JPH08319106A - リン−バナジウム化合物の製造方法 - Google Patents
リン−バナジウム化合物の製造方法Info
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Abstract
ール含有溶媒中で反応させてリン−バナジウム化合物を
製造する方法において、(a)リン酸及び5価のバナジ
ウム化合物を炭素数3〜5のアルコールを含有する溶媒
中で反応させてリン−バナジウム化合物を合成し、
(b)該リン−バナジウム化合物を反応液より分離し、
(c)分離後の反応液を中和してリン酸濃度を1.0%
以下とし、(d)次いで該液を蒸留してアルコールを回
収する、ことを特徴とするリン−バナジウム化合物の製
造方法。 【効果】 本発明のリン−バナジウム化合物の製造方法
によれば、製造に使用した炭素数3〜5のアルコールを
安全にかつ安価に回収でき、また、これを再使用しても
リン−バナジウム化合物を再現性良く、製造することが
できるので、リン−バナジウム化合物の安価な製造に有
効である。本発明により得られたリン−バナジウム化合
物を活性化した触媒は、炭素数4の炭化水素、特に飽和
のブタンを選択的に酸化して無水マレイン酸を製造する
反応に適している。
Description
の製造方法に関する。詳しくは、炭素数4の炭化水素を
気相酸化して無水マレイン酸を製造するに適した、リン
−バナジウム系触媒の前駆物質の改良された製造方法に
関する。
炭素数4の炭化水素、特に飽和炭化水素のn−ブタン
を、気相反応で選択的に酸化して無水マレイン酸を製造
するための触媒として、4価のバナジウムと5価のリン
から成る触媒が用いられている。特に、触媒特性の優れ
た結晶性の複合酸化物触媒として、ピロリン酸ジバナジ
ル((VO)2 P2 O7 )が知られており、この化合物
に係る文献が多く知られている(例えば、Chem.R
ev.88,P.55〜80(1988)等)。ピロリ
ン酸ジバナジルの合成方法としては、その前駆体である
リン−バナジウム化合物、即ち、リン酸水素バナジル・
1/2水塩(VOHPO4 ・1/2H2 O)を焼成する
方法が一般的である。
水塩の製造方法としては、有機溶媒中で合成する方法が
数多く報告されている。これらの方法は、基本的には、
5価のバナジウム化合物の少なくとも一部を有機溶媒中
で還元し、これを5価のリン化合物と反応させて5価の
リンと4価のバナジウムから成るリン−バナジウム化合
物を得る方法である。
には、実質的に無水の有機溶媒中で、五酸化バナジウム
をバナジウムの価数が4.0〜4.6価になるまで還元
させた後、オルトリン酸と反応させる方法が示されてお
り、有機溶媒として、2−メチルプロパノールまたは2
−メチルプロパノールとベンジルアルコールの混合溶媒
が用いられている。ベンジルアルコールの使用量はベン
ジルアルコール/五酸化バナジウム(モル比)で2.2
以上である。
は、アルコール溶媒中で5価のバナジウム化合物を還元
し、かつ5価のリン酸と反応させてリン−バナジウム化
合物を合成する過程において、反応中にバナジウム1モ
ル当たり少なくとも1.5モルの溶媒を留出させる製造
法が記載されている。また、特開昭61−181,54
0号公報には、リン酸の2−メチルプロパノール溶液に
五酸化バナジウムの2−メチルプロパノール懸濁液を加
え、かつ添加した懸濁液中の量と等量の2−メチルプロ
パノールを反応により生成した水と共に留去する製造法
が開示されている。
−バナジウム化合物の製造においては、使用した溶媒を
安価かつ安全に回収し、再使用できることが望ましい。
しかしながら、上記の公報を含め、従来公知のリン−バ
ナジウム化合物の製造方法に関する報告には、溶媒の回
収、再使用等については何も示されていない。
価のバナジウム化合物をアルコール含有溶媒中で反応さ
せてリン−バナジウム化合物を製造する方法において、
(a)リン酸及び5価のバナジウム化合物を炭素数3〜
5のアルコールを含有する溶媒中で反応させてリン−バ
ナジウム化合物を合成し、(b)該リン−バナジウム化
合物を反応液より分離し、(c)分離後の反応液を中和
してリン酸濃度を1.0%以下とし、(d)次いで該液
を蒸留してアルコールを回収する、ことを特徴とする、
リン−バナジウム化合物の製造法を提供するものであ
る。本発明によれば、使用した溶媒を安価かつ安全に回
収し、再使用することができる。
る5価のバナジウム化合物としては、五酸化バナジウ
ム、またはメタバナジウム酸アンモニウム、オキシ三ハ
ロゲン化バナジウムなどのバナジウム塩が例示され、最
も一般的な原料は五酸化バナジウムである。リン酸とし
ては高濃度のものが好ましく、85%リン酸あるいは9
9%リン酸が最も一般に使用される。他の濃度のリン酸
も勿論用いることができ、例えば工業規模で生産されて
いる89%リン酸や105%リン酸を使用することもで
きる。リン酸及び5価のバナジウム化合物の使用割合
は、リンとバナジウムの原子比(P/V)として、通
常、1.0〜1.5、好ましくは1.1〜1.3であ
る。
の1価アルコールが好ましい。具体的には、2−プロパ
ノール、2−メチルプロパノール、1−ブタノール、2
−ペンタノール、3−ペンタノール等が挙げられる。こ
れらのアルコールは単独でも使用できるが、ベンジルア
ルコールのような上記のアルコールよりも沸点が高く、
且つ、5価のバナジウムを還元する性質が強い溶媒と共
に使用する方法が好ましい態様である。これらの中で
は、2−メチルプロパノールとベンジルアルコールの混
合アルコールが特に好適である。
ナジウムに対するモル比で、通常0.02〜2、好まし
くは0.5〜1.5である。また、炭素数3〜5のアル
コールないしはこれとベンジルアルコールとの混合物に
さらにシュウ酸等の還元剤を添加してバナジウムを還元
することも可能である。なお、上記のアルコールに加え
て反応を阻害しない他の有機溶媒を併用することもでき
るが、溶媒の回収操作が複雑となるおそれがある。
属を含む化合物を添加して、最終的に得られる触媒中に
助触媒成分を含有させることもできる。このような助触
媒成分としては、通常、鉄、コバルト、亜鉛、ジルコニ
ウム等があげられる。これらの中では、特に鉄が助触媒
として良好である。反応溶媒中に添加される鉄の化合物
としては、塩化鉄、酢酸鉄、シュウ酸鉄等が例示され
る。これらの金属成分の添加量は、バナジウムと添加金
属の合計に対する添加金属の原子比で、通常0.05〜
0.3、好ましくは0.02〜0.2である。
とを反応させてリン−バナジウム化合物を合成するに
は、炭素数3〜5のアルコールを含有する溶媒中にリン
酸と5価のバナジウム化合物とを所定の比率で加え、攪
拌下に加熱して反応させればよい。好ましくは先ず溶媒
中に5価のバナジウム化合物を加え、攪拌下に加熱して
バナジウムの一部を4価に還元したのち、リン酸を添加
する。いずれにしてもリン酸の存在下に5価のバナジウ
ムが還元され、かつこれがリン酸と反応して4価のバナ
ジウム及び5価のリンを含有するリン−バナジウム化合
物が生成する。
るが、通常、80〜200℃、好ましくは90〜120
℃で、用いる溶媒の沸点付近の温度範囲で還流させる方
法が特に好ましい。加熱時間は、反応条件により変動す
るが、反応系にリン酸を添加してから、通常1〜20時
間である。攪拌はスラリーの沈降を防ぎ、反応系を均一
に維持する程度でよい。
たリン−バナジウム化合物を反応液より分離する。分離
方法としては通常の濾過や沈降操作を行えばよい。例え
ば、加圧濾過や減圧濾過が適用できる。また、加圧濾過
後にさらに圧搾する方式、セントル等の遠心力を利用し
た分離法も使用できる。リン−バナジウム化合物の粒子
径によっては、スラリーを静置したりデカンターを用い
ることにより、生成物を沈降させて分離することができ
る。沈降スラリーを濾過することも可能である。
により、アルコール等の溶媒で洗浄する。洗浄溶媒とし
ては反応液と同様、炭素数3〜5のアルコールが好まし
い。回収した洗浄溶媒は通常はそのまま蒸留して再使用
できる。リン−バナジウム化合物を分離後の反応液中の
主な成分は、炭素数3〜5のアルコール及びその酸化生
成物を含む有機溶媒、リン酸との反応で生成した水及び
過剰に使用したリン酸である。通常は、炭素数3〜5の
アルコールが50%以上、特に80%以上を占める。リ
ン酸濃度は、過剰に添加したリン酸量に依存するが、通
常1〜5重量%程度の範囲にある。
離した後の反応液中のリン酸を、リン酸濃度1.0%以
下、好ましくは0.5%以下まで中和したのち蒸留し
て、炭素数3〜5のアルコールを含む有機溶媒を回収す
る。リン酸濃度が1%を超える反応液をそのまま蒸留す
ると、蒸留後の釜残に発熱性物質が生成しやすく、自然
発火や爆発等の危険があり、安全上適当でない。この発
熱性物質は同定されていないが、溶媒であるアルコール
の過酸化物及びリン酸エステル誘導体と推定される。反
応液中のリン酸を1%以下まで中和したのち蒸留する
と、このような発熱性物質の生成を抑制できる。
またはアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物が用いられ
る。通常は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酸化
マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム等が
用いられる。最も一般的な中和剤は水酸化ナトリウムで
あり、このものは固体で使用することもできるが、水溶
液として使用する方が好ましい。水溶液として使用する
場合の濃度は、通常1〜50%であるが、濃度が高くな
ると水層と有機層との界面が不明確となることがある。
好適な濃度は1〜10%である。
と中和後の所望のリン酸濃度に応じて適宜決定する。中
和後のリン酸濃度は1%以下であればよいが、できるだ
け低い方が好ましく、かつ中和反応は容易に進行するの
で、0.5%以下、特に0.1%以下まで中和するのが
好ましい。中和剤として水酸化ナトリウムの水溶液等を
用いた場合には、中和反応はほぼ定量的に進行する。し
かし酸化カルシウム等を固体のままで用いた場合には一
部は未反応で残存するので計算量よりも若干多く用いる
必要がある。一般に中和剤の使用量は、反応液中のリン
酸濃度と中和後の所望のリン酸濃度とから算出される計
算量に対して、通常1.0〜2.5倍当量である。な
お、本明細書において反応液中のリン酸濃度は、反応液
を水酸化ナトリウムで中和し、完全に中和するまでに要
した水酸化ナトリウム量と当量のリン酸が反応液中に存
在するとして計算した値である。
〜10時間程度攪拌すればよい。中和剤を水溶液で用い
る場合には、反応液と水とが混和せずに2層となること
があるが、攪拌を十分に行なえば中和反応は良好に進行
する。リン酸を中和した反応液は、常法により蒸留して
アルコールを回収する。なお、中和にアルカリ水溶液を
使用した場合には、蒸留に先立ち予め水層を分離除去す
るのが好ましい。また中和後の液中に固体が存在する場
合は、蒸留前に濾過等で固体成分の分離をしておくこと
が好ましい。
いは50mmHg程度までの減圧で実施する。減圧下で
は、蒸留温度が低いので安全上好ましいが、強い減圧下
では、留出するアルコールを回収するための冷却負担が
大きくなるので、実用上不利である。蒸留温度は、アル
コールの種類や圧力条件に依存するが、例えば、2−メ
チルプロパノールの常圧蒸留の場合、塔頂温度は90℃
〜110℃であり、蒸留釜の温度は、通常、200℃以
下、好ましくは150℃以下である。蒸留に際しては系
内を不活性雰囲気に維持することが望ましい。
含んでいる。回収アルコール中の水分濃度が高いと、回
収したアルコールを反応溶媒として再使用する際に障害
となるので、通常は回収アルコール中の水分が5重量%
以下、好ましくは1重量%以下になるように蒸留条件を
設定する。例えば2−メチルプロパノールにベンジルア
ルコールを添加したものを反応の溶媒とした場合には、
蒸留段数として3段以上、還流比として3以上の条件で
蒸留して先ず水を留出させ、次いでアルコールを留出さ
せるのが好ましい。
ン酸と5価のバナジウム化合物とからリン−バナジウム
化合物を合成する際の反応溶媒として循環使用すること
ができる。通常は回収したアルコールに、回収率に応じ
た不足分のアルコールを新たに加えて反応溶媒とする。
本発明の方法で得られるリン−バナジウム化合物は、焼
成してリン−バナジウム化合物の少なくとも一部をピロ
リン酸ジバナジルに転換させて触媒として使用する。通
常は最終的に400〜700℃で焼成することにより、
触媒の活性化が行なわれる。活性化の条件の例として
は、窒素雰囲気や窒素と空気を適当な割合で混合した雰
囲気での焼成、炭素数4の炭化水素を含有した反応ガス
雰囲気での加熱が挙げられる。また、リン−バナジウム
化合物をバインダー成分あるいは担体成分と混合して反
応器の形態に適した触媒に成型し、乾燥、加熱活性化す
るか、あるいは、予め加熱して活性化後にバインダー成
分あるいは担体成分と混合して成型し、乾燥することに
より、所望の形状の触媒とすることもできる。
の部分酸化反応、特にn−ブタン、1−ブテン、2−ブ
テン、1,3−ブタジエン等の炭素数4の炭化水素の気
相酸化による無水マレイン酸の製造に好適に利用され
る。酸化反応の形式は流動床でも固定床でもよい。酸化
剤としては空気または他の分子状酸素含有ガスが用いら
れる。反応器に供給するガス中の原料炭化水素は通常
0.1〜10容量%、好ましくは1〜5容量%、酸素濃
度は10〜30容量%である。反応温度は通常300〜
500℃、好ましくは350〜450℃であり、反応圧
力は、通常、常圧もしくは0.05〜10kg/cm2
Gの加圧下で行われる。
説明する。尚、特に断りがない限り「%」は「重量%」
を示す。 実施例1 工程(a) 10リットルのステンレス製容器に2−メチルプロパノ
ール2195g、ベンジルアルコール205.4g、五
酸化バナジウム347.5g、シュウ酸鉄・2水物3
6.0gを入れてスラリー状態で3時間、攪拌下に加熱
・還流した。このスラリーに89%リン酸528.5g
を2−メチルプロパノール1.0リットルに溶解した溶
液を添加し、次いで2−メチルプロパノール2.4リッ
トルを加えた。このスラリーを攪拌下に更に7時間、加
熱・還流した後、冷却した。生成物をヌチェで吸引濾過
した。取得したリン−バナジウム化合物は、2−メチル
プロパノールで洗浄し、130℃で10時間乾燥した。
後の反応液2001gのリン酸濃度を測定したところ、
1.43%であった。これに1Nの水酸化ナトリウム3
20.3g(リン酸に対する当量比1.23)を添加
し、室温で1時間攪拌した。リン酸濃度は、攪拌30分
で0.01%以下まで低下した。上記の液を静置して2
層に分け、水層を除去し有機層を取得した。
を用いて、上記で取得した有機層を常圧で蒸留した。還
流比は、初留を5、主留を1に設定した。蒸留釜部分
は、オイルバスにて130℃に加熱した。仕込みに対し
て初留を38%留出させた。この時の塔頂温度は、90
℃〜110℃であった。その後、主留を仕込みに対して
51%留出させた。この時の塔頂温度は、109℃〜1
10℃であった。この留分の水含有量は、0.10%で
あり、2−メチルプロパノールの純度は99.8%以上
であった。釜残は、仕込み重量に対して11%であっ
た。この蒸留における2−メチルプロパノール回収率
は、61%であった。得られた釜残の発熱挙動を示差熱
量計(以下、「DSC」と略す。島津製作所社製品)を
用いて窒素雰囲気下で測定したところ、250℃までに
発熱ピークは観察されなかった。
ン−バナジウム化合物の合成)2−メチルプロパノール
として、上記と同様にして回収した2−メチルプロパノ
ールのみを用いた以外は上記と全く同様の操作を行い、
リン−バナジウム化合物を製造した。生成したリン−バ
ナジウム化合物の粉末X線を測定したところ、新しい2
−メチルプロパノールを用いて製造した生成物と同位置
にピークが観察された。
蒸留した。蒸留条件等は実施例1と同様に行なった。得
られた釜残の発熱挙動を示差熱量計(島津製作所製)を
用い、窒素雰囲気下にて測定したところ、195℃付近
から発熱が始まり、約230℃にピークを有する大きな
発熱ピークが観測された。
グの容器を使用して、実施例1の10倍スケールで同様
の反応を実施した。リン−バナジウム化合物を分離した
後の反応液中のリン酸濃度は、1.43%であった。こ
の溶液250gに表1の中和剤を添加して、攪拌しなが
ら還流した。還流時間30分と3時間後に溶液中のリン
酸濃度と水濃度を測定した結果を表1にまとめた。
バナジウム化合物を分離したリン酸濃度1.43%の反
応液1000.2gにリン酸濃度の15倍に相当する1
20.8gの酸化カルシウムを添加して、攪拌しながら
3時間還流処理した。その後、濾過により酸化カルシウ
ムとリン酸を除去した。この濾液中のリン酸濃度は0.
02%以下、水濃度は0.45%であり、これを以下の
蒸留に用いた。
ウ蒸留塔を用い、常圧で蒸留を実施した。還流比は、初
留を5、主留を1に設定した。蒸留釜部分は、オイルバ
スにて142℃に加熱した。仕込みに対して初留を8.
9%留出させた。この時の塔頂温度は、90℃〜110
℃であった。その後、主留を仕込みに対して77.7%
留出させた。この時の塔頂温度は、109℃〜110℃
であった。この留分の水含有量は、0.06%であり、
2−メチルプロパノールの純度は99.8%以上であっ
た。釜残は、仕込み重量に対して13.3%であった。
この蒸留における2−メチルプロパノール回収率は、7
9%であった。得られた釜残を窒素雰囲気下でDSCで
測定したところ、250℃までに発熱ピークは観察され
なかった。
ン−バナジウム化合物の合成)上記にて回収した2−メ
チルプロパノールを用いて、実施例1と同様にしてリン
−バナジウム化合物を製造した。粉末X線を測定したと
ころ、新しい2−メチルプロパノールを用いて製造した
生成物と同位置にピークが観察された。
収した2−メチルプロパノールで合成したリン−バナジ
ウム化合物、並びに新しい2−メチルプロパノールを用
いて実施例1で合成したリン−バナジウム化合物をそれ
ぞれ窒素雰囲気下、550℃で焼成後14〜24メッシ
ュの粒径に成型した触媒を石英製反応管に1cc充填
し、該反応管にn−ブタン濃度4モル%の空気混合ガス
をGHSV1000Hr-1の速度で通過させて400℃
で反応を実施した。約20時間経過後、反応管内の温度
を350〜500℃の範囲で調整し、反応管出口ガスを
サンプリングして、オンライン接続したガスクロマトグ
ラフにより生成物の分析を実施した。得られた結果を表
2に示す。表2の結果から、回収した2−メチルプロパ
ノールを使用して生成したリン−バナジウム化合物を活
性化して得られた触媒(触媒A:実施例1、触媒B:実
施例7)は、新しい2−メチルプロパノールを用いて合
成したものから得られた触媒(触媒C)と比べても無水
マレイン酸(CML)収率並びに反応温度が同等であ
り、反応成績が同等以上なことが理解される。
方法によれば、製造に使用した炭素数3〜5のアルコー
ルを安全にかつ安価に回収でき、また、これを再使用し
ても、リン−バナジウム化合物を再現性良く、製造する
ことができるので、リン−バナジウム化合物の安価な製
造に有効である。本発明により得られたリン−バナジウ
ム化合物を活性化した触媒は、炭素数4の炭化水素、特
に飽和のブタンを選択的に酸化して無水マレイン酸を製
造する反応に適している。
Claims (6)
- 【請求項1】 リン酸及び5価のバナジウム化合物をア
ルコール含有溶媒中で反応させてリン−バナジウム化合
物を製造する方法において、(a)リン酸及び5価のバ
ナジウム化合物を炭素数3〜5のアルコールを含有する
溶媒中で反応させてリン−バナジウム化合物を合成し、
(b)該リン−バナジウム化合物を反応液より分離し、
(c)分離後の反応液を中和してリン酸濃度を1.0%
以下とし、(d)次いで該液を蒸留してアルコールを回
収する、ことを特徴とするリン−バナジウム化合物の製
造方法。 - 【請求項2】 アルコールが、2−メチルプロパノール
とベンジルアルコールの混合アルコールである請求項1
記載の方法。 - 【請求項3】 中和剤が、アルカリ金属の水酸化物並び
にアルカリ土類金属の酸化物及び水酸化物よりなる群か
ら選ばれた少くとも1種である請求項1記載の方法。 - 【請求項4】 回収アルコール中の水分濃度が5%以下
である請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。 - 【請求項5】 反応液から分離されたリン−バナジウム
化合物を、炭素数3〜5のアルコールで洗浄し、該洗浄
液から該アルコールを蒸留回収することを特徴とする請
求項1ないし4のいずれかに記載の方法。 - 【請求項6】 反応液から蒸留回収したアルコールを、
リン酸及び5価のバナジウム化合物を反応させてリン−
バナジウム化合物を合成する際の溶媒として再使用する
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12156295A JP3646351B2 (ja) | 1995-05-19 | 1995-05-19 | リン−バナジウム化合物の製造方法 |
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---|---|---|---|
JP12156295A JP3646351B2 (ja) | 1995-05-19 | 1995-05-19 | リン−バナジウム化合物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08319106A true JPH08319106A (ja) | 1996-12-03 |
JP3646351B2 JP3646351B2 (ja) | 2005-05-11 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006281203A (ja) * | 2005-03-10 | 2006-10-19 | Osaka Univ | 金属バナジン酸アパタイトを含む触媒用組成物、該触媒用組成物を用いた炭素−炭素結合形成方法 |
-
1995
- 1995-05-19 JP JP12156295A patent/JP3646351B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006281203A (ja) * | 2005-03-10 | 2006-10-19 | Osaka Univ | 金属バナジン酸アパタイトを含む触媒用組成物、該触媒用組成物を用いた炭素−炭素結合形成方法 |
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