JPH08332568A - 高速水平すみ肉ガスシールドアーク溶接方法 - Google Patents

高速水平すみ肉ガスシールドアーク溶接方法

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JPH08332568A
JPH08332568A JP24163095A JP24163095A JPH08332568A JP H08332568 A JPH08332568 A JP H08332568A JP 24163095 A JP24163095 A JP 24163095A JP 24163095 A JP24163095 A JP 24163095A JP H08332568 A JPH08332568 A JP H08332568A
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JP
Japan
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welding
arc
torch
welding method
bead
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JP24163095A
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English (en)
Inventor
Toshihiko Chiba
利彦 千葉
Hiroshi Koyama
汎司 小山
Yozo Suzuki
洋三 鈴木
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Nippon Steel Welding and Engineering Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel Welding and Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シングル−ツイン高速水平すみ肉ガスシールド
アーク溶接において、アーク安定性やビード外観・形状
などの溶接作業性が良好で、ピット、ブローホールなど
の溶接欠陥がなく、かつ低コストな高速水平すみ肉ガス
シールドアーク溶接方法を提供する。 【解決方法】鋼ワイヤを使用してシングル−ツイン電極
で行う高速水平MAG溶接においてArにCO2 および O2
の何れか一方、または両方を含む混合ガスを用い、M(CO
2 +2× O2 )が 5〜40 vol%のシールドガスで用いるこ
とを特徴とし、また前記溶接方法においてトーチ水平角
が45°以下、トーチ前進角が30°以上とすること、また
両トーチのシフト距離Sを25mm以下または 100mm以上と
し、更にワイヤの好ましい成分をwt%で、C:0.02〜0.10
%、Si:0.3〜 0.9%、 Mn:0.05〜1.50%、 Ti:0.03〜0.
15%、 S:0.005〜0.03%、残部実質的にFeとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は溶接構造物における
水平すみ肉ガスシールドアーク溶接方法に関し、特に高
速溶接が可能でかつ溶接作業性に優れたシングル−ツイ
ン高速水平すみ肉ガスシールドアーク溶接方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年各種溶接構造物の建造において、ガ
スシールド溶接法の溶接能率向上が図られることから各
分野で急速にその適用が増大している。中でも全溶接長
に占める水平すみ肉溶接の比率が極めて高い造船や橋梁
等の分野では水平すみ肉溶接の高速化が溶接のトータル
コスト低減の観点から、現在の最大の課題となってい
る。
【0003】水平すみ肉溶接は現在その簡便性から1電
極による施工が一般的であるが、1電極法で水平すみ肉
溶接法の高速化を図ろうとすると、溶接ビード外観・形
状が著しく劣化したり(アンダーカット、凸ビード、オ
ーバーラップ)、プライマー塗装鋼板の場合はピットや
ブローホールが多発するという問題があり、現状では最
大70〜80cm/minの溶接速度が限界とされている。従
って1m/min以上の溶接速度を達成するためには必然的
に電極数を増やした多電極溶接法を採用することが必要
となる。
【0004】多電極による高速溶接については従来より
盛んに研究されており、ガスシールドアーク溶接におい
ては、例えば特開昭56−66376号公報や特開昭6
3−154267号公報などに提案されている。前者は
複数のフラックス入りワイヤを用いて極間を200〜5
00mmとした交流MIG溶接法であり(一般的にMIG
溶接においては交流はあまり用いられていない)、後者
は複数本のメタルコアードワイヤを用いてCO2 または
Ar−CO2 雰囲気で高速溶接(水平すみ肉溶接ではな
い)するものであるが、両者とも装置が複雑、高価であ
り、ワイヤもソリッドワイヤに比べコスト高で溶着量が
少ないなどの問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事
情に着目してなされたものであって、溶接速度1m/min
以上でシングル−ツイン電極による高速水平すみ肉溶接
において、ビード形状やアーク安定性などの溶接作業性
が良好でピット・ブローホール等の溶接欠陥が少なく、
かつ低コストな高速すみ肉ガスシールドアーク溶接方法
の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は以下の構成を要旨とする。すなわち、(1)
鋼ワイヤを使用してシングル−ツイン電極で行う高速水
平MAG溶接において、ArにCO2 およびO2 の何れ
か一方、または両方を含む混合ガスであって、下記
(1)式で示されるMが5〜40 vol%であるシールド
ガスを用いることを特徴とする高速水平すみ肉ガスシー
ルドアーク溶接方法であり、 M=CO2 +2×O2 ‥‥‥‥‥(1) (2)前記溶接方法において、トーチ水平角が45°以
下、トーチ前進角が30°以上となることを特徴とする
高速水平すみ肉ガスシールドアーク溶接方法であり、
(3)前記(1)あるいは(2)の溶接方法において、
両トーチのシフト距離Sが25mm以下または100mm以
上となることを特徴とする高速水平すみ肉ガスシールド
アーク溶接方法であり、(4)前記(1),(2)ある
いは(3)の溶接方法において、鋼ワイヤの成分が重量
%で、C:0.02〜0.10%、Si:0.3〜0.
9%、Mn:0.05〜1.50%、Ti:0.03〜
0.15%、S:0.005〜0.03%を含有し、残
部かFeおよび不可避不純物からなることを特徴とする
高速水平すみ肉ガスシールドアーク溶接方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明す
る。ガスシールドアーク溶接に使用するワイヤはフラッ
クス入りワイヤとソリッドワイヤに大別されるが、フラ
ックス入りワイヤはソリッドワイヤに比べてビード外
観、形状に優れる特性を有するが、反面コスト高で溶着
量が少ないという問題がある。それ故、フラックス入り
ワイヤによって1電極で溶接速度1m/min以上の高速溶
接を行う場合には、脚長が3mm程度が限度であり、それ
以上の脚長を得るには多電極で溶接施工することが必要
となる。
【0008】本発明者らは、能率的なソリッドワイヤの
シングル−ツイン電極による高速すみ肉溶接法について
数多くの実験の結果、そのシールドガス組成、トーチ角
度、電極間シフト距離、ワイヤ成分等の条件を適度な条
件に限定することによって、従来にない高速すみ肉溶接
法の構成を得るに到った。
【0009】以下にその限定理由について説明する。 〔Arに、CO2 およびO2 の何れか一方または両方を
含む混合ガスのM(CO2 +2×O2 )が5〜40 vol
%〕とした理由 図1は実験によって得られたArに混合するCO2 ,O
2 の割合と溶接結果を求めたものである。シールドガス
組成についてArを主ガスとして、各種混合比率のCO
2 ,O2 混合ガスについて高速すみ肉溶接性、アーク力
等のアーク状態およびアンダーカットや、ハンピング、
ビード発生傾向等のビード形成性に関して、図1に示す
ようにCO2 とO2 ガスの混合比率間に相関があること
を見いだした。すなわち、CO2 は2倍の混合比率のO
2 とほぼ同様のアーク状態、ビード形成性に対する作用
効果があることが判った。
【0010】そこでさらに各種CO2 ,O2 およびCO
2 +O2 混合ガスについて検討した結果、CO2 +2×
2 で表される比率Mが5〜40 vol%の範囲の場合ア
ーク安定、ビード形成性良好で高速溶接に適しているこ
とを突き止めた。
【0011】Mが40 vol%を超えるとアーク力が強ま
り高速溶接において最も問題となるハンピングビード発
生が著しくなり、また溶接金属の粘性が低下して不等脚
のビードが形成される等の問題点の他に高電流条件では
スパッタ発生量が急激に増加するなどの現象が生ずる。
またMが5 vol%未満では、アーク安定性は向上するも
ののアーク長が長くなり、高速すみ肉溶接での代表的欠
陥の1つであるアンダーカットが発生しやすくなる。ま
たプライマー塗布鋼板におけるピット、ブローホール等
の気孔欠陥発生が著しくなることから、適正なMの範囲
として5〜40vol%に限定した。
【0012】〔トーチ水平角θ1 を45°以下、トーチ
前進角θ2 を30°以上〕とした理由 図2は実験によって得られたトーチ水平角θ1 およびト
ーチ前進角θ2 と溶接結果を求めたものである。低速度
の水平すみ肉溶接におけるトーチ水平角は45°を超え
る角度で行われるのが一般的である。これは低速度では
アークが溶融金属の上で発生しやすくアークが安定する
ためである。しかし、このトーチ水平角で溶接速度を高
めると、アークは溶融金属先端から上板母材に直接発生
するようになるため上板にアンダーカットが多発する。
アンダーカット発生を軽減するためにワイヤの狙い位置
を上板と下板の交差部(コーナー)から下板側にシフト
すると上板の脚長確保が困難となる。また脚長を確保す
る目的で高電流を使用すると、アーク力によりビードは
下板に多く形成されて、上板脚長が確保できなくなる。
また下板と上板間にギャップが存在するとアークが溶融
金属から上板母材に発生しアーク力により上板コーナー
部が削れ上板全線がアンダーカットになる。アンダーカ
ットを抑えるために電圧を下げるとアーク長が短くなり
上下脚長不足になることからトーチ水平角θ1 は45°
以下と限定した。ただしトーチ水平角θ1 が30°未満
ではトーチの構造上溶接不可能であった(ガスノズルが
下板に接するため)。
【0013】一方トーチ前進角θ2 は低速の水平すみ肉
溶接では30°未満で行われることが多い(アークが溶
融金属上で発生するため)が1m/min以上の高速になる
とアークが溶融金属先端から上下板コーナー部に発生す
るため、アークが不安定になり、スパッタが多発して脚
長不足になる。しかしθ2 が30°以上であるとシール
ドガスのプラズマ気流により溶融プールが前方へ吹かれ
る傾向が強くなるため溶融金属上でアークが発生しアー
クが安定化するため前進角は30°以上と規定した。た
だしトーチ前進角θ2 は50°超であるとトーチノズル
が上板に接するため溶接不可能であった。
【0014】〔ツイン−シングル電極間のシフト距離S
が25mm以下または100mm以上〕とした理由 図3は実験によって得られたツイン−シングル電極間シ
フト距離Sと溶接結果を求めたものである。ワイヤ径が
1.2mmφ以上、溶接電流300A以上の場合、シフト
距離が25超〜100mm未満ではアークの相互干渉が発
生する場合があり、この場合溶接作業性に悪影響を及ぼ
す。これは両トーチ間アークの電磁力による相互干渉が
大きくなるためアークが不安定となりビード形成が困難
になる。そして溶接方向に仮付けが存在すると仮付け部
でチップ母材間距離が短くなり高電流となるためアーク
が乱れ電極力の相互干渉と相まってアークを安定にする
のが困難になる。
【0015】一方シフト距離が25mmに近づくにつれア
ークの相互干渉は相殺され25mm以下ではさらに安定化
する。シフト距離が100mmに近くなるに従ってアーク
の相互干渉は緩和され100mm以上ではその影響をほと
んど受けない。またシフト距離25mm以下または100
mm以上では仮付けが存在しても仮付け部分でアークは一
旦乱れるが電磁力の相互干渉がないためアークが短時間
で安定化する。そのためトーチシフト距離は25mm以下
または100mm以上と規定した。ただしシングル−ツイ
ン電極での高速水平すみ肉ガスシールドアーク溶接では
実用上150mm以上で行うことはない。そのため本発明
では150mm以下での溶接を行った。これは図3に示さ
れ、図に示す評価点1(溶接性能不良かつ脚長5mm未
満)、2(溶接性能やや不良で脚長5mm未満)、3(溶
接性能良好かつ脚長5mm確保可能)からも明白である。
【0016】〔鋼ワイヤ成分〕の限定理由 [C:0.02〜0.10%]Cは溶滴を細粒化する働
きがあるが、0.02%未満では溶滴の離脱が劣化して
アークの安定性を確保できず大粒のスパッタが多発す
る。また0.10%を超えるとスパッタ発生量が増加す
ると共に高速溶接においては溶接金属の耐割れ性が劣化
する。
【0017】[Si:0.3〜0.9%]Siは脱酸元
素として溶接金属の靭性確保のため適当量添加するが、
高速溶接においては0.3%未満では脱酸不足となり、
ピット、ブローホールが発生すると共に凸状ビードにな
りやすく水平すみ肉溶接のビード形状上好ましくない。
また0.9%を超えると過脱酸となるため溶融池の粘性
が高まり、ビード止端部のなじみが劣化し、またビード
幅が減少するため目標脚長確保が困難になる。
【0018】[Mn:0.7〜1.8%]MnはSiと
同様に脱酸剤として添加するが、0.7%未満ではピッ
ト、ブローホールの発生やビード形状不良となるため下
限を0.7%とした。また、1.8%を超えるとSiと
同様に粘性が高まり、ビード幅が減少し脚長確保が困難
になる。またスパッタ量が増加すると共に耐割れ性が劣
化し溶接割れが発生しやすくなる。
【0019】[Ti:0.03〜0.15%]Tiは強
脱酸性元素であり、溶接時溶滴先端および溶融プールに
Ti系スラグを分散生成し、アーク発生点の分散、また
界面張力を低下させ溶滴が細粒化するためアークが安定
化しスパッタを減少させ高速溶接性の溶接作業性を向上
させる働きがある。この効果を得るには0.03%以上
のTi量が必要である。また0.15%を超えるとS
i,Mnと同様に溶融金属の粘性が増加しビード幅の減
少を招く。
【0020】[S:0.005〜0.03%]一般的に
はSは高温割れを助長させる働きがあり、極力少ないほ
うが望ましく上限を0.03%とした。また高速溶接に
おいては母材との融合性が改善されビードの形状を良好
にする働きがあり、その効果を得るには0.005%以
上のS量が必要である。また0.005%未満であると
アーク柱が広がりビード止端部にアンダーカットを生じ
る。
【0021】
【実施例】次に実施例を用いて本発明を具体的に説明す
る。表2に示す各種試作ワイヤ(ワイヤ径;1.2mm
φ)を用い、図4に示す無機ジンクプライマー塗装鋼板
(膜厚;20μmに塗装,鋼種;SM400,厚さ=1
2.7mm,幅=150mm,高さ=150mm,長さ=15
00mm)を用いた。その他の諸条件を表1に示す。
【0022】
【表1】
【0023】また高速すみ肉ガスシールドアーク溶接に
おけるシールドガス組成の効果を表3および図1に、ト
ーチ水平角およびトーチ前進角の効果を表4および図2
に、それぞれのトーチ角の簡単な説明を図5に示す。ま
た表5および図3に電極間シフト距離の変化による結果
を示し、図5に電極間シフト距離についての説明図を示
す。さらにワイヤの成分調整による効果を表6に示す。
なお表3〜6、図1〜2の本発明および比較例の評価基
準としてはアークの安定性良好、ビード形状良好で脚長
が5mm以上の場合を(○)、アーク安定、ビード形成良
好で脚長が5mm未満を(△)、アーク不安定、ビード形
成不良で脚長が5mm以下を(×)とした。
【0024】次に実施例の結果について説明する。表3
について説明すると本発明例の1〜4は上記した(1)
式で示すMが5〜40 vol%の範囲であり、上下脚長は
目標値の5mmが得られ、アークの安定性、ビード外観も
良好であった。
【0025】それに対し比較例の5は、Mが5 vol%未
満でありアーク長が長くなるため高速すみ肉溶接での代
表欠陥の1つであるアンダーカットが多発し、ビード形
成性不良部が多く(アーク長が長いためにアークが不安
定になる)脚長は測定不能であった。比較例6は、Mの
量が50 vol%となりアークの安定性(アーク長の変
化)が劣化し、ビード外観は部分的にビード形成不良で
あった。比較例7は、Mが80 vol%であるのでアーク
長の変動および集中性が劣化し、スパッタ多発でアーク
安定性が劣った。またビードの形成不良(アークの安定
性劣化のため)となり脚長計測不能であった。また、図
1にArに混合するCO2 量、O2 量の混合量変化によ
る溶接適正条件範囲を示すと斜線部であり、この範囲に
おいて溶接性能良好および目標脚長確保が可能であっ
た。
【0026】次いで表4について説明すると本発明例8
〜10は、トーチ水平角θ1 が45°以下、前進角θ2
が30°以上で、安定して目標脚長が得られ、アーク安
定性、ビード外観・形状も良好であった。それに対し比
較例11は、トーチ前進角θ2 は本発明の範囲内である
が水平角θ1 が範囲を超えアークが上板を削り取りアン
ダーカットができるため、下板は目標脚長が得られてい
るが、上板は脚長不足であった。またアークはやや安定
であった。
【0027】比較例12は、トーチ水平角θ1 は本発明
の範囲内であるが前進角θ2 は範囲外であるので溶融プ
ールが小さいため脚長不足となり、またアークが上下板
コーナー部に入り込むことがあり、アークが安定せずビ
ード外観・形状が劣っていた。比較例13は、トーチ水
平角θ1 、前進角θ2 とも本発明の範囲を外れアンダー
カットによる上板脚長不足が大きくなった。またアーク
が溶融プール上を若干外れる(トーチ前進角が小さすぎ
るためアークが本発明例と比較して先行気味になる)た
めアークが安定せず、ビード外観も総じて劣っていた。
また図2にトーチ水平角θ1 、前進角θ2 変化による溶
接適正条件範囲を示すと斜線部であり、この範囲におい
て溶接性能良好および目標脚長確保が可能であった。た
だし図中網掛け部は溶接不可能(トーチの構造上トーチ
が板に接するため)であった。
【0028】次に表5について説明すると本発明例14
から17はツイン電極間のシフト距離が本発明の範囲内
にあり目標脚長は安定して得られ、アークも安定してい
ることからビード外観も総じて良好であった。それに対
し比較例18〜21は電極間シフト距離が本発明の範囲
を外れた側を示す。比較例18は、両トーチ間の電磁に
よる影響のためアークが安定せず部分的にビードが形成
されるが脚長不足であった。
【0029】比較例19は、比較例18に比べさらに電
磁力による影響が強くなりアーク切れが発生し、一旦ビ
ード形成が不良になると電圧を若干変化させても立て直
すことができなかった。比較例20は、アークのすみ肉
コーナー部へ潜り込みビード形成不良が部分的にできス
パッタ多発によりアークが安定せず脚長不足となった。
比較例21は、磁気吹きによるアークの乱れと共にアー
クがすみ肉コーナー部へ潜り込みアーク切れを引き起こ
しビード形成不良となった。また図3に電極間シフト距
離変化による溶接適正条件範囲を示す。図の縦軸の数字
は溶接性能(アーク安定性、ビード外観・形状)の評価
を表わし、3は溶接性能良好かつ脚長5mm確保可能、2
は溶接性能やや不良で脚長5mm未満、1は溶接性能不良
かつ脚長5mm未満を示す。図から明らかなように電極間
シフト距離が25mm以下、100mm以上において溶接性
能良好かつ脚長5mm確保可能であった。
【0030】次に表6について説明すると、本発明例で
ある22〜27はワイヤ記号A〜Fの成分範囲が本発明
の範囲にありアーク状態、ビード形状、脚長確保とも良
好であった。それに対し比較例28は、C量が少ないの
で、溶滴移行が不安定となり大粒スパッタが多発し脚長
不足であった。比較例29は、ワイヤ記号GのSi量が
少ないので、また比較例30はワイヤ記号HのMn量が
少ないので脱酸不足となり、ピット、ブローホールが多
発しビード形状は凸ビードで脚長不足であった。比較例
31は、ワイヤ記号JのTi量が少ないので、アーク長
が長く不安定となりビード形成不良であった。比較例3
2は、ワイヤ記号KのS量が少ないので、アーク柱が広
がり母材とのなじみが悪くビード止端部にアンダーカッ
トが生じ脚長不足であった。
【0031】比較例33は、ワイヤ記号LのC量が多い
ので、スパッタが多発すると共に耐割れ性が劣化し溶接
割れが生じ脚長も不足であった。比較例34は、ワイヤ
記号MのSi量が多いので、ビード止端部のなじみが悪
く部分的にアンダーカットが発生したため脚長不足であ
った。比較例35は、ワイヤ記号NのMn量が多いの
で、スパッタが多発すると共に溶接割れが生じ脚長も不
足であった。比較例36は、ワイヤ記号OのTi量が多
いので、溶融金属の粘性増加によりビード止端部のなじ
みが悪く脚長も不足していた。比較例37は、ワイヤ記
号PのS量が多いので、高温割れが生じビード形成も不
良であった。
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0035】
【表5】
【0036】
【表6】
【0037】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によればシン
グル−ツインの高速水平すみ肉溶接において、アークが
安定し、ビード外観・形状が良好でピット、ブローホー
ル等の欠陥がない高速水平すみ肉ガスシールドアーク溶
接方法が可能で、溶接の高能率化、低コスト化に大きく
寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】Arに混合するCO2 ,O2 の混合比と溶接結
果を示した図。
【図2】トーチ水平角θ1 、およびトーチ前進角θ2
化による溶接結果を示した図。
【図3】ツイン−シングル電極間シフト距離Sの変化に
よる溶接結果を示した図。
【図4】プライマー塗装鋼板の試験片、すみ肉溶接にお
けるトーチと下板のなす水平角θ1 、トーチと上板のな
す前進角θ2 を表す図。
【図5】シングル−ツイン電極で行うすみ肉溶接の電極
間シフト距離Sを表す図。
【符号の説明】
1 プライマー 2 上板 3 下板 4 トーチ 5 溶接ワイヤ θ1 水平角 θ2 前進角 S 電極間シフト距離
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/00 301 C22C 38/00 301Y 38/14 38/14

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼ワイヤを使用してシングル−ツイン電
    極で行う高速水平すみ肉ガスシールドアーク溶接におい
    て、ArにCO2 およびO2 の何れか一方または両方を
    含む混合ガスであって、次式で示されるMが5〜40 v
    ol%のシールドガスを用いることを特徴とする高速水平
    すみ肉ガスシールドアーク溶接方法。 M=CO2 +2×O2
  2. 【請求項2】 シングル−ツイン電極のトーチ水平角θ
    1 が45°以下、シングル−ツイン電極のトーチ前進角
    θ2 が30°以上とすることを特徴とする請求項1記載
    の高速水平すみ肉ガスシールドアーク溶接方法。
  3. 【請求項3】 シングル−ツイン電極のシフト距離Sが
    25mm以下または100mm以上であることを特徴とする
    請求項1および2記載の高速水平すみ肉ガスシールドア
    ーク溶接方法。
  4. 【請求項4】 鋼ワイヤが、重量%で、 C :0.02〜0.10%、 Si:0.3〜0.9%、 Mn:0.05〜1.50%、 Ti:0.03〜0.15%、 S :0.005〜0.03% を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなること
    を特徴とする請求項1,2および3記載の高速水平すみ
    肉ガスシールドアーク溶接方法。
JP24163095A 1995-04-07 1995-09-20 高速水平すみ肉ガスシールドアーク溶接方法 Pending JPH08332568A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007313558A (ja) * 2005-06-15 2007-12-06 Kobe Steel Ltd ガスシールドアーク溶接用ソリッドワイヤ
JP2015136720A (ja) * 2014-01-23 2015-07-30 日鐵住金溶接工業株式会社 2電極水平すみ肉ガスシールドアーク溶接方法
CN115351396A (zh) * 2022-08-23 2022-11-18 武汉钢铁有限公司 提高搭接接头平面弯曲疲劳性能的焊接方法

Cited By (3)

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