JPH08333263A - 動物成長促進剤 - Google Patents
動物成長促進剤Info
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Abstract
することを特徴とする動物用成長促進剤。 【効果】 本発明の成長促進効果を有するバチルス・バ
ディウスの胞子を家畜、家禽、魚類等の動物の幼体に直
接経口投与または飼料添加投与することにより、安全に
かつ健康的に当該動物の成長を促進する。
Description
(Bacillus badius)に属する微生物を含有してなる動物
用成長促進剤に関する。
早い生育速度をもって家畜を生産することが要求され、
かかる目的のため、これまでに種々の物質が飼料添加物
として利用されている。例えば、ビタミンA、ビタミン
Dのようなビタミン類あるいはリパーゼ、プロテアー
ゼ、セルラーゼ、アミラーゼのような酵素類などととも
にナイカルバジン、テトラサイクリン、バシトラシンの
ような抗菌性物質が広く用いられるに至った。現在の完
全配合飼料はこれら動物の成長速度を増大する各種物質
が強化され、利用率の高い飼料が用いられている。しか
し、酵素類についてはその効果が飼育条件、飼料組成、
飼料粉砕度により大きく変動し、常に一定した効果は期
待できない現状にある。また抗菌性物質については、副
作用の発現、食肉等への残留の問題、耐性菌の出現とそ
れによる環境への影響の問題等により使用上の規制が強
められ、使用範囲は限定、縮小される傾向にある。
物が消化吸収あるいは各種病原菌に対する抵抗性の点で
重要な意義を有するものであることは古くから知られて
いる。例えば動物の腸内正常菌叢を構成する細菌の中か
ら特定のものを取り出し整腸剤として、または成長促進
剤として用いることが乳酸菌製剤などの形で古くから試
みられている。これら乳酸菌の多くは好気的条件の飼料
中では極めて生存しにくいか、長期の安定性には乏し
い。また経口投与後は胃酸によりその多くが死滅し、実
際効果を発揮する為には多くの菌体を経口投与する必要
がある。
について臨床的効果を有し、全く病原性を示さない微生
物を土壌より分離し、この微生物を培養し製剤化する方
法が報告されている。これらの微生物の菌種は飼料中に
おいて安定した製剤とする必要上、主としてバチルス
属、クロストリジュム属、あるいは有胞子乳酸菌などの
胞子形成細菌が有効に用いられる。このような生菌の経
口投与に関してはバチルス・セレウスT−7122株に
よる動物用生育促進剤(特開昭49−11669号公
報)、バチルス・リケニホルミスMN−001株(特開
昭59−192086号公報)などがある。現在このよ
うな生菌を経口投与する微生物製剤は生菌剤またはプロ
バイオティックとよばれる。これら生菌剤は、家畜が夏
期の高温時や衛生上劣悪な飼育条件に陥ったした場合特
にその効果を発揮するといわれるが、常に一定の効果を
期待できないのが現状である。
優れた新規動物成長促進用飼料添加物、またこれを含む
飼料を用いた動物の成長を促進する方法を提供すること
にある。
る数々の微生物を静岡県田方郡田中山の山林や畑土壌を
分離源として多くの微生物を単離し、それらの性質につ
いて鋭意研究した結果、バチルス・バディウスに属する
新規な微生物が脱臭効果を有することを発見した(特願
平5−312082号明細書)。そして本菌株をマウ
ス、ラット、兎等の実験動物に強制経口投与及び飼料混
合し給餌したところ、成長促進効果があることを見い出
した。さらに豚、牛、ニワトリ等の家畜、家禽おいても
経口投与及び飼料混合し給餌したところ動物の生育促進
効果を有するものであることを確認し、そこで上記目的
を達成するために鋭意研究をおこなった結果、この微生
物の菌体及び芽胞を動物に投与することで成長促進効果
があることを見いだし本発明を完成させた。
し、飼料や製剤化した動物用経口投与用組成物中におい
て、また飼育環境中において高い安定性を確保すること
で完成されたものである。本発明は上記の知見に基づい
てなされたもので、バチルス・バディウスに属する微生
物を含有することを特徴とする動物用成長促進剤であ
る。
禽、魚類などの動物があげられ、詳しくは、豚、牛、ニ
ワトリ、鹿、ウサギ、山羊等の家畜、猿、マウス、ラッ
ト、モルモット等の実験動物、コイ、ウナギ、鮎、ギン
ザケ、タイ、ハマチ、ヒラメ等の各種魚類のであり、特
に好ましくは幼体からの成長の著しい期間を対象とす
る。
続投与がよく、好ましくは成長期を通して家畜の飼料に
添加して投与する恒常的な連続投与がよい。本発明のバ
チルス・バディウスを含有する成長促進剤の投与量は、
飼料1gあたり1×105 個以上の胞子菌体を経口投与
する。好ましくは飼料1gあたり1×106 個以上の胞
子菌体を経口投与する。
あたり1×106 個/kg体重/日以上を投与する。本
発明のバチルス・バディウスに属する微生物はバチルス
属に属する好気性細菌であり、自然より単離した菌ばか
りでなく、その変異株も有効に用いる。中でも好ましい
一例としての微生物は、本発明者が見い出したバチルス
・バディウスMA001(特願平5−312082号明
細書)株をあげることができ、成長促進効果を失わない
限りその変異株であってもよい。
方法については以下に述べるとおりである。この菌株を
バージェーズ・マニュアル・オブ・システマテックバク
テリオロジー、第2刊「BERGEY's MANUAL of Systemati
c Bacterolgy Volume2」、「微生物の分類と同定(長
谷川武治編、学会センター刊)」、「新細菌培地学講座
−下−〈第二版〉近代出版」、「医学細菌同定のてび
き、第2版(Manual forthe IDENTIFICATION OF MEDICA
L BACTERIA 2nd ed. S.T.Cowan)、近代出版」に記載の
方法と培地を用いて菌学的性質を標準株であるバチルス
・バディウス(Bacillus badius)IAM11059株と
比較して検討したところ、次のような所見が得られた。
・バディウスIAM11059との各所見の比較につい
て、形態的所見を表1に、各培地における生育形態所見
を表2に、生化学的所見を表3および表4に、糖発酵性
(利用性)を表5に示した。
を用いて、37℃、72時間培養の好気条件で培養した
ときの形態的所見)
l.,52:461 、 Citrete (S);Simmons(1926):J.J.Infect.Dis.,2
9:209、 Citrete (S);Christensen(1949):Reseach Bulleti
n,Greeley,Colo.,Weld..County Health Dept.,1:3、
アル・オブ・システマテック・バクテリオロジー、第2
刊「BERGY's MANUAL of Systematic Bacterolgy Volume
2」および「微生物の分類と同定(長谷川武治編、学会
センター刊)」に記載の方法と培地を用いて菌学的性質
を検討したところ、次のような所見が得られた。上記文
献記載の内容に照らし検索した結果、本発明の菌株MA
001株はバチルス・バディウスに属する菌株であるバ
チルス・バディウスIAM11059株と同じ菌学的性
質を有することが判明したが、上記の様に比較した場合
に、バチルス・バディウスIAM11059株と本菌株
バチルス・バディウスMA001とは下記の相違点が見
られた。 (a) 10%脱繊維血液添加ハートインフュージョン寒天
培地でのウマ脱繊維血液添加培地では良好に成育するが
溶血反応はない。しかしウサギ脱繊維血液添加、ヒツジ
脱繊維血液添加で作った寒天培地では成育しない。 (b) LV反応を行う卵黄添加ハートインフュージョン寒
天培地では成育しない。 (c) 糖類の資化性がない。 (d) ゲラチン分解性、デンプン分解性がない。
1株がバチルス・バディウスに属する公知の菌とは異な
る菌株と判断しバチルス・バディウスMA001株と命
名し、工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託(FE
RM BP−4493)した。ついでバチルス・バディ
ウスMA001株を培養するにあたって、培養基には特
に制限がなく、また通常知られている微生物の公知の培
養法、例えば有機栄養源および無機栄養源を含有する一
般微生物の水性栄養培地中で好気条件下で培養すること
ができる。
使用される多数の栄養培地のいずれであってもよく、例
えば、肉汁、酵母エキス、ペプトン、牛脳および心臓抽
出などの有機栄養源にナトリウム、カリウム、マグネシ
ウム、カルシウム、マンガン、コバルト、亜鉛、鉄、塩
素、炭酸、硫酸、硝酸、燐酸などのイオンを生成しうる
可溶性塩からなる無機栄養源などを適宜含有する培地が
好ましい。更に必要に応じて、微生物の成育に必要な各
種の有機栄養源、無機栄養源などを培地に添加すること
ができる。胞子形成が困難である場合にはカリウムイオ
ン、マグネシウムイオン、カルシウムイオンまた更には
銅イオンなどの胞子形成促進因子を適宜培地に添加すれ
ば良く、また貧栄養培地を用いてもよい。
(酸産性)において示したとおり、糖の利用性には制限
があり、好ましくは炭素源として培地中に0.05〜5
%濃度で添加した臭気物質である炭素数1〜10、好適
には炭素数2〜8までの低級〜中鎖脂肪酸などの有機酸
類とその可溶性塩を、窒素源としてアンモニュウム塩の
使用がよい。
株は、静置培養も可能であるが、好ましくは前記のよう
な液体培地に直接菌体を接種して培養するのがよい。培
養は好気的条件が好ましく、振盪培養機等の培養装置を
用いて培養できる。培養温度は、微生物が発育しうる範
囲内で適宜設定されるが、通常15〜45℃、好ましく
は25〜38℃である。
囲内で適宜設定されるが、通常pH5〜10、好ましく
はpH7〜9で調整される。培養時間は、使用する培地
の種類と濃度により異なるが、例えば24時間〜100
時間程度であって胞子形成が完了する時期に培養を終了
すればよい。好ましくは、36〜72時間程度である。
001株を有効成分とする動物用成長促進剤を製造する
にあたって、まず上記培養物から培養された栄養細胞、
内生胞子含有栄養細胞または胞子の菌体を、通常の遠心
分離等の分離方法やメンブランフィルター等を用いる膜
分離方法で培地と菌体とを分離し菌体を得る。この場合
培養方法によっては栄養細胞と胞子が同時に混入してく
るが、これをあえて分離、除去する必要はない。
には、例えば該培養物に対しリゾチームなどの微生物細
胞壁溶解酵素を作用せしめて栄養細胞を溶菌した後遠心
分離などの操作を施せばよい。また栄養細胞のみを殺菌
する方法で、具体的には70%アルコール溶液での殺菌
処理や60〜95℃程度の加熱処理により栄養細胞のみ
を殺菌し、胞子だけを調整できる。
くはその胞子は、従来の細菌製剤調整の常法手段に従っ
て水洗後、水に懸濁しこれを濃縮するか或いは適宜希釈
剤、結合剤などの添加物を混合して胞子の死滅しない条
件で乾燥菌体を含む経口投与用組成物とする。乾燥方法
は胞子の死滅しないいかなる方法でもよく、例えば乾燥
菌体として使用するときには、凍結乾燥や通風乾燥、噴
霧乾燥、真空乾燥などの方法が挙げられる。また本生菌
剤の製剤の形態はどのようなものでもよく、例えば、液
状、粉末状、顆粒状、錠剤状などの形が上げられる。菌
体を乾燥させずに使用するときには、菌体の懸濁状態或
いはペースト状などの形が挙げられる。
ト、発泡コンクリート等の吸水性添加物を混合し水分を
調整し、または水分を除去して固形状の乾燥菌体を得て
粉末状や顆粒状または錠剤状として使用する方法も挙げ
られる。何れの場合も添加物は使用してもしなくても良
い。経口投与用組成物とする場合の賦形剤としては公知
のものが何れでも使用できる。例えば、水に可溶なもの
としては、ブドウ糖、乳糖、サイクロデキストリン、オ
リゴ糖または可溶性澱粉等の糖質、アルブミン、カゼイ
ン等の蛋白質または塩類が使用され、水に不溶なものと
しては、澱粉、フスマ、オガクズ、バカス等の澱粉類、
セルロース、キチン、ゼラチン等を主成分とする天然の
材料、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸マグネシ
ウム、活性炭、白砂、けい藻土、ガラス等の無機材料が
挙げられる。また本発明の菌体はポリアクリルアミド、
塩化ビニル、ナイロン、ウレタン、ポリエステル等の高
分子材料に固定化して適宜な形状として用いることがで
きる。
において、本発明の菌体は適宜な含有量を調整すればよ
く、例えば動物用経口投与組成物1gあたり1×105
から1×1012個/gの生菌として調整すればよい。本
発明の経口投与用組成物の使用方法は、何れの方法でも
良く、例えば、飼料中に混合して投与したり、飲水やミ
ルクに懸濁した液状で投与することもできる。
料中に添加したものとしてもよく、例えばバチルス・バ
ディウスMA001株の胞子の飼料への添加は、適用す
る動物において限定されることはなく、任意の量で動物
飼料、例えば犬、猫等のペット、豚、牛、ニワトリ、
鹿、ウサギ、山羊等の家畜、猿、マウス、ラット、モル
モット等の実験動物、ゾウ、ライオン等の動物、金魚、
うなぎ、鮎、ギンザケ、タイ、ハマチ、ヒラメ等の各種
魚等の天然もしくは人工飼料に添加したものとして使用
すればよい。
料添加の場合は、飼料1gあたり1×105 個以上の胞
子細胞を添加する。好ましくは飼料1gあたり1×10
6 個以上の胞子細胞を添加する。 各動物への本発明の
経口投与用組成物の投与量は動物体重1kgあたり1×
106 個/kg体重/日以上を投与する。
体的に説明するが、本発明はなんらこれらによって限定
するものでない。
トリウム5g、プロピオン酸1ml、n−酪酸1ml、
リン酸アンモニウム2gを1000mlの純水に溶解
し、pH7.5に調整した液体培地を作成した。500
ml容量の三角フラスコにこの液体培地を100ml分
注し、オートクレーブ滅菌後、バチルス・バディウスM
A001株のコロニーを白金耳を用いて接種し、37
℃、24時間振盪培養を行ない種菌を得た。30L容量
のジャーファメンターに20Lの上記培地を仕込み、種
菌20mlを接種して37℃で48時間培養し培養物を
得た。これにより得られた培養物を顕微鏡で観察し80
%以上の胞子を含む菌体を確認後、遠心分離によって集
菌し、滅菌生理的食塩水にて菌体を2回洗浄し、その後
凍結乾燥により乾燥胞子菌体を調整した。この粉末乾燥
菌体の生菌数は1g当り1×1011個であった。
(1gあたり1×1011個)を得て安定性試験を行なっ
た。試験区1は粉末乾燥胞子菌体をサンプルとし、試験
区2は粉末乾燥胞子菌体を1gあたり1×106 個の生
菌数となるように子豚試験用標準飼料に混合したものを
サンプルとした。試験サンプルはポリエチレン内装4層
クラフト袋に充填して25℃の条件の恒温器にて保存
し、生菌数を測定した。試験区1は24ヵ月間での生菌
数を、試験区2は6ヵ月間までの生菌数を測定した。
生菌数の測定方法は、測定サンプルを0.9%滅菌生理
的食塩水にて10倍希釈法にて希釈して、0.1mlを
シャ−レ内の寒天平板にコ−ンラ−ジ棒にて塗り広げ
た。寒天平板培地は1%大豆ペプトン(DIFCO社製
品)、0.5%酵母エキス(DIFCO社製品)、0.
5%NaCl、2%寒天、pH7.5の組成にて調整し
た。37℃の恒温器により48時間培養したのち寒天上
のコロニ−を数え、希釈倍数を掛けて生菌数とした。
体は24ヵ月間安定に存在し、飼料中においても6ヵ月
間長期安定であった。
001株の胞子菌体の強制経口投与による飼育試験を実
施した。飼育条件を、飼育温度22℃(±0.5℃)、
自由給水、ラット飼育繁殖固形型飼料による自由給餌に
よって1週間の予備飼育の後、外観や行動の異常の無い
ことを確認したラット(SDラット:日本クレア株式会
社、オス、導入時200g)を用いて、1ゲージ当り1
0匹ずつを導入し3つの試験区を設定した。試験区1は
1×107 個/匹/日の投与、試験区2は1×108 個
/匹/日の投与、試験区3は対照区として滅菌生理的食
塩水を投与した。
末乾燥菌体を投与区の生菌数となるように滅菌生理的食
塩水にて懸濁して調整した。投与方法は、1日一回、1
匹当り1ml量をラット用経口ゾンデにより強制経口投
与した。 試験期間は3週間とし、1週間ごとに体重を
測定した。バチルス・バディウスMA001株の胞子を
強制経口投与した結果、いずれの投与群においても死亡
はなく、症状観察においても試験区1及び2では、対照
区と比較して、病気、下痢等の異常な変化は見られなか
った。
示した。
て増加傾向が見られ、2区では更に増加する傾向が見ら
れた。この結果よりバチルス・バディウスMA001株
の胞子には経口投与によって著しい成長促進効果が示さ
れた。
001株の胞子菌体の経口投与による飼育試験を実施し
た。飼育条件を、飼育温度22℃(±0.5℃)、自由
給水、自由給餌によって1週間の予備飼育の後、外観や
行動の異常の無いことを確認したラット(SDラット:
日本クレア株式会社、オス、導入時200g)を用い
て、1ゲージ当り10匹ずつを導入し4つの試験区を設
定した。給与飼料はラット飼育用飼料を用いて、製造方
法例の方法で調整したバチルス・バディウスMA001
の胞子乾燥菌体を混合しペレット状に加工した。試験飼
料ペレットは3種類調整し、飼料1はバチルス・バディ
ウス胞子の生菌数を1×105 個/g、飼料2は1×1
06 個/g、飼料3は2×107 個/gの生菌数となる
ようにそれぞれ調整し、飼料4として無添加飼料を対照
として調整した。試験期間は3週間とし、1週間ごとに
ラットの体重を測定した。
経口投与した結果、いずれの投与群においても死亡はな
く、症状観察においても飼料1、2及び3をそれぞれ給
与した試験区では、無添加対照区と比較しても病気、下
痢等の異常な変化は見られず、ラットの毛に艶が増し
た。体重の推移及び増加率においては、表8に示した。
区と比較して増加傾向が見られ、3区では更に増加する
傾向が見られた。この結果よりバチルス・バディウスM
A001胞子には著しい成長促進効果が示された。
01胞子菌体の経口投与による飼育試験を実施した。試
験動物は体重700g〜800g(5週令)の兎(品
種:日本白色種)雄15羽を導入し1週間予備飼育した
後、1区当り5羽で3区設定し試験に供試した。飼育は
一匹ごとのゲージ内飼育とし、飼料及び飲水は自由摂
取、不断給餌とした。飼料は兎飼育用飼料を用いて、参
考例1の方法で調整したバチルス・バディウスMA00
1胞子乾燥菌体を混合しペレット状に加工した。試験飼
料は3種類調整し、飼料1はバチルス・バディウス胞子
の生菌数を2×106 個/g、飼料2は2×107 個/
gの生菌数となるようにそれぞれ調整し、飼料3として
無添加飼料を対照として調整した。
時の3倍程度になるまで)給餌した。バチルス・バディ
ウスMA001の胞子を給餌した結果、いずれの投与群
においても死亡はなく、本菌株を投与した試験区1及び
2では、対照区と比較してウサギの毛に艶が増し、症状
観察においても異常な変化は全く見られなかった。
示した。
増加傾向が見られ、2区では更に増加する傾向が見られ
た。この結果よりバチルス・バディウスMA001の胞
子には成長促進効果が示された。
初雛(平均体重45g)雄雌、各50羽を2日間予備飼
育後、雌雄が同数となるよう2区に分け、体重にばらつ
きの無いことを確認した(各試験区の平均体重は50g
であった)。これに試験用飼料ブロイラー肥育前期用標
準飼料を4週間給餌した。飼育環境は4週齢までバタリ
ー飼育(保温飼育:35±2℃)した。試験区には、前
記配合飼料に参考例1で示した方法で作製したバチルス
・バディウスMA001株の胞子乾燥菌体を炭酸カルシ
ウムを賦形剤として混合し、1g当り1×109 個の生
菌数となるよう乾燥菌体を調整した。これをブロイラー
試験飼料に1g当り1×106 個の生菌数となるように
混合し、対照の無添加ブロイラー試験飼料には同量の炭
酸カルシウムを添加した飼料をそれぞれ給餌した。飼育
は給水器による自由給水、また餌は不断給餌で絶えず餌
が残っている状態を維持した。
した。
のを100%として算出したものである。表10の結果
から明らかなように、4週間の飼養の結果、無添加対照
区にくらべて17%もの体重の増加が認められた。また
試験区のブロイラー糞の臭気が、対照区の糞と比べ著し
く低下していることが官能検査により確認された。
ドレース、雌雄各10頭)を、試験区及び対照区の2区
に各10頭づつを豚房に分けた。豚の飼育方法は以下の
通りとした。飼育環境は個室の無窓豚舎であり、換気扇
にて換気をおこなった。餌は子豚用標準飼料にて飼育し
た。
る状態とし、給水は給水器による自動給水とした。試験
区には、参考例1と同様の方法にて調整したバチルス・
バディウスMA001粉末乾燥菌体を炭酸カルシウムを
賦形剤として混合し、1g当り1×109 個の生菌数と
なるよう乾燥菌体を調整した。これを豚試験飼料に1g
当り1×106 個の生菌数となるように混合し、対照の
無添加豚試験飼料には同量の炭酸カルシウムを添加した
飼料をそれぞれ給餌した。
表11のようにバチルス・バディウスMA001菌体を
添加した試験区の豚は対照区と比較して明らかな成長促
進効果がみられた。また本発明菌体胞子を投与した試験
区は著しい糞臭気の低下が官能試験において確認され
た。
1区あたり雌雄2頭、計4頭の飼育区を2区設け、それ
ぞれ試験区及び対照区とした。各試験区に表12に示す
配合割合の代用乳及び哺乳期子牛育成用飼料を35日齢
まで給餌して飼育した。
ィウスMA001胞子菌体を乳糖混合物として添加し、
対照区飼料には同量の乳糖を添加した。添加量はバチル
ス・バディウスMA001胞子菌体が代用乳1gあたり
1×107 個となるよう添加しペレット状に加工した。
35日齢まで給餌、飼育した結果を表13に示した。
ス・バディウスを胞子菌体を添加した試験区子牛は大幅
な増体効果がみられた。また本発明菌体胞子を投与した
試験区は著しい糞臭気の低下が官能試験において確認さ
れた。
0尾を飼養している小割漁網生簀を2生簀用い、それぞ
れ試験区及び対照区とした。餌料の給与期間は30日間
で、対照区には市販のハマチ用配合飼料とイワシのミン
チを1:1で混合したモイストペレットを、試験区には
それにさらにバチルス・バディウスMA001胞子菌体
を餌料1gあたり1×107 個となるように添加したも
のを給与した。試験期間中の水温は24〜26℃であっ
た。
肉係数についての結果を示した。
を餌料に添加した試験区は対照区に比べ増体量及び増肉
係数において対照区と比較し優れていた。
・バディウスの胞子を家畜に直接経口投与または飼料添
加投与することにより、安全にかつ健康的に家畜の成長
を促進する。例えば、犬、猫等のペット、牛、豚、鶏、
ウサギ、鹿、山羊等の家畜、猿、マウス、ラット、モル
モット等の実験動物等の動物に広く有効である。
れるが、保存安定性および飼料中安定性に優れるため、
家畜飼料が保管される際の過酷な条件においても良好に
保存され、夏場や気温の高い地域等のにおいても確実に
効果を発揮する。
Claims (8)
- 【請求項1】 バチルス・バディウスに属する微生物を
含有することを特徴とする動物用成長促進剤。 - 【請求項2】 バチルス・バディウスに属する微生物
が、バチルス・バディウスMA001(FARM BP
−4493)株である請求項1記載の動物用成長促進
剤。 - 【請求項3】 バチルス・バディウスが、胞子化菌体で
ある請求項1記載の動物用成長促進剤。 - 【請求項4】 バチルス・バディウスが、動物用経口投
与組成物の1グラム当り105 〜1010個含有してなる
請求項1記載の動物用成長促進剤。 - 【請求項5】 動物用経口投与組成物が、バチルス・バ
ディウスを有効菌としてなる豚用飼料添加物である請求
項4記載の動物用成長促進剤。 - 【請求項6】 動物用経口投与組成物が、バチルス・バ
ディウスを有効菌としてなる鶏用飼料添加物である請求
項4記載の動物用成長促進剤。 - 【請求項7】 動物用経口投与組成物が、バチルス・バ
ディウスを有効菌としてなる牛用飼料添加物である請求
項4記載の動物用成長促進剤。 - 【請求項8】 動物用経口投与組成物が、バチルス・バ
ディウスを有効菌として液状投与用である請求項1記載
の動物用成長促進剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14038195A JP3180886B2 (ja) | 1995-06-07 | 1995-06-07 | 動物成長促進剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP14038195A JP3180886B2 (ja) | 1995-06-07 | 1995-06-07 | 動物成長促進剤 |
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