JPH08332588A - レール溶接部の耐腹部水平き裂性改善法 - Google Patents

レール溶接部の耐腹部水平き裂性改善法

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JPH08332588A
JPH08332588A JP14224495A JP14224495A JPH08332588A JP H08332588 A JPH08332588 A JP H08332588A JP 14224495 A JP14224495 A JP 14224495A JP 14224495 A JP14224495 A JP 14224495A JP H08332588 A JPH08332588 A JP H08332588A
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JP
Japan
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rail
stem
neutral axis
tensile
plastic deformation
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Application number
JP14224495A
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English (en)
Inventor
Chikayuki Urashima
親行 浦島
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はレール溶接部の耐腹部水平き裂性改
善に関するものである。 【構成】 溶接終了後、余盛取り処理を行ったレール
の、レール溶接部を垂直方向に25ton 以上50ton 以
下の負荷を与えて腹部中立軸近傍の垂直方向に微小な引
張塑性変形を与える。 【効果】 溶接部の引張残留応力の発生している腹部中
立軸近傍に引張応力による塑性変形を与えることによ
り、除荷後は圧縮残留応力が残留するようになり、しか
も加工硬化も生じることから耐腹部水平き裂性が著しく
改善される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレール溶接部における耐
腹部水平き裂性を改善する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鉄道輸送の効率化指向によって、旅客列
車はますます高速化し、貨物列車は重荷重・大量輸送化
してきている。また一方ではメンテナンスフリー化、快
適運行性、安全性の指向からレールの溶接化が促進され
ロングレール化が図られてきている。ところが、レール
溶接部においては特に重荷重線や寒冷地などで図1に例
示するごとくレール溶接部の腹部中立軸を起点として疲
労き裂が発生し、これが引き金となって脆性破壊が発生
し、レール取り替え頻度が多くなることがあった。この
原因は図2に示すようにレール溶接部の腹部中立軸近傍
に、レール垂直方向に大きな引張残留応力が溶接により
発生し、列車通過ごとに圧縮、引張の繰返しが負荷し、
溶接余盛り取りの研削疵が起点となって疲労き裂が発
生、進展したことによるものであることが判明してい
る。
【0003】こうしたレール取替頻度の増加を防ぐた
め、特開昭59−93837号公報や特開昭59−93
838号公報などの発明ではレール溶接部全体あるいは
レール頭部と腹部を溶接熱あるいは外部からの加熱を利
用して残留応力制御し、溶接部の腹部中立軸近傍にレー
ル垂直方向に発生する引張残留応力を軽減するかあるい
は圧縮側に変えて溶接部の耐疲労性を改善する方法を提
案している。これらの発明により、最近のレール溶接部
の耐疲労性は確かに大きく改善されて来た。
【0004】ところがこれらの発明以前に溶接され、し
かも既に敷設されているレールについては溶接部の疲労
破壊発生頻度が高く、事実重荷重列車が大量に走行する
鉱山鉄道では溶接部の腹部水平き裂発生が散見されてい
ることが報告されている。すなわち、既に敷設している
レール溶接部の耐腹部水平き裂性をいかに低コストで、
かつ効率良く改善するかが大きな課題として浮上してき
た。しかもレール溶接部は極めて多数個所にのぼること
から、これを短時間で処理できることがポイントとな
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記問題を解決する方
法として、本発明者は溶接部に存在する過大な引張残留
応力を軽減するかあるいは圧縮側に変えることを狙っ
て、ガストーチを用いて局部加熱し、溶接部残留応力を
軽減する方法を提案した。すなわち、溶接部に近接する
母材部をガストーチで局部加熱しその後の冷却によって
局部加熱部に引張残留応力を発生させ、近接する個所に
これとバランスする圧縮残留応力を発生させて、この圧
縮残留応力により溶接部に存在する引張残留応力を軽減
したものである。本提案により非常に良好な耐腹部水平
き裂性を付与できているが、熱を使用しないで溶接部の
引張残留応力を軽減する方法についての要求がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者は溶接部
の腹部中立軸に過大な引張残留応力が存在することを逆
に利用して、これにさらに引張応力を負荷して引張り降
伏させたのち除荷することで溶接部の引張残留応力部に
圧縮残留応力を負荷できることを知見した。AREA 136RE
熱処理レールのフラッシュバット溶接部について、レー
ルあご下と底部表側の間のレール両側に油圧ジャッキを
セットし、荷重と溶接部の腹部中立軸の垂直方向残留応
力の関係を調べた結果、レール頭部方向の引張荷重とし
て25ton 〜50ton 負荷すれば溶接部腹部中立軸の垂
直方向に残存していた約500MPa の引張残留応力が完
全に圧縮側に変わることが分かった。
【0007】本発明は上記知見に基づいてなされたもの
で、その要旨とするところはレール溶接部の垂直方向に
25ton 以上50ton 以下の引張荷重を与えてレール腹
部中立軸近傍の垂直方向に微小な引張塑性変形を与える
ことを特徴とするレール溶接部の耐腹部水平き裂性改善
法である。
【0008】以下本発明について詳細に説明する。本発
明の説明の前にまずレール各部の名称について図3によ
り説明する。図3(a)においてAは頭部、Bは腹部、
Cは底部、Dは中立軸を示す。AとBの境界をあご下、
Cの上側を底部表側と呼ぶ。レール長手方向の状態を示
す図3(b)において、Eは溶接部でハッチングの範囲
が余盛り打ち抜き部、Fが溶接部中心を示す。
【0009】本発明はすでに実軌道に敷設しているレー
ルを対象にしており、微小塑性変形を付与する装置の一
例を図4に示している。すなわち、レール頭部のあご下
部に接触し、該あご部を握持する支持腕1を有する上部
支持治具2と、レール底部表面と接触し、レール底部を
支持する腕3を有する下部支持治具4とからなり上下支
持治具2、4間に設けた油圧ジャッキ5を用いて、該支
持治具2、4をレールにセットできるようになってい
る。
【0010】図4に示すようにレール溶接部の両側あご
下と底部表側の間にセットした油圧ジャッキでレール垂
直方向に引張荷重を与えて引張残留応力の存在する中立
軸近傍を微小に塑性変形させる。
【0011】負荷をレール溶接部に限定する理由はレー
ル溶接部の中立軸近傍を微小塑性変形させて、該部に存
在する引張残留応力を除去し、圧縮残留応力に変えるた
めである。負荷をレールの垂直方向に与える理由は溶接
部の垂直方向に存在する引張残留応力を除去し、圧縮側
に変えるためである。
【0012】荷重の範囲を25ton 以上50ton 以下に
限定する理由は、25ton 未満負荷ならば溶接部の中立
軸近傍の垂直方向に微小塑性変形を与えることが困難
で、該部に存在する過大引張残留応力を除去出来ないた
めである。逆に50ton を超える荷重を負荷すると、溶
接部の中立軸近傍の垂直方向に大きな塑性変形が発生
し、該部の残留応力を圧縮に変えることは出来るが、レ
ール頭部が凸変形するために実用上好ましくないためで
ある。なお、負荷方法としてはレールあご下と底部表側
に油圧ジャッキをセットする方法を用いたが、本発明で
は特にこれに限定するものではない。
【0013】
【実施例】次に本発明の具体的実施例について説明す
る。本発明の有効性を確認するために、AREA 136RE熱処
理レールのフラッシュバット溶接継手について本発明を
実施した。結果を表1に示す。本発明により、溶接部の
中立軸近傍の垂直方向に存在していた引張残留応力は完
全に圧縮側に変わり、しかも微小塑性変形により若干の
加工硬化も生じていることから耐腹部水平き裂性が非常
に向上していることが分かる。
【0014】
【表1】
【0015】
【発明の効果】以上のように、本発明法によりレール溶
接部の引張残留応力の発生している腹部中立軸近傍に、
引張応力による塑性変形を与えることにより、除荷後は
圧縮残留応力が残留するようになり、しかも加工硬化も
生じることから耐腹部水平き裂性が著しく改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はレール溶接部の腹部中立軸を起点とし
た疲労き裂の発生例を示し、(b)は脆性破壊部分の例
を示す図。
【図2】レール溶接部の腹部中立軸近傍における引張残
留応力の発生状況を示す図。
【図3】本発明における局部加熱部位を示す説明図。
【図4】本発明を実施するための装置の一例を示す図。
【符号の説明】
1:支持腕 2:上部支持治具 3:腕 4:下部支持治具 5:シリンダー A:頭部 B:腹部 C:底部 D:中立軸 E:溶接部余盛打抜部 F:溶接部中心

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レール溶接部の垂直方向に25ton 以上
    50ton 以下の引張荷重を与えてレール腹部中立軸近傍
    の垂直方向に微小な引張塑性変形を与えることを特徴と
    するレール溶接部の耐腹部水平き裂性改善法。
JP14224495A 1995-06-08 1995-06-08 レール溶接部の耐腹部水平き裂性改善法 Withdrawn JPH08332588A (ja)

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JP14224495A JPH08332588A (ja) 1995-06-08 1995-06-08 レール溶接部の耐腹部水平き裂性改善法

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JPH08332588A true JPH08332588A (ja) 1996-12-17

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ID=15310801

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JP (1) JPH08332588A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001205475A (ja) * 2000-01-26 2001-07-31 Showa Alum Corp 疲労強度に優れた接合継手の製造方法
KR100861815B1 (ko) * 2001-05-11 2008-10-07 후루카와 덴키 고교 가부시키가이샤 용착 금속의 용접 방법 및 용착 블럭 접합
CN100427248C (zh) * 2006-09-28 2008-10-22 哈尔滨工业大学 采用双向预置应力控制薄板焊接变形和裂纹的夹具

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KR100861815B1 (ko) * 2001-05-11 2008-10-07 후루카와 덴키 고교 가부시키가이샤 용착 금속의 용접 방법 및 용착 블럭 접합
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