JPH08333523A - 着色粒子およびその製造方法 - Google Patents

着色粒子およびその製造方法

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JPH08333523A
JPH08333523A JP25304095A JP25304095A JPH08333523A JP H08333523 A JPH08333523 A JP H08333523A JP 25304095 A JP25304095 A JP 25304095A JP 25304095 A JP25304095 A JP 25304095A JP H08333523 A JPH08333523 A JP H08333523A
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典宏 仲山
Toshiyuki Tauchi
敏之 田内
Tatsuhiko Adachi
龍彦 足立
Kazuhiko Sakai
和彦 阪井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遮光性、絶縁性、粒径精度に優れ、液晶表示
装置用スペーサーとして用いたときに液晶物質に損傷を
与えない着色粒子を提供すること。 【解決手段】 ビニルシラン系カップリング剤で表面処
理された金属酸化物からなる球状粒子の表面に共役π電
子を有するポリマーの脱ドープ体からなる層が被覆され
ていることを特徴とする着色粒子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置の液
晶層の厚みを制御するスペーサー粒子等に使用可能な着
色粒子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置においてスペーサー粒子は
液晶層の厚みを均一に保つための機能を有するものであ
り、液晶セルの周辺シール部および液晶セル内部(面
内、表示部分)に使用される。
【0003】近年、液晶表示装置の大型化及びコントラ
ストの向上が求められるにつれて、特に液晶セル内部で
使用されるスペーサー粒子には次のような性能が求めら
れている。
【0004】(i) スペーサー粒子およびその周辺での光
抜けにより、コントラストが低下するのを防止するため
に、光を透さない遮光性粒子であること。
【0005】(ii) セル内部で異物であるスペーサー粒
子の周辺での液晶異常配向による光抜けを低減するに
は、粒子の散布個数を減少させるのが有効であるが、散
布個数を減少させてもギャップ精度の出せる高強度の粒
子であること。
【0006】これらの要求性能をほぼ満足させるものと
して、たとえば着色した無機粒子があり、その製造方法
としてつぎの方法が知られている。
【0007】(1)金属酸化物の種粒子の存在下、金属
アルコキシドを加水分解して得た金属酸化物粒子を高温
焼成して粒子内部の残留有機物を炭化させ、黒色粒子を
得る方法(特開昭63−89408号公報、同63−8
9890号公報) (2)アルカリ金属を含まないシリカ粒子をフッ素化剤
および有機溶媒と接触させた後、500℃以上の温度で
加熱してシリカ粒子中の残留有機物を炭化して黒色粒子
を得る方法(特開平3−279209号公報) (3)金属酸化物からなる球状微粒子の表面に酸化チタ
ンの薄膜をコーティングした後、還元性雰囲気で還元処
理して酸化チタンの薄膜を黒色化することにより黒色粒
子を得る方法(特開平5−9027号公報)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記(1)の方
法は、(a) 有機物の残留量をコントロールしにくく、従
って黒色の度合をコントロールするのが難しい、(b) ナ
トリウムなどのアルカリ金属を存在させて焼結を早めて
いるが、黒色粒子にアルカリ金属が残存すると、液晶表
示装置においてスペーサーとして用いたとき液晶物質に
損傷を与える、(c)黒色粒子の絶縁性が不十分(109Ω
・cm程度)であり、スペーサーとしての絶縁性(1011
Ω・cm以上)を確保するためには、さらに最外層として
絶縁層を設ける必要がある、等の欠点を有している。
【0009】また上記(2)の方法は、アルカリ金属を
含まないシリカ粒子を用いているので、上記(b)の欠点
(液晶物質の損傷)は解消されているが、方法(1)と
同様に黒色化をシリカ粒子中の残留有機物の炭化により
行なっているため、上記(a)の欠点(黒色化のコントロ
ールの困難性)を同様に有する。また黒色化により絶縁
性が不十分となり、上記(c)の欠点(絶縁層形成の必要
性)をも同様に有する。
【0010】また上記(3)の方法は、上記(1)およ
び(2)の方法に比べ、無機顔料としての酸化チタン層
を黒色化に用いているため、安定した着色性を有する微
粒子が得られるという点で優れている。また黒色粒子の
絶縁性も向上しているが、今後予想される液晶表示装置
の高機能化を考えると未だ不十分である。
【0011】従って本発明の目的は、上記従来方法
(1)〜(3)の欠点を解消し、遮光性、絶縁性に優
れ、液晶表示装置用スペーサーとして用いたときに液晶
物質に損傷を与えない着色粒子およびその製造方法を提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の着色粒子は、重合性シラン系カップリング剤で表面
処理された金属酸化物からなる球状粒子の表面に共役π
電子を有するポリマーの脱ドープ体を含む層が被覆され
ていることを特徴とする。
【0013】また上記目的を達成する本発明の着色粒子
の製造方法は、重合性シラン系カップリング剤で表面処
理された金属酸化物からなる球状粒子を含む分散液に、
π電子を有するポリマーを形成し得るモノマーを加え、
酸化重合させて、金属酸化物からなる球状粒子の表面に
共役π電子を有するポリマー層を形成させた後、該ポリ
マー層を脱ドープして前記ポリマーの脱ドープ体を含む
層とすることを特徴とする。
【0014】先ず本発明の着色粒子について説明する。
【0015】本発明の着色粒子の母材である金属酸化物
からなる球状粒子としては、シリカ、アルミナ、チタニ
ア、ジルコニアまたはこれらの複合体などの金属酸化物
からなる球状粒子が用いられるが、特にシリカからなる
球状粒子を用いるのが好ましい。シリカ球状粒子は種々
の方法で製造可能であるが、特に好ましい方法として
は、シリコンアルコキシド類を加水分解して粒径分布が
シャープな単分散シリカ微粒子を得る方法が挙げられ
る。このシリカ微粒子の粒径は通常0.1〜30.0μ
mであるが、好ましくは0.5〜15.0μm、特に好
ましくは、0.8〜12μmである。またこのシリカ微
粒子の粒度分布の変動係数(以下CV値という)は、2
%以下のCV値の遮光粒子が得られる値であればよく、
概ね2%以下であるが、1.5%以下が特に好ましい。
【0016】なお変動係数(CV値)は下式により求め
られる。 CV値(%)=(粒径の標準偏差)÷(平均粒径)×1
00
【0017】上記金属酸化物球状粒子を表面処理するた
めの重合性シラン系カップリング剤としては、金属酸化
物の表面にビニル基、アリル基、(メタ)アクリル基、
(メタ)アクリロイル基、グリシジル基などの重合性官
能基を導入することができるものであればいずれでもよ
く、その具体例としてはトリメトキシビニルシラン、ト
リエトキシビニルシラン、アリルトリエトキシシラン、
ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、メチル
ビニルジクロロシラン、γ−(メタ)アクリルオキシプ
ロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、
ビニルトリス(β−メトキシ)シラン、γ−メタクリル
オキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(N−ビニ
ルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メタ
クリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メ
タクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタ
クリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシ
シラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラ
ン、メチルトリ(グリシジルオキシ)シラン等が挙げら
れる。なお本明細書において(メタ)アクリル基はアク
リル基およびメタクリル基の両者を、(メタ)アクリロ
イル基はアクリロイル基およびメタクリロイル基の両者
を意味する。重合性シラン系カップリング剤は1種類の
みでもよいし、複数種であっても良い。
【0018】金属酸化物に対する重合性シラン系カップ
リング剤の量は、金属酸化物球状粒子表面に導入された
重合性官能基が、後記する共役π電子を有するポリマー
を形成し得るモノマーと反応して金属酸化物球状粒子表
面に密着性に優れたポリマー被覆層を形成し得る量とす
る必要があるが、より具体的には表面処理時の仕込量
で、金属酸化物のシリカ球状粒子の全表面について重合
性シランカップリング剤を単位面積当たり0.01〜1
0ミリモル/m2の処理量とするのが好ましく、特に
0.1〜5ミリモル/m2とするのが好ましい。
【0019】また重合性シラン系カップリング剤ととも
に、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テ
トラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等のアル
コキシシランを併用してもよい。アルコキシシランを併
用する場合、アルコキシシランを重合性シラン系カップ
リング剤と同時または重合性シラン系カップリング剤よ
りも先に仕込むのが好ましく、特に後者が好ましい。ア
ルコキシシランの使用量は重合性シラン系カップリング
剤に対するモル比で0.5以下が好ましく、特に0.2
5以下が好ましい。
【0020】本発明の着色粒子においては、上記した重
合性シラン系カップリング剤で表面処理された金属酸化
物からなる球状粒子の表面に、共役π電子を有するポリ
マーの脱ドープ体を含む層が被覆されていることを特徴
とする。
【0021】共役π電子を有するポリマーとしては次の
ものが挙げられる。
【0022】(A).式
【化7】 (式中、Rは芳香環のオルト位および/またはメタ位に
置換されたC1〜C18アルキル基またはハロゲン原子で
あり、xはRの数を示し、0〜4であり、また2つのR
が、ベンゼン環とともにナフタレン環を形成してもよ
く、R1は水素またはC1〜C18アルキル基である。)で
示される芳香族モノアミンまたはその誘導体を重合して
得たポリマー; (B).式
【化8】 (式中、R2、R3はそれぞれ独立に水素、C1〜C18
ルキル基、C1〜C18アルコキシ基またはハロゲン原子
であり、XはNH基、硫黄または酸素原子である。)で
示されるピロール、チオフェン、フランまたはその誘導
体を重合して得たポリマー; (C).式
【化9】 (式中、Rは芳香環に置換されたC1〜C18アルキル基
またはハロゲン原子であり、yはRの数を示し、n=1
のときは0〜2であり、n=2のときは0〜1であり、
また2つのRが、ベンゼン環とともにナフタレン環を形
成してもよく、R1は水素またはC1〜C18アルキル基で
あり、nは1または2である。)で示される芳香族ジア
ミン、芳香族トリアミンまたはそれらの誘導体を重合し
て得たポリマー;または (D).式(I),式(II)および式(III)で示され
る化合物からなる群から選ばれる少なくとも2種の化合
物を逐次的にまたは同時に重合して得たポリマー。
【0023】ポリマー(A)の具体例としては、アニリ
ンまたはその誘導体の重合体、ナフチルアミンまたはそ
の誘導体の重合体などが挙げられる。
【0024】ポリマー(B)の具体例として、ピロール
またはその誘導体の重合体、チオフェンまたはその誘導
体の重合体、フランまたはその誘導体の重合体などが挙
げられる。
【0025】ポリマー(C)の具体例として、フェニレ
ンジアミンまたはその誘導体の重合体、ナフチレンジア
ミンまたはその誘導体の重合体、トリアミノベンゼンま
たはその誘導体の重合体、トリアミノナフタレンまたは
その誘導体の重合体などが挙げられる。
【0026】ポリマー(D)の具体例としては、アニリ
ンまたはその誘導体とフェニレンジアミンまたはその誘
導体とを逐次的にまたは同時に重合して得たポリマー、
ピロールまたはその誘導体とフェニレンジアミンまたは
その誘導体とを逐次的にまたは同時に重合して得たポリ
マーなどが挙げられる。なお本明細書において「逐次的
に重合」とは一のモノマーを先ず重合させたのち、他の
モノマーを次いで重合させることを意味し、「同時に重
合」とは全モノマーを一緒に共重合させることを意味す
る。
【0027】上記共役π電子を有するポリマーはその分
子構造に起因する着色性(ポリアニリンは緑色〜深緑
色、ポリピロールは黒色、ポリm−フェニレンジアミン
は焦げ茶色、ポリα−ナフチルアミンは黒色、ポリアニ
リン/ポリm−フェニレンジアミンは黒色など)を有し
ており、従って遮光性を有する。しかしドープ状態の共
役π電子を有するポリマーは導電性を有するため、該ポ
リマーを被覆した金属酸化物球状粒子を液晶表示装置用
スペーサーとして用いることはできない。
【0028】そこで本発明の着色粒子においては、ドー
プ状態の共役π電子を有するポリマーではなく、その脱
ドープ体を含む層が、重合性シラン系カップリング剤で
表面処理された金属酸化物球状粒子に被覆されている。
【0029】共役π電子を有するポリマーの脱ドープに
よる脱ドープ体の形成は、アンモニア、第1、第2もし
くは第3アルキルアミン(例えばモノ、ジ、トリエチル
アミン)、ヒドラジンなどの電子供与体を用いて行なわ
れるが、その詳細は、後記する着色粒子の製造方法に譲
る。
【0030】ドープ状態の共役π電子を有するポリマー
と異なり、脱ドープ処理により得られた脱ドープ体は、
絶縁性を有している。また色の変化はあるが、脱ドープ
体も着色性(ポリアニリンの脱ドープ体は紺色、ポリピ
ロール脱ドープ体は黄土色、ポリm−フェニレンジアミ
ンの脱ドープ体は茶色、ポリα−ナフチルアミンの脱ド
ープ体は焦げ茶色、ポリアニリン/ポリm−フェニレン
ジアミンの脱ドープ体は黒色など)、すなわち遮光性を
有している。また後記実施例から明らかなように液晶物
質を損傷しない。従って重合性シラン系カップリング剤
で表面処理された金属酸化物球状粒子上に共役π電子を
有するポリマーの脱ドープ体層を被覆した本発明の着色
粒子は、遮光性、絶縁性、液晶物質非損傷性を有し、こ
れに限定されるものではないが、液晶表示装置用スペー
サーとして好ましく用いられる。
【0031】次に着色粒子を製造するための本発明の方
法について説明する。
【0032】本発明においては、重合性シラン系カップ
リング剤で表面処理された金属酸化物からなる球状粒子
を出発原料として用いる。
【0033】金属酸化物からなる球状粒子の重合性シラ
ン系カップリング剤による表面処理は、次のようにして
行なわれる。まず、超音波振動等を利用して、球状粒子
をメタノール、エタノール、2−プロパノール等のアル
コール溶媒中に分散させて所望の分散液を得る。このと
きの溶媒は1種類のアルコールであってもよいし、複数
種のアルコールからなる混合物であってもよい。アルコ
ール溶媒の量は球状粒子の5〜30倍が好適である。こ
のようにして得られた分散液に、球状粒子の重量に対し
て2〜30倍の25〜30%のアンモニア水を添加し、
さらに、重合性シラン系カップリング剤を添加する。必
要に応じて少量(重合性シラン系カップリング剤に対す
るモル比で0.5以下)のアルコキシシランを好ましく
は重合性シランカップリング剤の添加前または添加時に
添加してもよい。アルコキシシランを添加する目的は、
加水分解速度の速いアルコキシシランを共存させること
でシリカ微粒子表面への重合性シランの結合量を均一化
することにある。重合性シラン系カップリング剤および
アルコキシシランの具体例は、前述した本発明の着色粒
子の説明の中で例示したとおりである。この後、分散液
の液温を20〜80℃に保ちつつ1〜24時間撹拌す
る。これにより、球状粒子が重合性シラン系カップリン
グ剤により表面処理され、球状粒子の表面には重合性官
能基が導入される。
【0034】本発明の着色粒子の製造方法においては、
重合性シラン系カップリング剤で表面処理された酸化物
球状粒子を含む分散液に、共役π電子を有するポリマー
を形成し得るモノマーを加え酸化重合させて、金属酸化
物からなる球状粒子の表面にドープ状態の共役π電子を
有するポリマー層を形成させる工程を先ず実施する。
【0035】このポリマー層形成工程は、酸化重合を採
用するものであり、基本的にはPOLYMER、199
1年、第32巻第13号第2325〜2330頁に記載
の方法によって行なわれる。しかしこの文献の方法で
は、シリカ粒子を何ら表面処理することなくそのまま酸
化触媒等を含む媒体に分散させ、得られた分散液にアニ
リンやピロールなどのモノマーを注入して酸化重合を行
なっているが、この文献記載の方法では、(i)重合中
にシリカ粒子同士が凝集してしまい、ポリマー被覆層を
有する単分散のシリカ粒子を得ることができない、(i
i)シリカ粒子表面に均一なポリマー層を形成しにく
く、また不均一なポリマー層の付着力が小さく、剥離し
やすい、(iii)シリカ粒子が例えば1μmを超える粒
径を有する大径粒子の場合には、シリカ粒子上にポリマ
ー層を殆んど形成できない、などの欠点を有する。
【0036】そこで本発明の方法においては、ポリマー
層を形成するための金属酸化物球状粒子として、重合性
シラン系カップリング剤で表面処理されたものを用い、
金属酸化物球状粒子の表面上に結合した重合性シラン系
カップリング剤中の重合性官能基を、上記共役π電子を
有するポリマーを形成し得るモノマーの酸化重合に関与
させ、上記重合性官能基を共役π電子を有するポリマー
と化学的に結合させることにより、上記文献記載の方法
の欠点(i)、(ii)および(iii)を解決したものであ
る。すなわち、金属酸化物球状粒子を重合性シラン系カ
ップリング剤で表面処理することにより、球状粒子同士
の凝集が防止され、また球状粒子とポリマー層との間に
重合性シラン系カップリング剤を介在させることによ
り、球状粒子が大径であっても均一かつ密着性に優れた
ポリマー層を球状粒子上に形成できる。
【0037】共役π電子を有するポリマーを形成し得る
モノマーとしては、上記式(I)で示される芳香族モノ
アミンまたはその誘導体、上記式(II)で示されるピロ
ール、チオフェン、フランまたはその誘導体および上記
式(III)で示される芳香族ジアミノン、芳香族トリア
ミンまたはそれらの誘導体が挙げられる。
【0038】そしてモノマー(I)から選ばれる1種の
モノマーを単独重合することにより、上記ポリマー
(A)が得られる。モノマー(II)から選ばれる1種の
モノマーを単独重合することにより上記ポリマー(B)
が得られる。モノマー(III)から選ばれる1種のモノ
マーを単独重合することにより上記ポリマー(C)が得
られる。モノマー(I)、モノマー(II)およびモノマ
ー(III)からなる群から選ばれる少なくとも2種のモ
ノマーを逐次的にまたは同時に重合することによりポリ
マー(D)が得られる。ポリマー(D)の製造において
用いられるモノマーは、同一モノマー群の中から2種以
上選択してもよく、異種モノマー群から各1種以上選択
してもよい。例えばモノマー(I)から2種以上のモノ
マーを選択することもでき、またモノマー(I)から1
種のモノマーを、モノマー(II)から1種のモノマーを
選択することができる。
【0039】酸化重合における分散液中のモノマーの濃
度は臨界的ではないが、好ましくは0.1〜500m mo
l/リットルの範囲であり、特に好ましくは1〜200m
mol/リットルの範囲である。
【0040】分散液の媒体としては、一般の酸化重合に
用いられる溶媒であれば特に限定されないが、具体的に
は水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコー
ルなどのアルコール類、アセトニトリル、ベンゾニトリ
ル等のニトリル系溶媒等が挙げられる。さらに、これら
の溶媒を複数混合して用いてもよく、また溶媒に塩酸、
硫酸、硝酸、ハロゲン化水素類、過塩素酸等のプロトン
酸を0.01〜10mol/リットル添加したものを媒体
として用いることも可能である。
【0041】重合時の酸化剤としては、モノマーを酸化
させるものであれば特に限定されないが、具体的には三
塩化鉄等の3価鉄の塩、塩化第二銅を始めとした2価銅
の塩、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムなどの過硫
酸塩、過酸化水素などを挙げることが出来る。酸化剤の
添加量は、モノマーに対して0.01から100倍モル
の範囲であり、より好ましくは0.1から10倍モルの
範囲である。
【0042】本発明の方法の特に好ましい態様によれ
ば、分散液に分散安定剤を加えることにより、金属酸化
物球状粒子同士の凝集がポリマー層の形成前、形成中お
よび形成後において、より一層防止され、また球状粒子
およびモノマーの分散状態もより均一に保持されるの
で、均一なポリマー被覆層を有する単分散球状粒子を得
ることができる。
【0043】粒子同士が凝集せずに均一なポリマーを形
成させるための分散安定剤としては、ポリビニルピロリ
ドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンイミ
ン、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、メチルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アクリル樹
脂、ポリカーボネート等が挙げられる。
【0044】分散安定剤の添加量は分散液に対して0.
02〜20重量%が好ましく、0.2〜6重量%が特に
好ましい。0.02重量%より添加量が少ないとシリカ
微粒子が凝集・合着して、均一な粒子径分布の遮光性ス
ペーサー粒子を得ることができなくなってしまう。また
20重量%より添加量が多くなると、導電性ポリマーを
均一に被覆することができなくなり、着色した微粒子を
得ることができなくなってしまう。
【0045】本発明の着色粒子の製造方法においては、
前記酸化重合工程の後、得られたポリマー層を脱ドープ
してポリマーの脱ドープ体を含む層とする工程を次に実
施する。この脱ドープ処理は、電子供与体を用いて常法
により行なうのが好ましい。電子供与体としては、アン
モニア、第1、第2もしくは第3アルキルアミン、ヒド
ラジン及びそれらの誘導体などが挙げられる。
【0046】この脱ドープ処理により得られたポリマー
の脱ドープ体層は、ドープ状態のポリマー層の色と異な
るが着色性を有しており、遮光性を有する。またこのポ
リマー脱ドープ体層は、共役π電子を有するポリマーが
脱ドープされた状態にあり、絶縁性を有する。またこの
ポリマー脱ドープ体層は、金属イオン、ハロゲンイオン
などのイオン性物質を含まないので、液晶物質と接触し
てもこれを損傷させない。
【0047】またこのポリマー脱ドープ体層は、重合性
シランカップリング剤を介して、金属酸化物球状粒子に
化学的に結合しているため、金属酸化物球状粒子からの
剥離・溶出が実質的に起らない。
【0048】またこのポリマー脱ドープ体層が、フェニ
レンジアミンなどの多官能アミンを用いて得られた場合
には、架橋構造を取り得ることから被覆耐久性が向上す
ると共に、被覆表面の平滑性が向上して液晶表示装置用
スペーサーとして好適な性能を発揮する。またアニリン
などの単官能アミンと比較してドープされにくいため、
絶縁信頼性が更に向上する。
【0049】従って本発明の方法によれば、遮光性、絶
縁性に優れ、かつ液晶物質を損傷しないなどの利点を有
するので、液晶表示装置用スペーサーとして好適に用い
られる着色粒子を得ることができる。
【0050】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに説明する。
【0051】実施例1(ポリアニリン脱ドープ体被覆シ
リカ微粒子) (1)重合性シラン系カップリング剤によるシリカ粒子
の表面処理 単分散シリカ微粒子(平均粒径5.19μm、CV値
0.91%)200gを内容積5リットルのフラスコに
入れ、これにイソプロピルアルコール1260gを加え
た後、超音波振動を与えて分散液を得た。この分散液に
メタノール1260gと25wt%アンモニア水1000
gを添加し液温30℃で30分間撹拌して混合液を得
た。この混合液に重合性シラン系カップリング剤である
γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン86
g(0.35モル)とアルコキシシランの1つであるテ
トラエトキシシラン11.2g(0.054モル)の混
合物を15分間かけて添加した。添加終了後、得られた
混合液の液温を60℃まで昇温させてから、この混合液
を10時間撹拌しながら表面処理を行った。表面処理終
了後、液を静置してシリカ粒子を沈降させ、上澄み液を
除去して沈降粒子(表面処理後のシリカ粒子)を得た。
この粒子についてメタノール中で沈降、デカンテーショ
ンを繰り返すことにより洗浄を行い、メタノールを除去
した後に150℃のオーブン中で1時間乾燥した。この
ようにして表面に重合性官能基が導入されたシリカ微粒
子を得た。
【0052】(2)ポリアニリン被覆シリカ微粒子の製
造 分散安定剤であるポリビニルピロリドンK−90(和光
純薬工業社製:分子量40万)20gを1.2N塩酸水
溶液500mlに溶解させた溶液に、(1)で得られた
重合性官能基導入シリカ微粒子10gを添加し、超音波
振動を与えて重合性官能基導入シリカ微粒子を良く分散
させて分散液を得た。この分散液に酸化剤としてペルオ
キソ二硫酸アンモニウム2.5g(0.011モル)を
加えてよく撹拌した後、共役π電子を有するポリマーを
形成し得るモノマーとしてアニリン1g(0.011モ
ル)を添加し、室温で撹拌しながら酸化重合反応を行っ
た。2時間後、反応液を水500ml中に注いで酸化重
合反応を終了させた。
【0053】混合液をそのまま静置して、表面にポリア
ニリン被覆層を有するシリカ微粒子を沈降させた。沈降
後、上澄み液を除去し、メタノール:水=1:1(体積
比)混合液(500ml)を洗浄液として添加し撹拌し
て、前記粒子を洗浄液中に分散させた。ついでポリアニ
リン被覆シリカ微粒子の沈降、上澄み液の除去の一連の
操作を5回行うことにより洗浄を行った。洗浄溶媒をメ
タノールに置換した後、自然乾燥し、さらに80℃で1
時間加熱することにより、メタノールを蒸発させて乾燥
を行った。このようにして得られたポリアニリン被覆シ
リカ微粒子は、深緑色を呈しており、走査型電子顕微鏡
観察によると、個々の粒子間に合着はなく、粒子径は
5.41μm(粒度分布のCV値:1.29%)で、ポ
リアニリンが0.11μmの厚さで均一に被覆されてい
た。
【0054】(3)ポリアニリン脱ドープ体被覆シリカ
微粒子の製造 (2)で得られたポリアニリン被覆シリカ微粒子5gを
電子供与体である2wt%アンモニア水200mlに添加
し、1時間、室温で撹拌してポリアニリンを脱ドープさ
せた。撹拌終了後、液をそのまま静置して、表面にポリ
アニリンの脱ドープ体からなる被覆層を有するシリカ微
粒子を沈降させた。沈降後、上澄み液を除去し、メタノ
ール:水=1:1(体積比)混合液500mlを洗浄液
として添加して撹拌し、前記粒子を洗浄液中に分散させ
た。ついでポリアニリン脱ドープ体被覆シリカ微粒子の
沈降、上澄み液の除去の一連の操作を5回行うことによ
り洗浄を行った。洗浄溶媒をメタノールに置換した後メ
タノールを蒸発させ80℃で1時間乾燥を行った。この
ようにして得られたポリアニリン脱ドープ体被覆シリカ
微粒子は、紺色を呈しており、走査型電子顕微鏡観察に
よると、個々の粒子間に合着はなく、粒子径は5.41
μm(粒度分布のCV値:1.30%)で、ポリアニリ
ンの脱ドープ体が0.11μmの厚さで均一に被覆され
ていた。
【0055】(4)被覆耐久性試験 (3)で得られたポリアニリン脱ドープ体被覆シリカ微
粒子をメタノールに分散させ、30分間150Wの超音
波を照射した。その後、粒子の粒径を走査型電子顕微鏡
観察により求めたところ、粒径は5.40μmであり、
超音波照射による剥がれは認められず、ポリアニリン脱
ドープ体からなる被覆層が耐久性に富むことが明らかと
なった。
【0056】(5)耐液晶性試験 (3)で得られたポリアニリン脱ドープ体被覆シリカ微
粒子1gをSTN型液晶(メルク社製のZLI−515
0−075)2ccと混合し、これを入れた容器を窒素置
換後封印して90℃のオーブンに3日間放置することで
熱処理した後、液晶の比抵抗を測定した。この結果、熱
処理後の液晶の比抵抗は2.5×1011Ω・cmであり、
この値は前記のSTN型液晶の元来の比抵抗2.7×1
11Ω・cmからほとんど変化していなかった。このこと
から、ポリアニリン脱ドープ体被覆シリカ微粒子は液晶
に対して耐性を有し、液晶と接してもイオン等の有害な
成分の溶出を実質的に起こさないことがわかる。
【0057】実施例2(ポリピロール脱ドープ体被覆シ
リカ微粒子) ポリピロール被覆シリカ微粒子を次のようにして製造し
た。分散安定剤であるポリビニルピロリドンK−90
(和光純薬工業社製:分子量40万)1gを水500m
lに溶解させた溶液に、実施例1の(1)で得られた重
合性官能基導入シリカ微粒子10gを添加し、超音波振
動を与えて分散させて分散液を得た。この分散液に酸化
剤として三塩化鉄5.7g(0.045モル)を加えて
よく撹拌した後、共役π電子を有するポリマーを形成し
得るモノマーとしてピロール0.67g(0.01モ
ル)を添加し、室温で撹拌しながら酸化重合反応を行っ
た。15時間後、反応液を水500ml中に注いで酸化
重合反応を終了させた。
【0058】混合液をそのまま静置して、表面にポリピ
ロール被覆層を有するシリカ微粒子を沈降させた。沈降
後上澄み液を除去し、メタノール:水=1:1(体積
比)混合液500mlを洗浄液として添加し撹拌して、
ポリピロール被覆シリカ微粒子を洗浄液中に分散させ
た。ついでポリピロール被覆シリカ微粒子の沈降、上澄
み液の除去の一連の操作を6回行うことにより洗浄を行
った。洗浄溶媒をメタノールに置換した後、自然乾燥
し、さらに80℃で1時間加熱してメタノールを蒸発さ
せて乾燥を行った。このようにして得られたポリピロー
ル被覆シリカ微粒子は、黒色を呈しており、走査型電子
顕微鏡観察によると、個々の粒子間に合着はなく、粒子
径は5.49μm(粒度分布のCV値:1.20%)
で、ポリピロールが0.20μmの厚さで均一に被覆さ
れていた。
【0059】このポリピロール被覆シリカ微粒子5gを
電子供与体である10wt%アンモニア水50mlに添加
し、1時間室温で撹拌してポリピロールを脱ドープ処理
した。撹拌終了後、液をそのまま静置して、ポリピロー
ル脱ドープ体被覆シリカ粒子を沈降させた。沈降後上澄
み液を除去し、メタノール:水=1:1(体積比)混合
液500mlを洗浄液として添加し撹拌して、ポリピロ
ール脱ドープ体被覆シリカ微粒子を洗浄液中に分散させ
た。ついでポリピロール脱ドープ体被覆シリカ微粒子の
沈降、上澄み液の除去の一連の操作を5回行うことによ
り洗浄を行った。洗浄溶媒をメタノールに置換した後メ
タノールを自然蒸発させた後、80℃で1時間乾燥を行
った。このようにして得られた粒子は、黄土色を呈して
おり、走査型電子顕微鏡観察によると、個々の粒子間に
合着はなく、粒子径は5.49μm(粒度分布のCV
値:1.22%)で、ポリアニリンの脱ドープ体が0.
20μmの厚さで均一に被覆されていた。
【0060】このようにして得られたポリピロール脱ド
ープ体被覆シリカ微粒子の被覆耐久性、耐液晶性を実施
例1の(4),(5)と同様に測定したところ、両者と
もに優れていることが判明した。
【0061】実施例3(ポリアニリンドープ体被覆シリ
カ微粒子) (1)重合性シラン系カップリング剤によるシリカ粒子
の表面処理 内容積1リットルのフラスコに粒度分布が単分散のシリ
カ微粒子(平均粒径6.51μm、CV値0.8%、個
々の粒子は実質的に真球)50g(全表面積=30.4
2)を入れ、これにイソプロピルアルコール315g
を加えた後、超音波振動を利用して前記シリカ微粒子を
よく分散させた。この分散液にメタノール315gを添
加した後、液温40℃に保ちつつ15分間撹拌し、続い
て25wt%アンモニア水125gを添加してさらに液
温40℃で15分間撹拌して混合液を得た。この混合液
に、重合性シランカップリング剤の一つであるアリルト
リメトキシシラン10.22g(0.050モル)とア
ルコキシシランの一つであるテトラエトキシシラン1.
04g(0.005モル)との混合溶液を10分かけて
添加した。添加終了後、得られた溶液の温度を60℃に
まで昇温させ、当該溶液を10時間撹拌しながらシリカ
微粒子の表面処理を行った。
【0062】表面処理終了後、溶液を静置してシリカ微
粒子を沈降させ、上澄み液を除去して沈降微粒子を得
た。この沈降微粒子についてメタノール中で沈降、デカ
ンテーションを繰り返すことで当該沈降微粒子の洗浄を
行い、メタノールを除去した後に150℃のオーブンで
1時間加熱乾燥した。
【0063】このようにして得られた表面処理後のシリ
カ微粒子では、個々のシリカ微粒子表面にアリル基が導
入されており、各シリカ微粒子は撥水性を示した。シリ
カ微粒子表面にアリル基が導入されていることは、赤外
吸収スペクトルの測定でビニル基の吸収が認められたこ
とより裏付けられた。
【0064】(2)ポリアニリン被覆シリカ微粒子の製
造 分散安定剤であるポリビニルピロリドンK−90(和光
純薬工業:分子量40万)10gを1.2N塩酸水溶液
500mlによく溶解させた溶液に、(1)で得られた
重合性官能基導入シリカ微粒子を添加し、超音波振動を
与え重合性官能基導入シリカ微粒子をよく分散させて分
散液を得た。この分散溶液に酸化剤としてペルオキソ二
硫酸アンモニウム2.5g(0.011モル)を加えて
よく撹拌したのち、共役π電子を有するポリマーを形成
し得るモノマーとしてアニリン1g(0.011モル)
を添加し、室温で撹拌しながら酸化重合を行った。2時
間後反応液を水500mlに注ぎ酸化重合を終了させ
た。混合液をそのまま静置して、表面にポリアニリン被
覆層を有するシリカ微粒子を沈降させた。沈降後、上澄
み液を除去し、メタノール:水=1:1(体積比)混合
溶液を洗浄溶液として添加し撹拌して、前記粒子を洗浄
液中に分散させた。ついで、ポリアニリン被覆シリカ微
粒子の沈降、上澄み液の除去の一連の操作を5回行うこ
とにより洗浄を行った。このようにして得られたポリア
ニリン被覆シリカは深緑色を呈しており、走査型電子顕
微鏡観察によると、個々の粒子間に合着はなく、粒子径
は6.75μm(CV値:1.32%)でポリアニリン
が0.12μmの厚みで均一に被覆されていた。
【0065】(3)ポリアニリン脱ドープ体被覆シリカ
微粒子の製造 (2)で得られたポリアニリン被覆シリカ微粒子5gを
電子供与体である2wt%アンモニア水200mlに添加
し、1時間、室温で撹拌してポリアニリンを脱ドープさ
せた。撹拌終了後、液をそのまま静置して、表面にポリ
アニリンの脱ドープ体からなる被覆層を有するシリカ微
粒子を沈降させた。沈降後、上澄み液を除去し、メタノ
ール:水=1:1(体積比)混合液500mlを洗浄液
として添加して撹拌し、前記粒子を洗浄液中に分散させ
た。ついでポリアニリン脱ドープ体被覆シリカ微粒子の
沈降、上澄み液の除去の一連の操作を5回行うことによ
り洗浄を行った。洗浄溶媒をメタノールに置換した後メ
タノールを蒸発させ80℃で1時間乾燥を行った。この
ようにして得られたポリアニリン脱ドープ体被覆シリカ
微粒子は、紺色を呈しており、走査型電子顕微鏡観察に
よると、個々の粒子間に合着はなく、粒子径は6.75
μm(CV値:1.30%)で、ポリアニリンの脱ドー
プ体が0.12μmの厚さで均一に被覆されていた。
【0066】(4)被覆耐久性試験 (3)で得られたポリアニリン脱ドープ体被覆シリカ微
粒子をメタノールに分散させ、30分間150Wの超音
波を照射した。その後、粒子の粒径を走査型電子顕微鏡
観察により求めたところ、粒径は6.72μmであり、
超音波照射による剥がれは認められず、ポリアニリン脱
ドープ体からなる被覆層が耐久性に富むことが明らかと
なった。
【0067】(5)耐液晶性試験 (3)で得られたポリアニリン脱ドープ体被覆シリカ微
粒子1gをSTN型液晶(メルク社製のZLI−515
0−075)2ccと混合し、これを入れた容器を窒素置
換後封印して90℃のオーブンに3日間放置することで
熱処理した後、液晶の比抵抗を測定した。この結果、熱
処理後の液晶の比抵抗は2.6×1011Ω・cmであり、
この値は前記のSTN型液晶の元来の比抵抗2.7×1
11Ω・cmからほとんど変化していなかった。このこと
から、ポリアニリン脱ドープ体被覆シリカ微粒子は液晶
に対して耐性を有し、液晶と接してもイオン等の有害な
成分の溶出を実質的に起こさないことがわかる。
【0068】実施例4(ポリm−フェニレンジアミン脱
ドープ体被覆シリカ微粒子) (1)重合性シラン系カップリング剤によるシリカ微粒
子の表面処理 単分散シリカ微粒子(平均粒径5.30μm、CV値
0.90)200gを内容積5リットルのフラスコに入
れ、これにイソプロピルアルコール1260gを加えた
後、超音波振動を利用して良く分散させた。この分散液
にメタノール1260gと25wt%アンモニア水100
0gを添加し液温30℃で30分間撹拌した。この混合
溶液に重合性シラン系カップリング剤の1つであるγ−
メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン86g
(0.35モル)とアルコキシシランの1つであるテト
ラエトキシシラン11.2g(0.054モル)の混合
物を15分間かけて添加した。添加終了後、得られた溶
液の液温を60℃まで昇温させ、当該溶液を10時間撹
拌しながら、表面処理を行った。表面処理終了後、溶液
を静置してシリカ粒子を沈降させ、上澄み液を除去して
沈降粒子(表面処理後のシリカ粒子)を得た。この粒子
についてメタノール中で沈降、デカンテーションを繰り
返すことにより洗浄を行い、メタノールを除去した後に
150℃のオーブン中で1時間乾燥した。このようにし
て表面に重合性官能基が導入されたシリカ微粒子を得
た。
【0069】(2)ポリm−フェニレンジアミン被覆シ
リカ微粒子の製造 安定剤のポリビニルピロリドンK−90(和光純薬工業
社製:分子量40万)10gを1.2N塩酸水溶液50
0mlに溶解させた溶液に、(1)で得られた重合性官
能基導入シリカ微粒子10gを添加し、超音波振動を利
用してこのシリカ微粒子を良く分散させて分散液を得
た。この分散液に酸化剤としてペルオキソ二硫酸アンモ
ニウム12.5g(0.055モル)を加えよく撹拌し
た後、共役π電子を有するポリマーを形成し得るモノマ
ーとしてm−フェニレンジアミン5.65g(0.05
モル)を添加し、室温で撹拌しながら酸化重合反応を行
った。4時間後、反応液を水500ml中に注いで酸化
重合反応を終了させた。
【0070】混合溶液をそのまま静置して、表面にポリ
m−フェニレンジアミン被覆層を有するシリカ粒子を沈
降させた。沈降後、上澄み液を除去し、メタノール:水
=1:1(体積比)混合液(500ml)を洗浄液とし
て添加して撹拌し、前記粒子を洗浄液中に分散させた。
ついでポリm−フェニレンジアミン被覆シリカ粒子の沈
降、上澄み液の除去の一連の操作を3回行うことにより
洗浄を行った。
【0071】洗浄溶媒をメタノールに置換した後、自然
乾燥し、さらに80℃で1時間加熱することにより、メ
タノールを蒸発させて乾燥を行った。このようにして得
られたポリm−フェニレンジアミン被覆シリカ粒子は、
焦げ茶色を呈しており、走査型電子顕微鏡観察による
と、個々の粒子間に合着はなく、粒子径は5.52μm
(粒度分布のCV値:1.01%)で、ポリm−フェニ
レンジアミンが0.11μmの厚さで均一に被覆されて
いた。
【0072】(3)ポリm−フェニレンジアミン脱ドー
プ体被覆シリカ微粒子の製造 (2)で得られたポリm−フェニレンジアミン被覆シリ
カ粒子5gを電子供与体である2wt%アンモニア水20
0mlに添加し、1時間、室温で撹拌した。撹拌終了
後、溶液をそのまま静置して、ポリm−フェニレンジア
ミン脱ドープ体からなる被覆層を有するシリカ微粒子を
沈降させた。沈降後、上澄み液を除去し、メタノール:
水=1:1(体積比)混合液(500ml)を洗浄液と
して添加して撹拌し、前記粒子を洗浄液中に分散させ
た。ついでポリm−フェニレンジアミン脱ドープ体被覆
シリカ微粒子の沈降、上澄み液の除去を順次行うことに
より洗浄を行った。洗浄回数は5回である。洗浄終了後
メタノールを蒸発させ80℃で1時間乾燥を行った。こ
のようにして得られたポリm−フェニレンジアミン脱ド
ープ体被覆シリカ微粒子は、茶色を呈しており、走査型
電子顕微鏡観察によると、個々の粒子間に合着はなく、
粒子径は5.52μm(粒度分布のCV値:1.15
%)で、ポリm−フェニレンジアミン脱ドープ体層が
0.11μmの厚さで均一に被覆されていた。
【0073】(4)被覆耐久性試験 (3)で得られたポリm−フェニレンジアミン脱ドープ
体被覆シリカ微粒子を実施例1の(4)と同様にして試
験したところ、粒子径は5.51μmであり、超音波照
射による剥がれは認められず、被覆層が耐久性に富むこ
とが明らかとなった。
【0074】(5)耐液晶性試験 実施例1の(5)で述べたと同様の方法で試験した結
果、熱処理後の液晶の比抵抗値は2.6×1011Ωcm
であり、この値は前記のSTN型液晶の元来の比抵抗値
2.7×1011Ωcmからほとんど変化していなかっ
た。このことからポリm−フェニレンジアミン脱ドープ
体被覆シリカ微粒子は液晶に対して耐性を有し、液晶と
接してもイオン等の有害な成分の溶出を実質的に起こさ
ないことがわかる。
【0075】実施例5(ポリm−フェニレンジアミン/
ポリアニリン脱ドープ体積層被覆シリカ微粒子) (1)ポリm−フェニレンジアミン/ポリアニリン積層
被覆シリカ微粒子の製造 安定剤のポリビニルピロリドンK−90(和光純薬工業
社製:分子量40万)10gを1.2N塩酸水溶液50
0mlに溶解させた溶液に、実施例4の(2)で得られ
たポリm−フェニレンジアミン被覆シリカ微粒子(粒子
径5.52μm)10gを添加し、超音波振動を利用し
て良く分散させて分散液を得た。この分散液に酸化剤と
してペルオキソ二硫酸アンモニウム5.0g(0.02
2モル)を加えよく撹拌した後、アニリン2.0g
(0.022モル)を添加し、室温で撹拌しながら酸化
重合反応を行った。2時間後、反応液を水500ml中
に注いで酸化重合反応を終了させた。
【0076】混合溶液をそのまま静置して、ポリm−フ
ェニレンジアミン被覆層上にポリアニリン被覆層を有す
るシリカ微粒子を沈降させた。沈降後、上澄み液を除去
し、メタノール:水=1:1(体積比)混合液(500
ml)を洗浄液として添加して撹拌し、前記微粒子を洗
浄液中に分散させた。ついでポリm−フェニレンジアミ
ン/ポリアニリン積層被覆シリカ粒子の沈降、上澄み液
の除去の一連の操作を3回行うことにより洗浄を行っ
た。洗浄溶媒をメタノールに置換した後、自然乾燥し、
さらに80℃で1時間加熱することにより、メタノール
を蒸発させて乾燥を行った。このようにして得られたポ
リm−フェニレンジアミン/ポリアニリン被覆シリカ粒
子は、黒色を呈しており、走査型電子顕微鏡観察による
と、個々の粒子間に合着はなく、粒子径は5.72μm
(粒度分布のCV値:1.10%)であり、ポリm−フ
ェニレンジアミン層の上にポリアニリン層が0.10μ
mの厚さで均一に被覆されていた。
【0077】(2)ポリm−フェニレンジアミン/ポリ
アニリン脱ドープ体積層被覆シリカ微粒子の製造 (1)で得られたポリm−フェニレンジアミン/ポリア
ニリン積層被覆シリカ微粒子5gを電子供与体である2
wt%アンモニア水200mlに添加し、1時間、室温で
撹拌した。撹拌終了後、溶液をそのまま静置して、ポリ
m−フェニレンジアミン/ポリアニリン脱ドープ体積層
被覆シリカ微粒子を沈降させた。沈降後、上澄み液を除
去し、メタノール:水=1:1(体積比)混合液(50
0ml)を洗浄液として添加して撹拌し、前記微粒子を
洗浄液中に分散させた。ついでポリm−フェニレンジア
ミン/ポリアニリン脱ドープ体積層被覆シリカ粒子の沈
降、上澄み液の除去を順次行うことにより洗浄を行っ
た。洗浄回数は3回である。洗浄終了後メタノールを蒸
発させ80℃で1時間乾燥を行った。このようにして得
られた脱ドープ体被覆微粒子は、黒色を呈しており、走
査型電子顕微鏡観察によると、個々の粒子間に合着はな
く、粒子径は5.72μm(粒度分布のCV値:1.2
4%)であり、ポリm−フェニレンジアミン層の上にポ
リアニリン脱ドープ体層が0.10μmの厚さで均一に
被覆されていた。
【0078】(3)被覆耐久性試験 (2)で得られたポリm−フェニレンジアミン/ポリア
ニリン脱ドープ体積層被覆シリカ粒子を実施例1の
(4)と同様にして試験したところ、粒子径は5.71
μmであり超音波照射による剥がれは認められず、被覆
層が耐久性に富むことが明らかとなった。
【0079】(4)耐液晶性試験 実施例1の(5)で述べたと同様の方法で試験した結
果、熱処理後の液晶の比抵抗値は2.5×1011Ωcm
であり、この値は前記のSTN型液晶の元来の比抵抗
2.7×1011Ωcmからほとんど変化していなかっ
た。このことから、ポリm−フェニレンジアミン/ポリ
アニリン脱ドープ体積層被覆シリカ微粒子は液晶に対し
て耐性を有し、液晶と接してもイオン等の有害な成分の
溶出を実質的に起こさないことがわかる。
【0080】実施例6(ポリアニリン/ポリm−フェニ
レンジアミン脱ドープ体積層被覆シリカ微粒子) (1)ポリアニリン被覆シリカ微粒子の製造 安定剤であるポリビニルピロリドンK−90(和光純薬
工業社製:分子量40万)20gを1.2N塩酸水溶液
500mlに溶解させた溶液に、実施例4の(1)で得
られた表面処理シリカ微粒子10gを添加し、超音波振
動を利用してこのシリカ微粒体を良く分散させて分散液
を得た。この分散液に酸化剤としてペルオキソ二硫酸ア
ンモニウム2.5g(0.011モル)を加えよく撹拌
した後、アニリン1g(0.011モル)を添加し、室
温で撹拌しながら重合反応を行った。2時間後、反応液
を水500ml中に注いで重合反応を終了させた。
【0081】混合溶液をそのまま静置して、ポリアニリ
ン被覆シリカ粒子を沈降させた。沈降後、上澄み液を除
去し、メタノール:水=1:1(体積比)混合液(50
0ml)を洗浄液として添加して撹拌し、前記微粒子を
洗浄液中に分散させた。ついでポリアニリン被覆シリカ
粒子の沈降、上澄み液の除去を順次行うことで洗浄を行
った。洗浄回数は5回である。洗浄後メタノールを蒸発
させて乾燥を行った。乾燥条件は自然乾燥後、80℃で
1時間加熱である。このようにして得られた被覆微粒子
は、深緑色を呈しており、走査型電子顕微鏡観察による
と、個々の粒子間に合着はなく、粒子径は5.52μm
(粒度分布のCV値:1.29%)で、ポリアニリン層
が0.11μmの厚さで均一に被覆されていた。
【0082】(2)ポリアニリン/ポリm−フェニレン
ジアミン積層被覆シリカ微粒子の製造 安定剤のポリビニルピロリドンK−90(和光純薬工業
社製:分子量40万)10gを1.2N塩酸水溶液50
0mlに溶解させた溶液に、(1)で得られたポリアニ
リン被覆シリカ微粒子(粒子径5.52μm)10gを
添加し、超音波振動を利用してこのシリカ微粒子を良く
分散させて分散液を得た。この分散液に酸化剤としてペ
ルオキソ二硫酸アンモニウム12.5g(0.055モ
ル)を加えよく撹拌した後、m−フェニレンジアミン
5.65g(0.05モル)を添加し、室温で撹拌しな
がら酸化重合反応を行った。4時間後、反応液を水50
0ml中に注いで酸化重合反応を終了させた。
【0083】混合溶液をそのまま静置して、ポリアニリ
ン被覆層上にポリm−フェニレンジアミン被覆層を有す
るシリカ微粒子を沈降させた。沈降後、上澄み液を除去
し、メタノール:水=1:1(体積比)混合液(500
ml)を洗浄液として添加して撹拌し、前記微粒子を洗
浄液中に分散させた。ついでポリアニリン/ポリm−フ
ェニレンジアミン積層被覆シリカ粒子の沈降、上澄み液
の除去の一連の操作を3回行うことにより洗浄を行っ
た。洗浄溶媒をメタノールに置換した後、自然乾燥し、
さらに80℃で1時間加熱することにより、メタノール
を蒸発させて乾燥を行った。このようにして得られたポ
リアニリン/ポリm−フェニレンジアミン積層被覆シリ
カ微粒子は、黒色を呈しており、走査型電子顕微鏡観察
によると、個々の粒子間に合着はなく、粒子径は5.7
2μm(粒度分布のCV値:1.40%)であり、ポリ
アニリン層の上にポリm−フェニレンジアミンが0.1
0μmの厚さで均一に被覆されていた。
【0084】(3)ポリアニリン/ポリm−フェニレン
ジアミン脱ドープ体積層被覆シリカ微粒子の製造 (2)で得られたポリアニリン/ポリm−フェニレンジ
アミン積層被覆シリカ微粒子5gを電子供与体である2
wt%アンモニア水200mlに添加し、1時間、室温で
撹拌した。撹拌終了後、溶液をそのまま静置して、ポリ
アニリン/ポリm−フェニレンジアミン脱ドープ体積層
被覆シリカ粒子を沈降させた。沈降後上澄み液を除去
し、メタノール:水=1:1(体積比)混合液(500
ml)を洗浄液として添加して撹拌し、前記微粒子を洗
浄液中に分散させた。ついでポリアニリン/ポリm−フ
ェニレンジアミン脱ドープ体積層被覆シリカ粒子の沈
降、上澄み液の除去の順次行うことにより洗浄を行っ
た。洗浄回数は3回である。洗浄終了後、メタノールを
蒸発させ80℃で1時間乾燥を行った。このようにして
得られた被覆微粒子は、黒色を呈しており、走査型電子
顕微鏡観察によると、個々の粒子間に合着はなく、粒子
径は5.72μm(粒度分布のCV値:1.39%)で
あり、ポリアニリンとポリm−フェニレンジアミン脱ド
ープ体からなる積層が0.21μmの厚さで均一に被覆
されていた。
【0085】(4)被覆耐久性試験 (3)で得られたポリアニリン/ポリm−フェニレンジ
アミン脱ドープ体積層被覆シリカ微粒子を実施例1の
(4)と同様にして試験したところ、粒子径は5.71
μmであり、超音波照射による剥がれは認められず、被
覆層が耐久性に富むことが明らかとなった。
【0086】(5)耐液晶性試験 実施例1の(5)で述べたと同様の方法で試験した結
果、熱処理後の液晶の比抵抗値は2.6×1011Ωcm
であり、この値は前記のSTN型液晶の元来の比抵抗値
2.7×1011Ωcmからほとんど変化していなかっ
た。このことからポリアニリン/ポリm−フェニレンジ
アミン脱ドープ体積層シリカ微粒子は液晶に対して耐性
を有し、液晶と接してもイオン等の有害な成分の溶出を
実質的に起こさないことがわかる。
【0087】実施例7(アニリン−m−フェニレンジア
ミン共重合脱ドープ体被覆シリカ粒粒子) (1)アニリン−m−フェニレンジアミン共重合体被覆
シリカ微粒子の製造 安定剤のポリビニルピロリドンK−90(和光純薬工業
社製:分子量40万)10gを1.2N塩酸水溶液50
0mlに溶解させた溶液に、実施例4の(1)で得られ
た表面処理シリカ粒子(粒子径5.30μm)10gを
添加し、超音波振動を利用してこのシリカ粒体を良く分
散させて分散液を得た。この分散液に酸化剤としてペル
オキソ二硫酸アンモニウム4.1g(0.018モル)
を加えよく撹拌した後、アニリン1.5g(0.016
モル)とm−フェニレンジアミン0.17g(0.00
16モル)とを添加し、室温で撹拌しながら酸化重合反
応を行った。4時間後、反応液を水500ml中に注い
で酸化重合反応を終了させた。
【0088】混合溶液をそのまま静置して、表面にアリ
ニンとm−フェニレンジアミンとの共重合体被覆層を有
するシリカ粒子を沈降させた。沈降後、上澄み液を除去
し、メタノール:水=1:1(体積比)混合液(500
ml)を洗浄液として添加して撹拌し、前記微粒子を洗
浄液中に分散させた。ついでアニリン−m−フェニレン
ジアミン共重合体被覆シリカ微粒子の沈降、上澄み液の
除去の一連の操作を3回行うことにより洗浄を行った。
洗浄溶媒をメタノールに置換した後、自然乾燥し、さら
に80℃で1時間加熱することにより、メタノールを蒸
発させて乾燥を行った。このようにして得られたアニリ
ン−m−フェニレンジアミン共重合体被覆シリカ微粒子
は、深緑色を呈しており、走査型電子顕微鏡観察による
と、個々の粒子間に合着はなく、粒子径は5.52μm
(粒度分布のCV値:1.15%)であり、アニリン−
m−フェニレンジアミン共重合体が0.11μmの厚さ
で均一に被覆されていた。
【0089】(2)アニリン−m−フェニレンジアミン
共重合脱ドープ体被覆シリカ粒子の製造 (1)で得られたアニリン−m−フェニレンジアミン共
重合体被覆シリカ微粒子5gを電子供与体である2wt%
アンモニア水200mlに添加し、1時間、室温で撹拌
した。撹拌終了後、溶液をそのまま静置して、アニリン
−m−フェニレンジアミン共重合脱ドープ体被覆シリカ
粒子を沈降させた。沈降後、上澄み液を除去し、メタノ
ール:水=1:1(体積比)混合液(500ml)を洗
浄液として添加して撹拌し、前記微粒子を洗浄液中に分
散させた。ついでアニリン−m−フェニレンジアミン共
重合脱ドープ体被覆シリカ粒子の沈降、上澄み液の除去
を順次行うことにより洗浄を行った。洗浄回数は5回で
ある。洗浄終了後、メタノールを蒸発させ80℃で1時
間乾燥を行った。このようにして得られた被覆粒子は、
青灰色を呈しており、走査型電子顕微鏡観察によると、
個々の粒子間に合着はなく、粒子径は5.52μm(粒
度分布のCV値:1.15%)で、アニリン−m−フェ
ニレンジアミン共重合脱ドープ体層が0.11μmの厚
さで均一に被覆されていた。
【0090】(3)被覆耐久性試験 (2)で得られたアニリン−m−フェニレンジアミン共
重合脱ドープ体被覆シリカ微粒子を実施例1の(4)と
同様にして試験したところ、粒子径は5.51μmであ
り、超音波照射による剥がれは認められず、被覆層が耐
久性に富むことが明らかとなった。
【0091】(4)耐液晶性試験 実施例1の(5)で述べたと同様の方法で試験した結
果、熱処理後の液晶の比抵抗は2.5×1011Ωcmであ
り、この値は前記のSTN型液晶の元来の比抵抗2.7
×1011Ωcmからほとんど変化していなかった。このこ
とからアニリン−m−フェニレンジアミン共重合脱ドー
プ体被覆シリカ微粒子は液晶に対して耐性を有し、液晶
と接してもイオン等の有害な成分の溶出を実質的に起こ
さないことがわかる。
【0092】実施例8(ポリm−フェニレンジアミン脱
ドープ体/ポリピロール脱ドープ体積層被覆シリカ微粒
子) (1)ポリm−フェニレンジアミン/ポリピロール積層
被覆シリカ微粒子の製造 安定剤のポリビニルピロリドンK−90(和光純薬工業
社製:分子量40万)5gを水500mlに溶解させた
溶液に、実施例4の(2)で得られたポリm−フェニレ
ンジアミン被覆粒子10gを添加し、超音波振動を与え
分散させて分散液を得た。この分散液に酸化剤として3
塩化鉄5.7g(0.045モル)を加え良く撹拌した
後、ピロール0.067g(0.01モル)を添加し、
室温で撹拌しながら酸化重合反応を行った。15時間
後、反応液を水500ml中に注いで酸化重合反応を終
了させた。
【0093】混合溶液をそのまま静置して、ポリm−フ
ェニレンジアミン層上にポリピロール被覆層を有するシ
リカ微粒子を沈降させた。沈降後、上澄み液を除去し、
メタノール:水=1:1(体積比)混合液(500m
l)を洗浄液として添加し撹拌して、ポリm−フェニレ
ンジアミン/ポリピロール積層被覆シリカ微粒子を洗浄
液中に分散させた。ついで粒子の沈降、上澄み液の除去
の一連の操作を6回行うことにより洗浄を行った。洗浄
溶媒をメタノールに置換した後、自然乾燥し、さらに8
0℃で1時間加熱してメタノールを蒸発させて乾燥を行
った。このようにして得られたポリm−フェニレンジア
ミン/ポリピロール積層被覆シリカ微粒子は黒色を呈し
ており、粒子径が5.66μm(粒度分布のCV値:
1.18%)で、ポリm−フェニレンジアミン層上にポ
リピロール被覆層が0.07μmの厚さで均一に被覆さ
れていた。
【0094】(2)ポリm−フェニレンジアミン脱ドー
プ体/ポリピロール脱ドープ体積層被覆シリカ微粒子の
製造 (1)で得られた被覆シリカ微粒子5gを電子供与体で
ある10wt%のアンモニア水50mlに添加し、1時間
室温で撹拌して、両被覆層を脱ドープした。撹拌終了
後、液をそのまま静置し、ポリm−フェニレンジアミン
脱ドープ体/ポリピロール脱ドープ体積層被覆シリカ微
粒子を沈降させた。沈降後、上澄み液を除去し、メタノ
ール:水=1:1(体積比)混合液(500ml)を洗
浄液として添加し撹拌して、ポリm−フェニレンジアミ
ン脱ドープ体/ポリピロール脱ドープ体積層被覆シリカ
微粒子を洗浄液中に分散させた。ついで粒子の沈降、上
澄み液の除去の一連の操作を5回行うことにより洗浄を
行った。洗浄溶媒をメタノールに置換した後、自然乾燥
し、さらに80℃で1時間加熱してメタノールを蒸発さ
せて乾燥を行った。このようにして得られたポリm−フ
ェニレンジアミン脱ドープ体/ポリピロール脱ドープ体
積層被覆シリカ微粒子は黒色を呈しており、粒子径が
5.65μm(粒度分布のCV値:1.18%)で、ポ
リm−フェニレンジアミン脱ドープ体層上にポリピロー
ルの脱ドープ体層が0.07μmの厚さで均一に被覆さ
れていた。
【0095】(3)被覆耐久性試験 (2)で得られたポリm−フェニレンジアミン脱ドープ
体/ポリピロール脱ドープ体積層被覆シリカ微粒子を実
施例1の(4)と同様にして試験したところ、粒子径は
5.64μmであり、超音波照射による剥がれは認めら
れず、被覆層が耐久性に富むことが明らかとなった。
【0096】(4)耐液晶性試験 実施例1の(5)で述べたと同様の方法で試験した結
果、熱処理後の液晶の比抵抗値は2.6×1011Ωcm
であり、この値は前記のSTN型液晶の元来の比抵抗値
2.7×1011Ωcmからほとんど変化していなかっ
た。このことからポリm−フェニレンジアミン/ポリピ
ロール積層被覆シリカ微粒子は液晶に対して耐性を有
し、液晶と接してもイオン等の有害な成分の溶出を実質
的に起こさないことがわかる。
【0097】比較例1 重合性シラン系カップリング剤を用いずにアルコキシシ
ランとしてメチルトリエトキシシランのみを用いたこと
以外は実施例1の(1)と同様の方法で、表面処理した
シリカ微粒子を作製した。得られた表面処理シリカ微粒
子を用いて、実施例1の(2)と同様の方法で、アニリ
ンの酸化重合を行なった。その結果、得られたシリカ微
粒子は白色のままであり、走査型電子顕微鏡観察による
と、平均粒子径は5.2μmであった。従ってシリカ微
粒子の表面には全くポリアニリンが被覆されていないこ
とが明らかとなった。
【0098】比較例2 重合性シランカップリング剤を用いずにアルコキシシラ
ンとしてメチルトリエトキシシランのみを用いたこと以
外は実施例4の(1)と同様の方法で、表面処理したシ
リカ粒子を作製した。得られた表面処理シリカ粒子を用
いて、実施例4の(2)と同様の方法で、ポリm−フェ
ニレンジアミン被覆シリカ粒子を作製した。得られた粒
子は白色であり、走査型電子顕微鏡観察によると、平均
粒子径は5.3μmであり、表面には全くポリm−フェ
ニレンジアミンが被覆されていなかった。
【0099】
【発明の効果】本発明によれば、遮光性、絶縁性に優
れ、液晶表示装置用スペーサーとして用いたときに液晶
物質に損傷を与えない着色粒子およびその製造方法が提
供された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阪井 和彦 岐阜県岐阜市薮田西2−1−1 宇部日東 化成株式会社岐阜研究所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合性シラン系カップリング剤で表面処
    理された金属酸化物からなる球状粒子の表面に共役π電
    子を有するポリマーの脱ドープ体を含む層が被覆されて
    いることを特徴とする着色粒子。
  2. 【請求項2】 金属酸化物がシリカである、請求項1に
    記載の着色粒子。
  3. 【請求項3】 共役π電子を有するポリマーが、 (A).式 【化1】 (式中、Rは芳香環のオルト位および/またはメタ位に
    置換されたC1〜C18アルキル基またはハロゲン原子で
    あり、xはRの数を示し、0〜4であり、また2つのR
    が、ベンゼン環とともにナフタレン環を形成してもよ
    く、R1は水素またはC1〜C18アルキル基である。)で
    示される芳香族モノアミンまたはその誘導体を重合して
    得たポリマー; (B).式 【化2】 (式中、R2、R3はそれぞれ独立に水素、C1〜C18
    ルキル基、C1〜C18アルコキシ基またはハロゲン原子
    であり、XはNH基、硫黄または酸素原子である。)で
    示されるピロール、チオフェン、フランまたはその誘導
    体を重合して得たポリマー; (C).式 【化3】 (式中、Rは芳香環に置換されたC1〜C18アルキル基
    またはハロゲン原子であり、yはRの数を示し、n=1
    のときは0〜2であり、n=2のときは0〜1であり、
    また2つのRが、ベンゼン環とともにナフタレン環を形
    成してもよく、R1は水素またはC1〜C18アルキル基で
    あり、nは1または2である。)で示される芳香族ジア
    ミン、芳香族トリアミンまたはそれらの誘導体を重合し
    て得たポリマー;または (D).式(I),式(II)および式(III)で示され
    る化合物からなる群から選ばれる少なくとも2種の化合
    物を逐次的にまたは同時に重合して得たポリマーであ
    る、請求項1に記載の着色粒子。
  4. 【請求項4】 共役π電子を有するポリマーの脱ドープ
    体が、共役π電子を有するポリマーを電子供与体により
    脱ドープして得られたものである、請求項1に記載の着
    色粒子。
  5. 【請求項5】 重合性シラン系カップリング剤で表面処
    理された金属酸化物からなる球状粒子を含む分散液に、
    π電子を有するポリマーを形成し得るモノマーを加え、
    酸化重合させて、金属酸化物からなる球状粒子の表面に
    共役π電子を有するポリマー層を形成させた後、該ポリ
    マー層を脱ドープして前記ポリマーの脱ドープ体を含む
    層とすることを特徴とする請求項1に記載の着色粒子の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 金属酸化物がシリカである、請求項5に
    記載の方法。
  7. 【請求項7】 金属酸化物からなる球状粒子を含む分散
    液が分散安定剤を含む、請求項5に記載の方法。
  8. 【請求項8】 共役π電子を有するポリマーを形成し得
    るモノマーが、 式 【化4】 (式中、Rは芳香環のオルト位および/またはメタ位に
    置換されたC1〜C18アルキル基またはハロゲン原子で
    あり、xはRの数を示し、0〜4であり、また2つのR
    が、ベンゼン環とともにナフタレン環を形成してもよ
    く、R1は水素またはC1〜C18アルキル基である。)で
    示される芳香族モノアミンまたはその誘導体;式 【化5】 (式中、R2、R3はそれぞれ独立に水素、C1〜C18
    ルキル基、C1〜C18アルコキシ基またはハロゲン原子
    であり、XはNH基、硫黄または酸素原子である。)で
    示されるピロール、チオフェン、フランまたはその誘導
    体;式 【化6】 (式中、Rは芳香環に置換されたC1〜C18アルキル基
    またはハロゲン原子であり、yはRの数を示し、n=1
    のときは0〜2であり、n=2のときは0〜1であり、
    また2つのRが、ベンゼン環とともにナフタレン環を形
    成してもよく、R1は水素またはC1〜C18アルキル基で
    あり、nは1または2である。)で示される芳香族ジア
    ミン、芳香族トリアミンまたはそれらの誘導体;または
    式(I),式(II)および式(III)で示される化合物
    からなる群から選ばれる少なくとも2種の化合物である
    請求項5に記載の方法。
  9. 【請求項9】 モノマーとして少なくとも2種の化合物
    を用いたとき、これら化合物の重合を逐次的にまたは同
    時に行なう、請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 共役π電子を有するポリマー層の脱ド
    ープを電子供与体を用いて行なう、請求項5に記載の方
    法。
  11. 【請求項11】 電子供与体がアンモニア、第1、第2
    もしくは第3アルキルアミン、ヒドラジンまたはこれら
    の誘導体である、請求項10に記載の方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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