテル、2−メトキシエタノール、2−エ
トキシエタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノー
ル、2−ブトキシエタノール、ジエチレングリコールモ
ノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ト
リエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレ
ングリコールモノエチルエーテル、1−メトキシ−2−
プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプ
ロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテ
ル、トリプロピレングリコールメチルエーテル等の多価
アルコールの低級アルキルエーテル類;その他ホルムア
ミド、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、
1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ソルビトール、ソ
ルビット、尿素、1,3−ビス(β−ヒドロキシエチ
ル)尿素等が挙げられる。又、これらの添加剤のインク
中における含有量は、インク全量の1〜30重量%の範
囲とするのが好ましい。
分を、溶解又は分散する液媒体としては、イオン交換水
を使用するが、信頼性、保存安定性、或いはインクの浸
透性の調節等、より優れたインクジェット記録適性を付
与する為に、次に挙げる様な、保湿剤、或いは溶解助剤
を含有させてもよい。この様な材料として、1,2−エ
タンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プ
ロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブ
タンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタ
ンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,7−ヘプ
タンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオー
ル、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、グリセリ
ン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
テトラエチレングリコール、ポリエレングリコール20
0、ジプロピレングリコール、2,2’−チオジエタノ
ール、1,2,6−ヘキサントリオール等のアルキレン
グリコール類;モノエタノールアミン、ジエタノールア
ミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類;
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチ
ルスルホキシド、スルホラン、1,3−プロパンスルト
ン等の非プロトン性極性溶媒;1,2−ジメトキシエタ
ン、1,2−ジエトキシエタン、1,2−ジブトキシエ
タン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチ
レングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコー
ルジブチルエーテル、2−メトキシエタノール、2−エ
トキシエタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノー
ル、2−ブトキシエタノール、ジエチレングリコールモ
ノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエ
ーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ト
リエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレ
ングリコールモノエチルエーテル、1−メトキシ−2−
プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプ
ロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテ
ル、トリプロピレングリコールメチルエーテル等の多価
アルコールの低級アルキルエーテル類;その他ホルムア
ミド、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、
1,3−ジメチルイミダゾリジノン、ソルビトール、ソ
ルビット、尿素、1,3−ビス(β−ヒドロキシエチ
ル)尿素等が挙げられる。又、これらの添加剤のインク
中における含有量は、インク全量の1〜30重量%の範
囲とするのが好ましい。
【0048】又、インクジェット記録に本発明のインク
を使用する際に、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノー
ル等のアルキルアルコールを含有させると吐出性が向上
し、更に効果的である。これらのアルコール類は、イン
ク全量の1〜10重量%の範囲で含有させることが好ま
しい。本発明においては、更に必要に応じて、浸透性を
制御するための界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防か
び剤及び酸化防止剤等の添加剤をインク中に含有させる
ことも可能である。
を使用する際に、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノー
ル等のアルキルアルコールを含有させると吐出性が向上
し、更に効果的である。これらのアルコール類は、イン
ク全量の1〜10重量%の範囲で含有させることが好ま
しい。本発明においては、更に必要に応じて、浸透性を
制御するための界面活性剤、pH調整剤、防錆剤、防か
び剤及び酸化防止剤等の添加剤をインク中に含有させる
ことも可能である。
【0049】以上の様に本発明の水性インクは、インク
ジェット記録に用いられる際、優れた効果が発揮され
る。本発明で使用するインクジェット記録方法として
は、所期の目的を達成し得れば何れのものでもよいが、
例えば、インクに力学的エネルギーを作用させ液滴を吐
出する記録方法、及びインクに熱エネルギーを加えてイ
ンクの発泡により液滴を吐出する記録方法があるが、こ
れらのインクジェット記録方法に本発明の水性インクを
使用するのが特に好適である。
ジェット記録に用いられる際、優れた効果が発揮され
る。本発明で使用するインクジェット記録方法として
は、所期の目的を達成し得れば何れのものでもよいが、
例えば、インクに力学的エネルギーを作用させ液滴を吐
出する記録方法、及びインクに熱エネルギーを加えてイ
ンクの発泡により液滴を吐出する記録方法があるが、こ
れらのインクジェット記録方法に本発明の水性インクを
使用するのが特に好適である。
【0050】上記の記録方法のうち、先ず、第一に、熱
エネルギーを利用したインクジェット記録装置の主要部
であるヘッドの構成例を、図2、図3及び図4に示す。
図2はインク流路に沿ったヘッドの断面図、図3は図2
のX−Y線での断面図、更に、図4は図2に示したヘッ
ドを多数並べたマルチヘッドの外観図を示す。ヘッド1
は、インクを通す流路(ノズル)2を有するガラス、セ
ラミック、シリコン又はプラスチック板等と、発熱素子
基板3とを接着して得られる。該発熱素子基板3は、酸
化シリコン、窒化シリコン及び炭化シリコン等で形成さ
れる保護層4、アルミニウム、金及びアルミニウム−銅
合金等で形成される電極5、HfB2、TaN及びTa
Al等の高融点材料で形成される発熱抵抗体層6、熱酸
化シリコン又は酸化アルミニウム等で形成される蓄熱層
7、及び、シリコン、アルミニウム又は窒化アルミニウ
ム等の放熱性のよい材料で形成される基板8より構成さ
れている。
エネルギーを利用したインクジェット記録装置の主要部
であるヘッドの構成例を、図2、図3及び図4に示す。
図2はインク流路に沿ったヘッドの断面図、図3は図2
のX−Y線での断面図、更に、図4は図2に示したヘッ
ドを多数並べたマルチヘッドの外観図を示す。ヘッド1
は、インクを通す流路(ノズル)2を有するガラス、セ
ラミック、シリコン又はプラスチック板等と、発熱素子
基板3とを接着して得られる。該発熱素子基板3は、酸
化シリコン、窒化シリコン及び炭化シリコン等で形成さ
れる保護層4、アルミニウム、金及びアルミニウム−銅
合金等で形成される電極5、HfB2、TaN及びTa
Al等の高融点材料で形成される発熱抵抗体層6、熱酸
化シリコン又は酸化アルミニウム等で形成される蓄熱層
7、及び、シリコン、アルミニウム又は窒化アルミニウ
ム等の放熱性のよい材料で形成される基板8より構成さ
れている。
【0051】上記の様な構成を有するヘッド1の電極5
にパルス状の電気信号が印加されると、発熱素子基板3
の、hで示される領域が急速に発熱する為、この表面に
接しているインクに気泡が発生し、その発生する圧力で
メニスカス10が突出し、インクがヘッド1のノズル2
を通して吐出し、オリフィス11より球状のインク小液
滴12となり、被記録材13に向かって飛翔する。
にパルス状の電気信号が印加されると、発熱素子基板3
の、hで示される領域が急速に発熱する為、この表面に
接しているインクに気泡が発生し、その発生する圧力で
メニスカス10が突出し、インクがヘッド1のノズル2
を通して吐出し、オリフィス11より球状のインク小液
滴12となり、被記録材13に向かって飛翔する。
【0052】図5に、上記ヘッドを組み込んだインクジ
ェット記録装置の一例を示す。図5において、61はワ
イピング部材としてのブレードであり、その一端はブレ
ード保持部材によって保持されて固定端となり、カンチ
レバーの形態をなす。ブレード61は、記録ヘッド65
による記録領域に隣接した位置に配置され、記録ヘッド
65の移動経路中に突出した形態で保持される。又、6
2は記録ヘッド65の吐出口面のキャップであり、ブレ
ード61に隣接するホームポジションに配設され、記録
ヘッド65の移動方向と垂直な方向に移動して、インク
吐出口面と当接し、キャッピングを行う構成を備える。
更に、63はブレード61に隣接して設けられるインク
吸収体であり、ブレード61と同様、記録ヘッド65の
移動経路中に突出した形態で保持される。
ェット記録装置の一例を示す。図5において、61はワ
イピング部材としてのブレードであり、その一端はブレ
ード保持部材によって保持されて固定端となり、カンチ
レバーの形態をなす。ブレード61は、記録ヘッド65
による記録領域に隣接した位置に配置され、記録ヘッド
65の移動経路中に突出した形態で保持される。又、6
2は記録ヘッド65の吐出口面のキャップであり、ブレ
ード61に隣接するホームポジションに配設され、記録
ヘッド65の移動方向と垂直な方向に移動して、インク
吐出口面と当接し、キャッピングを行う構成を備える。
更に、63はブレード61に隣接して設けられるインク
吸収体であり、ブレード61と同様、記録ヘッド65の
移動経路中に突出した形態で保持される。
【0053】上記ブレード61、キャップ62及びイン
ク吸収体63によって吐出回復部64が構成され、ブレ
ード61及びインク吸収体63によってインク吐出口面
の水分、塵挨等の除去が行われる。65は吐出エネルギ
ー発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する
被記録材にインクを吐出して記録を行う記録ヘッド、6
6は記録ヘッド65を搭載してその移動を行う為のキャ
リッジである。
ク吸収体63によって吐出回復部64が構成され、ブレ
ード61及びインク吸収体63によってインク吐出口面
の水分、塵挨等の除去が行われる。65は吐出エネルギ
ー発生手段を有し、吐出口を配した吐出口面に対向する
被記録材にインクを吐出して記録を行う記録ヘッド、6
6は記録ヘッド65を搭載してその移動を行う為のキャ
リッジである。
【0054】キャリッジ66はガイド軸67と摺動可能
に係合し、キャリッジ66の一部はモーター68によっ
て駆動されるベルト69と接続(不図示)している。こ
れによりキャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が
可能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣
接した領域の移動が可能となる。
に係合し、キャリッジ66の一部はモーター68によっ
て駆動されるベルト69と接続(不図示)している。こ
れによりキャリッジ66はガイド軸67に沿った移動が
可能となり、記録ヘッド65による記録領域及びその隣
接した領域の移動が可能となる。
【0055】51は被記録材を挿入する為の給紙部、5
2は不図示のモーターにより駆動する紙送りローラーで
ある。これらの構成によって記録ヘッド65の吐出口面
と対向する位置へ被記録材が給紙され、記録が進行する
につれて排紙ローラー53を配した排紙部へ排紙され
る。
2は不図示のモーターにより駆動する紙送りローラーで
ある。これらの構成によって記録ヘッド65の吐出口面
と対向する位置へ被記録材が給紙され、記録が進行する
につれて排紙ローラー53を配した排紙部へ排紙され
る。
【0056】上記構成において記録ヘッド65が記録終
了等でホームポジションに戻る際、吐出回復部64のキ
ャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避してい
るが、ブレード61は移動経路中に突出している。この
結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされる。
尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当接して
キャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッドの
移動経路中に突出する様に移動する。
了等でホームポジションに戻る際、吐出回復部64のキ
ャップ62は記録ヘッド65の移動経路から退避してい
るが、ブレード61は移動経路中に突出している。この
結果、記録ヘッド65の吐出口面がワイピングされる。
尚、キャップ62が記録ヘッド65の吐出面に当接して
キャッピングを行う場合、キャップ62は記録ヘッドの
移動経路中に突出する様に移動する。
【0057】記録ヘッド65がホームポジションから記
録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード
61は、上述したワイピング時の位置と同一の位置にあ
る。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐
出口面はワイピングされる。上述の記録ヘッド65のホ
ームポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ば
かりでなく、記録ヘッド65が記録の為に記録領域を移
動する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジ
ションへ移動し、この移動に伴って上記ワイピングが行
われる。
録開始位置へ移動する場合、キャップ62及びブレード
61は、上述したワイピング時の位置と同一の位置にあ
る。この結果、この移動においても記録ヘッド65の吐
出口面はワイピングされる。上述の記録ヘッド65のホ
ームポジションへの移動は、記録終了時や吐出回復時ば
かりでなく、記録ヘッド65が記録の為に記録領域を移
動する間に所定の間隔で記録領域に隣接したホームポジ
ションへ移動し、この移動に伴って上記ワイピングが行
われる。
【0058】図6は、ヘッドにインク供給部材、例え
ば、チューブを介して供給されるインクを収容したイン
クカートリッジ45の一例を示す図である。ここで、4
0は供給用インクを収容したインク収容部、例えば、イ
ンク袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられ
ている。この栓42に針(不図示)を挿入することによ
り、インク袋40中のインクをヘッドに供給可能ならし
める。44は廃インクを受容するインク吸収体である。
インク収容部40としては、インクとの接液面がポリオ
レフィン、特にポリエチレンで形成されているものが本
発明にとって好ましい。
ば、チューブを介して供給されるインクを収容したイン
クカートリッジ45の一例を示す図である。ここで、4
0は供給用インクを収容したインク収容部、例えば、イ
ンク袋であり、その先端にはゴム製の栓42が設けられ
ている。この栓42に針(不図示)を挿入することによ
り、インク袋40中のインクをヘッドに供給可能ならし
める。44は廃インクを受容するインク吸収体である。
インク収容部40としては、インクとの接液面がポリオ
レフィン、特にポリエチレンで形成されているものが本
発明にとって好ましい。
【0059】本発明で使用されるインクジェット記録装
置としては、上記の如きヘッドとインクカートリッジと
が別体となったものに限らず、図7に示す如きそれらが
一体になったものにも好適に用いられる。図7におい
て、70は記録ユニットであって、この中にはインクを
収容したインク収容部、例えば、インク吸収体が収納さ
れており、かかるインク吸収体中のインクが複数のオリ
フィスを有するヘッド部71からインク滴として吐出さ
れる構成になっている。
置としては、上記の如きヘッドとインクカートリッジと
が別体となったものに限らず、図7に示す如きそれらが
一体になったものにも好適に用いられる。図7におい
て、70は記録ユニットであって、この中にはインクを
収容したインク収容部、例えば、インク吸収体が収納さ
れており、かかるインク吸収体中のインクが複数のオリ
フィスを有するヘッド部71からインク滴として吐出さ
れる構成になっている。
【0060】インク吸収体の材料としては、ポリウレタ
ンを用いることが本発明にとって好ましい。又、インク
吸収体を用いずに、インク収容部が内部にバネ等を仕込
んだインク袋である様な構造であってもよい。72は記
録ユニット内部を大気に連通させる為の大気連通口であ
る。この記録ユニット70は、図4で示す記録ヘッドに
代えて用いられるものであって、キャリッジ66に対し
着脱自在になっている。
ンを用いることが本発明にとって好ましい。又、インク
吸収体を用いずに、インク収容部が内部にバネ等を仕込
んだインク袋である様な構造であってもよい。72は記
録ユニット内部を大気に連通させる為の大気連通口であ
る。この記録ユニット70は、図4で示す記録ヘッドに
代えて用いられるものであって、キャリッジ66に対し
着脱自在になっている。
【0061】次に、本発明で使用するインクジェット記
録装置の第二のものとしては、複数のノズルを有するノ
ズル形成基板と、ノズルに対向して配置された圧電材料
と導電材料とからなる圧力発生素子と、該圧力発生素子
の周囲を満たすインクを備え、且つ印加電圧により圧力
発生素子を変位させてインクの小液滴をノズルから吐出
させる形態のオンデマンドインクジェット記録ヘッドを
有する装置を挙げることが出来る。
録装置の第二のものとしては、複数のノズルを有するノ
ズル形成基板と、ノズルに対向して配置された圧電材料
と導電材料とからなる圧力発生素子と、該圧力発生素子
の周囲を満たすインクを備え、且つ印加電圧により圧力
発生素子を変位させてインクの小液滴をノズルから吐出
させる形態のオンデマンドインクジェット記録ヘッドを
有する装置を挙げることが出来る。
【0062】上記の様な記録装置の主要部である記録ヘ
ッドの構成例を図8に示したが、ヘッドは、インク室
(不図示)に連通したインク流路80と、所望の体積の
インク滴を吐出する為のオリフィスプレート81と、イ
ンクに直接圧力を作用させる振動板82と、該振動板8
2に接合され電気信号により変位する圧電素子83と、
これらの圧電素子83、オリフィスプレート81及び振
動板82等を支持固定する為の基体84とから構成され
ている。
ッドの構成例を図8に示したが、ヘッドは、インク室
(不図示)に連通したインク流路80と、所望の体積の
インク滴を吐出する為のオリフィスプレート81と、イ
ンクに直接圧力を作用させる振動板82と、該振動板8
2に接合され電気信号により変位する圧電素子83と、
これらの圧電素子83、オリフィスプレート81及び振
動板82等を支持固定する為の基体84とから構成され
ている。
【0063】図8において、インク流路80は感光性樹
脂等で形成され、オリフィスプレート81は、ステンレ
ス、ニッケル等の金属に電鋳或いはプレス加工による穴
あけ等により設けられた吐出口85が形成され、振動板
82は、ステンレス、ニッケル及びチタン等の金属フィ
ルム、或いは高弾性樹脂フィルム等で形成されており、
圧電素子83は、チタン酸バリウム又はPZT等の誘電
体材料で形成されている。
脂等で形成され、オリフィスプレート81は、ステンレ
ス、ニッケル等の金属に電鋳或いはプレス加工による穴
あけ等により設けられた吐出口85が形成され、振動板
82は、ステンレス、ニッケル及びチタン等の金属フィ
ルム、或いは高弾性樹脂フィルム等で形成されており、
圧電素子83は、チタン酸バリウム又はPZT等の誘電
体材料で形成されている。
【0064】以上の様な構成の記録ヘッドは、圧電素子
83にパルス状の電圧を与え、歪み応力を発生させ、そ
のエネルギーが圧電素子83に接合された振動板82を
変形させてインク流路80内のインクを垂直に加圧し、
インク滴をオリフィスプレート81の吐出口85より吐
出、記録を行なう様に動作する。かかる記録ヘッドは、
図5に示したものと同様な記録装置に組み込まれて使用
される。又、記録装置の細部の動作は前述したと同様に
行なうもので差しつかえない。
83にパルス状の電圧を与え、歪み応力を発生させ、そ
のエネルギーが圧電素子83に接合された振動板82を
変形させてインク流路80内のインクを垂直に加圧し、
インク滴をオリフィスプレート81の吐出口85より吐
出、記録を行なう様に動作する。かかる記録ヘッドは、
図5に示したものと同様な記録装置に組み込まれて使用
される。又、記録装置の細部の動作は前述したと同様に
行なうもので差しつかえない。
【0065】次に記録動作と連動して被記録材を30℃
以上に加熱する機構について図9に基づいて説明する。
図9は被記録材を所定の温度に加熱する機構のブロック
図であり、記録ヘッド200はその内部にインク温度を
検出するセンサー201を有し、該記録ヘッドの駆動回
路部202と接続されている。一方、被記録材210に
接触し、又は、少しの空間を空けて配置させた加熱部2
04は記録ヘッド200と同じ駆動回路部202に接続
されている。今、信号入力部203に画像信号(不図
示)が入力されると、記録ヘッドへの記録パルス206
より先に加熱部へ加熱パルス207が与えられ、加熱部
204は昇温して被記録材210を30℃以上に加熱す
る。この状態になってから記録ヘッドへ記録パルス20
6が与えられ記録動作を開始する。記録動作が終了する
と駆動回路部202から加熱部204への加熱パルス2
07が遮断され、被記録材210の温度を下げる。
以上に加熱する機構について図9に基づいて説明する。
図9は被記録材を所定の温度に加熱する機構のブロック
図であり、記録ヘッド200はその内部にインク温度を
検出するセンサー201を有し、該記録ヘッドの駆動回
路部202と接続されている。一方、被記録材210に
接触し、又は、少しの空間を空けて配置させた加熱部2
04は記録ヘッド200と同じ駆動回路部202に接続
されている。今、信号入力部203に画像信号(不図
示)が入力されると、記録ヘッドへの記録パルス206
より先に加熱部へ加熱パルス207が与えられ、加熱部
204は昇温して被記録材210を30℃以上に加熱す
る。この状態になってから記録ヘッドへ記録パルス20
6が与えられ記録動作を開始する。記録動作が終了する
と駆動回路部202から加熱部204への加熱パルス2
07が遮断され、被記録材210の温度を下げる。
【0066】又、記録ヘッドは温度センサー201を内
蔵しているので、駆動パルス(記録パルス)206を変
調して、記録ヘッドを昇温させ、本発明の曇点を有する
界面活性剤の曇点Tc以上の温度に保持して記録を行う
動作も可能である。加熱部204は、サーマルヘッド或
いは赤外線ヒーター、ランプヒーター等被記録材を所望
の温度に昇温できればよく、特に機構上限定されるもの
ではない。
蔵しているので、駆動パルス(記録パルス)206を変
調して、記録ヘッドを昇温させ、本発明の曇点を有する
界面活性剤の曇点Tc以上の温度に保持して記録を行う
動作も可能である。加熱部204は、サーマルヘッド或
いは赤外線ヒーター、ランプヒーター等被記録材を所望
の温度に昇温できればよく、特に機構上限定されるもの
ではない。
【0067】又、図9中の301〜303で示した部分
は、インクをその粘度の極大温度Tpより充分高い温度
に加熱して室温の環境にある被記録材へ記録を行う為の
制御回路を示すものである。301はインクを収容する
部分を加熱する為のヒーターへ電流を通電する回路、3
02はインクをインク収容部から記録ヘッド迄移送する
部分を加熱する為のヒーターへ電流を通電する回路、3
03は記録ヘッドの回復動作を行う部分を加熱する為の
ヒーターへ通電する回路である。
は、インクをその粘度の極大温度Tpより充分高い温度
に加熱して室温の環境にある被記録材へ記録を行う為の
制御回路を示すものである。301はインクを収容する
部分を加熱する為のヒーターへ電流を通電する回路、3
02はインクをインク収容部から記録ヘッド迄移送する
部分を加熱する為のヒーターへ電流を通電する回路、3
03は記録ヘッドの回復動作を行う部分を加熱する為の
ヒーターへ通電する回路である。
【0068】
【実施例】次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に具体的に説明する。尚、文中及び表中の組成比は、特
に断りがない限り重量%である。先ず、本発明の各種水
性インクの作製について述べる。尚、本実施例に使用す
る熱可逆的相分離性高分子を下記表1に、曇点Tcを有
する界面活性剤を下記表2に列挙した。
に具体的に説明する。尚、文中及び表中の組成比は、特
に断りがない限り重量%である。先ず、本発明の各種水
性インクの作製について述べる。尚、本実施例に使用す
る熱可逆的相分離性高分子を下記表1に、曇点Tcを有
する界面活性剤を下記表2に列挙した。
【0069】表1:本発明に用いた熱可逆的相分離性高
分子
分子
【0070】表2:本発明に用いた曇点を有する界面活
性剤一覧 *表2中のEOは、エチレンオキシドの略。 *表2の界面活性剤は、何れも三洋化成工業(株)製。
性剤一覧 *表2中のEOは、エチレンオキシドの略。 *表2の界面活性剤は、何れも三洋化成工業(株)製。
【0071】インクの作製手順としては、予め適切な濃
度(10〜40重量%)の熱可逆的相分離性高分子のイ
オン交換水水溶液を夫々調製しておき、以下に述べる方
法で作製する。
度(10〜40重量%)の熱可逆的相分離性高分子のイ
オン交換水水溶液を夫々調製しておき、以下に述べる方
法で作製する。
【0072】実施例1〜15 先ずはじめに、色材として染料を用いた場合の本発明の
インクの実施例について説明する。下記表3−1、表3
−2及び表3−3に示す各組成に従い、先ず、イオン交
換水に染料水溶液を溶解し、次に所定のアンモニウム塩
を溶解し、更に、溶剤、上記で作製した熱可逆的相分離
性高分子水溶液、曇点を有する界面活性剤の順に撹拌し
ながら添加し、各組成物を所定の濃度に調整する。3時
間攪拌した後、ポアサイズ0.45μmのメンブレンフ
ィルターで濾過し、本発明の実施例1〜15の各色(ブ
ラック、イエロー、マゼンタ、シアン)のインクを夫々
作製した。
インクの実施例について説明する。下記表3−1、表3
−2及び表3−3に示す各組成に従い、先ず、イオン交
換水に染料水溶液を溶解し、次に所定のアンモニウム塩
を溶解し、更に、溶剤、上記で作製した熱可逆的相分離
性高分子水溶液、曇点を有する界面活性剤の順に撹拌し
ながら添加し、各組成物を所定の濃度に調整する。3時
間攪拌した後、ポアサイズ0.45μmのメンブレンフ
ィルターで濾過し、本発明の実施例1〜15の各色(ブ
ラック、イエロー、マゼンタ、シアン)のインクを夫々
作製した。
【0073】表3−1:実施例1〜6(ブラックイン
ク)の組成
ク)の組成
【0074】表3−2:実施例7〜12(ブラックイン
ク)の組成
ク)の組成
【0075】表3−3:実施例13〜15(カラーイン
ク)の組成
ク)の組成
【0076】比較例1〜2 比較例として、熱可逆的相分離性高分子、曇点を有する
界面活性剤及びアンモニウム塩を添加しなかったこと以
外は、実施例1及び2と同様の組成のブラックインクを
作製し、比較例1及び比較例2のブラックインクとし
た。尚、熱可逆的相分離性高分子、曇点を有する界面活
性剤及びアンモニウム塩の分はイオン交換水で置き換え
た。
界面活性剤及びアンモニウム塩を添加しなかったこと以
外は、実施例1及び2と同様の組成のブラックインクを
作製し、比較例1及び比較例2のブラックインクとし
た。尚、熱可逆的相分離性高分子、曇点を有する界面活
性剤及びアンモニウム塩の分はイオン交換水で置き換え
た。
【0077】比較例3〜5 更に比較例として、熱可逆的相分離性高分子及び曇点を
有する界面活性剤及びアンモニウム塩を添加しなかった
こと以外は、実施例13〜15と同様の組成のカラーイ
ンクを作製し、比較例3〜比較例5のカラーインクとし
た。尚、熱可逆的相分離性高分子及び曇点を有する界面
活性剤及びアンモニウム塩の分はイオン交換水で置き換
えた。
有する界面活性剤及びアンモニウム塩を添加しなかった
こと以外は、実施例13〜15と同様の組成のカラーイ
ンクを作製し、比較例3〜比較例5のカラーインクとし
た。尚、熱可逆的相分離性高分子及び曇点を有する界面
活性剤及びアンモニウム塩の分はイオン交換水で置き換
えた。
【0078】実施例16 次に、色材が顔料である本発明のインクの実施例につい
て説明する。 (顔料分散液の作製)先ずはじめに、下記の様にして顔
料分散液を作製する。 表4:顔料分散液の組成
て説明する。 (顔料分散液の作製)先ずはじめに、下記の様にして顔
料分散液を作製する。 表4:顔料分散液の組成
【0079】上記表4に示す成分を混合し、ウォーター
バス上で70℃に加温して樹脂分を完全に溶解させる。
この溶液にカーボンブラック(商品名:MCF88;三
菱化成(株)製)10%及び2−プロパノール1%を加
え、30分間プレミキシングした後、分散処理を行っ
た。分散機にはサンドグラインダー(五十嵐機械社製)
を使用し、粉砕メディアとしてジルコニウムビーズ(1
mmφ)、粉砕メディアの充填率50体積%で3時間粉
砕処理を行う。更に遠心分離処理(12,000rp
m、20分間)を行い、粗大粒子を除去して顔料分散液
とした。
バス上で70℃に加温して樹脂分を完全に溶解させる。
この溶液にカーボンブラック(商品名:MCF88;三
菱化成(株)製)10%及び2−プロパノール1%を加
え、30分間プレミキシングした後、分散処理を行っ
た。分散機にはサンドグラインダー(五十嵐機械社製)
を使用し、粉砕メディアとしてジルコニウムビーズ(1
mmφ)、粉砕メディアの充填率50体積%で3時間粉
砕処理を行う。更に遠心分離処理(12,000rp
m、20分間)を行い、粗大粒子を除去して顔料分散液
とした。
【0080】(インクの作製)次に、上記で得られた顔
料分散液にアンモニウム塩、熱可逆的相分離性高分子水
溶液を加え、次に曇点を有する界面活性剤剤を加え、下
記表5に示す組成になる様に各成分を添加し、2時間混
合して実施例16のブラックインクを作製した。
料分散液にアンモニウム塩、熱可逆的相分離性高分子水
溶液を加え、次に曇点を有する界面活性剤剤を加え、下
記表5に示す組成になる様に各成分を添加し、2時間混
合して実施例16のブラックインクを作製した。
【0081】表5:実施例16の顔料ブラックインクの
組成
組成
【0082】比較例6 更に比較例として、熱可逆的相分離性高分子及び曇点を
有する界面活性剤を使用しなかったこと以外は、実施例
16と同様の組成のインクを作製し、比較例6のブラッ
クインクとした。尚、熱可逆的相分離性高分子及び曇点
を有する界面活性剤の分はイオン交換水で置き換えた。
有する界面活性剤を使用しなかったこと以外は、実施例
16と同様の組成のインクを作製し、比較例6のブラッ
クインクとした。尚、熱可逆的相分離性高分子及び曇点
を有する界面活性剤の分はイオン交換水で置き換えた。
【0083】[評価]上記で得られた実施例1〜16の
インク及び比較例1〜6の水性インクの各々について、
インクとしての性能評価を行なった。インクの性能評価
項目としては、光学濃度(OD値)、フェザリング
及びブリーディングの3項目とした。何れの評価も、
評価試験を温度23℃湿度60%の恒温恒湿試験室で行
なった。
インク及び比較例1〜6の水性インクの各々について、
インクとしての性能評価を行なった。インクの性能評価
項目としては、光学濃度(OD値)、フェザリング
及びブリーディングの3項目とした。何れの評価も、
評価試験を温度23℃湿度60%の恒温恒湿試験室で行
なった。
【0084】記録装置としては、キヤノン(株)製BJ
C−800(解像度360dpi)を使用した。インク
の供給は、専用インク容器に目的の水性インクを充填す
る方法を用いた。尚、BJC−800は記録中に用紙を
加熱する機構(回路構成は、図9と同様なもの)を組み
込んである。その概要を図11に示した。図11の記録
装置は図5の基本的な記録装置に加熱素子100を設置
したものである。加熱素子100は日本陶器製P−80
10サーマルヘッド101をA4横幅に10個並べたも
ので印加電圧19V、印加電力56W/mm2であり、
駆動パルス幅、駆動周波数を調節することにより紙表面
温度を23℃の環境温度において30〜140℃の範囲
で加熱することが可能である。
C−800(解像度360dpi)を使用した。インク
の供給は、専用インク容器に目的の水性インクを充填す
る方法を用いた。尚、BJC−800は記録中に用紙を
加熱する機構(回路構成は、図9と同様なもの)を組み
込んである。その概要を図11に示した。図11の記録
装置は図5の基本的な記録装置に加熱素子100を設置
したものである。加熱素子100は日本陶器製P−80
10サーマルヘッド101をA4横幅に10個並べたも
ので印加電圧19V、印加電力56W/mm2であり、
駆動パルス幅、駆動周波数を調節することにより紙表面
温度を23℃の環境温度において30〜140℃の範囲
で加熱することが可能である。
【0085】評価にあたっては、紙表面温度が各実施例
のインク中に含まれる曇点を有する界面活性剤の曇点+
5℃に加熱素子を調節して行った(加熱素子表面と用紙
表面との距離は0.5mm)。尚、色間で曇点の異なる
インクを使用する場合は、最も高い曇点Tc+5℃に合
わせた。又、対応する比較例のインクの評価も実施例の
インクで記録する条件と同じに設定して行った。尚、評
価項目、及びの評価用の用紙として、オフィスの
標準紙である電子写真用NP−SK紙(キヤノン製、L
ot No.OKK10)を用いた。
のインク中に含まれる曇点を有する界面活性剤の曇点+
5℃に加熱素子を調節して行った(加熱素子表面と用紙
表面との距離は0.5mm)。尚、色間で曇点の異なる
インクを使用する場合は、最も高い曇点Tc+5℃に合
わせた。又、対応する比較例のインクの評価も実施例の
インクで記録する条件と同じに設定して行った。尚、評
価項目、及びの評価用の用紙として、オフィスの
標準紙である電子写真用NP−SK紙(キヤノン製、L
ot No.OKK10)を用いた。
【0086】以下に各評価の方法及び評価基準について
具体的に説明する。 光学濃度(OD値) A4サイズの用紙に、5mm四方の正方形のベタ部が5
箇所あるパターンをプリントし、30分間以上経過後の
プリントサンプルについて光学濃度の測定を行なった。
プリント画像内の5箇所のベタ部の濃度を、マクベス反
射濃度計RD914にて測定し、その平均値をOD値と
した。尚、ベタ部のインク打ち込み量は12nl/mm
2である。
具体的に説明する。 光学濃度(OD値) A4サイズの用紙に、5mm四方の正方形のベタ部が5
箇所あるパターンをプリントし、30分間以上経過後の
プリントサンプルについて光学濃度の測定を行なった。
プリント画像内の5箇所のベタ部の濃度を、マクベス反
射濃度計RD914にて測定し、その平均値をOD値と
した。尚、ベタ部のインク打ち込み量は12nl/mm
2である。
【0087】 フェザリング A4サイズの用紙に、記録ヘッドのノズルを1本置きに
間引いた場合のドットを記録し、30分以上経過したプ
リントサンプルのドットを拡大鏡で観察し、以下に示す
評価基準により5段階評価した。 5:真空のドットであるもの。 4:円周の1/4以上の部分に滲み又は変形が認められ
るもの。 3:円周の1/2以上の部分に滲み又は変形が認められ
るもの。 2:円周の3/4以上の部分に滲み又は変形が認められ
るもの。 1:円孤と認められる部分が全くないドットであるも
の。
間引いた場合のドットを記録し、30分以上経過したプ
リントサンプルのドットを拡大鏡で観察し、以下に示す
評価基準により5段階評価した。 5:真空のドットであるもの。 4:円周の1/4以上の部分に滲み又は変形が認められ
るもの。 3:円周の1/2以上の部分に滲み又は変形が認められ
るもの。 2:円周の3/4以上の部分に滲み又は変形が認められ
るもの。 1:円孤と認められる部分が全くないドットであるも
の。
【0088】 ブリーディング 図10に示した様な評価パターンを用意し、2色の交差
部からブリーディングがどの線の位置迄発生するかをブ
リーディングのレベルとし、以下に示す評価基準により
5段階評価した。 5:ブリーディングが全く見られないもの。 4:部分的にわずかなブリーディングがあるもの。 3:ブリーディングが50%程度の部分に見られるも
の。 2:ブリーディングが75%程度の部分に見られるも
の。 1:ほぼ全域でブリーディングしているもの。
部からブリーディングがどの線の位置迄発生するかをブ
リーディングのレベルとし、以下に示す評価基準により
5段階評価した。 5:ブリーディングが全く見られないもの。 4:部分的にわずかなブリーディングがあるもの。 3:ブリーディングが50%程度の部分に見られるも
の。 2:ブリーディングが75%程度の部分に見られるも
の。 1:ほぼ全域でブリーディングしているもの。
【0089】[評価結果]表6に本発明のインクの性能
評価(評価項目、)した結果を示した。又、比較例
のインクについても同様に評価し、結果を表7に示し
た。更に評価項目のブリーディングについては、実施
例のインクの結果を表8に、比較例のインクの結果を表
9に夫々示した。
評価(評価項目、)した結果を示した。又、比較例
のインクについても同様に評価し、結果を表7に示し
た。更に評価項目のブリーディングについては、実施
例のインクの結果を表8に、比較例のインクの結果を表
9に夫々示した。
【0090】表6:実施例の評価結果
【0091】表7:比較例の評価結果
【0092】表8:実施例のブリーディングの評価結果
【0093】表9:比較例のブリーディングの評価結果
【0094】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、高
い光学濃度(OD値)を維持しつつ、フェザリング性が
従来のものよりも優れた記録画像が得られる水性インク
が提供される。又、本発明によれば、得られる画像のブ
リーディングについても、紙表面での急速な増粘による
混色防止効果が大きい水性インクが提供される。特に、
本発明のインクは、電子写真用紙の様な事務用普通紙に
対するカラー記録の場合に、高発色、フェザリング防
止、ブリーディング防止に優れる。
い光学濃度(OD値)を維持しつつ、フェザリング性が
従来のものよりも優れた記録画像が得られる水性インク
が提供される。又、本発明によれば、得られる画像のブ
リーディングについても、紙表面での急速な増粘による
混色防止効果が大きい水性インクが提供される。特に、
本発明のインクは、電子写真用紙の様な事務用普通紙に
対するカラー記録の場合に、高発色、フェザリング防
止、ブリーディング防止に優れる。
【0095】又、本発明のインクは温度変化にのみ依存
して状態が変化するので、普通紙以外の、例えば、トラ
ンスペアレンシーフィルム、布、金属板等の種々の被記
録材に対しても、これら被記録材の表面pHや凹凸等の
影響を受けることがない為、有用である。本発明のイン
クは、画像形成手段が蒸発と浸透のみに依存していない
為、高い光学濃度を得ながら、高品位記録に欠かすこと
のできないフェザリングやブリーディングの問題も同時
に解決される。本発明のインクは、特にインクジェット
記録装置と組み合わせて使用すると、より上記の効果が
顕著に現われる。
して状態が変化するので、普通紙以外の、例えば、トラ
ンスペアレンシーフィルム、布、金属板等の種々の被記
録材に対しても、これら被記録材の表面pHや凹凸等の
影響を受けることがない為、有用である。本発明のイン
クは、画像形成手段が蒸発と浸透のみに依存していない
為、高い光学濃度を得ながら、高品位記録に欠かすこと
のできないフェザリングやブリーディングの問題も同時
に解決される。本発明のインクは、特にインクジェット
記録装置と組み合わせて使用すると、より上記の効果が
顕著に現われる。
【図1】グラフaは本発明の水性インクの粘度−温度関
係図、グラフbは本発明の水性インクの透過率−温度関
係図である。
係図、グラフbは本発明の水性インクの透過率−温度関
係図である。
【図2】インクジェット記録装置のヘッド部の縦断面図
である。
である。
【図3】インクジェット記録装置のヘッド部の横断面図
である。
である。
【図4】インクジェット記録装置の複数のノズルを有す
るヘッドの一例を示す図である。
るヘッドの一例を示す図である。
【図5】インクジェット記録装置の一例を示す斜視図で
ある。
ある。
【図6】インクカートリッジの一例を示す縦断面図であ
る。
る。
【図7】インクジェット記録ヘッドとインクカートリッ
ジが一体である仕様の斜視図である。
ジが一体である仕様の斜視図である。
【図8】圧電素子を用いたインクジェット記録ヘッドの
縦断面図である。
縦断面図である。
【図9】被記録材及びインク経路の加熱用制御回路のブ
ロック図である。
ロック図である。
【図10】ブリーディング評価パターンである。
【図11】加熱素子を設けたインクジェット記録装置の
一例を示す斜視図である。
一例を示す斜視図である。
51:給紙部 52:紙送りローラー 53:排紙ローラー 61:ワイピング部材 62:キャップ 63:インク吸収体 64:吐出回復部 65:インクジェット記録ヘッド 66:キャリッジ 67:キャリッジガイド軸 68:キャリッジ駆動部 69:駆動用ベルト部
Claims (22)
- 【請求項1】 色材と液媒体とを含む液組成物からなる
インクにおいて、熱可逆的に転移温度Ts以上で水溶液
から相分離する熱可逆的相分離性高分子及び/又は曇点
Tcを有する界面活性剤と、アンモニウム塩とを含むこ
とを特徴とする水性インク。 - 【請求項2】 熱可逆的相分離性高分子が、窒素含有環
を有する活性水素化合物のアルキレンオキシド付加物の
ビニル系カルボン酸エステル(a)を構成単位とし、且
つ該ビニル系カルボン酸エステル(a)が50重量%以
上含有されている水溶性ビニル系重合体(A)である請
求項1に記載の水性インク。 - 【請求項3】 ビニル系カルボン酸エステル(a)が、
(置換)モルホリンのエチレンオキシド及び/又はプロ
ピレンオキシド1〜20モル付加物のアクリル酸エステ
ル又はメタクリル酸エステルである請求項2に記載の水
性インク。 - 【請求項4】 水溶性ビニル系重合体(A)がインク中
に0.005〜10重量%含有されている請求項2に記
載の水性インク。 - 【請求項5】 熱可逆的相分離性高分子の転移温度Ts
が、10〜85℃の範囲にある請求項1に記載の水性イ
ンク。 - 【請求項6】 界面活性剤の曇点Tcが、10℃以上1
00℃未満である請求項1に記載の水性インク。 - 【請求項7】 曇点を有する界面活性剤が、下記一般式
(I)又は(II)で示される、エチレンオキシド付加型
界面活性剤である請求項1に記載の水性インク。 R−O−(CH2CH2O)n−H ・・・・・(I) (式中、Rは炭素数8以上22以下のアルキル基であ
り、nは6以上20以下の整数である。) (式中、mは20≦m≦80の整数であり、nは5≦n
≦200の整数である。) - 【請求項8】 インク中に、請求項7に記載されている
曇点を有する界面活性剤が0.1〜10重量%含有され
ている請求項1に記載の水性インク。 - 【請求項9】 アンモニウム塩が、塩化アンモニウム、
硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウム、硫酸アンモ
ニウムナトリウム、リン酸アンモニウム、リン酸水素ア
ンモニウム、ピロリン酸アンモニウム、ピロ硫酸アンモ
ニウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、カ
ルバミン酸アンモニウム、酢酸アンモニウム及びホウ酸
アンモニウムから選択されるものである請求項1に記載
の水性インク。 - 【請求項10】 インク中に、請求項9に記載されてい
るアンモニウム塩が0.1〜10重量%含有されている
請求項9に記載の水性インク。 - 【請求項11】 色材が染料であり、且つインク中に該
染料が0.1〜10重量%含有されている請求項1に記
載の水性インク。 - 【請求項12】 色材がカーボンブラック又は有機顔料
である請求項1に記載の水性インク。 - 【請求項13】 色材と液媒体とを含むインクの液滴を
記録信号に応じて記録ヘッドのオリフィスから吐出させ
て被記録材に記録を行うインクジェット記録方法におい
て、請求項1に記載の水性インクを用いて記録を行うこ
とを特徴とするインクジェット記録方法。 - 【請求項14】 記録時にインクの温度をインクの構成
成分である界面活性剤の曇点Tc以下に保持して記録を
行う請求項13に記載のインクジェット記録方法。 - 【請求項15】 記録時にインクの温度をインクの粘度
が極大となる極大温度Tp以上に保持して記録を行う請
求項13に記載のインクジェット記録方法。 - 【請求項16】 インクに熱エネルギーを作用させてイ
ンク液滴を吐出させて記録を行なう請求項13に記載の
インクジェット記録方法。 - 【請求項17】 インクに力学的エネルギーを作用させ
インク液滴を吐出させて記録を行なう請求項13に記載
のインクジェット記録方法。 - 【請求項18】 インクを収容したインク収容部、イン
クをインク液滴として吐出させる為の記録ヘッド部を備
えた記録ユニットにおいて、該インクが請求項1〜請求
項12の何れかに記載の水性インクである記録ユニッ
ト。 - 【請求項19】 記録ヘッド部に温度制御機構が設けら
れている請求項18に記載の記録ユニット。 - 【請求項20】 インクを収容したインク収容部、及び
インクをインク液滴として吐出させる為の記録ヘッド部
を有する記録ユニットを備えたインクジェット記録装置
において、請求項18又は請求項19に記載の記録ユニ
ットが用いられていることを特徴とするインクジェット
記録装置。 - 【請求項21】 記録動作と連動させて被記録材を30
℃以上に加熱する機構を有する請求項20に記載のイン
クジェット記録装置。 - 【請求項22】 インクを収容するインク収容部、該イ
ンク収容部からインクを移送する部分、インクをインク
液滴として吐出させる為の記録ヘッド部の回復動作をす
る部分のいずれもが、インクの加熱機構を夫々有し、且
つ請求項1に記載の水性インクを用いて記録を行うこと
を特徴とするインクジェット記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16152595A JPH08333533A (ja) | 1995-06-06 | 1995-06-06 | 水性インク、これを用いたインクジェット記録方法及びかかるインクを用いた機器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16152595A JPH08333533A (ja) | 1995-06-06 | 1995-06-06 | 水性インク、これを用いたインクジェット記録方法及びかかるインクを用いた機器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08333533A true JPH08333533A (ja) | 1996-12-17 |
Family
ID=15736751
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16152595A Pending JPH08333533A (ja) | 1995-06-06 | 1995-06-06 | 水性インク、これを用いたインクジェット記録方法及びかかるインクを用いた機器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08333533A (ja) |
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5925176A (en) * | 1997-06-11 | 1999-07-20 | Hewlett-Packard Company | Salt-based ink compositions |
EP0978546A1 (en) * | 1998-07-15 | 2000-02-09 | Hewlett-Packard Company | Ink compositions containing an ammonium carboxylate salt |
JP2001279148A (ja) * | 2000-03-29 | 2001-10-10 | Dainippon Ink & Chem Inc | 印刷インキ組成物及びそれを用いた被覆方法 |
US6764540B2 (en) | 2001-09-03 | 2004-07-20 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Ink compositions and ink jet recording method |
WO2004106439A1 (ja) * | 2003-05-29 | 2004-12-09 | Sony Corporation | 記録液及びこれを用いた記録方法 |
US6835240B2 (en) | 2001-07-04 | 2004-12-28 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Ink compositions for inkjet recording |
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JP2011184555A (ja) * | 2010-03-08 | 2011-09-22 | Fujifilm Corp | インクジェット顔料インクとこれを用いたインクジェット記録方法 |
JP2011184556A (ja) * | 2010-03-08 | 2011-09-22 | Fujifilm Corp | インクジェット顔料インクとこれを用いたインクジェット記録方法 |
-
1995
- 1995-06-06 JP JP16152595A patent/JPH08333533A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US8678578B2 (en) | 2010-03-08 | 2014-03-25 | Fujifilm Corporation | Ink-jet pigment ink and ink-jet recording method using the same |
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