JPH0833042B2 - 屋根開閉式ドーム - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、屋根の部分を必要に応じて、開放や閉鎖
状態にすることができる屋根開閉式ドームに関するもの
である。

〔従来技術〕

従来、この種のドームとしては、複数枚に分割した三
角形屋根を重合わせ、建造物上部中央で回転支持する支
持構造物で、前記複数枚の三角形屋根を順次移動させて
屋根の開閉を行うものが一般に知られている。

〔この発明が解決すべき課題〕

しかし、この従来のドームは、複数枚に分割した三角
形屋根を順次移動させるので、各三角形屋根を移動させ
る機構等構造が複雑になってしまう。また、各三角形屋
根を移動させる作業は面倒で時間がかかるものであり、
屋根の開閉を容易に行えない。さらに複数枚に分割した
三角形屋根の雨仕舞は、施工箇所が多く、面倒で困難な
作業である等の問題点があった。

この発明は前述した事情に鑑みて創案されたもの、そ
の目的は構造が簡単で、開閉作業が容易に行え、しかも
雨仕舞を容易で確実に行える屋根開閉式ドームを提供す
ることにある。

〔課題を解決するための手段〕

この発明によれば屋根開閉式ドームを、その屋根部と
なる二分割して形成した第１可動屋根および第２可動屋
根が、円形ドームの外周に沿って敷設されている軌条上
を移動自在に設けられていると共に、ドームの中心部に
おける互いに重なり合う重合部において軸着されている
ものとする。また、第１可動屋根は前記軸着部を中心と
して移動回転すると共に、第２可動屋根は前記軸着部を
中心として第１可動屋根の内側となる位置において移動
回転するものとする。さらに、第１可動屋根は、前記屋
根部の閉鎖時において二分割した一方の前記第２可動屋
根とで重なり会う部分であり、前記ドーム中心部の軸着
部も含む重合部の全体に、大骨が形成されているものと
する。

そして、このような構成からなる本発明の屋根開閉式
ドームによれば、半円状の第１可動屋根および第２可動
屋根で円形のドーム屋根部を形成したことにより、第１
および第２可動屋根を移動させるだけで、屋根部の開閉
を行える。

また、第１可動屋根および第２可動屋根とがドーム中
心部の重合部において互いに軸着されていると共に、第
１可動屋根における第２可動屋根との重合部が大骨で形
成されている構造から、構造が簡単でしかも力学的に安
定した構造を得ると共に、安全性，機能性にも優れた効
果を得ることができる。

さらに、半円状の第１可動屋根および第２可動屋根を
ドーム中心部のみで重ね合せた構造から、雨仕舞も容易
に簡単に行えて構造的にも信頼性のある構造を得ること
ができる。

〔実施例〕

以下、この発明の屋根開閉式ドームを図示する実施例
によって説明する。

屋根開閉式ドーム１は（第１図〜第３図参照）、第１
可動屋根２と第２可動屋根３とから半円状に二分割し
て、円形ドーム１の屋根部４が形成されている。この第
１可動屋根２および第２可動屋根３は、ドーム１の外周
に沿って敷設されている２本の軌条5,5上を移動自在に
設けられていると共に、ドーム１の中心部における互い
に重なり合う重合部６において軸着されている。

また、第１可動屋根２は軸着部７を中心として移動回
転自在に構成されていると共に、第２可動屋根３は軸着
部７を中心として第１可動屋根２の内側となる位置を移
動回転自在に構成されている。さらに、第１可動屋根２
には、屋根部４の閉鎖時において二分割した一方の第２
可動屋根３とで重なり会う部分であり、ドーム中心部の
軸着部７も含む重合部６の全体に、大骨８が形成されて
いる。

そして、この実施例での第１可動屋根２は、第２可動
屋根３との重合部６である、円形状屋根部４の直径線上
となる位置に大骨８が形成されていると共に、この大骨
８によって支持されて安定した構造となっている。ま
た、第２可動屋根３は、ドーム１の中心部において、前
述した如く安定した構造の第１可動屋根２の重合部６で
ある大骨８に軸着されている。

なお、第１および第２可動屋根2,3と、重合部６との
上面には、屋根材９が設けられている。また第１および
第２可動屋根2,3の下端面には、軌条5,5を走行する車輪
部10が設けられている。

このような構成からなる屋根開閉式ドーム１の使用に
際しては、第１および第２可動屋根2,3を適宜移動させ
ることで、屋根部４の開閉を行う。なお、この屋根部４
の開閉は、第１および第２可動屋根2,3の移動状態を適
宜変化させることで、屋根部４の開閉状態を第１図に示
した状態から、第４図〜第８図に示すような開口部の大
きさおよび位置に変化させることや閉じた状態にするこ
とができる。

このように、以上の構造の屋根開閉式ドーム１は、半
円状の２枚の第１および第２可動屋根2,3を移動させる
だけで、屋根部４の開閉状態を種々の態様へ容易に変化
させることができる。

また、第１および第２可動屋根2,3からなる簡単な構
造で、大骨８等から安定した構造のドームとすることが
できる。

さらに、２枚の第１および第２可動屋根2,3から屋根
部４が構成されているので、各可動屋根2,3の重合部６
が一箇所となり、雨仕舞用の施工を簡単に行うことがで
きる。

〔発明の効果〕

この発明の屋根開閉式ドームは、半円状に二分割して
ドーム屋根部を形成する第１可動屋根および第２可動屋
根を、円形ドームの外周に沿って敷設されている軌条上
を移動自在に設けると共に、ドームの中心部における互
いに重なり合う重合部において軸着させる。また、第１
可動屋根は前記軸着部を中心として移動回転自在にする
と共に、第２可動屋根は軸着部を中心として第１可動屋
根の内側となる位置において移動回転自在にする。さら
に、第１可動屋根には、屋根部の閉鎖時において二分割
した一方の第２可動屋根とで重なり会う部分であり、前
記ドーム中心部の軸着部も含む重合部の全体に、大骨を
形成する。

そして、この構成によれば半円状の第１可動屋根およ
び第２可動屋根で円形のドーム屋根部を形成したことに
より、第１および第２可動屋根を移動させるだけで、屋
根部の開閉を簡単に短時間で行える。なお完全に開いた
場合でも半開きであるが、第１可動屋根および第２可動
屋根とも移動すれば、太陽の方向に合わせていつでも日
の当たる環境を得ることができる。

また、第１可動屋根および第２可動屋根とがドーム中
心部の重合部において互いに軸着されていると共に、第
１可動屋根の重合部が大骨で形成されている構造なの
で、構造が簡単でしかも力学的に安定した構造を得ると
共に、ドーム屋根部の開閉において安全性，機能性にも
優れた効果を得ることができる。

さらに、半円状の第１可動屋根および第２可動屋根を
ドーム中心部のみで重ね合せた構造なので、重合部が一
箇所だけとなり、雨仕舞も容易に簡単に行えて構造的に
信頼性のある構造を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の屋根開閉式ドームを示す平面図、第
２図はこの発明の屋根開閉式ドームを示す斜視図、第３
図は第１図のＡ−Ａ線断面図、第４図〜第８図は屋根部
の開閉状態を示す概略平面図である。 １……屋根開閉式ドーム、２……第１可動屋根、３……
第２可動屋根、４……屋根部、５……軌条、６……重合
部、８……大骨、９……屋根材、10……車輪部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】半円状に二分割して円形ドームの屋根部を
   形成する第１可動屋根および第２可動屋根が、前記ドー
   ムの外周に沿って敷設されている軌条上を移動自在に設
   けられていると共に、前記ドームの中心部における互い
   に重なり合う重合部において軸着されてなり、 前記第１可動屋根は前記軸着部を中心として移動回転自
   在であると共に、前記第２可動屋根は前記軸着部を中心
   として前記第１可動屋根の内側の位置において移動回転
   自在であり、 前記第１可動屋根には、前記屋根部の閉鎖時において二
   分割した一方の前記第２可動屋根とで重なり会う部分で
   あり、前記ドーム中心部の軸着部も含む重合部の全体
   に、大骨が形成されていることを特徴とする屋根開閉式
   ドーム。