JPH08328594A - オーディオデータ圧縮装置およびこれに用いる予測係数算出装置 - Google Patents

オーディオデータ圧縮装置およびこれに用いる予測係数算出装置

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JPH08328594A
JPH08328594A JP7152452A JP15245295A JPH08328594A JP H08328594 A JPH08328594 A JP H08328594A JP 7152452 A JP7152452 A JP 7152452A JP 15245295 A JP15245295 A JP 15245295A JP H08328594 A JPH08328594 A JP H08328594A
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prediction coefficient
signal
channel
prediction
calculating
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JP7152452A
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Hiroyuki Fukuchi
弘行 福地
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 予測係数がそれに割り当てられているデータ
長の範囲をなるべく越えないようにして予測を行い、良
好な音質を再現できるようにする。 【構成】 第1の自己相関計算回路1の出力信号と相互
相関計算回路2の出力信号とから第1の予測係数を求め
る第1の割り算回路4と、第2の自己相関計算回路3の
出力信号と相互相関計算回路2の出力信号とから第2の
予測係数を求める第2の割り算回路5と、前記第1およ
び第2の割り算回路4、5により求められた2つの予測
係数のうちの何れかを選択して出力する比較選択回路6
とを備え、予測係数を算出する際に、前記第1および第
2の割り算回路4、5で計算した2つの予測係数のうち
から割当データ長の範囲内にある方を選択して出力する
ようにすることにより、1つの予測係数だけしか計算し
ない場合に比べて、予測係数が割当データ長の範囲を越
えにくくなるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オーディオデータ圧縮
装置およびこれに用いる予測係数算出装置に関し、例え
ば、ディジタル形式のオーディオデータを圧縮して伝送
あるいは記録媒体へ記録するための装置に用いて好適な
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、オーディオあるいは音声等の信号
を高能率符号化(データ圧縮)するための手法として種
々の手法が提案されている。例えば、オーディオ信号等
を複数の周波数帯域に分割して符号化する帯域分割符号
化方式(サブバンド符号化方式)を挙げることができ
る。
【0003】サブバンド符号化方式の一例として、MP
EG1オーディオ方式と呼ばれるISO/IEC 11
172−3がある。また、5つのオーディオチャネルを
扱うことが可能なMPEG2オーディオ方式と呼ばれる
ISO/IEC 13818−3がある。このMPEG
2オーディオ方式では、チャネル間予測を利用した圧縮
技術を採用している。
【0004】図2に、サブバンド符号化方式を採用した
符号化装置の一例を示す。この例では、2チャネルのオ
ーディオデータを圧縮するためのオーディオデータ圧縮
装置を示している。
【0005】図2において、第1の入力端子41には第
1のチャネルの信号が入力され、第2の入力端子42に
は第2のチャネルの信号が入力される。各入力端子4
1、42に入力されたディジタルオーディオ信号は、そ
れぞれのチャネル毎に第1および第2の分割フィルタバ
ンク回路21、22に与えられ、所定時間毎に(この時
間間隔をフレームと呼ぶ)複数の周波数帯域に分割され
る。
【0006】そして、分割された周波数帯域毎に第1の
チャネルの信号が、第1のチャネルの信号と第2のチャ
ネルの信号との相関により予測される。その後は、第1
のチャネルの信号と上記予測された信号との差を表す残
差信号のみが第1のチャネルの信号として処理される。
このように、チャネル間の相関を利用して予測を行うこ
とにより、圧縮の効率が高められている。
【0007】上述のような予測を行う最も簡単な手法と
して、予測される第1のチャネルの信号y(t)を、予測を
行うときの基になる第2のチャネルの信号x(t)を用いて
次の(式1)に示す形で予測する方法がある。この(式
1)において、Aは予測係数、z(t)は残差信号である。 y(t)=A×x(t)+z(t) …(式1) (t=0,1,2,…)
【0008】図2に示したオーディオデータ圧縮装置
は、このような予測の方法を採用したものである。すな
わち、上述した第1の分割フィルタバンク回路21およ
び第2の分割フィルタバンク回路22の出力信号は、そ
れぞれ予測係数算出回路28に入力される。予測係数算
出回路28では、第1のチャネルおよび第2のチャネル
の特性から予測係数Aが算出され、それが乗算回路29
へと出力される。
【0009】そして、この乗算回路29により、上記算
出された予測係数Aと第2のチャネルの信号x(t)とが乗
算されることで予測が行われる。さらに、減算回路30
で第1のチャネルの信号y(t)から上記乗算回路29で算
出された予測信号が減算されることにより、残差信号z
(t)が求められる。
【0010】その後の処理では、第1のチャネルについ
ては、残差信号z(t)に対して、第1のフローティング処
理回路23により、上記第1の分割フィルタバンク回路
21で分割された各帯域毎にフローティング処理が行わ
れた後、第1の量子化回路25により、同じく分割され
た各帯域毎に量子化処理が行われる。
【0011】一方、第2のチャネルについては、第2の
分割フィルタバンク回路22の出力信号に対して、第2
のフローティング処理回路24により、上記第2の分割
フィルタバンク回路22で分割された各帯域毎にフロー
ティング処理が行われた後、第2の量子化回路26によ
り、同じく分割された各帯域毎に量子化処理が行われ
る。
【0012】なお、フローティング処理とは、分割され
た各帯域毎に帯域内の各信号に共通の値をかけて大きく
し、量子化時の精度を上げるための処理である。具体的
には、各帯域内の各信号の絶対値の最大値を探し出し、
この最大絶対値が飽和しないようなフローティング係数
を用いてフローティング処理を行うものが一例としてあ
る。
【0013】上記第1の量子化回路25の出力信号およ
び上記第2の量子化回路26の出力信号は、それぞれ多
重化回路27に与えられる。多重化回路27では、上記
量子化された信号と共に予測係数が多重化され、それが
符号化データとして出力端子43を介して出力される。
【0014】ここで、図2に示した予測係数算出回路2
8における予測係数Aの算出方法について説明する。す
なわち、上記した(式1)の両辺にx(t)を掛けた後で相
関をとると、 E[x(t)×y(t)] =A×E[x(t)2] …(式2) なる式を得ることができる。この(式2)は、z(t)が白
色雑音であると仮定して計算している。ここで、E[ ]は
集合平均を示す。
【0015】この(式2)より、予測係数Aは、 A=E[x(t)×y(t)] / E[x(t)2] …(式3) と求めることができる。実際には、信号の定常性を仮定
することで、集合平均を時間平均で近似して、次の(式
4)のように計算することにより予測係数Aを求める。
【0016】
【数1】
【0017】以上のことを回路で実現すると、図3に示
すような構成になる。図3では、第1のチャネルの信号
y(t)と第2のチャネルの信号x(t)とが、それぞれ第1チ
ャネル信号入力端子11および第2チャネル信号入力端
子12を介して相互相関計算回路2に入力される。ま
た、第2のチャネルの信号x(t)は、自己相関計算回路3
にも入力される。
【0018】上記相互相関計算回路2では、第1のチャ
ネルの信号y(t)と第2のチャネルの信号x(t)との相互相
関が計算され、それが割り算回路5の一方の入力端子に
入力される。また、上記自己相関計算回路3では、第2
のチャネルの信号x(t)の自己相関が計算され、それが割
り算回路5の他方の入力端子に入力される。
【0019】割り算回路5では、次の(式5)に示す相
互相関計算回路2の出力信号が、(式6)に示す自己相
関計算回路3の出力信号で割られることにより、予測係
数Aが求められる。求められた予測係数Aは、予測係数
出力端子13を介して次段の乗算回路29に出力され
る。
【0020】
【数2】
【0021】
【発明が解決しようとする課題】ところで、予測係数A
は、それに割り当てられているデータ長、すなわち割当
ビット数の範囲内で復号側へと送られるため、予測係数
の最大値および最小値がこの割当データ長によって決ま
ってしまう。このため、上述の予測係数算出回路28で
予測係数Aを算出したときに、その算出した結果が、予
測係数の割当データ長の範囲を越えてしまうことがあ
る。
【0022】この場合に従来は、算出した予測係数を上
記最大値または最小値に置き換えて予測を行うことが行
われていた。しかしながら、このように予測係数を置き
換えた場合には、置き換えられた予測係数が最適なもの
となっていないため、再生される音質が劣化することが
あるという問題があった。
【0023】本発明は、上述のような問題を解決するた
めに成されたものであり、予測係数がそれに割り当てら
れているデータ長の範囲をなるべく越えないようにして
予測を行い、良好な音質を再現できるようにすることを
目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明のオーディオデー
タ圧縮装置は、第1のチャネルの信号と第2のチャネル
の信号とを用いて前記第1のチャネルの信号の予測係数
を求める予測係数算出手段と、前記第2のチャネルの信
号に前記予測係数算出手段で求められた予測係数を掛け
合わせた信号と前記第1のチャネルの信号との差信号を
求める手段と、前記第2のチャネルの信号および前記差
信号を各々量子化した後、それらの量子化信号を前記予
測係数と共に多重化して出力する手段とを具備するオー
ディオデータ圧縮装置において、前記予測係数算出手段
は、第1のチャネルの信号が入力され、入力された信号
の自己相関を計算する第1の自己相関計算手段と、第2
のチャネルの信号が入力され、入力された信号の自己相
関を計算する第2の自己相関計算手段と、前記第1のチ
ャネルの信号と前記第2のチャネルの信号とが入力さ
れ、両信号の相互相関を計算する相互相関計算手段と、
前記第1の自己相関計算手段の出力信号と前記相互相関
計算手段の出力信号とから一方のチャネルの信号に対す
る他方のチャネルの信号の予測係数を求める第1の予測
係数計算手段と、前記第2の自己相関計算手段の出力信
号と前記相互相関計算手段の出力信号とから一方のチャ
ネルの信号に対する他方のチャネルの信号の予測係数を
求める第2の予測係数計算手段と、前記第1の予測係数
計算手段により求められた予測係数および前記第2の予
測係数計算手段により求められた予測係数のうち、予測
係数に割り当てられているデータ長を越えない範囲で何
れかを選択して出力する選択手段とを備えたことを特徴
とする。
【0025】本発明の他の特徴とするところは、前記第
1の予測係数計算手段の出力信号および前記第2の予測
係数計算手段の出力信号に関する予測フィルタのゲイン
を各々求める予測フィルタゲイン計算手段を具備し、前
記選択手段は、前記予測フィルタゲイン計算手段におい
て計算されたゲインが大きい方に対応する予測係数を選
択的に出力することを特徴とする。
【0026】本発明のその他の特徴とするところは、前
記選択手段は、前記第1の予測係数計算手段により求め
られた予測係数および前記第2の予測係数計算手段によ
り求められた予測係数の両方が、予測係数に割り当てら
れているデータ長を越える場合には予測係数の最大値ま
たは最小値を出力することを特徴とする。
【0027】本発明のその他の特徴とするところは、第
1のチャネルの信号が入力され、入力された信号を複数
の周波数帯域に分割する第1の帯域分割手段と、第2の
チャネルの信号が入力され、入力された信号を複数の周
波数帯域に分割する第2の帯域分割手段と、前記第1の
帯域分割手段および前記第2の帯域分割手段により分割
された各周波数帯域毎に、前記第1のチャネルの信号と
前記第2のチャネルの信号とを用いて前記第1のチャネ
ルの信号の予測係数を求める予測係数算出手段と、前記
第2の帯域分割手段の出力信号に前記予測係数算出手段
で求めた予測係数を掛け合わせた信号と前記第1の帯域
分割手段の出力信号との差信号を求める手段と、前記第
2の帯域分割手段の出力信号および前記差信号を各々量
子化した後、それらの量子化信号を前記予測係数と共に
多重化して出力する手段とを具備するオーディオデータ
圧縮装置において、前記予測係数算出手段は、各周波数
帯域毎の第1のチャネルの信号が入力され、入力された
信号の自己相関を計算する第1の自己相関計算手段と、
各周波数帯域毎の第2のチャネルの信号が入力され、入
力された信号の自己相関を計算する第2の自己相関計算
手段と、前記第1のチャネルの信号と前記第2のチャネ
ルの信号とが入力され、両信号の相互相関を計算する相
互相関計算手段と、前記第1の自己相関計算手段の出力
信号と前記相互相関計算手段の出力信号とから一方のチ
ャネルの信号に対する他方のチャネルの信号の予測係数
を求める第1の予測係数計算手段と、前記第2の自己相
関計算手段の出力信号と前記相互相関計算手段の出力信
号とから一方のチャネルの信号に対する他方のチャネル
の信号の予測係数を求める第2の予測係数計算手段と、
前記第1の予測係数計算手段により求められた予測係数
および前記第2の予測係数計算手段により求められた予
測係数のうち、予測係数に割り当てられているデータ長
を越えない範囲で何れかを選択して出力する選択手段と
を備えたことを特徴とする。
【0028】本発明の予測係数算出装置は、第1のチャ
ネルの信号が入力され、入力された信号の自己相関を計
算する第1の自己相関計算手段と、第2のチャネルの信
号が入力され、入力された信号の自己相関を計算する第
2の自己相関計算手段と、前記第1のチャネルの信号と
前記第2のチャネルの信号とが入力され、両信号の相互
相関を計算する相互相関計算手段と、前記第1の自己相
関計算手段の出力信号と前記相互相関計算手段の出力信
号とから一方のチャネルの信号に対する他方のチャネル
の信号の予測係数を求める第1の予測係数計算手段と、
前記第2の自己相関計算手段の出力信号と前記相互相関
計算手段の出力信号とから一方のチャネルの信号に対す
る他方のチャネルの信号の予測係数を求める第2の予測
係数計算手段と、前記第1の予測係数計算手段により求
められた予測係数および前記第2の予測係数計算手段に
より求められた予測係数のうち、予測係数に割り当てら
れているデータ長を越えない範囲で何れかを選択して出
力する選択手段とを備えたことを特徴とする。
【0029】本発明の他の特徴とするところは、前記第
1の予測係数計算手段の出力信号および前記第2の予測
係数計算手段の出力信号に関する予測フィルタのゲイン
を各々求める予測フィルタゲイン計算手段を具備し、前
記選択手段は、前記予測フィルタゲイン計算手段におい
て計算されたゲインが大きい方に対応する予測係数を選
択的に出力することを特徴とする。
【0030】本発明のその他の特徴とするところは、前
記選択手段は、前記第1の予測係数計算手段により求め
られた予測係数および前記第2の予測係数計算手段によ
り求められた予測係数の両方が、予測係数に割り当てら
れているデータ長を越える場合には予測係数の最大値ま
たは最小値を出力することを特徴とする。
【0031】本発明のその他の特徴とするところは、第
1のチャネル信号と第2のチャネルの信号との相関を利
用して予測を行うことにより信号を圧縮するオーディオ
データ圧縮装置に用いられる予測係数算出装置であっ
て、前記第1のチャネルの信号と前記第2のチャネルの
信号とから第1の予測係数を求める第1の予測係数計算
手段と、前記第1のチャネルの信号と前記第2のチャネ
ルの信号とから第2の予測係数を求める第2の予測係数
計算手段と、前記第1の予測係数計算手段により求めら
れた予測係数および前記第2の予測係数計算手段により
求められた予測係数のうち、予測係数に割り当てられて
いるデータ長を越えない範囲で何れかを選択して出力す
る選択手段とを備えたことを特徴とする。
【0032】
【作用】本発明は上記技術手段より成るので、2つの予
測係数計算手段によって求められる2つの予測係数のう
ち、一方の予測係数が割当データ長の範囲を越えても、
他方の予測係数が割当データ長の範囲を越えない場合に
は、上記他方の予測係数が採用されるようになるので、
1つの予測係数のみを算出する場合に比べて、予測係数
が割当データ長の範囲を越えてしまう確率が小さくなる
ようにすることが可能となる。
【0033】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。本実施例による予測係数算出装置の構成を、図
1に示す。図1において、図3に示した符号と同一の符
号を付したものは、同一の機能を有するものである。な
お、本実施例のオーディオデータ圧縮装置は、図2に示
した予測係数算出回路28の代わりに図1の予測係数算
出装置を用いることにより構成される。
【0034】図1に示したように、本実施例の予測係数
算出装置には、2つのチャネルの信号が入力される。す
なわち、予測される側の信号y(t)を第1のチャネルの信
号とし、予測をするときの基になる信号x(t)を第2のチ
ャネルの信号とすると、第1のチャネルの信号y(t)は、
第1チャネル信号入力端子11を介して第1の自己相関
計算回路1と相互相関計算回路2とに入力される。ま
た、第2のチャネルの信号x(t)は、第2チャネル信号入
力端子12を介して第2の自己相関計算回路3と相互相
関計算回路2とに入力される。
【0035】上記第1の自己相関計算回路1では、入力
される第1のチャネルの信号y(t)の自己相関を計算する
ことにより、次の(式7)に示す値を得る。
【0036】
【数3】
【0037】また、相互相関計算回路2では、入力され
る第1のチャネルの信号y(t)と第2のチャネルの信号x
(t)との相互相関を計算することにより、上記した(式
5)の値を得る。さらに、第2の自己相関計算回路3で
は、入力される第2のチャネルの信号x(t)の自己相関を
計算することにより、上記した(式6)の値を得る。
【0038】そして、上記第1の自己相関計算回路1の
出力信号は、第1の予測係数計算手段としての第1の割
り算回路4へと入力され、上記第2の自己相関計算回路
3の出力信号は、第2の予測係数計算手段としての第2
の割り算回路5へと入力される。また、上記相互相関計
算回路2の出力信号は、第1および第2の割り算回路
4、5へと入力される。
【0039】上記第2の割り算回路5の出力信号(第2
の予測係数)は、上述の通り(式4)で与えられるもの
である。一方、上記第1の割り算回路4の出力信号(第
1の予測係数)については、以下に説明する。
【0040】上述の方法とは別に、(式1)中の予測係
数Aを求めるために、(式1)の両辺にy(t)をかけた後
で相関をとると、 E[y(t)2]=A×E[x(t)×y(t)] …(式8) なる式を得ることができる。この(式8)は、z(t)が白
色雑音であると仮定して計算している。
【0041】この(式8)より、予測係数Aは、 A=E[y(t)2] / E[x(t) ×y(t)] …(式9) と求めることができる。実際には、信号の定常性を仮定
することで、集合平均を時間平均で近似して、次の(式
10)のように計算することにより予測係数Aを求め
る。すなわち、上記第2の割り算回路4の出力信号は、
この(式10)で与えられるものである。
【0042】
【数4】
【0043】ところで、信号の定常性や残差信号z(t)の
白色雑音性等の条件が満たされている場合には、上記し
た(式3)および(式9)で計算されるそれぞれの予測
係数Aの値は一致する。すなわち、 E[x(t)×y(t)] / E[x(t)2] =E[y(t)2] / E[x(t) ×y(t)] …(式11) が成り立つ。
【0044】しかし、実際の信号では、上述の仮定は必
ずしも満足されないため、時間平均による予測係数の算
出式である(式4)および(式10)によって計算され
る各予測係数A、すなわち、第1の割り算回路4の出力
信号と第2の割り算回路5の出力信号とは必ずしも一致
しない。そこで、比較選択回路6において、上記異なる
2つの予測係数のうちから1つの予測係数を選択して出
力する。
【0045】上記比較選択回路6において何れかの予測
係数を選択する際には、まず、入力される2つの予測係
数が割当データ長の範囲を越えていないかどうかを調べ
る。このとき、一方の予測係数だけが割当データ長の範
囲内にあれば、それを選択して出力する。また、両方と
も割当データ長の範囲を越えている場合には、その割当
データ長で表現可能な最大値あるいは最小値で置き換え
て出力する。さらに、両方とも割当データ長の範囲内に
ある場合には、予測フィルタのゲインが大きい方を選択
して出力する。
【0046】ここで、上記予測フィルタのゲインを、 log10{E[y(t)2] / E[(y(t)−A×x(t))2] } …(式12) で定義すると、予測フィルタのゲインは、予測の効果の
目安となる。なお、(式12)中の log10()は、底を
10とする対数計算である。
【0047】したがって、(式3)を用いて予測係数A
を計算するときの予測フィルタのゲインは、(式12)
に(式3)を代入し、集合平均を時間平均で近似するこ
とによって得られ、その値は次の(式13)のようにな
る。
【0048】
【数5】
【0049】また、(式9)を用いて予測係数Aを計算
するときの予測フィルタのゲインは、(式12)に(式
9)を代入し、集合平均を時間平均で近似することによ
って得られ、その値は次の(式14)のようになる。
【0050】
【数6】
【0051】図1の予測フィルタゲイン計算回路7で
は、第1および第2の自己相関計算回路1、3の出力信
号と相互相関計算回路2の出力信号とに基づいて、上記
した(式13)および(式14)の値をそれぞれ計算
し、それらを比較選択回路6へと出力する。比較選択回
路6では、入力される2つの予測フィルタゲインの大き
さを比較し、大きい方に対応する予測係数を選択して出
力する。
【0052】なお、予測係数の大きい方を選択すると、
フィルタのゲインが大きくなる。つまり、2つの予測係
数のうち、割当データ長の範囲内にあるもののうち予測
フィルタのゲインが大きいものを選択することになる。
【0053】
【発明の効果】本発明は上述したように、予測係数の算
出を行う際に、2つの予測係数を計算し、それらの予測
係数のうちから割当データ長の範囲内にある方を選択し
て出力するようにしたので、1つの予測係数だけしか計
算しない場合に比べて、予測係数が割当データ長の範囲
を越えにくくなるようにすることができる。これによ
り、最適な予測係数を用いて復号を行うことで良好な音
質を再現することができるようになる。
【0054】また、本発明の他の特徴によれば、上記2
つの予測係数のうちから何れかを選択する際に、予測フ
ィルタのゲインが大きくなる方を選択するようにしたの
で、予測の効果が上がり、復号再生時により良好な音質
を再現することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である予測係数算出装置の構
成を示すブロック図である。
【図2】オーディオデータ圧縮装置の構成を示すブロッ
ク図である。
【図3】従来の予測係数算出装置の構成を示すブロック
図である。
【符号の説明】
1 第1の自己相関計算回路 2 相互相関計算回路 3 第2の自己相関計算回路 4 第1の割り算回路 5 第2の割り算回路 6 比較選択回路 7 予測フィルタゲイン計算回路 21 第1の分割フィルタバンク回路 22 第2の分割フィルタバンク回路 25 第1の量子化回路 26 第2の量子化回路 27 多重化回路 28 予測係数算出回路 29 乗算回路 30 減算回路

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のチャネルの信号と第2のチャネル
    の信号とを用いて前記第1のチャネルの信号の予測係数
    を求める予測係数算出手段と、 前記第2のチャネルの信号に前記予測係数算出手段で求
    められた予測係数を掛け合わせた信号と前記第1のチャ
    ネルの信号との差信号を求める手段と、 前記第2のチャネルの信号および前記差信号を各々量子
    化した後、それらの量子化信号を前記予測係数と共に多
    重化して出力する手段とを具備するオーディオデータ圧
    縮装置において、 前記予測係数算出手段は、 第1のチャネルの信号が入力され、入力された信号の自
    己相関を計算する第1の自己相関計算手段と、 第2のチャネルの信号が入力され、入力された信号の自
    己相関を計算する第2の自己相関計算手段と、 前記第1のチャネルの信号と前記第2のチャネルの信号
    とが入力され、両信号の相互相関を計算する相互相関計
    算手段と、 前記第1の自己相関計算手段の出力信号と前記相互相関
    計算手段の出力信号とから一方のチャネルの信号に対す
    る他方のチャネルの信号の予測係数を求める第1の予測
    係数計算手段と、 前記第2の自己相関計算手段の出力信号と前記相互相関
    計算手段の出力信号とから一方のチャネルの信号に対す
    る他方のチャネルの信号の予測係数を求める第2の予測
    係数計算手段と、 前記第1の予測係数計算手段により求められた予測係数
    および前記第2の予測係数計算手段により求められた予
    測係数のうち、予測係数に割り当てられているデータ長
    を越えない範囲で何れかを選択して出力する選択手段と
    を備えたことを特徴とするオーディオデータ圧縮装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のオーディオデータ圧縮
    装置において、 前記第1の予測係数計算手段の出力信号および前記第2
    の予測係数計算手段の出力信号に関する予測フィルタの
    ゲインを各々求める予測フィルタゲイン計算手段を具備
    し、 前記選択手段は、前記予測フィルタゲイン計算手段にお
    いて計算されたゲインが大きい方に対応する予測係数を
    選択的に出力することを特徴とするオーディオデータ圧
    縮装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のオーディオデ
    ータ圧縮装置において、 前記選択手段は、前記第1の予測係数計算手段により求
    められた予測係数および前記第2の予測係数計算手段に
    より求められた予測係数の両方が、予測係数に割り当て
    られているデータ長を越える場合には予測係数の最大値
    または最小値を出力することを特徴とするオーディオデ
    ータ圧縮装置。
  4. 【請求項4】 第1のチャネルの信号が入力され、入力
    された信号を複数の周波数帯域に分割する第1の帯域分
    割手段と、 第2のチャネルの信号が入力され、入力された信号を複
    数の周波数帯域に分割する第2の帯域分割手段と、 前記第1の帯域分割手段および前記第2の帯域分割手段
    により分割された各周波数帯域毎に、前記第1のチャネ
    ルの信号と前記第2のチャネルの信号とを用いて前記第
    1のチャネルの信号の予測係数を求める予測係数算出手
    段と、 前記第2の帯域分割手段の出力信号に前記予測係数算出
    手段で求めた予測係数を掛け合わせた信号と前記第1の
    帯域分割手段の出力信号との差信号を求める手段と、 前記第2の帯域分割手段の出力信号および前記差信号を
    各々量子化した後、それらの量子化信号を前記予測係数
    と共に多重化して出力する手段とを具備するオーディオ
    データ圧縮装置において、 前記予測係数算出手段は、 各周波数帯域毎の第1のチャネルの信号が入力され、入
    力された信号の自己相関を計算する第1の自己相関計算
    手段と、 各周波数帯域毎の第2のチャネルの信号が入力され、入
    力された信号の自己相関を計算する第2の自己相関計算
    手段と、 前記第1のチャネルの信号と前記第2のチャネルの信号
    とが入力され、両信号の相互相関を計算する相互相関計
    算手段と、 前記第1の自己相関計算手段の出力信号と前記相互相関
    計算手段の出力信号とから一方のチャネルの信号に対す
    る他方のチャネルの信号の予測係数を求める第1の予測
    係数計算手段と、 前記第2の自己相関計算手段の出力信号と前記相互相関
    計算手段の出力信号とから一方のチャネルの信号に対す
    る他方のチャネルの信号の予測係数を求める第2の予測
    係数計算手段と、 前記第1の予測係数計算手段により求められた予測係数
    および前記第2の予測係数計算手段により求められた予
    測係数のうち、予測係数に割り当てられているデータ長
    を越えない範囲で何れかを選択して出力する選択手段と
    を備えたことを特徴とするオーディオデータ圧縮装置。
  5. 【請求項5】 第1のチャネルの信号が入力され、入力
    された信号の自己相関を計算する第1の自己相関計算手
    段と、 第2のチャネルの信号が入力され、入力された信号の自
    己相関を計算する第2の自己相関計算手段と、 前記第1のチャネルの信号と前記第2のチャネルの信号
    とが入力され、両信号の相互相関を計算する相互相関計
    算手段と、 前記第1の自己相関計算手段の出力信号と前記相互相関
    計算手段の出力信号とから一方のチャネルの信号に対す
    る他方のチャネルの信号の予測係数を求める第1の予測
    係数計算手段と、 前記第2の自己相関計算手段の出力信号と前記相互相関
    計算手段の出力信号とから一方のチャネルの信号に対す
    る他方のチャネルの信号の予測係数を求める第2の予測
    係数計算手段と、 前記第1の予測係数計算手段により求められた予測係数
    および前記第2の予測係数計算手段により求められた予
    測係数のうち、予測係数に割り当てられているデータ長
    を越えない範囲で何れかを選択して出力する選択手段と
    を備えたことを特徴とする予測係数算出装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の予測係数算出装置にお
    いて、 前記第1の予測係数計算手段の出力信号および前記第2
    の予測係数計算手段の出力信号に関する予測フィルタの
    ゲインを各々求める予測フィルタゲイン計算手段を具備
    し、 前記選択手段は、前記予測フィルタゲイン計算手段にお
    いて計算されたゲインが大きい方に対応する予測係数を
    選択的に出力することを特徴とする予測係数算出装置。
  7. 【請求項7】 請求項5または6に記載の予測係数算出
    装置において、 前記選択手段は、前記第1の予測係数計算手段により求
    められた予測係数および前記第2の予測係数計算手段に
    より求められた予測係数の両方が、予測係数に割り当て
    られているデータ長を越える場合には予測係数の最大値
    または最小値を出力することを特徴とする予測係数算出
    装置。
  8. 【請求項8】 第1のチャネル信号と第2のチャネルの
    信号との相関を利用して予測を行うことにより信号を圧
    縮するオーディオデータ圧縮装置に用いられる予測係数
    算出装置であって、 前記第1のチャネルの信号と前記第2のチャネルの信号
    とから第1の予測係数を求める第1の予測係数計算手段
    と、 前記第1のチャネルの信号と前記第2のチャネルの信号
    とから第2の予測係数を求める第2の予測係数計算手段
    と、 前記第1の予測係数計算手段により求められた予測係数
    および前記第2の予測係数計算手段により求められた予
    測係数のうち、予測係数に割り当てられているデータ長
    を越えない範囲で何れかを選択して出力する選択手段と
    を備えたことを特徴とする予測係数算出装置。
JP7152452A 1995-05-26 1995-05-26 オーディオデータ圧縮装置およびこれに用いる予測係数算出装置 Withdrawn JPH08328594A (ja)

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