JPH08329823A - 電界電子放出素子、この電界電子放出素子を用いた電子放出源および平面ディスプレイ装置、および電界電子放出素子の製造方法 - Google Patents

電界電子放出素子、この電界電子放出素子を用いた電子放出源および平面ディスプレイ装置、および電界電子放出素子の製造方法

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JPH08329823A
JPH08329823A JP12757695A JP12757695A JPH08329823A JP H08329823 A JPH08329823 A JP H08329823A JP 12757695 A JP12757695 A JP 12757695A JP 12757695 A JP12757695 A JP 12757695A JP H08329823 A JPH08329823 A JP H08329823A
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columnar crystal
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gate electrode
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善昭 赤間
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子放出効率が高く、製造の容易な電界電子
放出素子を提供することを目的とする。 【構成】 基板22上にベ−ス電極23、絶縁膜24お
よび導電膜25(ゲ−ト電極)が積層され、上記導電膜
25と絶縁膜24とにスル−ホ−ル26が設けられ、こ
のスル−ホ−ル26内に露出するベ−ス電極23上に複
数の柱状結晶28からなる柱状結晶集合体27(エミッ
タ電極)が成膜されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば、真空マイク
ロエレクトロニクス技術を利用した電界電子放出素子、
この電界電子放出素子を応用した電子放出源および平面
ディスプレイ装置、および電界放出素子および平面ディ
スプレイ装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、真空を電荷輸送媒体とする真
空素子が研究されているが、この真空素子の一つとして
電界電子放出素子(真空マイクロ素子)がある。そし
て、代表的な電界電子放出素子には、図40に示すよう
にエミッタ電極1が基板2から略鉛直方向に四角錐や円
錐の形状を呈しているもの(以下、スピント型と記す)
と、図41(a)及び(b)に示すようにエミッタ電極
3が基板2と平行な方向に三角形の飛び込み板形状、即
ち楔形の形状を呈しているもの(以下、平面型と記す)
とがある。なお、図40および図41において、4、5
で示すのはそれぞれ上記エミッタ電極1、3から電子を
引き出すためのゲ−ト電極である。
【0003】上記スピント型の電界電子放出素子の作製
は、例えば東北大学電気通信研究所の横尾邦義氏が電気
学会誌 Vol.112,No.4 (1992) pp257-262に記しているよ
うに、スタンフォ−ド研究所のスピント(C.A.Spint) 氏
らの開発した回転させながら斜め方向から陰極チップを
蒸着する技術や、アメリカ海軍研究所のグレイ(H.F.Gra
y)氏らの開発したSi単結晶を選択的に異方性エッチング
する技術を基本にして行われる。
【0004】さらに、平面型等の他のエミッタ電極の作
製方法は、例えば、工業技術院電子技術総合研究所の伊
東順司氏及び金丸正剛氏によって、「微小冷陰極の応用
−真空マイクロ素子−」(オプトロニクス誌 No.109 (1
991) pp193-198)や、「微小三極真空素子の試作とその
応用」(日本学術振興会荷電粒子ビ−ムの工業への応用
第132 委員会第111 回研究会資料 (1990) pp7-13)で説
明されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の電界電子放出素子には、以下に説明する解決すべき
課題がある。
【0006】すなわち、従来の電界電子放出素子のエミ
ッタ電極1、3の形状は、前述したように円角錐や円
錐、楔状であるので、電界電子放出素子の間隔がエミッ
タ電極1、3の底面の大きさによって制限されてしま
い、電界電子放出素子の密度を高めるのが困難であっ
た。そして、エミッタ電極1、3から放出される電子の
密度(エミッション電流の大きさ)は、エミッタ電極
1、3の数の影響を受けることから、単位面積当たりの
エミッション電流を大きくするのも困難であった。
【0007】また、電界電子放出素子において、より低
い駆動電圧で高いエミッション電流を得るには、エミッ
タ電極の先端をできるかぎり尖らせて電界の集中度を向
上させる必要がある。
【0008】しかし、従来の電界電子放出素子において
は、エミッタ電極の尖鋭化を、エッチングや重ね合せ露
光により行っていた。このため、エミッタ電極の尖鋭化
に複雑なプロセスが必要であり、尖鋭化が困難だった。
また、エミッタ電極の作製プロセスが複雑なため、再現
性が乏しく、多数のエミッタ電極を均質に作製すること
は困難だった。
【0009】さらに、上記エミッタ電極の尖鋭度は、使
用する露光装置の解像度に左右される。装置の解像度に
は限界があるため、上記エミッタ電極の尖鋭化には一定
の限界があった。
【0010】この発明は、このような事情に鑑みてなさ
れたもので、エミッタ電極の尖鋭化が容易に図れ、かつ
このエミッタ電極を高密度に配置して、電子放出効率の
高い電界電子放出素子および、この電界電子放出素子を
応用した平面ディスプレイ装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1の手段は、導電体の
表面に設けられ電界が与えられることで電子を放出する
エミッタ電極を備えた電界電子放出素子において、上記
エミッタ電極は、先端部から電子を放出できる複数の柱
状結晶からなる柱状結晶集合体を有することを特徴とす
る電界電子放出素子である。
【0012】第2の手段は、第1の手段の電界電子放出
素子において、上記複数の柱状結晶は互いに密着してな
るものを含むことを特徴とするものである。
【0013】第3の手段は、第1の手段の電界電子放出
素子において、上記柱状結晶の先端部は尖鋭化されてい
ることを特徴とするものである。
【0014】第4の手段は、第1の手段の電界電子放出
素子において、上記柱状結晶集合体は、導電体上にCV
D(Chemical Vapor Deposition )の手段により、WH
6とSiH4 を反応させ成膜されたものであることを特
徴とするものである。
【0015】第5の手段は、第4の手段の電界電子放出
素子において、上記柱状結晶はβ−タングステン(β−
W)を含有することを特徴とするものである。
【0016】第6の手段は、第1の手段の電界電子放出
素子において、この柱状結晶集合体に、この導電体との
電位差に応じた電界を与えることで、上記柱状結晶集合
体の各柱状結晶の先端部から電子を引き出すゲ−ト電極
を有することを特徴とするものである。
【0017】第7の手段は、第6の手段の電界電子放出
素子において、上記ゲ−ト電極は、上記柱状結晶集合体
と対向する縁部を有し、この縁部と上記柱状結晶集合体
とのギャップを介して上記柱状結晶集合体に電界を与え
るものであることを特徴とするものである。
【0018】第8の手段は、第7の手段の電界電子放出
素子において、上記ゲ−ト電極は、上記導電体に絶縁層
を介して積層されていることを特徴とするものである。
【0019】第9の手段は、第7の手段の電界電子放出
素子において、上記ゲ−ト電極は、上記柱状結晶集合体
に絶縁層を介して積層されていることを特徴とするもの
である。
【0020】第10の手段は、第7の手段の電界電子放
出素子において、上記ゲ−ト電極は、上記柱状結晶集合
体の各柱状結晶の先端部から放出された電子を通す貫通
部を有し、上記ゲ−ト電極の縁部は、前記貫通部の周部
によって構成されていることを特徴とするものである。
【0021】第11の手段は、第10の手段の電界電子
放出素子において、上記ゲ−ト電極は、孔状の貫通部を
有することを特徴とするものである。
【0022】第12の手段は、第10の手段の電界電子
放出素子において、上記ゲ−ト電極は、溝状の貫通部を
有することを特徴とするものである。
【0023】第13の手段は、第10の手段の電界電子
放出素子において、上記柱状結晶集合体は、上記導電体
の表面の、上記ゲ−ト電極の貫通部に対応する部位にの
み選択的に成膜されたものであることを特徴とするもの
である。
【0024】第14の手段は、第10の手段の電界電子
放出素子において、上記柱状結晶集合体は、上記ゲ−ト
電極の貫通部の中央部に位置する柱状結晶の先端部の高
さ寸法が、周縁部に位置する柱状結晶の先端部の高さ寸
法よりも大きく形成されていることを特徴とするもので
ある。
【0025】第15の手段は、第14の手段の電界電子
放出素子において、上記ゲ−ト電極の貫通部の中央部に
位置する柱状結晶の先端部が、上記ゲ−ト電極の貫通部
を貫通して突出していることを特徴とするものである。
【0026】第16の手段は、第14の手段の電界電子
放出素子において、上記導電体は、上記ゲ−ト電極の貫
通部の中央部に位置する部位が、その周縁部に位置する
部位よりもゲ−ト電極側に突出していることを特徴とす
るものである。
【0027】第17の手段は、第6の手段の電界電子放
出素子において、上記柱状結晶集合体の各柱状結晶の先
端部から放出された電子を受けるアノ−ド電極を有する
ことを特徴とするものである。
【0028】第18の手段は、第17の手段の電界電子
放出素子において、上記アノ−ド電極は、上記ゲ−ト電
極の貫通部に対向する蛍光体を有し、この蛍光体は、上
記柱状結晶集合体から放出された電子を受けることで発
光することを特徴とするものである。
【0029】第19の手段は、第6の手段の電界電子放
出素子が集積されてなることを特徴とする電子放出源で
ある。
【0030】第20の手段は、第19の手段の電子放出
源において、上記ゲ−ト電極は、貫通部が複数設けられ
てなり、各貫通部を通して上記各柱状結晶集合体から電
子が放出されることを特徴とするものである。
【0031】第21の手段は、第20の手段の電子放出
源において、上記ゲ−ト電極は孔状の貫通部を有するこ
とを特徴とするものである。
【0032】第22の手段は、請求項20の電子放出源
において、上記ゲ−ト電極は溝状の貫通部を有すること
を特徴とするものである。
【0033】第23の手段は、第6の手段の電界電子放
出素子を複数有する電子放出源と、この電子放出源から
放出された電子を受けることで発光表示を行う表示部と
を有することを特徴とする平面ディスプレイ装置であ
る。
【0034】第24の手段は、請求項23記載の平面デ
ィスプレイ装置において、上記電子放出源と上記表示部
は、上記ゲ−ト電極に積層された絶縁層を介して接合さ
れていることを特徴とするものである。
【0035】第25の手段は、ゲ−ト電極と、このゲ−
ト電極から電界が与えられることで先端部から電子を放
出するエミッタ電極とを有する電界電子放出素子の製造
方法において、多数の柱状結晶が密接してなる柱状結晶
集合体を成膜し、各柱状結晶の先端部から電子を放出で
きるエミッタ電極を形成する第1の工程と、縁部を有す
るゲ−ト電極を形成する第2の工程とを有することを特
徴とするものである。
【0036】第26の手段は、第25の手段の電界電子
放出素子の製造方法において、前記第1の工程は、導電
体上に第1の絶縁膜、導電膜および第2の絶縁膜を積層
する工程と、上記第1の絶縁膜、導電膜および第2の絶
縁膜の所定の部位をエッチング除去し、貫通部を設ける
工程と、この貫通部を通して露出した上記導電体上に柱
状結晶集合体を成膜し、前記エミッタ電極を形成する工
程とを含み、前記第2の工程は、上記第1の絶縁膜を選
択的にエッチングすることで、上記導電膜を上記柱状結
晶集合体側に突出する縁部を有するゲ−ト電極に成形す
る工程を含むことを有することを特徴とするものであ
る。
【0037】第27の手段は、第25の手段の電界電子
放出素子の製造方法において、前記第1の工程は、導電
体の表面に柱状結晶集合体を成膜し、前記エミッタ電極
を形成する工程とを含み、前記第2の工程は、上記柱状
結晶集合体上に絶縁膜と導電膜とを積層する工程と、上
記導電膜と上記絶縁膜の所定の部位をエッチング除去し
て貫通部を設け、上記導電膜を縁部を有するゲ−ト電極
に形成する工程とを含むことを特徴とするものである。
【0038】第28の手段は、第25の手段の電界電子
放出素子の製造方法において、前記第1の工程は、上記
導電体を、反応器内に収容し、この反応器内にWF6
SiH4 を導入して反応させることで、上記導電体の表
面から略垂直に成長するβ−Wを含有する複数の柱状結
晶を有する柱状結晶集合体を成膜する工程を含むことを
特徴とするものである。
【0039】第29の手段は、第28の手段の電界電子
放出素子の製造方法において、上記柱状結晶集合体を成
膜する工程は、反応器内の上記導電体周囲雰囲気の温度
を120℃〜500℃、好ましくは320℃に保ち、上
記WF6 とSiH4 の流量比(SiH4 /WF6 )は
0.9〜2.0、好ましくは1.0に保つ工程を含むこ
とを特徴とするものである。
【0040】第30の手段は、第28の手段の電界電子
放出素子の製造方法において、上記柱状結晶集合体を成
膜する工程は、上記反応器内に、H2 を導入する工程を
含むことを特徴とするものである。
【0041】第31の手段は、基板の表面に導電体を形
成する第1の工程と、この導電体の表面に、先端部が尖
鋭化された柱状結晶を有する柱状結晶集合体を成膜し、
上記各柱状結晶の先端部から電子を放出できるエミッタ
電極を形成する第2の工程と、上記柱状結晶集合体に第
1の絶縁膜、導電膜、第2の絶縁膜を積層する第3の工
程と、上記第1、第2の絶縁膜と導電膜の所定の部位を
エッチング除去してこの導電膜に縁部を設ける第4の工
程と、表面に透明導電膜と蛍光体とが積層されてなる表
示部材を、真空雰囲気中で上記第2の絶縁膜の表面に接
合し、上記蛍光体を上記エミッタ電極に対向させる第5
の工程とを有することを特徴とする平面ディスプレイ装
置の製造方法。
【0042】第32の手段は、第31の手段の平面ディ
スプレイ装置の製造方法において、前記第2の工程は、
上記導電体の形成された基板を反応器内に収容し、この
反応器内に少なくともWF6 とSiH4 を導入して反応
させることで、上記導電体の表面にから略垂直に成長す
るβ−Wを含有する柱状結晶を有する柱状結晶集合体を
成膜する工程を含むことを特徴とするものである。
【0043】第33の手段は、第32の手段の平面ディ
スプレイ装置の製造方法において、上記柱状結晶集合体
を成膜する工程は、反応器内の上記導電体周囲雰囲気の
温度を120℃〜500℃に保ち、この範囲にてさらに
好ましくは320℃に保ち、上記WF6 とSiH4 の流
量比(SiH4 /WF6 )は0.9〜2.0に保ち、さ
らに好ましくは1.0に保つ工程を含むことを特徴とす
るものである。
【0044】第34の手段は、第33の手段の平面ディ
スプレイ装置の製造方法において、上記柱状結晶集合体
を成膜する工程には、上記反応器内に、H2 を導入する
工程を含むことを特徴とするものである。
【0045】
【作用】第1〜第3の手段によれば、高密度に設けられ
た各柱状結晶の尖鋭化された先端部からそれぞれ電子を
放出できるので、電子放出効率が良くなる。
【0046】また第4、第5の手段のように、CVD法
を用いてβ−Wを含む柱状結晶を成膜することで上述の
エミッタ電極を形成できる。すなわち、成膜工程のみ
で、高密度に配置されかつ先端が尖鋭化されたエミッタ
電極を得ることができるので、この電界電子放出素子の
製造が非常に容易になる。
【0047】第6〜第12の手段によれば、導電膜に縁
部を設け、さらには貫通孔を設けることでゲ−ト電極を
得ることができ、かつ、上記エミッタ電極から引き出さ
れた電子をこの貫通孔を通して真空中に放出することが
できる。
【0048】また、第13の手段のように、上記エミッ
タ電極を構成する柱状結晶集合体は、ゲ−ト電極の貫通
孔に対応する箇所だけに成膜しても良いし、上記貫通孔
よりも広い範囲に成膜しても良い。
【0049】第14〜第16の手段によれば、貫通孔の
中央部に位置する柱状結晶の先端部を高く位置させるこ
とで、この柱状結晶の先端部をゲ−ト電極に近付けるこ
とができるので、この柱状結晶に対する電界集中度が向
上し、電子放出効率が向上する。
【0050】第17の手段によれば、柱状結晶集合体に
より構成されたエミッタ電極を有する3極管を得ること
ができる。また、第18の手段によれば、3極管のアノ
−ド電極に蛍光体を設けることで、放出された電子によ
り蛍光体を発光させることができる。この際、電子放出
効率が高いので、低い駆動電圧で高い輝度を得ることが
できる。
【0051】第19〜第22の手段によれば、柱状結晶
集合体をエミッタ電極とする電界電子放出素子を集積化
した電子放出源を得られ、エミッタ電極から引き出され
た電子は、ゲ−ト電極に設けられた各貫通孔を通して放
出される。このとき、任意の電界電子放出素子を選択し
て電子を放出させることも可能である。
【0052】第23の手段によれば、柱状結晶集合体に
より構成されたエミッタ電極を有する電子放出素子を平
面ディスプレイに適用することが可能であり、この場
合、より低い動作電圧で必要な表示を行わせることがで
きる。
【0053】また、第24の手段によれば、絶縁層とし
て、ゲ−ト電極上に成膜した絶縁膜を用いれば、電子放
出源と表示部間に挟まれるスペーサが不要になる。な
お、この絶縁層は真空層であっても良い。
【0054】第25〜第30の手段によれば、成膜工程
により導電体上に柱状結晶からなる結晶集合体を設ける
のみで、先端部が尖鋭化された微細なエミッタ電極を高
密度に形成することができる。そして、第28〜第30
の手段に示す条件の下でCVDを行うことで、このよう
なエミッタ電極を容易に実現できる。
【0055】第21〜第34の手段によれば、平面ディ
スプレイ装置の製造方法において、成膜工程により導電
体上に柱状結晶からなる結晶集合体を設けるのみで、先
端部が尖鋭化された微細なエミッタ電極を高密度に形成
することができる。そして、この後、第1の絶縁膜、導
電膜および第2の絶縁膜を積層して電子放出源を製造す
ることができる。また、この第2の絶縁膜を表示部との
間のスペーサとして用いることができる。
【0056】なお、この平面ディスプレイ装置のエミッ
タ電極(柱状結晶集合体)は、第32〜第34の手段に
示すように、前記電界電子放出素子の製造方法と同様の
方法により作成することができる。
【0057】
【実施例】以下、この発明の実施例を図1〜図39に基
づいて説明する。
【0058】まず、この発明の第1の実施例を図1〜図
14を参照して説明する。
【0059】図1は、この発明の第1の実施例を示す電
界電子放出素子21の斜視図である。
【0060】図中22で示すのは基板であり、この基板
22上には薄膜状のベ−ス電極23(導電体)が成膜さ
れている。このベ−ス電極23の表面には、絶縁膜24
および導電膜25が順に積層されている。
【0061】また、絶縁膜24及び導電膜25には、上
方に開放し底部は上記ベ−ス電極23に達する円形のス
ル−ホ−ル(貫通孔)26が形成されている。上記導電
膜25の縁部25aは上記絶縁膜24よりもスル−ホ−
ル26の中心方向へ張出し、ゲ−ト電極を構成してい
る。
【0062】一方、上記スル−ホ−ル26の底部に露出
した上記ベ−ス電極23の表面には、導電性の柱状結晶
集合体27が成膜されている。この柱状結晶集合体27
は、エミッタ電極として機能する多数の柱状結晶28か
らなるもので、上記ベ−ス電極23上に成膜されてい
る。
【0063】また、この柱状結晶集合体27は、上記第
2の導電膜25に達しない高さ(厚さ)で垂直に形成さ
れており、各柱状結晶28の上端28a(先端)は針状
に尖っている。
【0064】なお、図6(a)に示すのは、この柱状結
晶集合体27のSEM写真である。この写真に示すよう
に、この柱状結晶集合体27は、全体が柱状結晶28か
らなるものではないが、少なくとも上端部については微
細な柱状結晶28の集合体となっている。
【0065】このような形状を有する柱状結晶集合体2
7は、後述するように、例えば一定の条件の下でCVD
(Chemical Vapor Deposition )により成膜でき、各柱
状結晶28は、例えばβ−W(β態のタングステン)を
含む。
【0066】なお、この柱状結晶集合体27は、要は上
記第2の導電膜25(ゲ−ト電極)に接触しないことが
必要であり、接触しない構成であれば、上記第2の導電
膜25よりも高く形成されていても良い。
【0067】次に、この電界電子放出素子21の動作に
ついて説明する。
【0068】上記柱状結晶集合体27(エミッタ電極)
と上記ベ−ス電極23は電気的に導通している。
【0069】したがって、例えば上記ベ−ス電極23に
負の電圧を与え、上記導電膜25に正の電圧を与えるこ
とによって上記柱状結晶集合体27と上記導電膜25の
縁部25aとの間に電位差を生じさせると、両者間のギ
ャップを介して上記導電膜25の縁部25aから上記柱
状結晶集合体27に対して電界が印加される。
【0070】印加された電界は各柱状結晶28の針状の
上端28aに集中し、図3に示すように各柱状結晶28
の上端28aから電子(−e)が放出される。つまり、
前述したように、柱状結晶28(柱状結晶集合体27)
がエミッタ電極として、導電膜25がこのエミッタ電極
から電子を引き出すゲ−ト電極として機能する。なお、
上述したように多数の各柱状結晶28からそれぞれ電子
が放出されるので、この電子放出素子は、面状電子ビ−
ム放出源として機能することとなる。
【0071】次に、この電子放出素子21の製造方法を
図5を参照して説明する。
【0072】まず、図5(a)に示すように、基板22
の上にベ−ス電極23、絶縁膜24、導電膜25及び絶
縁膜29を順に積層する。基板22は、例えばSi(シ
リコンウエハ)やガラス等であり、上記絶縁膜24は例
えばSiO2 である。さらに、上記ベ−ス電極23およ
び導電膜25は導電性をもつ金属であり、例えばCuや
Alのような一般的な種々の金属を採用できる。また、
上記最上層の導電膜29は、後述するCVDの際にマス
クとして機能するものであり、例えばSiO2 等を採用
できる。
【0073】次に、同図(b)に示すように、最上層の
絶縁膜29上にレジスト30を塗布し、パタ−ンニング
を行う。このレジスト30のパタ−ン30aは、前述の
スル−ホ−ル26に対応した円孔を有している。
【0074】こののち、異方性エッチングとして例えば
RIE(Reaction Ion Etching)を行い、同図(c)に示
すように絶縁膜29、導電膜25および絶縁膜24をレ
ジスト30の形状に合わせてエッチングする。このこと
で、前記スル−ホ−ル26が形成される。スル−ホ−ル
26はベ−ス電極23に達し、このスル−ホ−ル26の
底部にベ−ス電極23が露出する。
【0075】次に、上記ベ−ス電極23の表面に柱状結
晶集合体27を成膜する。
【0076】この成膜は、例えばCVD(chemical vap
or deposition )法を用いて行う。すなわち、減圧チャ
ンバ内に上記基板22を保持し、チャンバ内の環境温度
を120℃〜500℃、好ましくは320℃に設定す
る。
【0077】ついで、このチャンバ内にWF6 (tungst
en hexafluoride )とSiH4 (silane)の2種類の反
応ガスを導入し反応させる。この2種類の反応ガスの流
量比は好ましくは1:1に設定される。
【0078】このことで、上記ス−ルホ−ル26内に位
置するベ−ス電極23の表面にはタングステン(W)が
成膜されていく。なお、上述した環境の下で生成される
タングステンの各結晶は、β−W(β態のタングステ
ン)を含むと推測され、上記ベ−ス電極23の表面から
略垂直な柱状(柱状結晶)に成長していくことが実験に
より確かめられている。そして、各柱状結晶28の上端
28aは針状に尖る。
【0079】図7〜図14は、上記反応ガスの流量比
(モル比)および環境条件と、上記柱状結晶集合体28
の形状の関係を示すSEM写真である。
【0080】まず、図7(a)〜図9(e)に、反応ガ
スの流量比と柱状結晶集合体27の形状の関係を示す。
この実験は環境温度320℃の下で行った。
【0081】上記2種類の反応ガスの流量比(SiH4
/WF6 )を0.6〜2.0に変化させてみると、0.
9(図8(c))以上で柱状結晶集合体が生成し初め、
1.0(図8(d))で好ましい形状を得ることができ
ることが分かる。また、2.0(図9(e))まで上昇
させると、上端の尖鋭性が失われ始めている。したがっ
て、上記反応ガスの好ましい流量比は、上記環境の下
で、SiH4 /WF6=0.9〜2.0であり、さらに
好ましくはSiH4 /WF6 =1.0となる。
【0082】次に、図10、図11に環境温度と柱状結
晶集合体の形状の関係を示す。この実験は反応ガスの流
量比SiH4 /WF6 =1.0の下で行った。
【0083】柱状結晶集合体27はT=240℃(図1
0(a))及びT=400℃(図11(c))でも生成
されているが、好ましくはT=320℃(図10
(b))であることが分かる。
【0084】さらに、CVDにおいては、チャンバ内に
圧力調節用の水素ガス(H2 )を導入して行うが、この
水素ガスの流量も上記柱状結晶集合体の形状に大きな影
響を及ぼす。図12〜図14にその結果を示す。
【0085】この実験は、環境温度320℃、反応ガス
の流量比SiH4 /WF6 =1.0(この実験では10
sccm)の下で、この反応ガスに対する水素ガスの流
量日を0〜50(0〜1000sccm)に変化させて
実験したものである。
【0086】図13(c)より、25(250scc
m)以上(SiH4 :WF6 :H2=1:1:25以
上)の場合で最も好ましい形状を得られることが分か
る。
【0087】また、この柱状結晶集合体27の高さは、
上記CVDの時間を設定することで上記導電膜25に接
しない高さに設定される。すなわち、このことで、この
柱状結晶集合体27で構成されるエミッタ電極と上記導
電膜25によって構成されるゲ−ト電極との間に、電界
を印加するための(電子を引き出すための)所定のギャ
ップが確保される。
【0088】なお、上記マスクとしての絶縁膜29に覆
われた部分には自由電子が存在しないので、CVDを行
った場合、この部分には上記柱状結晶集合体27は成長
しない。したがって、図5(d)に示すように、上記ベ
−ス電極23の表面のみに、上記柱状結晶集合体27を
選択的に形成することができる。
【0089】なお、上記反応チャンバ内の圧力調整用に
用いるガスとしては他にアルゴンガス(Ar)、ヘリウ
ムガス(He)、ネオンガス(Ne)等の不活性ガスが
あるが、水素ガスを導入した場合が、上記柱状結晶集合
体27の形成の選択性が最も高くなるということが実験
により確かめられている。
【0090】すなわち、アルゴンガスを用いた場合で
も、上記柱状結晶集合体27を作成することはできるの
であるが、選択性が低くなるため、上記ベ−ス電極23
の表面以外の箇所すなわち上記絶縁膜29上にも上記柱
状結晶集合体27が成膜されてしまうおそれがある。
【0091】したがって、この実施例においては圧力調
整用のガスとして水素ガスを用いることがより好まし
い。
【0092】なお、上記柱状結晶28の上端部の尖鋭度
や、単位面積当りの柱状結晶の数については、成膜条件
の設定次第で変化させることが可能である。
【0093】このようにして上記柱状結晶集合体27が
形成されたならば、次に、HFを用いたウェットエッチ
ング(等方性エッチング)を行う。このことで、図5
(e)に示すように、上記マスクとして用いた絶縁膜2
9および上記スル−ホ−ル26内に露出する絶縁膜24
が選択的にエッチングされる。すなわち、上記絶縁膜2
9が面内方向に削られると共に、下層の絶縁膜24の一
部が面内方向にさらにエッチング除去されて上記導電膜
25の縁部25aがスル−ホ−ル26内に突出する。こ
のことで、図1、図2に示した電界電子放出素子21が
得られる。
【0094】以上述べた電界電子放出素子21によれ
ば、以下に説明する効果を得ることができる。
【0095】第1に、微細かつ尖鋭化された多数のエミ
ッタ電極を容易に製造することができ、電子放出素子2
1の電子放出効率を向上させることができる効果があ
る。
【0096】すなわち、従来の電界電子放出素子(図4
0、図41)では、成膜後、エッチングによってエミッ
タ電極(1、3)の尖鋭化を図る必要があるので、エミ
ッタ電極を形成するには複雑なプロセスを経なければな
らなかった。また、その尖鋭度はパタ−ンニング時のス
テッパ等の解像度によって決定される。このため、エミ
ッタ電極の尖鋭化には一定の限界があった。
【0097】また、従来のスピント型の電界電子放出素
子(図40)では、エミッタ電極1が角錐あるは円錐で
あったために、その底面の大きさによりエミッタ電極の
高密度化が妨げられていた。
【0098】これに対して、この発明は、成膜技術(C
VD)により、先端28aが十分に尖鋭化された微細な
柱状結晶28の集合体27が形成できることに着目し、
各柱状結晶28をエミッタ電極として利用するようにし
たものである。したがって、成膜技術だけで、十分に尖
鋭化されたエミッタ電極を、しかも高密度に形成するこ
とができる。
【0099】また、電子放出単位(各エミッタ電極)は
微細な柱状結晶28であるから、電子放出密度の高密度
化も容易である。
【0100】したがって、微細かつ尖鋭化された高密度
なエミッタ電極を容易に製造することができる。このこ
とで、電子放出効率を向上させることが可能であり、よ
り低い電圧で高いエミッション電流を得ることができる
効果がある。
【0101】なお、上述したようにパタ−ンニングの解
像度が要求されないので、半導体製造プロセスに用いら
れる高解像度の装置でなくとも、既存のLCD(液晶デ
ィスプレイ装置)の製造プロセスに用いられる比較的低
解像度の装置を使用することで上述した電界電子放出素
子を製造することが可能である。よって、安価な製造設
備で尖鋭かつ高密度に配設されたエミッタ電極を備えた
電界電子放出素子を容易に製造することができる。
【0102】第2に、従来技術と比べ均質な電子放出特
性を有する電子放出素子を得ることができる効果があ
る。
【0103】すなわち、従来の電子放出素子では、上記
エミッタ電極の尖鋭化のために複雑なプロセスが必要で
あったので、再現性が乏しく、多数の均質なエミッタ電
極を得ることが困難であった。このため、電子放出素子
毎に電子放出特性のばらつきが生じる恐れがあった。
【0104】しかし、この発明の電界電子放出素子21
のエミッタ電極は多数の微細な柱状結晶28の集合体で
あるので、個々の柱状結晶28の形状精度は電子放出特
性にさほど影響を与えない。このため、より均質な電子
放出特性を有する電界電子放出素子21を得ることがで
きる。
【0105】第3に、この電界電子放出素子21では、
上記一つのゲ−ト電極(導電膜25)で、高密度に設け
られた多数の微細なエミッタ電極(柱状結晶28)から
電子を引き出すことができ、前述したように面状電子ビ
−ム放出源として機能する。
【0106】したがって、図40や図41に示すような
エミッタ電極1、3が一つである点状電子放出源である
従来の電界電子放出素子と比較して、単純に電界放出効
率及び電流密度が高い。また、面状電子ビ−ム放出源で
あるから、その用途も広いという効果がある。
【0107】第4に、柱状結晶28は、CVDにより、
自由電子が存在する物質(本実施例ではベ−ス電極2
3)の上に選択的に形成することができるので、柱状結
晶集合体27を任意の領域のみに形成することが可能で
ある。このため、エミッタ電極の配置の自由度が高く、
特に、一枚の基板22上に多数の電界電子放出素子21
を配置する場合等にその製造が容易になる。(第3の実
施例以下参照) なお、この第1の実施例においては、柱状結晶28をベ
−ス電極23の表面に堆積させるためにCVDを行うよ
うにしているが、本発明はこれに限定されるものではな
く、CVDに代えて例えばスパッタリングを採用しても
よい。
【0108】また、柱状結晶28としてβ−Wを含む材
質を採用しているが、柱状な結晶が得られれば材質は限
定しない。例えば、柱状結晶28の材質としてAlを採
用することも可能である。この場合も柱状結晶28を堆
積させるためにCVDやスパッタリングを採用できる。
【0109】さらに、柱状結晶集合体27の成膜条件を
種々に変更することで、上記柱状結晶28の密度(緻密
度)等を変更することが可能である。例えば、この実施
例では反応性ガスの流量比を1:1に設定しているが、
所望の柱状結晶28を得られれば、反応性ガスの流量比
を任意に設定してよい。また、チャンバ内の環境温度も
変更可能である。
【0110】また、この実施例では、上記スル−ホ−ル
26(貫通孔)は円形であるが、これに限定されるもの
ではない。四角形や長円形、長方形状であっても良い。
所定の長さを有する細幅の溝形状(スリット状)であっ
ても良い。
【0111】次に、この発明の第2の実施例について説
明する。なお、上記第1の実施例と同様の構成要素には
同一の符号を付してその説明は省略する。
【0112】この第2の実施例の電界電子放出素子31
は、図4に示すようなものであり、上記柱状結晶集合体
27は、上記基板22´上に直接成膜されている。
【0113】基板22´は、金属やSi等の導電体であ
り、自由電子が存在するので、上記第1の実施例と同様
にCVDを用いて上記スル−ホ−ル26内のみに上記β
−Wを含む柱状結晶集合体27を成膜することができ
る。
【0114】すなわち、前記第1の実施例では、導電体
としてベ−ス電極23を用いていたが、この実施例は、
上記基板22´を導電体として用いるものである。
【0115】このような構成であっても、上記基板22
´と上記導電膜25(ゲ−ト電極)との間に電位差を与
えることで、上記柱状結晶集合体27の各柱状結晶28
の上端部から電子を放出することができ、上記第1の実
施例と同様の効果を得ることができる。
【0116】次に、この発明の第3実施例である電界電
子放出素子32を図15及び図16に基づいて説明す
る。なお、第1実施例と同様の部分については同一符号
を付し、その説明は省略する。
【0117】図16に示すように本実施例の電界電子放
出素子においては、基板22上にベ−ス電極23(導電
体)、柱状結晶集合体27(エミッタ電極)、絶縁膜2
4、及び、導電膜25(ゲ−ト電極)が順に積層されて
いる。
【0118】柱状結晶集合体27は、上記基板22上に
被着されたベ−ス電極23の表面の略全体に成膜されて
いる。また、絶縁膜24は、上記第1の実施例と異な
り、柱状結晶集合体27上に形成されている。さらに、
導電膜25と絶縁膜24とには、スル−ホ−ル26(貫
通孔)が形成されており、このスル−ホ−ル26を通し
て柱状結晶集合体27が露出している。
【0119】この実施例においても、上記絶縁膜25が
ゲ−ト電極として、上記柱状結晶集合体27の各柱状結
晶28がエミッタ電極として機能する。すなわち、上記
導電膜25に負の電圧を与え、上記ベ−ス電極23に正
の電圧を与えると、上記導電膜25の縁部25aから、
上記スル−ホ−ル26内に位置する各柱状結晶28の上
端28aに電圧が印加される。このことで、各柱状結晶
28の上端28aから電子が放出される。
【0120】次に、この第3の実施例の電界電子放出素
子32の製造方法を図16(a)〜(d)を参照して説
明する。
【0121】まず、図16(a)に示すように、基板2
2の表面にベ−ス電極23と柱状結晶集合体27とを積
層する。
【0122】上記柱状結晶集合体27の成膜は、第1の
実施例と同様にCVDによって行う。ただし、この実施
例では、上記ベ−ス電極23上に絶縁膜がつけられてい
ないので、上記柱状結晶集合体27は、この自由電子の
存在するベ−ス電極23の全体に亘って形成されること
となる。
【0123】こののち、同図(b)に示すように、柱状
結晶集合体27の上に絶縁膜24及び導電膜25を積層
する。ついで、同図(c)に示すように導電膜25の上
にレジスト30を塗布しパタ−ンニングを行う。最後
に、導電膜25と絶縁膜24とをRIE及びウエットエ
ッチングによってエッチング除去する。このことで、ス
ル−ホ−ル26が形成され、ゲ−ト電極(導電膜25)
の縁部25aが形成され、同図(d)に示すように電界
電子放出素子32が得られる。
【0124】なお、図16(d)に示すのは、上記電界
電子放出素子32をアレイ状に集積してなる電界放出源
33であり、上記ベ−ス電極23と上記導電膜25とに
電位差を与えると、上記導電膜25に形成された複数の
各スル−ホ−ル26から電子が放出されることとなる。
【0125】このような電界電子放出素子32および電
子放出源33においても、第1の実施例と同様の効果を
得ることが可能である。
【0126】次に、第4の実施例について図17を参照
して説明する。なお、上記第1の実施例と同様の構成要
素には、同一の符号を付してその説明は省略する。
【0127】この実施例の電界電子放出素子34では、
上記基板22の、上記スル−ホ−ル26の中央部に対応
する部位に、その周縁部より高く形成された突起部35
が形成されている。このため、上記第1の実施例と同様
の工程により電界電子放出素子を作成すると、図17に
示すように、スル−ホ−ル26の中央部に位置する柱状
結晶28が周辺の柱状結晶28よりも上方に突出した形
状となる。
【0128】すなわち、上述の第1〜第3実施例におい
ては、すべての柱状結晶28の先端28aが導電膜25
(ゲ−ト電極)よりも低く位置しているが、この第4の
実施例では、スル−ホ−ル26の中央部に位置する柱状
結晶28の上端28aを導電膜25(ゲ−ト電極)より
も高く位置させている。
【0129】このことにより、中央部に位置する柱状結
晶28の上端28aを上記導電膜25(ゲ−ト電極)の
縁部25aに近付けることができる。したがって、中央
部に位置する柱状結晶28の上端28aに対しても電界
を有効に印加することができ、電界の集中度合が均一化
し、全体として電子放出効率が高まる。このため、大き
なエミッション電流を得ることができる効果がある。
【0130】次に、第5の実施例について図18を参照
して説明する。
【0131】上記第4の実施例の電界電子放出素子34
は、第1の実施例を変形したものであったが、この第5
の実施例の電界電子放出素子37は、上記第3の実施例
(図15に示す)を変形したものである。
【0132】すなわち、上記第4の実施例と同様に突起
部35が設けられてなる基板22を用い、この基板22
を用いて第3の実施例と同様の工程により電界電子放出
素子を作成する。このことで、図18に示す形状の電界
電子放出素子37を得ることができる。
【0133】この電界電子放出素子37は、上記第4の
実施例(図17)と異なり、上記ベ−ス電極23の略全
面に亘って柱状結晶集合体27が成膜され、この柱状結
晶集合体27の上に絶縁膜24及び導電膜25が積層さ
れている。そして、上記絶縁膜24及び導電膜25に跨
がるスル−ホ−ル26が形成されゲ−ト電極25が突設
されている。そして、突起部35の上面(スル−ホ−ル
26の中央部)に形成された柱状結晶28は周囲の柱状
結晶28よりも高く位置しており、上端28aをスル−
ホ−ル26から上方に突出させている。
【0134】このような構成によっても、上記第4の実
施例と同様の効果を得ることができる。
【0135】なお、第4及び第5実施例において、上記
基板22に設けられていた突起部35の形状としては、
例えば円柱形や直方体のように種々の形状を採用するこ
とができる。
【0136】さらに、突起部35の作製方法としては、
例えばエッチングを用いて基板22を削ったり、スパッ
タリングや蒸着を用いて基板22に凸部を設けるなど、
一般的な種々の方法を採用できる。
【0137】次に、第6の実施例について図19を参照
して説明する。
【0138】この第6の実施例の電界電子放出素子38
は、上記第4の実施例や第5の実施例のように基板22
に突起部35を設けるのではなく、柱状結晶集合体27
全体を高く形成して、すべての柱状結晶集合体27の上
端28aを全体的に上記スル−ホ−ル26から上方に突
出させたものである。
【0139】つまり、この実施例においては、第1の実
施例の電界電子放出素子21の製造方法において、上記
柱状結晶28を成長させるためのCVDの時間を長くと
り、各柱状結晶28を高く成長させたものである。
【0140】このような構成においても、上記第4、第
5の実施例と略同様の効果を得ることができる。
【0141】次に、この発明の第7の実施例を図20に
基づいて説明する。
【0142】この実施例の電界電子放出素子39におい
ては、基板22に略四角錐形の突起部40が形成されて
いる。この突起部40は、絶縁膜24と導電膜25とに
跨がるスル−ホ−ル26の底部の略中央に位置してい
る。
【0143】この略四角錐形の突起部40の製造方法を
図22に基づいて説明する。
【0144】まず、図22(a)に示すように、上記S
i基板上にパタ−ンニングされた絶縁膜(SiO2 )4
1を形成する。ついで、この絶縁膜41をマスクとして
等方性エッチング(例えばウエットエッチング)を行う
と、同図(b)、(c)に示すように突起部40が作成
される。この際、上記絶縁膜31の形状が四角形である
と上記突起部の形状は図23に示すように略四角錐とな
る。
【0145】このような基板22を用いて第1の実施例
の製造方法を施すと、図20に示す電界電子放出素子3
9を得ることができる。すなわち、上記柱状結晶28の
上端28aの高さは突起部40の周囲からスル−ホ−ル
26の中央へ向かって徐々高くなるように変化し、スル
−ホ−ル26の中央に位置する柱状結晶28の上端28
aが最も高く位置している。
【0146】このような構成によれば、図に示すように
上記導電膜25(ゲ−ト電極)の縁部25aと各柱状結
晶28の上端28aとの距離を略等しくすることができ
る。このため、各柱状結晶28の上端28aに電界が集
中しやすくなる。また、この柱状結晶集合体27を全体
として見た場合、中央部が上方に向かって尖っているの
で、特に最も高く位置する柱状結晶28の上端28aに
電界が集中しやすくなる。
【0147】このことで、この電界電子放出素子の電子
放出効率が全体として向上する効果がある。
【0148】なお、柱状結晶28の上端28aに高低差
を設けることによって、突起部40の周縁部へいくほど
電子放出が生じにくくなることが考えられるが、少なく
とも中央の柱状結晶28に上記各実施例よりも低い印加
電圧で電界放出を行わせることが可能である。
【0149】次に、この発明の第8の実施例について図
21を参照して説明する。
【0150】上記第7の実施例では、上記柱状結晶集合
体27の最上端28aが導電膜25と略同じ高さあるい
はそれよりも低く位置しているが、この第8の実施例の
電界電子放出素子42では、スル−ホ−ル26の中央部
に位置する柱状結晶28の上端28aが上記導電膜25
よりも高く上方へ突出している。
【0151】このような柱状結晶集合体27は、上記第
7の実施例において、CVDを施す時間を長く設定する
ことで形成することができる。
【0152】このような構成によれば、上記第7の実施
例と略同様の効果を得ることができる他、中央部に位置
する柱状結晶28の上端部に対しては、さらに電界の集
中度合を高めることができる効果がある。
【0153】なお、上記第7、第8の実施例では、上記
突起部40を有する基板22に対して上記第1の実施例
の製造方法を適用して電界電子放出素子39、42を得
たが、第3の実施例の製造方法を適用して電界電子放出
素子を得ても良い。
【0154】この場合、上記基板22の平坦面に形成さ
れた上記柱状結晶集合体27の上に上記絶縁膜24およ
び導電膜25(ゲ−ト電極)が作成されることとなる
(図18参照)。
【0155】なお、以上述べた第1〜第8の実施例で
は、電界電子放出素子自体の構成について説明したが、
この電界電子放出素子の用途は自由である。例えば、面
発光型の平面ディスプレイ装置、SEM(走査型電子顕
微鏡)、電子ビ−ム直描装置、或いは、レチクル作製用
の露光装置等の電子放出源として利用することが考えら
れる。
【0156】次に述べる第9、第10の実施例では、上
記電界電子放出素子を平面ディスプレイ装置に適用した
例を説明する。
【0157】まず、第9の実施例の平面ディスプレイ装
置を図24〜図26に基づいて説明する。
【0158】この平面ディスプレイ装置は、図25およ
び図26に示すようなものであり、第1の実施例の電子
放出素子21を集積してなる電子放出源45と、この電
子放出源45から放出された電子を受けて発光表示を行
う表示部46とからなる。
【0159】この電子放出源45は、次のようにして作
成される。
【0160】まず、上記基板22上にベ−ス電極23、
絶縁膜24、導電膜25を積層する。ついで、エッチン
グ等の手段を用いて最上層の導電膜25を図22に示す
ように多数の帯板状の導電膜25bに分割する。このこ
とで、アドレスラインが形成される。
【0161】次に、上記絶縁膜24および導電膜25b
の所定の部位をエッチングし、上記スルーホ−ル26を
形成する。このスル−ホ−ル26は、各帯板状の導電膜
25bに沿って所定間隔で形成され、上記ベ−ス電極2
3上にマトリックス状に多数個形成される。
【0162】ついで、基板22を減圧チャンバ内に保持
し、上記第1の実施例と同様にCVDを施す。このこと
で、上記スル−ホ−ル26内に露出した上記ベ−ス電極
23の表面のみに上記柱状結晶集合体27(エミッタ電
極)が成膜される。なお、図6(b)に示すのは、この
ようにして形成された多数の柱状結晶集合体27のSE
M写真である。
【0163】最後に、上記スル−ホ−ル26内に露出す
る導電膜26を選択的にエッチング除去(HFによるウ
エットエッチング)し、上記導電膜25の縁部25aを
上記スル−ホ−ル26内に突出させる。このことで、ゲ
−ト電極が作成される。
【0164】以上の工程により、多数の電界電子放出素
子21をマトリックス状に集積してなる電子放出源45
を得ることができる。(図24図参照) 一方、上記表示部46は、透明基板(石英ガラス等)4
7と、この透明基板47の上記電子放出源45側の表面
に被着され、上記導電膜25bと直交する多数の帯状に
分割された透明導電膜48(アノ−ド電極)と、この透
明導電膜48の表面側に被着された多色発光蛍光体49
とからなる。
【0165】ここでは、上記透明導電膜48として、例
えばITO(Indium Tin Oxide)膜を用いている。この
ITO膜は、酸化錫をド−プした酸化インジウム膜であ
り、導電性と透光製を有する膜である。
【0166】また、上記多色発光蛍光体49は、低加速
電子線用の蛍光体であり、例えばZnO:Znが利用さ
れる。
【0167】なお、上記帯状の透明導電膜48は、上記
電子放出源45に形成されたアドレスライン(導電膜2
5b)に対してデ−タラインを構成する。
【0168】最後に、この表示部46と上記電子放出源
45は、図示しない縁部で互いに接合される。この接合
は、例えば真空雰囲気中で静電接合を利用して行われ、
上記表示部46と電子放出源45とによって挟まれた空
間は真空に保たれる。
【0169】このように構成された平面ディスプレイ装
置では、上記各電界電子放出素子21が、この平面ディ
スプレイ装置の1画素を構成する。そして、上記電子放
出源45の導電膜25bからなるアドレスラインと上記
表示部46の透明導電膜48からなるデ−タラインと
に、それぞれ駆動ドライバ50、51を接続すれば、例
えば、単純マトリックス方式の液晶ディスプレイ装置と
同様の方法で駆動することができる。
【0170】すなわち、上記ベ−ス電極23に対しては
電圧を加えず、grand(0V)としておき、所定の
アドレスライン(導電膜25b)に高い電圧を印加すれ
ば、その電圧差によって、そのアドレスライン上に位置
する任意の上記電界電子放出素子21から電子が放出さ
れることになる。
【0171】一方、放出された電子は、選択的電圧が印
加されたデ−タライン(透明導電膜48)に引き寄せら
れ収束する。このことによって、所望位置の蛍光体49
を発光させることができ、表示部46に必要な表示を行
わせることができる。
【0172】このような構成によれば、以下に説明する
効果を得ることができる。
【0173】第1に、低い作動電力であっても良好に作
動する平面ディスプレイ装置を得ることができる。
【0174】すなわち、この発明の電界電子放出素子2
1は、電子放出効率の非常に高い面状電子ビ−ム放出源
である。このため、この電界電子放出素子21を高密度
に集積して平面ディスプレイ装置の電子放出源45を構
成すれば、低い作動電力であっても良好に作動する平面
ディスプレイ装置を得ることができる。
【0175】また、この発明では、前述したように、柱
状結晶集合体28の結晶の形を利用することで尖鋭化の
図られたエミッタ電極を得ているので、その形成が容易
であり、欠陥も少ない。このため、平面ディスプレイ装
置の製造の歩留まりを向上させることも可能である。
【0176】第2に、平面ディスプレイ装置の各画素を
非常に緻密に配置することができる効果がある。
【0177】すなわち、この平面ディスプレイ装置で
は、各画素を構成する電界電子放出素子21どうしを接
近させても、各電界電子放出素子21間の距離がエミッ
タ電極(柱状結晶集合体27の上端部)とゲ−ト電極
(導電膜25b)間の距離よりも少しでも大きければ影
響はない。
【0178】このため、電界電子放出素子21どうしの
間隔を非常に小さくして画素を緻密に配置し、上記電子
放出源45側に狭い間隔でアドレスラインを形成するよ
うにしてもクロスト−ク等の問題は生じない。
【0179】第3に、このような構成によれば、上記表
示部46側にデ−タラインを設けることによって、発散
する電子ビ−ムを収束させることができ、発光箇所を正
確に制御することができる効果がある。
【0180】なお、この実施例では、上記アドレスライ
ン(導電膜25b)に沿って多数の円形のスル−ホ−ル
26を形成していたが、このような構成に限定されるも
のではない。例えば、上記多数のスル−ホ−ルをアドレ
スラインに沿ってすべて連結したような溝状(スリット
状)のものに形成し、このようなスル−ホ−ルを通して
上記柱状結晶集合体27を形成するようにしても良い。
このような場合、上記柱状結晶集合体27は、上記スル
−ホ−ルの形状にそって直線状に形成されることとな
る。
【0181】また、この実施例では、1つの電界電子放
出素子21で1画素が構成されていたが、これに限定さ
れるものではなく、複数の電界電子放出素子21で構成
されていても良い。例えば、図35(b)に示すように
8個の電界電子放出素子21で1画素が構成されていて
も良い。
【0182】次に、第10の実施例の平面ディスプレイ
装置について図27を参照して説明する。なお、上記第
9の実施例と同一の構成要素については同一符号を付し
てその説明は省略する。
【0183】この第10の実施例の平面ディスプレイ装
置は、上記第9の実施例と異なり、上記電子放出源45
´側に、アドレスラインとデ−タラインの双方を形成す
るようにしたものである。
【0184】すなわち、上記ベ−ス電極23を上記帯状
の導電膜25bと直交する帯状のベ−ス電極23aに分
割し、これをアドレスラインとして用い、上記帯状の導
電膜25bをデ−タラインとして用いるものである。
【0185】なお、上記基板22上に分割されたベ−ス
電極23aを形成した後、上記第9の実施例で説明した
製造方法と同様の製造方法を適用することで、図23に
示す形状の電子放出源45´を得ることができる。
【0186】一方、上記表示部46´に設けられた透明
導電膜48は、上記第9の実施例と異なり分割されてお
らず、上記透明基板47の表面の全面に亘って被着され
ている。そして、この透明導電膜48の表面には上記多
色発光蛍光体49が成膜されている。
【0187】このような平面ディスプレイによれば、T
FTを利用したアクティブマトリックス方式の液晶ディ
スプレイ装置と同様の駆動方法により表示動作を行うこ
とができる。
【0188】すなわち、各ライン(25b、23a)に
接続された駆動ドライバ50、51を作動させ、任意の
アドレスライン(23a)とデ−タライン(25b)と
を選択して電圧を印加することによって各ラインが交わ
る箇所に設けられた電界電子放出素子21から電子を放
出させる。
【0189】このとき、上記表示部46´に設けられた
上記透明導電膜48に対して上記導電膜25bに与えた
電圧より高い電圧を与えておくと、放出された電子は略
100パ−セント上記透明導電膜48に引き寄せられ、
この透明導電膜48の表面に被着された蛍光体49に衝
突する。このことで、上記蛍光体49を発光させること
ができる。
【0190】このような構成によれば、上記第9の実施
例と略同様の効果を得ることができる。なお、この実施
例では、1つの電界電子放出素子21で1画素が構成さ
れていたが、これに限定されるものではなく、複数個の
電界電子放出素子21で構成されたものであっても良
い。例えば、図35(b)に示すように8個の電界電子
放出素子21で1画素が構成されていても良い。
【0191】次に、第11の実施例の平面ディスプレイ
装置について、図28および図29を参照して説明す
る。
【0192】この第11の実施例の平面ディスプレイ装
置は、第3の実施例の電界電子放出素子32を集積して
なる電子放出源52を有するものである。
【0193】すなわち、上記基板22の表面に被着され
たベ−ス電極23上には、全面に亘って柱状結晶集合体
27が成膜されている。そして、この柱状結晶集合体2
7上には、絶縁膜24と導電膜25(25b)とが積層
されている。
【0194】上記導電膜25は、第9の実施例と同様に
帯状の導電膜25bに分割され、アドレスラインを構成
している。一方、上記帯状の導電膜25bと、上記絶縁
膜24には、上記柱状結晶集合体27を露出させるスル
−ホ−ル26が形成されている。
【0195】なお、上記第9の実施例では、上記スル−
ホ−ル26は、上記導電膜25bに沿って1列状に設け
られていたが、この実施例のように、複数列あるいは千
鳥状に設けられているものであっても良い。
【0196】一方、上記表示部46は、上記第9の実施
例と同じ構成を有する。すなわち、上記透明基板47に
は、帯状の透明導電膜48が形成され、デ−タラインと
して機能するようになっている。
【0197】この平面ディスプレイ装置は、上記第9の
実施例と同様に、単純マトリックス方式の液晶ディスプ
レイ装置と同様の方法で駆動することができる。
【0198】次に、この第11の実施例の平面ディスプ
レイ装置の製造方法を図29(a)〜(e)を参照して
説明する。
【0199】まず、図29(a)に示すように、上記基
板22の表面に薄膜状のベ−ス電極23を形成し、この
ベ−ス電極23上に柱状結晶集合体27を成膜する。こ
の柱状結晶集合体27の成膜は、上記第1の実施例と同
様にCVDで行う。
【0200】ついで、図29(b)に示すように、柱状
結晶集合体27上に第1の絶縁膜24(導電膜24)、
導電膜25および第2の絶縁膜53を積層し、上記第2
の絶縁膜53の表面にレジスト54を塗布する。つい
で、このレジスト54をパタ−ンニングし、図29
(c)に示すように、スル−ホ−ル26を形成するため
のパタ−ン孔54aを形成する。このパタ−ン孔54a
は、例えば、円孔をなすように形成する。
【0201】次に、このレジスト54をマスクとして異
方性エッチングを行いスル−ホ−ル26を形成した後、
HFを用いたウエットエッチングにより上記第1、第2
の絶縁膜24、53を選択的にエッチングする。このこ
とにより、図29(d)に示すように上記導電膜25の
縁部25aをスル−ホ−ル26に突出させゲ−ト電極を
形成する。ついで、上記レジスト54を洗浄除去するこ
とで、電子放出源52が完成する。
【0202】次に、この電子放出源52の上面に、表示
部46を固定する。この表示部46は、上記第9の実施
例に説明した方法により上記デ−タラインとしての透明
導電膜48が形成されたものである。
【0203】そして、両者間の固定は、図29(e)に
示すように、真空雰囲気中で上記透明導電膜48に対応
する箇所の蛍光体49で上記スル−ホ−ル26を閉塞す
るようにして行い、上記第2の絶縁膜53の上面と上記
蛍光体49の下面とを接着する。
【0204】このことで、平面ディスプレイ装置が完成
する。
【0205】このような平面ディスプレイ装置によれ
ば、前記第9の実施例と同様の効果を得ることができ
る。また、この実施例では、柱状結晶集合体27はベ−
ス電極23の略全面に成膜しておき、電子の放出位置は
上記導電膜25に形成されたスル−ホ−ル26の位置で
制御するようにしている。したがって、電子放出位置の
配置の自由度が高く、また、製造方法の自由度も高くな
る例えば、あらかじめ多数の孔(スル−ホ−ル)が設け
られた導電膜を用意しておいて、この導電膜を上記柱状
結晶集合体27に被せるという方法でもこの第11の実
施例と同形状の電子放出源52を得ることができる。
【0206】また、この実施例の平面ディスプレイの製
造方法によれば、図29(e)に示すように、ゲ−ト電
極として作用する導電膜25上に成膜された第2の絶縁
膜53を、透明導電膜48と導電膜25b(ゲ−ト電極
25)間のスペーサとして用いることができる。したが
って、ビ−ズ等の他のスペーサが不要になり、この平面
ディスプレイ装置の製造が非常に容易になる効果があ
る。
【0207】次に、第12の実施例について図30〜図
35を参照して説明する。なお、上記第1の実施例の電
界電子放出素子と同様の構成要素については同一符号を
付してその説明は省略する。
【0208】この実施例の電界電子放出素子55は、図
30および図31に示すようなものであり、基板22上
にベ−ス電極23が成膜され、このベ−ス電極23上に
はエミッタ電極として機能する柱状結晶集合体27が形
成されている。この柱状結晶集合体27は、第1の実施
例あるいはい第2の実施例と同様の方法(パタ−ンニン
グ、露光、CVD)で、所定の範囲に亘って形成されて
いる。
【0209】そして、この針状結晶集合体27の上面中
央部には絶縁膜24´が形成され、この絶縁膜24´上
にはゲ−ト電極として機能する導電膜25´が積層され
ている。この導電膜25´は上記絶縁膜24´よりも外
側に突出する縁部56を有する。
【0210】この実施例においては、図31に示すよう
に、上記柱状結晶集合体27は円形の範囲に亘って形成
されており、上記導電膜25´はこの柱状結晶集合体2
7の範囲よりも小さい面積を有する円形に形成されてい
る。したがって、上記柱状結晶集合体27は上記導電膜
25´を囲むようにこの導電膜25´の径方向外側に広
がっている。
【0211】次に、この電界電子放出素子55の動作に
ついて説明する。
【0212】上記ベ−ス電極23に負の電圧を与え、上
記導電膜25´(ゲ−ト電極)に正の電圧を与えること
によって上記柱状結晶集合体27と上記導電膜25´と
の間に電位差を生じさせると、この導電膜25´の縁部
56から上記柱状結晶集合体27の上端に対して電圧が
印加される。
【0213】印加された電圧は、上記柱状結晶集合体2
7を構成する各柱状結晶28の上端28aに集中し、各
柱状結晶28の上端28aから電子が放出されることと
なる。なお、電子の放出量は、同図に一点鎖線で示すよ
うに推移する。すなわち、上記導電膜25´の縁部56
に最も近接する柱状結晶28からの電子放出量が一番大
きくなり、外側にいくにしたがってその電子放出量は小
さくなる。電子放出の効率は、上記ゲ−ト電極(導電膜
25´)の縁部56からの物理的距離に大きく依存する
からである。
【0214】したがって、この実施例のように上記導電
膜25´の縁部56が円形に形成されている場合には電
子は略円環状に放出されることとなる。図32は、この
実施例に電界放出素子55により放出された電子によっ
てアノ−ド電極57(第10の実施例の表示部46に相
当)の蛍光体49が円環状に発光した状態を示すもので
ある。
【0215】一方、図33に示すのは、導電膜25´
(ゲ−ト電極)の縁部56が直線状に形成されてなる電
界電子放出素子55´である。すなわち、この実施例の
電界放出素子では、上記縁部56の形状は特に限定され
ず、自由な形状にすることができる。
【0216】この図33に示す電界電子放出素子55´
においては、上記導電膜25´に溝状のスリットを形成
することで、上記縁部56を形成している。この実施例
においても、上記電子の放出効率は、この縁部56に近
い箇所で最大となるから、電子の放出量は図に一点鎖線
で示すように推移することとなる。
【0217】したがって、この電界電子放出素子55´
から放出された電子によりアノ−ド電極(図33には図
示を省略)の蛍光体を発光させると図34に示すよう
に、平行な直線状の発光状態を得ることができる。な
お、この図では、3つの電界電子放出素子55´が並列
に設けられてなり、電子放出源59を構成している。
【0218】このような構成によれば、以下に説明する
効果がある。
【0219】上記第1〜第11の実施例では、導電膜2
5にスル−ホ−ル26を設けることでゲ−ト電極の縁部
25aを形成していたが、この実施例では、スル−ホ−
ル26を設けることなく単に縁部56を作成したもので
ある。
【0220】すなわち、上記第1〜第11の実施例にお
いては、ゲ−ト電極となる導電膜25に円形のスル−ホ
−ル26を形成することで、このスル−ホ−ル26の中
央部に位置する柱状結晶28に対しても有効に電界を印
加するようにしていたが、この実施例ではそのような効
果は得られない。
【0221】しかし、上記スル−ホ−ル26を設けた場
合の欠点として、電界電子放出素子21の配置自由度が
かなり制限されるということがある。すなわち、各スル
−ホ−ル26間を一定の寸法だけ互いに離間させる必要
があり、また、露光装置の解像度によってもこのスル−
ホ−ル26の間の距離が一定値以上に制限されることに
なる。
【0222】一方、この実施例によれば、縁部56を有
していればその形状は特に規制されない。したがって、
電界電子放出素子55、55´の配置自由度が向上する
という効果を得ることができる。
【0223】また、この実施例によれば、前記第1〜第
11の実施例の電界電子放出素子と同様に、従来のスピ
ント型の電界電子放出素子と比較して電子放出の密度を
向上させることができる効果がある。この効果を図35
を参照して説明する。
【0224】図35(a)は従来のスピント型の電界放
出素子アレイ(集積された電子放出素子)を示すもので
あり、図35(b)は第11の実施例の電界放出素子ア
レイ、図35(c)はこの第12の実施例の電界放出素
子アレイを示すものである。
【0225】今、図35(a)に示すように、ゲ−ト電
極として機能する導電膜に形成されたスル−ホ−ルの直
径をdとして、5d×5dの正方形の範囲を考える。ス
ピント型の電界電子放出素子の場合には、1つのスル−
ホ−ルにつき1つのエミッタ電極しか設けられないので
(図40参照)、エミッタ電極1の数は全部8つであ
る。したがって電子放出点の数は8となる。
【0226】次に、第1〜第11の実施例に示した電界
電子放出素子の場合(図35(b))には、上記スル−
ホ−ル26内に位置する柱状結晶集合体27の略すべて
の柱状結晶28から電子が放出されることとなる。各柱
状結晶28の上端28a(最先端)間の距離をnとする
と、各スル−ホ−ル26内に位置する柱状結晶の数はπ
2 /4nである。したがって、電子放出点の数は、
(πd2 /4n)×8となる。
【0227】第12の実施例の場合(図35(c))に
は、直線状に設けられた縁部56に沿う位置に存在する
柱状結晶28から電子が放出される。各縁部56の近傍
に位置する柱状結晶28の数は、5d/nとなる。した
がって電子放出点の数は、(5d/n)×6となる。
【0228】いずれにしても、d>>nであるから、この
第12の実施例の電子放出源59によれば、従来のスピ
ント型の電界電子放出素子を集積してなる電子放出源
(図35(a))に比べてエミッタ電極の数が非常に多
くなり、電子放出効率が向上するのが分かる。
【0229】次に、第13の実施例を図36に基づいて
説明する。
【0230】この実施例の電界電子放出源59は、第1
2の実施例の図33に示した電界放出素子55´の導電
膜25´(ゲ−ト電極)に、絶縁層60〜62を介して
収束電極64、加速電極65、偏向電極66を設けたも
のである。
【0231】すなわち、上記第1〜第11の実施例の電
界放出素子ではスル−ホ−ル26は円形を有しており、
このスル−ホ−ル26の中央部に向かって電界を集中さ
せるという効果を得ることができたので、放出される電
子の軌道はそれ程広がらないということがある。しか
し、第12の実施例に示した電界放出素子55´では、
電子の軌道を規制する手段が存在しないので、電子の軌
道がかなり広がる恐れがある。
【0232】そこで、この実施例では、上記導電膜25
´(ゲ−ト電極)の上面に、この導電膜25´の縁部5
6と同形状の縁部を有する収束電極64、加速電極6
5、偏向電極66をそれぞれの間に絶縁層60〜62を
介在させて設けることで、上記柱状結晶集合体27から
放出される電子の軌道を収束、加速および必要に応じて
偏向させるようにしたものである。
【0233】なお、この電界放出素子の製造は、上記ベ
−ス電極23上に形成された柱状結晶集合体27に、上
記ゲ−ト電極25、収束電極64、加速電極65および
偏向電極66となり得る絶縁体と導電体とを交互に積層
し、これを所定のパタ−ンでエッチングすることで、上
記各電極に縁部(56)を形成する。そして、最後に、
前述したHFを用いたウエットエッチング等により、上
記絶縁層のみを選択的にエッチングして面内方向に後退
させることで、図36に示す電界電子放出素子を得るこ
とができる。
【0234】次に、第14の実施例を図37を参照して
説明する。なお、前記第12の実施例と同様の構成要素
には同一の符号を付してその説明は省略する。
【0235】この実施例の電界電子放出素子60は、前
記第1の実施例の電界放出素子21と同様の製造方法に
よって、前記第11の実施例の電界電子放出素子55
(図29)と同様の作用効果を得るものである。
【0236】すなわち、まず、上記基板22上に形成さ
れたベ−ス電極23上に絶縁膜24´および導電膜25
´を形成すると共に、この絶縁膜24´および導電膜2
5´を所定のパタ−ンでエッチングして上記ベ−ス電極
23の表面を露出させる。
【0237】ついで、上記ベ−ス電極23の表面のみに
上記柱状結晶集合体27を選択的に成膜する。最後に、
HFを用いたウエットエッチングによって上記柱状結晶
集合体27の周囲に位置する絶縁膜24´を面内方向に
後退させ、上記導電膜25´(ゲ−ト電極)の縁部56
を上記柱状結晶集合体27側に突出させる。
【0238】このことで、同図に示すように、上記第1
1の実施例と同様に、上記柱状結晶集合体27が上記導
電膜25´の縁部56の外側に広がるという構成を有す
る電界電子放出素子60を得ることができる。
【0239】このような構成であれば、上記第12の実
施例と同様の作用効果を得ることができる。また、第1
3の実施例と同様に、収束電極64、加速電極65およ
び偏向電極66を設けて、放出された電子の軌道を制御
することも可能である。
【0240】次に、第15の実施例として、図33に示
した第12の実施例の電界電子放出素子55´を応用し
てなる平面ディスプレイ装置を図38に示す。
【0241】この平面ディスプレイ装置は、図27に示
した第10の実施例の平面ディスプレイ装置の1画素
を、図33に示す第12の実施例の電界放出素子55´
で構成したものである。
【0242】この実施例においては、上記電界電子放出
素子55´のゲ−ト電極(導電膜25´)の縁部56
は、上記アドレスラインを構成する導電膜25´bに溝
状のスリットを3列設けることで形成されている。
【0243】また、図39に示すのは、第16の実施例
の平面ディスプレイ装置である。
【0244】この実施例は、図28に示した第12の実
施例の平面ディスプレイ装置のアドレスラインを構成す
る導電膜25´bに、3列の溝状のスリットを設けるこ
とで、直線状の縁部56を設け、図33に示した第11
の実施例の電界電子放出素子55´を構成するようにし
たものである。
【0245】なお、これら第14、第15の実施例の平
面ディスプレイ装置においては、前述したように各電界
電子放出素子55´から放出される電子軌道が広がりが
大きいと考えられる。このために、前記第13の実施例
で説明したように上記導電膜上面に、収束電極64、加
速電極65および偏向電極66を設けて電子の放出軌道
を制御するようにしても良い。
【0246】なお、この発明は、上記第1〜第16の実
施例に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しな
い範囲で種々変形可能である。
【0247】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の電界電
子放出素子は、エミッタ電極として柱状結晶集合体を用
いたものである。
【0248】このような構成によれば、製造が容易で電
子放出効率の高い電界電子放出素子を提供することがで
きる。したがって、この電界電子放出素子を集積して電
子放出源や平面ディスプレイ装置を構成することによっ
て、これらの装置を低い電圧であっても良好に作動させ
ることができる。
【0249】また、この発明の電界電子放出素子および
この電界電子放出素子を応用した平面ディスプレイ装置
の製造方法によれば、上記エミッタ電極の製造を成膜技
術のみで行え、しかも同時に先端部の尖鋭化も行える。
したがって上述した電子放出効率の高い電界電子放出素
子およびこの電界電子放出素子を集積してなる平面ディ
スプレイ装置を容易に製造することができる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例の電界電子放出素子を一
部破断して示す斜視図。
【図2】同じく縦断面図。
【図3】同じく電界電子放出素子の作用を示す説明図。
【図4】第2の実施例の電界電子放出素子を示す縦断面
図。
【図5】第1の実施例の電界電子放出素子の製造方法を
示す工程図。
【図6】同じく、柱状結晶集合体の結晶構造をSEM
(走査型トンネル顕微鏡)で拡大した写真。
【図7】同じく、柱状結晶集合体の結晶構造をSEM
(走査型トンネル顕微鏡)で拡大した写真。
【図8】同じく、柱状結晶集合体の結晶構造をSEM
(走査型トンネル顕微鏡)で拡大した写真。
【図9】同じく、柱状結晶集合体の結晶構造をSEM
(走査型トンネル顕微鏡)で拡大した写真。
【図10】同じく、柱状結晶集合体の結晶構造をSEM
(走査型トンネル顕微鏡)で拡大した写真。
【図11】同じく、柱状結晶集合体の結晶構造をSEM
(走査型トンネル顕微鏡)で拡大した写真。
【図12】同じく、柱状結晶集合体の結晶構造をSEM
(走査型トンネル顕微鏡)で拡大した写真。
【図13】同じく、柱状結晶集合体の結晶構造をSEM
(走査型トンネル顕微鏡)で拡大した写真。
【図14】同じく、柱状結晶集合体の結晶構造をSEM
(走査型トンネル顕微鏡)で拡大した写真。
【図15】第3の実施例の電界電子放出素子を示す縦断
面図。
【図16】同じく、電界電子放出素子の製造方法を示す
工程図。
【図17】第4の実施例の電界電子放出素子を示す縦断
面図。
【図18】第5の実施例の電界電子放出素子を示す縦断
面図。
【図19】第6の実施例の電界電子放出素子を示す縦断
面図。
【図20】第7の実施例の電界電子放出素子を示す縦断
面図。
【図21】第8の実施例の電界電子放出素子を示す縦断
面図。
【図22】第7の実施例の電界電子放出素子の突起部の
作製方法を示す説明図。
【図23】同じく突起部を示す平面図。
【図24】第9の実施例の平面ディスプレイ装置の要部
を示す平面図。
【図25】同じく、縦断面図。
【図26】同じく、斜視図。
【図27】第10の実施例の平面ディスプレイ装置を示
す斜視図。
【図28】第11の実施例の平面ディスプレイ装置を示
す斜視図。
【図29】同じく、製造工程を示す工程図。
【図30】第12の実施例の電界電子放出素子を示す縦
断面図。
【図31】同じく、斜視図。
【図32】同じく、電子の放出パタ−ンを示す説明図。
【図33】同じく、電界電子放出素子の別の例を示す斜
視図。
【図34】同じく、電子の放出パタ−ンを示す説明図。
【図35】同じく、電子の放出密度を説明する説明図。
【図36】第13の実施例の電子放出源を示す縦断面
図。
【図37】第14の実施例の電界電子放出素子を示す縦
断面図。
【図38】第15の実施例の平面ディスプレイ装置を示
す斜視図。
【図39】第16の実施例の平面ディスプレイ装置を示
す斜視図。
【図40】従来のスピント型の電界電子放出素子を示す
断面図。
【図41】従来の平面型の電界電子放出素子を示す平面
図、および縦断面図。
【符号の説明】
21…電界電子放出素子、22…基板、22´…基板
(導電体)、23…ベ−ス電極(導電体)、24…絶縁
膜、25…導電膜(ゲ−ト電極)、25a…縁部、26
…スル−ホ−ル(貫通孔)、27…柱状結晶集合体(エ
ミッタ電極)、28…柱状結晶(エミッタ電極)、45
…電子放出源、46…表示部、53…第2の絶縁膜(ス
ペーサ)。

Claims (34)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電体の表面に設けられ電界が与えられ
    ることで電子を放出するエミッタ電極を備えた電界電子
    放出素子において、 上記エミッタ電極は、先端部から電子を放出できる複数
    の柱状結晶からなる柱状結晶集合体を有することを特徴
    とする電界電子放出素子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電界電子放出素子におい
    て、 上記複数の柱状結晶は互いに密着してなるものを含むこ
    とを特徴とする電界電子放出素子。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の電界電子放出素子におい
    て、 上記柱状結晶の先端部は尖鋭化されていることを特徴と
    する電界電子放出素子。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の電界電子放出素子におい
    て、 上記柱状結晶集合体は、導電体上にCVD(Chemical V
    apor Deposition )の手段により、WH6 とSiH4
    反応させ成膜されたものであることを特徴とする電界電
    子放出素子。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の電界電子放出素子におい
    て、 上記柱状結晶はβ−タングステン(β−W)を含有する
    ことを特徴とする電界電子放出素子。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の電界電子放出素子におい
    て、 この柱状結晶集合体に、この導電体との電位差に応じた
    電界を与えることで、上記柱状結晶集合体の各柱状結晶
    の先端部から電子を引き出すゲ−ト電極を有することを
    特徴とする電界電子放出素子。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の電界電子放出素子におい
    て、 上記ゲ−ト電極は、上記柱状結晶集合体と対向する縁部
    を有し、この縁部と上記柱状結晶集合体とのギャップを
    介して上記柱状結晶集合体に電界を与えるものであるこ
    とを特徴とする電界電子放出素子。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の電界電子放出素子におい
    て、 上記ゲ−ト電極は、上記導電体に絶縁層を介して積層さ
    れていることを特徴とする電界電子放出素子。
  9. 【請求項9】 請求項7記載の電界電子放出素子におい
    て、 上記ゲ−ト電極は、上記柱状結晶集合体に絶縁層を介し
    て積層されていることを特徴とする電界電子放出素子。
  10. 【請求項10】 請求項7記載の電界電子放出素子にお
    いて、 上記ゲ−ト電極は、上記柱状結晶集合体の各柱状結晶の
    先端部から放出された電子を通す貫通部を有し、 上記ゲ−ト電極の縁部は、前記貫通部の周部によって構
    成されていることを特徴とする電界電子放出素子。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の電界電子放出素子に
    おいて、 上記ゲ−ト電極は、孔状の貫通部を有することを特徴と
    する電界電子放出素子。
  12. 【請求項12】 請求項10記載の電界電子放出素子に
    おいて、 上記ゲ−ト電極は、溝状の貫通部を有することを特徴と
    する電界電子放出素子。
  13. 【請求項13】 請求項10記載の電界電子放出素子に
    おいて、 上記柱状結晶集合体は、上記導電体の表面の、上記ゲ−
    ト電極の貫通部に対応する部位にのみ選択的に成膜され
    たものであることを特徴とする電界電子放出素子。
  14. 【請求項14】 請求項10記載の電界電子放出素子に
    おいて、 上記柱状結晶集合体は、上記ゲ−ト電極の貫通部の中央
    部に位置する柱状結晶の先端部の高さ寸法が、周縁部に
    位置する柱状結晶の先端部の高さ寸法よりも大きく形成
    されていることを特徴とする電界電子放出素子。
  15. 【請求項15】 請求項14記載の電界電子放出素子に
    おいて、 上記ゲ−ト電極の貫通部の中央部に位置する柱状結晶の
    先端部が、上記ゲ−ト電極の貫通部を貫通して突出して
    いることを特徴とする電界電子放出素子。
  16. 【請求項16】 請求項14記載の電界電子放出素子に
    おいて、 上記導電体は、上記ゲ−ト電極の貫通部の中央部に位置
    する部位が、その周縁部に位置する部位よりもゲ−ト電
    極側に突出していることを特徴とする電界電子放出素
    子。
  17. 【請求項17】 請求項6記載の電界電子放出素子にお
    いて、 上記柱状結晶集合体の各柱状結晶の先端部から放出され
    た電子を受けるアノ−ド電極を有することを特徴とする
    電界電子放出素子。
  18. 【請求項18】 請求項17記載の電界電子放出素子に
    おいて、 上記アノ−ド電極は、上記ゲ−ト電極の貫通部に対向す
    る蛍光体を有し、 この蛍光体は、上記柱状結晶集合体から放出された電子
    を受けることで発光することを特徴とする電界電子放出
    素子。
  19. 【請求項19】 請求項6記載の電界電子放出素子が集
    積されてなることを特徴とする電子放出源。
  20. 【請求項20】 請求項19記載の電子放出源におい
    て、 上記ゲ−ト電極は、貫通部が複数設けられてなり、 各貫通部を通して上記各柱状結晶集合体から電子が放出
    されることを特徴とする電子放出源。
  21. 【請求項21】 請求項20の電子放出源において、 上記ゲ−ト電極は孔状の貫通部を有することを特徴とす
    る電子放出源。
  22. 【請求項22】 請求項20の電子放出源において、 上記ゲ−ト電極は溝状の貫通部を有することを特徴とす
    る電子放出源。
  23. 【請求項23】 請求項6記載の電界電子放出素子を複
    数有する電子放出源と、 この電子放出源から放出された電子を受けることで発光
    表示を行う表示部とを有することを特徴とする平面ディ
    スプレイ装置。
  24. 【請求項24】 請求項23記載の平面ディスプレイ装
    置において、 上記電子放出源と上記表示部は、上記ゲ−ト電極に積層
    された絶縁層を介して接合されていることを特徴とする
    平面ディスプレイ装置。
  25. 【請求項25】 ゲ−ト電極と、このゲ−ト電極から電
    界が与えられることで先端部から電子を放出するエミッ
    タ電極とを有する電界電子放出素子の製造方法におい
    て、 多数の柱状結晶が密接してなる柱状結晶集合体を成膜
    し、各柱状結晶の先端部から電子を放出できるエミッタ
    電極を形成する第1の工程と、 縁部を有するゲ−ト電極を形成する第2の工程とを有す
    ることを特徴とする電界電子放出素子の製造方法。
  26. 【請求項26】 請求項25記載の電界電子放出素子の
    製造方法において、 前記第1の工程は、 導電体上に第1の絶縁膜、導電膜および第2の絶縁膜を
    積層する工程と、 上記第1の絶縁膜、導電膜および第2の絶縁膜の所定の
    部位をエッチング除去し、貫通部を設ける工程と、 この貫通部を通して露出した上記導電体上に柱状結晶集
    合体を成膜し、前記エミッタ電極を形成する工程とを含
    み、 前記第2の工程は、 上記第1の絶縁膜を選択的にエッチングすることで、上
    記導電膜を上記柱状結晶集合体側に突出する縁部を有す
    るゲ−ト電極に成形する工程を含むことを有することを
    特徴とする電界電子放出素子の製造方法。
  27. 【請求項27】 請求項25記載の電界電子放出素子の
    製造方法において、 前記第1の工程は、 導電体の表面に柱状結晶集合体を成膜し、前記エミッタ
    電極を形成する工程とを含み、 前記第2の工程は、 上記柱状結晶集合体上に絶縁膜と導電膜とを積層する工
    程と、 上記導電膜と上記絶縁膜の所定の部位をエッチング除去
    して貫通部を設け、上記導電膜を縁部を有するゲ−ト電
    極に形成する工程とを含むことを特徴とする電界電子放
    出素子の製造方法。
  28. 【請求項28】 請求項25記載の電界電子放出素子の
    製造方法において、 前記第1の工程は、 上記導電体を、反応器内に収容し、 この反応器内にWF6 とSiH4 を導入して反応させる
    ことで、上記導電体の表面から略垂直に成長するβ−W
    を含有する複数の柱状結晶を有する柱状結晶集合体を成
    膜する工程を含むことを特徴とする電界電子放出素子の
    製造方法。
  29. 【請求項29】 請求項28記載の電界電子放出素子の
    製造方法において、 上記柱状結晶集合体を成膜する工程は、 反応器内の上記導電体周囲雰囲気の温度を120℃〜5
    00℃、好ましくは320℃に保ち、 上記WF6 とSiH4 の流量比(SiH4 /WF6 )は
    0.9〜2.0、好ましくは1.0に保つ工程を含むこ
    とを特徴とする電界電子放出素子の製造方法。
  30. 【請求項30】 請求項28記載の電界電子放出素子の
    製造方法において、 上記柱状結晶集合体を成膜する工程は、 上記反応器内に、H2 を導入する工程を含むことを特徴
    とする電界電子放出素子の製造方法。
  31. 【請求項31】 基板の表面に導電体を形成する第1の
    工程と、 この導電体の表面に、先端部が尖鋭化された柱状結晶を
    有する柱状結晶集合体を成膜し、上記各柱状結晶の先端
    部から電子を放出できるエミッタ電極を形成する第2の
    工程と、 上記柱状結晶集合体に第1の絶縁膜、導電膜、第2の絶
    縁膜を積層する第3の工程と、 上記第1、第2の絶縁膜と導電膜の所定の部位をエッチ
    ング除去してこの導電膜に縁部を設ける第4の工程と、 表面に透明導電膜と蛍光体とが積層されてなる表示部材
    を、真空雰囲気中で上記第2の絶縁膜の表面に接合し、
    上記蛍光体を上記エミッタ電極に対向させる第5の工程
    とを有することを特徴とする平面ディスプレイ装置の製
    造方法。
  32. 【請求項32】 請求項31記載の平面ディスプレイ装
    置の製造方法において、 前記第2の工程は、 上記導電体の形成された基板を反応器内に収容し、 この反応器内に少なくともWF6 とSiH4 を導入して
    反応させることで、上記導電体の表面にから略垂直に成
    長するβ−Wを含有する柱状結晶を有する柱状結晶集合
    体を成膜する工程を含むことを特徴とする平面ディスプ
    レイ装置の製造方法。
  33. 【請求項33】 請求項32記載の平面ディスプレイ装
    置の製造方法において、 上記柱状結晶集合体を成膜する工程は、 反応器内の上記導電体周囲雰囲気の温度を120℃〜5
    00℃に保ち、この範囲にてさらに好ましくは320℃
    に保ち、 上記WF6 とSiH4 の流量比(SiH4 /WF6 )は
    0.9〜2.0に保ち、さらに好ましくは1.0に保つ
    工程を含むことを特徴と平面ディスプレイ装置の製造方
    法。
  34. 【請求項34】 請求項33記載の平面ディスプレイ装
    置の製造方法において、 上記柱状結晶集合体を成膜する工程には、上記反応器内
    に、H2 を導入する工程を含むことを特徴とする平面デ
    ィスプレイ装置の製造方法。
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