JP2606397B2 - プレス性の優れたリードフレーム用銅合金材料 - Google Patents

プレス性の優れたリードフレーム用銅合金材料

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、特にリードフレームを高速精密プレスで打
抜いて製造する所謂スタンピング製法において極めて優
れた打抜き成形性を発揮し得るリードフレーム用銅合金
材料に関するものである。
[従来の技術] 近年、半導体用装置は高機能化、大容量化、高信頼性
化への要求が高まり、例えばICにおいても高集積化ある
いは高密度実装化が進められつつある。
このような半導体装置においてリード素子となるリー
ドフレームが極めて重要な部品となりつつあることはい
うまでもない。半導体用リードフレームとしては、導電
性が良好でなければならないことは勿論であるが、機械
的強度も同時に必要であり、しかも適当な延性を保持す
る上、耐熱性をも要求されるなど、様々な特性を満足す
ることが求められている。
このような背景から、銅系リードフレーム用として種
々な銅合金が開発され、実用に供されている。
[発明が解決しようとする課題] 従来より提案されてきているリードフレーム用銅合金
は、銅の優れた導電性やその比較的良好な機械的性質に
着目するものであり、導電率の低下を小さくししかも機
械的強度を向上させるために、固溶度の小さい元素を合
金として添加し、溶体化加熱処理及びその後の時効析出
処理を行なう種類の銅合金が主流を占めている。そし
て、そのための添加元素の選定や加工技術など数多くの
提案がなされてきた。
そのような銅合金をリードフレームに成形するには、
一部にエッチング法などの提案もなされてはいるもの
の、量産性とコスト低減の上からすれば、高速精密プレ
スによる打抜き成形すなわちスタンピングが主体とな
る。このため、昨今では金型の製造にもCADやCAMを導入
し、微細形状の成形に対応しようとする試みも行なわれ
るようになった。
しかし、そのような金型の製造技術の向上もさること
ながら、リードフレームの多ピン化への志向は非常に強
く、しかもパッケージ化するに当り、素子自体が大型化
しつつあるにも拘らず外形からの全体形状を小型化する
ことが求められるといった実情にあり、微細なパターン
のリードフレームを上記スタンピングによって製造する
ことが要望されるようになった。
しかし、このような現状にも拘らず、リードフレーム
材料自体の打抜き性に着目しさ提案は未だ見られず、プ
レス時の打抜精度の向上やそのための金型の寿命確保に
ついては、専らプレス機械の調整に依存しようとしてい
るのが実情である。
本発明の目的は、上記したような状況にかんがみ、金
型やプレス機械の面からのアプローチによる代りに、プ
レスされる材料そのものに着目し、リードフレームのパ
ターンが微細化しても、優れた打抜き成形性を発揮し、
精度よいプレス性を保持することにより金型の寿命をも
格段に伸ばし得るプレス成形性に優れた新規なリードフ
レーム用銅合金材料を提供しようとするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は、高速精密プレスにより打抜成形して使用す
る銅合金材料自体の特性に着目するものであって、材料
を板状としこれを引張試験により引張破断させた際に、
引張り前の板厚をT、引張りにより破断部が絞られて破
断した後の絞り破断端部の板厚をtとしたとき、との板
厚絞りすなわち(T−t)/Tが80%以下である特性を保
有させるようにしたものであり、そのための具体的な合
金として、Zrを0.01〜0.2重量%含有し、残部が不可避
的なる不純物を含む銅からなり、引張試験における破断
強度が 45kgf/mm2以上、伸びが6%以上であって、かつ破断時
の板厚絞りが80%以下であるような特性を保有させた銅
合金材料を提供するものである。
[作用] 発明者らは、微細精密プレスを可能にすることを検討
するに当り、従来かえりみられなかった材料そのものの
有する特性に着目した。そして、試行錯誤の実験を繰返
す間に、引張試験における破断時の板厚絞りと材料のプ
レス成形性の間に密接な関係のあることを見出した。
種々な実験の結果、板厚絞りが小さいほど優れたプレ
ス性を示すことが判明し、リードフレーム用として精密
微細なプレスを可能にする臨界的板厚絞りが80%にあ
り、それ以下の板厚絞りを保有させることで、効率よく
しかも金型の寿命を大巾に伸ばしてプレス成形し得るこ
とを見出したのである。
[実施例] 以下に、本発明について実施例を参照し説明する。
第2図は、本発明にいう板厚絞りを定義するための説
明図である。
引張り前の板厚がTである板材10より引張試験片を作
製し、これを引張試験機で引張れば、破断部にネッキン
グが生じ、やがてその部分が絞られて行き、ついに破断
に至る。このときの絞り破断部11の厚さをtとする。板
厚絞りとはこのときの板厚差(T−t)の引張り前の厚
さTに対する百分率すなわち(T−t)/Tを%で表した
ものである。
また、第1図は、リードフレーム用銅合金をプレス成
形した場合のプレス破面1の様子を示した説明見取図で
ある。
プレスは、図中上方より行なわれ下方に打抜かれてい
る。プレスの初期から所定の厚さまでは材料の剪断すべ
りによる変形がもっぱら先行し、外観において特有の模
様を示す剪断面1aが形成されるが、全部が剪断変形のみ
で終るのではなく、プレスの後半の所定厚さ部分からは
破断荷重をもって破断せしめられ、いわば機械的に切り
裂かれた状態の破断面1bが形成される。この剪断面1aと
破断面1bとでは、外観的に明らかな差異があり、両者の
境界は肉眼によっても一見明確に区別することができ
る。
プレス成形性の良否とこの剪断面1aおよび破断面1bの
形成割合との間には密接な関係があり、発明者らの研究
によれば、優れたプレス製品を得るには、プレス破面1
に占める剪断面1aが少なく、破断面1bを多く形成し得る
材料を入手する必要のあることがわかった。
発明者らは、この破断面1bの増大ひいては剪断面1aの
減少と、前述した板厚絞りとの間に密接な関係を見出し
本発明に到ったものである。
すなわち、板厚絞りが90%以上といった大きな値を示
すような材料をプレス成形すると、剪断面1aがプレス破
面1の大半を占めるようになり、プレス後のバリの発生
を生じ、プレス金型の摩耗が大きくなって、金型の寿命
を低下させる結果となる。
しかし、板厚絞りの値が次第に小さくなるような段階
的な試料を作製し、各板厚絞りの破断面1bの形成割合と
を詳細に調査したところ、板厚絞りが80%以下になる
と、破断面1bの形成が増大するようになり、プレスバリ
の発生のない良好なプレス成形が可能となることが判明
した。
このような良好なプレス成形の可能となる臨界条件が
板厚絞りにおいて80%程度のところにあり、優れたプレ
ス成形性を得るには板厚絞りが80%以下となるような材
料特性を持たせる必要のあることも、数々の実験により
確認することができた。
一方、リードフレーム材料としての銅合金の応用は、
その高導電性を生かし、トランジスタ用から各種ICへと
その適用が拡大しており、半導体の前述したような高集
積化、高密度化、高信頼性化、コスト低減などの動向か
ら、リードフレーム用銅合金に要求される機能は高強
度、高導電率及び樹脂や半田などの異種材料との高接合
性が重要視されてきている。
銅合金の強度を上げるためには、添加元素及びそれら
の濃度の調整で対応するのが一般的であるが、添加元素
濃度を上げると、導電率さらには異種材料との接合性が
低下する傾向にある。これら相反するニーズを満足する
銅合金の具体的組成として、出願人は先にCu−Zr系合金
を市場に提供し、その優れた特性について高い評価を得
るに至った。
Zrは少量の添加で銅の耐熱性を向上させる効果があ
り、反面添加によって銅の導電率の低下が少ない添加元
素でもあるため、Cu−Zr合金は高い導電率を維持しなが
ら十分な耐熱性を保持させることができる。また、Zrは
銅中に添加すると、Cu3Zrとして微細に析出分布するた
め、強度の改善効果も有する。リードフレーム用として
使用するためには、Zrの添加量として0.01%以下では耐
熱性や強度の向上に効果が少なく、0.2%以上添加した
のでは導電率の低下が大きく好ましくない。
また、引張特性としてはプレス打抜きによりリードフ
レームに成形された後半導体部品の実装工程においてリ
ードの曲がり変形を防止するため一定の強度が必要であ
り、実用上におけるCu−Zr合金では45kgf/mm2以上の強
度を有することが必要である。また、伸びに関しては、
実装後のリードの折り曲げ成形時に曲げ部での折れ、割
れが発生しない十分な伸びが必要とされ、6%以上の伸
びを持つ材料であればこの種の曲げ成形に十分耐え得る
ことが確認された。
上記の如き特性を有するCu−Zr合金において、本発明
においては、さらに板厚絞りが80%以下となる特性を付
与させる。このような特性の付与については、後述する
ように加工度や熱処理条件などを選択するすることによ
りかなりの自在性をもって付与することが可能である。
しかして、Cu−Zr合金の場合には板厚絞りの下限を40%
程度のところに置くようにすることが好ましく、これ以
上にまで板厚絞り特性を低下させると、前記した別な必
要特性である伸び6%を確保することが困難となる。
実施例 酸素含有量が10ppm以下の銅に0.07%のZrを添加したC
u−Zr合金のケークを210mm厚において連続鋳造法にて鋳
造し、これを約800℃に加熱し熱間圧延により10mm厚に
圧延した。さらに両面面削後、中間焼鈍を入れずに冷間
圧延にて0.25mm厚に圧延し400℃×30分熱処理して試験
片とした。この試験片を引張試験により特性を評価した
ところ、引張強さ50kgf/mm2、伸び8%、板厚絞り75%
であった。
この材料をプレス打抜成形し、その破面を調査したと
ころ、全破面に対する破断面の割合は31%と全体の約1/
3を占め、プレスバリも殆んど発生せず優れたプレス性
を示した。
比較例 実施例に用いた10mm厚の熱間圧延材の両面面削後、冷
間圧延にて中間焼鈍を加え乍ら1.0mm厚に圧延し、さら
に焼鈍を加え0.25mm厚まで圧延し供試片とした。この材
料での破断時の板厚絞りは90%であり、プレス成形後の
破断面の割合は15%程度と小さく、若干のプレスバリも
発生し実施例の材料に較べ明らかにプレス性は低下し
た。
上記実施例及び比較例は、途中まで同じ組成及び製造
条件であるが、その後の加工条件を変化させることによ
り、板厚絞りに変化が生じ、プレス性が向上したり低下
したりするようになることが、この実施例と比較例の対
比からよくわかる。これによって、本発明の有する本質
をよく理解し得るであろう。
[発明の効果] 以上詳記の通り、本発明によれば、今後ますますリー
ドフレームのパターンの微細化が進み、リードフレーム
材としての諸特性を十分に保有しつつしかもプレス性に
優れたリードフレーム用材料の開発への期待が大きい折
柄、かかる要望に十分応え得る材料を市場に提供し得る
こととなるものであり、その工業上における価値は極め
て大きなものがある。
【図面の簡単な説明】
第1図はプレス破面の外観見取図、第2図は板厚絞りを
定義するための説明図である。 1:プレス破面、 1a:剪断面、 1b:破断面、 10:板材、 11:絞り破断部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−297430(JP,A) 特開 昭63−312934(JP,A) 特開 昭54−104597(JP,A) 特開 平1−279722(JP,A) 特公 昭52−36731(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Zrを0.01〜0.2重量%含有し、残部が不可
    避的なる不純物を含む銅からなり、引張試験における破
    断強度が45kg/mm2以上、伸びが6%以上であって、かつ
    破断時の板厚絞りが80%以下である特性を保有せしめて
    なるプレス性の優れたリードフレーム用銅合金材料。
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