JPH08320569A - 表面反射防止膜用組成物 - Google Patents

表面反射防止膜用組成物

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JPH08320569A
JPH08320569A JP8065993A JP6599396A JPH08320569A JP H08320569 A JPH08320569 A JP H08320569A JP 8065993 A JP8065993 A JP 8065993A JP 6599396 A JP6599396 A JP 6599396A JP H08320569 A JPH08320569 A JP H08320569A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低屈折率(1.4以下)であり、且つ水媒体
にて良好に塗布膜を形成、除去ができ、且つ、残渣(ス
カム)等の問題も発生しないフォトレジスト用表面反射
防止膜用組成物を提供する。 【構成】 水溶性フッ素化合物及び水を主成分とする表
面反射防止膜用組成物において、水溶性フッ素化合物と
して、1気圧、20℃において固体である水溶性フッ
素化合物、1気圧、20℃において液状であり、且つ
1気圧での沸点が100℃以上である水溶性フッ素化合
物の双方を含有することを特徴とする表面反射防止膜用
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体素子等の作成にお
ける微細加工法に使用される表面反射防止膜用組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】集積回路等に代表される微細加工技術は
近年益々その加工精度を向上させており、ダイナミック
ランダムアクセスメモリー(DRAM)を例にとれば、
現在では、サブミクロンの加工技術が大量生産レベルの
技術として確立されている。このサブミクロンの加工に
はg線(436nm)、i線(365nm)、KrFエ
キシマレーザー光(248nm)等の短波長の光を用い
たフォトリソグラフィー技術が利用されている。これら
に使用されるフォトレジスト組成物も改良をかさね高性
能なフォトレジスト組成物が種々提案されている。
【0003】このフォトレジスト組成物に要求される特
性としては、より高解像性は勿論のこと塗布膜厚による
転写された微細パターンの寸法変動もより少ないものが
要求されている。しかし、フォトリソグラフィーでは光
干渉の影響をうけ、この塗布膜厚に対する微細パターン
の寸法変動を低下させることには限界があった。
【0004】即ち、照射された光はフォトレジスト塗布
膜上下面において膜内多重反射を繰り返すが、光が単色
光であることもあり、反射光の干渉作用によりその実効
的な光量が塗布膜厚により変化し、寸法精度に限界があ
る結果となっている。この問題点を解決する手法とし
て、フォトレジスト塗布膜上にフォトレジスト塗布膜と
は異なる屈折率をもった透明な膜を形成させ、フォトレ
ジスト塗布膜上面より反射される光と、このフォトレジ
スト塗布膜上面を通過し新たに塗布された屈折率が異な
る膜上面より反射される光の位相差による干渉を利用
し、上記膜内多重反射の影響を小さくし、寸法制御性を
向上させるという方法が提案されている。(特開昭60
−149130号、特開昭62−62520号、特開昭
62−62521号、特開平5−188598号等)
【0005】良好な結果を与える上記屈折率はフォトレ
ジスト塗布膜の屈折率の平方根であり、一般的には1.
25〜1.35であるのに対し、リソグラフィー工程で
の望ましい実施形態は水媒体にて良好に塗布膜を形成、
除去ができるものであることから、この条件では屈折率
が1.4程度というのが現状での低屈折率の限界であ
る。
【0006】即ち、低屈折率にするためには一般的には
フッ素を含有する化合物が好ましいが、水溶性のフッ素
を含有する化合物であり更にフィルム形成性の化合物は
少なく、このためフッ素を含有しないフィルム形成性の
ポリマーを併用せざるをえず、このフィルム形成性のポ
リマーの添加が低屈折率化の妨げとなっている。
【0007】又、ストリエーションと呼ぶ塗布膜厚の均
一性が甚だしく悪い状態の組成物、塗布直後は良好な膜
を形成するものの短時間(例えば24時間以内)にて膜
内に粒状の異物が発生する組成物、組み合わせるフォト
レジストによっては現像後の残渣(スカム)が多く発生
する組成物、転写されたパターンが現像時に剥がれてし
まう組成物等低屈折率ではあっても実用に供せない等の
問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の背景
に鑑みなされたものであり、その目的は、低屈折率
(1.4以下)であり、且つ水媒体にて良好に塗布膜を
形成、除去ができ、且つ、残渣(スカム)等の問題も発
生しない表面反射防止膜用組成物を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために我々は種々検討を重ねた結果、特定の化合物を
用いて表面反射防止膜用組成物を調製すれば、屈折率を
低下させることを困難にするフィルム形成性のポリマー
を添加することなく、しかもフィルム形成性のポリマー
の添加量が少なくても上記目的を達成することができる
ことを見出し本発明を完成した。
【0010】即ち、本発明の要旨は、水溶性フッ素化合
物及び水を主成分とする表面反射防止膜用組成物におい
て、水溶性フッ素化合物として、1気圧、20℃にお
いて固体である水溶性フッ素化合物、1気圧、20℃
において液状であり、且つ1気圧での沸点が100℃以
上である水溶性フッ素化合物の双方を含有することを特
徴とする表面反射防止膜用組成物に存する。
【0011】以下、本発明につき更に詳細に説明する。
本発明において、1気圧、20℃において固体である水
溶性フッ素化合物はかかる要件を満たすものであれば
特に限定されないが、好ましくは、1気圧、25℃にお
いて固体である水溶性フッ素化合物である。又、固体の
水溶性フッ素化合物は、1気圧での沸点が150℃以
上であるのが好ましく、沸点が200℃以上、更に25
0℃以上であるのが特に好ましい。尚、本発明で言う水
溶性とは、水性媒体に対して20℃において、0.1重
量%以上、好ましくは0.5重量%以上溶解することで
ある。又、ここで水性媒体とは水を主体とする媒体をい
い、水単独又は水と混合し得る有機溶媒を30重量%以
下、好ましくは20重量%以下を含む媒体を言う。有機
溶媒としては、後述の本発明組成物の溶媒の説明で例示
するものが挙げられる。
【0012】固体の水溶性フッ素化合物としては、総
炭素数3〜30、好ましくは5〜20である、パーフル
オロアルキルスルホン酸又はパーフルオロアルキルカル
ボン酸、総炭素数8〜40、好ましくは9〜20のパー
フルオロアルキルベンゼンスルホン酸、パーフルオロア
ルキルオキシベンゼンスルホン酸、パーフルオロアルキ
ルベンゼンカルボン酸、パーフルオロアルキルオキシベ
ンゼンカルボン酸、総炭素数4〜1000、好ましく
は、4〜500のパーフルオロアルキルポリエーテルス
ルホン酸、パーフルオロアルキルポリエーテルカルボン
酸等の内、1気圧、20℃において固体である水溶性フ
ッ素化合物が挙げられる。又、上記の各フッ素含有酸化
合物はフリーの酸として、又はアンモニウム塩、フッ素
で置換されていてもよいモノ〜テトラアルキルアンモニ
ウム塩等の形であっても良い。又、これらの固体の水溶
性フッ素化合物は2種類以上混合使用しても良い。な
かでも、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオ
ロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルポリエー
テルスルホン酸、パーフルオロアルキルポリエーテルカ
ルボン酸、又はそれらの塩から選ばれる少なくとも1種
であるのが好ましい。
【0013】上記のフッ素含有酸化合物の具体例として
は、パーフルオロブタンスルホン酸、パーフルオロヘプ
タンスルホン酸、パーフルオロオクタンスルホン酸、パ
ーフルオロデカンスルホン酸、パーフルオロアジピン
酸、パーフルオロオクタン酸、パーフルオロアゼライン
酸、パーフルオロセバチン酸、パーフルオロ−1,10
−デカンジカルボン酸、パーフルオロヘプタオキシベン
ゼンスルホン酸、パーフルオロアルキルポリエーテルス
ルホン酸(例えばDuPont社製のNafion(登
録商標)、パーフルオロアルキルポリエーテルカルボン
酸、パーフルオロアルキルポリエーテルジカルボン酸、
フルオロアルキル基が導入された水溶性のアクリル酸誘
導体ポリマーでかつ1気圧、20℃にて固体の化合物等
が挙げられる。また、固体の水溶性フッ素化合物とし
ては、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオ
ロヘキサン−1,6−ジオールのような下式で示される
化合物も好ましく使用できる。
【0014】
【化2】HOCH2 (CF2 n CH2 OH (n
=2〜4)
【0015】一方、本発明における1気圧、20℃にお
いて液状であり、且つ1気圧での沸点が100℃以上で
ある水溶性フッ素化合物は、かかる要件を満たすもの
であれば特に限定されないが、好ましくは1気圧、10
℃において液状である水溶性フッ素化合物である。又、
該液状の水溶性フッ素化合物は、1気圧での沸点が1
50℃以上、更に200℃以上であるのが好ましい。ま
た、これらの液体のフッ素化合物は粘度があまりに低い
と良好な性状の膜が得にくいので、25℃において、通
常3センチポアズ以上、好ましくは10センチポアズ以
上、さらに好ましくは30センチポアズ以上、最も好ま
しくは50センチポアズ以上の粘度を有するのがよい。
粘度の上限に実質的な制限はなく、水性媒体に可溶であ
ればゼリー状のものも使用できる。これらの化合物とし
ては、例えば次のような化合物が挙げられる。 (i)下記式(I)で示される中性の水溶性フッ素化合
物、
【0016】
【化3】
【0017】(式中、R1 はフッ素置換アルキル基を表
し、R2 はフッ素置換されていても良いアルキレン基を
表し、X1 ,X2 ,X3 ,X4 及びX5 は独立に水素原
子又はフッ素原子を表し、m及びnはそれぞれ0〜5の
整数を表す。) (ii)トリフルオロメタンスルホン酸、ヘプタフルオロ
ブタン酸のようなパーフルオロアルキルスルホン酸、又
は、カルボン酸、 (iii)パーフルオロ(2−エトキシエタン)スルホン
酸、パーフルオロ−2,5−ジメチル−3,6−ジオキ
サノナン酸、パーフルオロ−2,5,8−トリメチル−
3,6,9−トリオキサドデカン酸のような総炭素数4
〜1000、好ましくは、4〜500のパーフルオロア
ルキルポリエーテルスルホン酸、パーフルオロアルキル
ポリエーテルカルボン酸等の内、1気圧、20℃におい
て液体である水溶性フッ素化合物が挙げられる。
【0018】液状の水溶性フッ素化合物としては、こ
れらの化合物の中でも上記式(I)で表される化合物や
パーフルオロアルキルポリエーテルカルボン酸の内、1
気圧、20℃において液体である水溶性フッ素化合物が
好ましい。この内、パーフルオロアルキルポリエーテル
カルボン酸としては、重量平均分子量が6000以下、
特に1500〜5500、さらに特に1000〜500
0のものが好ましい。分子量が小さすぎると得られた塗
布膜中に結晶状の異物が多数発生する等好ましくなく、
また分子量が大きすぎると水性媒体に溶解せず好ましく
ない。このようなパーフルオロアルキルポリエーテルカ
ルボン酸の具体例としては、下記式(II)で表されるD
uPont社製のKrytox(登録商標)157FS
L、Krytox(登録商標)157FSM等をあげる
ことができる。
【0019】
【化4】 F−〔CF(CF3 )CF 2O〕n −CF(CF) 3−COOH (II) (nは1以上の整数)
【0020】又、上記の各フッ素含有酸化合物はフリー
の酸として、又はアンモニウム塩、フッ素で置換されて
いてもよいモノ〜テトラアルキルアンモニウム塩等の形
であっても良い。機器の腐食等が問題となる場合、酸性
化合物をあまり多く使用せず、むしろ中性の化合物を使
用する方が好ましい。
【0021】なお、本発明において、中性とは、1wt
%水溶液においてpH4〜10のことであり、好ましく
は、1wt%水溶液でpH5〜9である。(ここで、水
溶液とは、水を50重量%以上含有する水を主体とする
溶液を意味する。)前記式(I)に於て、R1 で示され
るフッ素置換アルキル基としては、通常炭素数2〜20
程度のフッ化アルキル基が挙げられ、好ましくは炭素数
2〜15のフッ化アルキル基であり、R2 で示されるフ
ッ素置換されていても良いアルキレン基としては、フッ
素置換されていてもよい炭素数1〜5のアルキレン基で
ある。又、m及びnはそれぞれ0〜5の整数を表わす
が、好ましくはm及びnは1である。
【0022】前記式(I)の化合物としては、具体的に
は3−(2−パーフルオロヘキシル)エトキシ−1,2
−ジヒドロキシプロパン(b.p.300℃以上/1気
圧、125℃/0.2mmHg)等が挙げられる。又、
他の中性の水溶性フッ素化合物としては、2,2,3,
3−テトラフルオロプロパノール(b.p.110
℃)、2,2,3,3,4,4−ヘキサフルオロブタノ
ール(b.p.約125℃)、2,2,3,3,4,
4,5,5−オクタフルオロペンタノール(b.p.1
40℃)等のフルオロアルキルアルコール類、住友スリ
ーエム(株)製のFC−430、大日本インキ化学工業
(株)のF−177、F−179等のアクリル酸及び/
又はメタクリル酸のフルオロアルキルエステルのような
フッ素含有(メタ)アクリル酸誘導体を構成単位とする
ポリマーでかつ20℃にて液体の化合物、住友スリーエ
ム(株)社製のFC−171(パーフルオロアルキルア
ルコキシレート)等も挙げられる。
【0023】尚、これら液状の水溶性フッ素化合物は
必要に応じて2種類以上混合使用して用いても良く、
又、1気圧での沸点が100℃以上200℃以下の化合
物と200℃以上の化合物を混合使用することも好まし
い結果を与える。又、フルオロアルキルアルコール類は
前記式(I)の化合物と併用するのが好ましい。
【0024】上記に列挙した中でも、特に好ましい液状
の水溶性フッ素化合物としては、前記式(I)の水溶
性フッ素化合物、Krytox(登録商標)157FS
L、Krytox(登録商標)157FSM等が挙げら
れる。本発明において用いられる固体の水溶性フッ素化
合物及び液状の水溶性フッ素化合物は、その構造中
の水素原子がフッ素原子で置換された化合物であるが、
そのフッ素置換割合は高い方が好ましく、通常、50%
以上の水素がフッ素に置換されているのが好ましい。
【0025】上記の水溶性フッ素化合物は、通常固体の
水溶性フッ素化合物と液状の水溶性フッ素化合物と
を重量割合にて10:1〜1:20、好ましくは5:1
〜1:10の割合で混合使用される。本発明の反射防止
膜用組成物は、これらの水溶性フッ素化合物および
を合計重量にて水性溶媒に対し、通常1〜10重量%含
有する。又、この反射防止膜用組成物には、ポリビニル
アルコール、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、
ポリビニルメチルエーテル等のフィルム形成性ポリマー
を加えても良いが、その添加量は屈折率を低下させる目
的より、フッ素化合物類の合計の20重量%以下、更に
好ましくは10重量%以下にするのが良い。
【0026】本発明組成物の溶媒は水を用いるのが一般
的であるが、フッ素化合物の溶解性を向上させるため
に、フッ素原子で置換されていても良いメタノール、エ
タノール、プロパノール等の低級アルコール類、酢酸等
の低級アルキルカルボン酸類等の水と混合しうる有機溶
媒との混合溶媒を用いても良い。この場合、有機溶媒の
混合割合が多すぎると、塗布する際に下層のフォトレジ
スト膜を溶解してしまうので、通常30重量%以下、好
ましくは20重量%以下にて使用するのが良い。
【0027】尚、本発明の組成物は、本発明の趣旨を越
えない限り他のフッ素系等の低屈折率化合物を含有する
こともできるが、この場合の低屈折率化合物は上記溶媒
に可溶性であり、その混合率は本発明のフッ素化合物類
の合計に対し20%以下が好ましい。又、本発明の組成
物中には更に塗布性、消泡性等を改善するために界面活
性剤等を添加してもよい。
【0028】又、投射光波長に対する吸光度が、投射光
の投射により減少する化合物を添加することもフォトリ
ソグラフィー上好ましい。本発明の表面反射防止膜用組
成物が塗布されるフォトレジストは特に限定されず、ネ
ガ型、ポジ型の双方に、又、材料的には、キノンジアジ
ド化合物及びノボラック樹脂を主成分とするもの、ポリ
ビニルフェノール系樹脂及び光酸発生剤を含有するもの
等が挙げられる。以下に、本発明を実施例をあげて説明
するが、本発明はこれらの実施例により何等限定される
ものではない。
【0029】
【実施例】参考例1 ヘプタデカフルオロオクタンスルホン酸(パーフルオロ
オクタンスルホン酸)をテトラメチルアンモニウムヒド
ロキシド水溶液にて中和(中和率95%)した塩及び3
−(2−トリデカフルオロヘキシル)エトキシ−1,2
−ジヒドロキシプロパン(粘度100センチポアズ以
上)を重量比にて60:40にて混合し、非溶媒成分濃
度4重量%で水溶媒に溶解させ0.2μmのフィルター
にて濾過し表面反射防止膜用組成物(A)を調製した。
【0030】参考例2 参考例1において、混合比を65:35にかえ、更に、
2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペン
タノールを水に対し1重量%添加した混合溶媒を用いた
他は同様にして表面反射防止膜用組成物(B)を調製し
た。
【0031】参考例3 ヘプタデカフルオロオクタンスルホン酸をペンタデカフ
ルオロオクタン酸(パーフルオロオクタン酸)にかえた
他は参考例1と同様にして表面反射防止膜用組成物
(C)を調製した。
【0032】参考例4 ペンタデカフルオロオクタン酸をテトラメチルアンモニ
ウムヒドロキシド水溶液にて中和(中和率95%)した
塩、及びパーフルオロアルキルポリエーテルカルボン酸
(DuPont社製Krytox(登録商標)157F
SL(粘度280センチポアズ、重量平均分子量約25
00))をテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶
液にて中和(中和率100%)した塩を重量比にて5
0:50にて混合し、非溶媒成分濃度4重量%でイソプ
ロピルアルコール/水(20/80重量比)の溶媒に溶
解させ0.2μmのフィルターにて濾過し表面反射防止
膜用組成物(D)を調製した。
【0033】参考例5 ヘプタデカフルオロオクタンスルホン酸をテトラメチル
アンモニウムヒドロキシド水溶液にて中和(中和率95
%)した塩、及びDuPont社製パーフルオロアルキ
ルポリエーテルカルボン酸(Krytox(登録商標)
157FSL)をテトラメチルアンモニウムヒドロキシ
ド水溶液にて中和(中和率95%)した塩及びポリビニ
ルピロリドン(BASF社製 Luviskol(登録
商標)K30)を重量比にて45:50:5にて混合
し、非溶媒成分濃度4重量%でイソプロピルアルコール
/水(20/80重量比)の溶媒に溶解させ0.2μm
のフィルターにて濾過し表面反射防止膜用組成物(E)
を調製した。
【0034】参考例6 3−(2−トリデカフルオロヘキシル)エトキシ−1,
2−ジヒドロキシプロパンを使用しない他は参考例1と
同様にして表面反射防止膜用組成物(F)を調製した。
【0035】参考例7 ヘプタデカフルオロオクタンスルホン酸をテトラメチル
アンモニウムヒドロキシド水溶液にて中和(中和率95
%)した塩を使用しない他は参考例1と同様にして表面
反射防止膜用組成物(G)を調製した。
【0036】参考例8 ペンタデカフルオロオクタン酸をテトラメチルアンモニ
ウムヒドロキシド水溶液にて中和(中和率95%)した
塩を使用しない他は参考例4と同様にして表面反射防止
膜用組成物(H)を調製した。
【0037】参考例9 Krytox(登録商標)157FSLをテトラメチル
アンモニウムヒドロキシド水溶液にて中和(中和率10
0%)した塩を使用しない他は参考例4と同様にして表
面反射防止膜用組成物(I)を調製した。
【0038】参考例10 3−(2−トリデカフルオロヘキシル)エトキシ−1,
2−ジヒドロキシプロパンをポリビニールピロリドン
(BASF社製 Luviskol(登録商標)K9
0)にかえた他は参考例1と同様にして表面反射防止膜
用組成物(J)を調製した。
【0039】参考例11 参考例10において混合比を70:30にかえた他は同
様にして表面反射防止膜用組成物(K)を調製した。
【0040】参考例12 参考例10において混合比を80:20にかえた他は同
様にして表面反射防止膜用組成物(L)を調製した。
【0041】参考例13 ヘプタデカフルオロオクタンスルホン酸のテトラメチル
アンモニウム塩をペンタデカフルオロオクタン酸のアン
モニウム塩に、ポリビニールピロリドンをα−パーフル
オロノネニル−ω−メトキシポリオキシエチレン
((株)ネオス社製フタージェント 250)にかえた
他は参考例11と同様にして表面反射防止膜用組成物
(M)を調製した。
【0042】参考例14 ヘプタデカフルオロオクタンスルホン酸のテトラメチル
アンモニウム塩をペンタデカフルオロオクタン酸のアン
モニウム塩に、ポリビニールピロリドンをポリアクリル
酸にかえた他は参考例10と同様にして表面反射防止膜
用組成物(N)を調製した。
【0043】実施例1〜5、比較例1〜9 表面反射防止膜用組成物(A)〜(N)をそれぞれ用い
5インチのシリコンウェハーにスピンコートし、ホット
プレート上で80℃で90秒間加熱ベークして塗膜を乾
燥し、約400Åの膜厚の塗布膜を得た。その塗布膜の
塗布膜性状の目視観察結果と屈折率の測定結果を表−1
に示た。又、この塗布膜を23℃の水に浸し、塗布膜の
溶解剥離性を観察したところ、実施例、比較例共に問題
なく溶解剥離できた。
【0044】
【表1】
【0045】実施例6、比較例10〜11 キノンジアジド系ポジ型フォトレジスト(東京応化工業
(株)社製 TSMR−V90)を5インチのシリコン
ウェハーにスピンコートし、ホットプレート上で90℃
で90秒間加熱ベークし塗膜を乾燥し、10350Åの
膜厚のフォトレジスト塗布膜を得た。更に、表面反射防
止膜用組成物(A)、(M)及び(N)をそれぞれこの
フォトレジスト膜上にスピンコートし、ホットプレート
上で90℃で60秒間、加熱ベークして塗膜を乾燥し、
表面反射防止塗布膜(膜厚700Å)付のフォトレジス
ト塗布膜ウエハーを得た。このウエハーをGCA社製g
線ステッパーDSW−6700Bにてテストパターン付
マスクを介し露光し、更にホットプレート上で120℃
で90秒間ポストエクスポジャーベークしたのち、2.
38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液
にて60秒間パドル現像した。1μmのライン&スペー
スが1:1に仕上がる露光量での転写パターンを走査型
電子顕微鏡にて観察した。結果を表−2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】実施例7、比較例12〜13 キノンジアジド系ポジ型フォトレジスト(三菱化学
(株)社製 MCPR−i6600)を実施例6と同様
に複数枚のウェハーに塗布ベークし、約100Åの間隔
にて10000〜12000Åの膜厚のフォトレジスト
塗布膜のウェハーを得た。更に、表面反射防止膜用組成
物(A)及び(K)をそれぞれ実施例6と同様にしてフ
ォトレジスト膜上に表面反射防止塗布膜(膜厚650
Å)を形成した。表面反射防止膜を形成していないウェ
ハー及び表面反射防止膜を形成したウェハーを、ニコン
社製i線ステッパーNSR1755i7Aにてテストパ
ターン付マスクを介し露光し、更にホットプレート上で
120℃で90秒間ポストエクスポジャーベークしたの
ち、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシ
ド水溶液にて60秒間パドル現像した。
【0048】同一露光量での0.7μmのマスクパター
ン像の仕上がり線巾を電子顕微鏡を用い測定した。フォ
トレジスト塗布膜の膜厚変化に対する仕上がり線巾の変
化は表面反射防止膜用組成物を使用しなかった場合が最
も大きく、表面反射防止膜用組成物(A)を使用した場
合が最も小さかった。表面反射防止膜用組成物(K)を
使用した場合は表面反射防止膜用組成物を使用しなかっ
た場合より小さかったが仕上がり線巾の変化は満足のい
くものではなかった。
【0049】
【発明の効果】本発明の反射防止膜用組成物は、低屈折
率で、良好な塗布膜性状を有すると共に水媒体で容易に
除去でき残渣の問題も生じない効果を有する。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性フッ素化合物及び水を主成分とす
    る表面反射防止膜用組成物において、水溶性フッ素化合
    物として、1気圧、20℃において固体である水溶性
    フッ素化合物、1気圧、20℃において液状であり、
    且つ1気圧での沸点が100℃以上である水溶性フッ素
    化合物の双方を含有することを特徴とする表面反射防止
    膜用組成物。
  2. 【請求項2】 1気圧、20℃において固体である水溶
    性フッ素化合物が、パーフルオロアルキルスルホン酸、
    パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキ
    ルポリエーテルスルホン酸、パーフルオロアルキルポリ
    エーテルカルボン酸、又はそれらの塩から選ばれる少な
    くとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の表
    面反射防止膜用組成物。
  3. 【請求項3】 1気圧、20℃において液状であり、且
    つ1気圧での沸点が100℃以上である水溶性フッ素化
    合物が、25℃において3センチポアズ以上の粘度を有
    する化合物である請求項1に記載の表面反射防止膜用組
    成物。
  4. 【請求項4】 1気圧、20℃において液状であり、且
    つ1気圧での沸点が100℃以上である水溶性フッ素化
    合物が下記の構造式(I)で示される化合物であること
    を特徴とする請求項1または3に記載の表面反射防止膜
    用組成物。 【化1】 (式中、R1 はフッ素置換アルキル基を表し、R2 はフ
    ッ素置換されていても良いアルキレン基を表し、X1
    2 ,X3 ,X4 及びX5 は独立に水素原子又はフッ素
    原子を表し、m及びnはそれぞれ0〜5の整数を表
    す。)
  5. 【請求項5】 1気圧、20℃において液状であり、且
    つ1気圧での沸点が100℃以上である水溶性フッ素化
    合物がパーフルオロアルキルポリエーテルスルホン酸、
    パーフルオロアルキルポリエーテルカルボン酸、又はそ
    れらの塩から選ばれる少なくとも1種であることを特徴
    とする請求項1または3に記載の表面反射防止膜用組成
    物。
  6. 【請求項6】 パーフルオロアルキルポリエーテルカル
    ボン酸の重量平均分子量が6000以下のパーフルオロ
    アルキルポリエーテルカルボン酸であることを特徴とす
    る請求項5に記載の表面反射防止膜用組成物。
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