JPH08333138A - 低反射性熱線遮蔽ガラス - Google Patents

低反射性熱線遮蔽ガラス

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JPH08333138A
JPH08333138A JP7137618A JP13761895A JPH08333138A JP H08333138 A JPH08333138 A JP H08333138A JP 7137618 A JP7137618 A JP 7137618A JP 13761895 A JP13761895 A JP 13761895A JP H08333138 A JPH08333138 A JP H08333138A
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JP
Japan
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glass
low
heat ray
shielding
reflectance
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Application number
JP7137618A
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English (en)
Inventor
Akira Fujisawa
章 藤沢
Takashi Uchino
隆司 内野
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 反射光害、低耐候性というような欠点がな
く、低反射性を示すとともに高熱線遮蔽性を示し、グリ
ーン系やグレー系の色調を有する低反射性熱線遮蔽ガラ
スを提供する。 【構成】 ガラス基板と、このガラス基板の一方の主表
面に形成された酸化物の被膜からなる低反射性熱線遮蔽
ガラスであり、前記ガラス基板の厚みを6mmとしたと
き、前記ガラス基板上に被膜が形成されていない主表面
から測定したC光源における可視光反射率が20%以下
であり、且つ基準となる3mmのフロートガラスの日射
熱取得率に対する前記低反射性熱線遮蔽ガラスの日射熱
取得率の比(遮蔽係数)が0.5以下であることを特徴
とする低反射性熱線遮蔽ガラスである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低反射性熱線遮蔽ガラ
スに関する。さらに詳しくは、建築物あるいは自動車、
車両の窓部への使用に適した低反射率を有する熱線遮蔽
ガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、冷房負荷の軽減或いは太陽光線熱
暑感の低減を目的に、熱線反射ガラスが建築物あるいは
自動車、車両等に対して広く用いられてきている。
【0003】ここで、熱線反射ガラスとは通常のソーダ
ライム組成のガラス板表面に、錫の酸化物、金属クロム
の多層膜、チタンの酸化物、窒化物の多層膜等を形成
し、その光干渉効果を利用して表面反射率を高め、太陽
エネルギーを反射することで建築物内あるいは自動車、
車両内への太陽輻射エネルギーの流入を抑制するもので
ある。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】前記従来の熱線反射
ガラスでは、透過率を低くするとともに反射率を高くす
ることにより熱線遮蔽効果を得ているが、可視光反射率
を増大させると太陽光線の反射によるぎらつきを招き、
周辺のビル、住宅に反射光害を引き起こすという問題を
生じていた。
【0005】また、これらの薄膜はガラス基板に対する
付着力が小さく耐侯性に劣るため、大気中の熱、光、水
分、ガス等により劣化し易く、充分な寿命を有するもの
は得られていない。
【0006】本発明は、上記した従来技術の問題点に鑑
みなされたものであって、反射光害、低耐候性というよ
うな欠点がなく、低反射性を示すとともに高熱線遮蔽性
を示し、グリーン系やグレー系の色調を有する低反射性
熱線遮蔽ガラスを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、ガラ
ス基板とこのガラス基板の一方の主表面に形成された酸
化物の被膜からなる低反射性熱線遮蔽ガラスであって、
前記ガラス基板の厚みを6mmとしたとき、前記ガラス
基板上に被膜が形成されていない主表面から測定したC
光源における可視光反射率が20%以下、好ましくは1
5%以下であり、且つ基準となる3mmのフロートガラ
スの日射熱取得率に対する前記低反射性熱線遮蔽ガラス
の日射熱取得率の比(遮蔽係数)が0.5以下、好まし
くは0.47以下であることを特徴とする低反射性熱線
遮蔽ガラスである。ここで、基準となる3mmのフロー
トガラスとは、着色成分を全く含んでいない3mmのフ
ロートガラスをいう。
【0008】また本発明に用いるガラス基板としては低
反射性熱線遮蔽ガラスが用いられ、その基礎組成がソー
ダ石灰シリカ系であり、着色成分としては重量%で表示
して0.75〜2.20%で、且つFeO/全酸化鉄の
比が0.13〜0.30のFe23 に換算した酸化
鉄、0.45〜2.30%のTiO2、0.001〜
0.020%のCoO、0〜0.5%のCr23、及び
0〜1.0%のCeO2 からなるのが好ましい。
【0009】また、前記着色成分のより好ましい範囲と
しては、0.75〜2.00%で、且つFeO/全酸化
鉄の比が0.14〜0.28のFe23に換算した酸化
鉄、0.90〜1.80%のTiO2、 0.010〜
0.020%のCoO、0〜0.1%のCr23、及び
0〜1.0%のCeO2である。
【0010】次に、本発明のガラス基板の組成限定理由
について説明する。但し、以下の組成は重量%で表示し
たものである。
【0011】SiO2はガラスの骨格を形成する主成分
である。SiO2が65%未満ではガラスの耐久性が低
下し、80%を越えるとガラスの溶解が困難になる。
【0012】Al23はガラスの耐久性を向上させる成
分であるが、5%を越えるとガラスの溶解が困難にな
る。好ましくは0.1〜2%の範囲である。
【0013】B23はガラスの耐久性向上のため、及び
溶解助剤として使用されるが、ガラスに含有されなくて
もよい。B23が5%を越えるとB23の揮発等による
成形時の不都合が生じるので、5%を上限とする。
【0014】MgOとCaOはガラスの耐久性を向上さ
せるとともに、成形時の失透温度、粘度を調整するのに
用いられる。MgOが10%を越えると失透温度が上昇
する。CaOが5%未満または15%を越えると失透温
度が上昇する。MgOとCaOの合計が5%未満ではガ
ラスの耐久性が低下し、15%を越えると失透温度が上
昇する。
【0015】Na2OとK2Oはガラスの溶解促進剤とし
て用いられる。Na2O が10%未満あるいはNa2
とK2Oとの合計が10%未満では溶解促進効果が乏し
く、Na2Oが18%を越えるか、またはNa2OとK2
O の合計が20%を越えるとガラスの耐久性が低下す
る。K2OはNa2Oに比して原料が高価であるため5%
を越えるのは好ましくない。
【0016】ガラス中の酸化鉄はFe23とFeOの状
態で存在する。全酸化鉄がFe23に換算して0.75
%未満では紫外線及び赤外線の吸収効果が小さく、可視
光透過率が高くなる。他方、2.2%を越えると酸化第
一鉄の有する熱線吸収効果によりガラスメルトの素地上
部の温度が上昇し、その輻射熱により溶解槽天井部の迫
温が煉瓦の耐熱温度以上になる恐れがあるため好ましく
ない。なお、より好ましい範囲は0.75〜2.0%で
ある。
【0017】以上述べた全鉄量のもとで、所望の全太陽
光エネルギー吸収能及び可視光吸収能を得るためには、
FeO/全Fe23の比の下限を0.13以上、より好
ましくは0.14以上とし、上限を0.3以下、より好
ましくは0.28以下にすることが重要である。しか
し、この比が0.30を越えると、FeOの絶対量が増
えすぎ、ガラス溶解槽迫部の温度が上昇しすぎるので好
ましくない。
【0018】TiO2は紫外線吸収成分として用いられ
る。TiO2の濃度が0.45%未満では十分な紫外線
吸収能が得られず、2.3%を越えると可視光線の短波
長側の吸収が大きくなりすぎガラスが黄色味を帯びるた
め、所望の色調が得られなくなる。なお、より好ましい
範囲は0.9〜1.8%である。
【0019】CoOはTiO2 の共存時においてグリー
ン系の色調を得るために、また可視光透過率を低減する
ための必須の成分である。上述のように、TiO2 の添
加量を増加させてゆくと、ガラスの色が緑色から黄緑色
又は黄色に変化する。このようなTiO2 の添加による
ガラスの黄色系色調への変化は、CoOの添加により抑
制することが可能である。しかし、CoO濃度が10p
pm未満ではその抑制効果が小さすぎ、他方200pp
mを越えるとガラスが青色系の色調へ変化するので好ま
しくない。なお、より好ましい範囲は100〜200p
pmである。
【0020】Cr23もグリーン系色調を得るための成
分であるが、ガラスの溶解性の観点から0.5%以下に
抑えるのが望ましく、さらに好ましくは0.1%以下で
ある。
【0021】CeO2は紫外線吸収成分である。しか
し、CeO2の濃度が1.0%を越えると可視光線の短
波長側の吸収が大きくなりすぎ、ガラスが黄色味を帯び
るため所望の緑色系の色調が得られなくなるばかりでな
く、ガラス製造のコストが上昇するので好ましくない。
【0022】以上の組成からなるガラス基板上に、以下
に述べる被膜を形成することにより可視光反射率の低い
熱線遮蔽ガラスを得ることができる。
【0023】すなわち、前記ガラス基板の一方の主表面
に形成される被膜は、可視光域に強い吸収能を有するコ
バルトの酸化物を主体とし、鉄、クロム及びニッケルの
うち少なくとも1つを含む酸化物の混合物からなる酸化
物被膜、可視光の赤色域から近赤外域に吸収能を有する
錫の酸化物とアンチモンの酸化物の混合物からなる被
膜、またはチタンの酸化物からなる被膜が形成されるも
のである。
【0024】本発明による熱線遮蔽ガラスは、厚み6m
mのガラス基板の一方の主表面に酸化物からなる被膜が
形成されており、ガラス基板の被膜が形成されていない
主表面から測定したC光源における可視光反射率が20
%以下、好ましくは15%以下であるため、近隣へのい
わゆる反射光害は抑制され、また遮蔽係数が0.5以
下、好ましくは0.47以下であるため、充分な熱線遮
蔽性能も有する。
【0025】本発明による被膜の膜厚は、厚くなりすぎ
ると被膜組成によっては被膜表面抵抗値が104Ω/ス
クエア 以下となるため10〜150nmの範囲とする
ことが好ましく、とりわけ25〜70nmの範囲が好ま
しい。また、被膜の種類により最適な膜厚の範囲は若干
異なる。例えば、コバルトの酸化物を主体とし、鉄を含
む酸化物からなる被膜の場合と、コバルトの酸化物を主
体とし、クロムを含む酸化物からなる被膜の場合と、コ
バルトの酸化物を主体とし、鉄、クロムを含む酸化物の
混合物からなる被膜の場合と、コバルトの酸化物を主体
とし、鉄、クロム、ニッケルを含む酸化物の混合物から
なる被膜の場合は35〜65nmであり、コバルトの酸
化物を主体とし、ニッケルを含む酸化物からなる被膜の
場合と、コバルトの酸化物を主体とし、クロム、ニッケ
ルを含む酸化物の混合物からなる被膜の場合と、コバル
トの酸化物を主体とし、鉄、ニッケルを含む酸化物の混
合物からなる被膜の場合は25〜50nmであり、チタ
ンの酸化物からなる被膜の場合は25〜65nmであ
り、また錫の酸化物とアンチモンの酸化物の混合物から
なる被膜の場合は40〜70nmである。
【0026】このように、最適な膜厚の範囲が存在する
理由としては、膜厚が薄いと充分な熱線遮蔽性能が得ら
れず、膜厚が厚いと反射色調がグリーン系やグレー系で
なく黄色になり外観上好ましくないためである。また、
被膜の種類により最適な膜厚の範囲が異なるのは、被膜
の種類により屈折率等の光学定数が少しずつ異なるため
である。
【0027】本発明による酸化物被膜をガラス基板に形
成する方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、
塗布法等により成膜することが可能であるが、化学気相
法(CVD法)もしくは溶液スプレー法、分散液スプレ
ー法または粉末スプレー法等のスプレー法が、生産性、
被膜耐久性及び成膜後に風冷及び化学強化が可能である
という観点から好ましい。
【0028】上述の方法の中で、溶液スプレー法におい
ては所望の金属の化合物を含む溶液を高温のガラス基板
上に噴霧すればよく、分散液スプレー法または粉末スプ
レー法においては、上記各溶液の代わりに金属の化合物
の微粒子を溶液や溶剤に分散させた分散液を、金属の化
合物の粉末をそれぞれ用いればよい。なお、これらスプ
レー方法としては、予め各成分を混合した液を微小な液
滴・粉末として噴霧してもよいし、各成分を別個に液滴
・粉末として同時に噴霧・反応させてもよい。また、化
学気相法においては、上述の化合物を含む被膜形成用の
蒸気を用いればよい。
【0029】このような、いわゆる熱分解方法について
用いることができる原料を、以下に例示する。
【0030】コバルト化合物としては、アセチルアセト
ンコバルト(二価塩と三価塩いずれも可)、酢酸コバル
ト、塩化コバルト、安息香酸コバルト、硼酸コバルト、
臭化コバルト、硝酸コバルト、弗化コバルト、ヨウ化コ
バルト、蓚酸コバルト、燐酸コバルト、亜燐酸コバル
ト、ステアリン酸コバルト、硫酸コバルト等が、また、
ニッケル化合物としては、アセチルアセトンニッケル、
臭化ニッケル、フルオ硼酸ニッケル、弗化ニッケル、フ
ルオ珪酸ニッケル、蟻酸ニッケル、水酸化ニッケル、ヨ
ウ化ニッケル、ジプロピオニルメタンニッケル、硝酸ニ
ッケル、酢酸ニッケル、塩化ニッケル、ステアリン酸ニ
ッケル、スルファミン酸ニッケル、硫酸ニッケル等が挙
げられる。
【0031】クロム化合物としては、アセチルアセトン
クロム、酢酸第二クロム、塩化第一クロム、塩化第二ク
ロム、蟻酸第二クロム、弗化第二クロム、硫酸クロムア
ンモニウム、水酸化第二クロム、硝酸第二クロム、燐酸
第二クロム、硫酸カリウムクロム、硫酸第二クロム等
が、また、鉄化合物としては、アセチルアセトン鉄、塩
化第一鉄、塩化第二鉄、クエン酸第二鉄、蓚酸第二鉄ア
ンモニウム、硫酸第二鉄アンモニウム、フルオ硼酸鉄、
弗化第二鉄、フルオ珪酸鉄、乳酸第一鉄、硝酸第二鉄、
蓚酸第一鉄、燐酸第一鉄、燐酸第二鉄、硫酸第一鉄、硫
酸第二鉄、酒石酸第一鉄等が、さらに、チタン原料とし
ては、四塩化チタン、チタンテトラエトキシド、アセチ
ルアセトンチタニル、硫酸第一チタン、硫酸第二チタ
ン、チタンテトラブトキシド、チタンイソプロポキサイ
ド、チタンメトキシド、チタニウムジイソプロポキシビ
スオクチレングリコキシド、チタニウムジノルマルプロ
ポキシビスオクチレングリコキシド、チタニウムジイソ
プロポキシモノオクチレングリコキシアセチルアセトナ
ート、チタニウムジノルマルブトキシモノオクチレング
リコキシアセチルアセトナート、チタニウムテトラオク
チレングリコキシド、チタニウムジノルマルプロポキシ
ビスアセチルアセトナート等が挙げられる。
【0032】Sn原料としては、四塩化錫、ジブチル錫
ジクロライド、テトラブチル錫、ジオクチル錫ジクロラ
イド、ジメチル錫ジクロライド、テトラオクチル錫、ジ
ブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジラウレート、ジブチ
ル錫脂肪酸、モノブチル錫脂肪酸、モノブチル錫トリク
ロライド、ジブチル錫ジアセテート、ジオクチル錫ジア
セテート、ジオクチル錫ジラウレート、シブチル錫マレ
ート、シオクチル錫マレート、シオクチル錫脂肪酸等が
挙げられ、また、Sb原料としては、三塩化アンチモ
ン、五塩化アンチモン、トリフェニルアンチモン、アン
チモンメトキシド、アンチモンエトキシド、アンチモン
ブトキシド、アンチモン脂肪酸、酢酸アンチモン、オキ
シ塩化アンチモン等が挙げられる。なお、Sb原料とし
てSb25、HClを加えた溶媒の組合せでも構わな
い。
【0033】本発明においては、得られる熱線反射ガラ
スの色調や光学特性または被膜耐久性を調整するため
に、マンガン、バナジウム、ビスマス、コバルト、鉄、
クロム、ニッケル、銅、錫、アンチモン、チタン、ジル
コニウム、亜鉛、アルミニウム、シリコン、インジウム
等の金属塩や、塩素、臭素等のハロゲン元素を、本発明
の目的を損なわない範囲で被膜中に含ませることができ
る。
【0034】
【作用】本発明に係る低反射性熱線遮蔽ガラスは、ガラ
ス基板の厚みを6mmとしたときに、ガラス基板の被膜
が形成されていない主表面から測定したC光源における
可視光反射率が20%以下であり、且つ遮蔽係数が0.
5以下であるため、主としてガラス基板で低い可視光透
過性を示し高い熱線遮蔽性能を確保し、その上に形成さ
れた酸化物の被膜によりさらに熱線遮蔽性能を高めると
ともに、グリーン系及びグレー系の色調を示すという作
用を有する。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。
【0036】(実施例1〜3)典型的なソーダ石灰シリ
カガラスバッチ成分に、表1に示す割合で酸化第二鉄、
酸化チタン、酸化コバルト、酸化セリウム及び炭素系還
元剤を混合し、この原料を電気炉中で1500℃に加
熱、溶融した。4時間溶融した後、ステンレス板上にガ
ラス素地を流し出し、室温まで徐冷して厚さ約8mmの
ガラスを得、このガラスを厚さが6mmとなるように研
磨した。
【0037】次に、このガラスを洗浄、乾燥し基板とし
た。この基板を吊具によって固定し、650℃に設定し
た電気炉内に5分間保持した後に取り出して、トルエン
に3価のコバルトのアセチルアセトナ−ト、クロムのア
セチルアセトナート、鉄のアセチルアセトナートを溶解
させた原料液を市販のスプレ−ガンを用いて基板上に吹
き付け、コバルト、鉄及びクロムの酸化物の混合物から
なる被膜を形成した。表1に、得られたガラスの各特性
値を示す。
【0038】(実施例4〜5)実施例1で用いたものと
同じように洗浄、乾燥したソーダ石灰シリカガラスを基
板とし、このガラス基板を吊具によって固定し、650
℃に設定した電気炉内に5分間保持した後に取り出し
て、トルエンに3価のコバルトのアセチルアセトナ−
ト、クロムのアセチルアセトナート、鉄のアセチルアセ
トナート、及び2価のニッケルのジプロピオニルメタン
を溶解させた原料液を市販のスプレ−ガンを用いて基板
上に吹き付け、コバルト、鉄、クロム及びニッケルの酸
化物の混合物からなる被膜を形成した。表1に、得られ
たガラスの各特性値を示す。
【0039】(実施例6)実施例1で用いたものと同じ
ように洗浄、乾燥したソーダ石灰シリカガラスを基板と
し、このガラス基板を吊具によって固定し、650℃に
設定した電気炉内に5分間保持した後に取り出して、ト
ルエンに3価のコバルトのアセチルアセトナ−ト及び鉄
のアセチルアセトナートを溶解させた原料液を市販のス
プレ−ガンを用いて基板上に吹き付け、コバルト及び鉄
の酸化物の混合物からなる被膜を形成した。表1に、得
られたガラスの各特性値を示す。
【0040】(実施例7)実施例1で用いたものと同じ
ように洗浄、乾燥したソーダ石灰シリカガラスを基板と
し、このガラス基板を吊具によって固定し、650℃に
設定した電気炉内に5分間保持した後に取り出して、ト
ルエンに3価のコバルトのアセチルアセトナ−ト及びク
ロムのアセチルアセトナートを溶解させた原料液を市販
のスプレ−ガンを用いて基板上に吹き付け、コバルト及
びクロムの酸化物の混合物からなる被膜を形成した。表
1に、得られたガラスの各特性値を示す。
【0041】(実施例8〜10)実施例1で用いたもの
と同じように洗浄、乾燥したソーダ石灰シリカガラスを
基板とし、このガラス基板を吊具によって固定し、65
0℃に設定した電気炉内に5分間保持した後に取り出し
て、トルエンに3価のコバルトのアセチルアセトナ−
ト、2価のニッケルのジプロピオニルメタン、鉄のアセ
チルアセトナートを溶解させた原料液を市販のスプレ−
ガンを用いて基板上に吹き付け、コバルト、ニッケル及
び鉄の酸化物の混合物からなる被膜を形成した。表1
に、得られたガラスの各特性値を示す。
【0042】(実施例11)例1で用いたものと同じよ
うに洗浄、乾燥したソーダ石灰シリカガラスを基板と
し、このガラス基板を吊具によって固定し、650℃に
設定した電気炉内に5分間保持した後に取り出して、ト
ルエンに3価のコバルトのアセチルアセトナ−ト及び2
価のニッケルのジプロピオニルメタンを溶解させた原料
液を市販のスプレ−ガンを用いて基板上に吹き付け、コ
バルト及びニッケルの酸化物の混合物からなる被膜を形
成した。表1に、得られたガラスの各特性値を示す。
【0043】(実施例12〜15)実施例1で用いたも
のと同じように洗浄、乾燥したソーダ石灰シリカガラス
を基板とし、このガラス基板を吊具によって固定し、6
50℃に設定した電気炉内に5分間保持した後に取り出
して、トルエン、キシレンにチタニウムジノルマルプロ
ポキシビスアセチルアセトナートを溶解させた原料液を
市販のスプレ−ガンを用いて基板上に吹き付け、チタン
の酸化物からなる被膜を形成した。表1に、得られたガ
ラスの各特性値を示す。
【0044】(実施例16)実施例1で用いたものと同
じように洗浄、乾燥したソーダ石灰シリカガラスを基板
とし、このガラス基板を吊具によって固定し、650℃
に設定した電気炉内に5分間保持した後に取り出して、
モノブチル錫トリクロライド、メタノール、水、三塩化
アンチモンを混合した原料液を市販のスプレーガンを用
いて基板上に吹き付けて、錫及びアンチモンの酸化物の
混合物からなる被膜を形成した。表1に、得られたガラ
スの各特性値を示す。
【0045】(実施例17)実施例1で用いたものと同
じように洗浄、乾燥したソーダ石灰シリカガラスを基板
とし、このガラス基板を吊具によって固定し、650℃
に設定した電気炉内に5分間保持した後に取り出して、
ジブチル錫脂肪酸((C492Sn(OCOC715
2 )、トルエン、キシレン、イソプロピルアルコール、
トリフェニルアンチモンを混合した原料液を市販のスプ
レーガンを用いて基板上に吹き付けて、錫及びアンチモ
ンの酸化物の混合物からなる被膜を形成した。表1に、
得られたガラスの各特性値を示す。
【0046】
【表1】
【0047】(比較例1〜3)表1に、実施例1〜3に
対する比較例1〜3を示す。比較例1においては、全酸
化鉄濃度、TiO2 濃度及びCoO濃度のいずれも本発
明で提唱した濃度域未満である。その結果、比較例1に
おけるガラスの色調はグリーン系であるものの、可視光
反射率、遮蔽係数はともに本発明の範囲を越えており、
所期のガラスは得られていないことがわかる。
【0048】また、比較例2においては、全酸化鉄濃度
が本発明で提唱した濃度域よりも低くなっている。その
結果、比較例2におけるガラスは、可視光反射率は低い
ものの、遮蔽係数が高く、色調も黄色になっており、所
期のガラスは得られていないことがわかる。
【0049】さらに、比較例3においては、全酸化鉄濃
度、TiO2 濃度は本発明で提唱した濃度域であるもの
の、CoOを全く添加していない。その結果、比較例3
におけるガラスは、可視光反射率、遮蔽係数は本発明の
範囲内であるものの、色調が黄色になっており、所望の
ガラスが得られていないことがわかる。
【0050】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係る低反
射熱線遮蔽ガラスは、被膜形成溶液の熱分解という生産
性に優れた製法により製造しうる低反射熱線遮蔽ガラス
であって、低可視光透過性及び高熱線遮蔽性を有し、し
かも耐久性に優れた低反射性熱線遮蔽ガラスを得ること
ができる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス基板と、該ガラス基板の一方の主
    表面に形成された酸化物の被膜からなる低反射性熱線遮
    蔽ガラスであって、前記ガラス基板の厚みを6mmとし
    たとき、前記ガラス基板上に被膜が形成されていない主
    表面から測定したC光源における可視光反射率が20%
    以下であり、且つ基準となる3mmのフロートガラスの
    日射熱取得率に対する前記低反射性熱線遮蔽ガラスの日
    射熱取得率の比(遮蔽係数)が0.5以下であることを
    特徴とする低反射性熱線遮蔽ガラス。
  2. 【請求項2】 前記可視光反射率が15%以下であり、
    且つ基準となる板厚3mmのフロートガラスの日射熱取
    得率に対する前記低反射性熱線遮蔽ガラスの日射熱取得
    率の比の値(遮蔽係数)が0.47以下である請求項1
    に記載の低反射性熱線遮蔽ガラス。
  3. 【請求項3】 前記ガラス基板は重量%で表示して本質
    的に、 65〜80%のSiO2 0〜5%のAl23 0〜5%のB23 0〜10%のMgO 5〜15%のCaO 10〜18%のNa2O 0〜5%のK2O 5〜15%のMgO+CaO 10〜20%のNa2O+K2Oからなる基礎ガラス組成
    と、着色成分として、0.75〜2.20%で、且つF
    eO/全酸化鉄の比が0.13〜0.30のFe23
    換算した酸化鉄、0.45〜2.30%のTiO2
    0.001〜0.020%のCoO、0〜0.5%のC
    23、及び0〜1.0%のCeO2 からなる請求項1
    に記載の低反射性熱線遮蔽ガラス。
  4. 【請求項4】 前記着色成分が、0.75〜2.00%
    で、且つFeO/全酸化鉄の比が0.14〜0.28の
    Fe23に換算した酸化鉄、0.90〜1.80%のT
    iO2、0.010〜0.020%のCoO、0〜0.
    1%のCr23、及び0〜1.0%のCeO2 からなる
    請求項3に記載の低反射性熱線遮蔽ガラス。
  5. 【請求項5】 前記酸化物被膜がコバルトの酸化物を主
    体とし、鉄、クロム及びニッケルのうち少なくとも1つ
    を含む酸化物の混合物からなる請求項1または2に記載
    の低反射性熱線遮蔽ガラス。
  6. 【請求項6】 前記酸化物被膜がチタンの酸化物からな
    る請求項1または2に記載の低反射性熱線遮蔽ガラス。
  7. 【請求項7】 前記酸化物被膜が錫の酸化物とアンチモ
    ンの酸化物の混合物からなる請求項1または2に記載の
    低反射性熱線遮蔽ガラス。
  8. 【請求項8】 前記被膜の表面抵抗値が104Ω/スク
    エア 以上である請求項1、2、5、6または7に記載
    の低反射性熱線遮蔽ガラス。
  9. 【請求項9】 前記被膜の膜厚が10〜250nmの範
    囲である請求項1、2、5、6、7または8に記載の低
    反射性熱線遮蔽ガラス。
  10. 【請求項10】 前記ガラス基板の前記被膜の形成され
    ていない主表面からみた反射色調がグリーン系またはグ
    レー系である請求項1ないし9のいずれかに記載の低反
    射性熱線遮蔽ガラス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1997017303A1 (fr) * 1995-11-10 1997-05-15 Asahi Glass Company Ltd. Verre de couleur vert fonce
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