JP4623972B2 - 電気泳動性着色粒子および表示素子 - Google Patents
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Description
(1) 重合体の側鎖に存在するアルキル基が一種類である場合には、このアルキル基の炭素数が8以上である。
(2) 重合体の側鎖に存在するアルキルが二種類以上である場合には、各アルキル基の各炭素数の加重平均である。この場合には、異なるアルキル基を有する異なるモノマーから重合体が構成される。従って、アルキル基の平均炭素数は、以下の式に従って計算される。
(アルキル基の平均炭素数)=
Σ[(各アルキル基の各炭素数)×(各アルキル基を導入するための各モノマーのmol%)]/100
(絶縁性分散流体)
本発明において、絶縁性分散流体は特に限定されない。絶縁性分散流体は、絶縁性の有機化合物であることが好ましく、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、脂環式炭化水素、ハロゲン化炭化水素、脂肪族エステル、芳香族エステル、脂肪族アルコール、芳香族アルコール、油脂を例示できる。特に、脂肪族炭化水素が好ましく、パラフィン(例えばn−パラフィン、イソパラフィン)が好ましい。
前記した重合体からなる被膜の形成方法は特に限定されない。好ましくは、特開平5−232480号公報に記載された以下の方法を利用できる。
(1)ビニル基導入法
基材粒子表面に、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、シリル基、シラノール基、イソシアナート基等の官能基を存在させ、この官能基と反応して共有結合を生成し得るモノマーによって基材粒子を表面処理し、ビニル基を表面に導入する。次いで、アルキル基を有するモノマー、カチオン性官能基を有するモノマー、および/または、アニオン性官能基を有するモノマーによって基材粒子を表面処理し、グラフト重合させる。こうした基材粒子の好適例は後述する。
水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、シリル基、シラノール基、イソシアナート基等の官能基を基材粒子表面に存在させ、この官能基と共有結合し得る過酸化物、過水酸化物、アゾ化合物などの開始剤を反応させることにより、基材粒子表面に開始剤を導入する。次いで、アルキル基を有するモノマー、カチオン性官能基を有するモノマー、および/または、アニオン性官能基を有するモノマーによって基材粒子を表面処理し、グラフト重合させる。
本発明で用いられる基材粒子は、カーボンブラックやシリカ等の無機粒子、ポリスチレン等の高分子樹脂、あるいはこれらの複合粒子であってよく、特に限定されない。基材粒子の粒径は、0.5 μm〜8 μmが好ましい。0.5 μm未満の粒子は製造が容易ではなく、また、粒径が大きすぎると、電子ペーパーを用途とする場合必要とされる解像度を得にくい。
Cv値 = (粒径の標準偏差/平均粒径)×100
γ―メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ―メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ―メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ―メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ―アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ―メタクリロキシプロピルビス(トリメトキシ)メチルシラン、11―メタクリロキシウンデカメチレントリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、4―ビニルテトラメチレントリメトキシシラン、8―ビニルオクタメチレントリメトキシシラン、3―トリメトキシシリルプロピルビニルエーテル、ビニルトリアセトキシシラン、p―トリメトキシシリルスチレン、p―トリエトキシシリルスチレン、p―トリメトキシシリル−α―メチルスチレン、p―トリエトキシシリル−α―メチルスチレン、γ―アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−β(N−ビニルベンジルアミノエチル−γ―アミノプロピル)トリメトキシシラン・塩酸塩
グリシジル(メタ)アクリレート、β−(3,4,エポキシシクロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有(メタ)アクリレート。また重合後、酸またはアルカリで加水分解することにより(メタ)アクリル酸にすることのできる(メタ)アクリル酸をエステル化したメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、β−(パラフロロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフロロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−トリフロロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフロロブチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレート
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、スチレン、α−メチルスチレン、(メタ)アクリロニトリル
基材粒子の着色剤は特に限定されない。具体的な着色剤としては、カーボンブラック、酸化チタン等の顔料、あるいは染料が挙げられる。染料化合物の種類、色彩は限定されず、二種以上を使用してもよい。染料化合物は、重合体粒子に含浸させるため、取り扱い上、水系溶剤に溶解するものであるのが好ましい。染料の種類は以下を例示できる。
アゾ系染料、ナフトール系染料、アントラキノン系染料、インジゴ系染料、カーボニウム系染料、キノンイミン系染料、シアニン系染料、キノリン系染料、ニトロ系染料、ニトロソ系染料、ベンゾキノン系染料、ナフトキノン系染料、ナフタルイミド系染料、アジン系染料、フタロシアニン系染料、トリフェニルメタン系染料
染料の具体例としては、「Valifast Red」、「Valifast Black」(オリエント化学社製)があげられる。
本発明においては、側鎖にアルキル基を有する重合体によって基材粒子表面を被覆する。このアルキル基としては、以下を例示できる。
メチル基、エチル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、イソドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、ベヘニル基
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、イソボルニルメタクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート
2級アミノ基:例えばN−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基などのN‐アルキルアミノ基
3級アミノ基:例えばN,N‐ジメチルアミノ基、N,N‐ジエチルアミノ基などのN,N‐ジアルキルアミノ基
アミド基
メチルメタクリレート、N-メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N-エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N‐メチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N‐ジメチルアミノプロピルメタアクリレート、N,N‐ジブチルアミノエチルアクリレート、N,N‐ジ‐tert‐ブチルアミノエチルアクリレート、N‐フェニルアミノエチルメタクリレート、N,N‐ジフェニルアミノエチルメタアクリレート、N,N‐ジメチルアクリルアミド、N,N‐ジエチルアクリルアミド、N,N‐ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N‐ジエチルアミノプロピルアクリルアミド、メタクリルアミド
クロロ、フルオロを有するハロゲン化物、アルコール性水酸基、カルボキシル基、スルホ基
また、第二の発明においては、基材粒子表面に、炭素数13以上のアルキル基を有する有機化合物を反応させる。例えば炭素数13以上のアルキル基を有する化合物一種を反応させてもよいし、炭素数13以上のアルキル基を有する化合物二種以上を反応させてもよい。さらに、炭素数13以上のアルキル基を有する化合物一種以上とカチオン性官能基を有する化合物一種以上もしくはアニオン性官能基を有する化合物一種以上の組み合わせで反応させても良い。この基材粒子やその着色剤としては、前述の基材粒子、着色剤を採用できる。
トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、オクタデシル基、イソデシル基、ベヘニル基
(アニオン性官能基を有する化合物例)
トリフルオロ酢酸等のフルオロアルキルカルボン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等のフルオロアルキルスルホン酸、3,3,3−トリフルオロプロピルトリクロロシラン、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルジクロロシラン、クロロ安息香酸、2,4−ジクロロ安息香酸、クロロフェニル安息香酸、クロロメチルメチルメトキシジメチルシラン等の塩化物・フッ化物
(カチオン性官能基を有する化合物例)
アニリン安息香酸、N,N−ジエチルエタノールアミンやN,N−ジブチルエタノールアミン等のアミノアルコール、3−ジメチルアミノプロピルジエトキシメチルシランのように、末端に反応性官能基とアミンとの両方を持つ化合物、3−(メチルアミノ)プロピルアミン、3−(ジメチルアミノ)プロピルアミンテトラキス(ジメチルアミノ)シラン等のように、末端官能基に2つ以上のアミンを持つ化合物
また、炭素数13以上のアルキル基を有する有機化合物としては、以下のものが特に好ましい。
ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸等の高級脂肪酸およびこれらの塩、イソトリデシルアルコール、セチルアルコール、イソステアリルアルコール等の高級アルコール、オクタデシルイソシアネート、ジメチルオクタデシルクロロシラン
−X−H + Pro−L → −X−Pro + H−L
−X−H + ProNCO → −X−N(H)−C(O)Pro (Rbは、カチオン性官能基、アニオン性官能基、炭素数13以上のアルキル基である)
この場合には、(−X−)に付いた活性水素が、ウレタン結合を有する末端保護基(−N(H)−C(O)Pro)と入れ代わり、活性水素の反応性が低下する。なお、ウレタン結合中の水素原子を、更に他の保護基によって置換することも可能である。
[着色架橋重合体からなる基材粒子の作製]
(加水分解性シリル基を付加させた染料化合物溶液Aの製造)
分子中にアミノ基を有する染料(オリエント工業株式会社製、「VALIFAST BLAK
3810」)10 g、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン4 gおよびメチルエチルケトン100 gを200 ml容のフラスコに仕込み、50 ℃まで昇温して1時間保持した後、冷却した。次いでメタノール4 gを加え、エバポレーションしたところ、加水分解性シリル基を有する染料化合物を含む反応液Aが得られた。
(粒子表面にシラノール基を有する着色架橋重合体粒子Dの製造)
撹拌機、冷却管、温度計およびガス導入管を付けた2000 ml容のセパラブルフラスコにスチレン157 g、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン157 g、ポリビニルピロリドン79 g、メタノール1190 gおよび水21 gを仕込み、窒素気流下で62 ℃まで昇温した。その後、4,4`-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)12 gを投入し、6時間析出重合させることによって、加水分解性シリル基を有する架橋性重合体粒子を含有するスラリーBを得た。該スラリー中に存在する未反応の重合性ビニル単量体を除去したメタノール分散液100 gに対し、前記反応液Aを50 g加え、60 ℃まで加熱した。次いで、架橋触媒としてp-トルエンスルホン酸11.5 gをメタノール50 gに溶解したものを加えて3時間反応させ、冷却、中和した。その後、該スラリーを濾過・洗浄した。さらに、同染色架橋工程を再度行い、着色架橋重合微体粒子Cを得た。該着色架橋重合体粒子Cは、粒子内部に存在する加水分解性シリル基由来のシラノール基を脱水縮合せしめるため、180 ℃で16時間熱処理を行った。これにより粒子表面に加水分解性シリル基由来のシラノール基(分散媒と接しているので結合しなかったもの)を有する着色架橋重合体粒子Dを得た。得られた着色架橋重合体粒子Dの平均粒子径は5.1 μmであった。
(着色重合体粒子Eの製造)
テトラメチロールメタントリアクリレート82 gとジビニルベンゼン31 gとアクリロニトリル37 gとを均一に混合し、これに顔料のアニリンブラック14 gを添加し、ビーズミルを用いて48時間かけて顔料を均一に分散させた。この顔料分散の単量体混合物に、ベンゾイルパーオキサイド2 gを均一に混合し、これを濃度3重量%のポリビニルアルコール水溶液850 gに投入し、よく撹拌し、これをホモジナイザーで粒径が約3〜10 μmの粒子状に懸濁させた。この懸濁液を、撹拌機、冷却管、温度計およびガス導入管を付けた2000 ml容のセパラブルフラスコに移し、窒素気流下で85 ℃まで昇温し、7時間重合反応を行い、さらに90℃で3時間重合反応を行った。その後、重合反応液を冷却し、生成した着色重合体粒子を濾過、洗浄した後乾燥させて、分級処置を施し、平均粒子径5.1μmの着色重合体粒子Eを得た。
比較例1で得られた着色架橋重合体粒子D 10gをメチルエチルケトン30 gに分散し、メタクリロイルイソシアナート3 gを仕込み、室温で30分反応させた後洗浄し、粒子D表面に重合性ビニル基を有する着色架橋重合体粒子Fを得た。また、比較例2の着色重合体粒子Eにおいても、同反応を行い着色重合体粒子Gを得た。
[実施例1]
(ブチルメタクリレートを有するグラフト重合体層を有する着色架橋重合体粒子Hの製造)
該表面に重合性ビニル基を有する着色架橋重合体粒子F 1 gに対して、メチルエチルケトン20 g、ブチルメタクリレート10 g、ベンゾイルパーオキサイド0.2 gを反応器に仕込み、窒素気流下70℃まで昇温した後60分反応させる。その後メチルエチルケトンにより洗浄することにより、表面にブチルメタクリレート重合物からなるグラフト重合体層を有する着色架橋重合体粒子Hを得た。
(2-エチルヘキシルメタクリレートを有するグラフト重合体層を有する着色架橋重合体粒子Iおよび着色重合体粒子Jの製造)
実施例1でブチルメタクリレートの代わりに2-エチルヘキシルメタクリレート10 gを用い、実施例1と同様にして表面に2-エチルヘキシルメタクリレート重合物からなるグラフト重合体層を有する着色架橋重合体粒子Iを得た。また、重合性ビニル基を有する着色架橋重合体粒子Gを、同反応を行い着色重合体粒子Jを得た。
(ステアリルメタクリレートを有するグラフト重合体層を有する着色架橋重合体粒子Kの製造)
着色架橋重合体粒子F 1gに対して、トルエン10g、ステアリルメタクリレート10g、ベンゾイルパーオキサイド0.4gを反応器に仕込み、窒素桐生下80℃まで昇温した後、120分反応させる。その後トルエンにより洗浄することにより、表面にステアリルメタクリレート重合物からなるグラフト重合体層を有する着色架橋重合体粒子Kを得た。
(ブチルメタクリレートとラウリルメタクリレートを有するグラフト重合体層(平均炭素数n = 6.4)を有する着色架橋重合体粒子Lの製造)
実施例1でブチルメタクリレートの代わりにブチルメタクリレート7 gとラウリルメタクリレート3 gを用い、実施例1と同様にして表面にブチルメタクリレートとラウリルメタクリレートとのグラフト共重合体層を有する着色架橋重合体粒子Lを得た。
(ブチルメタクリレートとラウリルメタクリレートを有するグラフト重合体層(平均炭素数n = 8.8)を有する着色架橋重合体粒子Mの製造)
実施例1でブチルメタクリレートの代わりにブチルメタクリレート4 gとラウリルメタクリレート6 gを用い、実施例1と同様にして表面にブチルメタクリレートとラウリルメタクリレートとのグラフト共重合体層を有する着色架橋重合体粒子Mを得た。
(ブチルメタクリレートとステアリルメタクリレートを有するグラフト重合体層(平均炭素数n = 8.2)を有する着色架橋重合体粒子Nの製造)
実施例1でブチルメタクリレートの代わりにブチルメタクリレート7 gとステアリルメタクリレート3 gを用い、実施例1と同様にして表面にブチルメタクリレートとラウリステアリルメタクリレートとのグラフト共重合体層を有する着色架橋重合体粒子Nを得た。
(N-メチルアミノエチルメタクリレートを有するグラフト重合体層を有する着色架橋重合体粒子Oの製造)
重合性ビニル基を有する着色架橋重合体粒子F 1 gに対して、メチルエチルケトン20 g、N-メチルアミノエチルメタクリレート10 g、4,4`-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)0.2 gを反応器に仕込み、窒素気流下70℃まで昇温した後、120分反応させる。その後メチルエチルケトンにより洗浄することにより、表面にN-メチルアミノエチルメタクリレート重合物からなるグラフト重合体層を有する着色架橋重合体粒子Oを得た。
(N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレートを有するグラフト重合体層を有する着色架橋重合体粒子Pおよび着色重合体粒子Qの製造)
参考例1でN-メチルアミノエチルメタクリレートの代わりにN,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート10 gを用い、参考例1と同様にして、表面にN,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート重合物からなるグラフト重合体層を有する着色架橋重合体粒子Pを得た。また、重合性ビニル基を有する着色架橋重合体粒子Gを、同反応を行い着色重合体粒子Qを得た。
(メチルメタクリレートを有するグラフト重合体層を有する着色架橋重合体粒子Rの製造)
実施例1でブチルメタクリレートの代わりにメチルメタクリレート10 gを用い、実施例1と同様にして、表面にメチルメタクリレート重合物からなるグラフト重合体層を有する着色架橋重合体粒子Rを得た。
(p-スチレンスルホン酸ナトリウムを有するグラフト重合体層を有する着色架橋重合体粒子Sの製造)
該着色架橋重合体粒子F 1 gに対して水とn-プロパノールの混合溶媒20 g、p-トルエンスルホン酸ナトリウム10 g、2,2`-Azobis[2-(2-imidazolin-2-yl)]0.2 gを反応器に仕込み、窒素気流下70℃まで昇温した後90分反応させる。その後メタノールにより洗浄することにより、表面にp-トルエンスルホン酸ナトリウム重合物からなるグラフト重合体層を有する着色架橋重合体粒子Sを得た。
(トリフルオロエチルメタクリレートを有するグラフト重合体層を有する着色架橋重合体粒子Tの製造)
実施例1でブチルメタクリレートの代わりにトリフルオロエチルメタクリレート10gを用い、実施例1と同様にして表面にトリフルオロエチルメタクリレート重合物からなるグラフト重合体層を有する着色架橋重合体粒子Tを得た。
(メタクリルアミドとラウリルメタクリレートを有するグラフト共重合体層を有する着色架橋重合体粒子Uの製造)
参考例1で、N−メチルアミノエチルメタクリレートの代わりにメタクリルアミド0.5gとラウリルメタクリレート10gを用い、参考例1と同様にして表面にメタクリルアミドとラウリルメタクリレートを有するグラフト共重合体層を有する着色架橋重合体粒子Uを得た。
(N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレートとラウリルメタクリレートを有するグラフト共重合層を有する着色架橋重合体粒子Vおよび着色重合体粒子Wの製造)
参考例1でN‐メチルアミノエチルメタクリレートの代わりにN,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート0.3 gとラウリルメタクリレート10 gを用い、参考例1と同様にして、表面にN,N-ジメチルアミノエチルメタクリレートとラウリルメタクリレートとのグラフト共重合体層を有する着色架橋重合体粒子Uを得た。また、重合性ビニル基を有する着色架橋重合体粒子Gを、同反応を行い着色重合体粒子Wを得た。
(メチルメタクリレートとラウリルメタクリレートとのグラフト共重合体層を有する着色架橋重合体粒子Xの製造)
実施例1でブチルメタクリレートの代わりにメチルメタクリレート2 gとラウリルメタクリレート8 gを用い、実施例1と同様にして、表面にメチルメタクリレートとラウリルメタクリレートとのグラフト共重合体層を有する着色架橋重合体粒子Xを得た。
(メチルメタクリレートとステアリルメタクリレートとのグラフト共重合体層を有する着色架橋重合体粒子Yの製造)
実施例3でステアリルメタクリレートの代わりにメチルメタクリレート2 gとステアリルメタクリレート8 gを用い、実施例3と同様にして、表面にメチルメタクリレートとステアリルメタクリレートとのグラフト共重合体層を有する着色架橋重合体粒子Yを得た。
(N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレートとブチルメタクリレートとラウリルメタクリレートのグラフト共重合体層を有する着色架橋重合体粒子Zの製造)
参考例1で、N-メチルアミノエチルメタクリレートの代わりに、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート0.3 gとブチルメタクリレート5 gとラウリルメタクリレート5 gを用い、実施例6と同様にして、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレートとブチルメタクリレートとラウリルブチルメタクリレートとのグラフト共重合体層を表面に有する着色架橋重合体粒子Zを得た。
(メタクリルアミドとメチルメタクリレートとステアリルメタクリレートを有するグラフト共重合体層を有する着色架橋重合体粒子AAの製造)
参考例1でN−メチルアミノエチルメタクリレートの代わりにメタクリルアミド0.3gとメチルメタクリレート2gとステアリルメタクリレート8gを用い、参考例1と同様にして表面にメタクリルアミドとメチルメタクリレートとステアリルメタクリレートを有するグラフト共重合体層を有する着色架橋重合体粒子AAを得た。
(トリフルオロエチルメタクリレートとラウリルメタクリレートを有するグラフト共重合体層を有する着色架橋重合体粒子ABの製造)
実施例1でブチルメタクリレートの代わりにトリフルオロエチルメタクリレート9gとラウリルメタクリレート1gを用い、実施例1と同様にして表面にトリフルオロエチルメタクリレートとラウリルメタクリレートを有するグラフト共重合体層を有する着色架橋重合体粒子ABを得た。
(パーフルオロオクチルエチルメタクリレートとラウリルメタクリレートを有するグラフト共重合体層を有する着色架橋重合体粒子ACの製造)
実施例1でブチルメタクリレートの代わりにパーフルオロオクチルエチルメタクリレート2gとラウリルメタクリレート8gを用い、実施例1と同様にして表面にパーフルオロオクチルエチルメタクリレートとラウリルメタクリレートを有するグラフト共重合体層を有する着色架橋重合体粒子ACを得た。
(着色架橋重合体粒子D表面の活性水素を炭素数13未満のアルキル基で置換した着色架橋重合体粒子ADの製造)
5gの着色架橋重合体粒子Dをトルエンとメチルエチルケトンの混合溶液10gに分散させた溶液に、イミダゾール1.2gおよびtert−ブチルジメチルクロロシラン1gを加え、90℃で5時間反応させ、粒子表面のシラノール基および水酸基の活性水素をtert−ブチル基で置換した着色架橋重合体粒子ADを得た。
(着色架橋重合体粒子D表面の活性水素を炭素数13以上のアルキル基で置換した着色架橋重合体粒子AEの製造)
5gの着色架橋重合体粒子Dをトルエンとメチルエチルケトンの混合溶液10gに分散させた溶液に、イミダゾール1.2gおよびジメチルオクタデシルクロロシラン2gを加え、90℃で5時間反応させ、粒子表面のシラノール基および水酸基の活性水素をステアリル基で置換した着色架橋重合体粒子AEを得た。
(着色架橋重合体粒子D表面の活性水素をカチオン性官能基で置換した着色架橋重合体粒子AFの製造)
5gの着色架橋重合体粒子Dをイソプロピルアルコールと水の混合溶液10gに分散させた溶液に、p−トルエンスルホン酸1.2gおよび3−ジメチルアミノプロピルジエトキシシラン1.5gを加え、80℃で6時間反応させ、粒子表面のシラノール基および水酸基の活性水素をカチオン性官能基で置換した着色架橋重合体粒子AFを得た。
(着色架橋重合体粒子D表面の活性水素をアニオン性官能基で置換した着色架橋重合体粒子AGの製造)
5gの着色架橋重合体粒子Dをトルエンとメチルエチルケトンの混合溶液10gに分散させた溶液に、イミダゾール1.2gおよびメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルジクロロシラン1.5gを加え、90℃で5時間反応させ、粒子表面のシラノール基および水酸基の活性水素をアニオン性官能基で置換した着色架橋重合体粒子AGを得た。
[基材粒子をポリマーで被覆]
(アルキル基および長鎖アルキル基の効果)
作製した着色架橋重合体粒子D(基材)および着色重合体粒子E(基材)や表面処理を施した実施例粒子H、I、J、K、L、M、N各1 gを、それぞれ絶縁性透明液体(エクソン化学(株)製アイソパーG)100 gに分散させ、帯電制御剤と分散剤の混合助剤を5 mg加え、分散液を作成した。公知の手法により、図2に示すような電気泳動セルを作成し(セルギャップは50 μmに調製)、この分散液を充填した。このセルにおいては、基板2と上部ガラス基板1との間にセルが形成されている。基板2上に、平面状の第一駆動電極10が形成されており、駆動電極10上に透明絶縁層4が形成されている。透明絶縁層4上に絶縁性分散流体8が充填されており、流体8内に電気泳動用粒子7が分散されている。上部ガラス基板1の内側には第二駆動電極9が形成され、その内側に透明絶縁層4が形成されている。このセルに、電圧100 Vrmsの正弦波・周波数1 Hzで印加し、該粒子を電気泳動させた。結果を表1に示す。
製造した着色架橋重合体粒子D(基材)および着色重合体粒子E(基材)や、表面処理を施した実施例粒子O、P、Q,R、S、T各1 gを、それぞれアイソパーG100 gに分散させ、帯電制御剤と分散剤の混合助剤を5 mg加え、分散液を作製した。この分散液を、図2の電気泳動セルに充填した。このセルに、電圧100 Vrmsの正弦波・周波数1 Hzで印加し、該粒子を電気泳動させた。結果を表2に示す。
表面処理を施した実施例粒子U、V、W、X、Y、Z、AA、AB、AC各1 gを、それぞれアイソパーG100 gに帯電制御剤を2 mg加えて分散させ、分散液を作製した。この分散液を、図2の電気泳動セルに充填した。このセルに、電圧100 Vrmsの正弦波・周波数1 Hzで印加し、該粒子を電気泳動させた。結果を表3に示す。
作製した着色架橋重合体粒子D(基材)の表面にある活性水素を官能基で置換した比較例粒子AD、実施例粒子AE、AF、AG各1gを、それぞれアイソパーG100gに分散させ、帯電制御剤と分散剤の混合助剤を5mg加え、分散液を作製した。この分散液を、図1の電気泳動セルに充填した。このセルに、電圧100Vrmsの正弦波を周波数1Hzで印加し、該粒子を電気泳動させた。結果を表4に示す。
Claims (17)
- 絶縁性分散流体中で電気泳動させるための電気泳動性着色粒子であって、
基材粒子が、側鎖にアルキル基からなる置換基を有する重合体によって被覆されていることを特徴とする、電気泳動性着色粒子。 - 前記アルキル基が、メチル基、エチル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、2-エチルヘキシル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、イソドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基またはベヘニル基を含むことを特徴とする、請求項1記載の粒子。
- 前記重合体が、アルキル基を有するモノマーの一種を重合または二種以上を共重合させることによって得られる重合体であることを特徴とする、請求項1または2記載の粒子。
- 前記モノマーがアルキル(メタ)アクリレートであることを特徴とする、請求項3記載の粒子。
- 前記モノマーが、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレートまたはイソボルニルメタクリレートであることを特徴とする、請求項4記載の粒子。
- 前記アルキル基の炭素数が平均8以上であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一つの請求項に記載の粒子。
- 前記重合体が、前記アルキル基からなる置換基に加えて、カチオン性官能基とアニオン性官能基との少なくとも一方の官能基からなる他の置換基を側鎖に有する共重合体であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一つの請求項に記載の粒子。
- 加水分解性シリル基を有する前記基材粒子を前記重合体によって被覆してなることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一つの請求項に記載の粒子。
- 前記官能基が活性水素を有しないことを特徴とする、請求項7〜9のいずれか一つの請求項に記載の粒子。
- 前記基材粒子と前記重合体とが化学結合していることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一つの請求項に記載の粒子。
- 前記重合体による被覆膜厚が1nm〜300nmであることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一つの請求項に記載の粒子。
- 絶縁性分散流体中で電気泳動させるための電気泳動性着色粒子であって、
基材粒子と、この基材粒子の表面に付着している炭素数13以上のアルキル基からなる置換基とを備えていることを特徴とする、電気泳動性着色粒子。 - 前記基材粒子の活性水素を前記アルキル基によって置換してなることを特徴とする、請求項12記載の粒子。
- 前記アルキル基が、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、オクタデシル基、イソデシル基またはベヘニル基を含むことを特徴とする、請求項12または13記載の粒子。
- 加水分解性シリル基を有する基材粒子を、前記アルキル基を有する有機化合物と反応させてなることを特徴とする、請求項12〜14のいずれか一つの請求項に記載の粒子。
- 変動係数(Cv値)が20%以下であることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一つの請求項に記載の電気泳動性着色粒子。
- 請求項1〜16のいずれか一つの請求項に記載の電気泳動性着色粒子を有する表示素子。
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