JPH08325271A - p−ボロノフェニルアラニン誘導体、その製造方法及び該誘導体の中間体化合物 - Google Patents

p−ボロノフェニルアラニン誘導体、その製造方法及び該誘導体の中間体化合物

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JPH08325271A
JPH08325271A JP13301595A JP13301595A JPH08325271A JP H08325271 A JPH08325271 A JP H08325271A JP 13301595 A JP13301595 A JP 13301595A JP 13301595 A JP13301595 A JP 13301595A JP H08325271 A JPH08325271 A JP H08325271A
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compound
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boronophenylalanine
cells
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JP13301595A
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English (en)
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Hisao Nemoto
尚夫 根本
Satoshi Iwamoto
聡 岩本
Kenpei Sai
建平 蔡
Yoshinori Yamamoto
嘉則 山本
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Nippon Aluminum Alkyls Ltd
Original Assignee
Nippon Aluminum Alkyls Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 下記式(1)または(5)で示される新規p
−ボロノフェニルアラニン誘導体。 【化1】 【化2】 【効果】 これらの新規化合物は、p−ボロノフェニル
アラニンよりもはるかに高い水溶性値を示し、また癌細
胞に対して高い選択性を有することから、中性子捕捉療
法に有用な化合物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、黒色皮膚癌治療に用い
られているp−ボロノフェニルアラニン(以下、BPA
と略す)の水溶性を改善した新規BPA誘導体、その製
造方法及び該誘導体の中間体化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、中性子捕捉療法による癌治療を目
的として、有機ホウ素化学が新しい形で展開されてい
る。中性子捕捉療法(NCT)は、ホウ素10同位体を
選択的に癌細胞に取り込ませ、低エネルギー中性子を照
射して、細胞内で起こる核反応により癌を致死させるも
のである。
【0003】このような目的に使用される有機ホウ素化
合物として、特に黒色皮膚がん治療のためにBPAが臨
床レベルで使用されている(Y.Mori,A.Suz
uki,K.Yoshino,and H.Kakih
ana,Pigment Cell Res.,2,2
73(1989))。BPAはメラニンの生成のために
細胞中に強く取り込まれるフェニルアラニンあるいはチ
ロシン類の一種である。しかしながら、BPAは水への
溶解性が低く、そのため、通常はその塩酸塩あるいはア
ルカリ金属塩として用いられている。また最近では、B
PAの単糖類錯体が水溶性改善のために用いられてい
る。しかしながら、BPAと単糖類との間の不安定な化
学的相互作用のため、細胞内においてBPA自体は錯体
から容易に解離してしまう。現在、前述の用途に用いう
る水溶性のBPA類似体の開発が所望されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、先に特
願平5−221048号に、水溶性の改善されたBPA
類似体を提案している庁ここに提案されているBPA類
似体は、従来のBPA類似体に代わり得る水溶性の改善
された新規のBPA類似体である。本発明の目的は前記
BPA類似体と同等あるいはそれ以上の水溶性の改善さ
れた新規なBPA誘導体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を課題を解決するべく鋭意検討した結果、下記の新規化
合物を得、本発明に到達した。
【0006】即ち、本発明は下記式(1)または(5)
【0007】
【化9】
【0008】
【化10】 で表わされる新規のBPA誘導体を提供するものであ
る。
【0009】式(1)のBPA誘導体は以下の反応スキ
ームに従って合成される。
【0010】
【化11】
【0011】即ち、原料の(±)−BPAのアミノ基を
カルボベンジルオキシ(Cbz)基で保護し、式(2)
の化合物を得る。次に、化合物(2)のホウ素部分をN
−メチルジエタノールアミンによって保護した式(3)
を得、in situでエタノールアミンと反応させることに
より目的とする式(4)の化合物を得る。化合物(4)
から化合物(1)への変換は、化合物(4)のカルボベ
ンジルオキシ部を水酸化パラジウムの存在下で処理し
て、一旦化合物(1)の塩酸塩とし、これをイオン交換
樹脂及び高速液体クロマトグラフィ(HPLC)を用い
て精製することにより、化合物(1)が得られる。
【0012】式(5)のBPA誘導体は以下の反応スキ
ームに従って合成される。
【0013】
【化12】
【0014】即ち、前記同様にして得られた化合物
(2)のホウ素部分をN−メチルジエタノールアミンに
よって保護した式(3)を得、in situで2−アミノ−
1,3−ビス(1,3−ジベンジル−2−グリセロキ
シ)プロパン(式(6))、1−ヒドロキシベンゾトリ
アゾール(HOBt)及び1−エチル−3−(3−ジメ
チルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)と反応
させることにより目的とする式(7)の化合物を得る。
化合物(7)から化合物(5)への変換は、化合物
(7)のベンジル部を水酸化パラジウムの存在下で処理
して脱ベンジル化し、一旦化合物(5)の塩酸塩とし、
これをイオン交換樹脂及び高速液体クロマトグラフィ
(HPLC)を用いて精製することにより、化合物
(5)が得られる。
【0015】本発明において、原料として用いられるB
PAは、H.R.SnyderらによるJ.Am.Ch
em.Soc.,80,835(1958)に記載され
た方法により合成することができる。
【0016】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0017】実施例1 N−メチルジエタノールアミン(1.9ml,16.5
5mmol)及び式(2)の化合物(2.561g,
7.46mmol)の混合物をDMF溶液(10ml)
中、室温で10分間攪拌した。この混合物中にエタノー
ルアミン(0.50g,8.28mmol)、N−ヒド
ロキシベンゾトリアゾール(1.701g,11.11
mmol)及びEDC(1.782g,9.30mmo
l)を添加し、室温で20時間攪拌した。反応終了後、
混合物を3N−HCl(75ml)溶液中に排出し、生
成物を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機相を塩
水で洗浄した後、MgSO4で乾燥し、溶媒を真空濃縮
した。得られた粗生成物をクロロホルム/メタノール
(50/1)を展開液として用いた短シリカゲルカラム
クロマトグラフィにより精製し、目的物(4)を白色固
体として得た。
【0018】実施例2 実施例1で得られた化合物(4)をエタノール100m
l及びHCl水溶液(12N,0.34ml,4.08
mmol)中に溶解した溶液を懸濁させたPd(OH)
2−C(2.50g)の存在下に水素気流下、1時間、
室温で攪拌した。反応終了後、定法により目的物を得
た。得られた粗生成物をHPLC(「Shim−pac
k」(商品名、島津製作所製)、PREP−ODS、2
0.0mm×25cm、5ml/min.、メタノール
/水=1/9で展開)で精製し、目的物(1)1.08
8g(2.09mmol)を白色固体として得た。収率
は28%であった。
【0019】得られた化合物はIR、1H−NMR、13
C−NMR及び元素分析により式(1)の構造であるこ
とが確認された。以下に、IR、1H−NMR、13C−
NMR及び元素分析のデータを示す。
【0020】IR(KBr):3355,2400,16
50,1560,1430,1385,1350,10
55,670cm-1 1 H−NMR(D2O):δ7.62(d,J=7.4H
z,2H,−B−C(CCH)2C−),7.18
(d,J=7.4Hz,2H,−B−C(CHC2
C−),3.65(dd,J=7.2,6.9Hz,1
H,D2N−C−COND−),3.45(dt,J
=11.5,5.9Hz,1H,−COND−C
2−),3.37(dt,J=11.5,5.9Hz,
1H,−COND−C 2−),3.15(t,J=
5.9Hz,2H,−C 2−OD),2.93(d
d,J=13.8,6.9Hz,1H,−BC64−C
2−),2.87(dd,J=13.8,7.2H
z,1H,−BC64−C 2−)13 C−NMR(D2O):δ175.4,138.5,
133.5,128.7,59.7,55.9,41.
0,40.0
【0021】合成例1 (2−アミノ−1,3−ビス(1,3−ジベンジル−2
−グリセロキシ)プロパン(6)の合成) 10.267g(17.09mmol)の1,3−ビス
(1,3−ジベンジル−2−グリセロキシ)−2−プロ
パノールと4.896g(25.68mmol)のp−
トシルクロリドをピリジン6.5ml中で混合し、該混
合液を0.428g(3.50mmol)のジメチルア
ミノピリジンの存在下室温で17時間攪拌した。反応終
了後、40mlの3N−HCl溶液を0℃で加え、エー
テルで3回抽出した。抽出した有機相を合わせて飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液及び塩水で洗浄し、MgSO4
で乾燥後、減圧濃縮した。このようにして得られたトシ
ル化物を精製せずにアジ化ナトリウム(3.379g,
51.98mmol)とDMF(20ml)中で120
℃5時間攪拌した。反応混合液を室温に冷却後、水を加
え反応を停止させ、エーテルで3回抽出した。抽出した
有機相を合わせて飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び塩
水で洗浄し、MgSO4で乾燥後、減圧濃縮してアジ化
物を得た。次に得られたアジ化物の50mlエーテル溶
液にリチウムアルミニウムヒドリド(1.00g,2
6.35mmol)のエーテル(20ml)溶液を0℃
で滴下し、この混合物を0℃で3時間攪拌した。反応を
酢酸エチル/水を加えて止め、得られた懸濁を瀘過し
た。濾液をMgSO4で乾燥後、減圧濃縮した。残渣を
酢酸エチル/エタノール(100/1)を展開液として
用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製
し、目的物を無色油状物として得た(7.457g,1
2.43mmol,収率73%)。以下に、IR、1
−NMR、13C−NMR及び元素分析のデータを示す。
【0022】IR(neat):3380,3030,286
0,2360,1910,1870,1810,158
5,1495,1455,1410,1365,131
0,1250,1205,1100,735,700,
610cm-1 1 H−NMR(CDCl3):δ7.21−7.35
(m,20H,芳香族)、4.50(s,8H,C64
2 O−),3.43−3.74(m,14H,C6
4CH2OC2 −及びC64CH2OCH2−),
3.14(tt,J=6.7,4.9Hz,1H,H2
N−C−),1.90(brs,2H,H2N−)13 C−NMR(CDCl3):δ138.1(芳香
族),128.3(芳香族),127.7(芳香族),
127.5(芳香族),78.4(−H−O−),7
3.2(ベンジル基),72.6(メチレン基),5
1.3(H2N−−)
【0023】実施例3 N−メチルジエタノールアミン(2.1ml,18.2
9mmol)及び式(2)の化合物(2.852g,
8.31mmol)の混合物をDMF溶液(10ml)
中、室温で10分間攪拌した。この混合物中に合成例1
で得られた化合物(5.460g,9.10mmo
l)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.913
g,12.49mmol)及びEDC(1.995g,
10.40mmol)を添加し、室温で20時間攪拌し
た。反応終了後、混合物を3N−HCl(100ml)
溶液中に排出し、生成物を酢酸エチルで3回抽出した。
合わせた有機相を塩水で洗浄した後、MgSO4で乾燥
し、溶媒を減圧濃縮した。得られた粗生成物をクロロホ
ルム/メタノール(30/1)を展開液として用いた短
シリカゲルカラムクロマトグラフィにより精製し、目的
物(7)を得た。
【0024】実施例4 実施例3で得られた化合物(7)をエタノール40ml
及びHCl水溶液(12N,2ml)中に溶解した溶液
を懸濁させたPd(OH)2−C(2.50g)の存在
下に水素雰囲気下、室温で37時間攪拌した。反応終了
後、定法により目的物を得た。得られた粗生成物をHP
LC(「Shim−pack」(商品名、島津製作所
製)、PREP−ODS、20.0mm×25cm、5
ml/min.、メタノール/水=1/9で展開)で精
製し、目的物(5)1.321g(3.068mmo
l)を白色固体として得た。収率は37%であった。
【0025】得られた化合物はIR、1H−NMR、13
C−NMR及び元素分析により式(5)の構造であるこ
とが確認された。以下に、IR、1H−NMR、13C−
NMR及び元素分析のデータを示す。
【0026】IR(KBr):3360,2875,23
60,1655,1560,1480,1435,13
50,1110,1075,820,665cm-1 1 H−NMR(D2O):δ7.65(d,J=7.4H
z,2H,−B−C(CCH)2C−),7.20
(d,J=7.4Hz,2H,−B−C(CCH)2
C−),3.95(m,1H,ND−C−),3.7
3−3.69(m,15H,D2N−C−COND
−,−C 2−O−×1,−C 2−O−×5,−C
O−×3),3.11(dd,J=10.1,5.9H
z,1H,−C 2−O−),2.90(d,J=1
3.2,5.6Hz,1H,−BC64−C 2−),
2.82(d,J=13.2,9.0Hz,1H,−B
64−C 2−)13 C−NMR(CDCl3):δ175.6,138.
8,133.7,128.8,127.0,80.9,
68.6,67.8,60.5,60.4,60.2,
56.0,49.0,40.1
【0027】得られた化合物(1)(BPA(OH))
及び(5)(BPA(OH)4)の室温における水溶
性、細胞毒性(細胞の残存率)、細胞取り込みを、BP
A、特願平5−221048で提案したBPA(OH)
2と比較した。
【0028】水溶性 ほう素化合物の十分量を純水に加え、混合物を20℃で
12時間攪拌し、各ほう素化合物の飽和溶液を得た。不
溶のほう素化合物はメンブランフィルターにより瀘過
し、各飽和溶液のほう素原子の濃度をICP−AESを
用いて求めた。各試験を3回繰り返し行った。値は平均
±S.E.として示される。結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】細胞毒性(細胞の残存率) 各BPA誘導体のB−16メラノーマ細胞(B−16)
及びTIG−1−20Fibroblast細胞(ヒト胎児肺正常
細胞、TIG)に対する細胞毒性を表2に示す。細胞培
養液にEagle−MEM(10%胎牛血清)を用い、
各ほう素化合物(70μmol)を7mlの培養液に溶
解し、得られた混合物をメンブランフィルターを通して
瀘過し、滅菌した。濾液(3ml)と細胞の懸濁培養液
(1×105細胞/ml,1ml)をFalcon30
02培養皿(直径60mm)中に加え、ほう素化合物の
濃度が1.5×10-2Mとなるように同媒体で希釈し
た。5%二酸化炭素雰囲気下、37℃で懸濁を3日間培
養した。懸濁の上澄みを除去し、残っている細胞をトリ
プシンで処理し、生存細胞の数を計測した。観察された
値を、ほう素化合物を加えなかった標準系の数で除し
た。この操作を3回繰り返した。値は平均±S.E.と
して示される。結果を表2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】細胞取り込み性 次に、各ほう素化合物の細胞への浸透性を、ICP−A
ES法を用いて行なった。B−16細胞をFalcon
3025皿(直径150mm)で培養し、80%飽和状
態に細胞が成長した時の細胞数を数えた(5.0×10
6細胞/皿)。一皿は対照試験(ほう素化合物フリー)
のために用いた。これらの皿に各BPA誘導体の2mM
をを加え、37℃、5%二酸化炭素存在下で3,12,
24時間細胞を培養した。懸濁の上澄みを除去後、残留
細胞を3回Ca−Mg−フリーの燐酸緩衝溶液[PBS
(−)]で洗浄し、ゴム性ポリスマンでかき集めて、6
0%HClO4水溶液/30%H22溶液7mlで溶解
し、70℃で1時間分解した。メンブランフィルター
(ミリポア(Millipore),0.22μm)で瀘過した
後、ほう素濃度をICP−AES(島津製作所製、IC
P−1000−III)で確定した。対照試験のほう素濃
度を各皿の細胞のほう素濃度から差し引いた。TIG−
1−20細胞の場合も同様の手順を用いた。各試験は3
回繰り返し、値は平均±S.E.として示される。な
お、BPA自身についてはその溶解性が低いため、BP
A−HClを用い、濃度を2mMに調整した。結果を図
1に示す。
【0033】図1から分かるように、ほう素取り込み性
は、細胞及びほう素誘導体の種類に関係なく、時間の経
過と共に増加している。B−16メラノーマ細胞による
BPA(OH)nの細胞取り込みはいずれの時間におい
てもTIG正常細胞よりも大きい。この観察は、B−1
6が癌細胞でありTIGが正常細胞の一種であること、
B−16の成長がTIGよりも速いことの事実を反映し
ているように思われる。
【0034】24時間における細胞取り込みを図2に示
す。BPA(OH)nの水溶性の増加に伴い、ほう素取
り込み性はB−16メラノーマとTIG胎児肺細胞に関
わりなく減少している。図2からは細胞取り込み性の選
択性があることが観察され、明らかに、B−16細胞の
TIG細胞に対するほう素取り込み比はBPAの場合よ
りもBPA(OH)4の場合のほうが大きくなってい
る。
【0035】図3はBPA(OH)nの水溶性とB−1
6細胞のTIG細胞に対するほう素取り込み比の間の関
係を示している。これは癌細胞による選択取り込みが水
溶性の増加に伴って強められていることから有効な結果
である。
【0036】24時間での細胞取り込み(BPA(O
H)nの細胞内モル濃度)と細胞残存率の直接対比を図
4(B−16に対して)及び図5(TIGに対して)に
示す。細胞取り込みは親水性の増加に基づいて減少して
いることから、化合物の親水性の増加と細胞毒性の低下
との間に相関関係があると考えられる。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の式(1)
及び(5)で表わされる新規BPA誘導体は、BPAよ
りもはるかに高い水溶性値を示し、また癌細胞に対して
高い選択性を有することから、中性子捕捉療法に有用な
化合物である。
【図面の簡単な説明】
【図1】各ほう素化合物のB−16及びTIG細胞への
培養時間に対する浸透性を示すグラフである。
【図2】図1における24時間での細胞取り込み性を示
す図である。
【図3】BPA(OH)nの水溶性とB−16細胞のT
IG細胞に対するほう素取り込み比の間の関係を示すグ
ラフである。
【図4】B−16細胞の残存率と細胞内のほう素濃度と
の関係を示すグラフである。
【図5】TIG細胞の残存率と細胞内のほう素濃度との
関係を示すグラフである。
フロントページの続き (72)発明者 山本 嘉則 宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉 東北大学 理学部内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(1) 【化1】 で表わされるp−ボロノフェニルアラニン誘導体。
  2. 【請求項2】 p−ボロノフェニルアラニンのアミノ基
    をカルボベンジルオキシ基で保護した下記式(2) 【化2】 (式中、Cbzはカルボベンジルオキシ基を表わす。)
    にN−メチルジエタノールアミンを作用させてホウ素部
    分を保護し、さらにエタノールアミンを反応させ、下記
    式(4) 【化3】 (式中、Cbzはカルボベンジルオキシ基を表わす。)
    を得、得られた式(4)の化合物を脱カルボベンジルオ
    キシ化することを特徴とする請求項1の式(1)で表さ
    れるp−ボロノフェニルアラニン誘導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 下記式(4) 【化4】 (式中、Cbzはカルボベンジルオキシ基を表わす。)
    で表わされる化合物。
  4. 【請求項4】 下記式(5) 【化5】 で表わされるp−ボロノフェニルアラニン誘導体。
  5. 【請求項5】 p−ボロノフェニルアラニンのアミノ基
    をカルボベンジルオキシ基で保護した下記式(2) 【化6】 (式中、Cbzはカルボベンジルオキシ基を表わす。)
    にN−メチルジエタノールアミンを作用させてホウ素部
    分を保護し、さらに2−アミノ−1,3−ビス(1,3
    −ジベンジル−2−グリセロキシ)プロパンを反応さ
    せ、下記式(7) 【化7】 (式中、Cbzはカルボベンジルオキシ基を、Bnはベ
    ンジル基を表わす。)を得、得られた式(7)の化合物
    を脱ベンジル化することによる請求項4の式(5)で表
    されるp−ボロノフェニルアラニン誘導体の製造方法。
  6. 【請求項6】 下記式(7) 【化8】 (式中、Cbzはカルボベンジルオキシ基を、Bnはベ
    ンジル基を表わす。)で表わされる化合物。
JP13301595A 1995-05-31 1995-05-31 p−ボロノフェニルアラニン誘導体、その製造方法及び該誘導体の中間体化合物 Pending JPH08325271A (ja)

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