JPH08322042A - ディジタル画像送受信システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 伝送路の通信品質が低化した場合でも急激な
画像品質の劣化を抑制することができるディジタル画像
送受信システムを提供する。 【構成】 受信側からの基準信号が送信側で受信され
て、ＢＥＲ測定器１８でビット誤り率が測定され、これ
に基づいて符号化制御器１７にて画像符号化情報レート
および誤り訂正符号化率が決定される。この画像符号化
情報レートに基づいて画像入力信号が画像符号器１１で
符号化された後、誤り訂正符号化率に基づいて誤り訂正
符号器１２にて誤り訂正用冗長ビットが付加され、これ
ら画像符号化情報とともに送信される。受信側の分離器
２１により受信入力信号が画像情報と符号化制御情報と
に分離され、この符号化制御情報に基づいて画像情報が
復号される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ディジタル画像送受信
システムに関し、特に送受信間を結ぶ伝送路の通信品質
の低化による急激な画質劣化を抑制するディジタル画像
送受信システムに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、ディジタル通信では、伝送路の
特性に適した符号化方法および伝送速度に基づいて通信
が行われる。しかし、伝送路の特性は常に一定ではな
く、例えば衛星回線を利用した伝送路では、空間の伝搬
特性の変化、ここでは降雨などの気象変化により大きく
変動するものとなっている。したがって、画像をディジ
タル化して通信することにより、画像品質をある程度一
定に保つことができ、さらに誤り訂正符号によりアナロ
グ伝送時よりも低い搬送波対雑音電力比（以下、Ｃ／Ｎ
比という）で通信が可能となり、より品質の高い画像デ
ータを伝送することができる。

【０００３】図４は、従来の画像をディジタル化して伝
送するディジタル画像送受信システムを示すブロック図
であり、（ａ）は送信手段、（ｂ）は受信手段を示す。
送信側に入力された画像信号は、画像符号器４１で符号
化された後、誤り訂正符号器４２で訂正用冗長情報が付
加され、ディジタル変調器４３で変調された後送信され
る。受信側では、これを受信してディジタル復調器５１
で復調した後、誤り訂正復号器５２で訂正用冗長情報に
基づいて誤り訂正が行われ、画像復号器５３にて元の画
像信号に変換される。この場合、画像符号化方法、およ
び誤り訂正符号化方法は、予め固定的に設定されている
方法に基づくものとなっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】したがって、このよう
な従来のディジタル画像送受信システムでは、画像符号
化方法、および誤り訂正符号化方法が、予め固定的に設
定されているため、降雨など気象条件が変化して伝送路
の品質が低下した場合には、受信画像の品質が急激に悪
化し、最悪の場合には受信断となるという問題があり、
また仮に誤り訂正符号化率を上げて品質保持を行った場
合には、訂正用冗長情報の増大により占有帯域が拡大す
るものとなり、特に画像信号など情報レートが大きい場
合にはより深刻となる。

【０００５】なお、ディジタル変調の１つであるＱＰＳ
Ｋ（Quadrature Phase Shift Keying ）変調の際に、ロ
ールオフフィルタの通過帯域を狭くすることにより占有
帯域を一定にし、自局の衛星折り返し信号に基づいて誤
り訂正符号化率を変化させるもの（例えば、特開平５−
１３６８２９号公報など）が提案されているが、フィル
タの通過帯域を可変制御することは、ハードウェア構成
で比較的規模の大きいアナログ部が送受信側とも増大す
る原因となり、また自局折り返し信号では伝送路全般に
わたる正確な伝送路品質を判断することは不可能であっ
た。本発明はこのような課題を解決するためのものであ
り、より伝送路の品質が低化した場合でも急激な画像品
質の劣化を抑制することができるディジタル画像送受信
システムを提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明によるディジタル画像送受信システム
は、送信手段に、指示された画像符号化情報レートに基
づいて画像入力信号をディジタル符号化する画像符号器
と、指示された誤り訂正符号化率に基づいて誤り訂正用
冗長ビットを付加する誤り訂正符号器と、伝送路の通信
品質を検出する伝送路品質検出部と、伝送路品質検出部
により検出された通信品質に対応する画像符号化情報レ
ートおよび誤り訂正符号化率を指示することにより画像
符号器および誤り訂正符号器を制御する符号化制御器
と、前記画像符号化情報レートおよび誤り訂正符号化率
を示す符号化制御情報と符号化された画像情報とを合成
する合成器とを有し、受信手段に、受信入力信号を画像
情報と符号化制御情報とに分離する分離器と、指示され
た誤り訂正符号化率に基づいて誤り訂正を行う誤り訂正
符号器と、指示された画像符号化情報レートに基づいて
画像情報をディジタル復号化する画像復号器と、分離器
により分離された符号化制御情報から復号された前記画
像符号化情報レートおよび誤り訂正符号化率を指示する
ことにより誤り訂正復号器および画像復号器を制御する
復号化制御器とを有するものである。

【０００７】また、伝送路品質検出部は、伝送路品質検
出部により検出された通信品質が低下した場合、画像符
号化情報レートを低くするとともに伝送レートが一定と
なるように誤り訂正符号化率を低くするものである。ま
た、受信手段は、所定の基準信号を送信する基準信号送
信部を有し、伝送路の通信品質として前記基準信号のビ
ット誤り率を測定するビット誤り率測定器を有するもの
である。

【０００８】

【作用】したがって、伝送路品質検出部により検出され
た通信品質に基づいて、符号化制御器により画像符号化
情報レートおよび誤り訂正符号化率が決定され、これら
画像符号化情報レートおよび誤り訂正符号化率に基づい
て、画像符号器および誤り訂正符号器が制御され、画像
入力信号が符号化されて送信される。

【０００９】

【実施例】次に、本発明について図面を参照して説明す
る。図１は本発明の一実施例であるディジタル画像送受
信装置のブロック図であり、（ａ）は送信手段、（ｂ）
は受信手段の構成を示している。図１（ａ）の送信手段
において、１９は送信側から受信した基準信号を復調す
る復調器、１８は復調器１９の出力から現在の伝送路の
ビット誤り率（ＢＥＲ：Bir Error Rate）を測定するＢ
ＥＲ測定器、１７はＢＥＲ測定器１８にて測定されたビ
ット誤り率に基づいて画像符号化情報レートおよび誤り
訂正符号化率を決定し指示出力する符号化制御器であ
り、復調器１９およびＢＥＲ測定器１８は伝送路品質検
出部を構成している。

【００１０】１１は符号化制御器１７から指示された画
像符号化情報レートに基づいて画像入力信号を符号化す
る画像符号化器、１２は符号化制御器１７から指示され
た誤り訂正符号化率に基づいて誤り訂正用冗長情報を画
像符号器１１の出力に付加する誤り訂正符号器、１３は
誤り訂正符号器１２の出力を変調するディジタル変調器
である。１５は符号化制御器１７で決定された画像符号
化情報レートおよび誤り訂正符号化率を示す符号化制御
情報を符号化する符号器、１６は符号器１５の出力を変
調する変調器、１４はディジタル変調器１３および変調
器１６の出力を合成し送信出力を生成する合成器であ
る。

【００１１】また、図１（ｂ）の受信手段において、２
１は受信入力信号を画像用変調信号と符号化制御情報用
変調信号とに分離する分離器、２５は分離器２１からの
符号化制御情報変調信号を復調する復調器、２６は復調
器２５の出力を復号し符号化制御情報を出力する復号
器、２７は復号器２６からの符号化制御情報に基づい
て、送信側で使用された画像符号化情報レートおよび誤
り訂正符号化率を指示出力する復号化制御器である。

【００１２】２２は分離器２１からの画像用変調信号を
復調するディジタル復調器、２３は復号化制御器２７か
ら指示された誤り訂正符号化率に基づいてディジタル復
調器２２の出力に対して誤り訂正を行う誤り訂正復号
器、２４は復号化制御器２７から指示された画像復号化
情報レートに基づいて誤り訂正復号器２３からの出力を
復号し元の画像信号を出力する画像復号器である。２９
は所定のテストパターンを発生するテストパターン発生
器、２８はテストパターンを変調し送信側伝送路品質測
定に使用するための基準信号を出力する変調器であり、
テスト場ターン発生器２９と変調器２８は基準信号送出
部を構成している。

【００１３】次に、図２，３を参照して、本発明の動作
として、画像符号化情報レートおよび誤り訂正符号化率
とを組とした３つの符号化レベルを設け、伝送路の通信
品質に応じて切替制御する場合の動作について説明す
る。図２は符号化レベルを示す説明図である。いずれの
タイプ１〜３も伝送レートを常に固定（８Ｍbps ）とし
てあり、画像符号化情報レートおよび誤り訂正符号化率
からタイプ１は画質が他に比べて良好であり、伝送路誤
りが多くなるにしたがってタイプ１からタイプ２，３と
切り替えられる。

【００１４】図３は受信条件（ＢＥＲ）と受信品質（画
質）との関係を示す説明図であり、３１は本発明の符号
化レベル切替制御（図２参照）を用いた場合の受信品
質、３２は従来の符号化方法（符号化レベル固定）を用
いた場合の受信品質を示している。まず、受信手段では
テストパターン発生器２９および変調器２８により生成
された所定の基準信号が、常時、送信側に送信される。
送信手段では、受信側からの基準信号を受信して、復調
器１９およびＢＥＲ測定器１８により受信側との間を結
ぶ伝送路に対するビット誤り率を測定しており、このビ
ット誤り率、すなわち伝送路品質に基づいて画像符号化
情報レートおよび誤り訂正符号化率が符号化制御器１７
で決定される。

【００１５】例えば、ビット誤り率（ＢＥＲ）が所定の
基準より低い場合、すなわち伝送誤りがほとんどない場
合には、符号化制御器１７にてタイプ１が選択され、画
像符号器１１に対し画像符号化情報レートとして７Ｍｂ
ｐｓが指示されるとともに、誤り訂正符号器１２に対し
誤り訂正符号化率として７／８が指示される。また、ビ
ット誤り率が所定の基準より高くなった場合、すなわち
伝送誤りが増加した場合には、符号化制御器１７にてそ
のビット誤り率に応じてタイプ２またはタイプ３が選択
され、画像符号器１１に対し画像符号化情報レートとし
て６Ｍｂｐｓまたは４Ｍｂｐｓが指示されるとともに、
誤り訂正符号器１２に対し誤り訂正符号化率として３／
４または１／２が指示される。

【００１６】したがって、送信手段に入力された画像入
力信号は、符号化制御器１７から指示された画像符号化
情報レートに基づいて画像符号器１１にて符号化される
とともに、符号化制御器１７から指示された誤り訂正符
号化率に基づいて誤り訂正符号器１２にて誤り訂正用冗
長ビットが付加され、ディジタル変調器１３で画像用変
調信号に変調される。また符号化制御器１７から指示さ
れた画像符号化情報レートおよび誤り訂正符号化率は、
符号器１５で符号化された後、変調器１６で符号化制御
情報変調信号に変調され、合成器１４で画像用変調信号
と合成されて受信側に送信される。

【００１７】一方、受信手段ではこれを受信し、分離器
２１で画像用変調信号と符号化制御情報用変調信号とに
分離され、このうち符号化制御情報変調信号が、復調器
２５および復号器２６により符号化制御情報に復号さ
れ、送信側で使用された画像符号化情報レートおよび誤
り訂正符号化率が、復号化制御器２７から誤り訂正復号
器２３および画像復号器２４に指示される。これによ
り、分離器２１からの画像用変調信号は、ディジタル復
調器２２で復調された後、誤り訂正復号器２３にて復号
化制御器２７から指示された誤り訂正符号化率に基づい
て誤り訂正が行われ、画像復号器２４にて復号化制御器
２７から指示された画像符号化情報レートに基づいて元
の画像信号に復号化される。

【００１８】このように、伝送路品質検出部で検出され
た伝送路の通信品質に応じて、送信側における画像符号
化レベルが段階的にタイプ１からタイプ２，３に切り替
えられるため、降雨などの気象条件の変化により伝送路
の特性が変化した場合でも、その伝送路品質に適した画
像符号化レベルで送信されるものとなり、従来のような
受信側における画像の受信品質の急激な劣化が抑制され
る。

【００１９】また、タイプ２，３で情報速度の低い画像
符号化情報レートが選択された場合、その分誤り訂正符
号化率を低下させて誤り訂正用冗長ビットを付加するこ
とにより、どのタイプでも伝送レートが常に一定に保持
されるものとなり、送信・受信手段の各部におけるハー
ドウェア構成を簡素化することが可能となる。さらに、
受信側から所定の基準信号を常時送信するとともに、送
信側の伝送路品質検出部にてこれを受信し、そのビット
誤り率に応じて伝送路の品質を検出するようにしたの
で、送受信間を結ぶ伝送路の品質を正確に検出すること
が可能となる。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明は、送信手
段に、伝送路の通信品質を検出する伝送路品質検出部を
設けるとともに、指示された画像符号化情報レートに基
づいて画像入力信号をディジタル符号化する画像符号
器、および指示された誤り訂正符号化率に基づいて誤り
訂正用冗長ビットを付加する誤り訂正符号器とを設け、
伝送路品質検出部により検出された通信品質に対応する
画像符号化情報レートおよび誤り訂正符号化率に基づ
き、画像符号器および誤り訂正符号器にて画像入力信号
を符号化して送信するようにしたので、降雨などの気象
条件の変化により伝送路の特性が変化した場合でも、そ
の伝送路品質に適した画像符号化レベルで送信されるも
のとなり、従来のような受信側における画像の受信品質
の急激な劣化が抑制される。

【００２１】また、符号化制御器において、伝送路品質
検出部により検出された通信品質が低下した場合、画像
符号化情報レートを低くするとともに伝送レートが一定
となるように誤り訂正符号化率を低くするようにしたの
で、通信品質の低下に応じて画像符号化情報レートが低
くなった分誤り訂正用冗長ビットが付加されて、伝送レ
ートがどのタイプでも常に一定に保持されるものとな
り、送信・受信手段の各部におけるハードウェア構成を
簡素化することが可能となる。また、伝送路品質検出部
に、受信手段からの所定の基準信号のビット誤り率を測
定するビット誤り率測定器を設けて、このビット誤り率
により伝送路の通信品質を検出するようにしたので、送
受信間を結ぶ伝送路の全路長にわたって通信品質を正確
に検出することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例によるディジタル画像送受
信システムのブロック図である。

【図２】 符号化レベルを示す説明図である。

【図３】 受信条件と受信品質との関係を示す説明図で
ある。

【図４】 従来のディジタル画像送受信システムのブロ
ック図である。

【符号の説明】

１１…画像符号器、１２…誤り訂正符号器、１３…ディ
ジタル変調器、１４…合成器、１５…符号器、１６…変
調器、１７…符号化制御器、１８…ＢＥＲ測定器、１９
…復調器、２１…分離器、２２…ディジタル復調器、２
３…誤り訂正復号器、２４…画像復号器、２５…復調
器、２６…復号器、２７…復号化制御器、２８…変調
器、２９…テストパターン発生器。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 画像符号器により画像入力信号をディジ
   タル符号化した後、誤り訂正符号器により誤り訂正用冗
   長ビットを付加して伝送路に送信する送信手段と、伝送
   路から受信した受信入力信号内の誤り訂正用冗長ビット
   に基づいて誤り訂正復号器により誤り訂正を行った後、
   画像復号器により画像信号を復号する受信手段とからな
   るディジタル画像送受信システムにおいて、 送信手段は、 指示された画像符号化情報レートに基づいて画像入力信
   号をディジタル符号化する画像符号器と、 指示された誤り訂正符号化率に基づいて誤り訂正用冗長
   ビットを付加する誤り訂正符号器と、 伝送路の通信品質を検出する伝送路品質検出部と、 伝送路品質検出部により検出された通信品質に対応する
   画像符号化情報レートおよび誤り訂正符号化率を指示す
   ることにより画像符号器および誤り訂正符号器を制御す
   る符号化制御器と、 前記画像符号化情報レートおよび誤り訂正符号化率を示
   す符号化制御情報と符号化された画像情報とを合成する
   合成器とを有し、 受信手段は、 受信入力信号を画像情報と符号化制御情報とに分離する
   分離器と、 指示された誤り訂正符号化率に基づいて誤り訂正を行う
   誤り訂正符号器と、 指示された画像符号化情報レートに基づいて画像情報を
   ディジタル復号化する画像復号器と、 分離器により分離された符号化制御情報から復号された
   画像符号化情報レートおよび誤り訂正符号化率を指示す
   ることにより誤り訂正復号器および画像復号器を制御す
   る復号化制御器とを有することを特徴とするディジタル
   画像送受信システム。
2. 【請求項２】 請求項１記載のディジタル画像送受信シ
   ステムにおいて、 符号化制御器は、 伝送路品質検出部により検出された通信品質が低下した
   場合、画像符号化情報レートを低くするとともに伝送レ
   ートが一定となるように誤り訂正符号化率を低くするこ
   とを特徴とするディジタル画像送受信システム。
3. 【請求項３】 請求項１記載のディジタル画像送受信シ
   ステムにおいて、 受信手段は、所定の基準信号を送信する基準信号送信部
   を有し、 伝送路品質検出部は、 伝送路の通信品質として前記基準信号のビット誤り率を
   測定するビット誤り率測定器を有することを特徴とする
   ディジタル画像送受信システム。