JPH08325089A - 軽量気泡コンクリートを使用した肥料 - Google Patents

軽量気泡コンクリートを使用した肥料

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JPH08325089A
JPH08325089A JP8099195A JP9919596A JPH08325089A JP H08325089 A JPH08325089 A JP H08325089A JP 8099195 A JP8099195 A JP 8099195A JP 9919596 A JP9919596 A JP 9919596A JP H08325089 A JPH08325089 A JP H08325089A
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cellular concrete
lightweight cellular
lightweight
concrete
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Fumiyoshi Iwata
文好 岩田
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IWATA SEKKO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 土壌改良剤としての軽量気泡コンクリート
と、植物の生育に必要な肥料養分とを別々に施肥する手
間を解消する。 【解決手段】 軽量気泡コンクリートに液体状肥料を浸
透,吸着させる。軽量気泡コンクリートは極めて多孔質
であるので、極めて多量の液体状肥料を含ませることが
できる。軽量気泡コンクリートに浸透,吸着された肥料
は長期間土壌内で維持させることができる。廃棄物とし
て排出される軽量気泡コンクリートの利用範囲が広が
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、軽量気泡コンク
リートの持つ性質や形状を利用した肥料の製造に関する
ものである。即ち、この発明は、粉状又は粒状の軽量気
泡コンクリート(ALC(Autoclaved Light-weighted
Concrete)ともいう。一般的にALC,ヘーベル,イト
ン,シポレックス等と称されて建築材料として販売され
ている)に、軽量気泡コンクリートの持つ吸湿性や多孔
質の構造を利用して、肥料養分を浸透又は吸着させて農
業用,園芸用,造園用等の肥料としたものに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、軽量気泡コンクリートは、その軽
量性,加工容易性等により、建築資材として大きく生
産,販売され、その利用が大きく伸びている。その一方
で、軽量気泡コンクリートが含有する成分の、ケイ酸や
酸化カルシウム等が、植物の根張等に大きく作用するこ
とが知られている。
【0003】従って、従来、軽量気泡コンクリートの一
部のメーカー等では、これを粉砕して、或いは生産工場
で生じた軽量気泡コンクリートの粉塵や粉等を集めて、
土壌改良剤として販売している。そして、利用者はこれ
を土壌改良剤として撒くことにより、利用している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、軽量気
泡コンクリートは根張等の効果はあるものの、植物の生
育に必要な養分(チッソ,リン.カリ等)は含まれてい
ないので、これに対しては別の肥料を散布していた。即
ち、二度の施肥作業が必要であった。また砂等の多い保
水力のない土壌では肥料養分を散布しても肥料の効果が
持続できなかった。
【0005】そこで本発明の目的は、軽量気泡コンクリ
ートと肥料養分とを別個に散布する手間を省き、また肥
料養分を土壌内で持続可能な、軽量気泡コンクリートを
使用した肥料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の軽量気泡コンクリートを使用した肥料は、
粉体又は粒体状の軽量気泡コンクリートに、液体状肥料
を、軽量気泡コンクリートの持つ吸水性を利用して浸
透、吸着させたことを特徴とする。
【0007】軽量気泡コンクリートに,液体状肥料を,
浸透,吸着させた後、乾燥させてもよい。
【0008】液体状肥料は、食品製造工場等から排出さ
れた有機物を含む廃棄物の破砕物を含む水溶液であって
もよい。
【0009】また、上記目的を達成するために、本発明
の軽量気泡コンクリートを使用した肥料は、粉体又は粒
体状の軽量気泡コンクリートに、粉体状の肥料を、軽量
気泡コンクリートの持つ多孔質の構造を利用して吸着さ
せたことを特徴とする。
【0010】軽量気泡コンクリートは、生産工場で排出
する軽量気泡コンクリートの廃棄物又は建築工事現場や
建築解体工事現場で排出する軽量気泡コンクリートの廃
棄物であってもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】軽量気泡コンクリート(ALC)
は、一般に、粉状又は粒状の石灰質原料及びケイ酸質原
料に水,気泡材を加えて混合して、多孔質化物を作り、
これをオートクレーブ養生(高温,高圧における飽和蒸
気養生)による水熱反応により、硬化させて製造され
る。石灰質原料として、例えば、石灰,セメントなどが
用いられる。ケイ酸質原料として、例えば、けい石,け
い砂,高炉スラグ,フライアッシュなどが用いられる。
気泡材は、金属粉末,表面活性剤等である。なお、混和
をよくするために石灰質原料及びケイ酸質原料,水,気
泡材の他に混和材料を加える場合もある。
【0012】従って、気泡材を用いてわざわざ多孔質化
するので、極めて多くのかつ大小様々の孔を有してい
る。なお、軽量気泡コンクリートは、トバモライト板状
(針状)結晶構造である。
【0013】従って、軽量気泡コンクリート(乾燥した
ものかつ後述するような粒径のもの)は、吸水量が極め
て大きく160〜200%である。この吸水量は、吸水
量が高いといわれるゼオライトと比しても格段に優れて
いる。また、軽量気泡コンクリートの有する孔は、径が
極めて大きい。なお、軽量気泡コンクリートは、嵩比重
が約0.5〜0.6(乾燥したもの)であり、また白色
をしている。軽量気泡コンクリートは通常、pHが11
程度である。
【0014】軽量気泡コンクリートは、本発明に適用す
る場合、0.5ミリメートル以上、10ミリメートル以
下の粒径を有していることが好ましい。0.5ミリメー
トルより小さいと、大きい孔の数が減り、吸水量が小さ
くなる。また10ミリメートルより大きいと、内部に位
置する孔への浸透又は吸着が十分に行われない。なお、
床材の下方部で用いる場合には、5ミリメートル以上の
径にする。散粒機等の施肥機械を用いて散布する場合に
は、2ミリメートル以下の径にする。
【0015】軽量気泡コンクリートとしては、本発明の
実施のために特別に製造されたものに限らず、種々の廃
棄物を利用することができる。軽量気泡コンクリートの
生産工場で集塵器等で粉塵として回収されているもので
あってもよい。また生産工場で型外し後に型枠に付着残
留したものを回収したものであってもよい。また、板
状,柱状等大きな塊状に作られた軽量気泡コンクリート
を建築工事現場で用途に合わせて切断,加工する際に生
じる加工残余塊,屑等の廃棄物であってもよい。また建
築解体工事現場で排出される軽量気泡コンクリートの解
体塊,屑等の廃棄物であってもよい。軽量気泡コンクリ
ートはアルカリ性が強く、現在、特定ごみ処分場にしか
投棄することができないが、本発明に用いられることに
より、この廃棄物の量を大きく減らすことができる。軽
量気泡コンクリートが塊状等、大きい径の場合には、粉
砕機等の粉砕手段を用いて0.5ミリメートル以上、1
0ミリメートル以下の粒径にする。
【0016】液体状肥料としては、液体状の肥料はすべ
て用いることが可能であり、即ち、分子,イオン状の水
溶液のみならず、浮遊体溶液,懸濁液,乳濁液,コロイ
ド溶液等、分子化,イオン化していない物質が含まれて
いる溶液であってもよい。
【0017】液体状肥料として化学肥料を溶かした溶液
を用いる場合には、窒素,リン,カリ等の肥料元素のイ
オン式の組み合わせは軽量気泡コンクリートによって揮
散したり不溶化したりしないような組み合わせを選ぶ。
芝生(コウライ芝等),稲等の酸性を好む植物に施肥す
る場合、或いは手にかぶれる等をなくして取扱性を改善
するため等には、酸性を示す複合液肥等を用いてアルカ
リ性を中和する。硝酸や燐酸,硫酸等を加えてもよい。
【0018】液体状肥料としては、有機肥料の溶液であ
ってもよい。有機肥料の径が大きい場合には、破砕機を
用いて粉砕して粉体,粒体,繊維状にし、これを水と混
合する。粉体,粒体,繊維の大きさがより小さいほど好
ましいが、後述するように粉体、粒体状の有機肥料は軽
量気泡コンクリートの表面に絡み付くこともできるの
で、ある程度の大きさがあってもよい。固形状,塊状,
繊維状等の種々の有機物を利用することができ、食品製
造工場で現在投棄されている有機廃棄物の再利用も促進
される。
【0019】また、液体状肥料としては、無論、上記化
学肥料と有機肥料とを混合したものであってもよい。こ
の場合、有機肥料を硫酸(肥料元素Sを含む)等の酸性
溶液と混合すれば、有機肥料の分解を促進することがで
きる。
【0020】液体状肥料に含める肥料元素には、三大要
素の他に、炭素,水素,酸素,硫黄,鉄,苦土の多量要
素,マンガン,モリブデン,ホウ素,銅,亜鉛,塩素の
微量要素等を無論加えて混合することができ(これらの
肥料元素の幾つかはすでに軽量気泡コンクリートが含有
している)、何を加えるかは、本発明の肥料を施肥する
植物,土壌に応じて種々変化させる。
【0021】液体状肥料が茶色,黒色等の黒味がかった
色であれば、軽量気泡コンクリート(白色)に浸透,吸
着せたときに、軽量気泡コンクリートが茶色,黒色等の
黒味がかった色になり、施肥した場合に、その施肥した
場所を目立たなくすることができる。因みに、白色の軽
量気泡コンクリートと、茶色,黒色等の黒味がかった色
の肥料とを単に混合したのみの状態で撒くと、軽量気泡
コンクリートと肥料とは土壌に落下した状態で分離して
いるので、やはり施肥した部分が軽量気泡コンクリート
の白色を呈する。
【0022】液体状肥料の軽量気泡コンクリート内への
浸透,吸着は、軽量気泡コンクリートを液体状肥料に浸
漬することにより、又は液体状肥料を軽量気泡コンクリ
ートに均一に散水することにより、行う。これらによ
り、水及び肥料分が同時に伴われて、軽量気泡コンクリ
ートの孔に入ってく。軽量気泡コンクリートの吸水量が
高いので多量の水が、肥料分と共に孔に入る。また軽量
気泡コンクリートの孔が大きいので、肥料分(たとえ粉
体,粒体,繊維状であっても)が、径が小さければ、全
くその孔に入り込み、径が大きくても、一部分の体積を
外部に露呈した状態で他の部分の体積はその孔内に入り
込み、軽量気泡コンクリートの表面に絡んだ状態にな
る。浸透,吸着をよくするために、浸漬又は散水の間に
攪拌を行ってもよい。このようにして物理的に多量の肥
料分を軽量気泡コンクリートに浸透,吸着させることが
できる。液体状肥料が十分に軽量気泡コンクリートに浸
透,吸着するように、なるべく長い時間、例えば一昼
夜、浸漬又は散水等したままの状態に維持する。
【0023】軽量気泡コンクリートに浸透,吸着させる
液体状肥料の濃度及び量は、設計した肥効の期間等を勘
案して、任意に定めることができる。本発明の肥料を水
に沈ませて利用する場合には、比重が1以上になるよう
に、浸透,吸着させる液体状肥料の量を定める。あまり
べとつかず適当に散る状態で撒くことを可能にするため
には、浸透,吸着させる液体状肥料の量の上限が定ま
る。また、軽量気泡コンクリート廃棄物等、軽量気泡コ
ンクリートが既に空中の水分を吸収している場合には、
吸収可能な液体状肥料の量がその分だけ減少するので、
これを勘案して、液体状肥料の濃度及び量を定める。な
お、建築工事現場,建築解体工事現場等の通常の軽量気
泡コンクリート廃棄物に対しては、べとつかない状態で
最大に含ませることができる液体状肥料は、その廃棄物
に対して約25重量%であった。
【0024】軽量気泡コンクリートに、上記液体状肥料
を、浸透,吸着させた後、乾燥させてもよい。乾燥させ
ることにより、水分がなくなるので、以後の軽量気泡コ
ンクリートと液体状肥料との化学反応を大きく防止する
ことができる。また乾燥させることにより、べとつきが
全くなくなり、取扱いが更に容易になる。なお、水分を
乾燥させても、軽量気泡コンクリートの大小種々の孔内
に肥料分が浸透又は吸着しているので、比重は軽量気泡
コンクリートのみの場合より重く、従って風に飛ばされ
ること等が少なく、散布作業が容易である。また液体状
肥料が茶色,黒等の黒味がかった色の場合には、乾燥さ
せた後も、軽量気泡コンクリートははやり茶色,黒等の
黒味がかった色である。
【0025】粉体状の肥料を軽量気泡コンクリートの持
つ多孔質の構造を利用して吸着させる場合には、粉体状
の肥料の径を多孔質の径より小さくなるように、肥料を
破砕機等で粉砕する。そして十分に乾燥させる。肥料と
しては、単肥,配合肥料,化成肥料,複合肥料,有機肥
料等を用いることができる。次に粉体または粒体状の軽
量気泡コンクリートも十分に乾燥させておく。そして次
に、このようにして形成された粉体状の肥料と、粉体又
は粒体状の軽量気泡コンクリートとを、回転容器等に入
れて、長時間の間、十分にかつ均一に混合する。する
と、軽量気泡コンクリートは極めて大きな孔を有してい
るので、粉体状の肥料がその孔内に入り込み吸着され、
軽量気泡コンクリートと粉体状の肥料とが一体となった
本発明の肥料が製造される。製造された肥料はポリ袋等
の密閉容器に保管する。製造された肥料は乾燥状態であ
るので、化学反応が生じることが防止される。なお、粉
体状の肥料と軽量気泡コンクリートとを別々に保管する
のに比して、保管体積が小さい。軽量気泡コンクリート
のまま或いは粉体状の肥料のままの状態より、比重が増
しているので、風に吹き飛ばされる等が生じず、施肥作
業が容易になる。また多孔質内に吸着された粉体状の肥
料は長期間を経て流出し肥効が維持される。
【0026】本発明の肥料は、ゴルフ場,サッカー場
等、遊技場や公園の芝生,庭の芝生,水田,茶畑,家庭
用菜園等、種々の農業用,園芸用,造園用等の肥料とし
て用いることができる。
【0027】
【実施例】
実施例1 2つの園芸用プランター(a)(b)を用意し、それぞ
れに扶養土2及び鹿沼土3の割合で床土を入れ、芝生の
たね植えをした。次に、2mmに粉砕した軽量気泡コン
クリートを、市販の液体肥料(商品名・ハイポネック
ス)を10倍に薄めた水溶液中に浸し、次に乾燥して、
軽量気泡コンクリート肥料100gを得た。なお市販の
ハイポネックスの含有成分は、窒素全量6.0%,燐酸
6.0%,カリ6.0%,苦土0.03%,マンガン
0.001%,ほう素0.005%であった。そして、
園芸用プランター(a)には、目土(砂)をしてそのま
ま放置し、園芸用プランター(b)には、上記の軽量気
泡コンクリート肥料100gを砂と混ぜた目土をした。
【0028】その結果、2週間後の芽吹きは園芸用プラ
ンター(a)1.5cmに対して園芸用プランター
(b)2.5cmと約1.5倍になった。根の長さは園
芸用プランター(a)3.3cmに対して園芸用プラン
ター(b)4.5cmとなった。また、葉の幅にも同様
の差が生じた。従って、植物の根張と植物の生育の双方
の効果が得られた。
【0029】実施例2 軽量気泡コンクリートとして、土壌改良剤として市販さ
れている軽量気泡コンクリート(商品名 サンパルファ
ー,製造 旭化成工業株式会社,販売 旭化成建材株式
会社)を用いた。ケイ酸(SiO2 )を50重量%,カ
ルシウム(CaO)を25重量%含んでいた。液体状肥
料として、市販の混合肥料を粉砕し、水を加えたものを
製造した。そして数時間、サンパルファーを液体状肥料
に浸した。これにより液体状肥料を浸透,吸着させたサ
ンパルファーを得た。次に、水の流動性の良好なゴルフ
場において、芝生の植わった部分を表面から30cmほ
ど掘り出し、その掘り出した部分の内の下方部15cm
の、砂分を多く含む土壌部分を切り出して、これと液体
状肥料を浸したサンパルファーとを均一に混合した。そ
して再びこの土壌部分を元の位置に戻して、元の芝生を
その上に被せた。なお、上記の液体状肥料を浸したサン
パルファーを混合した土壌部分の一部を持ち帰り肥料分
析を行った。次に、6か月後、液体状肥料を浸したサン
パルファーを混合した土壌部分を再び掘り起こして、こ
の部分の肥料分析を前回と同じ方法により行った。双方
の肥料分析の結果を比較すると、6か月後もかなりの量
で肥料養分が残存していた。軽量気泡コンクリートに用
いられるケイ酸質原料の種類を選ぶことにより、保肥力
(塩基置換容量)が高まり肥料分の残存量を更に高める
事ができると思われる。
【0030】実施例3 軽量気泡コンクリートとして、土壌改良剤として市販さ
れている軽量気泡コンクリート(商品名 サンパルファ
ー,製造 旭化成工業株式会社,販売 旭化成建材株式
会社)を用いた。ケイ酸(SiO2 )を50重量%,カ
ルシウム(CaO)を25重量%含んでいた。この軽量
気泡コンクリートのpHは11であった。色は白色であ
る。次に液体状肥料として、肥料として市販されている
有機物廃棄物を主とする有機配合肥料を用いた。この有
機配合肥料は、食品製造工場等で排出される有機物を含
む廃棄物に、分解を促進するために硫酸を加え、かつア
ンモニアを加えて硫安を生じさせ、更にリン,カリ等の
種々の肥料要素を加えたものである。この有機配合肥料
は固形状であり、色は茶色であり、pHは5である。ま
ず有機配合肥料を破砕機で十分に粉砕し、粉体,粒体,
繊維状にした。なお、この状態での有機配合肥料の比重
は軽かった。そして水を加えて液体状肥料を製造した。
次に、この液体状肥料に一度に軽量気泡コンクリートを
浸して、20分間、キャピラー域にて攪拌し、熟成し
た。その後、軽量気泡コンクリートを取り出し、次にこ
れを乾燥室で十分に乾燥した。なお、この際約20%の
アンモニアの揮散が生じたが、残りの約80%のアンモ
ニアはそのまま、軽量気泡コンクリートに留まった。こ
のようにして製造した肥料の嵩比重は0.85であっ
た。またpHは8程度であった。従って手のかぶれもな
くなり、軽量気泡コンクリートのままの状態よりも取り
扱いやすくなった。また色は茶色であった。なお、上記
の有機配合肥料を粉砕した粉体状,粒体状のものと上記
の軽量気泡コンクリートとを単に混ぜたものは、やはり
白色であった。
【0031】次に、この肥料を遊技場の芝生が植わって
いる砂地に手で撒いた。pH8であるので、芝生に適し
ていた。一度に軽量気泡コンクリート及び肥料分を撒く
ことができるので、施肥作業が楽であった。特にまた、
軽量気泡コンクリートのみの場合に比して比重が増して
いるので、風等に吹き飛ばされることもなく、撒き易か
った。また茶色であるので、施肥した箇所が目立たず、
施設利用者にも不快感を与えないと感ぜられた。なお、
有機配合肥料を粉砕した粉体状,粒体状のものと軽量気
泡コンクリートとを単に混ぜたものを撒くと、両者が共
に比重が小さいので、風に吹き飛ばされて、撒きにくか
った。特に肥料は軽く、風に吹き飛ばされやすかった。
また施肥した箇所が白くなって目立ち、施設利用者に不
快感を与えると感ぜられた。
【0032】次にこのようにして撒いた本発明の肥料の
残留状態を測定すると、砂地の上の芝生にも拘らず、約
1か月程は残留状態が維持された。当初、軽量気泡コン
クリートの外側部分に付着している肥料分が溶けて、芝
生に吸収又は溶出するものの、軽量気泡コンクリートの
孔内に入り込んでいる肥料分がその後も維持されたため
上記残留状態が維持されたものと思われる。
【0033】実施例4 実施例3で得られた本発明の肥料を水を張った水田に撒
いてみた。すでに比重が重くなっているので、最初は水
の上に浮いても水を僅かに吸って、すぐに水中に沈むこ
とができ、水と共に流れてしまうことがなかった。稲は
酸性土壌を好むので、実施例3の肥料のpHは好まし
い。
【0034】
【発明の効果】本発明は軽量気泡コンクリートに液体状
肥料を含ませたので、一度で双方を撒くことが可能にな
り、施肥作業が容易である。更に、比重が重くなる結
果、風に飛ばされることも少なくなり、施肥作業が更に
容易である。また軽量気泡コンクリートは極めて多孔質
であるので、多量の液体状肥料を含ませることが可能で
ある。また肥料が軽量気泡コンクリートに浸透,吸着し
ているので、砂等の多い保水力の小さい土壌等において
も、その後長期に亘って肥料を維持することができる。
【0035】軽量気泡コンクリートに、液体状肥料を、
浸透,吸着させた後、乾燥させることにより、その後の
化学反応が大きく押さえられ、本発明の肥料を長期間保
存することが可能である。
【0036】液体状肥料が食品製造工場から排出された
有機物を含む廃棄物の粉砕物を含む水溶液である場合に
は、有機物を含む廃棄物の処理の問題をも同時に解消さ
せることができる。
【0037】また、本発明の軽量気泡コンクリートに粉
体状の肥料を吸着させた肥料の場合には、一度で双方を
撒くことが可能になり、施肥作業が容易である。更に、
比重が重くなる結果、風に飛ばされることも少なくな
り、施肥作業が更に容易である。また軽量気泡コンクリ
ートは極めて多孔質であるので、多量の粉体状の肥料を
含ませることが可能である。また肥料が軽量気泡コンク
リートに吸着しているので、砂地等の保水力の小さい土
壌等においても、その後長期に亘って肥料を維持するこ
とができる。
【0038】軽量気泡コンクリートが、生産工場で排出
する軽量気泡コンクリートの廃棄物又は建築工事現場や
建築解体工事現場で排出する軽量気泡コンクリートの廃
棄物である場合には、軽量気泡コンクリートの廃棄物処
理の問題をも同時に解消可能である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉体又は粒体状の軽量気泡コンクリート
    に、液体状肥料を、上記軽量気泡コンクリートの持つ吸
    水性を利用して浸透、吸着させたことを特徴とする軽量
    気泡コンクリートを使用した肥料。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記軽量気泡コンク
    リートに,上記液体状肥料を,浸透,吸着させた後、乾
    燥させたことを特徴とする軽量気泡コンクリートを使用
    した肥料。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、上記液体状肥
    料は、食品製造工場から排出された有機物を含む廃棄物
    の破砕物を含む水溶液であることを特徴とする肥料。
  4. 【請求項4】 粉体又は粒体状の軽量気泡コンクリート
    に、粉体状の肥料を、上記軽量気泡コンクリートの持つ
    多孔質の構造を利用して吸着させたことを特徴とする軽
    量気泡コンクリートを使用した肥料。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1つにおい
    て、上記軽量気泡コンクリートは、生産工場で排出する
    軽量気泡コンクリートの廃棄物又は建築工事現場や建築
    解体工事現場で排出する軽量気泡コンクリートの廃棄物
    であることを特徴とする軽量気泡コンクリートを使用し
    た肥料。
JP8099195A 1995-03-28 1996-03-28 軽量気泡コンクリートを使用した肥料 Pending JPH08325089A (ja)

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Cited By (2)

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KR20000063993A (ko) * 2000-08-16 2000-11-06 최종혜 음식 폐기물 발효 퇴비 및 그 제조방법
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