JPH08320511A - ぶれ低減カメラ - Google Patents

ぶれ低減カメラ

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Publication number
JPH08320511A
JPH08320511A JP12514695A JP12514695A JPH08320511A JP H08320511 A JPH08320511 A JP H08320511A JP 12514695 A JP12514695 A JP 12514695A JP 12514695 A JP12514695 A JP 12514695A JP H08320511 A JPH08320511 A JP H08320511A
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JP
Japan
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exposure
shake
blur
blurring
value
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JP12514695A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Matsuzawa
良紀 松澤
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】不必要なレリーズタイムラグを生じることなし
に手ぶれを低減することができるぶれ低減カメラを提供
する。 【構成】検出されたぶれ情報に基づいて演算を行い、こ
のぶれ演算値を用いて画像の流れによる画質の低下を低
減するぶれ低減カメラにおいて、上記ぶれ演算された演
算値とぶれを許容する値として予め定められたぶれ許容
値との大小関係を比較し、上記ぶれ演算値の方が大きい
際に、通常の撮影モードからぶれ低減モードへ移行させ
る露光開始制御手段3を具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はぶれ低減カメラに関し、
特に、カメラの手ぶれ等による画像の移動に関する情報
を検出し、この情報に基づいて手ぶれ低減処置を行う装
置或いはこれを有するカメラに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のカメラにおいては、カメラの振動
や被写体の不意の動きにより画像が流れることによって
撮影画像の画質が劣化する事がある。このような欠点を
防ぐために、画像の流れ、すなわちぶれに関する情報を
得て画像の流れを低減するカメラが提案されてきてい
る。ぶれを検出する手段としては、近年改良が進み小型
で性能も良好な振動ジャイロと呼ばれる小型の角速度セ
ンサや、従来利用が考えられている、加速度センサ等の
カメラの振動を測定する手段や、被写体像の移動を測定
するために被写体輝度の測光素子や測距の為の光電変換
画素列を流用したものが提案されている。
【0003】上記したぶれ検出方法によって検出された
ぶれを低減する方法として、画像の流れの量が少ない場
合にフィルムへの露光を行うカメラが提案されている。
例えば、特開昭63−53531号公報は、ぶれによる
変位のピーク時点ではぶれの速度が小さい事に着目し
て、ぶれのピークでシャッタ保持手段を解除するカメラ
を開示している。また、特開昭64−86122号公報
は、ぶれ信号の半周期からぶれの変位振幅と周波数を求
めて、次の変位のピークに露光時間が来る様に露光手段
を制御するカメラを開示している。また、特開平03−
92830号公報は、ぶれ情報を検出するために角速度
センサを用い、この角速度センサの角速度信号が所定値
以下の場合に露光を開始するカメラを開示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来のぶれ低
減カメラはいずれも、露光の為の準備が完了した後の所
定時間にぶれの信号が所定の条件を満たすか、所定値以
下の値になった場合に露光を実行しており、露光が可能
になった後にぶれが無い状態が来る事を前提としてい
る。しかしながら、露光の開始が可能になった後にぶれ
が所定の値より小さくなるとは限らず、ぶれが小さくな
るのを待つことにより露光開始が通常の露光開始タイミ
ングから著しく遅くなってシャッタチャンスを逃してし
まうことがあった。
【0005】そこで、露光開始の遅延に上限を定める事
も考えられる。しかしながら、露光遅延の制御のタイム
オーバで露光を行う場合も考えられ、この場合は実際に
ぶれが減るかどうかを判断する方法がない。したがっ
て、ぶれは減らないのにレリーズから露光までのタイム
ラグが不必要に伸びてしまい、撮影者にとっては使いづ
らい場面も生じた。
【0006】本発明はこのような課題に着目してなされ
たものであり、その目的とするところは、不必要なレリ
ーズタイムラグを生じることなしに手ぶれを低減するこ
とができるぶれ低減カメラを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】上記の目的を達
成するために、第1の発明は、検出されたぶれ情報に基
づいて演算を行い、このぶれ演算値を用いて画像の流れ
による画質の低下を低減するぶれ低減カメラにおいて、
上記ぶれ演算された演算値とぶれを許容する値として予
め定められたぶれ許容値との大小関係を比較する比較手
段と、上記ぶれ演算値の方が大きい際に、通常の撮影モ
ードからぶれ低減モードへ移行させるモード切り換え手
段とを具備する。
【0008】また、第2の発明は、検出されたぶれ情報
に基づいてぶれ演算を行い、このぶれ演算値を用いて画
像の流れによる画質の低下を低減するぶれ低減カメラに
おいて、上記ぶれ演算された演算値とぶれを許容する値
として予め定められたぶれ許容値との大小関係を比較す
る比較手段と、上記ぶれ演算値の方が大きい際に、露出
準備完了時から所定時間だけ露出タイミングを遅延させ
る遅延手段と、上記遅延手段による遅延時間に応じて、
上記ぶれ許容値を変更する変更手段とを具備する。
【0009】また、第3の発明は、第2の発明におい
て、上記変更手段は、露出準備完了時から時間を計時す
る計時手段と、遅延時間に応じて、上記ぶれ許容値を緩
和する露光条件緩和手段とを有している。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。図1(a)は本発明によるぶれ低減カメラ
の基本構成を示す図であり、画像の流れによる画質の劣
化に関するぶれ情報を検出するぶれ検出手段1と、フィ
ルムに被写体像を露光する露光手段2と、上記ぶれ検出
手段1からのぶれ情報が所定の条件に当てはまった場合
に上記露光手段の動作開始を制御する露光開始制御手段
3と、露光開始制御手段3が露光の開始を遅延させた量
に応じて上記露光開始制御手段3で用いられる露光許可
の所定の条件を変更する露光開始条件変更手段4とから
なる。ここで、露光開始制御手段3は、検出されたぶれ
情報とぶれを許容する値として予め定められたぶれ許容
値との大小関係を比較する比較手段と、上記ぶれ情報の
方が大きい際に、通常の撮影モードからぶれ低減モード
へ移行させるモード切り換え手段とを具備している。
【0011】また、露光開始条件変更手段4は、図1
(b)に示すように、露光遅延時間計時手段41と、露
光時間の遅延量に応じて露光許可の所定の条件を緩和す
る露光開始条件緩和手段42とを具備しており、露光遅
延時間計時手段41によって計時された露光遅延の時間
量に応じて、露光開始条件緩和手段42によって露光許
可の条件を緩くする事で露光条件を変更する。これによ
って無用な露光時間の遅延を防止すると共に、露光の際
のぶれを低減することができる。
【0012】また、他の構成として露光開始条件変更手
段4は、図1(c)に示すように、露光遅延時間を計時
する露光遅延時間計時手段41と、露光遅延が所定時間
経過したときに露光許可の所定の条件を強化する露光開
始条件強化手段43と、遅延時間が延長した場合には露
光許可の所定の条件を緩和する露光開始条件緩和手段4
2とを具備している。この構成によれば、露光の開始直
後で露光許可の所定の条件を緩和できるのでシャッタチ
ャンスを逃がさないようにすることができる。
【0013】また、ぶれ検出手段1は、例えば図1
(d)に示すように、撮影者に与えられるカメラの振動
を検出するぶれ振動検出手段11で構成され、具体的に
は、角速度センサや加速度センサで構成できる。また
は、ぶれ検出手段1は図1(e)に示すように被写体像
の移動に関する情報を検出する被写体ぶれ検出手段12
で構成され、具体的には、光電変換素子手段からなる被
写体像の輝度を測るための測光手段の出力信号の変化検
出手段、或いは、測距手段の出力の時間的変化検出手段
を用いれば良い。
【0014】図2(a)は本実施例に係るぶれ低減カメ
ラの外観斜視図であり、カメラ101には、カメラ本体
102、鏡筒103、レリーズスイッチ104、ファイ
ンダ105、ストロボ106、測光装置107、測距装
置108、表示警告装置109が設置されている。カメ
ラ本体102は、図2(b)に示すように、レリーズス
イッチ104と、ファインダ105と、ストロボ106
と、測光装置107と、測距装置108と、表示警告装
置109と、制御回路110と、手ぶれ検出装置111
と、フィルム走行装置112と、撮影フィルム113と
を備えている。
【0015】上記フィルム走行装置112は、撮影フィ
ルム113に対して撮影に必要な所謂オートロード・巻
上げ・巻き戻しを行なう。また、レリーズスイッチ10
4の半押し状態で測光と測距が開始され、全押しでピン
ト調整等の露光の準備が開始される。
【0016】また、鏡筒103内には、撮影レンズ10
3−1、露光装置103−2が取り付けられており、撮
影レンズ103−1を通過した被写体光が露光装置10
3−2の動作により撮影フィルム113まで到達し、撮
影フィルム113上に被写体像が露出される。また、撮
影レンズ103−1の一部は焦点調節にも利用される。
【0017】カメラ101の動作は、カメラ本体102
内のCPUを中心とした制御回路110によって所定の
タイミングで制御され、前記露光開始制御手段3と、露
光開始制御手段3で用いられる露光許可の所定の条件を
変更する露光開始条件変更手段4も制御回路110の一
部として構成されている。
【0018】以下に、図3のフローチャートを用いて、
カメラ101の動作を簡単に説明する。レリーズスイッ
チ104が半押しされた場合、制御回路110は、測光
装置107を用いての被写体輝度の測定と、測距装置1
08を用いての被写体距離の測定を開始する(ステップ
S1、S2)。また、手ぶれ検出装置111も動作を開
始し、使用者に対して、検出した手ぶれ量に応じた手ぶ
れの有無に関する警告を表示警告装置109を用いて行
う(ステップS3、S4)。
【0019】次に、レリーズスイッチ104が全押しさ
れた場合、制御回路110は、被写体輝度の測定を終了
し、得られた測光結果を元にフィルムへの露光量が適正
になるように、露光時間・ストロボの利用の有無等の露
光条件についての演算を開始する(ステップS7)。ま
た、被写体にピントを合わせる為に、測距結果に基づい
て撮影レンズ103−1内の焦点調節部を駆動する(ス
テップS9)。次に、被写体にピントを合わせる為の焦
点調節部の駆動が終了して露光開始の準備が完了した後
(ステップS9)、制御回路110内の露光開始制御手
段3と露光開始条件変更手段4が動作する。
【0020】露光開始制御手段3のおおよその動作は、
手ぶれ検出装置111からの手ぶれ検出信号が露光開始
の為の所定の条件を満たした場合に、露光装置103−
2に対して露光の開始を指示する(ステップS10、S
11)。これについては、<露光開始制御>ルーチンと
して後で詳しく説明する。
【0021】これにより、撮影フィルム113への露光
がぶれの小さなタイミングで行われる。フィルムへの露
光が完了した場合、フィルム走行装置112を用いて次
コマへフィルムを一コマ巻き上げ、再度上記のフローを
繰り返す(ステップS11、S12)。
【0022】以下に、露光準備完了後の露光開始制御手
段3と露光開始条件変更手段4の動作について<露光開
始制御>ルーチンとして詳しく説明する。先ず、第1の
実施例を図4のフローチャートに示す。露光準備完了
後、露光開始条件変更手段4は、露光開始の条件を初期
化する(ステップS201)。つまり、ぶれが無いとみ
なすことができる上限のぶれの値をぶれ許容値(Bt)
として設定する。同様に、露光遅延時間計時手段41も
初期化する(ステップS202)。これは後述のカウン
タをクリアする動作を意味する。
【0023】次に、露光開始制御手段3で手ぶれ検出装
置111からの手ぶれ信号(B)を得る(ステップS2
03)。そして、上記のぶれ許容値(Bt)と手ぶれ信
号(B)を比較して(ステップS204)、手ぶれ信号
が小さい場合には露光装置103−2に対して露光開始
の信号を送る(ステップS205)。一方、手ぶれ信号
がぶれ許容値(Bt)より大きい場合はモード切り換え
手段によってぶれ低減モードに移行する。すなわち、露
光準備完了からの経過時間を露光遅延時間計時手段41
を用いて測定する(ステップS206)。これは一定周
期でカウンタをインクリメントする事で測定できる。
【0024】そして、露光遅延時間計時手段41により
測られた時間が所定時間(t2)以下であるか否かを調
べる(ステップS207)。t2時間が経過した場合は
露光遅延の上限時間経過(タイムオーバ)であるのでス
テップS205に進んで強制的に露光を開始する。ま
た、t2時間の経過が無い場合は経過時間が所定時間
(t1)であるか否かを調べ(ステップS208)、t
1でなければステップS203へ戻る。
【0025】一方、所定時間(t1)が経過した場合は
ぶれ許容値(Bt)をぶれがあっても我慢できるレベル
の値まで大きくすることで、ぶれ許容条件を緩和する
(ステップS209)。これはぶれの判定を厳しくしつ
づけると露光を許可する前に遅延の上限時間(t2)に
達してしまい、強制的に露光を行う場合が多くなってし
まうからである。強制的に露光を行なうということはぶ
れの状態について無管理であることを意味し、ぶれを検
出する意味がなくなってしまう。このため、無管理でぶ
れが大きいまま露光を許可するよりは、多少ぶれがあっ
ても無管理状態のときよりはぶれを低減させるためにぶ
れの許容値を緩和するようにしている。上記したステッ
プS209での動作が、露光時間の遅延量に応じて露光
許可の所定の条件を緩和する露光開始条件緩和手段42
としての動作である。ぶれ許容値(Bt)を緩和した後
はステップS203へ戻る。
【0026】図6(a)は上記した露光開始条件緩和手
段42の緩和動作を示している。図6(a)では緩和動
作を所定時間(t1)の経過時点で一回のみ行っている
が、本発明はこれに限定されず、図6(b)または図6
(c)に示すように、経過時間に合わせて、漸次、ぶれ
許容値を緩めるように動作させても良い。
【0027】なお、露光開始の遅延量の上限時間(t
2)は、違和感の無い露光シーケンスの為には0.4か
ら0.5秒ぐらいが適当である。また、露光開始の判定
基準を変化させる時間t1については0.2秒程度が良
いと考えられる。ぶれ許容値(Bt)は遅延時間を基に
演算で求めて用いてもよいし、テーブルに記憶してお
き、遅延時間にあわせて読み出して用いる事もできる。
【0028】次に、<露光開始制御>ルーチンの第2の
実施例を図5のフローチャートを参照して詳しく説明す
る。この実施例ではシャッタチャンスに強くしかもぶれ
低減効果も得る事ができる例である。
【0029】露光準備完了後、露光開始条件変更手段4
は、露光開始の条件を初期化する(ステップS21
1)。ここではぶれがあっても我慢できるレベルを示す
ぶれの値(b1)を、ぶれ許容値(Bt)として設定す
る。同様に露光遅延時間計時手段41も初期化する(ス
テップS212)。これは後述するカウンタをクリアす
ることを意味している。
【0030】次に、露光開始制御手段3で手ぶれ検出装
置111からの手ぶれ信号(B)を得る(ステップS2
13)。そして、上記のぶれ許容値(Bt)と手ぶれ信
号(B)とを比較して(ステップS214)、手ぶれ信
号が小さい場合には露光装置103−2に対して露光開
始の信号を送る(ステップS215)。一方、手ぶれ信
号(B)がぶれ許容値(Bt)より大きい場合はモード
切り換え手段によってぶれ低減モードに移行する。すな
わち、露光準備完了からの経過時間を露光遅延時間計時
手段41を用いて測定する(ステップS216)。これ
は一定周期でカウンタをインクリメントする事で測定で
きる。
【0031】そして、露光遅延時間計時手段41により
測られた時間が所定時間(t2)以下であるか否かを調
べる(ステップS217)。t2時間経過した場合は露
光遅延の上限時間経過(タイムオーバ)であるのでステ
ップS215に進んで強制的に露光を開始する。一方、
t2時間の経過が無い場合は経過時間が所定時間(t
3)であるか否かを調べる(ステップS218)。ここ
でt3でなければ、経過時間が所定時間(t4)である
か否かを調べる(ステップS219)。t4でもない場
合はステップS213へ戻る。
【0032】ステップS218で所定時間(t3)が経
過した場合は、ぶれ許容値(Bt)を、ぶれが無いとみ
なすことができる上限の値(b2)まで小さくする(ス
テップS220)。これは、t3後の所定の時間の間は
露光条件を厳しくしてよりぶれの無い写真が得られる様
にするためである。ぶれ許容値(Bt)を小さくした後
ステップS213へ戻る。ステップS220の動作は、
露光許可の所定の条件を強化する露光開始条件強化手段
43の動作例である。
【0033】その後、所定時間(t4)が経過した場合
はぶれがあっても我慢できるレベルの値b3までぶれ許
容値(Bt)を大きくする(ステップS221)。これ
はぶれの判定を厳しくしつづけると露光を許可する前に
遅延の上限時間(t2)に達してしまい、強制的に露光
を行う場合が多くなってしまうからである。強制的に露
光を行なうということはぶれの状態について無管理であ
ることを意味し、ぶれを検出する意味がなくなってしま
う。このため、無管理でぶれが大きいまま露光を許可す
るよりは、多少ぶれがあっても無管理状態のときよりは
ぶれを低減させるためにぶれの許容値を緩和するように
している。上記したステップS221での動作が、露光
時間の遅延量に応じて露光許可の所定の条件を緩和する
露光開始条件緩和手段42としての動作である。ぶれ許
容値(Bt)を緩和した後はステップS213へ戻る。
【0034】図7(a)は、上記した露光開始条件変更
手段4の動作を示している。図7(a)に示すように、
所定時間(t3)と(t4)の経過時点のみで許容値を
変更しているが、本発明はこれに限定されず、図7
(b)、図7(c)に示すように、経過時間に合わせ
て、漸次、ぶれ許容値を強化したり緩和したりしてもよ
い。
【0035】なお、上記したぶれ許容値b3はb1と同
一でも良い。また、所定の時間t2,t3,t4につい
ては、それぞれ0.4,0.1,0.2秒程度が適当と
考えられる。また、ぶれ許容値は、テーブルによってデ
ータで記憶しておき、遅延時間に合わせて読み出して用
いても良いし、遅延時間を基に演算して用いてもよい。
【0036】以下に図2(b)に示す手ぶれ検出装置1
11について説明する。図8(a)は手ぶれ検出装置1
11の一構成例を示しており、y軸回り角速度センサ2
00と、x軸回り角速度センサ201と、焦点距離出力
手段202と、像移動速度演算手段203とを具備して
いる。このように手ぶれ検出装置は、公知の角速度セン
サや加速度センサを利用してカメラの振動状態を測定
し、撮影レンズの焦点距離を考慮して画像の移動速度を
求める構成をとる事ができる。手ぶれの様な小さな振動
状態では、画像の移動速度はラジアンで表した角速度と
焦点距離の積に近似可能である。画面平面上でのぶれの
速度は、画面のx,yの2軸方向の移動速度の平方平均
で表される。この場合、センサの出力を所定量まで増幅
し、ADコンバータを用いてデジタル化し、マイクロプ
ロセッサ等で演算処理する事もできる。
【0037】図8(b)で示すy軸回りのカメラの回転
は画面の上下方向のぶれに、x軸回りの回転は画面の横
方向のぶれに結びつく。検出する振動方向は、画面の上
下方向(y方向)・左右方向(x方向)に対応する振動
をそれぞれ検出し、合成して求める事もできるし、低コ
スト・省スペースの為に、どちらか一方向のみを検出す
る構成でも良い。
【0038】また、手ぶれ検出装置111は、光電変換
素子を利用して被写体像の移動情報を得る構成をとる事
もできる。この場合、図9に示すように、第1時点と第
2時点における被写体像をエリアセンサで取得し、時間
的な像の移動を、所謂、動きベクトルとして得る構成が
可能である。このために、画像データを一時記憶する手
段を持ち、異なる2時点での画像の横・縦ずらしの相関
量を求める構成が可能である。
【0039】また、被写体像をエリアセンサで2次元的
に得ずとも、TTL型、パッシブ型のAFセンサ(ピン
ト測定手段)で用いられている、1次元のラインセンサ
を一個或いは複数個用いて、同一ラインセンサ上の被写
体像の時間的な変動を、AFに用いるための相関演算を
応用して検出する事も可能である。
【0040】この場合、一定の照明下ではぶれが無けれ
ば被写体輝度は変動しない事に着目して、被写体輝度を
測定するための測光素子からの被写体輝度信号を微分等
の時間による変動を得るための処理を施し、ぶれ信号と
みなして使う事もできる。
【0041】図10は手ぶれ検出装置111を、被写体
輝度測定用のAEセンサを利用して構成した例であり、
AEセンサ300と、対数圧縮回路301と、微分器3
02と、ADコンバータ303と、絶対値演算手段30
4とから構成されている。まず、AEセンサ300で被
写体輝度を測定し、対数圧縮回路301でフィルムに写
り込む光量を制御可能な単位に変換する。次に微分器3
02でその時間的な輝度信号の変動を取り出し、ADコ
ンバータ303でデジタル化し、絶対値演算手段304
で基準の電圧信号からの電圧差を取り出す事で輝度変化
の絶対値を求め、この輝度信号の変化の絶対値をぶれ信
号として出力する。
【0042】以下に、上記したAEセンサを用いた手ぶ
れ検出装置111を用いて、露光準備完了後の露光開始
制御手段3と露光開始条件変更手段4の動作を行なう<
露光開始制御>ルーチンの第3の実施例を説明する。
【0043】第1、第2の実施例ではぶれの大きさのみ
に基づいて露光を行うか否かを判断したが、時間ととも
に変化するぶれを予想して露光のタイミングを制御した
方がよい場合がある。第3の実施例ではぶれがこれから
小さくなると予測される場合に露光を許可する例を示
す。そのため、手ぶれ検出装置111からの信号を予測
演算処理し、この予測されたぶれ信号と予測する前の手
ぶれ信号とを用いる。これは予測演算が有する誤差によ
る手ぶれ信号の大きさの評価の誤謬を防止するためであ
る。
【0044】図11に、手ぶれ検出装置111の微分器
302の出力(a)と、そのときのぶれ信号(b)と、
ぶれ信号の予測信号(c)の例を示す。ここで、ぶれ信
号は手ぶれ検出装置111で絶対値化したぶれ信号であ
る。
【0045】予測演算は高次の演算を必要としその演算
の系統的な誤差の積み重ねにより高周波に対しての増幅
効果を有する。その為、図11(c)の波形は、図11
(b)の波形に対し位相が進むがノイズを重畳したもの
となる。そのため、予測波形が小さい場合にはこれから
ぶれが小さくなるとは必ずしも言いにくい。しかし、予
測波形がぶれのある事を示す+の値を持つレベルから0
をクロスする場合、或いは+の値を持つレベルから0に
なる場合にはぶれがかなり減少する傾向にあると判断す
る事ができる。ここで、手ぶれ信号(b)の波形の大き
さを評価することで、現在のぶれが、ある程度小さく更
にこれから十分に小さくなる事を知り得る。
【0046】以下に図12を参照して手ぶれ量評価アル
ゴリズムを用いた手ぶれ低減装置の動作を説明する。露
光準備完了後、露光開始条件変更手段4は露光開始の条
件を初期化する(ステップS231)。次にぶれが小さ
いとみなすことができる上限のぶれの値をぶれ許容値
(Bt)として設定する。また、露光遅延時間計時手段
41も初期化する(ステップS232)。次に、露光開
始制御手段3で手ぶれ検出装置111からの手ぶれ信号
(B)を得る(ステップS233)。更に、手ぶれ信号
の予測演算処理を行い予測手ぶれ信号(By)を得る
(ステップS234)。
【0047】次に、露光準備完了からの経過時間を露光
遅延時間計時手段41を用いて測定する(ステップS2
35)。これは、一定周期でカウンタをインクリメント
する事で測定できる。次いで、ステップS236で露光
遅延時間計時手段41により測られた時間が所定時間
(t2)以下であるか否かを調べる。t2時間を経過し
た場合は露光遅延の上限時間経過(タイムオーバ)であ
るのでステップS237で、露光装置103−2に対し
て露光開始の信号を送る。
【0048】一方、時間t2の経過に達していない場合
は上記のぶれ許容値(Bt)と手ぶれ信号(B)とを比
較して(ステップS238)、手ぶれ信号(B)が小さ
い場合にはステップS239へ進む。また、手ぶれ信号
(B)のぶれが大きい場合にはステップS233へ戻
る。
【0049】ステップS239では、経過時間が所定時
間(t5)より長いか否かを調べ、長い場合には露光許
可の条件をこれ以上強化しないでステップS237へ進
み露光を開始する。また、経過時間がt5に達していな
い場合はぶれの判定を強化するために、ステップS24
0で前回のぶれ予測値が(+)で、今回のぶれ予測値が
(−)或いは(0)になっているか否かを調べる。ぶれ
予測値については少なくとも前回の演算結果を記憶する
記憶手段を用いて記憶しておくようにする。予測値が今
回0クロス状態で(−)或いは(0)になっていない場
合には予測値を記憶して(ステップS241)、ステッ
プS233へ戻るが、条件を満たしている場合にはステ
ップS237へ進んで露光を開始する。
【0050】なお、上記した第3実施例に、先に示した
第1または第2実施例における露光開始条件変更手段4
の動作、すなわち、ぶれ許容値を所定時間で書き換える
動作を組み合わせる事も可能である。
【0051】上記した具体的実施例から以下のような構
成の技術的思想が導き出される。 (1) 検出されたぶれ情報に基づいてぶれ演算を行
い、このぶれ演算値を用いて画像の流れによる画質の低
下を低減するカメラのぶれ低減装置において、上記ぶれ
演算された演算値とぶれを許容する値として予め定めら
れたぶれ許容値との大小関係を比較する比較手段と、上
記ぶれ演算値の方が大きい際に、露出準備完了時に対し
て予め定められたシーケンスで露出タイミングを遅延さ
せる遅延手段と、上記遅延手段による遅延時間に応じ
て、上記ぶれ許容値を変更する変更手段と、を具備した
ことを特徴とするカメラのぶれ低減装置。 (2) 上記遅延手段のシーケンスは、予め異なる遅延
時間が定められていることを特徴とする構成(1)記載
のカメラのぶれ低減装置。 (3) 上記変更手段は、上記ぶれ許容値を遅延時間に
対して連続的に上昇または下降することを特徴とする構
成(1)記載のカメラのぶれ低減装置。 (4) 上記変更手段は、上記ぶれ許容値を遅延時間に
対して段階的に変化することを特徴とする構成(1)記
載のカメラのぶれ低減装置。 (5) 上記変更手段は、変更可能な複数のぶれ情報に
基づいて演算されたぶれ演算値によって上記ぶれ許容値
を変更することを特徴とする構成(1)記載のカメラの
ぶれ低減装置。 (6) 検出されたぶれ情報に基づいてぶれ演算を行
い、このぶれ演算値を用いて画像の流れによる画質の低
下を低減するカメラのぶれ低減装置において、上記ぶれ
情報に基づいてぶれを予測するぶれ予測手段と、上記ぶ
れ演算された演算値又はぶれ予測演算された演算値の少
なくとも一方と、ぶれを許容する値として予め定められ
たぶれ許容値との大小を比較する比較手段と、上記ぶれ
演算値の方が大きい際に、露出準備完了時に対して予め
定められたシーケンスで露出タイミングを遅延させる遅
延手段と、上記遅延手段による遅延時間に応じて、上記
ぶれ許容値を変更する変更手段と、を具備したことを特
徴とするカメラのぶれ低減装置。 (7) 検出されたぶれ情報に基づいてぶれ演算を行
い、このぶれ演算値を用いて画像の流れによる画質の低
下を低減するカメラのぶれ低減装置において、上記ぶれ
情報に基づいてぶれを予測するぶれ予測手段と、上記ぶ
れ演算値又はぶれ予測演算値の少なくとも一方と、予め
定められたぶれ許容値との大小を比較する比較手段と、
各々比較したぶれ演算値の方が大きい際に、ぶれ演算値
に基づいてぶれを低減するぶれモード、ぶれ予測演算値
に基づいてぶれを低減するぶれ予測モード、又はぶれ演
算値及びぶれ予測演算値に基づいてぶれを低減するぶれ
低減モードのうち対応するモードに切り換えるモード切
り換え手段と、を具備したことを特徴とするカメラのぶ
れ低減装置。 (8) 上記モード切り換え手段によって切り換えられ
たモード状態に応じて、予め定められた露出準備完了時
からの遅延時間と、この遅延時間に対応するぶれ許容値
を変更することにより露出開始を制御する露出制御手段
をさらに具備したことを特徴とするカメラのぶれ低減装
置。
【0052】
【発明の効果】本発明に係るぶれ低減カメラによれば、
不必要なレリーズタイムラグを生じないで手ぶれを減じ
ることができるので、撮影者にとって使い勝手の良い手
ぶれ低減装置を提供できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明によるぶれ低減カメラの基本構
成を示す図であり、(b)は露光開始条件変更手段の構
成を示す図であり、(c)は露光開始条件変更手段の他
の構成を示す図であり、(d)はぶれ検出手段の構成を
示す図であり、(e)はぶれ検出手段の他の構成を示す
図である。
【図2】(a)はカメラの外観斜視図であり、(b)は
カメラの主な構成を示すブロック図である。
【図3】カメラの動作を示すフローチャートである。
【図4】露光開始制御ルーチンの第1実施例を示すフロ
ーチャートである。
【図5】露光開始制御ルーチンの第2実施例を示すフロ
ーチャートである。
【図6】露光開始制御ルーチンの第1実施例を説明する
ための図である。
【図7】露光開始制御ルーチンの第2実施例を説明する
ための図である。
【図8】(a)は手ぶれ検出装置の構成を示す図であ
り、(b)は各方向におけるカメラのぶれについて説明
するための図である。
【図9】手ぶれ検出の他の方法を説明するための図であ
る。
【図10】AEセンサを用いた場合の手ぶれ検出装置の
構成を示す図である。
【図11】(a)は手ぶれ検出装置の微分器の出力波形
であり、(b)はぶれ信号波形であり、(c)はぶれ信
号の予測信号波形である。
【図12】露光開始制御ルーチンの第3実施例を説明す
るための図である。
【符号の説明】
1…ぶれ検出手段、2…露出手段、3…露光開始制御手
段、4…露光開始条件変更手段、11…ぶれ振動検出手
段、12…被写体ぶれ検出手段、41…露光遅延時間計
時手段、42…露光開始条件緩和手段、43…露光開始
条件強化手段。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検出されたぶれ情報に基づいて演算を行
    い、このぶれ演算値を用いて画像の流れによる画質の低
    下を低減するぶれ低減カメラにおいて、 上記ぶれ演算された演算値とぶれを許容する値として予
    め定められたぶれ許容値との大小関係を比較する比較手
    段と、 上記ぶれ演算値の方が大きい際に、通常の撮影モードか
    らぶれ低減モードへ移行させるモード切り換え手段と、 を具備したことを特徴とするぶれ低減カメラ。
  2. 【請求項2】 検出されたぶれ情報に基づいてぶれ演算
    を行い、このぶれ演算値を用いて画像の流れによる画質
    の低下を低減するぶれ低減カメラにおいて、 上記ぶれ演算された演算値とぶれを許容する値として予
    め定められたぶれ許容値との大小関係を比較する比較手
    段と、 上記ぶれ演算値の方が大きい際に、露出準備完了時から
    所定時間だけ露出タイミングを遅延させる遅延手段と、 上記遅延手段による遅延時間に応じて、上記ぶれ許容値
    を変更する変更手段と、 を具備したことを特徴とするぶれ低減カメラ。
  3. 【請求項3】 上記変更手段は、露出準備完了時から時
    間を計時する計時手段と、遅延時間に応じて、上記ぶれ
    許容値を緩和する露光条件緩和手段と、を有しているこ
    とを特徴とする請求項2記載のぶれ低減カメラ。
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