JPH08320386A - 多極モータとそれを用いた時計機械体 - Google Patents

多極モータとそれを用いた時計機械体

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JPH08320386A
JPH08320386A JP12617395A JP12617395A JPH08320386A JP H08320386 A JPH08320386 A JP H08320386A JP 12617395 A JP12617395 A JP 12617395A JP 12617395 A JP12617395 A JP 12617395A JP H08320386 A JPH08320386 A JP H08320386A
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Kazuhito Yoshida
和仁 吉田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 簡単かつ安価な構造で、安定した高トルクが
得られ、回転方向が容易に決められるとともに、逆転を
防止する。 【構成】 回転子Aの外周部に、軸Bの軸方向に間隔を
置いて対向する磁極形成部A1 ,A2 を設け、これらに
周方向に同一のピッチで界磁磁石M1 ,M2 を交互に配
置し磁極対1,2を60組設ける。磁極対1,2はその
磁化方向が互いに反対向きである。磁極対の間隔内に、
交流電流が供給されるコイル3とこのコイルの内側に設
けた磁性体4からなる固定子Cを設ける。コイル3に電
流を流したとき巻線部3aと巻線部3bに逆向きの電流
が流れる。巻線部3aは駆動部であり、供給される電流
と磁極対2bの磁界によって回転力を生じ、磁性体4と
他方の巻線部3bは回転方向決定部であり、磁性体4に
おいて巻線部3bに供給される電流により作用する磁界
と磁極対1aの磁界とが打ち消し合うため、回転子Aは
右方向に回転する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多極モータ、特には時
計駆動用の多極モータとそれを用いた時計機械体に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来の時計駆動用モータの一般的な形
は、コイルによって発生させた磁束をステータを介して
エアギャップに導き、そこに置いた2極着磁の回転子
を、コイルからの磁束と、回転子の発生させる磁束との
反発、吸引によって回転子の回転運動を行わしめるとい
う構成がとられている。
【0003】また、2極ではなく、4極以上の複数極に
着磁された回転子を用いたものもあり、例えば、特開平
2−97265号に開示されているように、多数の磁極
を持つ回転子と、回転子の極数より若干少ない極に分割
されたステータを有し、互いの反発、吸引によって回転
運動を行うという構成もある。
【0004】さらに、上記従来の時計駆動用モータを駆
動源とする時計機械体にあっては、上記モータによって
駆動車を回転させ、この駆動車を含む最低7個の減速歯
車の輪列によって、時針を駆動させる構成がとられてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の時計駆動用モータは、回転子の回転方向を回転子と
ステータとの位置関係によって決めており、ステータの
形状に負うものであった。したがって、ステータはコイ
ルからの磁束を導くほかに、回転子の回転方向を定める
という役割も持たされていたために、その寸法精度及び
特性の制御に細心の注意を払わねばならず、製造に手間
がかかり、コスト高であるという問題点があった。
【0006】また、磁束の反発によるトルク発生は、電
磁現象としては、磁石に対して大きな減磁界を加えるた
め、決して効率のよい方法とはいえず、時計輪列によっ
てトルクの拡大を行っても常にトルク不足の問題を内在
することになっていた。
【0007】さらに、このようなモータを用いた時計機
械体にあっては、時計輪列に最低7個の歯車を要するの
で、構造が複雑になるとともに、コスト高の問題を生じ
ていた。
【0008】そこで、本発明の第1の目的は、従来のス
テータを不要とした簡単な構造であり、かつ安定した高
トルクを発生する多極モータを提供することにある。ま
た、本発明の第2の目的は、簡単な構造であり、かつ低
コストの時計機械体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の多極モータは、平面形状が実質的に円形を
なし外周部には上下方向に所定間隔をおいて対向する1
対の磁極形成部が設けられ回転自在に支持されている回
転子と、この回転子に回転トルクを与える固定子を有し
ている。磁極形成部には、周方向に同一のピッチで偶数
個の磁極が形成されており、隣り合う磁極が互いに磁化
方向が反対向きとなるように設けられている。両磁極形
成部に設けられた磁極は、互いに反対の極性が上下方向
に対向する偶数個の磁極対をなしており、固定子は、磁
極対の間に位置し交流電流が供給される少なくとも1つ
のコイルと、磁極と実質的に同じまたはそれ以下の幅を
もつ磁性体とを含み、駆動部と回転方向決定部とからな
ることを特徴とする。
【0010】上記の多極モータは、コイルは断面方向か
ら見て逆向きの電流が流れる1対の巻線部を有し、この
両巻線部間の間隔は磁極の周方向のピッチよりも大き
く、一方の巻線部が第1の磁極対の間に位置するとき
に、磁性体が第2の磁極対の間に位置するとともに、他
方の巻線部は第2の磁極対の近傍に位置するように配設
してあり、一方の巻線部は、供給される電流と第1の磁
極対の磁界とによって回転力を発生させる駆動部であ
る。他方の巻線部及び磁性体は、他方の巻線部に供給さ
れる電流により発生した磁界と第2の磁極対の磁界とが
打ち消し合うときに回転子の回転を許容し、両磁界の向
きが一致するときに回転子の回転を妨げる回転方向決定
部となる。
【0011】また、上記の多極モータは、固定子は1対
の環状コイルと磁性体を有し、第1の環状コイルの第1
の巻線部が第1の磁極対の間に位置するときに、第2の
巻線部は第2の磁極対の間に位置し、磁性体は第3の磁
極対の間に位置するものであり、第2の環状コイルは磁
性体を取り囲むように配設されており、第1のコイル
は、第1の巻線部に供給される電流及び第1の磁極対の
磁界と、第2の巻線部に供給される電流及び第2の磁極
対の磁界とによって、回転子に同一方向の回転力を発生
させる上記駆動部であり、第2の環状コイル及び磁性体
は、第2の環状コイルに供給される電流により発生した
磁界と第3の磁極対の磁界とが打ち消し合うときに回転
子の回転を許容し、両磁界の向きが一致したときに回転
子の回転を妨げる回転方向決定部となる。
【0012】さらに、上記の多極モータは、磁極対は6
0組設けられており、コイルに供給される電流は1秒毎
に反転する交流パルスであり、回転子には秒針が連結さ
れる時計駆動用のものとしてもよい。
【0013】あるいは、上記の多極モータは、回転子に
は指針が連結されており、コイルに供給される電流は、
指針の1回の運針時間と一致する幅の交流パルスであ
り、各パルス間に運針時間と同じ長さの無通電時間を有
するものであり、磁極対の数は、指針が1回転するのに
要する運針回数の2分の1である時計駆動用のものとし
てもよい。
【0014】本発明の時計機械体は、上記の多極モータ
を駆動源として、時計輪列を回転駆動することを特徴と
する。
【0015】
【実施例】まず、図1ないし6を参照して本発明に係る
多極モータの第1実施例を説明する。図1は、本実施例
の多極モータの一部断面平面図であり、磁極をなす界磁
磁石M、コイル3及び磁性体4の位置関係を示したもの
である。図2は、その磁極形成部の一部の拡大展開断面
図である。
【0016】本実施例に係る多極モータは、時計機械体
の秒針軸を直接駆動する時計駆動用の多極モータであ
る。回転子Aは平面円形をなし、軸方向に所定間隔を置
いて対向する2枚の板体A1 ,A2 よりなり、軸Bによ
り回転自在に支持されている。回転子Aの円形板体A1
,A2 の外周部はそれぞれ磁極形成部となっており、
この磁極形成部には周方向に同一のピッチで60個の界
磁磁石Mが設けてあり、磁極をなしている。図2に示す
ように、界磁磁石M1 は軸方向の上から下へ向かう磁化
方向を有し、界磁磁石M1 と周方向に隣り合う界磁磁石
M2 は軸方向の下から上へ向かう磁化方向を有してい
る。
【0017】界磁磁石Mの個々は、図2に示すように、
同一の磁化方向を持つもう一つの界磁磁石Mと、軸Bの
上下方向に対向して2個づつ対をなし、全体として60
組の磁極対を構成している。すなわち、周方向に隣り合
う磁極対1と磁極対2とは、その磁化方向が互いに反対
向きとなるように各界磁磁石M1 ,M2 が交互に設けて
あり、各磁極対は、互いに反対の極性が軸方向に対向し
ている。すなわち、磁極対1では、図面上方にS極、下
方にN極が対向し、磁極対2では、図面上方にN極、下
方にS極が対向している。
【0018】回転子Aの磁極対の間に位置して、回転子
Aに回転トルクを与える固定子Cが設けてある。固定子
Cは、交流電流が供給されるコイル3と磁性体4とから
なり、図示しない固定手段により固定してある。
【0019】コイル3は、図1に示すように、回転子A
の径方向に直線状をなし周方向に並列する一対の巻線部
3a,3bを有している。コイル3に電流を流したとき
には、巻線部3aと巻線部3bには、コイル3の断面方
向から見て逆向きの電流が流れることになる。巻線部3
a,3bの間隔は、隣り合う界磁磁石Mのピッチよりも
若干大きく設定してある。
【0020】コイル3の内側には、磁極対間に位置する
ように磁性体4が設けてある。磁性体4は、コイル3の
一方の巻線部3bに密着して設けてある。磁性体4は、
図2に示すように、界磁磁石Mよりも狭い幅に形成され
ているが、これは同じ幅であってもよい。
【0021】コイル3と磁性体4の位置関係は、一方の
巻線部3aが磁極対1間に位置するときに、磁性体4が
磁極対2間に位置するとともに、他方の巻線部3bは、
磁極対2の近傍に位置するように配設してある。
【0022】コイル3の一方の巻線部3aは、供給され
る電流と、磁極対1または2の磁界とによって回転力を
発生させる駆動部である。磁性体4は、磁極対1または
2の磁界によって静止トルクを発生させる。そして、磁
性体4と他方の巻線部3bは、他方の巻線部3bに供給
される電流により発生した磁界と磁極対1または2の磁
界とが打ち消し合うときに回転子Aの回転を許容し、両
磁界の向きが一致したときに回転子Aの回転を妨げる回
転方向決定部を構成している。
【0023】なお、本実施例において、回転子Aの直径
は100mmである。個々の界磁磁石Mは、最大エネル
ギ積14.7kj/m3 のフェライト系プラスチック磁
石を用いており、幅2.6mm、長さ4mm、厚さ1.
5mmである。1対の界磁磁石間の間隔は、2mmであ
る。コイル3は、その巻き数が10000ターンであ
り、これに図3に示すように、正負が1秒毎に反転する
パルス電圧を印加して交流電流を流す。この交流電流
は、最大5mAである。磁性体4は、その素材としてF
e−Ni合金(パーマロイ)を用いており、幅1.2m
m、長さ6mm、厚さ1.8mmである。
【0024】次に、図4ないし図8を参照して、本実施
例に係る多極モータの動作について説明する。図4ない
し図8は、回転子Aと固定子Cの位置関係及び動作状態
を示す展開側面断面図であり、外周側から中心へ向かっ
て見た状態を示している。
【0025】図4において、磁極対1a及び磁極対2
a,2bとコイル3及び磁性体4の位置関係は、本実施
例に係る多極モータの回転子Aの駆動前の位置関係を示
している。この状態で、コイル3への無通電時には、磁
極対1aと磁性体4との磁気結合力により、回転子Aは
静止している。このとき図5に示すように、電流をコイ
ル3の巻線部3aから3bの方向へ(巻線部3aにおい
て回転子Aの径方向の外方から内方へ、巻線部3bにお
いて回転子Aの径方向の内方から外方へ)流すと、巻線
部3aは磁極対2bの磁界を受けて図面左方向への駆動
力を生じるが、コイル3が固定されているので、相対的
に回転子Aが図において右方向への回転力を受ける。そ
して、このとき磁性体4に対して巻線部3bにより作用
する磁界と磁極対1aの磁界とが打ち消し合うので回転
子Aは右方向へ回転する。これにより回転した回転子A
が、図6に示すようなコイル3及び磁性体4と磁極対の
位置関係に達すると、コイル3と磁極対2bとの磁界が
一致して回転子Aは停止する。すなわち、磁性体4にお
いて巻線部3bにより作用する磁界と磁極対2bの磁界
との向きが一致し、磁性体4には図面上方から下方へ大
きな磁力が働く。この位置関係において、回転子Aは図
面左方向への回転力を受けるが、上記のように大きな磁
力が働くため、回転子Aは移動不能に保持される。この
位置は本実施例においては、回転開始位置に対して、約
5度強回転した状態である。この状態において、電流を
停止させると、磁性体4は、最も接近した位置にある磁
極対2bと引き合い、図7に示すように磁性体4と磁極
対2bの軸方向の中心線が一致する位置で安定静止状態
となる。
【0026】上記の安定静止の位置は、次の回転ステッ
プの開始位置に当たり、この位置関係では、磁極対の磁
化方向は、図4とは逆方向となるが、このとき、図3に
示すようにコイル3には反転するパルスが印加され、電
流の流れる方向は前のステップとは逆の巻線部3bから
3aの方向(巻線部3bにおいて回転子Aの径方向の外
方から内方へ、巻線部3aにおいて回転子Aの径方向の
内方から外方へ)となる。したがって、回転子Aが受け
る回転力は前のステップと同じく、図において右方向と
なる。このようにして、回転子Aは、交流電流の1秒毎
に反転するパルスを印加されることによって、同一方向
への回転を得ることになる。
【0027】なお、図9において、回転子Aの軸Bを時
計の秒針と連結した場合において、1秒運針(6度回
転)したときの回転子Aの回転角度に対する秒針軸トル
ク特性を示したものである。これによると、起動時に約
9.8×10-4Nmのトルクが発生し、最小トルクは約
2.3×-4Nmであり、時計駆動用モータとしては充分
な値のトルクが得られる。
【0028】次に、本実施例の多極モータにおける逆転
防止の機構について説明する。図4に示す磁極対1a及
び2bとコイル3及び磁性体4の位置関係において、図
8に示すように、上記した電流の流れと逆に、巻線部3
bから巻線部3aの方向へ(巻線部3bにおいて回転子
Aの径方向の外方から内方へ、巻線部3aにおいて回転
子Aの径方向の内方から外方へ)電流が流れた場合に
は、回転子Aが巻線部3aの電磁力によって受ける回転
力は、図において左方向となる。しかしながら、このと
き磁性体4に作用する巻線部3bの磁界と磁極対1aの
磁界が一致するので、磁性体4が磁極対1aにより強力
に吸引され、回転子Aが図において左方向へ回転しよう
とするのを阻止するブレーキとして作用する。本実施例
において、このような逆方向電流を流した場合の回転角
は1度以下に抑えられる。そして、次のステップでは、
正常な回転方向の得られる図5と同方向の電流がコイル
3を流れ、図5〜7に示したのと同様な回転動作が行な
われるので、本実施例の多極モータでは、常に一定方向
の回転方向を得られることになる。
【0029】また、無通電時に秒針(軸)を指示位置に
とめる静止トルクは、上記のように磁性体4と磁極対と
の吸引によって発生するが、これは最大11.1×10
-4Nmの軸トルク負荷に耐えることができる。
【0030】なお、本実施例の多極モータは、コイル3
の巻線部3bの側に密着させて磁性体4を設けている
が、この磁性体4の位置を巻線部3aの側に密着させて
設ければ、回転子Aの上記した回転方向とは逆の回転方
向を持つ多極モータとなる。
【0031】そこで、磁性体4を電磁アクチュエータ等
の移動手段により、コイル3内を移動可能に設ければ、
正逆回転自在のモータとなる。
【0032】また、トルクの向上は、固定子C(コイル
と磁性体の組)を回転子Aの円周上に複数個配設するこ
とによって容易に行うことができる。
【0033】また、磁性体の位置とコイルの電流強度、
界磁磁石の磁界強度を適宜調整することで、通電時の回
転角度と無通電時の回転角度を近付けることができる。
したがって、1秒通電、1秒無通電、1秒逆方向通電、
1秒無通電のステップを繰り返すことで、秒針の運針に
よる時刻表示が可能であり、このようにすれば、磁極対
の数を60組から30組に減らすことができる。
【0034】次に、図10ないし17を参照して、本発
明に係る多極モータの第2実施例を説明する。図10
は、本実施例の多極モータの一部断面平面図であり、界
磁磁石(磁極)M、コイル3、磁性体4の位置関係を示
したものである。図11はその磁極形成部の一部の拡大
展開断面図である。
【0035】本実施例に係る多極モータは、時計機械体
の秒針軸を直接駆動する時計駆動用の多極モータであ
る。本実施例の回転子、軸及び界磁磁石(磁極)の構成
は、第1実施例と同じであり、相当する部材について
は、同一の符号を付している。
【0036】図10及び11において、回転子Aの磁極
対の間に位置して、回転子Aに回転トルクを与える固定
子Cが設けてあり、固定子Cは、交流電流が供給される
コイル3と磁性体4とからなり、図示しない固定手段に
より固定してある。本実施例では、固定子Cにおいて交
流電流が供給されるコイル3は、一対の環状コイル3
1,32から構成されている。
【0037】一方の環状コイル31は、回転子Aに回転
トルクを与える駆動用コイルであり、図8に示すよう
に、回転子Aの径方向に直線状をなし、周方向に並列す
る2つの巻線部31a,31bを有している。環状コイ
ル31に電流を流したときには、巻線部31aと巻線部
31bには、コイル31の断面方向から見て逆向きの電
流が流れることになる。巻線部31a,31bの間隔
は、隣り合う磁石M間のピッチとほぼ同じ間隔に設定し
てある。
【0038】他方の環状コイル32の内側には、環状コ
イル32に密着して磁性体4が設けてある。磁性体4
は、図11に示すように、界磁磁石Mよりも狭い幅に形
成されているが、これは実質的に同じ幅であってもよ
い。
【0039】環状コイル31と磁性体4の位置関係は、
図13に示すように、環状コイル31の巻線部31aが
磁極対2の間に位置し、巻線部31bが磁極対1の間に
位置するときに、磁性体4が磁極対2の間に位置するよ
うに配設してある。本実施例では、磁性体4は、巻線部
31bが位置する磁極対1に隣り合う磁極対2(図10
において上側)に位置しているが、これを巻線部31a
が位置する磁極対1に隣り合う磁極対2(図10におい
て下側)に位置するようにしてもよい。
【0040】環状コイル31は、供給される電流と、磁
極対1または磁極対2の磁界とによって回転力を発生さ
せる駆動部である。磁性体4は、磁極対1または磁極対
2の磁界によって静止トルクを発生させる。そして、磁
性体4と環状コイル32は、環状コイル32に供給され
る電流により発生した磁界と磁極対1または磁極対2の
磁界とが打ち消し合うときに回転子Aの回転を許容し、
両磁界の向きが一致したときに回転子Aの回転を妨げる
回転方向決定部を構成している。
【0041】次に、図13ないし図17を参照して、本
実施例に係る多極モータの動作について説明する。図1
3ないし図17は、回転子Aと固定子Cの位置関係及び
動作状態を示す外側から見た側面断面図である。
【0042】図13において、磁極対1及び磁極対2と
環状コイル31,32及び磁性体4の位置関係は、本実
施例に係る多極モータの回転子Aの回転開始時の位置関
係を示している。この状態で、環状コイル31,32へ
の無通電時には、磁極対2aと磁性体4との磁気結合力
により、回転子Aは静止している。このとき環状コイル
31,32に、図12(a)に示すように、同位相の電
圧を印加し、図13に示すように、環状コイル31の巻
線部31aから31bの方向へ(巻線部31aにおいて
回転子Aの径方向の内方から外方へ、巻線部31bにお
いて回転子Aの径方向の外方から内方へ)、同じく環状
コイル32の巻線部32aから32bの方向へ(巻線部
32aにおいて回転子Aの径方向の内方から外方へ、巻
線部32bにおいて回転子Aの径方向の外方から内方
へ)電流を流すと、環状コイル31は、図において左方
向への駆動力を生じるが、固定子Cは固定されているの
で、回転子Aが相対的に図面右方向への回転力を受け
る。環状コイル32は、磁性体4に対して磁極対2aの
磁界とは逆方向の磁界を与えるので互いに打ち消し合
い、回転抑止力を回転子Aに及ぼすことなく、回転子A
は回転を始める。
【0043】これにより回転した回転子Aが、図14に
示すような環状コイル31,32及び磁性体4と磁極対
の位置関係に達した状態で、巻線部31aに磁極対2b
が及ぼす磁界と磁極対1aが及ぼす磁界とが相殺され、
同様に巻線部31bに磁極対1aが及ぼす磁界と磁極対
2aが及ぼす磁界とが相殺されるため、環状コイル31
には磁界が実質的に作用しない状態となり、回転力が発
生しなくなり回転子Aは停止する。なおこの時、磁性体
4は磁極対2a,1cの中間に位置する。この時点で電
流を断つと、回転子Aは慣性力と磁性材4と磁極対1c
との磁気結合力でさらに図面左方向へ回転を続け、磁性
体4と磁極対1cの軸方向の中心線が一致する位置で安
定状態となる。
【0044】上記の安定状態の位置は、次の回転ステッ
プの開始位置に当たり、この位置関係では、磁極対の磁
化方向は、前の回転ステップとは逆方向となるが、この
とき環状コイル31,32には反転するパルス(図12
(a)参照)が印加され、電流の流れる方向は前のステ
ップとは逆の方向となる。したがって、回転子Aが受け
る回転力は前のステップと同じく、図において左方向と
なる。このようにして、回転子Aは、交流電流の1秒毎
に反転するパルスを印加されることによって、同方向へ
の連続した回転を得ることになる。
【0045】この実施例における逆転防止機構につい
て、図16を参照して説明する。環状コイル31,32
に図13と反対向きの電流を流すと、巻線部31a,3
1bには左向きの力が発生し、相対的に回転子Aに右向
きの回転力が加わる。しかし、磁性体4において、巻線
部32a,32bにより作用する磁界と磁極対2aによ
る磁界とが一致するため、磁性体4はこの磁力により移
動不能に保持され、回転子Aの回転を抑止するブレーキ
として働く。但し、正逆パルスを交互に供給する駆動を
行なっているため、図16の状態で停止しても、次に図
13と同様な電流が供給され前述の通り左方向への回転
運動が行なわれる。
【0046】なお、これまでは回転子Aが図面左方向に
回転する場合について説明したが、逆に右方向に回転す
る場合には、図12(b)に示すように、環状コイル3
1,32に印加する電圧が逆位相となるようにすればよ
い。例えば、図17に示すように、環状コイル31には
図13と反対方向の電流を、環状コイル32には図13
と同方向の電流をそれぞれ供給すると、巻線部31a,
31bには左向きの力が生じ、それによって回転子Aに
右方向への回転力が作用する。そして、磁性体4におい
ては、巻線部32a,32bにより及ぼされる磁界と磁
極対2aの磁界とが相殺されるため、磁気的な回転抑止
力は働かず右方向へ回転する。
【0047】また、本実施例の多極モータも、第1実施
例の場合と同様に、トルクの向上は、固定子C(コイル
と磁性体の組)を回転子の円周上に複数個配設すること
によって容易に行うことができる。
【0048】なお、本実施例において、環状コイル31
の巻き数は、10000ターンであり、環状コイル32
の巻き数は、2000ターンである。電流は最大5mA
である。磁性体4は、幅2.5mm、厚さ1.8mmで
あり、その素材は第1実施例と同様である。
【0049】次に、図18ないし19を参照して、本発
明に係る多極モータの第3実施例を説明する。図18
は、本実施例の多極モータの一部断面平面図であり、界
磁磁石(磁極)1,2、コイル3、磁性体4の位置関係
を示したものである。
【0050】本実施例に係る多極モータは、時計機械体
の秒針軸を直接駆動する時計駆動用の多極モータであ
る。本実施例の回転子、軸及び界磁磁石(磁極)の構成
は、磁極対が第2実施例のそれの半分の30組である点
を除いて第2実施例とほぼ同じであり、相当する部材に
ついては、同一の符号を付している。また、固定子Cの
構成は、第2実施例と全く同じであり、相当する部材に
ついては、同一の符号を付している。図18において、
回転子Aの円形板体(磁極形成部)A1 ,A2 の外周部
には、周方向に一定のピッチで30個の界磁磁石が設け
てあり、磁極をなしている。磁極対の間に固定子Cが設
けてある。
【0051】本実施例と上記第2実施例との相違点は、
コイル31,32への電圧印加のタイミングにある。す
なわち、図19(a)に示すように、本実施例の環状コ
イル31と環状コイル32には、1秒通電、1秒無通
電、1秒逆方向通電、1秒無通電のステップを1周期と
する交流電圧が印加される。この交流電圧は、本実施例
において、回転子Aに連結した秒針(指針)の1回の運
針時間と一致する幅の交流パルスであり、各パルス間に
運針時間と同じ長さの無通電時間を有することになる。
上記の磁極対の数(30組)は、秒針(指針)が1回転
するのに要する運針回数(ステップ数)の2分の1に当
たる。
【0052】なお、本実施例において、回転子Aの直径
は50mmである。環状コイル31の巻き数は、500
0ターンであり、環状コイル32の巻き数は、1000
ターンである。磁性体4の幅、厚さ及び素材は第2実施
例と同様である。
【0053】本実施例に係る多極モータの動作について
は、図13〜17に示した第2実施例と実質的に同様で
あり、タイミングのみが異なっている。すなわち、第2
実施例の場合には図13の状態から通電を開始し、回転
子Aが回転して図14の位置に到達した後電圧印加を停
止し図15の位置となるまでのステップを1秒としてい
るのに対し、第3実施例では、図13の状態から通電を
開始し図14の位置に保持しておく時間が1秒、電圧印
加を停止して図15の位置に保持しておく時間が1秒と
いうように、磁性体4が磁極対1または2に対向する状
態を1秒毎に繰り返す。このような作動原理や逆転防止
機構については第2実施例と同じである。
【0054】図19(a)に示すように、無通電状態を
1秒、通電状態を1秒、さらに続けて無通電状態を1
秒、反対方向へ電流が流れる通電状態を1秒、以上4秒
で1周期となるような電流制御を行うことによって、6
0秒間で30組の磁極対を送ることになる。すなわち、
秒針を1回転(1分間)させ、時計(針)としての一定
方向の運針が確保される。
【0055】ここで、回転子の回転方向を逆向きにする
には、環状コイル31の印加電圧と環状コイル32の印
加電圧とを、図19(b)に示すように、逆位相に設定
すればよい。
【0056】また、本実施例の多極モータも、第1実施
例の場合と同様に、トルクの向上は、固定子C(コイル
と磁性体の組)を回転子の円周上に複数個配設すること
によって容易に行うことができる。
【0057】以上の第1ないし第3実施例に係る多極モ
ータは、回転子Aを時計機械体の秒針に連結する時計機
械体の駆動用モータの例であるが、本発明に係る多極モ
ータはこのような実施例に限定されるものではない。し
たがって、回転子に秒針以外の指針を連結してもよい。
また、本発明の多極モータを時計機械体以外の駆動源と
して用いることもできる。その場合は、磁極対の数は、
60組または30組に限定されない。
【0058】次に、図20ないし21を参照して、本発
明に係る時計機械体の1実施例を説明する。本実施例の
時計機械体は、上記の第1実施例に示した多極モータを
駆動源として用いたものである。したがって、多極モー
タ自体の説明は省略し、図において相当する部材につい
ては、同一の符号を付している。
【0059】図20は、本実施例に係る時計機械体の回
転子、界磁磁石、コイル及び時計輪列等の位置関係を示
した断面図である。図21は、時計輪列構成部の拡大断
面図である。
【0060】図20において、この時計機械体のケース
5は、上ケース5aと下ケース5bからなり、その間に
駆動源である多極モータの回転子Aが回転自在に設けて
ある。回転子Aの軸Bは、上ケース5aの軸受により軸
支されている。回転子Aの外周部は2股状に形成され、
軸方向に対向する1対の磁極形成部A1 ,A2 が設けら
れ、この磁極形成部A1 ,A2 にそれぞれ磁石Mが固着
され磁極対1,2をなしている。
【0061】ケース5の内側部の一端には、多極モータ
の固定子Cが、磁極対1または2の間に位置するよう
に、ケース5に嵌入された固定手段6を介して設けてあ
る。固定子Cは、コイル3と図示しない磁性体4からな
る。
【0062】回転子Aには、下ケース5b側に開口する
凹部7が形成してある。凹部7内には、時計輪列Dが設
けてあり、時計輪列Dは、下ケース5bに柱を介して設
けた中枠8a,8bのそれぞれに形成された軸部及び軸
受部を介して配設してある。
【0063】図21に示すように、時計輪列Dは、減速
車9,分針車10,日ノ裏車12及び時針車13の4個
の歯車からなる。多極モータの回転は時計輪列Dを介し
て指針軸Sに伝達されるが、本実施例では、多極モータ
の回転子Aの軸Bは、秒針軸を兼ねており、多極モータ
の回転子Aが直接秒針軸を回転させるように構成されて
いる。
【0064】秒針軸Bの図示しないカナに時計輪列Dの
一端を構成する減速車9が噛合している。減速車9のカ
ナ9aに分針車10が噛合し、分針車10のカナ10a
に日ノ裏車12が噛合し、日ノ裏車12のカナ12aに
時針車13が噛合している。
【0065】秒針軸Bは、中枠8a,8bを貫通し、分
針パイプ11及び時針パイプ14と共に、3針の指針軸
Sを構成している。秒針軸B、分針パイプ11及び時針
パイプ14には、それぞれ秒針15,分針16,時針1
7が設けてある。
【0066】次に、この時計機械体の動作を説明する。
図21において、回転子Aが回転力を受けて60秒で1
回転する速度で回転し始めると、回転子Aに秒針軸Bを
介して結合している秒針15が回転起動される。回転子
Aの動作が、減速車9を介して分針車10へ伝達され、
分針車10に分針パイプ11を介して結合している分針
16が動作する。このとき減速車9により、秒針軸Bが
60回転すると、分針車10は1回転する。分針車10
の回転は、日ノ裏車12を介して時針車13に伝達さ
れ、時針パイプ14を介して時針17が動作する。日ノ
裏車12により、分針車10が12回転すると、時針車
13が1回転する。
【0067】この実施例によれば、歯車数を4個に減少
することができ、回転子内に時計輪列をまとめられるの
で輪列の簡略化に有効である。
【0068】なお、この時計機械体の駆動源となる多極
モータに関しては、前記第1〜3実施例のうちのいずれ
の構成を採用することも可能である。
【0069】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明に係る多極
モータは、回転子の外周部に多数の磁極対を設け、磁極
と磁極との間にコイルと磁性体よりなる固定子を設け
て、このコイルと磁性体により回転子へ回転トルクを与
える駆動部と回転方向決定部を構成したことにより、ス
テータを不要とした簡単な構造で、容易に回転方向を定
められるとともに逆転防止が可能である。しかも、従来
の10分の1程度の大きさで、形状の単純な磁性材を用
いるだけであるから、製造に手間がかからず、材料費、
加工費等のコストを低減できる。また、出力トルクの調
整が従来に比して容易であり、予測値を計算によって近
似できるので、試作設計が容易となり開発コストを低減
できる。さらに、安定した高トルクを発生することがで
きる。
【0070】本発明に係る時計機械体は、上記の多極モ
ータを直接の駆動源として、指針を駆動させるので、上
記多極モータ自体が持つメリットに加えて、時計機械体
自体を簡単な構造とすることができ、従来では少なくと
も7個必要であった時計輪列の歯車を最低4個にするこ
とができるので、輪列の簡略化、単純化とそれに伴う刻
音低下を実現できる。特に、刻音低下については、従来
の時計機械体において刻音発生の最大の原因であるロー
タカナと駆動車を省略できるので、顕著な効果が得られ
る。そして、低コストの時計機械体を提供するができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る多極モータの一部断
面平面図である。
【図2】同上の磁極形成部の一部の拡大展開断面図であ
る。
【図3】コイル印加電圧を示した波形図である。
【図4】回転子の回転開始前の安定状態を示す拡大断面
図である。
【図5】回転子の回転起動状態を示す拡大断面図であ
る。
【図6】回転子の回転起動後の安定状態を示す拡大断面
図である。
【図7】電圧印加停止後の回転子の安定状態を示す拡大
断面図である。
【図8】逆転防止機構を示す拡大断面図である。
【図9】回転子の軸トルク出力特性を示す波形図であ
る。
【図10】本発明の第2実施例に係る多極モータの一部
断面平面図である。
【図11】同上の磁極形成部の一部の拡大展開断面図で
ある。
【図12】コイル印加電圧を示す波形図であり、(a)
は同位相の印加電圧を示し、(b)は逆位相の印加電圧
を示したものである。
【図13】回転子の回転起動状態を示す拡大断面図であ
る。
【図14】回転子の回転起動後の安定状態を示す拡大断
面図である。
【図15】電圧印加停止後の回転子の安定状態を示す拡
大断面図である。
【図16】逆転防止機構を示す拡大断面図である。
【図17】回転方向を変えた場合の回転子の回転起動状
態を示す拡大断面図である。
【図18】本発明の第3実施例に係る多極モータの一部
断面平面図である。
【図19】コイル印加電圧を示す波形図であり、(a)
は同位相の印加電圧を示し、(b)は逆位相の印加電圧
を示したものである。
【図20】本発明に係る時計機械体の1実施例の断面図
である。
【図21】時計輪列の拡大側面図である。
【符号の説明】
1,2 磁極対 3,31,32 コイル 4 磁性体 A 回転子 A1 ,A2 板体(磁極形成部) B 回転軸(秒針軸) C 固定子 D 時計輪列 M 界磁磁石(磁極) S 指針軸

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平面形状が実質的に円形をなし外周部に
    は上下方向に所定間隔をおいて対向する1対の磁極形成
    部が設けられ回転自在に支持されている回転子と、この
    回転子に回転トルクを与える固定子とを有し、 上記磁極形成部には、周方向に同一のピッチで偶数個の
    磁極が形成されており、隣り合う上記磁極が互いに磁化
    方向が反対向きとなるように設けてあり、 上記両磁極形成部に設けられた上記磁極は、互いに反対
    の極性が軸方向に対向する偶数個の磁極対をなしてお
    り、 上記固定子は、上記磁極対の間に位置し交流電流が供給
    される少なくとも1つのコイルと、上記磁極と実質的に
    同じまたはそれ以下の幅をもつ磁性体とを含み、駆動部
    と回転方向決定部とからなることを特徴とする多極モー
    タ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記コイルは断面方
    向から見て逆向きの電流が流れる1対の巻線部を有し、
    この両巻線部間の間隔は上記磁極の周方向のピッチより
    も大きく、一方の上記巻線部が第1の上記磁極対の間に
    位置するときに、上記磁性体が第2の上記磁極対の間に
    位置するとともに、他方の上記巻線部は上記第2の磁極
    対の近傍に位置するように配設してあり、 上記一方の巻線部は、供給される電流と上記第1の磁極
    対の磁界とによって回転力を発生させる上記駆動部であ
    り、 上記他方の巻線部及び上記磁性体は、上記他方の巻線部
    に供給される電流により発生した磁界と上記第2の磁極
    対の磁界とが打ち消し合うときに上記回転子の回転を許
    容し、上記両磁界の向きが一致するときに上記回転子の
    回転を妨げる上記回転方向決定部であることを特徴とす
    る多極モータ。
  3. 【請求項3】 請求項1において、上記固定子は1対の
    環状コイルと上記磁性体とを有し、 第1の環状コイルの第1の巻線部が第1の上記磁極対の
    間に位置するときに、第2の巻線部は第2の上記磁極対
    の間に位置し、上記磁性体は第3の上記磁極対の間に位
    置し、第2の環状コイルは上記磁性体を取り囲むように
    配設されており、 上記第1のコイルは、上記第1の巻線部に供給される電
    流及び上記第1の磁極対の磁界と、第2の巻線部に供給
    される電流及び上記第2の磁極対の磁界とによって、上
    記回転子に回転力を発生させる上記駆動部であり、 上記第2の環状コイル及び上記磁性体は、上記第2の環
    状コイルに供給される電流により発生した磁界と上記第
    3の磁極対の磁界とが打ち消し合うときに上記回転子の
    回転を許容し、上記両磁界の向きが一致するときに上記
    回転子の回転を妨げる上記回転方向決定部であることを
    特徴とする多極モータ。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかにお
    いて、 上記磁極対は60組設けられており、 上記コイルに供給される電流は1秒毎に反転する交流パ
    ルスであり、 上記回転子には秒針が連結されることを特徴とする時計
    駆動用の多極モータ。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項3のいずれかにお
    いて、 上記回転子には指針が連結されており、 上記コイルに供給される電流は、上記指針の1回の運針
    時間と一致する幅の交流パルスであり、上記各パルス間
    に上記運針時間と同じ長さの無通電時間を有するもので
    あり、 上記磁極対の数は、上記指針が1回転するのに要する運
    針回数の2分の1であることを特徴とする時計駆動用の
    多極モータ。
  6. 【請求項6】 請求項4または5に記載の多極モータを
    駆動源として、時計輪列を回転駆動することを特徴とす
    る時計機械体。
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WO2010070285A3 (en) * 2008-12-18 2011-01-20 Scimar Engineering Ltd Axial flux motor and generator assemblies

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