JPH08323937A - 耐ピンホール性袋用積層フィルム - Google Patents
耐ピンホール性袋用積層フィルムInfo
- Publication number
- JPH08323937A JPH08323937A JP15552695A JP15552695A JPH08323937A JP H08323937 A JPH08323937 A JP H08323937A JP 15552695 A JP15552695 A JP 15552695A JP 15552695 A JP15552695 A JP 15552695A JP H08323937 A JPH08323937 A JP H08323937A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- layer
- laminated
- bag
- polyolefin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ナイロンを基材とする袋における耐ピンホー
ル性を改良する。特に内容物が流動性であったり、低温
保存用であったり或いは大容量の場合に、流通過程にお
いてピンホールが発生しがちであったが、この短所を改
良する。 【構成】 延伸ナイロンフィルムの内層に熱融着性層が
設けられている積層フィルムにおいて、外層に高密度ポ
リエチレン層或いは線状低密度ポリエチレン層などのポ
リオレフィン系フィルムからなる保護層を積層し、該ポ
リオレフィン系フィルムからなる保護層は高温時におけ
る滑り性のよいフィルムが好ましく、１１０℃における
静摩擦係数が１．０以下である。更に、延伸ナイロンフ
ィルムがガスバリア性層を積層した延伸ナイロンフィル
ムである。 【効果】 ナイロンを基材とするフィルムからなる袋に
おける耐ピンホール性が格段に向上した。
ル性を改良する。特に内容物が流動性であったり、低温
保存用であったり或いは大容量の場合に、流通過程にお
いてピンホールが発生しがちであったが、この短所を改
良する。 【構成】 延伸ナイロンフィルムの内層に熱融着性層が
設けられている積層フィルムにおいて、外層に高密度ポ
リエチレン層或いは線状低密度ポリエチレン層などのポ
リオレフィン系フィルムからなる保護層を積層し、該ポ
リオレフィン系フィルムからなる保護層は高温時におけ
る滑り性のよいフィルムが好ましく、１１０℃における
静摩擦係数が１．０以下である。更に、延伸ナイロンフ
ィルムがガスバリア性層を積層した延伸ナイロンフィル
ムである。 【効果】 ナイロンを基材とするフィルムからなる袋に
おける耐ピンホール性が格段に向上した。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明はナイロンを基材とする袋
用積層フィルムであって、内容物が流動性であったり、
低温保存用であったり或いは大容量の場合に、流通過程
におけるピンホールの発生を防止する耐ピンホール性袋
用積層フィルムに関する。
用積層フィルムであって、内容物が流動性であったり、
低温保存用であったり或いは大容量の場合に、流通過程
におけるピンホールの発生を防止する耐ピンホール性袋
用積層フィルムに関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、ナイロンを基材とする袋用フィル
ムは、線状低密度ポリエチレン等の比較的低融点の熱融
着性フィルムを内層に積層した複合フィルムを使用し、
フィルムの端部を熱融着し、切断と融着を繰返しながら
製袋充填していた。また、内容物の保存期間を延長する
ためには、ガスバリア性のフィルムを積層したナイロン
が基材として用いられていた。
ムは、線状低密度ポリエチレン等の比較的低融点の熱融
着性フィルムを内層に積層した複合フィルムを使用し、
フィルムの端部を熱融着し、切断と融着を繰返しながら
製袋充填していた。また、内容物の保存期間を延長する
ためには、ガスバリア性のフィルムを積層したナイロン
が基材として用いられていた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
延伸ナイロンを基材とする製袋充填袋は流通過程におけ
る衝撃や段ボール箱との擦れ、フィルムの屈曲等により
ピンホールが発生し易く、このピンホールは他のフィル
ム層が積層されていても他のフィルム層にまで伝播し内
容物の漏洩、内容物の汚染、ひいては破袋などを生じる
現象があった。このような現象は袋が大容量であった
り、内容物が流動性であったり、或いは低温保存する場
合には特に問題になった。
延伸ナイロンを基材とする製袋充填袋は流通過程におけ
る衝撃や段ボール箱との擦れ、フィルムの屈曲等により
ピンホールが発生し易く、このピンホールは他のフィル
ム層が積層されていても他のフィルム層にまで伝播し内
容物の漏洩、内容物の汚染、ひいては破袋などを生じる
現象があった。このような現象は袋が大容量であった
り、内容物が流動性であったり、或いは低温保存する場
合には特に問題になった。
【０００４】更に、基材の延伸ナイロンにポリ塩化ビニ
リデンやエバール等の層を設けたガスバリア性フィルム
にあっては積層フィルムの剛性が増し、上記欠点が増大
され、流通用の段ボール箱との擦れや、袋の四隅の突起
部やフィルムが折れ曲がって生じた角部が隣接する袋に
突き刺さり破袋に至ることもあった。また、流通、保存
に際し低温に保持することを要する内容物の場合には低
温時に積層フィルムの剛性が増し、ピンホールの発生が
重大な問題であった。そこで、ナイロンを基材とする積
層フィルムからなる袋において、ピンホールを発生させ
ないか或いはたとえピンホールが発生してもそれが積層
フィルム全体に伝播しない構成のナイロン層を含む積層
フィルムが求められていた。
リデンやエバール等の層を設けたガスバリア性フィルム
にあっては積層フィルムの剛性が増し、上記欠点が増大
され、流通用の段ボール箱との擦れや、袋の四隅の突起
部やフィルムが折れ曲がって生じた角部が隣接する袋に
突き刺さり破袋に至ることもあった。また、流通、保存
に際し低温に保持することを要する内容物の場合には低
温時に積層フィルムの剛性が増し、ピンホールの発生が
重大な問題であった。そこで、ナイロンを基材とする積
層フィルムからなる袋において、ピンホールを発生させ
ないか或いはたとえピンホールが発生してもそれが積層
フィルム全体に伝播しない構成のナイロン層を含む積層
フィルムが求められていた。
【０００５】
【課題解決の手段】本発明は上記課題を解決することを
目的とし、その構成は、延伸ナイロンフィルムの内層に
熱融着性層が設けられている積層フィルムにおいて、外
層に高密度ポリエチレン層或いは線状低密度ポリエチレ
ン層などのポリオレフィン系フィルムからなる保護層を
積層したことを特徴とし、該ポリオレフィン系フィルム
からなる保護層が、１１０℃における静摩擦係数が１．
０以下であることを特徴とし、更に、延伸ナイロンフィ
ルムがガスバリア性層を積層した延伸ナイロン層を有す
る積層フィルムであることを特徴とする。
目的とし、その構成は、延伸ナイロンフィルムの内層に
熱融着性層が設けられている積層フィルムにおいて、外
層に高密度ポリエチレン層或いは線状低密度ポリエチレ
ン層などのポリオレフィン系フィルムからなる保護層を
積層したことを特徴とし、該ポリオレフィン系フィルム
からなる保護層が、１１０℃における静摩擦係数が１．
０以下であることを特徴とし、更に、延伸ナイロンフィ
ルムがガスバリア性層を積層した延伸ナイロン層を有す
る積層フィルムであることを特徴とする。
【０００６】本発明における基材層はナイロンであり、
その強度を増加するために延伸ナイロン、特に２軸延伸
ナイロンが使用され、厚さは５〜４０μ、好ましくは１
０〜３０μである。この基材層の内層には熱融着性層を
積層する。熱融着性層は通常熱融着性層として使用され
る比較的融点の低い樹脂からなるフィルムが使用され、
例えば低密度ポリエチレン、特に線状低密度ポリエチレ
ンが好ましく使用される。
その強度を増加するために延伸ナイロン、特に２軸延伸
ナイロンが使用され、厚さは５〜４０μ、好ましくは１
０〜３０μである。この基材層の内層には熱融着性層を
積層する。熱融着性層は通常熱融着性層として使用され
る比較的融点の低い樹脂からなるフィルムが使用され、
例えば低密度ポリエチレン、特に線状低密度ポリエチレ
ンが好ましく使用される。
【０００７】保存上特に気密性を要求される内容物の場
合には、ガスバリア性層を積層した延伸ナイロンを基材
として使用する。ガスバリア性層としては、例えばポリ
塩化ビニリデン層、ビニルアルコールとエチレンの共重
合体であるエバール層、ポリビニルアルコール層の両面
或いは片面にポリ塩化ビニリデン層を被覆した層、アル
ミニウム蒸着層等を積層する。
合には、ガスバリア性層を積層した延伸ナイロンを基材
として使用する。ガスバリア性層としては、例えばポリ
塩化ビニリデン層、ビニルアルコールとエチレンの共重
合体であるエバール層、ポリビニルアルコール層の両面
或いは片面にポリ塩化ビニリデン層を被覆した層、アル
ミニウム蒸着層等を積層する。
【０００８】ポリオレフィン系フィルムからなる保護層
は基材ナイロン層の外面に、すなわち最外層に積層す
る。ポリオレフィン系フィルムはモノマーが主としてオ
レフィンであれば、他の共重合性モノマーとの共重合体
や他のポリマーとのポリマーブレンドも包含される。自
動充填機や自動製袋充填機を使用する際の機械特性を考
慮すると、保護層の耐熱性、滑り性が重要であり、無延
伸或いは弱延伸フィルムが好ましい。中でも、フィルム
製膜後に電子線照射架橋を行ったフィルムは耐熱性が上
がり、滑り性がよくなるため特に好ましい保護層であ
る。
は基材ナイロン層の外面に、すなわち最外層に積層す
る。ポリオレフィン系フィルムはモノマーが主としてオ
レフィンであれば、他の共重合性モノマーとの共重合体
や他のポリマーとのポリマーブレンドも包含される。自
動充填機や自動製袋充填機を使用する際の機械特性を考
慮すると、保護層の耐熱性、滑り性が重要であり、無延
伸或いは弱延伸フィルムが好ましい。中でも、フィルム
製膜後に電子線照射架橋を行ったフィルムは耐熱性が上
がり、滑り性がよくなるため特に好ましい保護層であ
る。
【０００９】保護層は１１０℃における静摩擦係数が
１．０以下、好ましくは０．７以下、より好ましくは
０．６以下である。高温における、例えば１１０℃にお
ける静摩擦係数が１．０を越えると製袋充填する時に熱
板との滑り性が悪く、したがって積層フィルムの走行が
悪く製袋が困難である。また滑り性は高温時のみならず
低温においても要求され、低温における滑り性の良い保
護層を有する袋は角が他の袋を相互に傷つけあう現象を
抑制する。一般に、高温時における摩擦係数の小さいフ
ィルムは低温時における滑り性もよく、耐ピンホール性
に優れている。一般に、保護層はポリオレフィン層であ
っても製袋にあたっての熱融着には関与しない。むしろ
熱融着性を発現しない高融点のポリオレフィンが好まし
い。
１．０以下、好ましくは０．７以下、より好ましくは
０．６以下である。高温における、例えば１１０℃にお
ける静摩擦係数が１．０を越えると製袋充填する時に熱
板との滑り性が悪く、したがって積層フィルムの走行が
悪く製袋が困難である。また滑り性は高温時のみならず
低温においても要求され、低温における滑り性の良い保
護層を有する袋は角が他の袋を相互に傷つけあう現象を
抑制する。一般に、高温時における摩擦係数の小さいフ
ィルムは低温時における滑り性もよく、耐ピンホール性
に優れている。一般に、保護層はポリオレフィン層であ
っても製袋にあたっての熱融着には関与しない。むしろ
熱融着性を発現しない高融点のポリオレフィンが好まし
い。
【００１０】このような条件を満足するポリオレフィン
系フィルムとしては、高温タイプの線状低密度ポリエチ
レン、超高温タイプの線状低密度ポリエチレン及び高温
タイプの高密度ポリエチレン等を挙げることができる。
出光石化（株）製のＬＳ７６０Ｃ、出光石化（株）製の
ＬＳ７００Ｃ、日石化学（株）製のバリーラＨＥ等は本
発明の保護層の要件を充足し、容易に入手することがで
きる。
系フィルムとしては、高温タイプの線状低密度ポリエチ
レン、超高温タイプの線状低密度ポリエチレン及び高温
タイプの高密度ポリエチレン等を挙げることができる。
出光石化（株）製のＬＳ７６０Ｃ、出光石化（株）製の
ＬＳ７００Ｃ、日石化学（株）製のバリーラＨＥ等は本
発明の保護層の要件を充足し、容易に入手することがで
きる。
【００１１】保護層のポリオレフィン系フィルムには脂
肪酸アマイド（炭素数８〜２２）等のスリップ剤やシリ
カや合成ゼオライト等のアンチブロッキング剤を添加す
ることにより、耐ピンホール効果を一層高めることがで
きる。また、ポリオレフィン系フィルムは樹脂組成の選
択の幅が大きいため、その設計により耐熱性、耐寒性、
耐磨耗性をはじめ、傷に対する引裂伝播強度等を高める
ことが可能である。
肪酸アマイド（炭素数８〜２２）等のスリップ剤やシリ
カや合成ゼオライト等のアンチブロッキング剤を添加す
ることにより、耐ピンホール効果を一層高めることがで
きる。また、ポリオレフィン系フィルムは樹脂組成の選
択の幅が大きいため、その設計により耐熱性、耐寒性、
耐磨耗性をはじめ、傷に対する引裂伝播強度等を高める
ことが可能である。
【００１２】
【作用】本発明は高強度プラスチック袋用のフィルムと
して延伸ナイロンを基材として使用した場合に段ボール
との擦れ、袋角の鋭角部分の突き刺さり、袋自体の剛性
等に起因して発生しがちであったピンホールを防止し、
たとえ発生してもその伝播を防止するために基材の外面
にポリオレフィン系フィルムからなる保護層を設けたも
のである。この保護層は熱融着性を目的とするものでは
なく、したがって、むしろ融点が高く、高温で滑り性の
良好なポリオレフィン層である。本発明のポリオレフィ
ン系の保護層は樹脂自体の滑り性もよく、高いヒンジ性
により繰返し屈曲に抵抗性を有し、段ボールとの擦れに
対しても抵抗力を有し、折れ目、角部等の鋭角部も保護
層の緩衝効果により隣接する袋を突き刺して破袋させる
に至らない。本発明者らはポリオレフィン系フィルムの
中でも特定のフィルムが延伸ナイロンの有するピンホー
ル性を改善する効果が顕著であることを見出した。
して延伸ナイロンを基材として使用した場合に段ボール
との擦れ、袋角の鋭角部分の突き刺さり、袋自体の剛性
等に起因して発生しがちであったピンホールを防止し、
たとえ発生してもその伝播を防止するために基材の外面
にポリオレフィン系フィルムからなる保護層を設けたも
のである。この保護層は熱融着性を目的とするものでは
なく、したがって、むしろ融点が高く、高温で滑り性の
良好なポリオレフィン層である。本発明のポリオレフィ
ン系の保護層は樹脂自体の滑り性もよく、高いヒンジ性
により繰返し屈曲に抵抗性を有し、段ボールとの擦れに
対しても抵抗力を有し、折れ目、角部等の鋭角部も保護
層の緩衝効果により隣接する袋を突き刺して破袋させる
に至らない。本発明者らはポリオレフィン系フィルムの
中でも特定のフィルムが延伸ナイロンの有するピンホー
ル性を改善する効果が顕著であることを見出した。
【００１３】
【実施例】実施例１、比較例１及び比較例２ １５μ厚の２軸延伸ナイロンに、ガスバリア性層として
１０μ厚のエチレン−ビニルアルコール共重合体層を積
層したフィルムを基材フィルムとし、この基材フィルム
の内層側に６０μ厚の融点１００℃の線状低密度ポリエ
チレンフィルム（以下、ＬＬとする）（タマポリ（株）
製、ＵＢ１０６）をポリウレタン系接着剤を用いて積層
し熱融着性層とした。更に、基材フィルムの外層側に
は、厚さ３０μのＬＬ（出光石化（株）製、高温タイプ
ＬＬ、ＬＳ７００Ｃ）を同じくポリウレタン系接着剤を
用いて積層し保護層とした。かくして得られた積層フィ
ルムを用いて、自動製袋充填機によりピロータイプの袋
を製袋しつつ各袋に９５０ｇの水を充填密封した。得ら
れた充填袋について落下テスト及び振動テストを行い、
その結果を表１に示した。
１０μ厚のエチレン−ビニルアルコール共重合体層を積
層したフィルムを基材フィルムとし、この基材フィルム
の内層側に６０μ厚の融点１００℃の線状低密度ポリエ
チレンフィルム（以下、ＬＬとする）（タマポリ（株）
製、ＵＢ１０６）をポリウレタン系接着剤を用いて積層
し熱融着性層とした。更に、基材フィルムの外層側に
は、厚さ３０μのＬＬ（出光石化（株）製、高温タイプ
ＬＬ、ＬＳ７００Ｃ）を同じくポリウレタン系接着剤を
用いて積層し保護層とした。かくして得られた積層フィ
ルムを用いて、自動製袋充填機によりピロータイプの袋
を製袋しつつ各袋に９５０ｇの水を充填密封した。得ら
れた充填袋について落下テスト及び振動テストを行い、
その結果を表１に示した。
【００１４】別に、保護層として厚さ３０μのＬＬ層を
設けなかった以外は、実施例１と同一種類のフィルム層
を表１に示すように積層した積層フィルムを製造し比較
例１とした。比較例１のフィルムを用いて密封充填袋を
製造し、実施例１と同様にして落下テスト及び振動テス
トを行いその結果を表１に併記した。基材層として、厚
さ２５μの２軸延伸ナイロンを用い、ガスバリア性層及
び保護層を設けなかった以外は実施例１と同様にして、
比較例２の積層フィルムを製造し、比較例２のフィルム
を用いて密封充填袋を製造し、比較例２の袋を用いて実
施例１と同様にして落下テスト及び振動テストを行い、
その結果を表１に併記した。
設けなかった以外は、実施例１と同一種類のフィルム層
を表１に示すように積層した積層フィルムを製造し比較
例１とした。比較例１のフィルムを用いて密封充填袋を
製造し、実施例１と同様にして落下テスト及び振動テス
トを行いその結果を表１に併記した。基材層として、厚
さ２５μの２軸延伸ナイロンを用い、ガスバリア性層及
び保護層を設けなかった以外は実施例１と同様にして、
比較例２の積層フィルムを製造し、比較例２のフィルム
を用いて密封充填袋を製造し、比較例２の袋を用いて実
施例１と同様にして落下テスト及び振動テストを行い、
その結果を表１に併記した。
【００１５】落下テストはペンキ塗りの鉄板を床とし
て、床上１．２ｍの高さから水を充填した密封充填袋を
落下させた。落下に際してはタテ方向の落下とヨコ方向
の落下を交互に行い内容水がにじみ出すまでの落下回数
を表示した。密封充填袋１０個を試料とし、１個ずつ試
験を行い、水分がにじみ出すまでの平均回数を示した。
ただし、１０１回以上は行わず、１００回落下でも内容
水のにじみ出しのない充填袋の落下回数は１００回とし
て平均回数を算出した。振動テストは振幅５０ｍｍで１
分間に１６８回横往復する振動機を用い、バージンの段
ボール箱に試料１個を入れて長手方向に振動させ、水分
がにじみ出すまでに要した平均時間を記録した。試料１
０個について１個ずつ上記試験を行い、その平均値を記
載した。ただし、９０分以上は行わず、９０分でも内容
水のにじみ出しのない充填袋の振動時間は９０分として
平均時間を算出した。
て、床上１．２ｍの高さから水を充填した密封充填袋を
落下させた。落下に際してはタテ方向の落下とヨコ方向
の落下を交互に行い内容水がにじみ出すまでの落下回数
を表示した。密封充填袋１０個を試料とし、１個ずつ試
験を行い、水分がにじみ出すまでの平均回数を示した。
ただし、１０１回以上は行わず、１００回落下でも内容
水のにじみ出しのない充填袋の落下回数は１００回とし
て平均回数を算出した。振動テストは振幅５０ｍｍで１
分間に１６８回横往復する振動機を用い、バージンの段
ボール箱に試料１個を入れて長手方向に振動させ、水分
がにじみ出すまでに要した平均時間を記録した。試料１
０個について１個ずつ上記試験を行い、その平均値を記
載した。ただし、９０分以上は行わず、９０分でも内容
水のにじみ出しのない充填袋の振動時間は９０分として
平均時間を算出した。
【００１６】実施例２、実施例３及び比較例３ １５μ厚の２軸延伸ナイロンに、実施例１で用いた６０
μ厚のＬＬを熱融着性層として用い、保護層として厚さ
３０μのＬＬ（出光石化（株）製、超高温タイプＬＬ、
ＬＳ７６０Ｃ）を用いて実施例１と同様にして本発明の
積層フィルムを製造し実施例２とし、実施例２の積層フ
ィルムを用いて内容量６５０ｇの袋を製造した。保護層
として厚さ３０μのＬＬ（出光石化（株）製、超高温タ
イプＬＬ、ＬＳ７６０Ｃ）に代えて厚さ２０μの高密度
ポリエチレン（以下、ＨＤとする）（日石化学（株）
製、バリーラＨＥ）を用いた以外は実施例２と同様にし
て本発明の積層フィルムを製造し実施例３とし、実施例
３の積層フィルムを用いて内容量６５０ｇの袋を製造し
た。保護層としてＬＬ層もＨＤ層も設けなかった以外は
実施例２及び実施例３と同様にして積層フィルムを製造
し比較例３とし、比較例３のフィルムを用いて内容量３
００ｇの袋を製造した。実施例２、実施例３及び比較例
３の袋について実施例１と同様にして落下テスト及び振
動テストを行いその結果を表１に併記した。
μ厚のＬＬを熱融着性層として用い、保護層として厚さ
３０μのＬＬ（出光石化（株）製、超高温タイプＬＬ、
ＬＳ７６０Ｃ）を用いて実施例１と同様にして本発明の
積層フィルムを製造し実施例２とし、実施例２の積層フ
ィルムを用いて内容量６５０ｇの袋を製造した。保護層
として厚さ３０μのＬＬ（出光石化（株）製、超高温タ
イプＬＬ、ＬＳ７６０Ｃ）に代えて厚さ２０μの高密度
ポリエチレン（以下、ＨＤとする）（日石化学（株）
製、バリーラＨＥ）を用いた以外は実施例２と同様にし
て本発明の積層フィルムを製造し実施例３とし、実施例
３の積層フィルムを用いて内容量６５０ｇの袋を製造し
た。保護層としてＬＬ層もＨＤ層も設けなかった以外は
実施例２及び実施例３と同様にして積層フィルムを製造
し比較例３とし、比較例３のフィルムを用いて内容量３
００ｇの袋を製造した。実施例２、実施例３及び比較例
３の袋について実施例１と同様にして落下テスト及び振
動テストを行いその結果を表１に併記した。
【００１７】実施例４及び比較例４ 保護層として実施例１で用いた３０μ厚のＬＬ、２５μ
厚の実施例１で用いたナイロン、及び熱融着性層として
厚さ７０μの実施例１で用いたＬＬを実施例１と同様に
して積層フィルムを製造し実施例４とし、実施例４の積
層フィルムを用いて実施例１と同様にして内容量５．５
ｋｇの大型袋を製造した。実施例４の袋について実施例
１と同様にして落下テスト及び振動テストを行いその結
果を表１に併記した。３０μ厚のＬＬからなる保護層を
設けなかった以外は実施例４と同様にして積層フィルム
を製造し比較例４とし、比較例４の積層フィルムを用い
て実施例１と同様にして内容量５．５ｋｇの大型袋を製
造した。比較例４の袋について実施例１と同様にして落
下テスト及び振動テストを行いその結果を表１に併記し
た。
厚の実施例１で用いたナイロン、及び熱融着性層として
厚さ７０μの実施例１で用いたＬＬを実施例１と同様に
して積層フィルムを製造し実施例４とし、実施例４の積
層フィルムを用いて実施例１と同様にして内容量５．５
ｋｇの大型袋を製造した。実施例４の袋について実施例
１と同様にして落下テスト及び振動テストを行いその結
果を表１に併記した。３０μ厚のＬＬからなる保護層を
設けなかった以外は実施例４と同様にして積層フィルム
を製造し比較例４とし、比較例４の積層フィルムを用い
て実施例１と同様にして内容量５．５ｋｇの大型袋を製
造した。比較例４の袋について実施例１と同様にして落
下テスト及び振動テストを行いその結果を表１に併記し
た。
【００１８】比較例５比較例６及び比較例７ 実施例２で用いた厚さ３０μのＬＬからなる保護層に代
えて、厚さ１２μのポリエステルからなる保護層を用い
た以外は、実施例２と同様にして積層フィルムを製造し
比較例５とし、比較例５の積層フィルムを用いて内容量
６５０ｇの比較例５の袋を製造した。比較例３で用いた
厚さ１５μのナイロン層に代えて、厚さ１５μの耐ピン
ホール性の改良されたナイロン（ユニチカ（株）製）を
使用した以外は比較例３と同様にして積層フィルムを製
造し比較例６とし、比較例６の積層フィルムを用いて内
容量３００ｇの比較例６の袋を製造した。比較例３で用
いた厚さ１５μのナイロン層に代えて、厚さ１５μの耐
ピンホール性の良好なナイロン（興人（株）製）を使用
した以外は比較例３と同様にして積層フィルムを製造し
比較例７とし、比較例７の積層フィルムを用いて内容量
３００ｇの比較例７の袋を製造した。比較例５、比較例
６及び比較例７の袋について、実施例１と同様にして落
下テスト及び振動テストをそれぞれ行い、その結果を表
１に併記した。
えて、厚さ１２μのポリエステルからなる保護層を用い
た以外は、実施例２と同様にして積層フィルムを製造し
比較例５とし、比較例５の積層フィルムを用いて内容量
６５０ｇの比較例５の袋を製造した。比較例３で用いた
厚さ１５μのナイロン層に代えて、厚さ１５μの耐ピン
ホール性の改良されたナイロン（ユニチカ（株）製）を
使用した以外は比較例３と同様にして積層フィルムを製
造し比較例６とし、比較例６の積層フィルムを用いて内
容量３００ｇの比較例６の袋を製造した。比較例３で用
いた厚さ１５μのナイロン層に代えて、厚さ１５μの耐
ピンホール性の良好なナイロン（興人（株）製）を使用
した以外は比較例３と同様にして積層フィルムを製造し
比較例７とし、比較例７の積層フィルムを用いて内容量
３００ｇの比較例７の袋を製造した。比較例５、比較例
６及び比較例７の袋について、実施例１と同様にして落
下テスト及び振動テストをそれぞれ行い、その結果を表
１に併記した。
【００１９】
【表１】
【００２０】実施例５〜７及び比較例８〜１１ 本発明の実施例及び比較例の各種フィルムについて高温
時の滑り性について試験を行った。熱源の上に梨地クロ
ムメッキ鋼板を載せ、この鋼板を一定の温度に保持でき
ると共に、鋼板を熱源ごとゆっくりと任意の角度に傾斜
させることができる装置を用いた。梨地の表面粗度は、
小坂サーフコーダーＳＥ−４００を用いて測定したとこ
ろ、７Ｓであった。重量２００ｇの扁平な錘を、フィル
ムの熱融着性層を内側にして包んだ試料を水平な鋼板に
載せ、１分間水平に保持した。次いでゆっくりと鋼板を
傾斜させ、滑り落ち始めた時の角度を測定して、実験時
の温度と共に表２に記載した。各種フィルム及び温度に
ついて３回測定した。３回の試験の平均値のｔａｎθを
求め、各フィルムの各温度における静摩擦係数とした。
フィルム名は鋼板と接触する保護層または最外層のフィ
ルム名である。これらをまとめて表２に記載した。
時の滑り性について試験を行った。熱源の上に梨地クロ
ムメッキ鋼板を載せ、この鋼板を一定の温度に保持でき
ると共に、鋼板を熱源ごとゆっくりと任意の角度に傾斜
させることができる装置を用いた。梨地の表面粗度は、
小坂サーフコーダーＳＥ−４００を用いて測定したとこ
ろ、７Ｓであった。重量２００ｇの扁平な錘を、フィル
ムの熱融着性層を内側にして包んだ試料を水平な鋼板に
載せ、１分間水平に保持した。次いでゆっくりと鋼板を
傾斜させ、滑り落ち始めた時の角度を測定して、実験時
の温度と共に表２に記載した。各種フィルム及び温度に
ついて３回測定した。３回の試験の平均値のｔａｎθを
求め、各フィルムの各温度における静摩擦係数とした。
フィルム名は鋼板と接触する保護層または最外層のフィ
ルム名である。これらをまとめて表２に記載した。
【００２１】
【表２】
【００２２】表２より明らかなように、静摩擦係数の小
さいポリオレフィン系フィルムが好ましい保護層フィル
ムである。
さいポリオレフィン系フィルムが好ましい保護層フィル
ムである。
【００２３】
【発明の効果】ナイロン積層フィルムの外層にポリオレ
フィン層からなる保護層を積層する本発明により、従
来、流通過程においてピンホールが生じがちであったナ
イロン製密封袋のピンホールの発生を防止することに成
功した。また、保護層のポリオレフィン系フィルムとし
て静摩擦係数の小さいフィルムを用いることにより一層
の効果が得られる。
フィン層からなる保護層を積層する本発明により、従
来、流通過程においてピンホールが生じがちであったナ
イロン製密封袋のピンホールの発生を防止することに成
功した。また、保護層のポリオレフィン系フィルムとし
て静摩擦係数の小さいフィルムを用いることにより一層
の効果が得られる。
Claims (6)
- 【請求項１】 延伸ナイロンフィルムの内層に熱融着性
層が設けられているフィルムにおいて、外層にポリオレ
フィン系フィルムからなる保護層を積層したことを特徴
とする耐ピンホール性袋用積層フィルム。 - 【請求項２】 ガスバリア性層を積層した延伸ナイロン
フィルムの内層に熱融着性層が設けられているフィルム
において、外層にポリオレフィン系フィルムからなる保
護層を積層したことを特徴とする耐ピンホール性袋用積
層フィルム。 - 【請求項３】 ポリオレフィン系フィルムからなる保護
層が、１１０℃における静摩擦係数が１．０以下である
ポリオレフィン系樹脂からなることを特徴する請求項１
または請求項２記載の耐ピンホール性袋用積層フィル
ム。 - 【請求項４】 延伸ナイロンフィルムの内層に熱融着性
層が設けられているフィルムの外層に、１１０℃におけ
る静摩擦係数が１．０以下であるポリオレフィン系フィ
ルムからなる保護層を設けたことを特徴とする耐ピンホ
ール性袋用積層フィルム。 - 【請求項５】 １１０℃における静摩擦係数が１．０以
下であるポリオレフィン系フィルムからなる保護層が、
高密度ポリエチレン層であることを特徴とする請求項４
記載の耐ピンホール性袋用積層フィルム。 - 【請求項６】 １１０℃における静摩擦係数が１．０以
下であるポリオレフィン系フィルムからなる保護層が、
線状低密度ポリエチレン層であることを特徴とする請求
項４記載の耐ピンホール性袋用積層フィルム。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15552695A JPH08323937A (ja) | 1995-05-31 | 1995-05-31 | 耐ピンホール性袋用積層フィルム |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15552695A JPH08323937A (ja) | 1995-05-31 | 1995-05-31 | 耐ピンホール性袋用積層フィルム |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08323937A true JPH08323937A (ja) | 1996-12-10 |
Family
ID=15608002
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15552695A Pending JPH08323937A (ja) | 1995-05-31 | 1995-05-31 | 耐ピンホール性袋用積層フィルム |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08323937A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2005289441A (ja) * | 2004-03-31 | 2005-10-20 | Shin Etsu Polymer Co Ltd | エア緩衝材 |
| US7133634B2 (en) * | 2003-07-18 | 2006-11-07 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Circulating body and fixing device |
| CN100453415C (zh) * | 2002-05-15 | 2009-01-21 | 京洛株式会社 | 多重袋及其生产方法以及制袋充填用多重袋 |
| JP2012091348A (ja) * | 2010-10-25 | 2012-05-17 | Toppan Printing Co Ltd | 積層樹脂フィルム |
-
1995
- 1995-05-31 JP JP15552695A patent/JPH08323937A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN100453415C (zh) * | 2002-05-15 | 2009-01-21 | 京洛株式会社 | 多重袋及其生产方法以及制袋充填用多重袋 |
| US7133634B2 (en) * | 2003-07-18 | 2006-11-07 | Fuji Xerox Co., Ltd. | Circulating body and fixing device |
| JP2005289441A (ja) * | 2004-03-31 | 2005-10-20 | Shin Etsu Polymer Co Ltd | エア緩衝材 |
| JP2012091348A (ja) * | 2010-10-25 | 2012-05-17 | Toppan Printing Co Ltd | 積層樹脂フィルム |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| EP3426491B1 (en) | Multilayer film for vacuum skin packaging, method of packaging and packages obtained therewith | |
| US5911665A (en) | Fatigue crack resistant liquid packaging pouch | |
| US3274004A (en) | Laminated food package | |
| RU2581085C2 (ru) | Отделяемый герметизирующий материал для упаковки, содержащий смеси наполненных термопластов | |
| BR112018068696B1 (pt) | Película termoplástica para embalagem de filme a vácuo, método de embalagem e uso do mesmo | |
| US20120207954A1 (en) | Laminate for packaging hygroscopic materials, pouches made therefrom, and method for manufacturing same | |
| JPH054645A (ja) | 食品包装用積層袋 | |
| JP2005524549A (ja) | 飲料を包装するための障壁層構造体 | |
| US11254113B2 (en) | Laminated resin film | |
| JP4892874B2 (ja) | 口栓付き自立性パウチ | |
| JPH08323937A (ja) | 耐ピンホール性袋用積層フィルム | |
| JP2013049438A (ja) | 包装袋 | |
| JP5098497B2 (ja) | 複合容器 | |
| JPWO2004011252A1 (ja) | 積層包装材料及び包装袋 | |
| JP3305897B2 (ja) | 液体紙容器 | |
| WO2023203039A1 (en) | Multilayer film for vacuum skin packaging, method of packaging and packages obtained therewith | |
| EP3829867A1 (en) | Super-hydrophobic thermoplastic films for packaging | |
| JP7331473B2 (ja) | シーラント層形成用樹脂組成物、並びに、それを用いたシーラントフィルム、積層フィルム及び包装材 | |
| CA2731809A1 (en) | Laminate for packaging hygroscopic materials, pouches made therefrom, and method for manufacturing same | |
| JP7326909B2 (ja) | 撥液性積層体及び包装材 | |
| JP7334068B2 (ja) | 包装用フィルムおよび包装体 | |
| JPS62101435A (ja) | 断熱板用複合包装材料 | |
| JP2024028449A (ja) | 包装用フィルムおよび包装体 | |
| JP2002052660A (ja) | 包装材 | |
| JP3908318B2 (ja) | 積層材およびそれを使用した包装用容器 |
Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040113 |
|
| A521 | Written amendment |
Effective date: 20040304 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20040330 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
| A521 | Written amendment |
Effective date: 20040507 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20040608 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |