JPH08323699A - プラズマ表面加工方法及びその装置 - Google Patents

プラズマ表面加工方法及びその装置

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JPH08323699A
JPH08323699A JP13524795A JP13524795A JPH08323699A JP H08323699 A JPH08323699 A JP H08323699A JP 13524795 A JP13524795 A JP 13524795A JP 13524795 A JP13524795 A JP 13524795A JP H08323699 A JPH08323699 A JP H08323699A
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JP
Japan
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workpiece
plasma
reaction gas
processing head
processing
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Application number
JP13524795A
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English (en)
Inventor
Hideo Saito
日出夫 齊藤
Yoshinori Miyano
好徳 宮野
Hiromi Nishihara
浩巳 西原
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Shibaura Machine Co Ltd
Original Assignee
Toshiba Machine Co Ltd
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Publication date
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  • Perforating, Stamping-Out Or Severing By Means Other Than Cutting (AREA)
  • ing And Chemical Polishing (AREA)
  • Drying Of Semiconductors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】被加工物表面の物理的ダメージ及び異物による
汚染を最小限に抑え、且つ表面形状の創成に適したプラ
ズマ表面加工方法とその装置を提供することを目的とす
る。 【構成】被加工物を構成する原子及び分子のいずれか一
方と反応して生成される揮発性化合物を気化させるプラ
ズマ化された反応ガスを用いた表面加工装置において、
反応ガスをプラズマ化するプラズマ生成室と、被加工物
に対向して配置され、プラズマ生成室から供給されたプ
ラズマ化された反応ガスを被加工物に噴射する加工ヘッ
ドと、反応で生成される揮発性化合物を排気する排気口
を有し、加工ヘッド及び被加工物を収容するための反応
容器とを有するプラズマ表面加工装置を用いて、加工ヘ
ッドから噴射されるガスが、加工ヘッドと被加工物との
間隙を平行且つ等方的に流れるように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、プラズマ表面加工方
法及びその装置に係り、例えば、半導体、金属、ガラ
ス、セラミック等からなる各種部品の表面平滑化加工、
平面や球面などの曲面の仕上げ加工のための加工方法及
びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体基板、ガラス基板などの各
種基板や、射出成形用或いはプレス加工用の金型の表面
仕上げ加工には、機械的研磨法や、研磨剤を含むスラリ
ーや電解液を用いた化学的或いは電気化学的作用を伴う
研磨法が用いられている。しかし、このような加工法で
は、原理的に機械的接触や物理的除去作用が伴うため被
加工面の表面に微小な傷、クラック、歪などが発生し易
く、且つ、被加工物に加わる力が比較的大きいために、
加工後にそりが発生するなどの問題が生じる。また、こ
のような物理的作用や加工力の影響を極力抑えるため
に、化学的作用を主体に加工する方法もあるが、この場
合、加工速度が極度に低下するため加工時間が長くなる
欠点がある。
【0003】これに対して、プラズマ中の活性粒子を利
用したプラズマ加工方法が提案されている。例えば、特
開平1-125829号、第43回周波数制御シンポジウム(43r
d Annual Symposium on Frequency Control):米国電気
電子学会(1989).P623 に記載されているプラズマ加工方
法の特徴は、比較的高圧力下においてプラズマを生成し
ていることであり、これにより1)プラズマ中のイオ
ン、電子などの荷電粒子の運動エネルギーを小さく抑
え、被加工物表面への物理的ダメージを回避できる、
2)プラズマ中の活性粒子密度を大きくすることがで
き、加工時間を短縮できる、などの効果が述べられてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようなプ
ラズマ加工方法においても、以下のような問題を有して
いる。第1に、被加工面に対向して、或いは被加工面の
近傍にプラズマ生成用の放電電極が配置され、荷電粒子
の影響が残存する。このため、被加工物表面上にピット
などの荒れが生じる。また、第2に、この荷電粒子を完
全に除去できたとしても、被加工物表面の材質によって
はプラズマ中の荷電粒子と反応しやすいものもある。例
えば、菅野:半導体プラズマプロセス技術(産業図書)
.P33 によれば、フッ素(F) 系反応ガスを用いたシリコ
ン(Si)系素材の加工の場合、シリコンは電気的に中性で
あるフッ素ラジカルと反応するが、シリコン酸化物(SiO
2 )は、フッ素ラジカルとの反応性は乏しく、むしろ荷
電粒子であるフッ素イオンとの反応性が大きいことが知
られている。このように、被加工物の材質が制限される
問題が生じる。第3に、荷電粒子の電磁気的作用による
運動を抑制したプラズマ加工では、一般に、加工領域の
限定や加工方向の制御は不可能となる。このため、被加
工物の平坦度や表面粗さなどの表面形状は劣化すること
が多い。さらに、第4に、プラズマ生成用の放電電極の
形状や、この電極と被加工物との位置関係がプラズマ生
成条件に影響を与える。このため、プラズマ生成条件と
加工に適した反応ガス条件が必ずしも一致するとは限ら
ないため、調整が不可欠である。
【0005】また、特開平3-36724 号によれば、被加工
物である半導体基板表面に対して平行に反応ガスを流し
てエッチングするエッチング装置が記載されている。す
なわち、この装置は、一度エッチングにより飛散された
パーティクルが再度半導体基板表面に付着しないよう
に、基板を設置した電極間に基板と平行な層流状態のガ
スを流すことを特徴としている。しかし、この装置で
は、基板上を横切るガスの流れ方向の長さが基板の中央
部と周辺部とで異なり、被加工物表面の加工の均一性に
ついては考慮されていない。
【0006】さらに、特開平4-246184号によれば、中性
ラジカルを含む雰囲気気体を噴出口から被加工物表面に
供給して加工する方法が記載されている。しかし、被加
工物表面の近傍にプラズマ生成用の放電電極が配置され
ているため、荷電粒子の影響が残存する。また、噴出口
を含む加工電極を雰囲気気体圧力の動圧により浮上さ
せ、反応ガスの供給圧で加工電極と被加工物とのギャッ
プを調整する例が示されているが、ここでは、ガスの流
れと被加工面との関係については触れられていない。
【0007】そこで、この発明は、上述したような事情
に鑑み成されたものであって、その目的は、被加工物表
面の物理的ダメージ及び異物による汚染を最小限に抑
え、且つ、表面形状の創成に適したプラズマ表面加工方
法とその装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記問題点
に基づきなされたもので、被加工物を構成する原子及び
分子のいずれか一方と反応し、この反応で生成される揮
発性化合物を気化させるためのプラズマ化した反応ガス
を生成するプラズマ生成室と、被加工物に対向して配置
され、前記プラズマ生成室でプラズマ化された反応ガス
を被加工物に噴射する加工ヘッドと、この加工ヘッド及
び被加工物を収容する反応容器とを有する加工装置にお
いて、前記加工ヘッドから噴射されるガスが、前記加工
ヘッドと被加工物との間隙を平行且つ等方的に流れるこ
とを特徴とするプラズマ表面加工方法を提供するもので
ある。
【0009】また、この発明によれば、反応容器内の雰
囲気圧力とプラズマ化された反応ガスの供給圧力との差
圧により加工ヘッドを浮上させて加工ヘッドと被加工物
との間隙を平行にし、且つ前記反応ガスを等方的に流す
プラズマ表面加工方法が提供される。
【0010】さらに、この発明によれば、被加工物を構
成する原子及び分子のいずれか一方と反応して生成され
る揮発性化合物を気化させるためのプラズマ化した反応
ガスを生成するプラズマ生成室と、被加工物に対向して
配置され、前記プラズマ生成室から供給されたプラズマ
化された反応ガスを前記被加工物に噴射する加工ヘッド
と、前記加工ヘッド及び前記被加工物を収容する反応容
器と、からなり、前記加工ヘッドは、反応ガスの供給口
と、この供給口の周囲に設けられた被加工物対向面とを
有し、この被加工物対向面は被加工物との間に一様な間
隙を形成するように形成されているプラズマ表面加工装
置が提供される。
【0011】
【作用】この発明によれば、加工ヘッドから噴射される
プラズマ化された反応ガスは、加工ヘッドと被加工物と
の間隙を平行且つ等方的に流れるため、被加工物の表面
形状の創成に適し、また、この反応ガスの流れにより、
被加工物を構成する原子又は分子との反応で生成される
揮発性化合物を加工ヘッドと被加工物との間の加工進行
部から速やかに排気できるため、加工効率を向上させる
ことができる。また、被加工物の加工が化学的作用を主
体に進行し、ガスの流れが加工面に対して平行であるた
め、被加工物表面に与える物理的ダメージを最小限に抑
えることができる。さらに、プラズマ化された反応ガス
を利用して加工するため、研磨材や研磨液による表面汚
染がなく、且つこの反応で生成される化合物が速やかに
加工進行部から排気されるため、この化合物による表面
汚染も最小限に止めることができる。またさらに、加工
ヘッドとプラズマ生成室とが分離され、プラズマ生成室
が被加工物から離れた位置に配置されるため、荷電粒子
の影響による加工物表面の劣化が抑制される。また、プ
ラズマ生成条件は、通常、プラズマ生成方式や生成部の
形状に影響されるが、加工ヘッドとプラズマ生成室とを
分離することにより、加工ヘッドの形式、形状によら
ず、プラズマ生成条件を決定することが可能となり、反
応ガスの組成、流量、圧力などを加工に適した条件とす
ることができる。例えば、高周波(RF)放電方式によ
るプラズマ生成の場合、加工ヘッドの形状を考慮した整
合状態の調整が不要となる。
【0012】また、この発明のプラズマ表面加工装置に
は、以下のような機能が付加できる。即ち、反応容器の
内部の雰囲気圧力を調整する圧力調整手段を備えること
により、加工に適した反応ガスの流量、流速、又は加工
ヘッドへの供給圧を任意に設定できる。また、反応ガス
の供給圧と雰囲気圧力との差圧を利用して加工ヘッドを
浮上させることにより、加工ヘッドと被加工物との接触
が防止され、また、電極が加工前の被加工物表面に倣っ
て浮上して加工が進行するため、形状精度の劣化を防止
できる。
【0013】また、加工ヘッドと被加工物とを相対的に
移動させる移動機構を備えることにより、加工量、即ち
プラズマ化された反応ガスと反応して除去される被加工
物表面の除去量の平均化が可能となり、加工精度をさら
に向上させることができる。また、大面積の平面加工や
多数の加工物の一括処理への対応も可能となる。
【0014】さらに、プラズマ生成室でプラズマ化され
た反応ガスを加工ヘッドに供給するためのガスの流路中
に荷電粒子を捕捉するための電気的フィルタ、或いは電
子を放出する電子付与手段を備えることにより、反応ガ
ス成分を被加工物の材質に適したイオン・ラジカル組成
とすることができる。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の実施例につ
いて詳細に説明する。図1は、この発明のプラズマ加工
方法を実現する加工装置の構成を示す断面図である。図
2は、図1に示されている加工装置に適用される加工ヘ
ッドの一例を示す図である。
【0016】図1に示すように、加工装置は、後述する
反応ガス注入用の供給管34を嵌着するための注入口2
1、及び被加工物9の表面に作用した反応ガスを排気す
るための排気口22を有する反応容器2、注入された反
応ガスをプラズマ化するプラズマ生成室3、プラズマ化
された反応ガスを被加工物9に供給するための供給口を
有する加工ヘッド1、並びに被加工物9を載置するステ
ージ4を有する。
【0017】反応容器2の注入口21には、反応ガス供
給部から導かれた反応ガスをプラズマ生成室3内に供給
する供給管34が、例えば溶接などによって固着されて
いる。供給管34の先端は、プラズマ生成室3に接続さ
れている。このプラズマ生成室3の周囲は、コイル電極
32で包囲され、コイル電極32には反応容器2の外部
に設置された高周波電源(RF電源)31が接続されて
いる。なお、この実施例では、プラズマを生成するため
に、高周波電源(RF電源)31及びコイル電極32に
よるRF放電方式が利用されているが、他の方法でプラ
ズマが生成されても良い。プラズマ生成室3は、連結管
35を介して加工ヘッド1に接続されている。この加工
ヘッド1は、その下面が反応容器2の下方に配置された
ステージ4上に載置される被加工物9に対して一様の間
隙を形成するように、被加工物9に対向して設置され
る。また、この加工ヘッド1は、例えば円板状の形状に
形成され、その円形の被加工物対向面の中心部に供給口
11が設けられている。
【0018】このような加工装置において、供給部から
供給された反応ガスは、供給管34によってプラズマ生
成室3に導かれる。このプラズマ生成室3で反応ガス
は、プラズマ化される。この反応ガスは、連結管35を
介して加工ヘッド1に供給され、供給口11から被加工
物9に向けて噴射される。図1及び図2に示すように、
供給口11から噴射された反応ガスは、加工ヘッド1と
被加工物9によって形成される間隙12を加工ヘッド1
の外周部に向かって放射状に流れる。この間隙12にお
いて、反応ガスと被加工物9表面の原子又は分子とが反
応して、被加工物9の加工が進行する。このとき、反応
ガスは、被加工物9の表面に対して平行、且つ、均一な
放射状の流れとなり、さらに加工に適した速度を与えら
れる。
【0019】このため、被加工物表面を均一に平滑化す
ることが可能となると同時に、反応後の生成物が速やか
に加工ヘッド1と被加工物9との間の加工進行部から排
気されるので、加工能率を向上させることができ、且
つ、反応生成物による被加工物9表面の汚染を防止する
ことが可能となる。さらに、プラズマ生成室3と加工ヘ
ッド1とが分離され、且つコイル電極32を有するプラ
ズマ生成室3が被加工物9から離れた位置に配置されて
いるため、荷電粒子が被加工物9に与えるダメージを防
止できる。
【0020】次に、被加工物9が載置されるステージ4
の変形例について説明する。すなわち、図3に示すよう
な直交するX、Yの2軸方向に移動可能なステージ4a
が反応容器2の下方に設けられる。このステージ4aに
被加工物9を載置して加工する場合、加工範囲は、加工
ヘッド1の大きさに制限されることなくステージ4aの
可動範囲まで広げることができる。つまり、加工ヘッド
1と可動ステージ4aに載置された被加工物9との相対
運動により加工範囲を自在に変化させることができる。
また、加工ヘッド1による加工量は、供給口11を中心
とする同心円の円周上で等量となるが、半径方向につい
ては被加工物と反応ガスの反応速度、反応ガスの流速及
び圧力により多少の差が生じる場合がある。しかし、図
3に示すように、被加工物9を加工ヘッド1に対して相
対的に移動させることにより被加工物9の加工量が平均
化され、さらに精度良く加工できる。なお、図3では、
被加工物9に対して直交2軸方向への運動を与えるステ
ージ構成としているが、加工ヘッド1と被加工物9との
相対運動を実現できる構成であれば、双方に付与する運
動形式、運動方向、又は運動軸数は、加工ヘッド及び被
加工物の形状や大きさを考慮し、適切な組み合わせとし
ても良い。
【0021】また、図4に示すような駆動機構が利用さ
れても良い。すなわち、この駆動機構は、被加工物9を
載置してZ軸を中心に回転する回転機構4b、及び加工
ヘッド1にZ軸方向、及びZ軸を中心とした旋回運動を
与える2軸制御運動機構4cを有する。被加工物9の加
工面が円形状の場合に、回転機構4bを回転させながら
加工ヘッド1により被加工物9を加工するため、被加工
物9の表面が精度良く平滑化できる。
【0022】また、図3、及び図4に示した実施例にお
いて、反応ガスの供給圧力と雰囲気圧力との差圧により
加工ヘッド1を浮上させることも可能である。この場
合、加工ヘッド1は、被加工物9の初期の平坦度に倣っ
て相対運動することとなるので、平坦度の劣化を生起す
ることなく平滑化が可能となる。また、加工ヘッド1と
被加工物9との接触を防止することができ、接触痕など
の被加工物表面へのダメージを回避することが可能であ
る。なお、加工ヘッド1は、気体静圧軸受に相当する働
きを持つこととなるので、浮上量や浮上安定性などを気
体静圧軸受の設計計算により推定することが可能であ
る。
【0023】なお、説明を明確にするため、図3及び図
4において反応容器2、プラズマ生成室3は図示してい
ないが、図1と同様の構成である。次に、図1に示した
加工装置において、反応容器2内部の圧力を制御する場
合について説明する。
【0024】すなわち、図5に示すように、反応容器2
に圧力計51が接続されると共に、圧力制御装置5が設
けられ、この圧力制御装置5からの信号に基づいて開度
が調整されるバルブ52が排気口22に設置されてい
る。圧力計51で計測される反応容器2内部の圧力は、
電気信号に変換されて圧力制御装置5に入力される。圧
力計51で計測された反応容器2内部の圧力に応じて、
圧力制御装置5では、反応容器2の内部が所定の圧力設
定値となるように、バルブ52にバルブ開度を調整する
信号を供給する。このように、反応容器2内部の圧力に
応じてバルブ52のバルブ開度を制御することにより、
反応容器2の内部圧力が調整される。
【0025】また、図6に反応容器2内部の圧力を制御
する別の方法を示す。すなわち、反応ガス供給部53及
び反応容器2には、反応ガス供給部53からの供給圧
力、及び反応容器2内部の圧力をそれぞれ計測する圧力
計51a、51bが接続されている。これらの圧力計5
1a及び51bで計測された圧力信号の差が圧力制御装
置5に入力される。圧力制御装置5では、圧力計51
a、51bで計測された圧力の差圧を検出して、所定の
差圧設定値となるように、バルブ52にバルブ開度を調
整する信号を供給する。このように、反応ガス供給部5
3の供給圧力、及び反応容器2内部の圧力の差圧に応じ
てバルブ52のバルブ開度を制御することにより、反応
容器2の内部圧力が調整される。
【0026】図1に示した加工ヘッド1と被加工物9と
の間隙12を流れる反応ガスの流量や流速は、主に、反
応ガスの供給圧力と反応容器2内部の雰囲気圧力との差
圧により決定される。したがって、図5及び図6に示し
たように、反応容器2の内部の圧力を調整可能とするこ
とで、反応ガスの供給圧力も調整することが可能となる
ためプラズマ生成室3内をプラズマ生成に適したガス圧
力とすることができる。
【0027】次に、プラズマ生成室3の変形例について
説明する。すなわち、図7に示すように、プラズマ生成
室3と加工ヘッド1との間のガスの流路の途中にメッシ
ュ電極61からなる電気的フィルタ6が設置される。こ
の実施例ではプラズマ生成室3のプラズマ化された反応
ガスが放出される側に電気的フィルタ6が設置される。
メッシュ電極61に直流電源62を用いて電位を与える
ことにより、メッシュ電極61の電位と同符号の電荷を
有する粒子は電気的反発力によりこのメッシュ電極61
を通過できない。また、逆符号の電荷を有する粒子は、
メッシュ電極61に吸い寄せられて除去されるか、又は
電荷を失うため、加工ヘッド1には、電気的に中性な粒
子のみが到達することになる。したがって、例えばフッ
素系反応ガスを用いてシリコンをエッチングする場合の
ように、電気的に中性である粒子のみを用いて加工を行
う場合、プラズマ化した反応ガス中の荷電粒子の加工ヘ
ッドへの流出が防止され、荷電粒子によるチャージアッ
プやイオン粒子の電気的運動によるスパッタリングの現
象を回避できる。なお、荷電粒子の除去効果を高めるた
め、或いは正負の電位をそれぞれ与えるために、複数の
メッシュ電極61が設置されても良い。また、フィルタ
ーとしての作用を持つものであれば、この電極の形状
は、メッシュ状に限らず、フィン状、円筒状、ブラシ
状、多孔質状などとしても良い。さらに、メッシュ電極
61に0Vの一定電位を与える場合には、直流電源62
に代えてアース線を接続しても良い。
【0028】また、図8には、プラズマ生成室3の他の
変形例が示されている。すなわち、プラズマ生成室3と
加工ヘッド1との間のガスの流路の途中にヒータ72を
用いたカソード電極71からなる電子付与手段7が設置
されている。この実施例ではプラズマ生成室3のプラズ
マ化された反応ガスが放出される側に電子付与手段7が
設置されている。この電子付与手段7により、プラズマ
化した反応ガス中の負イオン粒子密度を増大させて、こ
の反応ガスを加工ヘッド1に供給する。例えば、フッ
素、塩素などのハロゲン系反応ガスによるエッチング加
工の場合、ハロゲン系粒子は電気陰性度が大きいため、
カソード電極71から放出された電子を捕捉して負イオ
ンになりやすい。従って、フッ素系反応ガスを用いてシ
リコン酸化物(SiO2 ) をエッチングする場合のように、
負イオンを主体に加工が進行する反応において、加工効
率を向上させることができる。なお、図8に示した実施
例では、ヒータ72を用いたカソード電極71からの熱
電子放出により反応ガスに電子を付与しているが、この
方法以外にも、電子銃や、光電効果を利用した構成とし
ても良い。
【0029】さらに、図1に示した実施例では、プラズ
マ生成室3を反応容器2の内部に設置したが、図9に示
すように、プラズマ生成室3を反応容器2の外部に設置
しても良い。プラズマ生成室3を反応容器2の外部に設
置することにより、プラズマの生成に伴って発生される
熱や電磁気などが加工の際に与える影響を防止でき、加
工特性を向上させることができる。また、反応容器2の
内容積を最小限に抑えることができる。さらに、被加工
物の設置や取出しの際の反応容器開閉動作に伴うガス置
換工程の時間を短縮することも可能となる。
【0030】なお、以上の実施例では、図1に示したよ
うに、加工ヘッド1の形状を円板状としたが、加工ヘッ
ドは被加工物に平行で均一性の高い反応ガスの流れを実
現する形状であれば、他の形状でもよい。また、供給口
部分にポケットを設けても良い。以下に、各種形状の加
工ヘッドの例を示す。
【0031】図10は、供給口11部分にポケット13
を設けた加工ヘッド1の断面図である。このような構造
の加工ヘッド1は、加工ヘッド1を浮上させる場合に、
静圧軸受と同様に、浮上性能を向上させることができ
る。
【0032】図11は、加工ヘッド1の外周に対して同
心円の円周上に複数の供給口11を設け、且つリング状
のポケット13を設けた加工ヘッド1の断面図である。
図12は、この加工ヘッド1の底面を示す図である。こ
の様な構造の加工ヘッド1は、例えば中心部に穴のある
円形状の被加工物9の平滑化に最適である。
【0033】図13は、平板の一側面を利用した加工ヘ
ッド15を示す半断面図である。この加工ヘッド15
は、被加工物9に対向する面に複数の供給口11を有す
る。この複数の供給口11は、一直線上に配置されてい
る。この供給口11から噴射される反応ガスは、供給口
11を中心に被加工物9に対して放射状に均一に流れ
る。このように、反応ガスが複数の供給口11から放射
状、且つ均一に流れることで広範囲の加工に最適であ
る。
【0034】図14は、図13に示した加工ヘッドの供
給口にポケットを設けた加工ヘッドを示す横断面図であ
る。図15は、この加工ヘッドの底面を示す図である。
図15に示すように、加工ヘッド15の底面にポケット
部13が設けられ、このポケット部13に複数の供給口
11が直線状に配置されている。このような構造の加工
ヘッド15は、ポケット13部の圧力が均一に分布する
ため、さらに反応ガスの流れの均一性を向上させること
ができる。
【0035】図16は、図13に示した加工ヘッドの姿
勢を被加工物に対して傾けた加工ヘッドを示す横断面図
である。この例では、傾斜により、図16において左方
への反応ガスの流出量が右方への流出量より大きくなる
ため、加工ヘッド15と被加工物9を相対的に移動させ
ることにより、加工量を平均化することが好ましい。な
お、この実施例では、傾斜により反応ガスの流れの抵抗
が小さくなるため、大流量の反応ガス供給が可能とな
り、加工時間が短縮される。
【0036】上述したように、この発明によれば、被加
工物表面の物理的ダメージ及び異物による汚染を最小限
に抑え、且つ表面形状の創成に適したプラズマ表面加工
方法とその装置が提供される。
【0037】なお、前述した実施例では、平面形状の表
面加工を例にとって説明したが、本発明は、加工ヘッド
の被加工物対向面の形状を変えることにより、球面など
の曲面の加工にも適用可能である。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、加工ヘッドから噴射されるプラズマ化された反応ガ
スは、加工ヘッドと被加工物との間隙を平行且つ等方的
に流れるため、被加工物の表面形状の創成に適し、ま
た、この反応ガスの流れにより、被加工物を構成する原
子又は分子との反応で生成される揮発性化合物を速やか
に加工進行部から排気できるため、加工効率を向上させ
ることができる。また、被加工物表面に与える物理的ダ
メージを最小限に抑えることができる。
【0039】また、加工ヘッドと被加工物とを相対的に
移動させる移動機構を備えることにより、加工量、即ち
プラズマ化された反応ガスと反応して除去される被加工
物表面の除去量の平均化が可能となり、加工精度をさら
に向上させることができる。また、大面積の表面加工や
多数の加工物の一括処理への対応も可能となる。
【0040】さらに、プラズマ生成室でプラズマ化され
た反応ガスを加工ヘッドに供給するためのガスの流路中
に荷電粒子を捕捉するための電気的フィルタ、或いは電
子を放出する電子付与手段を備えることにより、反応ガ
ス成分を被加工物の材質に適したイオン・ラジカル組成
とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のプラズマ表面加工方法を実現するた
めの加工装置を概略的に示す断面図である。
【図2】この発明の実施例で利用される加工ヘッドの一
例を示す図である。
【図3】この発明の実施例で利用されるステージの変形
例を概略的に示す斜視図である。
【図4】この発明の実施例で利用されるステージの変形
例を概略的に示す斜視図である。
【図5】この発明の加工装置の反応容器内を圧力制御す
るためのブロック図である。
【図6】この発明の加工装置の反応容器内を圧力制御す
るための変形例を示すブロック図である。
【図7】この発明の実施例で利用されるプラズマ生成室
の変形例を概略的に示す断面図である。
【図8】この発明の実施例で利用されるプラズマ生成室
の変形例を概略的に示す断面図である。
【図9】プラズマ生成室を反応容器の外部に設置した図
1の加工装置の変形例を概略的に示す断面図である。
【図10】この発明の実施例で利用される加工ヘッドの
変形例を概略的に示す断面図である。
【図11】この発明の実施例で利用される加工ヘッドの
変形例を概略的に示す断面図である。
【図12】図11に示した加工ヘッドの底面を示す図で
ある。
【図13】この発明の実施例で利用される加工ヘッドの
変形例を概略的に示す半断面図である。
【図14】この発明の実施例で利用される加工ヘッドの
変形例を概略的に示す横断面図である。
【図15】図14に示した加工ヘッドの底面を示す図で
ある。
【図16】この発明の実施例で利用される加工ヘッドの
変形例を概略的に示す横断面図である。
【符号の説明】 1…加工ヘッド 2…反応容器 3…プラズマ生成室 4…ステージ 5…圧力制御装置 6…電気的フィル
タ 7…電子付与手段 9…被加工物 11…供給口 13…ポケット 15…加工ヘッド 16…加工ヘッド 21…注入口 22…排気口 31…電源 32…コイル電極 34…供給管 35…連結管 51…圧力計 52…バルブ 53…反応ガス供給部 61…メッシュ電
極 62…直流電源 71…カソード電
極 72…ヒータ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被加工物を構成する原子及び分子のいずれ
    か一方と反応し、この反応で生成される揮発性化合物を
    気化させるためのプラズマ化した反応ガスを生成するプ
    ラズマ生成室と、被加工物に対向して配置され、前記プ
    ラズマ生成室でプラズマ化された反応ガスを被加工物に
    噴射する加工ヘッドと、この加工ヘッド及び被加工物を
    収容する反応容器とを有する加工装置において、 前記加工ヘッドから噴射されるガスが、前記加工ヘッド
    と被加工物との間隙を平行且つ等方的に流れることを特
    徴とするプラズマ表面加工方法。
  2. 【請求項2】反応容器内の雰囲気圧力とプラズマ化され
    た反応ガスの供給圧力との差圧により加工ヘッドを浮上
    させて加工ヘッドと被加工物との間隙を平行にし、且つ
    前記反応ガスを等方的に流すことを特徴とする請求項1
    に記載のプラズマ表面加工方法。
  3. 【請求項3】前記プラズマ生成室と加工ヘッドとの間に
    電気的フィルタを設け、プラズマ化された反応ガスに含
    まれる正イオン、負イオン、及び電子のうち少なくとも
    1種類の荷電粒子を除去することを特徴とする請求項1
    又は2に記載のプラズマ表面加工方法。
  4. 【請求項4】前記プラズマ生成室と加工ヘッドとの間に
    電子付与手段を設け、プラズマ化された反応ガスに含ま
    れる負イオンの粒子密度を増大させることを特徴とする
    請求項1又は2に記載のプラズマ表面加工方法。
  5. 【請求項5】被加工物を構成する原子及び分子のいずれ
    か一方と反応して生成される揮発性化合物を気化させる
    ためのプラズマ化した反応ガスを生成するプラズマ生成
    室と、 被加工物に対向して配置され、前記プラズマ生成室から
    供給されたプラズマ化された反応ガスを前記被加工物に
    噴射する加工ヘッドと、 前記加工ヘッド及び前記被加工物を収容する反応容器
    と、からなり、 前記加工ヘッドは、反応ガスの供給口と、この供給口の
    周囲に設けられた被加工物対向面とを有し、この被加工
    物対向面は被加工物との間に一様な間隙を形成するよう
    に形成されていることを特徴とするプラズマ表面加工装
    置。
  6. 【請求項6】前記反応容器内の雰囲気圧力を調整する圧
    力調整手段を有することを特徴とする請求項5に記載の
    プラズマ表面加工装置。
  7. 【請求項7】前記加工ヘッドと被加工物とを相対的に移
    動させる移動機構を有することを特徴とする請求項5又
    は6に記載のプラズマ表面加工装置。
  8. 【請求項8】前記加工ヘッドとプラズマ生成室との間
    に、プラズマ化された反応ガスに含まれる正イオン、負
    イオン、及び電子のうち少なくとも1種類の荷電粒子を
    除去するための電気的フィルタを有することを特徴とす
    る請求項5乃至7のいずれか1つに記載のプラズマ表面
    加工装置。
  9. 【請求項9】前記加工ヘッドとプラズマ生成室との間
    に、プラズマ化された反応ガスに含まれる負イオンの粒
    子密度を増大させるための電子付与手段を有することを
    特徴とする請求項5乃至7のいずれか1つに記載のプラ
    ズマ表面加工装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010521318A (ja) * 2007-02-20 2010-06-24 クォルコム・メムズ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド Memsのエッチングを行うための機器および方法
JP2017183379A (ja) * 2016-03-29 2017-10-05 東京エレクトロン株式会社 プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法

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