JPH08321452A - アライメント結果評価方法及び該方法を使用するアライメント装置 - Google Patents

アライメント結果評価方法及び該方法を使用するアライメント装置

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JPH08321452A
JPH08321452A JP7127921A JP12792195A JPH08321452A JP H08321452 A JPH08321452 A JP H08321452A JP 7127921 A JP7127921 A JP 7127921A JP 12792195 A JP12792195 A JP 12792195A JP H08321452 A JPH08321452 A JP H08321452A
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diffraction grating
light
beat signal
grating mark
order diffracted
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JP7127921A
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Kazuya Ota
和哉 太田
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Nikon Corp
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  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 LIA方式のアライメントセンサで位置検出
を行う際の、AOMドライバ等のジッタによる計測結果
の再現性を、空気揺らぎや装置振動等の外部の要因によ
る再現性と区別して正確に評価する。 【構成】 差周波生成光学系2からの所定の周波数差を
有する2つのレーザビームL1及びL2を対物レンズ4
を介して評価用の回折格子マーク6に照射し、レーザビ
ームL1及びL2の0次回折光L1(0) 及び+1次回折
光L2(+1)よりなる第1の干渉光と、レーザビームL2
及びL1の0次回折光L2(0) 及び−1次回折光L1(-
1)よりなる第2の干渉光とを光電検出器14A及び14
Bに供給して、ビート信号BS1及びBS2を得る。ビ
ート信号BS1,BS2の位相差のばらつきよりAOM
ドライバ11A,11Bのジッタの影響を評価する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば半導体素子又は
液晶表示素子等を製造するための露光装置に装着される
アライメント装置のアライメントセンサによる計測結果
の再現性等を評価するための評価方法に関し、特に2光
束ヘテロダイン干渉方式のアライメントセンサの計測結
果の再現性等を評価する場合に適用して好適なものであ
る。
【0002】
【従来の技術】例えば半導体素子はウエハ上に多数層の
回路パターンを所定の位置関係で積み重ねて形成される
ので、2層目以降の回路パターンをウエハ上に投影露光
する際には、ウエハ上で既に回路パターンが形成されて
いる各ショット領域とマスクとしてのレチクルのパター
ン像の投影位置(露光位置)との位置合わせ(アライメ
ント)を高精度に行う必要がある。そのため、レチクル
のパターンをウエハ上の各ショット領域に転写するため
に使用されるステッパー等の露光装置では、ウエハ上の
各ショット領域に付設されている位置合わせ用のアライ
メントマーク(ウエハマーク)の位置を検出するアライ
メントセンサと、その検出結果に基づいてウエハの位置
決めを行うステージ機構とからなるアライメント装置が
備えられている。
【0003】従来のアライメントセンサ中で、特に高精
度に位置検出を行うことができるセンサとして、例えば
特開平2−227602号公報で開示されているよう
に、回折格子状のウエハマークに対して可干渉で僅かに
周波数の異なる1対のレーザビームを照射し、そのウエ
ハマークから同一方向に発生する1対の回折光からなる
ヘテロダインビームを光電変換して得られるビート信号
の位相に基づいて、そのウエハマークの位置を検出する
所謂2光束ヘテロダイン干渉方式のセンサが知られてい
る。以下ではその2光束ヘテロダイン干渉方式を、単に
2光束干渉方式、又はLIA(Laser Interferometric
Alignment)方式と呼ぶ。
【0004】従来よりLIA方式のアライメントセンサ
では、僅かに周波数の異なる可干渉な1対のレーザビー
ムを生成する部分で主に音響光学素子が使用されてい
る。この場合、その音響光学素子を所定の駆動回路(A
OMドライバ)を介して所定の周波数の電気信号で駆動
することにより、その音響光学素子内に進行波が発生
し、入射するレーザビームがその進行波の回折作用によ
って周波数変調されるようになっている。また、一般に
音響光学素子の動作周波数は数10MHzと大きく、単
に2光束の内の一方を音響光学素子で周波数変調したの
では得られるビート信号の周波数(ビート周波数)が高
くなり過ぎる傾向がある。そこで、従来は1つの手法と
して、一方のレーザビームを例えば周波数(F+Δf)
(Fは数10MHz、Δfは数10kHz)の電気信号
で駆動される音響光学素子で変調し、他方のレーザビー
ムを周波数Fの電気信号で駆動される音響光学素子で変
調することにより、ビート周波数を電気的に処理し易い
低い周波数Δfとしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように音響光学
素子を使用した従来のLIA方式のアライメントセンサ
では、音響光学素子が安定に駆動されている場合にはビ
ート周波数が安定化され、高精度に位置検出が行われ
る。しかしながら、実際にはAOMドライバの電気的ジ
ッタ(間欠的な周波数変動)により音響光学素子内の進
行波が乱され、結果として得られるビート信号のビート
周波数が短期的に変動し、これが計測結果の再現性を悪
化させて、ひいてはアライメント誤差(重ね合わせ誤
差)を生ずるという不都合があった。
【0006】このため、電気的ジッタが少なくより安定
なビート周波数が得られるAOMドライバを選択して使
用することが望まれているが、単に例えばウエハマーク
の位置の計測結果のばらつきに基づいてビート周波数の
安定性を評価しようとしても、他の空気揺らぎや装置振
動の影響との区別がつきにくいために、正確な評価が困
難である。また、仮に1組のAOMドライバの各電気的
ジッタを評価できたとしても、特に電気的ジッタが小さ
いAOMドライバが無かったような場合には、アライメ
ントセンサから出力されるビート信号の処理回路側に電
気的ジッタの影響を小さくする工夫を施すことが望まれ
る。
【0007】本発明は斯かる点に鑑み、LIA方式のア
ライメントセンサで回折格子状のマークの位置検出を行
う際の、アライメントセンサ内部の要因による計測結果
の再現性を、空気揺らぎや装置振動等の外部の要因によ
る再現性と区別して正確に評価できるアライメント結果
評価方法を提供することを目的とする。本発明は更に、
LIA方式のアライメントセンサを使用した場合のアラ
イメントセンサ内部の要因による計測結果の再現性を改
善するための、そのアライメントセンサからのビート信
号の処理方法を設定できるようなアライメント結果評価
方法を提供することを目的とする。
【0008】また、本発明は、そのようなアライメント
結果評価方法を使用できるアライメント装置を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によるアライメン
ト結果評価方法は、処理対象とする基板(W)上の位置
合わせ用の回折格子マーク(38)に対して所定の光束
を照射し、その回折格子マークから発生する回折光に基
づいてその回折格子マークの位置検出を行うアライメン
ト装置の計測結果の再現性の評価方法であって、評価用
の回折格子マーク(6)に異なる2方向から所定の周波
数差を有する第1の光束(L1)、及び第2の光束(L
2)を照射し、回折格子マーク(6)からその第1の光
束のM次回折光(Mは整数)(L1(0))、及びその第2
の光束のN次回折光(Nは±M以外のの整数)(L2(+
1))を同一方向に第1の干渉光として発生させ、且つ回
折格子マーク(6)からその第2の光束の−M次回折光
(L2(0))、及びその第1の光束の−N次回折光(L1
(-1))を同一方向に第2の干渉光として発生させる。
【0010】更に、その第1の干渉光を光電変換して得
られる第1のビート信号(BS1)と、その第2の干渉
光を光電変換して得られる第2のビート信号(BS2)
との位相差をn回(nは2以上の整数)続けて検出し、
このように検出されたn個の位相差のばらつきに基づい
て、それら第1及び第2のビート信号の少なくとも一方
より求められる評価用の回折格子マーク(6)の位置検
出結果の再現性を評価するものである。
【0011】この場合、所定の角度θを用いて、それら
第1及び第2の光束をそれぞれ回折格子マーク(6)に
対して対称に角度θ及び−θで入射させ、且つ第1の光
束のN次回折光及び第2の光束の−N次回折光が、それ
ぞれ第2の光束の入射方向及び第1の光束の入射方向と
逆方向に進むように角度θを設定することが望ましい。
このとき、その第1の光束のM次回折光、及びその第2
の光束の−M次回折光としてはそれぞれ正反射光、即ち
0次回折光(M=0)を使用することが望ましい。
【0012】また、第1のビート信号(BS1)と第2
のビート信号(BS2)との位相差を検出する際のそれ
ら2つのビート信号のサンプリング時間を変えて、それ
ぞれ上述のように検出されたn個の位相差のばらつきを
求め、最もばらつきが小さくなるときのサンプリング時
間を決定することが望ましい。また、その評価用の回折
格子マーク(6)の段差の光路長を第1及び第2の光束
(L1,L2)の平均波長の1/2まで変化させること
により、第1のビート信号(BS1)と第2のビート信
号(BS2)との位相差を0から2πまで変化させて、
それぞれ上述のn個の位相差のばらつきを求め、この位
相差のばらつきが最も小さくなるときの評価用の回折格
子マーク(6)の段差を決定することが望ましい。
【0013】また、第1のビート信号(BS1)と、第
2のビート信号(BS2)との位相差を検出する際に、
その第1のビート信号とその所定の周波数差に対応した
周波数の参照信号との位相差と、その第2のビート信号
とその参照信号との位相差との差分を求めるようにして
もよい。
【0014】また、本発明によるアライメント装置は、
例えば図3に示すように、処理対象とする基板(W)上
の位置合わせ用の回折格子マーク(38)に対して所定
の光束を照射し、回折格子マーク(38)から発生する
回折光に基づいて回折格子マーク(38)の位置検出を
行うアライメント装置において、回折格子マーク(3
8)に異なる2方向から所定の周波数差を有する第1の
光束(WL1)、及び第2の光束(WL2)を照射し
て、回折格子マーク(38)からその第1の光束のM次
回折光(Mは整数)(WL1(0))、及びその第2の光束
のN次回折光(NはM以外の整数)(WL2(+2))を同
一方向に第1の干渉光として発生させ、且つ回折格子マ
ーク(38)からその第2の光束の−M次回折光(WL
2(0))、及びその第1の光束の−N次回折光(WL1(-
1))を同一方向に第2の干渉光として発生させる照射光
学系(2,3,42)と、それら第1及び第2の干渉光
を受光して光電変換することによりそれぞれ第1及び第
2のビート信号(WS1,WS2)を発生する受光光学
系(42,3,14A,14B)と、それら第1及び第
2のビート信号の少なくとも一方に基づいて回折格子マ
ーク(38)の位置を検出する信号処理手段(45b)
と、第1のビート信号(WS1)と、第2のビート信号
(WS2)との位相差のばらつきより信号処理手段(4
5b)で求められる回折格子マーク(38)の位置検出
結果の再現性を評価する評価手段(45a)と、を有す
るものである。
【0015】
【作用】斯かる本発明のアライメント結果評価方法によ
れば、評価用の回折格子マーク(6)に対して例えばほ
ぼ対称に第1の光束(L1)及び第2の光束(L2)が
照射される。そして、その回折格子マーク(6)から、
その第1の光束のM次回折光(L1(0))、及びその第2
の光束のN次回折光(L2(+1))からなる第1の干渉光
と、且つその第2の光束の−M次回折光(L2(0))、及
びその第1の光束の−N次回折光(L1(-1))からなる
第2の干渉光とが、ほぼ対称に射出される。従って、そ
れら第1の干渉光及び第2の干渉光の光路はほぼ対称で
あるため、全ての空気揺らぎ、及び装置振動の影響を共
通に受けることとなる。そのため、第1のビート信号と
第2のビート信号との位相差を検出することで、全ての
空気揺らぎ、及び装置振動の影響による位相変動は相殺
され、アライメント装置内の電気的ジッタ等の影響に基
づく位相変動のみが正確に検出される。この位相変動よ
り、アライメント装置内の電気的ジッタ等の影響に基づ
く測定結果の再現性が正確に評価できる。
【0016】特に、それら第1及び第2の光束をそれぞ
れ回折格子マーク(6)に対して対称に角度θ及び−θ
で入射させ、且つ第1の光束のN次回折光及び第2の光
束の−N次回折光が、それぞれ第2の光束の入射方向及
び第1の光束の入射方向と逆方向に進むように角度θを
設定し、その第1の光束のM次回折光、及びその第2の
光束の−M次回折光としてはそれぞれ正反射光を使用す
る場合には、第1の干渉光及び第2の干渉光は光学的に
全く同一の光路を通る。従って、全ての空気揺らぎ、及
び装置振動の影響を完全に除去できる。
【0017】また、第1のビート信号(BS1)と第2
のビート信号(BS2)との位相差を検出する際のそれ
ら2つのビート信号のサンプリング時間を変えて、それ
ぞれ上述のように検出されたn個の位相差のばらつきを
求める場合のサンプリング時間とは、例えば図2に示す
ように、2つのビート信号を所定のクロックパルス(C
K)に同期して例えばn×m回サンプリングする期間T
1である。但し、その期間T1を細分化した期間T2内
での2つのビート信号のサンプリングデータのみを使用
する、即ちその細分化した期間T2をサンプリング時間
とみなすことも可能である。この場合、この期間T1又
はT2内の位相差の平均値が、2つのビート信号の1回
の位相差となる。その期間T1又はT2を電気的ジッタ
の周期T0に対して十分短くすることで、その期間T1
又はT2内では各ビート信号の周波数を一定と見なすこ
とができ、電気的ジッタによる誤差を排除できる。
【0018】具体的に、そのサンプリング時間をT1又
はT2と設定し、それぞれ上述のように検出されたn個
の位相差のばらつきを求め、最もばらつきが小さくなる
ときのサンプリング時間を決定することにより、そのサ
ンプリング時間は電気的ジッタの周期T0より十分に小
さくなっている。これにより計測結果の再現性が最も高
くなる。
【0019】また、その評価用の回折格子マーク(6)
の段差の光路長を第1及び第2の光束(L1,L2)の
平均波長の1/2まで複数段階変化させることにより、
第1のビート信号(BS1)と第2のビート信号(BS
2)との位相差は0から2πまで複数段階変化する。そ
して、それぞれの回折格子マーク(6)の段差について
求めたn個の位相差のばらつきが最も小さくなるときの
段差を決定することにより、最も計測結果の再現性が高
くなるように回折格子マークを最適化できる。
【0020】また、第1のビート信号(BS1)と、第
2のビート信号(BS2)との位相差を検出する際に、
その第1のビート信号とその所定の周波数差に対応した
周波数の参照信号との位相差と、その第2のビート信号
とその参照信号との位相差との差分を求める場合、それ
ら第1及び第2のビート信号の周波数変動の絶対値をも
評価できる。
【0021】次に、本発明のアライメント装置によれ
ば、その評価手段を用いて上述のアライメント結果評価
方法が実施できる。更に、このようにして回折格子マー
クの位置検出結果の再現性が最も高くなる条件を求めた
後、この条件のもとでその信号処理手段を用いて、その
第1及び第2のビート信号の少なくとも一方に基づいて
その回折格子マーク(38)の位置検出を行う。これに
より位置検出結果の再現性が高くなる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の第1実施例につき図1及び図
2を参照して説明する。この実施例は、2光束干渉方式
(LIA方式)のアライメントセンサの計測結果の再現
性を評価する場合に本発明を適用したものである。図1
は本実施例のアライメントセンサ、及びその評価装置の
概略構成図であり、この図1において、ヘテロダイン干
渉光学系1、及び2つのそれぞれフォトダイオード等か
らなる光電検出器14A,14Bより評価対象のLIA
方式のアライメントセンサが構成され、評価用の回折格
子板5、位相比較処理検出系15、及びCRTディスプ
レイ22より評価装置が構成されている。また、ヘテロ
ダイン干渉光学系1は、差周波生成光学系2、ビームス
プリッタ3及び対物レンズ4より構成され、例えばガラ
ス基板よりなる回折格子板5の表面には、図1の紙面に
平行な方向に所定ピッチPgで凹凸の回折格子マーク6
が形成されている。回折格子マーク6は、例えばガラス
基板上に蒸着されたクロム膜をエッチング処理すること
により容易に製造できる。
【0023】さて、差周波生成光学系2において、例え
ばHe−Neレーザ光源、又はレーザダイオード等のレ
ーザ光源7から射出されたレーザビームLは、ビームス
プリッタ8によって2分岐され、第1のレーザビームは
第1の音響光学素子(以下、「AOM」と略称する)1
0Aに入射し、第2のレーザビームL2は反射プリズム
9を経て第2のAOM10Bに入射する。2つのAOM
10A及び10Bは、それぞれAOMドライバ11A及
び11Bにより互いに異なる周波数F1及びF2の駆動
信号で駆動されており、周波数F1とF2との周波数差
はΔf(Δfは例えば数10kHz)である。AOMド
ライバ11A及び11Bの動作は制御系12により制御
されている。第1及び第2のレーザビームはそれぞれA
OM10A及び10Bにより回折され、多くの回折光の
内でそれぞれの+1次回折光(以下、単に「レーザビー
ム」と呼ぶ)L1及びL2のみが空間フィルタ13A及
び13Bにより選択される。選択されたレーザビームL
1,L2の周波数はもとのレーザビームLに対してそれ
ぞれF1,F2だけ高く、互いの周波数差はΔfであ
る。
【0024】差周波生成光学系2から射出された2つの
レーザビームL1,L2は、ビームスプリッタ3を透過
して対物レンズ4を介して、回折格子板5上のピッチP
gの回折格子マーク6に対称にそれぞれ入射角θ,−θ
で照射される。入射角θとピッチPgとは、レーザビー
ムL1,L2の平均波長をλとすると、以下の関係が成
り立つよう設定されている。
【0025】
【数1】sin(2θ)=λ/Pg この結果、レーザビームL1の回折格子マーク6による
0次回折光(正反射光)L1(0) と、レーザビームL2
の回折格子マーク6による+1次回折光L2(+1)とは平
行に、射出角−θの方向、即ちレーザビームL2の入射
方向と逆方向に発生する。これと対称的に、レーザビー
ムL1の回折格子マーク6による−1次回折光L1(-1)
と、レーザビームL2の回折格子マーク6による0次回
折光L2(0) とは平行に、射出角θの方向、即ちレーザ
ビームL1の入射方向と逆方向に発生する。
【0026】0次回折光L1(0) 及び+1次回折光L2
(+1)よりなる第1の干渉光と、−1次回折光L1(-1)及
び0次回折光L2(0) よりなる第2の干渉光とは、対物
レンズ4を経てビームスプリッタ3に戻り、ビームスプ
リッタ3で反射されたその第1及び第2の干渉光がそれ
ぞれ光電検出器14A及び14Bで受光される。そし
て、光電検出器14A及び14Bよりそれぞれその第1
及び第2の干渉光を光電変換して得られる第1のビート
信号BS1及び第2のビート信号BS2が出力され、こ
れらのビート信号BS1及びBS2は位相比較処理検出
系15に供給される。AOMドライバ11A,11Bの
電気的ジッタがない場合には、それらビート信号BS1
及びBS2は、回折格子マーク6の形状等に応じた位相
差を有する周波数Δfの正弦波である。
【0027】位相比較検出処理系15において、ビート
信号BS1及びBS2はそれぞれアナログ/デジタル
(A/D)変換器16A及び16Bに供給され、A/D
変換器16A及び16Bでは、水晶発振器17より供給
されるそのビート信号の周波数Δfのn倍(nは2以上
の整数)の周波数のサンプリングクロックCKに同期し
て、それぞれビート信号BS1及びBS2をデジタルデ
ータD1及びD2に変換する。これらのデジタルデータ
D1及びD2は順次それぞれデジタルメモリ18A及び
18Bに記憶される。位相比較のために一度に記憶され
るデータ量は、ビート信号BS1,BS2の本来の周期
のm周期分(mは1以上の整数)であり、記憶されるデ
ジタルデータD1及びD2のデータ点数は共にm・n点
である。
【0028】図2(a)及び(b)はそれぞれビート信
号BS1及びBS2の一例を示し、ジッタ(周波数変
動)が無い本来のそれら2つのビート信号の位相差をΔ
φとしてある。また、図2(c)は水晶発振器17から
のサンプリングクロックCKの一例を示し、ビート信号
BS1(又はBS2)の本来の1周期中にサンプリング
クロックCKはnパルスが含まれるようになっている。
また、例えば1回目の比較を行うために、2つのビート
信号BS1,BS2は、時点t2からそれぞれサンプリ
ングクロックCKのn・mパルス分に相当する期間T1
の間サンプリングされる。
【0029】この場合、例えば時点t1から図1のAO
Mドライバ11Aの電気的ジッタが生じると、2つのビ
ート信号BS1及びBS2の周波数は同じように変化
し、その周波数の変動量が或る程度大きくなると、それ
ら2つのビート信号の位相差Δφ’と初期の位相差Δφ
との差分は所定の許容値を超えるようになる。そこで、
本例本実施例ではその位相差のばらつきからそのジッタ
の影響を評価する。
【0030】即ち、図1に戻り、位相比較処理検出系1
5内のコンピュータ19の演算手段20が、デジタルメ
モリ18A及び18Bから期間T1の間に取り込まれた
n・m点分のデジタルデータD1及びD2を読み出す。
このように読み出されたデジタルデータD1を1番目か
ら順次D11 〜D1mnとして、デジタルデータD2を1
番目から順次D21 〜D2mnとする。また、演算手段2
0内には予め、周期nのsin(2πi/n)及びcos(2π
i/n)(i=1〜n)の値を示すテーブル、即ちsin
テーブル、及びcos テーブルが記憶されており、演算手
段20では、それらのデジタルデータとsin テーブル、
及びcos テーブルとを次式のように逐次掛け合わすこと
により、総和C1,S1,C2,S2を求める。
【0031】
【数2】
【0032】
【数3】
【0033】そして、両ビート信号BS1,BS2間の
位相差をΔφとすると、位相差Δφは上述の総和C1,
S1,C2,S2から次のように計算される。
【0034】
【数4】
【0035】以上の方法により計算された1回目の位相
差ΔφをΔφ1 とする。その後、引き続き同様の方法に
より、図2に示すような2つのビート信号BS1,BS
2のサンプリング及び(数2)〜(数4)の計算を繰り
返すことにより、2回目の位相差Δφ2 、3回目の位相
差Δφ3 、…、q回目の位相差Δφ1q(qは2以上の整
数)を求める。そして、演算手段20では、求められた
q個の位相差Δφ1 〜Δφ1qの分散σ(Δφ)を以下の
式によって求める。この場合、計算の途中でq個の位相
差の平均値〈Δφ〉が求められている。
【0036】
【数5】
【0037】このように求められる分散σ(Δφ)の値
は、演算手段20からコンピュータ19内の制御手段2
1を介して外部のCRTディスプレイ22に表示され
る。また、図1において、電気的ジッタが生じる恐れの
あるAOMドライバ11A,11Bを種々のタイプの複
数のドライバで置き換えて、それぞれ(数5)の位相差
の分散σ(Δφ)の値を算出し、CRTディスプレイ2
2上に使用された複数のAOMドライバと対照させてそ
れぞれの位相差の分散σ(Δφ)の値を表示し、これら
の位相差の分散σ(Δφ)の値より複数のAOMドライ
バの評価を行う。
【0038】この場合、光電検出器14A及び14Bに
入射する第1の干渉光及び第2の干渉光は、ビームスプ
リッタ3と回折格子板5との間で互いに同じ光路を逆方
向に進んでいるため、光電検出器14A及び14Bから
出力されるビート信号BS1及びBS2には、空気揺ら
ぎや装置振動の影響が共通に含まれている。従って、ビ
ート信号BS1とBS2との位相差からは、空気揺らぎ
や装置振動の影響が除去され、ジッタの影響だけが現れ
ている。これは、(数5)で求められる分散σ(Δφ)
の値が小さい程、2つのビート信号BS1,BS2間の
位相差が安定でジッタの影響が少ないことを意味する。
従って、CRTディスプレイ22上から最も位相差の分
散が小さくなるAOMドライバを捜すことにより、位相
比較処理検出系15にとって相性のよいAOMドライバ
を見つけることが可能である。この場合、その位相差の
分散が小さい程、2つのビート信号BS1,BS2間の
位相差が安定で計測値の再現性が高いため、結果として
最も計測値の再現性が高くなるAOMドライバを評価で
きることになる。
【0039】更に、本例では計測対象とする回折格子マ
ークの最適化を行うために、図1の回折格子板5上に回
折格子マーク6を形成する際に、クロム膜の厚さ、より
正確には凸部と凹部との段差の光路長を、0から使用さ
れるレーザビームL1,L2の平均波長λの1/2まで
複数段階で変化させた複数種類の回折格子板5を用意す
る。この場合、得られる2つのビート信号BS1,BS
2の位相差は0〜2πの間の複数段階で変化するため、
各クロム膜の厚さでそれぞれ(数5)の位相差の分散σ
(Δφ)を求め、この分散が最も小さいときの厚さを求
めることにより、最もジッタの影響が少なくなる回折格
子マークを特定できる。即ち、最もジッタの影響が少な
くなるように回折格子マークを最適化できることにな
る。
【0040】次に、本例で図2に示すビート信号BS
1,BS2のサンプリングの期間T1を最適化する方法
につき説明する。この場合、一度に図1のデジタルメモ
リ18A,18Bに記憶させるデータ点数n・mをいろ
いろ変えて、(数5)で表される位相差の分散σ(Δ
φ)の評価を行う。このとき、データ点数に比例する整
数mの目安として、ジッタの周期を考慮する。図2
(a)に示すように、時点t1から周期T0のジッタが
生ずるものとして、そのジッタの周期Τ0の間に2つの
ビート信号BS1,BS2の周波数Δfはそれぞれ±ε
f変化するものとする。一連のビート信号BS1,BS
2をサンプリングしている期間T1(n×mパルスの期
間)にその周波数Δfが変化すると、2つのビート信号
の位相差Δφを求める上で誤差となるため、サンプリン
グしている間にそれら2つのビート信号BS1,BS2
の周波数が一定であるような条件が望ましい。
【0041】この場合、ジッタがない状態でのビート信
号BS1,BS2の周波数はΔfで、周期は1/Δfで
あるため、サンプリングする期間T1はm/Δfとな
る。従って、信号をサンプリングする期間m/Δfがそ
のジッタの周期T0に比べて十分に短ければよく、その
期間m/Δfが例えばジッタの周期T0の1/10以下
となるように整数mの値を定めればよい。このように定
められた整数mの値を用いて、(数5)の分散σ(Δ
φ)を評価することにより、正確に評価が行われる。
【0042】また、サンプリングの期間T1がジッタの
周期T0に比べて短くなくとも、デジタルメモリ18
A,18Bに記憶されたデジタルデータから位相差を計
算する際、全てのmn個のデータ中からジッタの周期に
比べて十分短い区間に細切れに分割された区間のデータ
を使用して計算しても同様の効果が得られる。例えば図
2(c)において、サンプリングの期間T1がジッタの
周期T0に比べてあまり短くない場合でも、その期間T
1を区分した一部の期間T2内のデジタルデータを用い
ることにより、サンプリングの期間が実質的にジッタの
周期T0に比べて十分に短くなる。
【0043】次に、本発明の第2実施例につき図3を参
照して説明する。本例はLIA方式のアライメントセン
サを備えたアライメント装置が、本発明によるアライメ
ント結果評価方法を実施する機能を備えたものである。
また、図3において図1に対応する部分には同一符号を
付してその詳細説明を省略する。図3は本例のアライメ
ント装置を備えた投影露光装置の要部を示し、この図3
において、転写用の回路パターンの形成されたレチクル
Rがレチクルステージ32上に載置され、露光時には照
明光学系31からの露光光によりレチクルRのパターン
形成面が照明される。そして、そのパターン形成面の回
路パターンが、投影光学系PLにより例えば1/5に縮
小されてウエハステージ33上に載置されたウエハW上
のショット領域に投影される。ここで、投影光学系PL
の光軸AXに平行にZ軸を取り、Z軸に垂直な平面内で
図3に平行にX軸、図3に垂直にY軸を取る。
【0044】ウエハステージ33は、Z方向、X方向、
Y方向等にウエハWを位置決めするステージ機構であ
り、ウエハステージ34の上端に固定された移動鏡3
4、及び外部のレーザ干渉計35によりウエハステージ
33のX座標及びY座標が例えば0.01μmの分解能
で計測され、計測結果が中央制御系36に供給されてい
る。中央制御系36では供給された計測結果に基づい
て、ステージ駆動系37を介してウエハステージ33の
位置決め動作を制御する。即ち、予めアライメントセン
サによりウエハW上の各ショット領域の配列座標が計測
されているものとして、ウエハW上の或るショット領域
への露光が終了すると、ウエハステージ33のステッピ
ング動作により次のショット領域が投影光学系PLの露
光フィールドに設定されてレチクルRのパターンの縮小
像の露光が行われるという、ステップ・アンド・リピー
ト動作が行われる。
【0045】本例で使用されるアライメントセンサは、
レチクルRと投影光学系PLとの間から計測用のレーザ
ビームを投影光学系PLを介してウエハW上に照射する
TTL(スルー・ザ・レンズ)方式で、且つLIA方式
のアライメントセンサ39である。アライメントセンサ
39において、差周波生成光学系2からは図1の実施例
と同様に周波数差がΔfの2つのレーザビームL1及び
L2が射出される。レーザビームL1,L2の波長はウ
エハW上のフォトレジストに対する感光性の弱い波長
(例えばHe−Neレーザの633nm等)に設定され
ている。これらのレーザビームL1及びL2はそれぞれ
ビームスプリッタ3により、参照光学系に向かう参照ビ
ームRL1及びRL2と、ウエハ光学系に向かうウエハ
用計測ビームWL1及びWL2とに分岐する。参照光学
系では、参照ビームRL1,RL2が対物レンズ40を
介して参照回折格子板41に第1実施例と同様の入射角
±θで入射する。参照回折格子板41には、第1実施例
の回折格子マーク6と同様のピッチで透過型の回折格子
マークが形成され、参照回折格子板41から直後の光電
検出器14Cに対して、参照ビームRL1の0次回折
光、及び参照ビームRL2の+1次回折光からなる第1
の参照干渉光と、参照ビームRL1の−1次回折光、及
び参照ビームRL2の0次回折光からなる第2の参照干
渉光とが入射する。これら2つの参照干渉光は光電検出
器14Cによって光電変換されて参照ビート信号RSと
なる。
【0046】一方、ウエハ用計測ビームWL1,WL2
はビームスプリッタ3を透過した後、対物レンズ42、
光路折り曲げ用のミラー43を経て一度交差した後、投
影光学系PLを経てウエハW上に第1実施例の入射角を
投影光学系PLの投影倍率で変換した入射角で計測方向
(これをX方向とする)にほぼ対称に入射する。その2
つのウエハ用計測ビームWL1,WL2の照射領域が計
測領域であり、この計測領域に計測対象とするショット
領域に付設されたX軸用のウエハマークとしてのX方向
にピッチPwの回折格子マーク38が形成されている。
そのピッチPwは第1実施例の回折格子マーク6のピッ
チPgに、投影光学系PLの投影倍率を乗じた値を有す
る。
【0047】この結果、ウエハ用計測ビームWL1の回
折格子マーク38による0次回折光WL1(0) と、ウエ
ハ用計測ビームWL2の+1次回折光WL2(+1)とは平
行に、ウエハ用計測ビームWL2の入射方向と逆方向に
発生し、ウエハ用計測ビームWL1の回折格子マーク3
8による−1次回折光WL1(-1)と、ウエハ用計測ビー
ムL2の0次回折光WL2(0) とは平行に、ウエハ用計
測ビームWL1の入射方向と逆方向に発生する。そし
て、0次回折光WL1(0) 及び+1次回折光WL2(+1)
よりなる第1のウエハ干渉光と、−1次回折光WL1(-
1)及び0次回折光WL2(0) よりなる第2のウエハ干渉
光とは、投影光学系PL、ミラー43、対物レンズ42
を経てビームスプリッタ3に戻り、ビームスプリッタ3
で反射されたその第1及び第2のウエハ干渉光がそれぞ
れ光電検出器14A及び14Bで受光される。そして、
光電検出器14A及び14Bよりそれぞれその第1及び
第2のウエハ干渉光を光電変換して得られる第1のウエ
ハビート信号WS1及び第2のウエハビート信号WS2
が出力され、これらのウエハビート信号WS1,WS2
及び参照ビート信号RSはアライメント信号処理系44
に供給される。AOMドライバの電気的ジッタがない場
合には、それらウエハビート信号WS1及びWS2は、
回折格子マーク38の形状等に応じた位相差を有する周
波数Δfの正弦波である。
【0048】アライメント信号処理系44において、参
照ビート信号RS、及びウエハビート信号WS1,BW
2はそれぞれA/D変換器16C、及びA/D変換器1
6A,16Bに供給され、A/D変換器16A〜16C
では、水晶発振器17より供給されるサンプリングクロ
ックCKに同期して、それぞれ供給されたビートをデジ
タルデータに変換する。これらのデジタルデータは順次
それぞれデジタルメモリ18A〜18Cに記憶される。
そして、アライメント信号処理系44内には、これらの
デジタルメモリ18A〜18C内のデジタルデータを読
み出して各種の処理を行うコンピュータ45が配置され
ている。
【0049】コンピュータ45内には大きく分けて、差
周波生成光学系2内の電気的ジッタによる影響を評価し
たり、最適な信号処理方法を求めるための第1の演算手
段45aと、ウエハWのアライメントを行うための第2
の演算手段45bとが設けられている。演算手段45a
及び45bは、それぞれデジタルメモリ18A〜18C
内の任意のデジタルデータを読み出して所定の処理を行
う。即ち、電気的ジッタによる影響を評価したり、最適
な信号処理方法を求める場合には、第1の演算手段45
aが第1実施例と同様に2つのウエハビート信号WS
1,WS2間の位相差を検出し、更にその位相差の分散
を算出し、算出結果を中央制御系36に供給する。
【0050】一方、ウエハWのアライメントを行うとき
には、第2の演算手段45bが、参照ビート信号RSに
対するウエハビート信号WS1,WS2の位相差Δ
φW1,ΔφW2をそれぞれ求める。その後、次式のように
2つの位相差の平均値ΔφW を以って、参照回折格子板
41を基準としたウエハW上の回折格子マーク38のX
方向への位置ずれΔxを求める。
【0051】
【数6】Δx={ΔφW/(2π)}PW 、但しΔφW
(ΔφW1+ΔφW2)/2 この場合、本実施例によれば、アライメント信号処理系
44内のコンピュータ45の第1の演算手段45aが第
1実施例と同様にジッタの影響を評価できるため、予め
ジッタの影響が少ないAOMドライバ11A,11B
(図1参照)を使用し、且つジッタの影響が少ないよう
なサンプリングの期間を定めることができる。これによ
り、ジッタの影響を低減させて、より高精度に位置合わ
せを行うことができる。
【0052】なお、この第2実施例において、ジッタの
影響を評価する際にも、参照ビート信号RSに対するウ
エハビート信号WS1,WS2のそれぞれの位相差Δφ
W1,ΔφW2を求め、両者の差を求めてもよい。この方法
でも、第1実施例のように2つのビート信号の位相差を
直接比較するのと同様の情報が得られる。更に、このよ
うにそれぞれの位相差ΔφW1,ΔφW2を求める場合に
は、空気揺らぎの影響の程度等も評価できる利点もあ
る。
【0053】また、上述実施例では差周波生成光学系2
において、音響光学素子を用いて所定の周波数差を有す
るレーザビームを生成しているが、例えばゼーマン効果
を利用するなど他の方法により所定の周波数差を有する
2つのレーザビームを生成する場合においても、ジッタ
が発生することは十分考えられる。発明はこのような場
合においても、当然のことながら有効である。
【0054】また、上述実施例では0次回折光と1次回
折光との干渉を利用したが、1次でなくとも何次の回折
光であってもよい。それは例えば回折格子マークのピッ
チPg等を変えることによって変更できるものである。
また、第2実施例でジッタ評価とアライメントとを同じ
ピッチの回折格子マーク(ウエハマーク)を用いて行っ
たが、ジッタの評価時とアライメント時とで回折格子マ
ークのピッチを変えることは本発明の有効性を変えるこ
とではない。従って、別ピッチの格子を使っても問題な
い。
【0055】このように、本発明は上述実施例に限定さ
れず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取
り得る。
【0056】
【発明の効果】本発明のアライメント結果評価方法によ
れば、ほぼ同一の光路を通る2つの干渉光を光電変換し
て得られる2つのビート信号の位相差のばらつきに基づ
いて、位置検出結果の再現性を評価している。従って、
LIA方式のアライメントセンサで回折格子状のマーク
の位置検出を行う際の、アライメントセンサ内部の例え
ばAOMドライバの電気的ジッタ等の要因による再現性
を、空気揺らぎや装置振動等の外部の要因による再現性
と区別して正確に評価できる利点がある。
【0057】また、本発明による評価方法は、通常のア
ライメント装置に容易に適応できるため、特別な評価装
置を作る必要の無い利点もある。次に、第1のビート信
号と第2のビート信号との位相差を検出する際の2つの
ビート信号のサンプリング時間を変えて、それぞれ検出
されたn個の位相差のばらつきを求め、最もばらつきが
小さくなるときのサンプリング時間を決定する場合に
は、LIA方式のアライメントセンサを使用した場合の
アライメントセンサ内部の要因による計測結果の再現性
を改善するための、そのアライメントセンサからのビー
ト信号の処理方法を設定できる利点がある。
【0058】これは特に、ジッタがなくせない状態にお
いて、ジッタの影響を最も受けにくい信号処理方法を決
定するために有効である。また、評価用の回折格子マー
クの段差の光路長を第1及び第2の光束の平均波長の1
/2まで変化させることにより、第1のビート信号と第
2のビート信号との位相差を0から2πまで変化させ
て、それぞれn個の位相差のばらつきを求め、該位相差
のばらつきが最も小さくなるときのその評価用の回折格
子マークの段差を決定するときには、ジッタの影響が小
さくなるように検出対象の回折格子状のマークを最適化
できる。
【0059】また、第1のビート信号と、第2のビート
信号との位相差を検出する際に、第1のビート信号と所
定の周波数差に対応した周波数の参照信号との位相差
と、第2のビート信号とその参照信号との位相差との差
分を求めるときにも、2つのビート信号の位相差を直接
求める場合と同様にジッタの影響を評価できる。また、
本発明のアライメント装置によれば、そのアライメント
結果評価方法が実施でき、その評価結果を使用すること
によりより高精度に位置合わせを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1実施例のLIA方式のアライ
メントセンサ、及びその評価システムを示す概略構成図
である。
【図2】第1実施例のビート信号及びサンプリングクロ
ックを示す波形図である。
【図3】本発明による第2実施例のアライメント装置が
搭載された投影露光装置の要部を示す構成図である。
【符号の説明】
1 ヘテロダイン干渉光学系 2 差周波生成光学系 3 ビームスプリッタ 4 対物レンズ 6 回折格子マーク 10A,10B 音響光学素子(AOM) 11A,11B AOMドライバ 13A,13B 空間フィルタ 14A,14B 光電検出器 15 位相比較処理検出系 17 水晶発振器 19 コンピュータ R レチクル PL 投影光学系 W ウエハ 36 中央制御系 39 アライメントセンサ 44 アライメント信号処理系 45 コンピュータ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理対象とする基板上の位置合わせ用の
    回折格子マークに対して所定の光束を照射し、前記回折
    格子マークから発生する回折光に基づいて前記回折格子
    マークの位置検出を行うアライメント装置の計測結果の
    再現性の評価方法であって、 評価用の回折格子マークに異なる2方向から所定の周波
    数差を有する第1の光束、及び第2の光束を照射し、該
    回折格子マークから前記第1の光束のM次回折光(Mは
    整数)、及び前記第2の光束のN次回折光(Nは±M以
    外の整数)を同一方向に第1の干渉光として発生させ、
    且つ該回折格子マークから前記第2の光束の−M次回折
    光、及び前記第1の光束の−N次回折光を同一方向に第
    2の干渉光として発生させ、 前記第1の干渉光を光電変換して得られる第1のビート
    信号と、前記第2の干渉光を光電変換して得られる第2
    のビート信号との位相差をn回(nは2以上の整数)続
    けて検出し、該検出されたn個の位相差のばらつきに基
    づいて、前記第1及び第2のビート信号の少なくとも一
    方より求められる前記評価用の回折格子マークの位置検
    出結果の再現性を評価することを特徴とするアライメン
    ト結果評価方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のアライメント結果評価方
    法であって、前記第1のビート信号と前記第2のビート
    信号との位相差を検出する際の前記2つのビート信号の
    サンプリング時間を変えて、それぞれ前記検出されたn
    個の位相差のばらつきを求め、最もばらつきが小さくな
    るときのサンプリング時間を決定することを特徴とする
    アライメント結果評価方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のアライメント結果評価方
    法であって、 前記評価用の回折格子マークの段差の光路長を前記第1
    及び第2の光束の平均波長の1/2まで変化させること
    により、前記第1のビート信号と前記第2のビート信号
    との位相差を0から2πまで変化させて、それぞれ前記
    n個の位相差のばらつきを求め、該位相差のばらつきが
    最も小さくなるときの前記評価用の回折格子マークの段
    差を決定することを特徴とするアライメント結果評価方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1、2、又は3記載のアライメン
    ト結果評価方法であって、 前記第1のビート信号と、前記第2のビート信号との位
    相差を検出する際に、前記第1のビート信号と前記所定
    の周波数差に対応した周波数の参照信号との位相差と、
    前記第2のビート信号と前記参照信号との位相差との差
    分を求めることを特徴とするアライメント結果評価方
    法。
  5. 【請求項5】 処理対象とする基板上の位置合わせ用の
    回折格子マークに対して所定の光束を照射し、前記回折
    格子マークから発生する回折光に基づいて前記回折格子
    マークの位置検出を行うアライメント装置において、 前記回折格子マークに異なる2方向から所定の周波数差
    を有する第1の光束、及び第2の光束を照射して、前記
    回折格子マークから前記第1の光束のM次回折光(Mは
    整数)、及び前記第2の光束のN次回折光(Nは±M以
    外の整数)を同一方向に第1の干渉光として発生させ、
    且つ前記回折格子マークから前記第2の光束の−M次回
    折光、及び前記第1の光束の−N次回折光を同一方向に
    第2の干渉光として発生させる照射光学系と;前記第1
    及び第2の干渉光を受光して光電変換することによりそ
    れぞれ第1及び第2のビート信号を発生する受光光学系
    と;前記第1及び第2のビート信号の少なくとも一方に
    基づいて前記回折格子マークの位置を検出する信号処理
    手段と;前記第1のビート信号と、前記第2のビート信
    号との位相差のばらつきより前記信号処理手段で求めら
    れる前記回折格子マークの位置検出結果の再現性を評価
    する評価手段と;を有することを特徴とするアライメン
    ト装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008532320A (ja) * 2005-03-01 2008-08-14 ケーエルエー−テンカー テクノロジィース コーポレイション 2つの回折次数による画像化に基づいたターゲット取得およびオーバレイ測定
JP2016027325A (ja) * 2014-06-27 2016-02-18 キヤノン株式会社 位置検出装置、位置検出方法、インプリント装置及び物品の製造方法
CN114061452A (zh) * 2021-11-04 2022-02-18 中国科学院微电子研究所 超精密位置探测光电信号解算结果有效性评价方法及系统

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