JPH0832766B2 - 形状記憶性架橋重合体成型物及びその製造方法 - Google Patents

形状記憶性架橋重合体成型物及びその製造方法

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JPH0832766B2
JPH0832766B2 JP1078639A JP7863989A JPH0832766B2 JP H0832766 B2 JPH0832766 B2 JP H0832766B2 JP 1078639 A JP1078639 A JP 1078639A JP 7863989 A JP7863989 A JP 7863989A JP H0832766 B2 JPH0832766 B2 JP H0832766B2
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F267/00Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to polymers of unsaturated polycarboxylic acids or derivatives thereof as defined in group C08F22/00
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G61/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carbon-to-carbon link in the main chain of the macromolecule
    • C08G61/02Macromolecular compounds containing only carbon atoms in the main chain of the macromolecule, e.g. polyxylylenes
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    • C08G61/08Macromolecular compounds containing only carbon atoms in the main chain of the macromolecule, e.g. polyxylylenes only aliphatic carbon atoms prepared by ring-opening of carbocyclic compounds of carbocyclic compounds containing one or more carbon-to-carbon double bonds in the ring

Description

【発明の詳細な説明】 a.産業上の利用分野 本発明は、新規な形状記憶性樹脂及びその製造方法に
関するものである。さらに詳しくはメタセシス重合を利
用する事により容易に架橋性の形状記憶性樹脂成型物を
重合と成型を同時に行って得るものである。
b.従来技術 近年、ガラス転移点以上の温度でもともとの形態を変
形せしめそれをガラス転移点以下に冷却して変形を固定
しておき、それを必要に応じてガラス転移点以上に加熱
せしめて、もともとの形状に復せしめうる機能を繰返し
有する樹脂が形状記憶樹脂として近年、注目されてい
る。かかる形状記憶樹脂は各種の構造のものが提案され
ているが、就中、ノルボルネンのメタセシス重合による
高重合度のポリ(ノルボルネン)がその嚆矢としてよく
知られている。当該樹脂は優れた形状記憶性を有してい
るが形状記憶が発現する温度が35℃付近と実用面から低
過ぎ、かつ非常に分子量のたかいものを使用しなくては
ならないために成型が非常に難しいことが知られてい
た。
そこで、本発明者はポリ(ノルボルネン)のその特徴
を利用しつつ上記の欠点を克服した形状記憶樹脂を得る
べく検討を進めたものである。
c.発明の構成 高分子量のポリ(ノルボルネン)が必要なのはその長
い分子鎖のからみ合いの部分が実質的に架橋点に近い働
きをするため、それによって形状記憶性が発現するため
と説明されている。そうであれば、ポリ(ノルボルネ
ン)構造に対し、その可撓性を損じない形で架橋を導入
してやれば、それによって形状記憶性が発現し、かつそ
の架橋構造によってはその形状記憶性の発現温度を上昇
せしめうるのではないかと考えたものである。しかしな
がら、一方一般に、架橋ポリマーは架橋構造の形成後は
その自由な成型は不可能となる。また、ガラス転移点以
上における変形においても、非常に限られたものになる
可能性があり、上記の如き仮説が正しいとしても、実用
性に優れたかかる架橋重合体を得ることは非常に困難な
ことが予想された。
それに対し、本発明者はノルボルネンに近いメタセシ
ス重合性を有する有歪環状オレフィン基を2個有する環
状オレフィンとのメタセシス重合による共重合によって
架橋を導入すること、それもメタセシス重合触媒が一般
に触媒成分と活性化剤成分との二成分に分かれているこ
とを利用して、各二成分の各々をメタセシス重合性モノ
マーとからなる二種類の液を調製しておき、これを混合
の後、重合が実質的に起る以前に鋳型内に流し込むこと
によって容易に架橋重合体成型物を得る方法が提案され
ているが(例えば、特開昭58−129013号公報参照)、こ
の方法を適用することに想到したものである。
かかる方法によって重合体成型物を得ると、ノルボル
ネン(それも詳細な検討によって、無置換のノルボルネ
ンのみでなく、5位にメチル基或いはエチル基の置換基
のある5−メチルノルボルネン及び5−エチルノルボル
ネンを含めて)とかかる架橋をもたらす共重合用環状オ
レフィンとの特定の割合の場合に良好な形状記憶性を有
する架橋重合体成型物が得られ、かつ共重合割合を調節
することによって、形状記憶発現の温度が調節出来るこ
とを見出し得たものである。
即ち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)主として、ノルボルネン,5−メチルノルボルネン
及び5−エチルノルボルネンのうちの少なくとも1種よ
りなるノルボルネン類(I)及びノルボルネンと同程度
のメタセシス重合性を有する有歪環状オレフィン基を2
個有する環状オレフィン化合物(II)をメタセシス重合
触媒系の存在下、重合せしめて得られる架橋重合体成型
物において、該重合体中の該ノルボルネン類(I)から
誘導されたくりかえし単位とノルボルネンと同程度のメ
タセシス重合性を有する有歪環状オレフィンを2個有す
る環状オレフィン化合物(II)から誘導されたくりかえ
し単位との組成比が、該ノルボルネン類(I)から誘導
されたくりかえし単位95〜25モル%、ノルボルネンと同
程度のメタセシス重合体を有する有歪環状オレフィン基
を2個有する環状オレフィン化合物(II)から誘導され
たくりかえし単位5〜75モル%より実質的になる形状記
憶性架橋重合体成型物。
(2)メタセシス重合触媒系の触媒成分を含有するメタ
セシス重合性環状オレフィン液(液A)とメタセシス重
合触媒系の活性化剤成分を含有するメタセシス重合性環
状オレフィン液(液B)とを混合し、重合と同時に成型
をおこなう架橋重合体成型物の製造方法において、該メ
タセシス重合性環状オレフィンが主として、ノルボルネ
ン,5−メチルノルボルネン及び5−エチルノルボルネン
のうちの少なくとも1種よりなるノルボルネン類(I)
及び/又はノルボルネンと同程度のメタセシス重合性を
有する有歪環状オレフィン基を2個有する環状オレフィ
ン化合物(II)よりなり、かつ混合後の該ノルボルネン
(I)とノルボルネンと同程度のメタセシス重合性を有
する有歪環状オレフィン基を2個有する環状オレフィン
化合物(II)との組成比が該ノルボルネン類(I)95〜
25モル%、ノルボルネンと同程度のメタセシス重合体を
有する有歪環状オレフィン基を2個有する環状オレフィ
ン化合物(II)5〜75モル%となる割合で混合すること
を特徴とする形状記憶性架橋重合体成型物の製造方法。
本発明に用いられるノルボルネン類(I)は、一般にシ
クペンタジエン類とエチレン,プロピレン,ブチレン等
とのディールズ・アルダー付加反応によって得られるも
ので、ノルボルネンゴムの原料やその他の用途に用いら
れており、工業的に生産されているものを包含してい
る。
さらに、本発明に用いられるノルボルネンと同程度の
メタセシス重合性を有する有歪環状オレフィン基を2個
有する環状オレフィン化合物(II)におけるノルボルネ
ンと同程度のメタセシス重合性を有する有歪環状オレフ
ィン基としては、それ自身が歪みを有する員数よりなる
環であり、かつそれがもう一つ以上の環と複合してお
り、その複合によって更にその歪みが大きくなっている
ものをあげることが出来る。かつかかる歪みを有する員
数よりなる環としてはその典型例として4員環,5員環、
特に5員環をあげることが出来る。即ち、シクロペンテ
ン基がもう1つの環と複合し、しかもその環はその複合
によってさらに歪みが大きくなる環、例えば4員環,5員
環と複合している環が好ましいことになり、かかる有歪
環状オレフィン基をを2個有する環状オレフィン化合物
(II)を用いることになる。
理解の便のために、これを図で示すと次の如くにな
る。
シクロペンテン環が3,5の位置でもう1つの環と複合
している場合が下図(i)の如くノルボルネン環・構造
(1) またシクロペンテンが3,4の位置でもう1つの環と複合
している場合、下図(ii)の如き構造(2)もノルボル
ネン環に近いメタセシス重合性を有する環としてあげる
事が出来る。
従って、本発明に用いられる環状オレフィン化合物
(II)は上記図(i)及び図(ii)で表わされる構造
(1)及び(2)のいずれか或は両方を2個有する化合
物が好ましい事になる。
また、かかる環状オレフィン化合物(II)において
は、側鎖は炭素数1〜2個の短鎖は差支えないが特に柔
軟鎖は形状記憶性を損じることがありうるので、ない方
が好ましい。
かかる環状オレフィン化合物(II)としては、その性
能及び原料入手性からみてジシクロペンタジエンが好ま
しい。
ジシクロペンタジエンは下図(iii)にしめす如く、
前記構造(1)及び(2)で表わされる構造を各々1
個、最も効率のよいかたちで有していることが判る。
さらに、トリシクロペンタジエン等のジシクロペンタ
ジエンよりも高位のオリゴシクロペンタジエンも環状オ
レフィン化合物(II)としてあげることが出来るが、こ
れらのオリゴシクロペンタジエン類は一般にシクロペン
タジエンやジシクロペンタジエンの熱重合によって、熱
平衡混合物として、生成せしめられるので、ジシクロペ
ンタジエンとそれより高位のオリゴシクロペンタジエン
類の平衡混合物のままでも用いることが出来る。
さらに環状オレフィン化合物(II)の例としては、1,
4−,5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,8,8a−ヘキサヒドロナフ
タレン、1,4−、5,8−、9,10−トリメタノ−1,4,4a,5,
8,8a,9,9a,10,10a−デカヒドロアンスラセン等をあげる
ことが出来る。これらはジシクロペンタジエンの一部を
置換して用いる事が好ましい。
即ち、前記の如く特にジシクロペンタジエンが好まし
い。
本発明は、該ノルボルネン類(I)と環状オレフィン
化合物(II)をモル比で95:5〜25:75で用いて、メタセ
シス重合せしめることによって形状記憶性架橋重合体を
得る事が出来るが伸度が大きく、かつ一般に100℃以下
の熱湯として用いられる熱源によって形状記憶を発現し
うる高性能の形状記憶樹脂成型体としては、該ノルボル
ネン類(I)を40モル%以上用いたものが好ましく、ま
た形状記憶発現温度があまり常温に近くない方が、実用
上好ましい事を考慮すると85モル%以下のものが好まし
い。従って、モル比で85:15〜40:60の範囲が好ましい。
前述の如く、かかるモル比によって形状記憶発現温度を
かえることが出来る。即ち該ノルボルネン類(I)の使
用割合が大きくなる程、発現温度が低くなる。
また、(II)として、ジシクロペンタジエンを用いる
場合はその方が(I)よりも一般に安価であるため、使
用目的と経済性によって、適当な使用割合を選択する事
が出来る。
本発明においては(I)と(II)以外にも、その形状
記憶性を損わない範囲でノルボルネンと同程度のメタセ
シス重合性を有するが(I)と(II)に包含されないメ
タセシス重合性環状オレフィン化合物、例えば1,4−、
5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフ
タレン、ノルボルナジエン等が混入していても差支えな
い。
本発明の重合体中のノルボルネン類(I)から誘導さ
れたくりかえし単位は下記式の構造を有する。
但し、R1は−H,−CH3,−C2H5の少なくとも1種を表
わす。
また本発明の重合体中のノルボルネンと同程度のメタ
セシス重合性を有する有歪環状オレフィン基を2個有す
る環状オレフィン化合物(II)の一例としてのジシクロ
ペンタジエンから誘導されたくりかえし単位は、例えば
下記式の構造を有する。
他のノルボルネンと同程度のメタセシス重合性を有す
る有歪環状オレフィン基を2個有する環状オレフィン化
合物(II)から誘導されたくりかえし単位も同様の構造
を有する。
本発明の重合体はその構造中にたとえば上記構造A,B
のごとくリニアーな構造及び構造Cのごとく架橋構造を
有している。
本発明の重合体成型物を得る場合に用いられるメタセ
シス重合触媒系における触媒成分としてはタングステ
ン,レニウム,タンタル,モリブデン等のハライドなど
の塩類が用いられるが、特にタングステン化合物が好ま
しい。かかるタングステン化合物としては、タングステ
ンハライド,タングステンオキシハライドなどが好まし
くより具体的には、タングステンヘキサクロライド,タ
ングステンオキシクロライドなどが好ましい。かかるタ
ングステン塩化合物は、直接前記モノマーに添加する
と、直ちにカチオン重合を開始することが判っており好
ましくない。従ってかかるタングステン塩化合物は不活
性溶媒例えばベンゼン,トルエン,クロロベンゼンなど
に予め懸濁し、少量のアルコール系化合物またはフェノ
ール系化合物を添加することによって可溶化させて使用
するのが好ましい。
さらに、上述した如き、好ましくない重合を予防する
ためにタングステン化合物1モルに対し、約1〜5モル
のルイス塩基又はキレート化剤を添加することが好まし
い。かかる添加剤としてはアセチルアセトン,アセト酢
酸アルキルエステル類,テトラヒドロフラン,ベンゾニ
トリルなどをあげることができる。
かくして、触媒成分を含むモノマー溶液(溶液A)
は、実用上充分な安定性を有することになる。
一方メタセシス重合触媒系における活性化剤成分は、
周期律表第I〜第III族の金属のアルキル化物を中心と
する有機金属化合物、特にテトラアルキルスズ,アルキ
ルアルミニウム化合物,アルキルアルミニウムハライド
化合物が好ましく、具体的には、塩化ジエチルアルミニ
ウム,ジ塩化エチルアルミニウム,トリオクチルアルミ
ニウム,ジオクチルアルミニウムアイオダイド,テトラ
ブチル錫,トリブチル錫などをあげることができる。こ
れら活性化剤成分としての有機金属化合物を、混合単量
体に溶解することにより、活性化剤を含むモノマー溶液
(溶液B)が形成される。
本発明においては、基本的に前記溶液A及び溶液Bを
混合することによって、重合体成型物を得ることができ
るが、上記組成のままでは、重合反応が非常に速く開始
されるので、成型用鋳型に充分流れ込まない間に硬化が
起ることがあり、度々問題となる場合が多く、前述の如
くそのために活性調節剤を用いることが好ましい。
かかる調節剤としては、ルイス塩基類が一般に用いら
れ、就中エーテル類,エステル類,ニトリル類などが用
いられる。具体例としては安息香酸エチル,ブチルエー
テル,ジグライムなどをあげることが出来る、かかる調
節剤は一般的に、有機金属化合物の活性化剤の成分の溶
液の側に添加して用いられる。
メタセシス重合触媒系の使用量は例えば触媒成分とし
てタングステン化合物を用いる場合は、上記原料単量体
に対するタングステン化合物の比率が、モル基準で、約
1000対1〜15000対1、好ましくは2000対1の付近であ
り、また活性化剤成分はアルキルアルミニウム類を用い
る場合には、上記原料単量体に対するアルミニウム化合
物の比率は、モノ基準で約100対1〜約2000対1、好ま
しくは約200対1〜約500対1の付近が用いられる。更に
上述の如き、マスク剤や調節剤については、実験によっ
て上記触媒系の使用量に応じて、適宜、調節して用いる
ことが出来る。
本発明における重合体成型物の製造において、残留モ
ノマーの減少のため、活性ハロゲン化合物、例えばトリ
クロルメチルトルエン,トリクロル酢酸エチル,イソフ
タル酸クロライド、或いは酸無水物例えば安息香酸無水
物などを少量添加して用いることが出来る。本発明の重
合体成型物は、その形状記憶性の良好な発現のためには
残留モノマーは出来るだけ少ない方が好ましく、一般に
5%以下であることが好ましく、特に3%以下が好まし
い。従ってかかる残留モノマー減少剤の使用は好ましい
といえる。
本発明に用いる架橋重合体成型物には、実用に当っ
て、その形状記憶性を大きく損わない範囲で他の特性を
改良または維持するために、さらに各種添加剤を配合す
ることができる。かかる添加剤としては、充填剤,顔
料,酸化防止剤,光安定剤,難燃化剤,高分子改良剤な
どがある。このような添加剤においても本発明の架橋重
合体が成形された後は添加することが不可能であるか
ら、添加する場合には予め前記した原料溶液に添加して
おく必要がある。
その最も容易な方法としては、前記溶液Aおよび溶液
Bのいずれか又は両方に前もって添加しておく方法をあ
げることが出来るが、その場合、その液中の反応性の強
い触媒成分や、活性化剤成分や酸無水物類と実用上さし
つかえある程度には反応せず、かつ重合を阻害しないも
のでなくてはならない。どうしても、その反応がさけえ
ないが共存しても、重合は実質的に阻害しないものの場
合は、単量体と混合して、第三液を調整し、重合直前
に、混合使用することも出来る。また、固体の充填剤の
場合であって、両成分が混合されて、重合反応を開始す
る直前あるいは重合をしながら、その空隙を充分にうず
め得る形状のものについては、成型用鋳型内中に、充填
しておくことも、可能である。
添加剤としての補強材又は充填剤は、曲げモジュラス
を向上するのに効果がある。かかるものとしてはガラス
繊維,雲母,カーボンブラック,ウオラストナイトなど
をあげることが出来る。これらを、いわゆるシランガプ
ラーなどによって表面処理したものも好適に使用でき
る。但し、かかる充填剤の使用は本発明の形状記憶性を
損わない範囲にとどめるべきであるが、かかる形状記憶
性樹脂の特性を形状記憶を発揮しないでもよい用途に用
いる場合はその限りでない。
また、本発明に用いられる架橋重合体成型物は、酸化
防止剤を添加しておくことが好ましく、そのためフェノ
ール系又はアミン系の酸化防止剤を予め溶液中に加えて
おくことが望ましい。これら酸化防止剤の具体例として
は、2,6−t−ブチル−P−クレゾール、N,N′−ジフェ
ニル−P−フェニレンジアミン、テトラキス[メチレン
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシシンナメー
ト)]メタンなどがあげられる。
本発明による架橋重合体成型物を得る反応性の液A及
びBは、その鋳型への注入にあたって、層流として注入
される事が泡をかみこんだりすることを防ぐ上で好まし
く、そのためには注入速度に応じた粘度が必要とされ、
触媒成分,モノマー成分,上記の如き必要に応じた添加
剤以外に増粘剤を加える必要が出る場合が多い。
かかる増粘剤としては、上記モノマーに可溶なポリマ
ーであってメタセシス重合を阻害せず、かつ成型物に残
留して成型物の特性を阻害しないものであり、さらに望
ましくは好ましい性質を加えうるものである。かかる目
的に用いられるポリマーとしては、炭化水素系の未架橋
のエラストマーが好ましくスチレン−ブタジエン−スチ
レントリブロックゴム,スチレン−イソプレン−スチレ
ントリブロックゴム,ポリブタジエン,ポリイソプレ
ン,ブチルゴム,エチレンプロピレン−ジエンタ−ポリ
マー等をあげる事が出来る。
本発明の重合体成型物は、前記した如く、重合と成型
とを同時に行うことによって製造される。
かかる成型法としては前述の如く、触媒と原料単量体
とを或はより好ましくは液Aと液Bをスタティックミキ
サー等で混合したプレミックスを型の中に流入せしめる
レジンインジェクション方式,触媒系を二つに分けた液
Aと液Bをヘッド部で衝突混合せしめてそのまま型に流
し込むRIM方式が採用することが出来る。特にRIM方式が
一般に用いられる。
いずれの場合も鋳型(モールド)への注入圧力は比較
的低圧であることができ、従って安価な鋳型を使用する
ことが可能である。また、型内の重合反応が開始される
と反応熱によって型内の温度は急速に上昇し、短時間に
重合反応が終了する。ポリウレタン−RIMの場合と異な
り、モールドから離脱は容易であり、特別の離形剤を必
要としない場合が多い。
本発明の重合体は基本的に炭化水素よりなるが、反応
性に富む不飽和結合を多く含有するため成型物の表面
は、空気中の酸素によって酸化され、極性のポリウレタ
ンやエポキシ樹脂系の塗料,接着剤と良好な密着性を有
する。なお塗料については本発明の重合体の成型物を形
状記憶用途に使用する場合には、その能力を阻害しない
ものを用いるように留意する必要がある。
d.発明の効果 本発明の架橋重合体成型物は、前述の如く、非常に成
型が容易で大型の1体成型物も容易に得ることが出来
る。かつ前述の如く、40℃から100℃を超すまで、広範
な温度範囲で形状記憶発現が出来るようにすることが出
来、形状記憶樹脂成型物として広範な用途に用いること
が出来る。例えば、自動車のバンパー,フェンダー,オ
ートバイのカウリング,ゴーカート用のボディー等乗物
類や機械類の外装部材で他のものと接触時に耐衝撃性を
要するものに用いれば衝撃を吸収し、その吸収によって
例え変形をおこしても熱風や熱湯によって容易にもとの
形状に復してそのまま使用する事が出来る。
さらに、かかる形状記憶樹脂がある発現温度付近で急
激に弾性率がかわることを利用して、温度センサー機能
を付与した用途、例えばエンジンのオートチョーク部
材,熱交換機部材や放熱機能を調節出来るパン等の流体
の貯留容器,ピッチ角自動調節のファン,路面温度によ
り出入するスパイクタイヤ材等をあげることが出来る。
また、細い穴の部分から形をかえて入れ込み、加熱し
て旧の形状に復せしめることによって、通常では入れら
れない場所にうまくおさめうる性質を利用した用途、例
えば容器やパイプの内張りや補修材料、ボトルシップ等
のびん詰めの玩具や装飾品、バルーン,カテーテル等の
メディカル用部材をあげることが出来る。
一方、逆に一旦、のばしておいたものを記憶発現温度
以上にしてちぢめることによって、通常ではおさまらな
いものを上手におさめる。収縮チューブ的機能を利用す
る用途(収縮チューブはその収縮度合をこまかく、コン
トロールするのは難しいが、形状記憶成型物の場合は、
予め成型しておいた形にまでしかちぢまないので、その
事を利用した場合は有利となる。)。例えば、ギブスや
コルセット,歯科等を含めての矯正部材等のメディカル
用途、包装用のラップ材やひも等の包装剤、ブラジャー
やカツラ,靴、指輪,めがね等の衣料アクセサリー用途
をあげることが出来る。
さらに、もともとの形を変形させておいて、それを加
熱によって形がもとにもどる機能を利用する用途、例え
ば、へびのおもちゃ,魔法使いの棒のおもちゃ,ひらい
たり、しぼんだりする花のおもちゃ,その他起きあがっ
たり、変形するおもちゃ類等、玩具類、贈答品、趣味品
等に広く用いることが出来る。
以上の如く本発明による形状記憶架橋樹脂成型物は交
通機器類、機械用途、工業用途、メディカル用途、衣
料,日常品用途、玩具,趣味用途等広範な用途に用いる
ことが出来る。
e.実施例 以下に実施例をあげて本発明を詳述する。実施例は説
明のためであってそれに限定されるものではない。
実施例1〜11 [触媒成分溶液の調製] 六塩化タングステン20重合部を乾燥トルエン70容量部
に窒素気流中下で添加し、次いでノニルフェノール21重
量部及びトルエン16容量部よりなる溶液を添加して0.5M
のタングステン含有触媒溶液を調製し、この溶液に対
し、窒素ガスを一晩パージして、六塩化タングステンと
ノニルフェノールとの反応によって生成された塩化水素
ガスを除去して、さらにかかる溶液10容量部に対し1容
量部のアセチルアセトンを加え重合用触媒溶液とした。
精製ノルボルネン類及び精製ジシクロペンタジエンと
からの表1にしめした組成よりなるモノマー混合物100
重量部に対し、エチレン含量70モル%のエチレン・プロ
ピレン・エチリデンノルボルネン共重合ゴム3重量部、
酸化安定剤としてエタノックス702 2重量部を加えた。
溶液に上記重合用触媒溶液をタングステン含量が0.001M
及びジクロルジフェニルメタン0.0075Mになるように加
えて触媒成分溶液(液A)を調製した。
[活性化剤成分溶液の調製] トリオクチルアルミニウム85,ジオクチルアルミニウ
ムアイオダイド15,ジグライム100のモル割合で混合調製
した重合用活性化剤混合溶液とした。
精製ノルボルネン類及び精製ジシクロペンタジエンの
混合物100重量部に対し、上記と同じエチレン−プロピ
レン−エチリデンノルボルネン共重合ゴム3重量部より
なる混合物に、アルミニウム含量が0.003Mとなる割合で
混合し、活性化剤成分溶液(液B)を調製した。
精製ノルボルネン類及び精製ジシクロペンタジエンの
混合物の割合は表−1に示した。
上記の如く、調製した液A及び液Bを用いて小型反応
射出成型機によって厚さ約3mmのメタセシス重合架橋ポ
リマーよりなる板状成型物を作成した。射出時の液温30
℃,金型温度70℃にておこなった。
かかる成型板をストリップ状に切り出し、各々充分や
わらかくなるまで加熱して、ねじってスパイラル状に
し、そのまま冷却すると常温ではそのスパイラル状の形
状が維持され、丈夫なスパイラル成型物となる。この形
態のものを熱水につけて熱水の温度を徐々にあげながら
それがもとの形にもどる温度を測定し、それを形状記憶
発現温度として、表1に併記した。このストリップ状物
をさらに上記発現温度以上に加熱,ねじってスパイラル
とし、それを冷却固定しさらに上記発現温度以上に加熱
すると、直ちにもとのストリップ状の形状物へもどる。
かかる形状変化を10回以上くりかえしても何等変化な
く、同じ形状変化を繰返す事が出来た。また、実施例1
の成型板を所定のダンベルに打抜き伸度が500%にいた
るまでS−S曲線をかかせながら強伸度テスト機で伸長
した。このようにしたダンベルを上記発現温度以上に加
熱すると、もとのダンベルにもどった。これをもう一度
テスト機で500%伸長した所、最初とほぼ同一のS−S
曲線をしめし、良好な形状記憶性をしめした。
これらの成型板の機械的性質,熱的性質を測定し同表
に併記した。実施例1,6,9の成型板は少し柔軟である
が、実施例2〜5,7,8,10,11は常温ではプラスチックと
して、非常に魅力的な性能を有していることが判る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主として、ノルボルネン,5−メチルノルボ
    ルネン及び5−エチルノルボルネンのうちの少なくとも
    1種よりなるノルボルネン類(I)及びノルボルネンと
    同程度のメタセシス重合性を有する有歪環状オレフィン
    基を2個有する環状オレフィン化合物(II)をメタセシ
    ス重合触媒系の存在下、重合せしめて得られる架橋重合
    体成型物において、該重合体中の該ノルボルネン類
    (I)から誘導されたくりかえし単位とノルボルネンと
    同程度のメタセシス重合性を有する有歪環状オレフィン
    を2個有する環状オレフィン化合物(II)から誘導され
    たくりかえし単位との組成比が、該ノルボルネン類
    (I)から誘導されたくりかえし単位95〜25モル%、ノ
    ルボルネンと同程度のメタセシス重合体を有する有歪環
    状オレフィン基を2個有する環状オレフィン化合物(I
    I)から誘導されたくりかえし単位5〜75モル%より実
    質的になる形状記憶性架橋重合体成型物。
  2. 【請求項2】メタセシス重合触媒系の触媒成分を含有す
    るメタセシス重合性環状オレフィン液(液A)とメタセ
    シス重合触媒系の活性化剤成分を含有するメタセシス重
    合性環状オレフィン液(液B)とを混合し、重合と同時
    に成型をおこなう架橋重合体成型物の製造方法におい
    て、該メタセシス重合性環状オレフィンが主として、ノ
    ルボルネン,5−メチルノルボルネン及び5−エチルノル
    ボルネンの少なくとも1種よりなるノルボルネン類
    (I)及び/又は、ノルボルネンと同程度のメタセシス
    重合性を有する有歪環状オレフィン基を2個有する環状
    オレフィン化合物(II)よりなり、かつ混合後の該ノル
    ボルネン類(I)とノルボルネンと同程度のメタセシス
    重合性を有する有歪環状オレフィン基を2個有する環状
    オレフィン化合物(II)との組成比が該ノルボルネン類
    (I)95〜25モル%、ノルボルネンと同程度のメタセシ
    ス重合性を有する有歪環状オレフィン基を2個有する環
    状オレフィン化合物(II)5〜75モル%となる割合で混
    合することを特徴とする形状記憶性架橋重合体成型物の
    製造方法。
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