JPH08327340A - 塗装品質解析装置 - Google Patents

塗装品質解析装置

Info

Publication number
JPH08327340A
JPH08327340A JP13129795A JP13129795A JPH08327340A JP H08327340 A JPH08327340 A JP H08327340A JP 13129795 A JP13129795 A JP 13129795A JP 13129795 A JP13129795 A JP 13129795A JP H08327340 A JPH08327340 A JP H08327340A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wavelength
curved surface
coating
image processing
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13129795A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyoshi Yoshida
清 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP13129795A priority Critical patent/JPH08327340A/ja
Publication of JPH08327340A publication Critical patent/JPH08327340A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Investigating Materials By The Use Of Optical Means Adapted For Particular Applications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】塗装面が曲面であっても塗装中に迅速かつ高精
度で微粒化度を解析することのできる塗装品質解析装置
を提供する。 【構成】塗料を塗布した直後の未乾燥塗装表面を撮像手
段100(CCDカメラ)で撮像し、その画像情報を画
像処理手段101で画像処理した画像処理データに基づ
いて、波長分布演算手段102で塗装表面の凹凸波形の
波長分布を算出する。一方、曲面演算手段103では上
記の画像処理データに基づいて塗装面の曲面情報を求
め、曲面補正演算手段104ではその曲面情報に応じて
上記の算出された波長分布に対して曲面補正処理を行な
い、微粒化演算手段105では上記の補正された波長分
布に基づいて微粒化度を算出することにより、塗装の微
粒化度を検出する塗装品質解析装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗装品質、すなわち塗
料の微粒化度を求める塗装品質解析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】塗装における塗料粒子の大きさ、すなわ
ち塗料の微粒化度を計測する従来の方法としては、例え
ば図14に示すごとく、塗装ガン50から吹き付けられ
る塗料粒子を特殊コーティングしたガラス板51に直接
付着させ、電子顕微鏡等で粒子径を測定する方法があ
る。また、他の微粒化度計測装置としては、レーザドッ
プラ流速計と光の散乱計測技術を応用したレーザドップ
ラ式粒子測定装置がある。これは塗装ガンから吹き付け
られた塗料粒子へレーザ光を照射し、粒子の散乱光の強
度から粒子径を計測するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のごとき塗料の微
粒化度は、塗装品質に大きな影響を及ぼすので、精密に
制御する必要がある。特に自動車の車体塗装のように、
塗装自動化ラインで次々に塗装を行なう場合には、塗装
状態の良否を出来るだけ速やかにフィードバックして次
の塗装条件を改善し、常に最良の塗装状態に保つ必要が
ある。しかし、上記のごとき従来の微粒化度計測方法や
装置は、研究用解析装置であり、次のごとき問題のため
に塗装自動化ライン等には適用出来なかった。まず、塗
料粒子をガラス板に付着させる方法は、測定の度に試料
のガラス板を作成して電子顕微鏡で観察する必要がある
ため、工数と時間が掛かると共に、リアルタイムで塗装
工程にフィードバックさせることは本来無理な方法であ
る。また、レーザドップラ式粒子測定装置も研究用解析
装置であり、一般の塗装工程のように引火性の溶剤を用
いる場合には、レーザ光によって発火するおそれがある
ため、使用することが困難である。
【0004】上記のごとき従来技術の問題を解決するた
め、本出願人は、塗装後の未乾燥塗装表面を撮像し、そ
の光学画像から、塗装面の凹凸の波長分布を求め、それ
に基づいて塗料の粒子径を計測するように構成した新規
な塗装品質解析装置を発明し、既に出願している(特願
平6−98483号:未公開)。上記の先行発明におい
ては、塗料の微粒化度を塗装中に非接触で容易に計測す
ることが出来る。そのため塗装条件を直ちにフィードバ
ック制御することが出来るので、塗装品質を維持、向上
させることができると共に、微粒化計測の工数を大幅に
低減することが出来る、という優れた効果が得られる。
しかし、実際の塗装工程においては、次のごとき問題が
残された。すなわち、上記の先行発明においては、塗装
表面の光学画像から表面の凹凸の波長分布を求めている
が、自動車の車体のように塗装面に曲面が存在する場合
には、撮像した画像が曲率に応じて湾曲するので、表面
の凹凸波長を正確に測定することが困難になる場合があ
る。そのため、計測結果に誤差を生じることがあり、自
動車の車体塗装のような自動化ラインでは、更に改良の
余地があった。
【0005】本発明は、上記のごとき従来技術の問題を
解決し、さらに上記本出願人の先行発明を改良するため
になされたものであり、塗装面が曲面であっても塗装中
に迅速かつ高精度で微粒化度を解析することのできる塗
装品質解析装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明においては、特許請求の範囲に記載するよう
に構成している。図1は本発明の機能ブロック図であ
る。請求項1に記載の発明は、図1に示すごとく、塗料
を塗布した直後の未乾燥塗装表面を撮像する撮像手段1
00と、撮像手段100からの画像情報を画像処理する
画像処理手段101と、画像処理手段101で処理され
た画像処理データに基づいて、塗装表面の凹凸波形の波
長分布を算出する波長分布演算手段102と、画像処理
手段101で処理された画像処理データと波長分布演算
手段102で算出された波長分布との少なくとも一方に
基づいて塗装面の曲面情報を求める曲面演算手段103
と、波長分布演算手段102で算出された波長分布に対
して、曲面演算手段103で求めた結果に応じた曲面補
正処理を行なう曲面補正演算手段104と、曲面補正演
算手段104で補正された波長分布に基づいて微粒化度
を算出する微粒化演算手段105と、を備えている。な
お、上記の各手段は、例えば後記図2の実施例における
下記の各手段に相当する。すなわち、撮像手段100は
撮像部2に、画像処理手段101は画像処理部3に、波
長分布演算手段102は波長演算部4に、曲面演算手段
103は曲面演算部5に、曲面補正演算手段104は曲
面補正演算部6に、微粒化演算手段105は微粒化演算
部8に、それぞれ相当する。
【0007】また、請求項2に記載の発明は、波長分布
演算手段102と微粒化演算手段105の構成例を示し
たものであり、請求項3に記載の発明は、曲面演算手段
103と曲面補正演算手段104の構成例を示したもの
であり、さらに、請求項4に記載の発明は、曲面補正の
他の構成例を示したものである。
【0008】
【作用】請求項1に記載の発明は、塗装後の未乾燥塗装
表面の画像から、塗装面の凹凸の波長分布を求め、画像
処理データと上記の算出された波長分布との少なくとも
一方に基づいて求めた塗装面の曲面情報に応じて上記の
波長分布を補正し、その補正結果に基づいて塗料の粒子
径を計測するように構成したものである。上記のように
本発明においては、撮像手段で撮像した被塗装面の画像
データに基づいて曲面補正及び微粒化度の算出を行なう
ので、被塗装面が自動車の車体のように曲面の場合であ
っても、塗料の微粒化度を塗装中に非接触で迅速、かつ
精密に計測することが出来る。そのため塗装条件を直ち
にフィードバック制御することが出来るので、塗装品質
を維持、向上させることができると共に、微粒化計測の
工数を大幅に低減することが出来る。なお、微粒化度す
なわち塗料粒子の微粒化の程度は、請求項2に示すよう
に、塗料の粒子径をそのまま用いてもよいし、或いはそ
の逆数や基準値に対する百分率で表してもよい。
【0009】また、請求項3に記載の発明は、曲面補正
の第1の構成例を示すものであり、画像処理データに基
づいて塗装面の曲率を演算するものである。具体的に
は、後に図10〜図12に基づいて詳述するように、曲
面に応じて楕円形状となった画像エリアのx軸、y軸方
向の最大長(明部エリア)x、yを画像上で導出し、そ
の値から曲率rを算出し、予め記憶してある曲率rと補
正係数Kの関係から波長λについての曲率rによる補正
係数Kを求め、その補正係数Kによって、長波長領域の
ピーク波長λpの値を補正する。このようにして算出し
た実際の波長λp'を用いて微粒化演算を行なえば、曲面
においても正確な計測を行なうことが出来る。
【0010】また、請求項4に記載の発明は、曲面補正
の第2の構成例を示すものであり、塗装面に縞模様を投
影し、撮像した該縞模様のパワースペクトルにおける基
本縞のピーク波長と、塗装面の凹凸の長波長領域のピー
ク波長とを演算し、予め記憶している平面時での基本縞
のピーク波長を、上記の基本縞のピーク波長で除算した
値に、上記長波長領域のピーク波長を乗算することによ
り、補正後の凹凸波形の波長の値を演算し、それによっ
て微粒化度を算出するものである。この構成について
は、後に図13に基づいて詳述する。
【0011】
【実施例】図2は本発明の第1の実施例図であり、本発
明を車両の車体塗装ラインに適用した場合のブロック図
を示す。まず、図2に基づいて全体の構成の概略を説明
する。1は被塗装体の車体であり、塗装ライン上を所定
の速度で移動しながら塗装されるものである。2は塗装
直後におけるウエット状態の塗装表面を撮像する撮像部
である。撮像する時点は、塗料を吹き付けたのち所定時
間(例えば1〜2分)後に行なう。そのため、撮像部2
は塗装ラインの移動速度に合わせて、例えば1〜2分後
に車体が到達する位置に設置されている。
【0012】上記の撮像部2で撮像した塗装表面の画像
(詳細後述)は、画像処理部3で2値化等の画像処理を
施される。なお、この画像処理部3は画像情報を記憶す
る画像メモリとコンピュータ等の演算装置で構成され
る。上記の画像処理部3で処理された画像処理データ
は、波長演算部4に送られる。この波長演算部4では、
パワースペクトル周波数分析(例えば高速フーリエ変換
処理:FFT)を行ない、入力した画像処理データから
塗装表面の凹凸波形のパワースペクトルPS(詳細後
述)を算出する。また、曲面演算部5では、入力した画
像処理データと波長演算部4の算出結果との少なくとも
一方に基づいて塗装面の曲面情報を求める(詳細後
述)。また、曲面補正演算部6では、波長演算部4の算
出結果に対して、曲面演算部5で求めた結果に応じた曲
面補正処理を行なう(詳細後述)。
【0013】また、塗装条件入力部7は、例えばキーボ
ード等の入力手段であり、中塗り、上塗りベース、上塗
りクリア等の塗料の種類についての情報を入力する。ま
た、微粒化演算部8は、上記塗装条件入力部7からの塗
装条件と、曲面補正演算部6で補正された波長値とに基
づいて塗料の微粒化度を演算する(詳細後述)。上記の
ようにして求められた微粒化度は、液晶表示装置やCR
T表示装置等の表示器10で表示して作業員に提示する
と共に、塗装条件制御システム9へ送られ、塗装ガン1
1の動作条件(塗料の吐出量、ベル回転数、エア圧等)
を所望の微粒化度を達成するための最適条件に保つよう
に制御する。なお、上記の波長演算部4、曲面演算部
5、曲面補正演算部6および微粒化演算部8は、コンピ
ュータ等の演算装置で構成される。
【0014】次に作用を説明する。最初に、撮像部2に
ついて説明する。図3は、撮像部2の一例を示す断面図
である。図3に示すように、撮像部の基本的構成は、光
源31、明暗パタン板32、反射鏡33、レンズ34、
CCDカメラ35から成る。上記の明暗パタン板32
は、所定間隔(例えば1mm間隔)で直線状のスリット
が設けられた不透明板(または透明板に所定間隔で不透
明なストライプパタンを印刷したもの)である。そして
光源31からの平行光線を上記明暗パタン板32と反射
鏡33とレンズ34とを介して塗装面の斜め方向から照
射することにより、被塗装体上にスリットに対応した縞
模様をつくる。この縞模様は、被塗装体上の凹凸に応じ
て歪んだ波形(後記図10のごとき波形)となる。その
反射光をCCDカメラ35で撮像し、上記の歪んだ縞模
様、すなわち表面粗さの情報を入力するようになってい
る。上記のごとき縞模様の画像情報を画像処理し、パワ
ースペクトル周波数分析(例えば高速フーリエ変換処
理:FFT)を行なってパワースペクトルPSを求め
る。
【0015】図4は、上記パワースペクトルPSの周波
数特性図であり、縦軸はパワースペクトルPS、横軸は
周波数f(波長λの逆数、f=1/λ)である。図4に
おいて、第1のピーク波形は、前記スリットに対応し
た基本縞による基本波形のパワースペクトル、第2のピ
ーク波形は、塗装表面の凹凸波形の長波長領域(10
〜1mm程度)に対応したパワースペクトル、第3のピ
ーク波形は、凹凸波形の中波長領域(1〜0.1mm
程度)に対応したパワースペクトル、第4のピーク波形
は、凹凸波形の短波長領域(0.1mm以下)に対応
したパワースペクトルを示す。上記のパワースペクトル
波形において、凹凸波形の長波長領域のピーク波長、す
なわち第2のピーク波形のピーク値に対応した波長
は、後記のごとく微粒化度と相関性があり、それによっ
て微粒化度を測定することが出来る。
【0016】次に、曲面補正演算について説明する前
に、まず微粒化演算部8における微粒化度計測の原理に
ついて説明する。まず、図5に基づいて、塗装時におけ
る塗装面への塗料粒子の付着と塗装膜面の形成過程につ
いて説明する。図5(a)に示すように、塗装ガン50
から塗装面(下塗鋼板52)へ向けて微粒化した塗料粒
子を吹き付ける。この際、塗料粒子の平均粒子径は、基
本的には、塗装条件である塗料速度(下記、、)
と空気速度(下記)と塗料物性(下記)によって決
まる。ただし、上記の〜は次の通りである。 塗装ガンの吐出量 塗装ガンのベル回転数 印加電圧 エア圧 塗料物性(粘度、表面張力、密度) なお、ベル回転数とは塗料を微粒化する回転体の回転数
であり、印加電圧とは塗料粒子に静電気を付加するため
に印加する静電圧(50kV程度)であり、エア圧と
は、塗料粒子が周辺に飛散しないように周囲に気流の壁
を作るための気圧である。上記のようにして吹き付けら
れた塗料粒子は、塗装面に衝突し、つぶれた形で付着す
る。
【0017】次に、図5(b)に示すように、塗膜形成
の初期には、付着した小さな塗料粒子が大きな塗料粒子
に結合され、より大きな粒子を形成する。そして、さら
に粒子の結合が進み、表面張力と境界張力とによって初
期の塗膜面が形成される。上記のように粒子の付着と結
合によって塗膜が形成されていくため、初期の塗膜表面
状況は大きな塗装粒子の粒子径r、粒子衝突速度vx、
塗料物性(表面張力γ、粘度η)等に依存する。例え
ば、上塗り塗料の場合、初期塗膜表面の凹凸の高さは数
〜数十μm程度であり、また、凹凸の波長分布は3〜6
mm程度の長波長領域が支配的であることが確認され
た。そして上記の長波長領域のピーク波長λと大きな塗
料粒子の粒子径rとには相関性があることが実験によっ
て確認された。
【0018】次に、図5(c)に示すように、上記の初
期塗膜形成後の塗膜表面は、レベリング力(表面張力γ
と重力gとの合成力)によって次第に平坦化して行く。
この平坦化速度は上記のレベリング力と塗料物性(表面
張力γ、粘度η)および膜厚hによって決定される。例
えば、上塗り塗料の場合、平坦化速度は時定数で数十秒
〜数百秒であることが確認されている。
【0019】次に、塗料粒子径と塗膜面の凹凸との関係
について図6〜図9に基づいて詳細に説明する。図6に
示すように、塗装ガンから吹き付けられた塗料粒子(飛
行粒子53)の粒子径をrとし、それが付着した付着粒
子54の幅をλ/2、厚さ(ピーク値)をhとすれば、
波長λの凹凸を持つ塗膜面が形成される。なお、上記付
着粒子の幅λ/2と波長λとの関係は、実験的に求めら
れたものであり、ほぼこの程度の値になることが確認さ
れている。上記の場合における塗料粒子径rは、下記
(数1)式で示される。
【0020】
【数1】
【0021】上記の理論式をグラフに示すと、図7の破
線で示すごとき曲線となる。しかし、実際には、付着粒
子の結合があるため、図7の実線で示すような特性とな
る。この実験で求めた特性を数式で示すと、下記(数
2)式のようになる。
【0022】
【数2】
【0023】ただし ks:補正係数 λp:塗膜面の凹凸のピーク波長(前記長波長領域のピ
ーク波長に相当) a、β:定数 上記のごとき実験で求めた凹凸のピーク波長λpと塗料
粒子径rとの関係を、付着粒子の結合を考慮して解析す
る。まず、図8に示すように、付着粒子径Rは、塗布時
間が大きくなるに従って順次大きくなる。この関係を数
式で示すと下記(数3)式のようになる。
【0024】
【数3】
【0025】ただし R0:初期粒子径 b,c:定数 なお、図8において、塗布時間とは1ヶ所に塗布する持
続時間であり、初期粒子径とは付着前の塗料粒子径であ
り、付着粒子径とは最初に付着したときの粒子径であ
る。この付着粒子径Rは塗布時間が長くなるに従って順
次塗布される粒子が結合するので次第に大きくなる。
【0026】また、図9は、塗布時間と塗膜面の凹凸波
長との関係を、実測値(破線)と周波数解析によるパワ
ースペクトルから求めた結果とについて比較した特性図
である。図9から判るように、パワースペクトルから求
めた値は実測値によく一致している。したがってパワー
スペクトルから求めた凹凸波長(前記長波長のピーク波
長λp)を用いて付着粒子径Rを求めることが出来る。
さらに、自動塗装機においては、塗布時間は一定である
から、下記(数4)式によって塗料粒子径rも求めるこ
とが出来る。 2r(t)=λp(t) …(数4) 上記のごとき考察により、基本的には前記(数2)式に
より、パワースペクトルから求めた凹凸の長波長領域の
ピーク波長λpを用いて、塗料粒子径rを求めることが
出来る。具体的には、実験で前記図7の特性を求め、そ
れから(数2)式の各係数ks、a、βを予め求めてお
けば、撮像画像から求めたピーク波長λpを用いて塗料
粒子径rを求めることが出来る。なお、塗料粒子の粒子
径rは塗料の微粒化の程度に対応しているから、塗料粒
子の粒子径rをそのまま用いて微粒化度を表してもよい
し、或いはrの逆数、もしくは基準値との百分率などを
用いて微粒化度を表すことも出来る。
【0027】図2の実施例においては、波長演算部4
で、入力した画像処理データから塗装表面の凹凸波形の
パワースペクトルPSを求め、前記の長波長領域のピー
ク波長λpを算出する。そして曲面演算部5と曲面補正
演算部6で上記ピーク波長λpに曲面補正を施した後
(曲面補正演算については後述)、微粒化演算部8で
は、予め実験で求めた前記図7の特性(数2式)を用い
て補正後のピーク波長λpから塗料粒子の粒子径rを求
め、その値から微粒化度を演算する。なお、上記の演算
において、図7の特性は、塗料の種類に応じて異なるの
で、塗装条件入力部7から入力した中塗り、上塗りベー
ス、上塗りクリア等の塗料の種類に応じて(数2)式の
係数値を変更する。
【0028】上記のように、本実施例においては、塗装
後の未乾燥塗装表面の画像から、塗装面の凹凸の波長分
布を求め、それに基づいて塗装ガンから吹き付けられる
塗料の粒子径を計測するように構成したものである。こ
のように構成したことにより、塗料の微粒化度を塗装中
に非接触で容易に計測することが出来る。そのため塗装
条件を直ちにフィードバック制御することが出来るの
で、塗装品質を維持、向上させることができると共に、
微粒化計測の工数を大幅に低減することが出来る。
【0029】次に、被塗装面が曲面であった場合におけ
る曲面補正演算について説明する。これまでの説明にお
いては、塗装表面の画像情報から凹凸波長のピーク値を
求め、それによって微粒化度を演算している。しかし、
自動車の車体のように、塗装面に曲面が存在する場合に
は、撮像した画像が曲率に応じて湾曲するので、表面の
凹凸波長を正確に測定することが困難になり、そのため
計測結果に誤差を生じることがある。曲面補正はこのよ
うな誤差を解消するものである。
【0030】図10は、撮像部2で撮像した画像の一例
図であり、(a)は塗装面が平面の場合、(b)は塗装
面が曲面の場合(x軸方向で湾曲)の画像を示す。塗装
面が平坦な場合は、(a)に示すように、画像の外形は
前記図3の撮像部2から投射した画像と同じ円形にな
り、明暗パタン板32の縞模様が塗装表面の凹凸に応じ
て歪んだ形で現われる。これに対して曲面の場合は、
(b)に示すように、曲面方向が縮んだ楕円形状にな
る。なお、図10においては、縞模様の断続方向をx
軸、それと直角方向をy軸としている。
【0031】曲面演算部5では、上記のごとき画像デー
タを用い下記の手順で塗装表面の曲率rを導出する。ま
ず、図10(b)に示すように楕円形状をした画像エリ
アのx軸、y軸方向の最大長(明部エリア)x、yを画
像上で導出する。導出方法は2値化された各軸上の初期
明点位置を左右から検索することによって最大長を算出
する。次に、凸曲率をもつ塗膜面は一般に凹レンズ相当
の作用をするため、図3の撮像部2と凸曲面の塗膜面の
光学系は図11に示すようになる。このような光学系の
距離定数より、塗膜表面のx方向の曲率rは下記(数
5)式で与えられる。なお、y方向も同様に算出でき
る。
【0032】
【数5】
【0033】ただし、 x:計測されたx軸最大長 x0:塗装面が平面の場合のx軸最大長(既知の値) L1:CCDカメラ35と塗膜面との距離 L2:光源31と塗膜面との距離 次に、図12に示される曲率rと補正係数Kの関係よ
り、波長λについての曲率rによる補正係数Kを求め
る。なお、図12は実験よって求めた関係式であり、縦
軸は補正係数K、横軸は曲率rの逆数(1/r=R:曲
面)を示す。上記のようにして求めた補正係数Kによっ
て、前記の膜厚演算における長波長領域のピーク波長λ
pの値を補正する。すなわち、曲面部における実測波長
がλpであった場合、それを補正した平面相当の実波長
λp'は、下記(数6)式で示される。
【0034】
【数6】
【0035】ただし、 a:定数 R=1/r 上記のようにして算出した実波長λp'を用いて前記のよ
うにして微粒化演算等を行なえば、曲面においても正確
な計測を行なうことが出来る。図2の実施例において
は、曲面演算部5で上記の補正係数Kを求める演算を行
ない、曲面補正演算部6で上記の実波長λp'を求める演
算を行なう。また、上記の説明においては、x軸方向に
ついてのみ曲率rを求めて補正を行なっている。これは
図10に示すように縞模様の断続方向をx軸としている
ためであるが、y軸方向についても同様に曲率を求め、
曲率の大きい方の値を用いて補正係数Kを求めるように
構成してもよい。
【0036】次に、曲面補正の他の方法について説明す
る。前記図4に示したように、パワースペクトルPSの
周波数特性において、第1のピーク波形は、撮像部2
のスリットに対応した基本縞による基本波形のパワース
ペクトル、ピーク波形は、塗装表面の凹凸波形の長波
長領域(10〜1mm程度)に対応したパワースペクト
ルである。これらのパワースペクトルのピーク値は、塗
装面の曲率に応じて変化するが、本発明者らの実験によ
ると、基本縞のピーク周波数fと長波長領域のピーク周
波数f'(=1/λp)には、塗装面の曲率に関わりなく
一定の関係があることが判明した。図13は、パワース
ペクトルPSの周波数特性の曲面依存性を示す特性図で
ある。図13において、縦軸はパワースペクトルPS、
横軸は周波数f(1/λ)を示し、実線(A)は塗装面
が平面の特性、点線(B)は塗装面が曲率r1の場合の
特性、破線(C)は塗装面が曲率r2(r1<r2)の場
合の特性を示す。
【0037】図13から判るように、曲率が大きくなる
に従ってピーク周波数は大きく(ピーク波長λpは小さ
く)なるが、曲率に関わりなく、下記(数7)式の関係
が成立することが判明した。
【0038】
【数7】
【0039】ただし f0 :平面時の基本縞ピーク周波
数 f0':平面時の長波長ピーク周波数 fr :曲率r時の基本縞ピーク周波数 fr':曲率r時の長波長ピーク周波数 上記(数7)式から、平面時の長波長ピーク周波数f0'
は下記(数8)式で求められる。
【0040】
【数8】
【0041】(数8)式において、平面時の基本縞ピー
ク周波数f0の値は、予め測定可能な既知の値である。
また、曲率rのときの基本縞ピーク周波数frと長波長
ピーク周波数fr'とは前記の画像処理によって実測値と
して求められる。したがって曲率rのときの長波長ピー
ク周波数fr'を平面時の値f0'に換算するには、fr'に
0/frを乗算してやればよい。なお、前記の膜厚演算
で説明したように波長λで表現する場合には、下記(数
9)式のように補正すればよい。
【0042】
【数9】
【0043】ただし λ0 :平面時の基本縞ピーク波長 λ0':平面時の長波長ピーク波長 λr :曲率r時の基本縞ピーク波長 λr':曲率r時の長波長ピーク波長 この方法によれば、基本縞ピーク波長λrと長波長ピー
ク波長λr'とを求めるだけで簡単に曲面補正を行なうこ
とが出来る。上記の方法を前記図2の実施例に適用する
場合には、画像処理部3の画像処理データから曲面演算
部5でλrとλr'を求める演算を行ない、曲面補正演算
部6では、それらの値と予め記憶しておいたλ0の値か
らλ0'を求める演算を行なうように構成すればよい。
【0044】
【発明の効果】以上説明したごとく、本発明において
は、塗装後の未乾燥塗装表面の画像から塗装面の凹凸の
波長分布を求め、それに基づいて塗料の粒子径を計測
し、かつ被塗装面の曲率に対応して曲面補正を行なうよ
うに構成したことにより、自動車の車体のように塗装面
が曲面の場合でも塗料の微粒化度を塗装中に非接触で迅
速、かつ精密に計測することが出来る。そのため塗装条
件を直ちにフィードバック制御することが出来るので、
塗装品質を維持、向上させることができると共に、微粒
化計測の工数を大幅に低減することが出来る、という効
果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の機能ブロック図。
【図2】本発明の一実施例のブロック図。
【図3】撮像部2の一例を示す断面図。
【図4】パワースペクトルPSの周波数特性図。
【図5】塗装時における塗装面への塗料粒子の付着と塗
装膜面の形成過程を示す図。
【図6】飛行中の塗料粒子と付着粒子との関係を示す
図。
【図7】塗料粒子の平均径と波長との関係を示す特性
図。
【図8】塗料の粒子径と塗布時間との関係を示す特性
図。
【図9】波長λと塗布時間との関係を示す特性図。
【図10】撮像部2で撮像した画像の一例図であり、
(a)は塗装面が平面の場合、(b)は塗装面が曲面の
場合(x軸方向で湾曲)の画像を示す図。
【図11】撮像部2と凸曲面の塗膜面の光学系を示す
図。
【図12】曲率rと補正係数Kの関係を示す特性図。
【図13】パワースペクトルPSの周波数特性の曲面依
存性を示す特性図。
【図14】従来の微粒化度検出方法の一例を示す図。
【符号の説明】
1…被塗装体(ボディ) 9…塗装条件制御
システム 2…撮像部 10…表示器 3…画像処理部 11…塗装ガン 4…波長演算部 50…塗装ガン 5…曲面演算部 51…ガラス板 6…曲面補正演算部 52…下塗鋼板 7…塗装条件入力部 53…飛行粒子 8…微粒化演算部 54…付着粒子 100…撮像手段 103…曲面演算
手段 101…画像処理手段 104…曲面補正
演算手段 102…波長分布演算手段 105…微粒化演
算手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塗料を塗布した直後の未乾燥塗装表面を撮
    像する撮像手段と、 上記撮像手段からの画像情報を画像処理する画像処理手
    段と、 上記画像処理手段で処理された画像処理データに基づい
    て、塗装表面の凹凸波形の波長分布を算出する波長分布
    演算手段と、 上記画像処理手段で処理された画像処理データと上記波
    長分布演算手段で算出された波長分布との少なくとも一
    方に基づいて塗装面の曲面情報を求める曲面演算手段
    と、 上記波長分布演算手段で算出された波長分布に対して、
    上記曲面演算手段で求めた結果に応じた曲面補正処理を
    行なう曲面補正演算手段と、 上記曲面補正演算手段で補正された波長分布に基づいて
    微粒化度を算出する微粒化演算手段と、 を備えたことを特徴とする塗装品質解析装置。
  2. 【請求項2】上記波長分布演算手段は、塗装表面の凹凸
    波形のパワースペクトルにおける長波長領域のピーク波
    長を求めるものであり、 上記微粒化演算手段は、上記長波長領域のピーク波長の
    値と予め実験で求めた塗料粒子径との関係から、塗料粒
    子径を算出し、それを微粒化度とするものである、こと
    を特徴とする請求項1に記載の塗装品質解析装置。
  3. 【請求項3】上記曲面演算手段は、上記画像処理手段の
    画像処理データに基づいて塗装面の曲率を演算するもの
    であり、 上記曲面補正手段は、上記曲面演算手段で求めた曲率に
    応じて上記波長分布演算手段で求めた凹凸波長の値を補
    正するものである、ことを特徴とする請求項1または請
    求項2に記載の塗装品質解析装置。
  4. 【請求項4】上記撮像手段は、塗装面に投影した所定の
    縞模様を撮像するものであり、 上記曲面演算手段は、上記画像処理手段の画像処理デー
    タもしくは上記波長分布演算手段の演算結果に基づい
    て、上記縞模様のパワースペクトルにおける基本縞のピ
    ーク波長と、塗装面の凹凸の長波長領域のピーク波長
    と、を演算するものであり、 上記曲面補正手段は、予め記憶している平面時での基本
    縞のピーク波長を、上記曲面演算手段で求めた基本縞の
    ピーク波長で除算した値に、上記長波長領域のピーク波
    長を乗算することにより、補正後の凹凸波形の波長の値
    を算出するものである、 ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の塗装
    品質解析装置。
JP13129795A 1995-05-30 1995-05-30 塗装品質解析装置 Pending JPH08327340A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13129795A JPH08327340A (ja) 1995-05-30 1995-05-30 塗装品質解析装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13129795A JPH08327340A (ja) 1995-05-30 1995-05-30 塗装品質解析装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08327340A true JPH08327340A (ja) 1996-12-13

Family

ID=15054680

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13129795A Pending JPH08327340A (ja) 1995-05-30 1995-05-30 塗装品質解析装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08327340A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101397731B1 (ko) * 2012-08-09 2014-05-21 삼성전기주식회사 건조도 측정 장치 및 이를 이용한 건조도 측정 방법

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101397731B1 (ko) * 2012-08-09 2014-05-21 삼성전기주식회사 건조도 측정 장치 및 이를 이용한 건조도 측정 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10041785B2 (en) Sensor system and method for characterizing a stack of wet paint layers
US7220966B2 (en) Systems and methods for inspecting coatings, surfaces and interfaces
US9316491B2 (en) Methods and instruments to measure the volume solids of a paint sample
US20170050208A1 (en) Robotic Vehicle Painting Instrument Including A Terahertz Radiation Device
WO2023092690A1 (zh) 检验胶路状态的装置及其检验方法
JP3326962B2 (ja) 塗装品質解析装置
EP1828754A2 (en) Systems and methods for inspecting coatings, surfaces and interfaces
JPH08327340A (ja) 塗装品質解析装置
JPH08334320A (ja) 塗装品質解析装置
JP3353494B2 (ja) 塗装品質解析装置
JP3257182B2 (ja) 塗装処理装置及び塗装処理方法
JPH09113462A (ja) 塗装品質解析装置
JP3358434B2 (ja) 塗装品質解析装置
JP3478443B2 (ja) 自動塗装機の制御装置
JP2000246167A (ja) 塗装方法
JP3327000B2 (ja) 塗装膜厚計測装置
Borovoy et al. Pressure sensitive paint application in shock wind tunnel
JP2022542342A (ja) 粒子噴流の流れ場を監視するための方法および装置
JP3811924B2 (ja) 自動塗装機の制御装置およびその制御方法
JPH08122035A (ja) 塗装品質解析装置
JPH095053A (ja) 塗装品質解析装置
JP3326960B2 (ja) 塗装膜厚計測装置
JPH07306017A (ja) 塗装膜厚計測装置
JP3511764B2 (ja) 自動塗装機の制御装置
JPH09105612A (ja) 塗装膜厚計測装置