JPH0832368A - 電力増幅回路 - Google Patents

電力増幅回路

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JPH0832368A
JPH0832368A JP6164326A JP16432694A JPH0832368A JP H0832368 A JPH0832368 A JP H0832368A JP 6164326 A JP6164326 A JP 6164326A JP 16432694 A JP16432694 A JP 16432694A JP H0832368 A JPH0832368 A JP H0832368A
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voltage
power supply
circuit
power
comparison
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JP6164326A
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English (en)
Inventor
Akio Ozawa
昭夫 小沢
Haruo Hiraoka
晴男 平岡
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Pioneer Corp
Original Assignee
Pioneer Electronic Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 異極性のスイッチング素子を不要として回路
設計上の自由度を向上させ、かつ、スイッチング動作時
の損失が少ない電力増幅回路を提供する。 【構成】 BTL構成のSEPP回路を含む電力増幅部
1と、二つのSEPP回路に仮想基準電位を設定する仮
想基準電位設定回路4と、入力信号SINの全波整流信号
に基準電圧を加算した信号の電圧と、電力増幅部1の一
方のコレクタ端子Tc1の電圧である比較電圧とを比較し
て比較信号Sc を出力する比較回路2と、を備えた電力
増幅回路において、比較回路2が接続されたコレクタ端
子Tc1に接続され、スイッチング出力信号Sswを平滑化
して比較回路2が接続されたコレクタ端子Tc1に出力す
る平滑回路3と、平滑回路3を介して比較回路2が接続
されたコレクタ端子Tc1に一方の端子Ts1が接続され、
スイッチング出力信号Sswを出力するスイッチング素子
6 と、スイッチング素子Q6 の他方の端子Ts2と、比
較回路2が接続されていないコレクタ端子Tc2との間に
一定の電源電圧を印加する電源B0 と、を備えて構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電力増幅回路に関し、
より詳細には、オーディオ製品等の出力回路用として用
いられる電力増幅回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、入力信号電圧を電力増幅して負荷
に印加する電力増幅回路として種々の回路が提案されて
いるが、その中の一つに、入力信号電圧に対応した電源
電圧を電力増幅部に供給するようにした電力増幅回路が
ある。
【0003】このような電力増幅回路の一例を図7に示
す。図7において、A1 は入力信号電圧VINを電圧増幅
する電圧増幅器、A2 は後述の反転入力信号電圧V
IN-INVを電圧増幅する電圧増幅器、Q1 乃至Q4 は二つ
の相補型SEPP(Single Ended Push-Pull)回路の出力
端にスピーカ等の負荷LDを接続したBTL(Balanced
TransformerLess)構成よりなり、A1 及びA2 の出力を
電力増幅する電力増幅トランジスタ、B0 は直流電源、
1 及びD5 は入力信号電圧VINを半波整流するダイオ
ード、D2 及びD6 は、反転入力信号電圧VIN-INVを半
波整流するダイオード、A3 及びA5 は半波整流された
入力信号電圧VINと半波整流された反転入力信号電圧V
IN-INVを加算した信号(入力信号S INを全波整流した信
号)を増幅する電圧増幅器、B1 及びB2 は入力信号電
圧V INに直列接続された基準電圧源、Q5 は電源電圧B
0 をスイッチングするためのpチャネルFET(Field E
ffect Transister) よりなるスイッチング素子、Q6
電源電圧B0 をスイッチングするためのnチャネルFE
Tよりなるスイッチング素子、S1 はコイルL1 及びコ
ンデンサC1 により構成されるスイッチング素子Q5
出力電圧を平滑する平滑回路としてのローパスフィル
タ、S2 はコイルL2 及びコンデンサC2 により構成さ
れるスイッチング素子Q6 の出力電圧を平滑する平滑回
路としてのローパスフィルタ、R1 及びR2 は基準電位
を設定するための抵抗、A7 は入力信号電圧VINを反転
した反転入力信号電圧VIN-INVを得るためのインバータ
である。
【0004】ここで、抵抗R1 及びR2 の抵抗値は通常
等しく設定される。また、COMP1 及びCOMP2
比較回路、AT1 は抵抗R3 及びR4 により構成され、
ローパスフィルタS1 の出力信号を減衰する電圧減衰
器、AT2 は抵抗R5 及びR6 により構成され、ローパ
スフィルタS2 の出力信号を減衰する電圧減衰器であ
る。
【0005】比較回路COMP1 は入力信号SINを全波
整流した信号を電圧増幅器A3 で電圧増幅した信号の電
圧と基準電圧B1 とを加算した絶対値電圧と、ローパス
フィルタS1 の出力を電圧減衰器AT1 で減衰した信号
の電圧とを比較し、その差電圧を出力する。
【0006】比較回路COMP2 は入力信号SINを全波
整流した信号を電圧増幅器A5 で電圧増幅した信号の電
圧と基準電圧B2 とを加算した絶対値電圧と、ローパス
フィルタS2 の出力を電圧減衰器AT2 で減衰した信号
の電圧とを比較し、その差電圧を出力する。
【0007】ここで、電圧増幅器A1 及びA2 の利得A
を、例えば共にA=100とすると、電圧増幅器A3
びA5 の利得BをB=5程度に設定し、同時に電圧減衰
器AT1 及びAT2 の減衰度をB/A(=1/20)に
設定する。
【0008】なお、D4 及びD7 はフライホイールダイ
オードである。さらに、電力増幅トランジスタQ1 及び
2 の信号入力端子であるベース端子には電圧増幅器A
1 の出力が供給され、電力増幅トランジスタQ1 及びQ
3 の電源供給端子であるコレクタ端子にはローパスフィ
ルタS1 による平滑化出力が供給されている。
【0009】また、電力増幅トランジスタQ3 及びQ4
についても、同様にベース端子には電圧増幅器A2 の出
力が供給され、さらに電力増幅トランジスタQ2 及びQ
4 のコレクタ端子にはローパスフィルタS2 による平滑
化出力が供給されている。
【0010】さらに、出力端子である電力増幅トランジ
スタQ1 及びQ2 共通エミッタ端子と電力増幅トランジ
スタQ3 及びQ4 の共通エミッタ端子間に負荷LDが接
続されている。
【0011】以上の電力増幅トランジスタQ1 乃至Q4
により本従来例の回路におけるBTL構成の電力増幅回
路を形成している。次に、以上の構成において、図7
中、上段の構成(電圧増幅器A1 及びA2 、電力増幅ト
ランジスタQ1 乃至Q4 、負荷LD、ダイオードD1
びD2 、電圧増幅器A3 、基準電圧B1 、比較回路CO
MP1 、スイッチング素子Q5 、ローパスフィルタ
1 、電圧減衰器AT1 、電源電圧B0 、抵抗R1 及び
インバータA7 )について、図7及び図8を用いて動作
を説明する。
【0012】図7中、下段の構成の動作については、図
7中上段の構成の動作と同様であるので、細部の説明は
省略する。はじめに、入力信号SINがダイオードD1
半波整流され、これと並行して入力信号電圧VINをイン
バータA7 により反転した反転入力信号電圧VIN-INV
ダイオードD2 で半波整流される。これらの半波整流さ
れた二つの信号は加算され、入力信号SINの全波整流信
号として電圧増幅器A3 に入力されて電圧増幅される。
そして、この出力に基準電圧B1 が加算された出力電圧
1 の絶対値が、ローパスフィルタS1 よりの出力電圧
を電圧減衰器AT1 で減衰した電圧V2 より大きいとき
は、比較回路COMP1 の出力(=“H”レベル)によ
りスイッチング素子Q5 がオンとなる。
【0013】そこで、電源電圧B0 の抵抗R1 により分
圧された電圧(=B0 /2)がスイッチング素子Q5
介してローパスフィルタS1 に供給されることにより平
滑されて電圧減衰器AT1 を介して出力電圧V2 として
比較回路COMP1 に入力される。
【0014】スイッチング素子Q5 がオンしている期間
においてはローパスフィルタS1 の出力電圧はローパス
フィルタS1 の時定数に従って増加するが、電圧減衰器
AT 1 の出力電圧V2 の値が前述の出力電圧V1 の絶対
値より大きくなると比較回路COMP1 の出力(=
“L”レベル)によりスイッチング素子Q5 がオフとな
る。
【0015】すると、ローパスフィルタS1 に電圧(=
0 /2)が印加されなくなり、ローパスフィルタS1
の出力電圧はローパスフィルタS1 の時定数に従っては
低下する。そして、電圧減衰器AT1 を介したこの出力
電圧V2 が前述の出力電圧V 1 の絶対値より小さくなる
と、再度スイッチング素子Q5 がオンとなり、電圧B 0
/2がスイッチング素子Q5 を介してローパスフィルタ
1 に供給される。
【0016】以下、上記の動作が繰り返されることによ
り、比較回路COMP1 、スイッチング素子Q5 、ロー
パスフィルタS1 、電圧減衰器AT1 により構成される
回路により、比較回路COMP1 の二つの入力電圧がほ
ぼ等しくなるように正帰還がかかり、電力増幅トランジ
スタQ1 及びQ3 のコレクタ端子には、図8(a)に示
すような波形の電源電圧Vc2が供給される。
【0017】また、図7中、下段の回路においては、以
上の説明と同様の動作により、電力増幅トランジスタQ
2 及びQ4 のコレクタ端子に対して、図8(a)に示す
ような波形の電源電圧Vc1が供給される。
【0018】以上の図7に示す回路によれば、電力増幅
トランジスタQ1 及びQ3 並びに電力増幅トランジスタ
2 及びQ4 のコレクタ損失Pc が、通常の固定電源
(定電圧電源)によるA級増幅器やB1 級増幅器に比し
て小さくなるため回路全体の発熱を抑制し、効率を向上
させることができる。
【0019】一方、電力増幅トランジスタQ1 乃至Q4
においては、電圧増幅された入力信号電圧VINが電力増
幅トランジスタQ1 及びQ2 のベース端子に印加され、
電圧増幅された反転入力信号電圧VIN-INVが電力増幅ト
ランジスタQ3 及びQ4 のベース端子に印加されてお
り、かつ、電力増幅トランジスタQ1 及びQ2 並びにQ
3 及びQ4 がそれぞれ相補型プッシュプル構成となって
いる。さらに、電力増幅トランジスタQ1 及びQ3 並び
にQ2 及びQ4 のコレクタ端子には、それぞれにローパ
スフィルタS1 及びS2 の出力電圧(Vc2、Vc1)が印
加されている。
【0020】以上の電力増幅トランジスタQ1 乃至Q4
の動作により、入力信号電圧VINが正側信号であるタイ
ミングでは、例えば電力増幅トランジスタQ1 とQ4
オンとなって、負荷LDに正の(図中、左側から右側に
流れる)負荷電流(ローパスフィルタS1 及びS2 の出
力電圧Vc2及びVc1による電流)が流れる。同様に、入
力信号電圧VINが負側信号であるタイミングでは電力増
幅トランジスタQ2 とQ3 がオンとなって、負荷LDに
負の(図中、右側から左側に流れる)負荷電流が流れ
る。
【0021】つまり、図8(a)に示す電力増幅トラン
ジスタQ1 及びQ3 並びに電力増幅トランジスタQ2
びQ4 のコレクタ電圧(Vc2及びVc1)の変化より、電
力増幅トランジスタQ1 及びQ2 の共通エミッタ電圧V
E1及び電力増幅トランジスタQ3 及びQ4 の共通エミッ
タ電圧VE2が図8(a)に符号VE1及びVE2で示すよう
に変化する。
【0022】したがって、負荷LDの両端の印加される
負荷電圧VLDの波形は図8(b)に示す波形となる。こ
こで、VLDの値は共通エミッタ電圧VE1の絶対値と共通
エミッタ電圧VE2の絶対値を加算した値となり、そのピ
ーク値VLD-pは共通エミッタ電圧VE1の絶対値と共通エ
ミッタ電圧VE2の絶対値とが等しいので、共通エミッタ
電圧VE1(又は共通エミッタ電圧VE2)のピーク値の2
倍の値となる。
【0023】以上説明した従来技術の電力増幅回路によ
れば、各電力増幅トランジスタのコレクタ損失Pc を小
さくして発熱を抑制しつつ、入力信号電圧VINの変化に
対応した電源電圧を各電力増幅トランジスタに印加し、
負荷LDに負荷電流を流すことができる。さらに、BT
L構成のSEPP電力増幅回路により高い電圧利用率
(単一のSEPP電力増幅回路に比べて2倍の電圧利用
率)で負荷LDに高電圧を印加し駆動することが可能で
ある。
【0024】なお、従来技術の電力増幅回路の構成は上
述したものに限るものではなく、電力増幅トランジスタ
1 乃至Q4 のそれぞれに個別のスイッチング素子(合
計4個)を設けるようにしたものもある。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来技術の電力増幅回路によれば、極性の異なるスイッ
チング素子(上述の従来技術の電力増幅回路の場合に
は、pチャネルFETスイッチング素子Q5 及びnチャ
ネルFETスイッチング素子Q6 )が必要となるが、電
源電圧を印加可能な異極性のスイッチング素子は限られ
ており、それを使用するためには、回路設計上の自由度
が制限されるという第1の問題点があった。
【0026】さらに、複数のスイッチング素子を使用す
るため、スイッチング素子及びそれを駆動するためのス
イッチング回路において、スイッチング動作時の損失が
大きく、電力増幅回路全体としての損失が大きくなると
いう第2の問題点があった。
【0027】そこで、本発明は上記の問題点に鑑みてな
されたもので、その目的は、発熱を抑制しつつ入力信号
電圧の変化に対応した変化を持つ電源電圧を各電力増幅
トランジスタに印加することができる電力増幅回路にお
いて、異極性のスイッチング素子を不要として回路設計
上の自由度を向上させ、かつ、スイッチング動作時の損
失が少ない電力増幅回路を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】上述の第1及び第2の問
題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、トラ
ンジスタ等により構成される第1プッシュプル増幅回路
の出力端子とトランジスタ等により構成される第2プッ
シュプル増幅回路の出力端子との間にスピーカ等の負荷
が接続され、前記第1プッシュプル増幅回路の高電位側
電源供給端子と前記第2プッシュプル増幅回路の高電位
側電源供給端子が接続されて第1電源供給端子とされ、
前記第1プッシュプル増幅回路の低電位側電源供給端子
と前記第2プッシュプル増幅回路の低電位側電源供給端
子が接続されて第2電源供給端子とされ、前記第1プッ
シュプル増幅回路を構成するトランジスタ等の増幅器の
共通接続された信号入力端子と前記第2プッシュプル増
幅回路を構成するトランジスタ等の増幅器の共通接続さ
れた信号入力端子に互いに逆相の入力信号を入力するこ
とにより前記負荷に流れる電流の方向を制御可能な電力
増幅部と、前記第1電源供給端子と前記第2電源供給端
子との間に接続され、前記第1及び第2プッシュプル増
幅回路に対する仮想基準電位を設定する接続点を接地さ
れた直列抵抗等よりなる仮想基準電位設定回路と、前記
入力信号を全波整流した全波整流入力信号に基準電圧を
加算した信号の電圧と、前記第1電源供給端子と前記第
2電源供給端子の内いずれか一方の端子の電圧である比
較電圧とを比較して比較信号を出力する比較回路と、を
備えた電力増幅回路において、前記第1又は第2電源供
給端子の内、前記比較回路が接続された電源供給端子に
接続され、スイッチング出力信号を平滑化して前記第1
又は第2電源供給端子の内、前記比較回路が接続された
電源供給端子に出力する平滑回路と、前記平滑回路を介
して前記第1又は第2電源供給端子の内、前記比較回路
が接続された電源供給端子に一方の端子が接続され、前
記スイッチング出力信号を出力するFET等より構成さ
れるスイッチング素子と、前記スイッチング素子の他方
の端子と、前記第1又は第2電源供給端子の内、前記比
較回路が接続されていない電源供給端子との間に一定の
電源電圧を印加する電源と、を備え、前記スイッチング
素子は前記比較信号に基づいて前記電源により供給され
る電源電圧を活殺して前記スイッチング出力信号を出力
するように構成される。
【0029】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の電力増幅回路であって、前記第1又は第2電源供給端
子の内、前記比較回路が接続された電源供給端子の電圧
を減衰して減衰比較電圧を出力する抵抗等よりなる電圧
減衰回路と、前記比較電圧に代えて、前記減衰比較電圧
と前記全波整流入力信号に基準電圧を加算した信号の電
圧とを比較して比較信号を出力する比較回路と、を備え
て構成される。
【0030】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
に記載の電力増幅回路であって、前記全波整流入力信号
を電圧増幅する電圧増幅回路を備えて構成される。
【0031】
【作用】はじめに、請求項1に記載の発明の動作を図1
を用いて説明する。請求項1に記載の発明によれば、電
源B0 は、平滑回路3が接続されていないスイッチング
素子の端子Ts2と、第1又は第2電源供給端子(Tc1
c2)の内、比較回路2が接続されていない電源供給端
子Tc2との間に一定の電源電圧を供給する。
【0032】スイッチング素子Q6 は、比較信号Sc
基づいて電源B0 により供給される電源電圧を活殺して
スイッチング出力信号Sswを出力する。平滑回路3は、
スイッチング出力信号Sswを平滑化して第1又は第2電
源供給端子(Tc1、Tc2)の内、比較回路2が接続され
た電源供給端子Tc1に出力する。
【0033】ここで、比較信号Sc は全波整流入力信号
に基準電圧を加算した信号の電圧と、第1又は第2電源
供給端子(Tc1、Tc2)の内、比較回路2が接続されて
いる電源供給端子Tc1の電圧とを比較した結果に対応す
るパルス幅を持つオン/オフ信号となり、それに基いて
スイッチング素子Q6 により活殺された電源電圧が平滑
回路3により平滑化され、第1又は第2電源供給端子
(Tc1、Tc2)の内、比較回路2が接続された電源供給
端子Tc1に供給される。したがって、全波整流入力信号
に基準電圧を加算した信号の電圧と、第1又は第2電源
供給端子(Tc1、Tc2)の内、比較回路2が接続されて
いる電源供給端子Tc1の電圧とが等しくなるように正帰
還がかかることとなり、第1又は第2電源供給端子(T
c1、Tc2)の内、比較回路2が接続されている電源供給
端子Tc1には、全波整流入力信号に対応した波形をもつ
電源電圧が供給されることとなる。
【0034】そして、平滑回路3が接続されていないス
イッチング素子Q6 の端子Ts2と、第1又は第2電源供
給端子(Tc1、Tc2)の内、比較回路2が接続されてい
ない電源供給端子Tc2との間は、常に一定電圧(B0
に保持されており、また、第1電源供給端子Tc1及び第
2電源供給端子Tc2間には仮想基準電位設定回路4によ
り仮想基準電位が設定されていることから、第1又は第
2電源供給端子(Tc1、Tc2)の内、比較回路2が接続
されていない電源供給端子Tc2には、第1又は第2電源
供給端子(Tc1、Tc2)の内、比較回路2が接続されて
いる電源供給端子Tc1の信号に対して符号が逆で絶対値
の等しい信号が供給される。
【0035】よって、単一のスイッチング素子Q6 によ
り第1及び第2電源供給端子(Tc1、Tc2)に従来技術
と同様の波形を持つ電源電圧が供給され、従来技術と同
様の波形を持つ負荷電圧が負荷に印加される。
【0036】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載の作用に加えて、電圧減衰回路は、第1又は第2
電源供給端子の内、比較回路が接続された電源供給端子
の電圧を減衰して減衰比較電圧を出力する。
【0037】比較回路は、比較電圧に代えて、減衰比較
電圧と入力信号を全波整流した全波整流入力信号に基準
電圧を加算した信号の電圧とを比較して比較信号を出力
する。
【0038】よって、比較回路の入力信号の電圧を低く
設定することができるので、高い耐電圧性を有する比較
回路を使用する必要がない。請求項3に記載の発明によ
れば、請求項1又は2に記載の発明の作用に加えて、電
圧増幅回路は、全波整流入力信号を電圧増幅する。
【0039】比較回路は、電圧増幅回路の出力信号に基
準電圧を加算した信号の電圧と、比較電圧又は減衰比較
電圧とを比較して比較信号を出力する。よって、比較回
路の入力信号の電圧を適切な値に増幅することができる
ので、比較回路として微小な電圧変化に対応可能な高精
度のものを使用する必要がない。
【0040】
【実施例】次に、本発明の好適な実施例について、図面
に基づいて説明する。 (I)第1実施例 はじめに、請求項1又は3に記載の発明に対応する第1
の実施例について図2乃至図4を用いて説明する。
【0041】図2は、第1実施例に係わる電力増幅回路
の構成を示している。図2において、A1 は入力信号S
INの電圧VINを電圧増幅する電圧増幅器、A 2 は後述の
反転入力信号SIN-INVの電圧VIN-INVを電圧増幅する電
圧増幅器、Q 1 乃至Q4 はそれぞれ一対のトランジスタ
よりなる二つのSEPP回路の出力端子としてのエミッ
タ端子にスピーカ等の負荷LDを接続したBTL構成よ
りなり、A1 及びA2 の出力を電力増幅する電力増幅ト
ランジスタ、B0 は直流電源、D5 は入力信号電圧VIN
を半波整流するダイオード、D6 は反転入力信号電圧V
IN-INVを半波整流するダイオード、A5 は入力信号SIN
を全波整流した全波整流入力信号を増幅する電圧増幅
器、B2 は入力信号SINに直列接続された基準電圧源、
6 は電源電圧B0 をスイッチングしてスイッチング出
力信号Sswを出力するためのnチャネルFETよりなる
スイッチング素子、S2 はコイルL2 及びコンデンサC
2 よりなり、スイッチング素子Q6 のスイッチング出力
信号Sswを平滑化して電力増幅トランジスタQ2 及びQ
4 の第2電源供給端子としてのコレクタ端子に印加する
ためのローパスフィルタ、D7 はスイッチング素子Q6
がオフのときにローパスフィルタS2 中のコイルL2
電荷によりコンデンサC2 を充電するためのフライホイ
ールダイオード、R1 及びR2 は電力増幅トランジスタ
1 乃至Q4 に対して仮想基準電位を設定するためにそ
の接続点が接地された直列接続抵抗、A7 は入力信号S
INを反転した反転入力信号SIN-INVを得るためのインバ
ータである。
【0042】ここで、抵抗R1 及びR2 の抵抗値は通常
等しく設定される。また、COMP2 は比較器、AT2
は二つの抵抗R5 及びR6 により構成され、ローパスフ
ィルタS2 の出力信号の電圧を減衰する電圧減衰器であ
る。
【0043】比較器COMP2 は全波整流された入力信
号SINを電圧増幅器A5 で電圧増幅した電圧に基準電圧
2 を加算した電圧VICと、ローパスフィルタS2 の出
力電圧(電力増幅トランジスタQ2 及びQ4 のコレクタ
電圧)を電圧減衰器AT2 で減衰した電圧VATとを比較
し、その差電圧を出力する。
【0044】上記の構成において、電圧増幅器A1 及び
2 、電力増幅トランジスタQ1 乃至Q4 、負荷LDに
よりBTL構成の電力増幅部1を構成し、ダイオードD
5 及びD6 、電圧増幅器A5 、基準電圧源B2 、比較器
COMP2 により比較回路2を構成し、ローパスフィル
タS2 、フライホイールダイオードD7 により平滑回路
3を構成し、抵抗R1 及びR2 により仮想基準電位設定
回路4を構成している。
【0045】ここで、電圧増幅器A1 及びA2 の利得A
を、例えば共にA=100とすると、電圧増幅器A5
利得BをB=5程度に設定し、同時に電圧減衰器AT2
の減衰度をB/A(=1/20)に設定する。
【0046】さらに、電力増幅トランジスタQ1 及びQ
2 の信号入力端子であるベース端子には電圧増幅器A1
の出力が供給され、電力増幅トランジスタQ2 及びQ4
の第2電源供給端子であるコレクタ端子Tc1にはローパ
スフィルタS2 による平滑化出力が供給されている。ま
た、電力増幅トランジスタQ3 及びQ4 についても、同
様に、信号入力端子であるベース端子には電圧増幅器A
2 の出力が供給されている。
【0047】次に、図2に示す電力増幅回路の動作を図
2乃至図4を用いて説明する。はじめに、入力信号SIN
がダイオードD5 、インバータA7 及びダイオードD 6
により全波整流され、電圧増幅器A5 に入力されて電圧
増幅される。そして、この出力に基準電圧B2 が加算さ
れた電圧VICが、電力増幅トランジスタQ2 及びQ4
コレクタ電圧Vc1を電圧減衰器AT2 で減衰した電圧V
ATより小さい(VICの絶対値がVATの絶対値より大き
い)ときは、比較器COMP2 の出力Sc(=“H”レ
ベル)によりスイッチング素子Q6 がオンとなる。
【0048】そして、スイッチング素子Q6 がオンとな
ると、電力増幅トランジスタQ2 及びQ4 のコレクタ電
圧Vc1は電圧減衰器AT2 を介して電圧VATとして比較
器COMP2 に入力される。
【0049】ここで、スイッチング素子Q6 がオンして
いる期間においては、スイッチング素子Q6 及びローパ
スフィルタS2 を介して電源電圧B0 が印加されるた
め、電力増幅トランジスタQ2 及びQ4 のコレクタ電圧
c1はローパスフィルタS2 の時定数にしたがって減少
し、電圧VATも減少するが、電圧VATの値が電圧VIC
り小さくなる(電圧VATの絶対値が電圧VICの絶対値よ
り大きくなる)と比較器COMP2 の出力Sc (=
“L”レベル)によりスイッチング素子Q6 がオフとな
る。すると、ローパスフィルタS2 に電源電圧B0 が印
加されなくなり、したがって、電力増幅トランジスタQ
2 及びQ4 のコレクタ電圧Vc1はローパスフィルタS2
の時定数にしたがって増加するが、電圧減衰器AT2
介した電圧VATが電圧VICより大きくなる(電圧VIC
絶対値が電圧VATの絶対値より大きくなる)と、再度ス
イッチング素子Q6 がオンとなり、電源電圧B0 がスイ
ッチング素子Q6 を介してスイッチング出力信号Ssw
してローパスフィルタS2 に供給される。
【0050】以下、上記の動作が繰り返されることによ
り、比較器COMP2 、スイッチング素子Q6 、ローパ
スフィルタS2 、電圧減衰器AT2 により構成される回
路において、比較器COMP2 の二つの入力電圧VIC
びVATがほぼ等しくなるように正帰還がかかる。
【0051】今、図3(a)及び(b)に電圧VIN、V
IC、VAT及びSc の関係並びにこれらとスイッチング素
子Q6 の動作の関係を示す。図3(b)に示すように、
電圧VICが電圧VATより小さい(電圧VICの絶対値が電
圧VATの絶対値より大きい)ときは、Sc (=“H”レ
ベル)によりスイッチング素子Q6 がオンとなり、電圧
ATはローパスフィルタS2 の時定数にしたがって減少
する。また、電圧VICが電圧VATより大きい(電圧VIC
の絶対値が電圧VATの絶対値より小さい)ときは、Sc
(=“L”レベル)によりスイッチング素子Q6 がオフ
となり、電圧VATはローパスフィルタS2 の時定数にし
たがって増加する。
【0052】さらに、図3(b)に示すように、電圧V
ICの絶対値が大きくなるほど電圧V ICの絶対値が電圧V
ATの絶対値より大きい時間が長くなり、電圧VICの絶対
値が電圧VATの絶対値より小さい時間が短くなる。これ
とは逆に、電圧VICの絶対値が小さくなるほど電圧VIC
の絶対値が電圧VATの絶対値より大きい時間が短くな
り、電圧VICの絶対値が電圧VATの絶対値より小さい時
間が長くなる。換言すれば、電圧VICの絶対値が大きく
なるほどスイッチング素子Q6 がオンの時間が長くな
り、オフの時間が短くなる。また、電圧VICの絶対値が
小さくなるほどスイッチング素子Q6 がオンの時間が短
くなり、オフの時間が長くなる。
【0053】以上の比較器COMP2 、スイッチング素
子Q6 、ローパスフィルタS2 、電圧減衰器AT2 によ
り構成される正帰還回路の動作により、電圧VATは図3
(b)に示すような電圧VICに対応した変化を有する信
号となる。
【0054】ここで、電圧VATは、電力増幅トランジス
タQ2 及びQ4 のコレクタ電圧Vc1を電圧減衰器AT2
で減衰させた電圧であるから、コレクタ電圧Vc1の波形
も電圧VATと同様の波形となり、結局、電圧VICに対応
した変化をもつ電源電圧Vc1が電力増幅トランジスタQ
2 及びQ4 のコレクタに端子Tc1に印加されることとな
る。コレクタ端子Tc1の電圧Vc1の波形を図4(a)に
符号Vc1で示す。
【0055】ところで、電源電圧B0 は接地されていな
いので、電力増幅トランジスタQ1及びQ3 のコレクタ
電圧Vc2とスイッチング素子Q6 としてのnチャネルF
ETのソース電圧Vs と電位差は常にB0 に保たれてい
る。また、電力増幅トランジスタQ2 及びQ4 のコレク
タに端子Tc1と電力増幅トランジスタQ1 及びQ3 のコ
レクタ端子Tc2間には接続点が基準電位を与える点とし
て接地された二つの直列抵抗R1 及びR2 が接続されて
おり、直列抵抗R1 及びR2 の値は、 R1 =R2 とされているので、抵抗R2 の両端に電圧が印加された
場合には、抵抗R1 の両端には、この抵抗R2 の両端の
電圧に対して符号が逆で絶対値が等しい電圧が印加され
ることとなる。
【0056】今、抵抗R2 の両端の電圧の変化は、上述
のように電力増幅トランジスタQ2及びQ4 のコレクタ
電圧Vc1の変化であることから、上述の電源電圧B0
び直列抵抗R1 及びR2 の動作により、抵抗R1 にはコ
レクタ電圧Vc1に対して符号が逆で絶対値が等しい電圧
が印加されることとなり、この電圧が、図4(a)に符
号Vc2で示すように、電力増幅トランジスタQ1 及びQ
3 のコレクタ電圧Vc2となる。
【0057】以上説明した正帰還回路、電源電圧B0
び直列抵抗R1 及びR2 の動作により、電力増幅トラン
ジスタQ1 乃至Q4 のコレクタ端子に、図4(a)に示
すコレクタ電圧Vc1及びVc2が印加される。これらのコ
レクタ電圧Vc1及びVc2は、入力信号VINを全波整流し
た信号の波形(VICの波形に対応する。)に対応した波
形となる。一方、電力増幅トランジスタQ1 乃至Q4
おいては、電圧増幅された入力信号電圧VINが電力増幅
トランジスタQ1 及びQ2 のベース端子に印加され、電
圧増幅された反転入力信号電圧VIN-INVが電力増幅トラ
ンジスタQ3 及びQ4 のベース端子に印加されており、
かつ、電力増幅トランジスタQ1 及びQ2 並びにQ 3
びQ4 がそれぞれ相補型プッシュプル構成となってい
る。さらに、電力増幅トランジスタQ1 乃至Q4 に対し
て入力信号電圧VINと同じ基準電位を設定するため、接
続点を接地した二つの抵抗R1 及びR2 が電力増幅トラ
ンジスタQ1 乃至Q4 に並列に接続されている。また、
電力増幅トランジスタQ1 及びQ3 のコレクタ端子Tc2
には上述のコレクタ電圧Vc2が印加され、電力増幅トラ
ンジスタQ2 及びQ4 のコレクタ端子Tc1には、上述の
コレクタ電圧Vc1が印加されている(図4(a)参
照)。
【0058】以上の電力増幅トランジスタQ1 乃至Q4
の動作により、入力信号電圧VINが正側信号であるタイ
ミングでは、例えば電力増幅トランジスタQ1 とQ4
オンとなって、負荷LDに正の(図中右側から左側へ流
れる)負荷電流(コレクタ電圧Vc2及びVc1による電
流)が流れる。同様に、入力信号電圧VINが負側信号で
あるタイミングでは電力増幅トランジスタQ2 とQ3
オンとなって、負荷LDに負の(図中左側から右側へ流
れる)負荷電流が流れる。
【0059】つまり、図4(a)に示す電力増幅トラン
ジスタQ1 及びQ3 並びに電力増幅トランジスタQ2
びQ4 のコレクタ電圧(Vc2及びVc1)の変化より、電
力増幅トランジスタQ1 及びQ2 の共通エミッタ電圧V
E1及び電力増幅トランジスタQ3 及びQ4 の共通エミッ
タ電圧VE2が図4(a)に示すように変化する。
【0060】したがって、負荷LDの両端の印加される
負荷電圧VLDの波形は図4(b)に示す波形となる。こ
こで、VLDの値は共通エミッタ電圧VE1の絶対値と共通
エミッタ電圧VE2の絶対値を加算した値(VLD=|VE1
|+|VE2|)となり、そのピーク値VLD-pは共通エミ
ッタ電圧VE1の絶対値と共通エミッタ電圧VE2の絶対値
とが等しいので、共通エミッタ電圧VE1(又は共通エミ
ッタ電圧VE2)のピーク値の2倍の値となる。
【0061】以上の図2に示す回路によれば、電力増幅
トランジスタQ1 及びQ3 並びに電力増幅トランジスタ
2 及びQ4 のコレクタ損失Pc が、通常の固定電源
(定電圧電源)によるA級増幅器やB1 級増幅器に比し
て小さくなるため回路全体の発熱を抑制し、効率を向上
させることができる。
【0062】さらに、1個のスイッチング素子Q6 で従
来技術の同様の波形を示す電源電圧(コレクタ電圧)を
電力増幅トランジスタQ1 乃至Q4 に印加することがで
き、従来技術と同様の負荷電圧VLDを負荷LDに印加で
きるので、異極性のスイッチング素子を用いる必要がな
く、また、スイッチング時における損失を低減すること
ができる。 (II)第2実施例 次に、請求項1又は2に記載の発明に対応する第2の実
施例について、図5に基づいて説明する。
【0063】図5に示すように、第2実施例は第1実施
例における電圧増幅器A5 を省略したものであり、電圧
減衰器AT2 の減衰度は第1実施例のB/Aに代わり1
/Aとされる。
【0064】その他の構成は第1実施例と同様であるの
で、詳細な説明は省略する。第2実施例においては、比
較器COMP2 においては、入力信号電圧VINを全波整
流した信号に基準電圧B2 が加算された信号の電圧VIC
と、電圧減衰器AT 2 により1/Aに減衰された電圧V
ATとが比較され、電圧VICの絶対値が電圧V ATの絶対値
より大きいとき(|VIC|>|VAT|)にスイッチング
素子Q6 をオンとするような信号Sc (=“H”レベ
ル)が出力される。
【0065】また、電圧VICの絶対値が電圧VATの絶対
値より小さいとき(|VIC|<|V AT|)には、スイッ
チング素子Q6 をオフとするような信号Sc (=“L”
レベル)が出力される。
【0066】以上の動作により、電源電圧B0 の電力増
幅トランジスタQ2 及びQ4 への供給が活殺される。そ
の他の動作については、第1実施例と同様であるので、
細部の説明は省略する。
【0067】以上の第2実施例によれば、比較器の入力
信号の電圧を低く設定することができる。したがって、
第1実施例の効果に加えて、高い耐電圧性を有する比較
器を使用する必要がない。 (III )第3実施例 次に、請求項1又は3に記載の発明に対応する第3の実
施例について、図6に基づいて説明する。
【0068】図6に示すように、第3実施例は第1実施
例における電圧減衰器AT2 を省略したものであり、電
圧増幅器A5 の増幅度は第1実施例のBに代わりA(電
圧増幅器A1 及びA2 と同じ増幅度)とされる。
【0069】その他の構成は第1実施例と同様であるの
で、詳細な説明は省略する。第2実施例においては、比
較器COMP2 において、入力信号電圧VINを全波整流
した信号に基準電圧B2 が加算された信号の電圧V
ICと、電力増幅トランジスタQ2 及びQ4 のコレクタ電
圧Vc2が比較され、電圧VICの絶対値が電圧Vc2の絶対
値より大きいとき(|VIC|>|VAT|)にスイッチン
グ素子Q6 をオンとするような信号Sc (“H”レベ
ル)が出力される。
【0070】また、電圧VICの絶対値が電圧Vc2の絶対
値より小さいとき(|VIC|<|V AT|)には、スイッ
チング素子Q6 をオフとするような信号Sc (“L”レ
ベル)が出力される。
【0071】以上の動作により、電源電圧B0 の電力増
幅トランジスタQ2 及びQ4 への供給が活殺される。そ
の他の動作については、第1実施例と同様であるので、
細部の説明は省略する。
【0072】以上の第3実施例によれば、電圧増幅回路
5 の動作により比較器の入力信号VICの電圧を適切な
値に増幅することができる。したがって、第1実施例の
効果に加えて、比較器として微小な電圧変化に対応可能
な高精度のものを使用する必要がない。 (IV)変形例 以上説明した各実施例においては、スイッチング素子Q
6 及び比較器COMP 2 を含む正帰還回路、平滑回路
3、ダイオードD5 、D6 並びに電圧増幅器A5を電力
増幅トランジスタQ2 及びQ4 側に設けたが、これに限
られるものではなく、上記の各素子を電力増幅トランジ
スタQ1 、Q3 側に設けても同様の効果が得られる。
【0073】また、上記の各実施例においては、スイッ
チング素子Q6 として、nチャネルFETを用いたが、
これに代えて、pチャネルFETを用いても良い。さら
に、上記の各実施例においては、電力増幅部1の構成は
共通エミッタ出力のBTL構成としたが、これに限られ
るものではなく、共通コレクタ出力のBTL構成として
もよい。
【0074】さらにまた、上記の各実施例においては、
電力増幅トランジスタQ1 乃至Q4はバイポーラトラン
ジスタを用いて構成したが、これに限られるものではな
く、FET等の素子を用いて構成してもよい。
【0075】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
発明によれば、第1及び第2電源供給端子に印加する電
源電圧を単一のスイッチング素子により活殺するので、
スイッチング素子を1個とすることができ、異極性のス
イッチング素子が不要となる。
【0076】したがって、回路設計上の自由度が向上す
るとともに、スイッチング動作時の損失を少なくし、電
力増幅回路全体としての損失を低減することができる。
請求項2に記載の発明によれば、電圧減衰回路の動作に
より比較回路の入力信号の電圧を低く設定することがで
きる。
【0077】したがって、請求項1に記載の発明の効果
に加えて、高い耐電圧性を有する比較回路を使用する必
要がなく、回路設計上の自由度が向上するという効果を
奏する。
【0078】請求項3に記載の発明によれば、電圧増幅
回路の動作により比較回路の入力信号の電圧を適切な値
に増幅することができる。したがって、請求項1又は2
に記載の発明の効果に加えて、比較回路として微小な電
圧変化に対応可能な高精度のものを使用する必要がな
く、比較回路の回路設計上の自由度が向上するという効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を説明する図である。
【図2】本発明の第1実施例の電力増幅回路を示す図で
ある。
【図3】本発明の第1実施例の各部の波形(I)を示す
図である。
【図4】本発明の第1実施例の各部の波形(II)を示す
図である。
【図5】本発明の第2実施例の電力増幅回路を示す図で
ある。
【図6】本発明の第3実施例の電力増幅回路を示す図で
ある。
【図7】従来技術の電力増幅回路を示す図である。
【図8】従来技術の電力増幅回路の各部の波形を示す図
である。
【符号の説明】
1…電力増幅部 2…比較回路 3…平滑回路 4…仮想基準電位設定回路 A1 、A2 、A3 、A4 、A5 …電圧増幅器 A7 …反転増幅器(インバータ) B0 …電源電圧 B1 、B2 …基準電圧 C1 、C2 …コンデンサ COMP1 、COMP2 …比較器 D1 、D2 、D3 、D5 …ダイオード D6 、D7 …フライホイールダイオード L1 、L2 …コイル LD…負荷 Q1 、Q2 、Q3 、Q4 …電力増幅トランジスタ Q5 …スイッチング素子(pチャネルFET) Q6 …スイッチング素子(nチャネルFET) R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 …抵抗 S1 、S2 …ローパスフィルタ AT1 、AT2 …電圧減衰器 IN…入力端子 VIN…入力信号電圧 VIN-INV…反転入力信号 VIC、V1 …VINを全波整流した信号の電圧に基準電圧
を重畳した電圧 VAT、V2 …電圧減衰器の出力信号 Vc1…Q1 及びQ3 の共通コレクタ電圧 Vc2…Q2 及びQ4 の共通コレクタ電圧 VE1…Q1 及びQ2 の共通エミッタ電圧 VE2…Q3 及びQ4 の共通エミッタ電圧 VLD…負荷LDの両端の電圧 VLD-p…VLDのピーク値 VS …ソース電圧 Sc …比較器の出力信号 Ssw…スイッチング出力信号 Tc1…Q1 及びQ3 の共通コレクタ端子 Tc2…Q2 及びQ4 の共通コレクタ端子 Ts1、Ts2…スイッチング素子Q6 の端子

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1プッシュプル増幅回路の出力端子と
    第2プッシュプル増幅回路の出力端子との間に負荷が接
    続され、前記第1プッシュプル増幅回路の高電位側電源
    供給端子と前記第2プッシュプル増幅回路の高電位側電
    源供給端子が接続されて第1電源供給端子とされ、前記
    第1プッシュプル増幅回路の低電位側電源供給端子と前
    記第2プッシュプル増幅回路の低電位側電源供給端子が
    接続されて第2電源供給端子とされ、前記第1プッシュ
    プル増幅回路を構成する増幅器の共通接続された信号入
    力端子と前記第2プッシュプル増幅回路を構成する増幅
    器の共通接続された信号入力端子に互いに逆相の入力信
    号を入力することにより前記負荷に流れる電流の方向を
    制御可能な電力増幅部と、前記第1電源供給端子と前記
    第2電源供給端子との間に接続され、前記第1及び第2
    プッシュプル増幅回路に対する仮想基準電位を設定する
    仮想基準電位設定回路と、前記入力信号を全波整流した
    全波整流入力信号に基準電圧を加算した信号の電圧と、
    前記第1電源供給端子と前記第2電源供給端子の内いず
    れか一方の端子の電圧である比較電圧とを比較して比較
    信号を出力する比較回路と、を備えた電力増幅回路にお
    いて、 前記第1又は第2電源供給端子の内、前記比較回路が接
    続された電源供給端子に接続され、スイッチング出力信
    号を平滑化して前記第1又は第2電源供給端子の内、前
    記比較回路が接続された電源供給端子に出力する平滑回
    路と、 前記平滑回路を介して前記第1又は第2電源供給端子の
    内、前記比較回路が接続された電源供給端子に一方の端
    子が接続され、前記スイッチング出力信号を出力するス
    イッチング素子と、 前記スイッチング素子の他方の端子と、前記第1又は第
    2電源供給端子の内、前記比較回路が接続されていない
    電源供給端子との間に一定の電源電圧を印加する電源
    と、を備え、 前記スイッチング素子は前記比較信号に基づいて前記電
    源により供給される電源電圧を活殺して前記スイッチン
    グ出力信号を出力することを特徴とする電力増幅回路。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電力増幅回路であっ
    て、 前記第1又は第2電源供給端子の内、前記比較回路が接
    続された電源供給端子の電圧を減衰して減衰比較電圧を
    出力する電圧減衰回路と、 前記比較電圧に代えて、前記減衰比較電圧と前記全波整
    流入力信号に基準電圧を加算した信号の電圧とを比較し
    て比較信号を出力する比較回路と、 を備えたことを特徴とする電力増幅回路。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の電力増幅回路で
    あって、 前記全波整流入力信号を電圧増幅する電圧増幅回路を備
    えたことを特徴とする電力増幅回路。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3に記載の電力増幅回路に
    おいて、 前記スイッチング素子はnチャネル型電界効果トランジ
    スタにより構成されていることを特徴とする電力増幅回
    路。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至3に記載の電力増幅回路に
    おいて、 前記スイッチング素子はpチャネル型電界効果トランジ
    スタにより構成されていることを特徴とする電力増幅回
    路。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016039451A (ja) * 2014-08-06 2016-03-22 ローム株式会社 オーディオアンプ用の電源回路、電子機器、オーディオアンプへの電源電圧の供給方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016039451A (ja) * 2014-08-06 2016-03-22 ローム株式会社 オーディオアンプ用の電源回路、電子機器、オーディオアンプへの電源電圧の供給方法

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