JPH08325380A - 新規なフッ素化シリコーン樹脂及びその製造方法 - Google Patents

新規なフッ素化シリコーン樹脂及びその製造方法

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JPH08325380A
JPH08325380A JP30297895A JP30297895A JPH08325380A JP H08325380 A JPH08325380 A JP H08325380A JP 30297895 A JP30297895 A JP 30297895A JP 30297895 A JP30297895 A JP 30297895A JP H08325380 A JPH08325380 A JP H08325380A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチック、金属、皮膚等の基体上に柔軟
で強固な撥水撥油性被膜を薄く均一に形成できる新規な
フッ素化シリコーン樹脂及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 式Qn[Si(X)3n(Qnはn価の有
機基、nは2〜6の整数、Xは同一又は異なった加水分
解性の基)の珪素化合物を加水分解重縮合させ、これに
式(R13SiX(R1は同一又は異なる炭化水素基、
又は水素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換され
た炭化水素基で、少なくとも一つのR 1は前記フッ素置
換炭化水素基)の珪素化合物と、式(R23SiX(R
2は同一又は異なる炭化水素基、又は水素原子の少なく
とも一部が塩素原子又は臭素原子で置換された炭化水素
基)及び/又は、式(R23SiOSi(R23の珪素
化合物と、を末端封鎖剤として反応させて、式Qn(S
iO3/2nの少なくとも1種を主構成ユニットとし、そ
の末端を式(R13SiO1/2のユニットと式(R23
SiO1/2のユニットで封鎖したフッ素化シリコーン樹
脂を製造。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック、金
属、皮膚等の各種基体の表面に柔軟で強固で、しかも薄
く均一な撥水撥油性保護膜を与える被膜剤、特に化粧料
用被膜剤として有用な新規なフッ素化シリコーン樹脂及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シリコーンは従来から撥水性の被膜を与
える被膜剤とし広範囲に利用されている。このシリコー
ンにフッ素置換基を導入することにより、さらに撥油性
を付与しようとする試みもなされている。このような例
として、ユニット(R)2SiO(但し、Rは有機基を
表す。以下同様)及びユニット(R)3SiO1/2からな
る高分子シリコーンやこれにユニットRSiO3/2及び
/又はユニットSiO2を添加したシリコーン樹脂の側
鎖又は末端にフッ素置換基を導入したものが挙げられる
(特開昭64−83086号、特開平5−78491
号、特開平6−135818号)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のフッ素
置換シリコーンの多くは二次元型(直鎖状)であり、三
次元シリコーンであってもネットワーク構造 が有機基
Rによって切断され、分子の連続性が低下するため、得
られる撥水撥油性被膜は柔軟性はあるものの被膜強度が
不十分で、被膜の耐久性に問題があった。ある程度の被
膜強度を得るためには、SiO2ユニットの割合を増加
させれば良いが、この方法でも限界がある上、あまりこ
のユニットの割合を増加させると、分子の可撓性が不足
し、ひいては被膜の柔軟性が著しく低下するという欠点
があった。また、厚く塗布してもある程度の被膜強度は
得られるが、薄く均一に塗布した方が望ましいことは勿
論である。
【0004】なお、従来の代表的な三次元シリコーン樹
脂のネットワーク構造を下式に示す。
【0005】
【化1】
【0006】(但し、Rは互いに独立した有機基、また
Yは末端封鎖基を表す。)従って本発明の課題は、各種
基体上に柔軟で強固な撥水撥油性被膜を薄く均一に形成
できる新規なフッ素化シリコーン樹脂及びその製造方法
を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは従来技術に
おける以上のような事情に鑑み、鋭意研究を重ねた結
果、珪素原子−珪素原子間が有機鎖によって結合された
ユニットと末端封鎖ユニットを主構成ユニットとするフ
ッ素化シリコーン樹脂を被膜剤として用いれば、各種基
体上に柔軟で強固な撥水撥油性被膜を薄く均一に形成で
きることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち本発明のフッ素化シリコーン樹脂
は、一般式(I): Qn(SiO3/2n (但し、Qnはn価の有機基を表し、またnは2〜6の
整数のいずれか1つを表す。)で示されるユニットの少
なくとも1種を主構成ユニットとし、末端が式(II): (R13SiO1/2 (但し、R1は互いに同一であっても異なっていてもよ
く、炭化水素基、又は水素原子の少なくとも一部がフッ
素原子で置換された炭化水素基を表し、且つ三つのR1
の内、少なくとも一つは前記フッ素置換炭化水素基でな
ければならない。)で示されるユニット又は式(II
I): (R23SiO1/2 (但し、R2は互いに同一であっても異なっていてもよ
く、炭化水素基、又は水素原子の少なくとも一部が塩素
原子又は臭素原子で置換された炭化水素基を表す。)で
示されるユニットで封鎖され、封鎖末端に式(II)で示
されるユニット及び式(III)で示されるユニットをそ
れぞれ少なくとも1つ有するフッ素化シリコーン樹脂で
ある。
【0009】また本発明の前記フッ素化シリコーン樹脂
の製造方法は、一般式(IV):Qn[Si(X)3n(但
し、Qnはn価の有機基を表し、またnは2〜6の整数
のいずれか1つを表す。Xは互いに同一でも異なってい
てもよく、加水分解性の基を表す。)で示される加水分
解性珪素化合物を加水分解重縮合させた後、これに一般
式(V): (R13SiX (但し、R1は互いに同一であっても異なっていてもよ
く、炭化水素基、又は水素原子の少なくとも一部がフッ
素原子で置換された炭化水素基を表し、且つ三つのR1
の内、少なくとも一つは前記フッ素置換炭化水素基でな
ければならない。またXは加水分解性の基を表す。)で
示される珪素化合物と、一般式(VI): (R23SiX (但し、R2は互いに同一であっても異なっていてもよ
く、炭化水素基、又は水素原子の少なくとも一部が塩素
原子又は臭素原子で置換された炭化水素基を表し、また
Xは加水分解性の基を表す。)で示される珪素化合物及
び/又は一般式(VII): (R23SiOSi(R23 (但し、R2は前記一般式(VI)のR2に同じ。)で示さ
れる珪素化合物と、を末端封鎖剤として反応させて前記
重縮合物の末端を封鎖することを特徴とするものであ
る。
【0010】以下に本発明を更に詳しく説明する。 <フッ素化シリコーン樹脂>本発明のフッ素化シリコー
ン樹脂は、基本的には前記一般式(I)のQn(SiO
3/2nユニットの少なくとも1種を主構成ユニットと
し、末端を前記一般式(II)の(R13SiO1/2ユニ
ット又は前記一般式(III)の(R23SiO1/2ユニッ
トで封鎖したものであり、封鎖末端には式(II)で示さ
れるユニット及び式(III)で示されるユニットをそれ
ぞれ少なくとも1つ有するものであるが、更にこの構成
分子中にSiO2ユニットを含有させることができる。
この場合、SiO2ユニットの含有量はSiO2/Q
n(SiO3/2nモル比で(3/2)以下、特に(1/
2)以下が好ましい。(R13SiO1/2ユニットのQn
(SiO 3/2nユニット及びSiO2ユニットに対する
モル比は特に制限されない。
【0011】一般式(I)のQn(SiO3/2nユニット
において、nは2、3又は4のいずれかであることが好
ましい。一般式(I)のQn(SiO3/2nユニットにお
いて、Qnの具体例としては、1)アルキレン基;2)
ポリメチレン基;3)フェニレン基;4)アリーレン
基;5)前記1)〜4)の基の水素原子の少なくとも一
部が更にアルキル基、フェニル基、アリール基、アルキ
レン基、ポリメチレン基、フェニレン基及びアリーレン
基からなる群のうちの少なくとも1種で置換された基;
6)前記1)〜5)の基の構造中に他の置換基と結合し
ても多重の結合をしてもよい酸素原子、窒素原子、及び
硫黄原子からなる群のうちの少なくとも1種を含んだ
基;及び7)前記1)〜6)の基の水素原子が塩素原子
又は臭素原子で置換された基等の少なくとも1種が例示
できる。
【0012】また、上記6)の前記1)〜5)の基の構
造中に他の置換基と結合しても多重の結合をしてもよい
酸素原子、窒素原子、及び硫黄原子からなる群のうちの
少なくとも1種を含んだ基として、好ましくは、上記
1)〜5)の基の構造中にエーテル、チオエーテル、エ
ステル、ケトン、アミド、イミド、アミン及びイミンか
らなる群のうちの少なくとも1種の官能基を含んだ基を
挙げることができる。
【0013】更に具体的なQnは、下記の通り例示され
る。なお、以下の式中、a、b、c、d、e、fは各々
1以上の整数を表す。Q2(2価の有機基):
【0014】
【化2】 −(CH2)a− …(1)、 −CH(CH3)−(CH2)a− …(2)、 −(CH2)a−C(C25)(CH3)− …(3)、 −C64− …(4)、 −(CH2)a−C64−(CH2Cl)− …(5)、 −CH(CH3)-C64-(CH2)a- …(6)、 −(CH2)a−S−(CH2)b- …(7)、 −(CH2)a-S-C64- …(8)、 −CH(CH3)−S−(CH2)a- …(9)
【0015】
【化3】
【0016】Q3(3価の有機基):
【0017】
【化4】
【0018】Q4(4価の有機基):
【0019】
【化5】
【0020】本発明のフッ素化シリコーン樹脂の主構成
ユニットは、この様な上記一般式(I)のユニットの少
なくとも1種で構成されるが、本発明において、好まし
くは、主構成ユニットは、一般式(I)にQnとしてジカ
ルボン酸のジアミドを含む2価の有機基を導入したユニ
ット及び一般式(I)にQnとしてジカルボン酸のジアミ
ドを含む2価の有機基以外の2価の有機基を導入したユ
ニットで構成される。
【0021】次に一般式(II)の(R13SiO1/2
ニットであるが、このユニットのR1は、互いに同一で
あっても異なっていてもよく、炭化水素基、又は水素原
子の少なくとも一部がフッ素原子で置換された炭化水素
基を表し、且つ三つのR1の内、少なくとも一つは前記
フッ素置換炭化水素基でなければならないが、好ましく
は、アルキル基、フェニル基、アリール基及びこれらの
基の水素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換され
た基より選ばれる基であり、具体例としては、メチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキ
ル基;フェニル基;アリール基;又は、これらの基の水
素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換された基等
が挙げられる。
【0022】また一般式(III)の(R23SiO1/2
ニットであるが、このユニットのR 2は、互いに同一で
あっても異なっていてもよく、炭化水素基、又は水素原
子の少なくとも一部が塩素原子又は臭素原子で置換され
た炭化水素基を表すが、好ましくは、アルキル基、フェ
ニル基、アリール基及びこれらの基の水素原子の少なく
とも一部が塩素原子又は臭素原子で置換された基より選
ばれる基であり、具体例としては、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
sec−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基;フェ
ニル基;アリール基;又は、これらの基の水素原子の少
なくとも一部が塩素原子又は臭素原子で置換された基等
が挙げられ、好ましくはアルキル基(置換されていな
い)が挙げられる。
【0023】以上のようなユニットで構成される本発明
のフッ素化シリコーン樹脂のネットワーク構造例を、Q
nのnが2、すなわち2価の有機基の場合を例にして、
下記に示す。
【0024】
【化6】
【0025】(但し、化6中Q2は2価の有機基を表
す。また、Zは前記一般式(II)の(R13SiO1/2
ユニット又は一般式(III)の(R23SiO1/2ユニッ
トを表し、Zの少なくとも1つは式(II)で示されるユ
ニットであり、更に少なくとも1つは式(III)で示さ
れるユニットである。)
【0026】<フッ素化シリコーン樹脂の製造方法>次
に本発明のフッ素化シリコーン樹脂の製造方法について
説明する。本発明方法では、まず一般式(IV)の加水分
解性珪素化合物Qn[Si(X)3nに水を添加し、加
水分解重縮合を行う。この場合、必要に応じて珪素化合
物Si(X)4 を混合し、前記珪素化合物(IV)との共
加水分解重縮合を行ってもよい。水の添加量は、反応の
進行を制御するため、用いた珪素化合物の加水分解性の
基Xを加水分解させるのに必要な理論量以下の量が好ま
しい。
【0027】この時、反応を均一に進行させるため有機
溶媒を用いることが好ましい。有機溶媒は反応に用いる
珪素化合物を溶解できるものであればよく、特に限定さ
れない。反応温度は0〜80℃が好ましい。低すぎると
溶媒の凝固が起こったり、高すぎると溶媒の極端な蒸発
が起こったりして反応の進行が不均一になる。
【0028】また、反応の進行を促進するため、塩基及
び/又は酸を触媒として用いることが好ましい。塩基及
び/又は酸触媒の添加量は反応に用いる珪素化合物の5
モル%以下が好ましい。
【0029】この加水分解重縮合の反応式の一例を化7
に、また得られる重縮合体のネットワーク構造の一例を
化8に示す。
【0030】
【化7】
【0031】(但し、化7中Q2は2価の有機基を表
す。)
【0032】
【化8】
【0033】(但し、化8中Q2は2価の有機基を表
す。)
【0034】以上の加水分解重縮合工程で使用される材
料の詳細は次の通りである。 一般式(IV)の加水分解性珪素化合物Qn[Si
(X)3n:公知の珪素化合物の公知の有機反応によっ
て合成される。例えばアミノ基を有するアルコキシシラ
ン、クロロシラン[NH236Si(OR)3、NH23
6Cl3]等と酸クロライド、無水酸等の酸誘導体との
反応;不飽和結合を有する化合物へのハイドロジェンシ
ラン又はメルカプトシランの付加反応;アルコキシシラ
ン化合物又はクロロシラン化合物とグリニャール試薬又
は有機リチウム化合物との反応などにより合成される。
この一般式(IV)の加水分解性珪素化合物Q n[Si
(X)3n中におけるQnについては、前述の一般式
(I)でのQnと同様である。また、一般式(IV)中に
おいてXは、加水分解性の基であれば特に制限されず、
互いに同一であっても異なっていてもよい。
【0035】本発明の製造方法では、この加水分解性珪
素化合物の少なくとも1種を原料として用いるが、好ま
しくは、加水分解性珪素化合物として、一般式(IV)に
nとしてジカルボン酸のジアミドを含む2価の有機基
を導入した加水分解性珪素化合物及び一般式(IV)にQ
nとしてジカルボン酸のジアミドを含む2価の有機基以
外の2価の有機基を導入した加水分解性珪素化合物を組
み合わせて用いる。
【0036】珪素化合物Si(X)4:樹脂の固さを調
節するために添加する。添加量が多ければ樹脂は固くな
り、少なければ柔らかくなる。上記一般式中のXは、加
水分解性の基であれば特に制限されず、互いに同一であ
っても異なっていてもよい。この様な珪素化合物の具体
例としては四塩化珪素、テトラメトキシシラン、テトラ
エトキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトラ
イソプロポキシシラン等、好ましくは四塩化珪素、テト
ラメトキシシラン、テトラエトキシシランが挙げられ
る。
【0037】有機溶媒:上記二種の珪素化合物、水、触
媒などを溶解するものであれば特に限定されず、メチル
アルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等
のケトン類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等の
セロソルブ類;テトラヒドロキシフラン;ジメチルスル
フォキシド等が挙げられる。
【0038】塩基及び/又は酸触媒:塩酸、硝酸等の無
機酸;酢酸、クエン酸等の有機酸;水酸化ナトリウム、
アンモニア水等の無機塩基;アミン、モルフォリン等の
有機塩基;3−アミノアルコキシシランのような塩基性
基含有シラン等、好ましくはアミノ置換基、4,5−ジ
ヒドロイミダゾール置換基等の塩基性基含有シラン、例
えば3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、3−(4,5−ジヒド
ロイミダゾール)プロピルトリエトキシシラン、N−β
−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン等が挙げられる。
【0039】次に、一定時間重縮合反応を行った後、得
られた重縮合体の反応末端を封鎖して重縮合体を安定に
取り出すため、末端封鎖剤として一般式(V)の珪素化
合物(R13SiXと、一般式(VI)の珪素化合物(R
23SiX及び/又は一般式(VII)の珪素化合物
(R23SiOSi(R23と、を添加し反応させる。
この時、末端封鎖剤の加水分解を促進して末端封鎖反応
を進行しやすくするため、水及び酸触媒も合わせて添加
する。水の添加量は特に限定されないが、添加した末端
封鎖剤を加水分解するのに必要な理論量以上の量を添加
することが望ましい。また酸触媒の添加量は一般式
(V)、(VI)、(VII)の末端封鎖剤の合計量の2モル
%以上が好ましい。
【0040】またこの末端封鎖工程は、反応を均一に進
行させるため攪拌条件下で行う。反応時間は4〜20時
間が好ましい。反応終了後は重縮合体が相分離する場合
はデカンテーションで、また相分離しない場合は溶媒留
去、凍結乾燥などの方法によって目的物を取り出す。
【0041】上記重縮合体と末端封鎖剤との反応で得ら
れるフッ素化シリコーン樹脂のネットワーク構造におけ
る末端封鎖状況の一例を下記に示す。
【0042】
【化9】
【0043】(但し、化9中Q2は2価の有機基を表
す。また、Zは前記一般式(II)の(R13SiO1/2
ユニット又は一般式(III)の(R23SiO1/2ユニッ
トを表し、Zの少なくとも1つは式(II)で示されるユ
ニットであり、更に少なくとも1つは式(III)で示さ
れるユニットである。)
【0044】以上の末端封鎖工程で使用される材料の詳
細は次の通りである。 一般式(V)の(R13SiX :上記一般式(V)中、
1は互いに同一であっても異なっていてもよく、炭化
水素基、又は水素原子の少なくとも一部がフッ素原子で
置換された炭化水素基を表し、且つ三つのR1の内、少
なくとも一つは前記フッ素置換炭化水素基でなければな
らないが、好ましくは、アルキル基、フェニル基、アリ
ール基及びこれらの基の水素原子の少なくとも一部がフ
ッ素原子で置換された基より選ばれる基であり、例え
ば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基
等のアルキル基;フェニル基;アリール基;又は、これ
らの基の水素原子の少なくとも一部がフッ素原子で置換
された基等が挙げられる。また、上記一般式(V)中、
Xは加水分解性の基であれば特に制限されないが、アル
コキシ基、ハロゲン原子又はアルコキシアルコキシ基等
を好ましく挙げることができる。
【0045】この様な化合物として具体的には、(CF3
CH2)3Si(OCH3)、[CF3(CF2)2]2(CH3)Si
Cl、[CF3(CF2)5](CH3)2Si(OC25)、[CF
3(CF2)3(CH2)2]2(C25)SiCl等が挙げられ、
該当するフルオロアルキル基を有するグリニャール試薬
又はリチウム塩と公知の珪素化合物との反応によって容
易に合成できる。すなわち
【0046】
【化10】 (R)nSi(OR')4-n+mRfMgA → (Rf)m(R)nSi(OR')4-n-m+mMg(OR')A (R)nSiCl4-n+mRfMgA → (Rf)m(R)nSiCl4-n-m+mMgClA (Rn)SiCl4-n+mRfLi → (Rf)m(R)nSiCl4-n-m+mLiCl (但し、Rfはフルオロアルキル基、Rは炭化水素基、
AはBr又はI、nは0〜2のいずれか、mは1〜3の
いずれかを表す。)
【0047】一般式(VI)の(R23SiX :上記一
般式(VI)中、R2は互いに同一であっても異なってい
てもよく、炭化水素基、又は水素原子の少なくとも一部
が塩素原子又は臭素原子で置換された炭化水素基を表す
が、好ましくは、アルキル基、フェニル基、アリール基
及びこれらの基の水素原子の少なくとも一部が塩素原子
又は臭素原子で置換された基より選ばれる基であり、例
えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロ
ピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル
基等のアルキル基;フェニル基;アリール基;又は、こ
れらの基の水素原子の少なくとも一部が塩素原子又は臭
素原子で置換された基等が挙げられ、好ましくはアルキ
ル基(置換されていない)が挙げられる。また、上記一
般式(VI)中、Xは加水分解性の基であれば特に制限さ
れないが、アルコキシ基、ハロゲン原子又はアルコキシ
アルコキシ基等を好ましく挙げることができる。この様
な化合物として具体的には、トリメチルクロロシラン、
トリエチルクロロシラン、tert−ブチルジメチルクロロ
シラン、フェニルジメチルクロロシラン、トリメチルメ
トキシシラン、トリメチルエトキシシラン等が挙げられ
る。
【0048】一般式(VII)の(R23SiOSi
(R23:上記一般式(VII)中のR2は、上記一般式
(VI)中のR2と同様であり、この様な化合物として、
具体的には、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサエチル
ジシロキサン、ヘキサプロピルジシロキサン、ヘキサフ
ェニルジシロキサン等が挙げられる。
【0049】酸触媒:具体的には塩酸、硝酸等の無機
酸;酢酸、クエン酸等の有機酸;好ましくは塩酸、硝
酸、酢酸等の揮発性の酸が挙げられる。
【0050】この様にして得られる本発明の三次元フッ
素化シリコーン樹脂は、例えば化18に示すように、Q
nで示される有機基が樹脂のネットワーク構造の一部と
なっているので、従来の三次元シリコーン樹脂が化1に
示すように、R基によってネットワーク構造が寸断され
分子の連続性が低いのに比べ、分子の連続性が向上して
おり、これにより柔軟で強固で均一な薄い被膜が得られ
る。
【0051】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を説
明する。 <フッ素化シリコーン樹脂>まず、上記本発明のフッ素
化シリコーン樹脂の具体例であるが、次のイ)〜ヲ)に
示す様なフッ素化シリコーン樹脂を挙げることができ
る。 イ)[{CF3(CF223SiO1/2]のユニット、
[(CH33SiO1/2]のユニット及び[O3/2SiQ
2SiO3/2](但し、Q2は−(CH23−で示される
2価の有機基を表す。)のユニットからなるフッ素化シ
リコーン樹脂。
【0052】ロ)[(CF3CH23SiO1/2]のユニ
ット、[O3/2SiQ2SiO3/2](但し、Q2は下記式
(1a)で示される2価の有機基を表す。)のユニッ
ト、[(CH33SiO1/2]のユニット及び[O3/2
iQ'2SiO3/2](但し、Q' 2は−(CH22S(C
23−で示される2価の有機基を表す。)のユニット
からなるフッ素化シリコーン樹脂。
【0053】
【化11】
【0054】ハ)[{CF3(CF25}(CH32
iO1/2]のユニット、[(C253SiO1/2]のユ
ニット、[SiO2]のユニット及び[O3/2SiQ2
iO3/2](但し、Q2は下記式(2a)で示される2価
の有機基を表す。)のユニットからなるフッ素化シリコ
ーン樹脂。
【0055】
【化12】
【0056】ニ)[{CF3(CF232(C25)S
iO1/2]のユニット、[(C65)(CH32SiO
1/2]のユニット及び[(O3/2Si)33](但し、Q
3は下記式(3a)で示される3価の有機基を表す。)
のユニットからなるフッ素化シリコーン樹脂。
【0057】
【化13】
【0058】ホ)[{CF3(CF25}(CH32
iO1/2]のユニット、[(C373SiO1/2]のユ
ニット、[SiO2]のユニット及び[(O3/2Si)3
3](但し、Q3は下記式(4a)で示される3価の有
機基を表す。)のユニットからなるフッ素化シリコーン
樹脂。
【0059】
【化14】
【0060】ヘ)[{CF3(CF23(CH22
2(C25)SiO1/2]のユニット、[{(CH3
3C}{CH32SiO1/2]のユニット及び[(O32
Si)33](但し、Q3は下記式(5a)で示される
3価の有機基を表す。)のユニットからなるフッ素化シ
リコーン樹脂。
【0061】
【化15】
【0062】ト)[(CF3CH23SiO1/2]のユニ
ット、[(CH33SiO1/2]のユニット、[Si
2]のユニット、[O3/2SiQ2SiO3/2](但し、
2は−(CH22S(CH23−で示される2価の有
機基を表す。)のユニット及び[(O3/2Si)44
(但し、Q4は下記式(6a)で示される4価の有機基
を表す。)のユニットからなるフッ素化シリコーン樹
脂。
【0063】
【化16】
【0064】チ)[{CF3(CF223SiO1/2
のユニット、[(CH33SiO1/2]のユニット、
[(O3/2Si)44](但し、Q4は下記式(7a)で
示される4価の有機基を表す。)のユニット及び[Si
2]のユニットからなるフッ素化シリコーン樹脂。
【0065】
【化17】
【0066】リ)[{CF3(CF23(CH22
2(C25)SiO1/2]のユニット、[(CH33Si
1/2]のユニット及び[(O3/2Si)44](但し、
4は下記式(8a)で示される4価の有機基を表
す。)のユニットからなるフッ素化シリコーン樹脂。
【0067】
【化18】
【0068】ヌ)[{CF3(CF23(CH22
2{C25}SiO1/2]のユニット、[(CH33Si
1/2]のユニット、[3/2OSiQ2SiO3/2](但
し、Q2は−(CH23−を表す。)のユニット及び[
3/2OSiQ2'SiO3/2](但しQ 2'は、下記式(9
a)で示される2価の有機基を表す。)のユニットから
なるフッ素化シリコーン樹脂。
【0069】
【化19】
【0070】ル)[{CF3(CF27(CH22
{C252SiO1/2]のユニット、[(CH33Si
1/2]のユニット、[3/2OSiQ2SiO3/2](但
し、Q2は−(CH22S(CH23−を表す。)のユ
ニット及び[3/2OSiQ2'SiO3 /2](但しQ2'は、
前記式(9a)で示される2価の有機基を表す。)のユ
ニットからなるフッ素化シリコーン樹脂。
【0071】ヲ)[{CF3(CF25}{CH32
iO1/2]のユニット、[(C253SiO1/2]のユ
ニット、[O3/2SiQ2SiO3/2](但しQ2は、前記
式(1a)で示される2価の有機基を表す。)のユニッ
ト、[O3/2SiQ2'SiO3/2](但しQ2'は、前記式
(9a)で示される2価の有機基を表す。)のユニット
及び[SiO2]のユニットからなるフッ素化シリコー
ン樹脂。
【0072】<フッ素化シリコーン樹脂の製造方法>次
に、本発明のフッ素化シリコーン樹脂の製造の具体例と
して、上記イ)に示すフッ素化シリコーン樹脂の製造例
を示す。 (1)原料物質Cl3Si(CH23SiCl3(一般
式:Qn[Si(X)3n)の合成 耐圧ビン型の反応容器にアリルトリクロロシラン70.
2g、モノハイドロジェントリクロロシラン54.2g
を採り混合する。次に、塩化白金酸H2PtCl6・6H
2Oをテトラヒドロフラン中で加熱し、白金0.2ミリ
モルに相当するこの溶液を前述の混合溶液に添加して反
応容器を80℃で4時間加熱した後、ろ過、分留を行っ
てテトラヒドロフラン、塩化白金酸を除去してCl3
i(CH23SiCl3を透明液体として得る。
【0073】(2)原料物質[CF3(CF223Si
Cl(一般式:(R13SiX)の合成 十分に乾燥を行った還流冷却器、攪拌装置及びガス導入
管付き三つ口フラスコに金属マグシウム5.6gを採
り、乾燥窒素ガスで十分置換を行う。さらに、この反応
容器に金属ナトリウムによる還流と蒸留とによって脱水
精製したテトラヒドロフラン100mlを採り、攪拌混
合する。攪拌を続けながら、この溶液に、前述のテトラ
ヒドロフラン300mlにパーフルオロプロピルブロミ
ド52.3gを溶解した溶液を滴下し、さらに攪拌を続
けながら、氷冷下で、前述のテトラヒドロフラン100
mlにテトラクロロシラン11.9gを溶解した溶液を
滴下する。滴下終了後、テトラヒドロフランの沸点で還
流を24時間行って反応を完結させ、その後、生成した
沈殿をろ別し、分留を行って[CF3(CF223Si
Clを単離する。なお、上記全ての操作は乾燥窒素ガス
気流下で行うこととする。
【0074】(3)本発明のフッ素化シリコーン樹脂の
合成 冷却器、攪拌装置付き三つ口フラスコに、上記(1)で
得られる加水分解性珪素化合物Cl3Si(CH23
iCl3の64.0gとメチルエチルケトン150ml
を採り取り、混合溶解する。攪拌を続けながらこの溶液
に、水9.0gをメチルエチルケトン50mlに溶解し
た溶液を添加し、その後、攪拌を続けながら40℃で3
0分間放置することで、前記Cl3Si(CH23Si
Cl3の加水分解重縮合反応が行われる。
【0075】この様にして得られる前記珪素化合物の加
水分解重縮合物を含有する混合溶液に、この重縮合物の
末端を封鎖する目的で、上記(2)で得られる[CF3
(CF223SiClの57.0g、トリメチルクロ
ロシラン43.4g、水40.5g、メチルエチルケト
ン100ml、濃塩酸1.3mlからなる溶液を添加
し、攪拌をさらに続けながら40℃で4時間放置する。
反応終了後、系は二相に分離するので、デカンテーショ
ンにより溶媒相を除去し、さらに5%炭酸水素ナトリウ
ム溶液及び水で洗浄後、再びデカンテーションにより水
を除去し、80℃で一昼夜乾燥することで、重縮合物と
して、[{CF3(CF223SiO1/2]のユニッ
ト、[(CH33SiO1/2]のユニット及び[O3/2
iQ2SiO3 /2](但し、Q2は−(CH23−で示さ
れる2価の有機基を表す。)のユニットからなるフッ素
化シリコーン樹脂を得る。
【0076】
【実施例】以下に本発明を一般式(IV)の珪素化合物Q
n[Si(X)3nの製造例及び一般式(V)のフッ素置
換型末端封鎖珪素化合物(R13SiXの製造例と共に
フッ素化シリコーン樹脂の製造実施例によって説明す
る。 <Qn[Si(X)3nの製造例>
【0077】
【製造例1】耐圧ビン型の反応容器にアリルトリクロロ
シラン70.2g、モノハイドロジェントリクロロシラ
ン54.2gを採り混合した。次に塩化白金酸H2Pt
Cl6・6H2Oをテトラヒドロフラン中で加熱し、白金
0.2ミリモルに相当するこの溶液を前述の混合溶液に
添加した後、反応容器を80℃で4時間加熱した。ろ
過、分留を行ってテトラヒドロフラン、塩化白金酸を除
去して透明液体を得た。IR、1H−NMR、13C−N
MR、29Si−NMR測定を行ったところ、この液体が
式(1b)で表される化合物であることが確認された。
【0078】
【化20】 Cl3Si(CH23SiCl3 ・・・(1b)
【0079】
【製造例2】還流冷却器、攪拌装置及びガス導入管付き
三つ口フラスコにテレフタル酸ジアリル49.3g、3
−メルカプトトリメトキシシラン78.6g、ベンゼン
450mlを採り、攪拌混合した。さらに、この溶液
に、アゾビスイソブチロニトリル0.5gをベンゼン5
0mlに溶解した溶液を添加し、攪拌混合した。攪拌を
続けながら、室温で乾燥窒素ガスによるバブリングを1
時間行った後、加熱してベンゼンの沸点で24時間還流
を行って反応を完結させた。ロータリーエバポレーター
でベンゼンを除去して粘性液体を得た。IR、1H−N
MR、13C−NMR、29Si−NMR測定を行ったとこ
ろ、この液体が式(2b)で表される化合物であること
が確認された。
【0080】
【化21】
【0081】
【製造例3】還流冷却器、攪拌装置及びガス導入管付き
三つ口フラスコにビニルトリメトキシシラン44.5
g、3−メルカプトトリメトキシシラン58.9g、ベ
ンゼン400mlを採り攪拌混合した。さらにこの溶液
に、アゾビスイソブチロニトリル0.5gをベンゼン5
0mlに溶解した溶液を添加し、攪拌混合した。攪拌を
続けながら、室温で乾燥窒素ガスによるバブリングを1
時間行った後、加熱してベンゼンの沸点で24時間還流
を行って反応を完結させた。ロータリーエバポレーター
でベンゼンを除去して粘性液体を得た。IR、1H−N
MR、13C−NMR、29Si−NMR測定を行ったとこ
ろ、この液体が式(3b)で表される化合物であること
が確認された。
【0082】
【化22】 (CH3O)3Si(CH22S(CH23Si(OCH33 ・・・(3b)
【0083】
【製造例4】還流冷却器、攪拌装置及びガス導入管付き
三つ口フラスコに3−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン110.7g、ジエチルエーテル400ml、トリエ
チルアミン100mlを採り氷冷しつつ攪拌混合した。
さらに、氷冷攪拌を続けながらこの溶液に、3−ブテノ
イルクロライド45.3gをジエチルエーテル100m
lに溶解した溶液を滴下した。滴下後さらに1時間攪拌
を続けた。生成した白色沈殿をろ別した後、ロータリー
エバポレーターでジエチルエーテル、トリエチルアミン
を除去して粘性液体を得た。
【0084】耐圧ビン型の反応容器に上記の液体82.
7g、モノハイドロジェントリエトキシシラン49.3
gを採り混合した。次に塩化白金酸H2PtCl6・6H
2Oをテトラヒドロフラン中で加熱し、白金0.2ミリ
モルに相当するこの溶液を前述の混合溶液に添加した
後、反応容器を80℃で4時間加熱した。ろ過、分留を
行ってテトラヒドロフラン、塩化白金酸を除去して透明
液体を得た。IR、1H−NMR、13C−NMR、29
i−NMR測定を行ったところ、この液体が式(4b)
で表される化合物であることが確認された。
【0085】
【化23】
【0086】
【製造例5】耐圧ビン型の反応容器にグリセリントリ1
0−ウンデセノエート177.3g、モノハイドロジェ
ントリメトキシシラン110.0gを採り混合した。次
に塩化白金酸H2PtCl6・6H2Oをテトラヒドロフ
ラン中で加熱し、白金0.2ミリモルに相当するこの溶
液を前述の混合溶液に添加した後、反応容器を80℃で
4時間加熱した。ろ過、分留を行ってテトラヒドロフラ
ン、塩化白金酸を除去して透明液体を得た。IR、1
−NMR、13C−NMR、29Si−NMR測定を行った
ところ、この液体が式(5b)で表される化合物である
ことが確認された。
【0087】
【化24】
【0088】
【製造例6】還流冷却器、攪拌装置及びガス導入管付き
三つ口フラスコに1,2,4−トリビニルシクロヘキサ
ン48.7g、3−メルカプトトリス(β−メトキシメ
トキシ)シラン257.8g、ベンゼン800mlを採
り攪拌混合した。さらにこの溶液に、アゾビスイソブチ
ロニトリル0.8gをベンゼン100mlに溶解した溶
液を添加し、攪拌混合した。攪拌を続けながら、室温で
乾燥窒素ガスによるバブリングを1時間行った後、加熱
してベンゼンの沸点で24時間還流を行って反応を完結
させた。ロータリーエバポレーターでベンゼンを除去し
て粘性液体を得た。IR、1H−NMR、13C−NM
R、29Si−NMR測定を行ったところ、この液体が式
(6b)で表される化合物であることが確認された。
【0089】
【化25】
【0090】
【製造例7】還流冷却器、攪拌装置及びガス導入管付き
三つ口フラスコに3−アミノプロピルトリクロロシラン
57.9g、ジエチルエーテル320ml、トリエチル
アミン80mlを採り氷冷しつつ攪拌混合した。さら
に、氷冷攪拌を続けながらこの溶液にトリメゾイルクロ
ライド26.8gをジエチルエーテル100mlに溶解
した溶液を滴下した。滴下後さらに1時間を攪拌を続け
た。生成した白色沈殿をろ別した後、ロータリーエバポ
レーターでジエチルエーテル、トリエチルアミンを除去
して白色固体を得た。IR、1H−NMR、13C−NM
R、29Si−NMR測定を行ったところ、この固体が式
(7b)で表される化合物であることが確認された。
【0091】
【化26】
【0092】
【製造例8】還流冷却器、攪拌装置及びガス導入管付き
三つ口フラスコに3,3’−ジアミノベンジジン64.
3g、テトラヒドロフラン900ml、トリエチルアミ
ン200mlを採り、氷冷しつつ攪拌混合した。さら
に、氷冷攪拌を続けながらこの溶液に、アクリロイルク
ロライド108.6gをテトラヒドロフラン400ml
に溶解した溶液を滴下した。滴下後さらに1時間攪拌を
続けた。生成した白色沈殿をろ別した後、ロータリーエ
バポレーターで、テトラヒドロフラントリエチルアミン
を除去して白色固体を得た。
【0093】耐圧ビン型の反応容器に上記の固体86.
1g、モノハイドロジェントリメトキシシラン97.8
gを採り混合した。次に塩化白金酸H2PtCl6・6H
2Oをテトラヒドロフラン中で加熱し、白金0.2ミリ
モルに相当するこの溶液を前述の混合溶液に添加した
後、反応容器を80℃で4時間加熱した。ろ過、分留を
行ってテトラヒドロフラン、塩化白金酸を除去して白色
固体を得た。IR、1H−NMR、13C−NMR、29
i−NMR測定を行ったところ、この固体が式(8b)
で表される化合物であることが確認された。
【0094】
【化27】
【0095】
【製造例9】還流冷却器、攪拌装置及びガス導入管付き
三つ口フラスコにペンタエリトリトールテトラメタクリ
レート81.7g、3−メルカプトトリエトキシシラン
190.7g、ベンゼン800mlを採り、攪拌混合し
た。さらにこの溶液に、アゾビスイソブチロニトリル
0.5gをベンゼン100mlに溶解した溶液を添加
し、攪拌混合した。攪拌を続けながら、室温で乾燥窒素
ガスによるバブリングを1時間行った後、加熱してベン
ゼンの沸点で24時間還流を行って反応を完結させた。
ロータリーエバポレーターでベンゼンを除去して粘性液
体を得た。IR、1H−NMR、13C−NMR、29Si
−NMR測定を行ったところ、この液体が式(9b)で
表される化合物であることが確認された。
【0096】
【化28】
【0097】
【製造例10】還流冷却器、攪拌装置及びガス導入管付
き三つ口フラスコにグリセロール−1,3−ジアリルエ
ーテル27.6g、テトラヒドロフラン200ml、ト
リエチルアミン50mlを採り、氷冷しつつ攪拌混合し
た。さらに、氷冷攪拌を続けながらこの溶液に、アジポ
イルクロライド14.6gをテトラヒドロフラン100
mlに溶解した溶液を滴下した。滴下後さらに1時間攪
拌を続けた。生成した白色沈殿をろ別した後、ロータリ
ーエバポレーターでジエチルエーテル、トリエチルアミ
ンを除去して粘性液体を得た。
【0098】耐圧ビン型の反応容器に上記の液体28.
2g、モノハイドロジェントリクロロシシラン54.2
gを採り混合した。次に、塩化白金酸H2PtCl6・6
2Oをテトラヒドロフラン中で加熱し、白金0.2ミ
リモルに相当するこの溶液を前述の混合溶液に添加した
後、反応容器を80℃で4時間加熱した。分留を行って
テトラヒドロフラン、塩化白金酸を除去して透明液体を
得た。IR、1H−NMR、13C−NMR、29Si−N
MR測定を行ったところ、この液体が式(10b)で表
される化合物であることが確認された。
【0099】
【化29】
【0100】
【製造例11】還流冷却器、攪拌装置およびガス導入管
付き三つ口フラスコに3−アミノプロピルトリメトキシ
シラン107.6g、テトラヒドロフラン600ml、
トリエチルアミン200mlを採り氷冷しつつ攪拌混合
した。さらに、氷冷攪拌を続けながらこの溶液に、テレ
フタル酸クロリド60.9gをテトラヒドロフラン20
0mlに溶解した溶液を滴下した。滴下後さらに1時間
攪拌を続けた。生成した白色沈殿をろ別した後、ロータ
リーエバポレーターでテトラヒドロフラン、トリエチル
アミンを除去して白色固体を得た。IR、1 H−NM
R、13C−NMR、 29Si−NMR測定を行ったとこ
ろ、この固体が式(11b)で表される化合物であるこ
とが確認された。
【0101】
【化30】
【0102】
【製造例12】還流冷却器、攪拌装置およびガス導入管
付き三つ口フラスコに3−アミノプロピルトリクロロシ
シラン96.5g、ジエチルエーテル500ml、トリ
エチルアミン150mlを採り氷冷しつつ攪拌混合し
た。さらに、氷冷攪拌を続けながらこの溶液に、イソフ
タル酸クロリド50.8gをジエチルエーテル150m
lに溶解した溶液を滴下した。滴下後さらに1時間攪拌
を続けた。生成した白色沈殿をろ別した後、ロータリー
エバポレーターでジエチルエーテル、トリエチルアミン
を除去して白色固体を得た。IR、1 H−NMR、13
−NMR、29Si−NMR測定を行ったところ、この固
体が(12b)で表される化合物であることが確認され
た。
【0103】
【化31】
【0104】<(R13SiXの製造例>
【0105】
【製造例13】十分に乾燥を行った還流冷却器、攪拌装
置及びガス導入管付き三つ口フラスコに金属マグシウム
8.7gを採り、乾燥窒素ガスで十分置換を行う。さら
に、この反応容器に金属ナトリウムによる還流と蒸留と
によって脱水精製したテトラヒドロフラン150mlを
採り、攪拌混合した。攪拌を続けながら、この溶液に、
前述のテトラヒドロフラン200mlに2、2、2−ト
リフルオロエチルヨーダイド63.0gを溶解した溶液
を滴下した。さらに攪拌を続けながら、氷冷下で、前述
のテトラヒドロフラン150mlにテトラメトキシシラ
ン15.2gを溶解した溶液を滴下した。滴下終了後、
テトラヒドロフランの沸点で還流を24時間行って反応
を完結させた。生成した沈殿をろ別後、分留を行って目
的化合物を単離した。なお、全ての操作は乾燥窒素ガス
気流下で行った。IR、1H−NMR、13C−NMR、
29Si−NMR測定を行ったところ、式(13b)で表
される目的化合物が単離されていることを確認した。
【0106】
【化32】 (CF3CH23Si(OCH3) ・・・(13b)
【0107】
【製造例14】十分に乾燥を行った還流冷却器、攪拌装
置及びガス導入管付き三つ口フラスコに金属マグシウム
3.0gを採り、乾燥窒素ガスで十分置換を行う。さら
に、この反応容器に金属ナトリウムによる還流と蒸留と
によって脱水精製したテトラヒドロフラン100mlを
採り、攪拌混合した。攪拌を続けながら、この溶液に、
前述のテトラヒドロフラン300mlにパーフルオロヘ
キシルヨーダイド44.6gを溶解した溶液を滴下し
た。さらに攪拌を続けながら、氷冷下で、前述のテトラ
ヒドロフラン200mlにジメチルジエトキシシラン1
4.8gを溶解した溶液を滴下した。滴下終了後、テト
ラヒドロフランの沸点で還流を24時間行って反応を完
結させた。生成した沈殿をろ別後、分留を行って目的化
合物を単離した。なお、全ての操作は乾燥窒素ガス気流
下で行った。IR、1H−NMR、13C−NMR、29
i−NMR測定を行って式(14b)で表される目的化
合物が単離されていることを確認した。
【0108】
【化33】 [CF3(CF25](CH32Si(OC25) ・・・(14b)
【0109】
【製造例15】十分に乾燥を行った還流冷却器、攪拌装
置及びガス導入管付き三つ口フラスコに金属マグシウム
5.3g及びよう素0.05gを採り、乾燥窒素ガスで
十分置換を行う。さらに、この反応容器に金属ナトリウ
ムによる還流と蒸留とによって脱水精製したジエチルエ
ーテル500mlにパーフルオロブチルヨーダイド6
9.2g及びエチルトリメトキシラン15.0gを溶解
した溶液を滴下した。滴下終了後、攪拌を続けながら室
温で2時間放置し反応を完結させた。生成した沈殿をろ
別後、分留を行って目的化合物を単離した。尚、全ての
操作は乾燥窒素ガス気流下で行った。IR、1H−NM
R、13C−NMR、29Si−NMR測定を行ったとこ
ろ、式(15b)で表される目的化合物が単離されてい
ることを確認した。
【0110】
【化34】 [CF3(CF232(C25)Si(OCH3) ・・・(15b)
【0111】
【製造例16】十分に乾燥を行った還流冷却器、攪拌装
置及びガス導入管付き三つ口フラスコに金属マグシウム
5.6gを採り、乾燥窒素ガスで十分置換を行う。さら
に、この反応容器に金属ナトリウムによる還流と蒸留と
によって脱水精製したテトラヒドロフラン100mlを
採り、攪拌混合した。攪拌を続けながら、この溶液に、
前述のテトラヒドロフラン300mlにパーフルオロプ
ロピルブロミド52.3gを溶解した溶液を滴下した。
さらに攪拌を続けながら、氷冷下で、前述のテトラヒド
ロフラン100mlにテトラクロロシラン11.9gを
溶解した溶液を滴下した。滴下終了後、テトラヒドロフ
ランの沸点で還流を24時間行って反応を完結させた。
生成した沈殿をろ別後、分留を行って目的化合物を単離
した。なお、全ての操作は乾燥窒素ガス気流下で行っ
た。IR、1H−NMR、13C−NMR、29Si−NM
R測定を行ったところ、式(16b)で表される目的化
合物が単離されていることを確認した。
【0112】
【化35】 [CF3(CF223SiCl ・・・(16b)
【0113】
【製造例17】乾燥窒素ガスで十分置換を行った還流冷
却器、攪拌装置及びガス導入管付き三つ口フラスコに1
H,1H,2H,2H−ノナフルオロヘキシルリチウム
50.8gを及び金属ナトリウムによる還流と蒸留とに
よって脱水精製したジエチルエーテル400ml採り攪
拌混合した。攪拌を続けながら、この溶液に、前述のジ
エチルエーテル100mlにエチルトリクロロシラン1
6.4gを溶解した溶液を滴下した。滴下終了後、さら
に2時間攪拌を続けた後、還流を8時間行って反応を完
結させた。生成した沈殿をろ別後、分留を行って目的化
合物を単離した。なお、全ての操作は乾燥窒素ガス気流
下で行った。IR、1H−NMR、13C−NMR、29
i−NMR測定を行ったところ、式(17b)で表され
る目的化合物が単離されていることを確認した。
【0114】
【化36】 [CF3(CF23(CH222(C25)SiCl ・・・(17b)
【0115】
【製造例18】充分に乾燥を行った還流冷却器、攪拌装
置およびガス導入管付き三つ口フラスコに金属マグネシ
ウム5.8gを採り、乾燥窒素ガスで充分置換を行っ
た。さらに、この反応容器に金属ナトリウムによる還流
と蒸留とによって脱水生成したジエチルエーテル200
mlを採り攪拌混合した。攪拌を続けながら、この溶液
に前述のジエチルエーテル300mlに1H,1H,2
H,2Hヘプタデカフルオロデキシルヨーダイド11
4.8gを溶解した溶液を滴下した。さらに、攪拌を続
けながら、氷零下で、前述のジエチルエーテル200m
lにジエチルジメトキシシラン29.7gを溶解した溶
液を滴下した。滴下終了後ジエチルエーテルの沸点で還
流を24時間行って反応を完結させた。生成した沈殿を
ろ別後、分留を行って、目的の化合物を単離した。なお
全ての操作は乾燥窒素ガス気流下で行った。IR、1
−NMR、13C−NMR、29Si−NMR測定を行った
ところ、式(18b)で表される目的化合物が単離され
ていることを確認した。
【0116】
【化37】 [CF3(CF27(CH22][C252Si(OCH3) ・・・(18b) <フッ素化シリコーン樹脂の製造実施例>
【0117】
【実施例1】冷却器、攪拌装置付き三つ口フラスコに製
造例1の珪素化合物64.0g、メチルエチルケトン1
50mlを採り、混合溶解した。攪拌を続けながらこの
溶液に、水9.0gをメチルエチルケトン50mlに溶
解した溶液を添加した。添加終了後、攪拌を続けながら
40℃で30分間放置した。この混合溶液に、製造例1
6の珪素化合物57.0g、トリメチルクロロシラン4
3.4g、水40.5g、メチルエチルケトン100m
l、濃塩酸1.3mlからなる溶液を添加し、攪拌をさ
らに続けながら40℃で4時間放置した。反応終了後、
系は二相に分離したので、デカンテーションにより溶媒
相を除去し、さらに5%炭酸水素ナトリウム溶液及び水
で洗浄後、再びデカンテーションにより水を除去し、8
0℃で一昼夜乾燥して重縮合物を単離した。IR、13
−NMR、1H−NMR、29Si−NMR測定を行った
ところ、この重縮合体は[{CF3(CF223SiO
1/ 2]のユニット、[(CH33SiO1/2]のユニット
及び[O3/2SiQ2SiO 3/2](但し、Q2は−(CH
23−で示される2価の有機基を表す。)のユニットか
らなるフッ素化シリコーン樹脂であることが確認され
た。
【0118】
【実施例2】冷却器、攪拌装置付き三つ口フラスコに製
造例2の珪素化合物89.6g、製造例3の珪素化合物
48.2g、3−アミノプロピルトリメトキシシラン
0.8gおよびエチルアルコール/テトラヒドロフラン
混合溶媒(重量比で7/3)300mlを採り、混合溶
解した。攪拌を続けながらこの溶液に、水9.1gを前
述の混合溶媒100mlに溶解した溶液を添加した。添
加終了後、攪拌を続けながら25℃で4時間放置した。
この混合溶液に製造例13の珪素化合物31.4g、ト
リメチルメトキシシシラン31.9g、水100.8
g、前述の混合溶媒200ml、濃塩酸2.8mlから
なる溶液を添加し、攪拌をさらに続けながら25℃で1
0時間放置した。反応終了後、系は二相に分離したの
で、デカンテーションにより溶媒相を除去し、さらに5
%炭酸水素ナトリウム溶液及び水で洗浄後、再びデカン
テーションにより水を除去し、80℃で一昼夜乾燥して
重縮合物を単離した。IR、13C−NMR、1H−NM
R、29Si−NMR測定を行ったところ、この重縮合体
が[(CF3CH23SiO1/2]のユニット、[O3/2
SiQ2SiO3/2](但し、Q2は前記式(1a)で示
される2価の有機基を表す。)のユニット、[(C
33SiO1/2]のユニット及び[O3/2SiQ'2Si
3/2](但し、Q'2は−(CH22S(CH23−で
示される2価の有機基を表す。)のユニットからなるフ
ッ素化シリコーン樹脂であることが確認された。
【0119】
【実施例3】冷却器、攪拌装置付き三つ口フラスコに製
造例4の珪素化合物44.0g、テトラメトキシシラン
22.8g、3−(4,5−ジヒドロイミダゾール)プ
ロピルトリエトキシシラン2.1gおよびイソプロピル
アルコール400mlを採り、混合溶解した。攪拌を続
けながらこの溶液に、水10.1gをイソプロピルアル
コール100mlに溶解した溶液を添加した。添加終了
後、攪拌を続けながら60℃で2時間放置した。この混
合溶液に製造例14の珪素化合物101.4g、ヘキサ
エチルジシロキサン118.3g、イソプロピルアルコ
ール200ml、濃硝酸3.0mlからなる溶液を添加
し、攪拌をさらに続けながら60℃で16時間放置し
た。反応終了後、系は二相に分離したので、デカンテー
ションにより溶媒相を除去し、さらに5%炭酸水素ナト
リウム溶液及び水で洗浄後、凍結乾燥により水を除去し
て重縮合物を単離した。IR、13C−NMR、1H−N
MR、29Si−NMR測定を行ったところ、この重縮合
体が[{CF3(CF25}(CH32SiO1/2]のユ
ニット、[(C253SiO1/2]のユニット、[Si
2]のユニット及び[O3/2SiQ2SiO3/2](但
し、Q2は前記式(2a)で示される2価の有機基を表
す。)のユニットからなるフッ素化シリコーン樹脂であ
ることが確認された。
【0120】
【実施例4】冷却器、攪拌装置付き三つ口フラスコに製
造例5の珪素化合物76.6g、トリエチルアミン0.
45gおよびエチルセロソルブ300mlを採り、混合
溶解した。攪拌を続けながらこの溶液に、水3.9gを
エチルセロソルブ100mlに溶解した溶液を添加し
た。添加終了後、攪拌を続けながら5℃で2時間放置し
た。この混合溶液に、製造例15の珪素化合物126.
3g、フェニルジメチルクロロシラン41.0g、水4
3.2g、エチルセロソルブ150ml、濃硝酸3.0
mlからなる溶液を添加し、攪拌をさらに続けながら2
0℃で8時間放置した。反応終了後、系は二相に分離し
たので、デカンテーションにより溶媒相を除去し、さら
に5%炭酸水素ナトリウム溶液、水で洗浄後再びデカン
テーションにより水を除去し、80℃で一昼夜乾燥して
重縮合物を単離した。IR、13C−NMR、1H−NM
R、29Si−NMR測定を行ったところ、この重縮合体
が[{CF3(CF232(C25)SiO1/2]のユ
ニット、[(C65)(CH32SiO1/2]のユニッ
ト及び[(O3/2Si)33](但し、Q3は前記式(3
a)で示される3価の有機基を表す。)のユニットから
なるフッ素化シリコーン樹脂であることが確認された。
【0121】
【実施例5】冷却器、攪拌装置付き三つ口フラスコに製
造例6の珪素化合物32.2g、テトラエトキシシラン
2.8g、酢酸0.18gおよびジメチルスルフォキシ
ド250mlを採り、混合溶解した。攪拌を続けながら
この溶液に、水5.5gをジメチルスルフォキシド50
mlに溶解した溶液を添加した。添加終了後、攪拌を続
けながら60℃で6時間放置した。この混合溶液に、製
造例14の珪素化合物11.4g、ヘキサプロピルジシ
ロキサン40.2g、水13.4g、ジメチルスルフォ
キシド150ml、クエン酸4.0gからなる溶液を添
加し、攪拌をさらに続けながら60℃で18時間放置し
た。反応終了後、系は二相に分離したので、デカンテー
ションにより溶媒相を除去し、さらに5%炭酸水素ナト
リウム溶液及び水で洗浄後、凍結乾燥により水を除去し
て重縮合物を単離した。IR、13C−NMR、1H−N
MR、29Si−NMR測定を行ったところ、この重縮合
体が[{CF3(CF25}(CH32SiO1/2]のユ
ニット、[(C373SiO1/2]のユニット、[Si
2]のユニット及び[(O3/2Si)33](但し、Q
3は前記式(4a)で示される3価の有機基を表す。)
のユニットからなるフッ素化シリコーン樹脂であること
が確認された。
【0122】
【実施例6】冷却器、攪拌装置付き三つ口フラスコに製
造例7の珪素化合物88.5g、テトラヒドロフラン5
00mlを採り混合溶解した。攪拌を続けながらこの溶
液に、水15.6g及び濃アンモニア水1.5mlをテ
トラヒドロフラン100mlに溶解した溶液を添加し
た。添加終了後、攪拌を続けながら10℃で1時間放置
した。この混合溶液に製造例17の珪素化合物219.
6g、tert−ブチルジメチルクロロシラン37.6g、
水45.Og、テトラヒドロフラン300ml、酢酸
5.0gからなる溶液を添加し、攪拌をさらに続けなが
ら10℃で4時間放置した。反応終了後、系は二相に分
離したので、デカンテーションにより溶媒相を除去し、
さらに5%炭酸水素ナトリウム溶液及び水で洗浄後、再
びデカンテーションにより水を除去し、80℃で一昼夜
乾燥して重縮合物を単離した。IR、 13C−NMR、1
H−NMR、29Si−NMR測定を行ったところ、この
重縮合体が[{CF3(CF23(CH222(C
25)SiO1/2]のユニット、[{(CH33C}
{CH32SiO1/2]のユニット及び[(O32
i)33](但し、Q3は前記式(5a)で示される3
価の有機基を表す。)のユニットからなるフッ素化シリ
コーン樹脂であることが確認された。
【0123】
【実施例7】冷却器、攪拌装置付き三つ口フラスコに製
造例8の珪素化合物18.1g、製造例3の珪素化合物
4.1g、テトラメトキシシラン0.9g、テトラヒド
ロフラン300ml及び3−アミノプロピルメトキシシ
ラン0.6gを採り、混合溶解した。攪拌を続けながら
この溶液に、水6.0gをテトラヒドロフラン100m
lに溶解した溶液を添加した。添加終了後、攪拌を続け
ながら20℃で3時間放置した。この混合溶液に製造例
13の珪素化合物59.7g、トリメチルメトキシシラ
ン18.8g、水59.4g、テトラヒドロフラン25
0ml、濃塩酸3.0mlからなる溶液を添加し、攪拌
をさらに続けながら20℃で12時間放置した。反応終
了後、系は二相に分離したので、デカンテーションによ
り溶媒相を除去し、さらに5%炭酸水素ナトリウム溶液
及び水で洗浄後、再びデカンテーションにより水を除去
し、80℃で一昼夜乾燥して重縮合物を単離した。I
R、 13C−NMR、1H−NMR、29Si−NMR測定
を行ったところ、この重縮合体が[(CF3CH23
iO1/2]のユニット、[(CH33SiO1/2]のユニ
ット、[SiO2]のユニット、[O3/2SiQ2SiO
3/2](但し、Q2は−(CH22S(CH23−で示さ
れる2価の有機基を表す。)のユニット及び[(O3/2
Si)44](但し、Q4は前記式(6a)で示される
4価の有機基を表す。)のユニットからなるフッ素化シ
リコーン樹脂であることが確認された。
【0124】
【実施例8】冷却器、攪拌装置付き三つ口フラスコに製
造例9の珪素化合物98.1g、テトラエトキシシラン
1.7g、イソプロピルアルコール/テトラヒドロフラ
ン混合溶媒(重量比7/3)700ml及びモルフォリ
ン2.1gを採り、混合溶解した。攪拌を続けながらこ
の溶液に、水3.1gを前述の混合溶媒100mlに溶
解した溶液を添加した。添加終了後、攪拌を続けながら
20℃で4時間放置した。この混合溶液に製造例16の
珪素化合物228.2g、トリメチルクロロシラン4
1.7g、水64.8g、前述の混合溶媒400ml、
濃塩酸7.5mlからなる溶液を添加し、攪拌をさらに
続けながら20℃で12時間放置した。反応終了後、系
は二相に分離したので、デカンテーションにより溶媒相
を除去し、さらに5%炭酸水素ナトリウム溶液及び水で
洗浄後、再びデカンテーションにより水を除去し、80
℃で一昼夜乾燥して重縮合物を単離した。IR、13C−
NMR、1H−NMR、29Si−NMR測定を行ったと
ころ、この重縮合体が[{CF3(CF223SiO
1/2]のユニット、[(CH33SiO1/2]のユニッ
ト、[(O3/2Si)44](但し、Q4は前記式(7
a)で示される4価の有機基を表す。)のユニット及び
[SiO2]のユニットからなるフッ素化シリコーン樹
脂であることが確認された。
【0125】
【実施例9】冷却器、攪拌装置付き三つ口フラスコに製
造例10の珪素化合物82.4g、アセトン400ml
を採り、混合溶解した。攪拌を続けながらこの溶液に、
水21.6gをアセトン100mlに溶解した溶液を添
加した。添加終了後、攪拌を続けながら20℃で1時間
放置した。この混合溶液に、製造例17の珪素化合物1
17.3g、ヘキサメチルジシロキサン32.5g、水
36.0g、アセトン200ml、濃塩酸7.0mlか
らなる溶液を添加し、攪拌をさらに続けながら20℃で
4時間放置した。反応終了後、系は二相に分離したの
で、デカンテーションにより溶媒相を除去し、さらに5
%炭酸水素ナトリウム溶液及び水で洗浄後、再びデカン
テーションにより水を除去し、80℃で一昼夜乾燥して
重縮合物を単離した。IR、13C−NMR、1H−NM
R、29Si−NMR測定を行ったところ、この重縮合体
が[{CF3(CF23(CH222(C25)SiO
1/2]のユニット、[(CH33SiO1/2]のユニット
及び[(O3/2Si)44](但し、Q4は前記式(8
a)で示される4価の有機基を表す。)のユニットから
なるフッ素化シリコーン樹脂であることが確認された。
【0126】
【実施例10】冷却器、攪拌装置付き三つ口フラスコに
製造例1の珪素化合物24.9g、製造例12の珪素化
合物61.9g、テトラヒドロフラン250mlを採り
混合溶解した。攪拌を続けながらこの溶液に、水16.
2gをテトラヒドロフラン70mlに溶解した溶液を添
加した。添加終了後攪拌を続けながら20℃で1時間放
置した。この混合溶液に製造例17の珪素化合物17
6.0g、トリメチルクロロシラン91.1g、水2
4.3g、テトラヒドロフラン150ml、濃塩酸3m
lからなる溶液を添加し、攪拌をさらに続けながら20
℃で8時間放置した。反応終了後水を少量加えると系は
二相に分離したので、デカンテーションにより溶媒相を
除去し、ロータリーエバポレーターで残存する揮発成分
を除去し、重縮合物を単離した。IR、13C−NMR、
1H−NMR、29Si−NMR測定を行ったところこの
重縮合体が[{CF3(CF23(CH222{C
25}SiO 1/2]のユニット、[(CH33Si
1/2]のユニット、[3/2OSiQ2SiO 3/2](但
し、Q2は−(CH23−を表す。)のユニット及び[
3/2OSiQ2'SiO3/2](但しQ2'は、前記式(9
a)で示される2価の有機基を表す。)のユニットから
なるフッ素化シリコーン樹脂であることが確認された。
【0127】
【実施例11】冷却器、攪拌装置付き三つ口フラスコに
製造例3の珪素化合物38.8g、製造例11の珪素化
合物18.3g、3−アミノプロピルチリメトキシシラ
ン1.1g、エチルアルコール100mlを採り混合溶
解した。攪拌を続けながらこの溶液に、水8.2gをエ
チルアルコール40mlに溶解した溶液を添加した。添
加終了後攪拌を続けながら20℃で2時間放置した。こ
の混合溶液に製造例18の珪素化合物152.3g、ト
リメチルメトキシシラン18.8g、水12.2g、エ
チルアルコール60ml、濃塩酸1.5mlからなる溶
液を添加し、攪拌をさらに続けながら20℃で16時間
放置した。反応終了後系は二相に分離したので、デカン
テーションにより溶媒相を除去し、5%炭酸水素ナトリ
ウム溶液および水で洗浄後、ロータリーエバポレーター
で残存する揮発成分を除去し、重縮合物を単離した。I
R、13C−NMR、1H−NMR、29Si−NMR測定
を行ったところこの重縮合体が[{CF3(CF2
7(CH22}{C252SiO 1/2]のユニット、
[(CH33SiO1/2]のユニット、[3/2OSiQ2
SiO 3/2](但し、Q2は−(CH22S(CH23
を表す。)のユニット及び[3/ 2OSiQ2'SiO3/2
(但しQ2'は、前記式(9a)で示される2価の有機基
を表す。)のユニットからなるフッ素化シリコーン樹脂
であることが確認された。
【0128】
【実施例12】冷却器、攪拌装置付き三つ口フラスコに
製造例2の珪素化合物57.5g、製造例11の珪素化
合物14.7g、テトラメトキシシラン4.6g、3−
アミノプロピルチリメトキシシラン0.3g、エチルア
ルコール/テトラヒドロフラン混合溶媒(重量比で7/
3)200mlを採り混合溶解した。攪拌を続けながら
この溶液に、水15.0gを前記の混合溶媒50mlに
溶解した溶液を添加した。添加終了後攪拌を続けながら
20℃で2時間放置した。この混合溶液に製造例14の
珪素化合物228.1g、ヘキサエチルジシロキサン4
4.4g、水20.0g、前記の混合溶媒100ml、
濃硝酸2.5mlからなる溶液を添加し、攪拌をさらに
続けながら20℃で12時間放置した。反応終了後少量
の水の添加で系は二相に分離したので、デカンテーショ
ンにより溶媒相を除去し、5%炭酸水素ナトリウム溶液
および水で洗浄後、ロータリーエバポレーターで残存す
る揮発成分を除去し、重縮合物を単離した。IR、1
−NMR、13C−NMR、29Si−NMR測定を行った
ところ、この重縮合体が[{CF3(CF25}{C
32SiO1/2]のユニット、[(C253SiO
1/2]のユニット、[O3/2SiQ2SiO3/2](但しQ
2は、前記式(1a)で示される2価の有機基を表
す。)のユニット、[O3/2SiQ2'SiO3/2](但し
2'は、前記式(9a)で示される2価の有機基を表
す。)のユニット及び[SiO2]のユニットからなる
フッ素化シリコーン樹脂であることが確認された。
【0129】
【比較例1】 <C49(CH22Si(OCH33の製造>製造例1
3において、金属マグネシウム8.7gを2.9gに変
え、且つ2,2,2−トリフルオロエチルヨーダイド6
3.0gの代わりに1H,1H,2H,2H−ノナフル
オロヘキシルヨーダイド37.4gを用いて同様にして
目的化合物を調製した。
【0130】<フッ素化シリコーン樹脂の製造>上記珪
素化合物及び下記珪素化合物を用いて実施例2と同様な
操作を行う。すなわち、冷却器、攪拌装置付き三つ口フ
ラスコにC49(CH22Si(OCH33の珪素化合
物77.3g、Si(OCH34の珪素化合物13.7
g、3−アミノプロピルトリメトキシシラン0.8gお
よびエチルアルコール/テトラヒドロフラン混合溶媒
(重量比で7/3)300mlを採り、混合溶解した。
攪拌を続けながらこの溶液に、水8.9gを前述の混合
溶媒100mlに溶解した溶液を添加した。添加終了
後、攪拌を続けながら25℃で4時間放置した。この混
合溶液に(CH33SiOCH3125.0g、水9
7.2g、前述の混合溶媒200ml、濃塩酸3.5m
lからなる溶液を添加し、攪拌をさらに続けながら25
℃で10時間放置した。以下、実施例2と同様に操作し
て[(CH33SiO1/2]のユニット、[C49(C
22SiO3/2]及び[SiO2]のユニットからなる
シリコーン樹脂を調製した。
【0131】<被膜の性能試験>以上のようにして得ら
れた実施例及び比較例の各フッ素化シリコーン樹脂をテ
トラヒドロフランに溶解して10重量%濃度の溶液を調
製した。この溶液を市販のスライドグラス上にスプレー
法で塗布し、室温で12時間乾燥後、さらに60℃で1
2時間乾燥して被膜を形成した。
【0132】次に、この被膜を流水下、スポンジで一定
の強さで強く擦って被膜の撥水撥油性を観察した。その
結果、実施例1〜12のシリコーン樹脂から得られた被
膜は剥がれ難く、比較例1のシリコーン樹脂から得られ
た被膜に比べて長時間の撥水撥油性を示した。
【0133】以上の試験により、本発明のシリコーン樹
脂が従来型のシリコーン樹脂と比較して強固で柔軟な撥
水撥油性被膜を与えることが証明された。
【0134】
【発明の効果】本発明のフッ素化シリコーン樹脂の製造
方法によれば、ネットワーク中の全ての珪素−珪素原子
間に大部分が有機結合である三次元結合を生じさせ、分
子の連続性及びフレキシビリティを向上させることがで
きるので、このような方法で得られるフッ素化シリコー
ン樹脂を用いれば、プラスチック、金属、皮膚等の各種
基体上に柔軟で強固な耐久性のある撥水撥油性被膜を薄
く均一に形成することができる。

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I): Qn(SiO3/2n (但し、Qnはn価の有機基を表し、またnは2〜6の
    整数のいずれか1つを表す。)で示されるユニットの少
    なくとも1種を主構成ユニットとし、末端が式(II): (R13SiO1/2 (但し、R1は互いに同一であっても異なっていてもよ
    く、炭化水素基、又は水素原子の少なくとも一部がフッ
    素原子で置換された炭化水素基を表し、且つ三つのR1
    の内、少なくとも一つは前記フッ素置換炭化水素基でな
    ければならない。)で示されるユニット又は式(II
    I): (R23SiO1/2 (但し、R2は互いに同一であっても異なっていてもよ
    く、炭化水素基、又は水素原子の少なくとも一部が塩素
    原子又は臭素原子で置換された炭化水素基を表す。)で
    示されるユニットで封鎖され、封鎖末端に式(II)で示
    されるユニット及び式(III)で示されるユニットをそ
    れぞれ少なくとも1つ有するフッ素化シリコーン樹脂。
  2. 【請求項2】 更にSiO2ユニットがSiO2/Q
    n(SiO3/2nモル比で(3/2)以下含まれる請求
    項1記載のフッ素化シリコーン樹脂。
  3. 【請求項3】 一般式(I)のnが2、3、4のいずれ
    かである請求項1記載のフッ素化シリコーン樹脂。
  4. 【請求項4】 一般式(I)におけるQnが、1)アルキ
    レン基;2)ポリメチレン基;3)フェニレン基;4)
    アリーレン基;5)前記1)〜4)の基の水素原子の少
    なくとも一部が更にアルキル基、フェニル基、アリール
    基、アルキレン基、ポリメチレン基、フェニレン基及び
    アリーレン基からなる群のうちの少なくとも1種で置換
    された基;6)前記1)〜5)の基の構造中に他の置換
    基と結合しても多重の結合をしてもよい酸素原子、窒素
    原子、及び硫黄原子からなる群のうちの少なくとも1種
    を含んだ基;及び7)前記1)〜6)の基の水素原子が
    塩素原子又は臭素原子で置換された基;よりなる群の1
    種である請求項1記載のフッ素化シリコーン樹脂。
  5. 【請求項5】 一般式(I)におけるQnが、1)アルキ
    レン基;2)ポリメチレン基;3)フェニレン基;4)
    アリーレン基;5)前記1)〜4)の基の水素原子の少
    なくとも一部が更にアルキル基、フェニル基、アリール
    基、アルキレン基、ポリメチレン基、フェニレン基及び
    アリーレン基からなる群のうちの少なくとも1種で置換
    された基;6)前記1)〜5)の基の構造中にエーテ
    ル、チオエーテル、エステル、ケトン、アミド、イミ
    ド、アミン及びイミンからなる群のうちの少なくとも1
    種の官能基を含んだ基;及び7)前記1)〜6)の基の
    水素原子が塩素原子又は臭素原子で置換された基;より
    なる群の1種である請求項1記載のフッ素化シリコーン
    樹脂。
  6. 【請求項6】 主構成ユニットが、一般式(I)にQn
    してジカルボン酸のジアミドを含む2価の有機基を導入
    したユニット及び一般式(I)にQnとしてジカルボン酸
    のジアミドを含む2価の有機基以外の2価の有機基を導
    入したユニットからなる請求項1記載のフッ素化シリコ
    ーン樹脂。
  7. 【請求項7】 一般式(II)のR1がアルキル基、フェ
    ニル基、アリール基及びこれらの基の水素原子の少なく
    とも一部がフッ素原子で置換された基よりなる群の1種
    である請求項1記載のフッ素化シリコーン樹脂。
  8. 【請求項8】 一般式(III)のR2がアルキル基、フェ
    ニル基、アリール基及びこれらの基の水素原子の少なく
    とも一部が塩素原子又は臭素原子で置換された基よりな
    る群の1種である請求項1記載のシリコーン樹脂。
  9. 【請求項9】 一般式(IV): Qn[Si(X)3n (但し、Qnはn価の有機基を表し、またnは2〜6の
    整数のいずれか1つを表す。Xは互いに同一でも異なっ
    ていてもよく、加水分解性の基を表す。)で示される加
    水分解性珪素化合物を加水分解重縮合させた後、これに
    一般式(V): (R13SiX (但し、R1は互いに同一であっても異なっていてもよ
    く、炭化水素基、又は水素原子の少なくとも一部がフッ
    素原子で置換された炭化水素基を表し、且つ三つのR1
    の内、少なくとも一つは前記フッ素置換炭化水素基でな
    ければならない。またXは加水分解性の基を表す。)で
    示される珪素化合物と、一般式(VI): (R23SiX (但し、R2は互いに同一であっても異なっていてもよ
    く、炭化水素基、又は水素原子の少なくとも一部が塩素
    原子又は臭素原子で置換された炭化水素基を表し、また
    Xは加水分解性の基を表す。)で示される珪素化合物及
    び/又は一般式(VII): (R23SiOSi(R23 (但し、R2は前記一般式(VI)のR2に同じ。)で示さ
    れる珪素化合物と、を末端封鎖剤として反応させて前記
    重縮合物の末端を封鎖することを特徴とする請求項1記
    載のフッ素化シリコーン樹脂の製造方法。
  10. 【請求項10】 重縮合工程で更にSi(X)4(但
    し、Xは前記一般式(IV)のXに同じ。)が添加される
    請求項9記載のフッ素化シリコーン樹脂の製造方法。
  11. 【請求項11】 一般式(IV)のnが2、3、4のいず
    れかである請求項9記載のフッ素化シリコーン樹脂の製
    造方法。
  12. 【請求項12】 一般式(IV)におけるQnが、1)ア
    ルキレン基;2)ポリメチレン基;3)フェニレン基;
    4)アリーレン基;5)前記1)〜4)の基の水素原子
    の少なくとも一部が更にアルキル基、フェニル基、アリ
    ール基、アルキレン基、ポリメチレン基、フェニレン基
    及びアリーレン基からなる群のうちの少なくとも1種で
    置換された基;6)前記1)〜5)の基の構造中に他の
    置換基と結合しても多重の結合をしてもよい酸素原子、
    窒素原子、及び硫黄原子からなる群のうちの少なくとも
    1種を含んだ基;及び7)前記1)〜6)の基の水素原
    子が塩素原子又は臭素原子で置換された基;よりなる群
    の1種である請求項9記載のフッ素化シリコーン樹脂の
    製造方法。
  13. 【請求項13】 一般式(IV)におけるQnが、1)ア
    ルキレン基;2)ポリメチレン基;3)フェニレン基;
    4)アリーレン基;5)前記1)〜4)の基の水素原子
    の少なくとも一部が更にアルキル基、フェニル基、アリ
    ール基、アルキレン基、ポリメチレン基、フェニレン基
    及びアリーレン基からなる群のうちの少なくとも1種で
    置換された基;6)前記1)〜5)の基の構造中にエー
    テル、チオエーテル、エステル、ケトン、アミド、イミ
    ド、アミン及びイミンからなる群のうちの少なくとも1
    種の官能基を含んだ基;及び7)前記1)〜6)の基の
    水素原子が塩素原子又は臭素原子で置換された基;より
    なる群の1種である請求項9記載のフッ素化シリコーン
    樹脂の製造方法。
  14. 【請求項14】 加水分解性珪素化合物が、一般式(I
    V)にQnとしてジカルボン酸のジアミドを含む2価の有
    機基を導入した加水分解性珪素化合物及び一般式(IV)
    にQnとしてジカルボン酸のジアミドを含む2価の有機
    基以外の2価の有機基を導入した加水分解性珪素化合物
    からなる請求項9記載のフッ素化シリコーン樹脂の製造
    方法。
  15. 【請求項15】 一般式(V)のR1がアルキル基、フェ
    ニル基、アリール基及びこれらの基の水素原子の少なく
    とも一部がフッ素原子で置換された基よりなる群の1種
    である請求項9記載のフッ素化シリコーン樹脂の製造方
    法。
  16. 【請求項16】 一般式(VI)及び(VII)のR2がアル
    キル基、フェニル基、アリール基及びこれらの基の水素
    原子の少なくとも一部が塩素原子又は臭素原子で置換さ
    れた基よりなる群の1種である請求項9記載のシリコー
    ン樹脂の製造方法。
  17. 【請求項17】 一般式(V)のXがアルコキシ基、ハ
    ロゲン原子及びアルコキシアルコキシ基よりなる群の1
    種である請求項9記載のフッ素化シリコーン樹脂の製造
    方法。
  18. 【請求項18】 一般式(VI)のXがアルコキシ基、ハ
    ロゲン原子及びアルコキシアルコキシ基よりなる群の1
    種である請求項9記載のシリコーン樹脂の製造方法。
  19. 【請求項19】 一般式(IV)の珪素化合物を、この化
    合物の加水分解性の基を完全に加水分解するのに必要な
    理論量以下の水と、前記珪素化合物の5モル%以下の量
    のアミノ置換基又は4,5−ジヒドロイミダゾール置換
    基を有するシランの存在下で加水分解重縮合することを
    特徴とする請求項9記載のフッ素化シリコーン樹脂の製
    造方法。
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WO2022186198A1 (ja) * 2021-03-05 2022-09-09 Agc株式会社 組成物、表面層付き基材および表面層付き基材の製造方法

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