JPH08315438A - 光磁気記録媒体および該媒体を用いた情報記録再生方法 - Google Patents
光磁気記録媒体および該媒体を用いた情報記録再生方法Info
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- JPH08315438A JPH08315438A JP11609795A JP11609795A JPH08315438A JP H08315438 A JPH08315438 A JP H08315438A JP 11609795 A JP11609795 A JP 11609795A JP 11609795 A JP11609795 A JP 11609795A JP H08315438 A JPH08315438 A JP H08315438A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 少なくとも各々垂直磁化膜からなる第1磁性
層および第2磁性層が、光の入射面より第1磁性層およ
び第2磁性層の順に基板上に積層され、再生層が室温と
そのキュリー温度の間に補償温度を持ち、再生層と記録
層は、互いに磁化の向きが同じ向きになるように静磁的
に結合しており、室温では再生層と記録層のそれぞれの
副格子磁気モーメントが互いに逆向きで、再生層の補償
温度以上の温度では平行である光磁気記録媒体を用い
て、記録再生を行う。 【効果】 磁気超解像が全磁性層を薄膜化した光磁気記
録媒体で実現でき、高速記録が可能な低材料コストの高
密度光磁気記録媒体および情報再生記録方法の提供が可
能となる。
層および第2磁性層が、光の入射面より第1磁性層およ
び第2磁性層の順に基板上に積層され、再生層が室温と
そのキュリー温度の間に補償温度を持ち、再生層と記録
層は、互いに磁化の向きが同じ向きになるように静磁的
に結合しており、室温では再生層と記録層のそれぞれの
副格子磁気モーメントが互いに逆向きで、再生層の補償
温度以上の温度では平行である光磁気記録媒体を用い
て、記録再生を行う。 【効果】 磁気超解像が全磁性層を薄膜化した光磁気記
録媒体で実現でき、高速記録が可能な低材料コストの高
密度光磁気記録媒体および情報再生記録方法の提供が可
能となる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気光学効果を利用し
てレーザー光により情報の記録再生を行う光磁気記録媒
体に関し、媒体の高密度化を可能とする光磁気再生方法
及び光磁気記録媒体に関するものである。
てレーザー光により情報の記録再生を行う光磁気記録媒
体に関し、媒体の高密度化を可能とする光磁気再生方法
及び光磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】書き換え可能な高密度記録方式として、
半導体レーザーの熱エネルギーを用いて磁性薄膜に磁区
を書き込んで情報を記録し、磁気光学効果を用いてその
情報を読み出す光磁気記録媒体が注目されている。また
近年、この光磁気記録媒体の記録密度を高めて更に大容
量の記録媒体とする要求が高まっている。
半導体レーザーの熱エネルギーを用いて磁性薄膜に磁区
を書き込んで情報を記録し、磁気光学効果を用いてその
情報を読み出す光磁気記録媒体が注目されている。また
近年、この光磁気記録媒体の記録密度を高めて更に大容
量の記録媒体とする要求が高まっている。
【0003】この光磁気記録媒体等の光ディスクの線記
録密度は、再生光学系のレーザー波長、対物レンズの開
口数に大きく依存する。すなわち、再生光学系のレーザ
ー波長λと対物レンズの開口数NAが決まるとビームウ
エストの径が決まるため、再生検出可能なマーク周期
は、λ/2NA程度が限界となってしまう。
録密度は、再生光学系のレーザー波長、対物レンズの開
口数に大きく依存する。すなわち、再生光学系のレーザ
ー波長λと対物レンズの開口数NAが決まるとビームウ
エストの径が決まるため、再生検出可能なマーク周期
は、λ/2NA程度が限界となってしまう。
【0004】一方、トラック密度は主としてクロストー
クによって制限されている。このクロストークは、主と
して媒体面上でのレーザービームの分布(プロファイ
ル)で決まり、前記マーク周期と同様にλ/2NAの関
数で表される。
クによって制限されている。このクロストークは、主と
して媒体面上でのレーザービームの分布(プロファイ
ル)で決まり、前記マーク周期と同様にλ/2NAの関
数で表される。
【0005】したがって、従来の光ディスクで高密度化
を実現するためには、再生光学系のレーザー波長を短く
し、対物レンズの開ロ数NAを大きくする必要がある。
しかしながら、レーザーの波長を短くするのは素子の効
率低下や発熱などの問題で容易ではなく、また対物レン
ズの開ロ数を大きくするとレンズとディスクの距離が近
づき過ぎて衝突などの機械的問題が発生する。このた
め、記録媒体の構成や読み取り方法を工夫し、記録密度
を改善する技術が開発されている。
を実現するためには、再生光学系のレーザー波長を短く
し、対物レンズの開ロ数NAを大きくする必要がある。
しかしながら、レーザーの波長を短くするのは素子の効
率低下や発熱などの問題で容易ではなく、また対物レン
ズの開ロ数を大きくするとレンズとディスクの距離が近
づき過ぎて衝突などの機械的問題が発生する。このた
め、記録媒体の構成や読み取り方法を工夫し、記録密度
を改善する技術が開発されている。
【0006】たとえば特開平3−93056号公報にお
いては、再生層と中間層と記録層からなる媒体を用いて
記録密度の向上を試みている。これはある線速度で進行
中の再生層と中間層と記録層を設けた構成の媒体に光ス
ポットを照射し、その際に生じる媒体の温度分布のう
ち、高温領域の再生層の磁化を外部磁界の方向に一様に
揃え、低温領域の再生層のみに記録層の磁区情報が転写
され再生できるようにして、再生時の符号間干渉を減少
させ、光の回折限界以下の周期の信号を再生可能とし、
記録密度の向上を試みている。
いては、再生層と中間層と記録層からなる媒体を用いて
記録密度の向上を試みている。これはある線速度で進行
中の再生層と中間層と記録層を設けた構成の媒体に光ス
ポットを照射し、その際に生じる媒体の温度分布のう
ち、高温領域の再生層の磁化を外部磁界の方向に一様に
揃え、低温領域の再生層のみに記録層の磁区情報が転写
され再生できるようにして、再生時の符号間干渉を減少
させ、光の回折限界以下の周期の信号を再生可能とし、
記録密度の向上を試みている。
【0007】また、たとえば特開平3−93058号公
報においては、基本的には再生層と記録層からなる媒体
を用いて記録密度の向上を試みている。これは図4に示
すように、ある線速度で進行中(進行方向9)の再生層
1と補助層2と中間層3と記録層4を設けた構成の媒体
(図4(b))に、情報再生に先立って初期化磁界12
により再生層1の磁化の向きを一方向に揃えて記録層4
の磁区情報をマスクした後に光スポットを照射し、その
際に生じる媒体の温度分布(図4(c))の高温領域
で、メモリ層3の磁区情報を再生磁界11の補助により
再生層1に転写されるようにして再生スポットの実効的
な大きさを小さくすることにより、光の回折限界以下の
記録マークを再生可能とし、線密度および記録密度の向
上を図っている。
報においては、基本的には再生層と記録層からなる媒体
を用いて記録密度の向上を試みている。これは図4に示
すように、ある線速度で進行中(進行方向9)の再生層
1と補助層2と中間層3と記録層4を設けた構成の媒体
(図4(b))に、情報再生に先立って初期化磁界12
により再生層1の磁化の向きを一方向に揃えて記録層4
の磁区情報をマスクした後に光スポットを照射し、その
際に生じる媒体の温度分布(図4(c))の高温領域
で、メモリ層3の磁区情報を再生磁界11の補助により
再生層1に転写されるようにして再生スポットの実効的
な大きさを小さくすることにより、光の回折限界以下の
記録マークを再生可能とし、線密度および記録密度の向
上を図っている。
【0008】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら特開
平3−93056号公報、前記特開平3−93058号
公報記載の光磁気記録媒体では、良好なS/N(C/
N)を得るために、記録層の磁区情報を十分マスクでき
る程度に再生層の膜厚を大きくする必要がある。具体的
には、特開平4−255938号公報に記載されている
通り、再生層の膜厚が15nm以下では再生層の下の層
の影響が25%以上出るため超解像再生が不可能とな
り、必要な信号を得るためには20nm、実用的には3
0nm以上の膜厚の再生層が必要となる。このように前
記光磁気記録媒体では、記録層の磁区情報をマスクする
必要があるために再生層ひいては全磁性層の膜厚を低減
することができない。
平3−93056号公報、前記特開平3−93058号
公報記載の光磁気記録媒体では、良好なS/N(C/
N)を得るために、記録層の磁区情報を十分マスクでき
る程度に再生層の膜厚を大きくする必要がある。具体的
には、特開平4−255938号公報に記載されている
通り、再生層の膜厚が15nm以下では再生層の下の層
の影響が25%以上出るため超解像再生が不可能とな
り、必要な信号を得るためには20nm、実用的には3
0nm以上の膜厚の再生層が必要となる。このように前
記光磁気記録媒体では、記録層の磁区情報をマスクする
必要があるために再生層ひいては全磁性層の膜厚を低減
することができない。
【0009】近年、光磁気記録媒体の線速度を上げて記
録速度を高める要求が高まっているが、磁性層の膜厚が
大きい媒体は全体の熱容量が高いため、記録に大きな光
パワーを要する。半導体レーザー等の光パワーの出力に
は限度があるので、前記光磁気記録媒体はその要求に応
えることが困難である。また、反射層を設けてエンハン
ス構造としてC/Nを上昇させることができない。
録速度を高める要求が高まっているが、磁性層の膜厚が
大きい媒体は全体の熱容量が高いため、記録に大きな光
パワーを要する。半導体レーザー等の光パワーの出力に
は限度があるので、前記光磁気記録媒体はその要求に応
えることが困難である。また、反射層を設けてエンハン
ス構造としてC/Nを上昇させることができない。
【0010】さらに磁性材料は一般に材料コストの高い
希土類金属を用いることが多く、厚膜の磁性層を用いる
と媒体の材料費が高くなり安価な光磁気記録媒体を提供
することが難しい。
希土類金属を用いることが多く、厚膜の磁性層を用いる
と媒体の材料費が高くなり安価な光磁気記録媒体を提供
することが難しい。
【0011】従って、これら従来の光磁気記録媒体およ
び方法においては、磁気超解像による高密度化を高速記
録と同時に実現し、安価な光磁気記録媒体で提供するこ
とが困難である。
び方法においては、磁気超解像による高密度化を高速記
録と同時に実現し、安価な光磁気記録媒体で提供するこ
とが困難である。
【0012】また、前記の従来の光磁気記録媒体および
方法においては、再生時に外部磁界を印加することが必
要であり、磁気超解像による高密度化を安価な光磁気記
録装置で提供することが困難である。
方法においては、再生時に外部磁界を印加することが必
要であり、磁気超解像による高密度化を安価な光磁気記
録装置で提供することが困難である。
【0013】本発明は上記問題に鑑み、全磁性層を薄膜
化した光磁気記録媒体で磁気超解像を実現し、高速記録
が可能な低材料コストの高密度光磁気記録媒体およびそ
の媒体を用いた良好な情報再生記録方法を提供すること
を目的とする。
化した光磁気記録媒体で磁気超解像を実現し、高速記録
が可能な低材料コストの高密度光磁気記録媒体およびそ
の媒体を用いた良好な情報再生記録方法を提供すること
を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも各
々垂直磁化膜からなる第1磁性層および第2磁性層が、
光の入射面より第1磁性層および第2磁性層の順に基板
上に積層され、前記第1磁性層は室温と該磁性層のキュ
リー温度の間に補償温度を持ち、前記第1磁性層と前記
第2磁性層は、互いに磁化の向きが同じ向きになるよう
に静磁的に結合しており、室温では前記第1磁性層と前
記第2磁性層のそれぞれの副格子磁気モーメントが互い
に逆向きで、前記第1磁性層の補償温度以上の温度では
平行であることを特徴とする光磁気記録媒体、ならびに
第2磁性層に情報が記録された前記光磁気記録媒体に光
スポットを照射し、該光スポット内では第1磁性層と第
2磁性層を静磁結合させ、該光スポット内の領域で第1
磁性層がその補償温度より低温である領域では第1磁性
層と第2磁性層の副格子磁化の向きを逆向きとし、光ス
ポット内の領域で第1磁性層がその補償温度以上の温度
である領域では第1磁性層と第2磁性層の副格子磁化の
向きを同じ向きとして、第2磁性層の磁化情報を磁気光
学効果により光学信号に変換し、該信号を記録信号とし
て読み出す情報記録再生方法を提供する。
々垂直磁化膜からなる第1磁性層および第2磁性層が、
光の入射面より第1磁性層および第2磁性層の順に基板
上に積層され、前記第1磁性層は室温と該磁性層のキュ
リー温度の間に補償温度を持ち、前記第1磁性層と前記
第2磁性層は、互いに磁化の向きが同じ向きになるよう
に静磁的に結合しており、室温では前記第1磁性層と前
記第2磁性層のそれぞれの副格子磁気モーメントが互い
に逆向きで、前記第1磁性層の補償温度以上の温度では
平行であることを特徴とする光磁気記録媒体、ならびに
第2磁性層に情報が記録された前記光磁気記録媒体に光
スポットを照射し、該光スポット内では第1磁性層と第
2磁性層を静磁結合させ、該光スポット内の領域で第1
磁性層がその補償温度より低温である領域では第1磁性
層と第2磁性層の副格子磁化の向きを逆向きとし、光ス
ポット内の領域で第1磁性層がその補償温度以上の温度
である領域では第1磁性層と第2磁性層の副格子磁化の
向きを同じ向きとして、第2磁性層の磁化情報を磁気光
学効果により光学信号に変換し、該信号を記録信号とし
て読み出す情報記録再生方法を提供する。
【0015】さらに本発明は、少なくとも各々垂直磁化
膜からなる第1磁性層および第2磁性層が、光の入射面
より第1磁性層および第2磁性層の順に基板上に積層さ
れ、前記第1磁性層は室温と該磁性層のキュリー温度の
間に補償温度を持ち、前記第1磁性層と前記第2磁性層
は互いに磁化の向きが同じ向きになるように静磁的に結
合しており、室温では前記第1磁性層と前記第2磁性層
のそれぞれの副格子磁気モーメントが平行で、前記第1
磁性層の補償温度以上の温度では互いに逆向きであるこ
とを特徴とする光磁気記録媒体、ならびに第2磁性層に
情報が記録された前記光磁気記録媒体に光スポットを照
射し、該光スポット内では第1磁性層と第2磁性層を静
磁結合させ、該光スポット内の領域で第1磁性層がその
補償温度以上である領域では第1磁性層と第2磁性層の
副格子磁化の向きを逆向きとし、光スポット内の領域で
第1磁性層がその補償温度より低温である領域では第1
磁性層と第2磁性層の副格子磁化の向きを同じ向きとし
て、第2磁性層の磁化情報を磁気光学効果により光学信
号に変換し、該信号を記録信号として読み出す情報記録
再生方法を提供する。
膜からなる第1磁性層および第2磁性層が、光の入射面
より第1磁性層および第2磁性層の順に基板上に積層さ
れ、前記第1磁性層は室温と該磁性層のキュリー温度の
間に補償温度を持ち、前記第1磁性層と前記第2磁性層
は互いに磁化の向きが同じ向きになるように静磁的に結
合しており、室温では前記第1磁性層と前記第2磁性層
のそれぞれの副格子磁気モーメントが平行で、前記第1
磁性層の補償温度以上の温度では互いに逆向きであるこ
とを特徴とする光磁気記録媒体、ならびに第2磁性層に
情報が記録された前記光磁気記録媒体に光スポットを照
射し、該光スポット内では第1磁性層と第2磁性層を静
磁結合させ、該光スポット内の領域で第1磁性層がその
補償温度以上である領域では第1磁性層と第2磁性層の
副格子磁化の向きを逆向きとし、光スポット内の領域で
第1磁性層がその補償温度より低温である領域では第1
磁性層と第2磁性層の副格子磁化の向きを同じ向きとし
て、第2磁性層の磁化情報を磁気光学効果により光学信
号に変換し、該信号を記録信号として読み出す情報記録
再生方法を提供する。
【0016】本発明の光磁気記録媒体は、室温とキュリ
ー温度の間に補償温度を有する第1磁性層と第2磁性層
とを少なくとも有している。また、第1磁性層と第2磁
性層は、互いに静磁的に結合しており、低温では第1磁
性層と第2磁性層のそれぞれの副格子磁気モーメントが
互いに逆向きで、高温では平行である2層膜構成である
か、もしくは、低温では第1磁性層と第2磁性層のそれ
ぞれの副格子磁気モーメントが平行で、高温では互いに
逆向きである2層膜構成である。そして、第1磁性層と
第2磁性層のそれぞれの副格子磁気モーメントが互いに
逆向きの場合、これらの層のカー回転角(θk)が見か
け上0となるようにしてある。このため、本発明の光磁
気記録媒体で再生を行う際には、光スポット内の一部の
温度領域においてのみ第2磁性層に記録された磁化情報
が検出され、光スポット内の他の温度領域においては、
レーザー光が第1磁性層を透過した場合においても第2
磁性層の磁区情報が検出されることがない。よって、前
記の特開平3−93058号公報記載の超解像方法にお
ける記録層の磁区情報のマスキングの必要性はなくな
り、再生層ひいては磁性層全体の膜厚を薄くすることが
可能となる。よって、本発明の光磁気記録媒体及び再生
方法では高線速記録が実現でき記録速度が向上し、コス
トが低減し、同時に反射膜構成の膜構造にすることもで
きるため、エンハンス効果によるC/N上昇も可能とな
る。また、本出願人は、特開平6−314443におい
て、少なくとも再生層と第1磁性層と第2磁性層からな
る光磁気記録媒体を提案したが、本発明では再生層と第
1磁性層を1つの層としたため、それに比較して、さら
に層の数を減らすことができる。また、本発明の光磁気
記録媒体および記録再生方法では、再生時に外部磁界を
印加する必要がないため、磁気超解像による高密度化を
安価な光磁気記録装置で提供することが可能である。
ー温度の間に補償温度を有する第1磁性層と第2磁性層
とを少なくとも有している。また、第1磁性層と第2磁
性層は、互いに静磁的に結合しており、低温では第1磁
性層と第2磁性層のそれぞれの副格子磁気モーメントが
互いに逆向きで、高温では平行である2層膜構成である
か、もしくは、低温では第1磁性層と第2磁性層のそれ
ぞれの副格子磁気モーメントが平行で、高温では互いに
逆向きである2層膜構成である。そして、第1磁性層と
第2磁性層のそれぞれの副格子磁気モーメントが互いに
逆向きの場合、これらの層のカー回転角(θk)が見か
け上0となるようにしてある。このため、本発明の光磁
気記録媒体で再生を行う際には、光スポット内の一部の
温度領域においてのみ第2磁性層に記録された磁化情報
が検出され、光スポット内の他の温度領域においては、
レーザー光が第1磁性層を透過した場合においても第2
磁性層の磁区情報が検出されることがない。よって、前
記の特開平3−93058号公報記載の超解像方法にお
ける記録層の磁区情報のマスキングの必要性はなくな
り、再生層ひいては磁性層全体の膜厚を薄くすることが
可能となる。よって、本発明の光磁気記録媒体及び再生
方法では高線速記録が実現でき記録速度が向上し、コス
トが低減し、同時に反射膜構成の膜構造にすることもで
きるため、エンハンス効果によるC/N上昇も可能とな
る。また、本出願人は、特開平6−314443におい
て、少なくとも再生層と第1磁性層と第2磁性層からな
る光磁気記録媒体を提案したが、本発明では再生層と第
1磁性層を1つの層としたため、それに比較して、さら
に層の数を減らすことができる。また、本発明の光磁気
記録媒体および記録再生方法では、再生時に外部磁界を
印加する必要がないため、磁気超解像による高密度化を
安価な光磁気記録装置で提供することが可能である。
【0017】
【作用】以下、図面を用いて本発明の光磁気記録媒体お
よびその媒体を用いた記録再生方法について詳しく説明
する。
よびその媒体を用いた記録再生方法について詳しく説明
する。
【0018】以下、第1磁性層を再生層、第2磁性層を
記録層と称して取り扱う。
記録層と称して取り扱う。
【0019】本発明の光磁気記録媒体は図1に示すよう
に、少なくとも再生層、記録層が光の入射面より再生
層、記録層の順に基板上に積層されてなるものである。
再生層は、好ましくはフェリ磁性体からなり室温とキュ
リー温度の間に補償温度を有する。再生層と記録層は静
磁的に結合しており全体の磁化が平行に配向する。
に、少なくとも再生層、記録層が光の入射面より再生
層、記録層の順に基板上に積層されてなるものである。
再生層は、好ましくはフェリ磁性体からなり室温とキュ
リー温度の間に補償温度を有する。再生層と記録層は静
磁的に結合しており全体の磁化が平行に配向する。
【0020】また、本発明の光磁気記録媒体は、次の
(1)および(2)の2つのタイプがある。
(1)および(2)の2つのタイプがある。
【0021】(1)再生層の補償温度より低い温度では
再生層と記録層のそれぞれの副格子磁気モーメントが互
いに逆向きで、それより高温では平行である2層膜構成 (2)再生層の補償温度より低い温度では再生層と記録
層のそれぞれの副格子磁気モーメントが平行で、それよ
り高温では互いに逆向きである2層膜構成。
再生層と記録層のそれぞれの副格子磁気モーメントが互
いに逆向きで、それより高温では平行である2層膜構成 (2)再生層の補償温度より低い温度では再生層と記録
層のそれぞれの副格子磁気モーメントが平行で、それよ
り高温では互いに逆向きである2層膜構成。
【0022】具体的には、例えば再生層および記録層に
希土類(RE)−鉄族(TM)元素合金を用いる場合、
再生層が室温で希土類元素副格子磁化優勢(REリッ
チ)な磁性層で室温とキュリー温度の間に補償温度を有
しており、上記(1)の媒体は、記録層が室温で鉄族元
素副格子磁化優勢(TMリッチ)であり、上記(2)の
媒体は記録層が希土類元素副格子磁化優勢(REリッ
チ)である。
希土類(RE)−鉄族(TM)元素合金を用いる場合、
再生層が室温で希土類元素副格子磁化優勢(REリッ
チ)な磁性層で室温とキュリー温度の間に補償温度を有
しており、上記(1)の媒体は、記録層が室温で鉄族元
素副格子磁化優勢(TMリッチ)であり、上記(2)の
媒体は記録層が希土類元素副格子磁化優勢(REリッ
チ)である。
【0023】なおこの(1)もしくは(2)の構成は少
なくとも再生時の光スポット内の温度範囲で達成される
ことが必要である。このうち、再生層および記録層に希
土類(RE)−鉄族(TM)元素合金を用いる場合、再
生層が希土類元素副格子磁化優勢(REリッチ)な磁性
層で、記録層が室温で鉄族元素副格子磁化優勢(TMリ
ッチ)である構成とした場合の方が、低磁界に記録層に
磁化情報を記録できるので、より望ましい。
なくとも再生時の光スポット内の温度範囲で達成される
ことが必要である。このうち、再生層および記録層に希
土類(RE)−鉄族(TM)元素合金を用いる場合、再
生層が希土類元素副格子磁化優勢(REリッチ)な磁性
層で、記録層が室温で鉄族元素副格子磁化優勢(TMリ
ッチ)である構成とした場合の方が、低磁界に記録層に
磁化情報を記録できるので、より望ましい。
【0024】またより特性を向上させるためにさらに反
射層を設けると良い。さらに記録層と反射層の間に誘電
体からなる干渉層を設けても良い。この干渉層を設ける
と、記録層から反射層に容易に熱が逃げないため、低パ
ワーで記録できる、エンハンス構造となるためC/Nが
改善される等のメリツトがある。
射層を設けると良い。さらに記録層と反射層の間に誘電
体からなる干渉層を設けても良い。この干渉層を設ける
と、記録層から反射層に容易に熱が逃げないため、低パ
ワーで記録できる、エンハンス構造となるためC/Nが
改善される等のメリツトがある。
【0025】再生層としては、例えば希土類ー鉄族非晶
質合金、例えばGdFeCo、TbFeCo、GdTb
FeCo、GdDyFeCo、NdGdFeCo、Gd
Coなどが望ましい。
質合金、例えばGdFeCo、TbFeCo、GdTb
FeCo、GdDyFeCo、NdGdFeCo、Gd
Coなどが望ましい。
【0026】次に記録層は、2値情報を記録する層で、
垂直磁気異方性が大きく安定に磁化状態が保持できるも
のが好適で、中でも、TbFeCo、DyFeCo、T
bDyFeCoなどの希土類−鉄族非晶質合金が最も望
ましい。あるいは、ガーネット;Pt/Co、Pd/C
oなどの白金族−鉄族周期構造膜;PtCo、PdCo
などの白金族−鉄族合金などを用いても良い。
垂直磁気異方性が大きく安定に磁化状態が保持できるも
のが好適で、中でも、TbFeCo、DyFeCo、T
bDyFeCoなどの希土類−鉄族非晶質合金が最も望
ましい。あるいは、ガーネット;Pt/Co、Pd/C
oなどの白金族−鉄族周期構造膜;PtCo、PdCo
などの白金族−鉄族合金などを用いても良い。
【0027】偏光面の回転が再生層、記録層でキャンセ
ルされるためには、入射側に近い再生層は、偏光面の回
転に及ばす影響が大きいため、再生層および記録層が同
程度の複素屈折率を持つ場合には、記録層に比ベて薄く
すれば良い。
ルされるためには、入射側に近い再生層は、偏光面の回
転に及ばす影響が大きいため、再生層および記録層が同
程度の複素屈折率を持つ場合には、記録層に比ベて薄く
すれば良い。
【0028】なお、再生層と記録層には、Cr、Al、
Ti、Pt、Nbなどの耐食性改善のための元素添加を
行なっても良い。
Ti、Pt、Nbなどの耐食性改善のための元素添加を
行なっても良い。
【0029】再生層と記録層は静磁的に結合する状態と
する。静磁結合状態と交換結合状態は異なる場合がある
ので、再生層と記録層の間の交換結合を切断することが
必要である。このためにはSiN、AlNx、AlOx、
TaOx、SiOxなどの誘電体を中間層として再生層と
記録層の間に設ければよい(図1(b))。これらの誘
電体は、1〜2nm以上で交換結合相互作用をほば完全
に切断することができる。また、面内異方性の強い磁性
層を用いて交換力の影響を防ぐこともできる。この中間
層は、光スポットの全領域において、交換力を切断する
ように働く。このため、膜厚は好ましくは1nm〜20
nm、さらに好ましくは4nm〜15nmとする。
する。静磁結合状態と交換結合状態は異なる場合がある
ので、再生層と記録層の間の交換結合を切断することが
必要である。このためにはSiN、AlNx、AlOx、
TaOx、SiOxなどの誘電体を中間層として再生層と
記録層の間に設ければよい(図1(b))。これらの誘
電体は、1〜2nm以上で交換結合相互作用をほば完全
に切断することができる。また、面内異方性の強い磁性
層を用いて交換力の影響を防ぐこともできる。この中間
層は、光スポットの全領域において、交換力を切断する
ように働く。このため、膜厚は好ましくは1nm〜20
nm、さらに好ましくは4nm〜15nmとする。
【0030】また再生層及び記録層は、上記光スポット
の高温領域においては、光が透過してθkがキャンセル
できる程度に薄くする必要があり、少なくとも40nm
以下、好ましくは30nm以下、さらに好ましくは20
nm以下とする。ただし、記録層を完全に光が透過しな
くとも、記録層内にある程度浸透した光が反射して、そ
の結果θkがキャンセルすればよい。
の高温領域においては、光が透過してθkがキャンセル
できる程度に薄くする必要があり、少なくとも40nm
以下、好ましくは30nm以下、さらに好ましくは20
nm以下とする。ただし、記録層を完全に光が透過しな
くとも、記録層内にある程度浸透した光が反射して、そ
の結果θkがキャンセルすればよい。
【0031】以下に本発明の記録再生プロセスを説明す
る。
る。
【0032】まず本発明の光磁気記録媒体の記録層にデ
ータ信号に応じて記録磁区を形成する。記録は一度消去
した後に、記録方向に磁界を印加しながらレーザーパワ
ーを変調して行う。もしくは、外部磁界を印加しながら
レーザーパワーを変調して旧データの上に新データをオ
ーバーライト記録する。これらの光変調記録の場合、光
スポット内の所定領域のみが記録層のキュリー温度近傍
になるように記録媒体の線速度を考慮してレーザー光の
強度を決定すれば、光スポットの径以下の記録磁区が形
成でき、その結果、光の回折限界以下の周期の信号を記
録できる。または、記録層がキュリー温度以上になるよ
うなパワーのレーザー光を照射しながら外部磁界を変調
してオーバーライト記録をする。この場合は変調速度を
線速度に応じて高速にすれば光スポットの径以下の記録
磁区が形成でき、その結果、光の回折限界以下の周期の
信号を記録できる。
ータ信号に応じて記録磁区を形成する。記録は一度消去
した後に、記録方向に磁界を印加しながらレーザーパワ
ーを変調して行う。もしくは、外部磁界を印加しながら
レーザーパワーを変調して旧データの上に新データをオ
ーバーライト記録する。これらの光変調記録の場合、光
スポット内の所定領域のみが記録層のキュリー温度近傍
になるように記録媒体の線速度を考慮してレーザー光の
強度を決定すれば、光スポットの径以下の記録磁区が形
成でき、その結果、光の回折限界以下の周期の信号を記
録できる。または、記録層がキュリー温度以上になるよ
うなパワーのレーザー光を照射しながら外部磁界を変調
してオーバーライト記録をする。この場合は変調速度を
線速度に応じて高速にすれば光スポットの径以下の記録
磁区が形成でき、その結果、光の回折限界以下の周期の
信号を記録できる。
【0033】次に、本発明の光磁気記録媒体の再生方法
を述ベる。
を述ベる。
【0034】本発明の媒体には上述のような2種類があ
る。まず本発明の媒体が、再生層に室温で希土類元素優
勢であり、室温とキュリー温度の間に補償温度をもち、
記録層に室温で鉄族元素優勢であるフェリ磁性の希土類
−鉄族合金を用いた場合(上述の(1)の媒体に相当)
を例に挙げて説明する。
る。まず本発明の媒体が、再生層に室温で希土類元素優
勢であり、室温とキュリー温度の間に補償温度をもち、
記録層に室温で鉄族元素優勢であるフェリ磁性の希土類
−鉄族合金を用いた場合(上述の(1)の媒体に相当)
を例に挙げて説明する。
【0035】この媒体の再生時の様子を図2に示した。
図2(b)は、本発明の媒体の断面図であり、白抜きの
矢印が全体の磁化を、黒印の矢印が鉄族元素の副格子磁
化の向きを示している。
図2(b)は、本発明の媒体の断面図であり、白抜きの
矢印が全体の磁化を、黒印の矢印が鉄族元素の副格子磁
化の向きを示している。
【0036】以下では、記録層から再生層にかかる静磁
結合による実効的な磁界をHst、再生層の保磁力をH
cR、周囲温度をTa、マスク温度(マスクが形成され
はじめる温度)をTm、最高温度をTmax、媒体温度
をTとする。
結合による実効的な磁界をHst、再生層の保磁力をH
cR、周囲温度をTa、マスク温度(マスクが形成され
はじめる温度)をTm、最高温度をTmax、媒体温度
をTとする。
【0037】本媒体では再生層は静磁結合力により記録
層と結合する。それが起こるためには下記式(I)が満
足されれば良い。
層と結合する。それが起こるためには下記式(I)が満
足されれば良い。
【0038】
【数1】HcR<Hst ・・・(I) 室温を含む低温部分(T<Tm)では、再生層は補償温
度以下であるためREリッチ膜であり、一方記録層は少
なくとも再生時の光スポット内では、常にTMリッチ膜
である。よって、低温部分(T<Tm)では、再生層と
記録層は静磁結合により全体の磁化が同一方向に配向し
ているため、カー回転角に最も影響を及ぼすTM副格子
磁化が互いに逆向きに配向する。このため、基板を透過
した光は、まず再生層で偏光面が回転し、次に記録層で
逆向きに回転して光磁気記録装置に戻る。このため再生
層で偏光した偏光面の回転角が、記録層で偏光した偏光
面の回転角と等しくなるようにすれば、カー回転角はこ
れらの層の影響を受けないこととなる。すなわち、入射
光が再生層を透過しても、磁性層の磁化情報が検出され
ることはない。
度以下であるためREリッチ膜であり、一方記録層は少
なくとも再生時の光スポット内では、常にTMリッチ膜
である。よって、低温部分(T<Tm)では、再生層と
記録層は静磁結合により全体の磁化が同一方向に配向し
ているため、カー回転角に最も影響を及ぼすTM副格子
磁化が互いに逆向きに配向する。このため、基板を透過
した光は、まず再生層で偏光面が回転し、次に記録層で
逆向きに回転して光磁気記録装置に戻る。このため再生
層で偏光した偏光面の回転角が、記録層で偏光した偏光
面の回転角と等しくなるようにすれば、カー回転角はこ
れらの層の影響を受けないこととなる。すなわち、入射
光が再生層を透過しても、磁性層の磁化情報が検出され
ることはない。
【0039】また、高温部分(T>Tm)では、再生層
の補償温度以上となり、記録層と同じTMリッチの膜と
なる。このため、再生層は磁化反転し、再生層の副格子
磁化の向きは、記録層との副格子磁化の向きと同じ向き
となる。よって、記録層に記録された磁化情報が再生可
能となる。この磁化反転は、補償温度付近では、再生層
の保持力が大きく、また再生層の磁化が小さいので、実
質的には補償温度より若干高い温度で生じる。
の補償温度以上となり、記録層と同じTMリッチの膜と
なる。このため、再生層は磁化反転し、再生層の副格子
磁化の向きは、記録層との副格子磁化の向きと同じ向き
となる。よって、記録層に記録された磁化情報が再生可
能となる。この磁化反転は、補償温度付近では、再生層
の保持力が大きく、また再生層の磁化が小さいので、実
質的には補償温度より若干高い温度で生じる。
【0040】なお、上述の静磁結合Hstは、大まかに
は、記録層の飽和磁化に比例し、中間層の膜厚に反比例
する。このため、確実に高温領域において再生層の磁化
を磁化反転させるためには、光スポット内の高温領域に
おいて、記録層の飽和磁化を大きくし、また中間層の膜
厚を高温領域において十分交換力を切断できる程度まで
減少させるとよい。また、記録磁区(記録マーク)半径
が、記録層膜厚に対して大きい場合には、静磁界は弱く
なり記録磁区周辺でのみしか作用しなくなるので、記録
マーク半径は、膜厚に対して小さくすることが有効であ
る。
は、記録層の飽和磁化に比例し、中間層の膜厚に反比例
する。このため、確実に高温領域において再生層の磁化
を磁化反転させるためには、光スポット内の高温領域に
おいて、記録層の飽和磁化を大きくし、また中間層の膜
厚を高温領域において十分交換力を切断できる程度まで
減少させるとよい。また、記録磁区(記録マーク)半径
が、記録層膜厚に対して大きい場合には、静磁界は弱く
なり記録磁区周辺でのみしか作用しなくなるので、記録
マーク半径は、膜厚に対して小さくすることが有効であ
る。
【0041】よって、光スポット内には図2(a)に示
した通り、記録マークが検出されるアパーチャー部分と
記録マークが検出されないマスク部分が生じることとな
る。すなわち、実効的に光スポット径が小さくなったこ
ととなり、従来検出できなかった光スポットより十分小
さい記録マークが検出できるようになる。
した通り、記録マークが検出されるアパーチャー部分と
記録マークが検出されないマスク部分が生じることとな
る。すなわち、実効的に光スポット径が小さくなったこ
ととなり、従来検出できなかった光スポットより十分小
さい記録マークが検出できるようになる。
【0042】また、高温領域をすぎて、再生層が補償温
度おり低温になると、再び再生層のTM副格子磁化の向
きは、記録層とのTM副格子磁化の向きと反対向きとな
る。このため再度再生する際にも同じように超解像再生
が可能である。また、図2(a)には、媒体の温度分布
を示し、例として、光スポットの中心と温度分布の最高
温度部が媒体進行方向にずれた場合を示したが、これら
が―致して光スポットの中心部のみで再生しても良い。
度おり低温になると、再び再生層のTM副格子磁化の向
きは、記録層とのTM副格子磁化の向きと反対向きとな
る。このため再度再生する際にも同じように超解像再生
が可能である。また、図2(a)には、媒体の温度分布
を示し、例として、光スポットの中心と温度分布の最高
温度部が媒体進行方向にずれた場合を示したが、これら
が―致して光スポットの中心部のみで再生しても良い。
【0043】本発明の光磁気記録媒体は、再生層及びこ
れと同じTM副格子磁気モーメントを持つ層で記録層の
磁化情報をマスクする必要がなくなるので、これらの層
を再生信号が劣化しない程度まで薄くすることができ
る。
れと同じTM副格子磁気モーメントを持つ層で記録層の
磁化情報をマスクする必要がなくなるので、これらの層
を再生信号が劣化しない程度まで薄くすることができ
る。
【0044】よって磁性層の膜厚を従来よりも大幅に薄
くすることが可能となる。
くすることが可能となる。
【0045】また前記の(2)の構成の本発明の媒体
は、記録層が交換結合に支配的なTM副格子磁化の向き
と全体の磁化の向きが逆向きである磁性層である点以外
は媒体(1)と同じである。
は、記録層が交換結合に支配的なTM副格子磁化の向き
と全体の磁化の向きが逆向きである磁性層である点以外
は媒体(1)と同じである。
【0046】このため媒体(2)の場合には、低温部分
(T<Tm)では、再生層のTM副格子磁化の向きは、
記録層とのTM副格子磁化の向きと同じ向きとなる。ま
た、高温部分(T>Tm)では、再生層のTM副格子磁
化の向きは、記録層とのTM副格子磁化の向きと反対向
きとなる。
(T<Tm)では、再生層のTM副格子磁化の向きは、
記録層とのTM副格子磁化の向きと同じ向きとなる。ま
た、高温部分(T>Tm)では、再生層のTM副格子磁
化の向きは、記録層とのTM副格子磁化の向きと反対向
きとなる。
【0047】よって、図3の媒体(2)での再生時の状
況に示したように、媒体(1)と同様に、光スポット内
には図3(a)に示した通り、記録マークが検出される
アパーチャー部分と記録マークが検出されないマスク部
分が生じることとなるが、アパーチャー領域は低温領域
に生じる。すなわち、実効的に光スポット径が小さくな
ったこととなり、従来検出できなかった光スポットより
十分小さい記録マークが検出できるようになる。
況に示したように、媒体(1)と同様に、光スポット内
には図3(a)に示した通り、記録マークが検出される
アパーチャー部分と記録マークが検出されないマスク部
分が生じることとなるが、アパーチャー領域は低温領域
に生じる。すなわち、実効的に光スポット径が小さくな
ったこととなり、従来検出できなかった光スポットより
十分小さい記録マークが検出できるようになる。
【0048】本発明の光磁気記録媒体は、再生層および
それと同じ副格子磁気モーメントを持つ層で記録層の磁
化情報をマスクする必要がなくなるので、これらの層を
再生信号が劣化しない程度まで薄くすることができる。
それと同じ副格子磁気モーメントを持つ層で記録層の磁
化情報をマスクする必要がなくなるので、これらの層を
再生信号が劣化しない程度まで薄くすることができる。
【0049】従って、磁性層の膜厚を従来よりも大幅に
小さくすることが可能となる。
小さくすることが可能となる。
【0050】媒体(1)は、幅の狭い高温領域がアパー
チャー領域となるため、隣接のトラックの情報も孤立的
にマスクすることが可能であることから、線速度と同時
にトラック密度をも高密度化できる。
チャー領域となるため、隣接のトラックの情報も孤立的
にマスクすることが可能であることから、線速度と同時
にトラック密度をも高密度化できる。
【0051】また、入射光が記録層を透過する場合に
は、この光を反射させ戻光量の低下を防ぎ、また入射光
を磁性層と反射層の間でエンハンスさせるために、記録
層の入射面とは反対側に反射層を設けても良い。また反
射層に加えて干渉効果を高めるために、SiN、AlN
x、AlOx、TaOx、SiOx等の誘電体などを干渉層
として設けても良い。この干渉層は、記録層でのθkが
キャンセルでき、また所望の反射率が得られるような膜
厚とする必要がある。もしくは磁界変調オーバーーライ
トを行う際の磁区形状を改善するなどの目的で熱伝導性
を高めるために熱伝導層を設けても良い。これらの反射
層および熱伝導層はAl、AlTa、AlTi、AlC
r、Cuなどを用いればよい。また反射層は、光を十分
反射できる程度に、また反射層と熱伝導層は光パワーが
大き過ぎない程度に薄くする必要がある。熱伝導と反射
を1つの層で行わせることも可能である。さらに保護膜
として前記誘電体層や高分子樹脂からなる保護コートを
付与しても良い。
は、この光を反射させ戻光量の低下を防ぎ、また入射光
を磁性層と反射層の間でエンハンスさせるために、記録
層の入射面とは反対側に反射層を設けても良い。また反
射層に加えて干渉効果を高めるために、SiN、AlN
x、AlOx、TaOx、SiOx等の誘電体などを干渉層
として設けても良い。この干渉層は、記録層でのθkが
キャンセルでき、また所望の反射率が得られるような膜
厚とする必要がある。もしくは磁界変調オーバーーライ
トを行う際の磁区形状を改善するなどの目的で熱伝導性
を高めるために熱伝導層を設けても良い。これらの反射
層および熱伝導層はAl、AlTa、AlTi、AlC
r、Cuなどを用いればよい。また反射層は、光を十分
反射できる程度に、また反射層と熱伝導層は光パワーが
大き過ぎない程度に薄くする必要がある。熱伝導と反射
を1つの層で行わせることも可能である。さらに保護膜
として前記誘電体層や高分子樹脂からなる保護コートを
付与しても良い。
【0052】
【実施例】以下に実施例をもって本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実
施例に限定されるものではない。
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り以下の実
施例に限定されるものではない。
【0053】(実施例1)まず、直流マグネトロンスパ
ッタリング装置に、SiN、Tb、Gd、Fe、Co、
Alの各ターゲットを取り付け、φ130mmのプリグ
ルーブのあるポリカーボネイト基板にSiN誘電体層を
80nm、GdFeCo再生層を10nm、SiN中間
層を5nm、TbFeCo記録層を15nm、SiN干
渉層を30nm、Al反射層を60nm、各々順々に成
膜して図1(c)の構成の本発明の光磁気記録媒体を得
た。GdFeCo再生層の組成は、室温でREリッチ、
補償温度130℃、キュリー温度300℃以上となるよ
うに設定した。
ッタリング装置に、SiN、Tb、Gd、Fe、Co、
Alの各ターゲットを取り付け、φ130mmのプリグ
ルーブのあるポリカーボネイト基板にSiN誘電体層を
80nm、GdFeCo再生層を10nm、SiN中間
層を5nm、TbFeCo記録層を15nm、SiN干
渉層を30nm、Al反射層を60nm、各々順々に成
膜して図1(c)の構成の本発明の光磁気記録媒体を得
た。GdFeCo再生層の組成は、室温でREリッチ、
補償温度130℃、キュリー温度300℃以上となるよ
うに設定した。
【0054】TbFeCo記録層の組成は、室温でTM
リッチ、キュリー温度220℃となるように設定した。
リッチ、キュリー温度220℃となるように設定した。
【0055】次に、この光磁気記録媒体を回転速度26
00rpmで回転させて半径37mmの位置に、記録マ
ーク長が0.40μmとなるように12.5MHzのR
F信号を、また記録マーク長が0.78μmとなるよう
に6.4MHzのRF信号を書き込んだ。この時の媒体
の線速度は10m/sである。その後各々のマーク長で
のC/Nを測定した。光学ヘッドの対物レンズのNAは
0.55、レーザー波長は780nmとした。
00rpmで回転させて半径37mmの位置に、記録マ
ーク長が0.40μmとなるように12.5MHzのR
F信号を、また記録マーク長が0.78μmとなるよう
に6.4MHzのRF信号を書き込んだ。この時の媒体
の線速度は10m/sである。その後各々のマーク長で
のC/Nを測定した。光学ヘッドの対物レンズのNAは
0.55、レーザー波長は780nmとした。
【0056】次に線速を5m/s(回転速度1300r
pm、半径37mm)、15m/s(回転速度3600
rpm、半径40mm)、20m/s(回転速度360
0rpm、半径54mm)、25m/s(回転速度39
80rpm、半径60mm)と段階的に変えて、マーク
長が0.78μmとなるようにそれぞれ3.2MHz、
9.6MHz、12.8MHzの信号を記録し、C/N
が48dBとなる最小記録パワーPwを求めた。再生パ
ワーは、各記録パワーにおいてC/N比が最大となる値
(2.0〜2.5mW)に設定した。
pm、半径37mm)、15m/s(回転速度3600
rpm、半径40mm)、20m/s(回転速度360
0rpm、半径54mm)、25m/s(回転速度39
80rpm、半径60mm)と段階的に変えて、マーク
長が0.78μmとなるようにそれぞれ3.2MHz、
9.6MHz、12.8MHzの信号を記録し、C/N
が48dBとなる最小記録パワーPwを求めた。再生パ
ワーは、各記録パワーにおいてC/N比が最大となる値
(2.0〜2.5mW)に設定した。
【0057】次に、この光磁気記録媒体を用いて実施例
1と同様に記録再生特性を測定した。結果を表1に示し
た。
1と同様に記録再生特性を測定した。結果を表1に示し
た。
【0058】(実施例2)実施例1と同様の成膜機、成
膜方法で、同様にポリカーボネイト基板上にSiN誘電
体層を80nm、GdFeCo再生層を12nm、Si
N中間層を6nm、TbFeCo記録層を10nm、S
iN干渉層を30nm、Al反射層を60nm、各々順
々に成膜して図1(b)の構成の本発明の光磁気記録媒
体を得た。
膜方法で、同様にポリカーボネイト基板上にSiN誘電
体層を80nm、GdFeCo再生層を12nm、Si
N中間層を6nm、TbFeCo記録層を10nm、S
iN干渉層を30nm、Al反射層を60nm、各々順
々に成膜して図1(b)の構成の本発明の光磁気記録媒
体を得た。
【0059】GdFeCo再生層の組成は、室温でRE
リッチ、補償温度150℃、キュリー温度300℃以上
となるように設定した。
リッチ、補償温度150℃、キュリー温度300℃以上
となるように設定した。
【0060】TbFeCo記録層の組成は、室温でTM
リッチ、キュリー温度250℃となるように設定した。
リッチ、キュリー温度250℃となるように設定した。
【0061】次に、この光磁気記録媒体を用いて実施例
1と同様に記録再生特性を測定した。結果を表1に示し
た。
1と同様に記録再生特性を測定した。結果を表1に示し
た。
【0062】(実施例3)実施例1と同様の成膜機、成
膜方法で、同様にポリカーボネイト基板上にSiN誘電
体層を80nm、GdFeCo再生層を12nm、Si
N中間層を5nm、DyFeCo記録層を12nm、S
iN干渉層を30nm、A・反射層を60nm、各々順
々に成膜して図6(b)の構成の本発明の光磁気記録媒
体を得た。
膜方法で、同様にポリカーボネイト基板上にSiN誘電
体層を80nm、GdFeCo再生層を12nm、Si
N中間層を5nm、DyFeCo記録層を12nm、S
iN干渉層を30nm、A・反射層を60nm、各々順
々に成膜して図6(b)の構成の本発明の光磁気記録媒
体を得た。
【0063】GdFeCo再生層の組成は、室温でRE
リッチ、補償温度180℃、キュリー温度300℃以上
となるように設定した。
リッチ、補償温度180℃、キュリー温度300℃以上
となるように設定した。
【0064】DyFeCo記録層の組成は、室温でTM
リッチ、キュリー温度230℃となるように設定した。
リッチ、キュリー温度230℃となるように設定した。
【0065】次に、この光磁気記録媒体を用いて実施例
1と同様に記録再生特性を測定した。結果を表1に示し
た。
1と同様に記録再生特性を測定した。結果を表1に示し
た。
【0066】(比較例1)実施例1と同様の成膜機、成
膜方法で、同様にポリカーボネイト基板上にSiN誘電
体層を80nm、TbFeCo記録層を80nm、Si
N保護層を70nmを各々順々に成膜して、従来の超解
像でない光磁気記録媒体を得た。各SiN層の屈折率は
2.1とした。
膜方法で、同様にポリカーボネイト基板上にSiN誘電
体層を80nm、TbFeCo記録層を80nm、Si
N保護層を70nmを各々順々に成膜して、従来の超解
像でない光磁気記録媒体を得た。各SiN層の屈折率は
2.1とした。
【0067】TbFeCo記録層の組成は、室温でTM
リッチ、キュリー温度250℃となるように設定した。
リッチ、キュリー温度250℃となるように設定した。
【0068】次に、この光磁気記録媒体を用いて実施例
1と同様に記録再生特性を測定した。結果を表1に示し
た。
1と同様に記録再生特性を測定した。結果を表1に示し
た。
【0069】この従来の媒体では、超解像効果が得られ
なかった。
なかった。
【0070】(比較例2)実施例1と同様の成膜機、成
膜方法で、同様にポリカーボネイト基板上にSiN誘電
体層を80nm、GdFeCo再生層を30nm、Tb
FeCo中間層を10nm、TbFeCo記録層を40
nm、SiN保護層を70nmを各々順々に成膜して従
来の超解像光磁気記録媒体を得た。各SiN層の屈折率
は2. 1とした。
膜方法で、同様にポリカーボネイト基板上にSiN誘電
体層を80nm、GdFeCo再生層を30nm、Tb
FeCo中間層を10nm、TbFeCo記録層を40
nm、SiN保護層を70nmを各々順々に成膜して従
来の超解像光磁気記録媒体を得た。各SiN層の屈折率
は2. 1とした。
【0071】GdFeCo再生層の組成は、室温でTM
リッチ、キュリー温度300℃以上となるように設定し
た。
リッチ、キュリー温度300℃以上となるように設定し
た。
【0072】TbFeCo中間層の組成は、室温でTM
リッチ、キュリー温度140℃となるように設定した。
リッチ、キュリー温度140℃となるように設定した。
【0073】TbFeCo記録層の組成は、室温でTM
リッチ、キュリー温度250℃となるように設定した。
リッチ、キュリー温度250℃となるように設定した。
【0074】次に、この光磁気記録媒体を用いて実施例
1と同様に記録再生特性を測定した。また、この比較例
2の場合のみ再生時に再生磁界を500 Oe印加し
た。結果を表1に示した。
1と同様に記録再生特性を測定した。また、この比較例
2の場合のみ再生時に再生磁界を500 Oe印加し
た。結果を表1に示した。
【0075】比較例1および2の結果を実施例1〜3の
結果と比較すると、本発明の光磁気記録媒体では磁性層
の膜厚が小さくても0.4μmのマーク長でC/Nが4
5dB以上と超解像の記録再生が可能であって、かつ高
線速になっても記録に必要なレーザーパワーが比較例ほ
ど大きくならないことがわかる。また現行の光磁気記録
装置に用いられている半導体レーザーの媒体板面上での
最大出力は約10mWであるため、比較例の従来の光磁
気記録媒体では可能な線速度が最大17m/sである
が、本発明の実施例では25m/s程度まで線速度を向
上させることができ、半導体レーザーの出力がさらに向
上した場合、本発明と従来技術との記録感度の差はます
ます広がる傾向のあることが分かる。よって本発明の光
磁気記録媒体は従来の媒体と比較して高速記録が達成で
きることが分かる。
結果と比較すると、本発明の光磁気記録媒体では磁性層
の膜厚が小さくても0.4μmのマーク長でC/Nが4
5dB以上と超解像の記録再生が可能であって、かつ高
線速になっても記録に必要なレーザーパワーが比較例ほ
ど大きくならないことがわかる。また現行の光磁気記録
装置に用いられている半導体レーザーの媒体板面上での
最大出力は約10mWであるため、比較例の従来の光磁
気記録媒体では可能な線速度が最大17m/sである
が、本発明の実施例では25m/s程度まで線速度を向
上させることができ、半導体レーザーの出力がさらに向
上した場合、本発明と従来技術との記録感度の差はます
ます広がる傾向のあることが分かる。よって本発明の光
磁気記録媒体は従来の媒体と比較して高速記録が達成で
きることが分かる。
【0076】
【表1】
【0077】
【発明の効果】本発明の光磁気記録媒体および記録再生
方法を用いれば、磁気超解像が全磁性層を薄膜化した光
磁気記録媒体で実現でき、高速記録が可能な低材料コス
トの高密度光磁気記録媒体および良好な情報再生記録方
法の提供が可能となる。
方法を用いれば、磁気超解像が全磁性層を薄膜化した光
磁気記録媒体で実現でき、高速記録が可能な低材料コス
トの高密度光磁気記録媒体および良好な情報再生記録方
法の提供が可能となる。
【図1】本発明の媒体の膜構成を示す模式図であり、
(a)は本発明の媒体の基本構成の図、(b)および
(c)は本発明の媒体の1例の構成を示す図である。
(a)は本発明の媒体の基本構成の図、(b)および
(c)は本発明の媒体の1例の構成を示す図である。
【図2】本発明の光磁気再生方法の例を示す説明図であ
り、(a)は光スポット内のアパーチャーとマスクを示
す図、(b)は本発明の光磁気記録媒体の1例の膜構成
および再生時の磁化状態を示す図、(c)は再生時の媒
体の温度分布を示した図である。
り、(a)は光スポット内のアパーチャーとマスクを示
す図、(b)は本発明の光磁気記録媒体の1例の膜構成
および再生時の磁化状態を示す図、(c)は再生時の媒
体の温度分布を示した図である。
【図3】本発明の光磁気再生方法の別の例を示す説明図
であり、(a)は光スポット内のアパーチャーとマスク
を示す図、(b)は本発明の光磁気記録媒体の1例の膜
構成および再生時の磁化状態を示す図、(c)は再生時
の媒体の温度分布を示した図である。
であり、(a)は光スポット内のアパーチャーとマスク
を示す図、(b)は本発明の光磁気記録媒体の1例の膜
構成および再生時の磁化状態を示す図、(c)は再生時
の媒体の温度分布を示した図である。
【図4】従来の超解像の光磁気再生方法を示す説明図で
あり、(a)は光スポット内のアパーチャーとマスクを
示した図、(b)は従来の光磁気記録媒体の膜構成およ
び再生時の磁化状態を示す図、(c)は再生時の媒体の
温度分布を示した図である。
あり、(a)は光スポット内のアパーチャーとマスクを
示した図、(b)は従来の光磁気記録媒体の膜構成およ
び再生時の磁化状態を示す図、(c)は再生時の媒体の
温度分布を示した図である。
1 再生層 2 補助層 3 中間層 4 記録層 9 媒体の移動方向 10 光ビーム 11 再生磁界の印加方向 12 初期化磁界の印加方向
Claims (10)
- 【請求項1】 少なくとも各々垂直磁化膜からなる第1
磁性層および第2磁性層が、光の入射面より第1磁性層
および第2磁性層の順に基板上に積層され、前記第1磁
性層は室温と該磁性層のキュリー温度の間に補償温度を
持ち、前記第1磁性層と前記第2磁性層は、互いに磁化
の向きが同じ向きになるように静磁的に結合しており、
室温では前記第1磁性層と前記第2磁性層のそれぞれの
副格子磁気モーメントが互いに逆向きで、前記第1磁性
層の補償温度以上の温度では平行であることを特徴とす
る光磁気記録媒体。 - 【請求項2】 第1磁性層と第2磁性層がフェリ磁性の
希土類−鉄族遷移金属合金であって、該第1磁性層が室
温で希土類元素優勢であり、該第2磁性層が室温で鉄族
遷移金属優勢である請求項1記載の光磁気記録媒体。 - 【請求項3】 第2磁性層の光入射側と反対の面側に金
属からなる反射層が設けられている請求項1または2記
載の光磁気記録媒体。 - 【請求項4】 第2磁性層と反射層との間に、誘電体か
らなる干渉層が設けられている請求項3記載の光磁気記
録媒体。 - 【請求項5】 少なくとも各々垂直磁化膜からなる第1
磁性層および第2磁性層が、光の入射面より第1磁性層
および第2磁性層の順に基板上に積層され、前記第1磁
性層は室温と該磁性層のキュリー温度の間に補償温度を
持ち、前記第1磁性層と前記第2磁性層は互いに磁化の
向きが同じ向きになるように静磁的に結合しており、室
温では前記第1磁性層と前記第2磁性層のそれぞれの副
格子磁気モーメントが平行で、前記第1磁性層の補償温
度以上の温度では互いに逆向きであることを特徴とする
光磁気記録媒体。 - 【請求項6】 第1磁性層と第2磁性層がフェリ磁性の
希土類−鉄族遷移金属合金であって、該第1磁性層が室
温で希土類元素優勢であり、該第2磁性層が室温で希土
類元素優勢である請求項5記載の光磁気記録媒体。 - 【請求項7】 第2磁性層の光入射側と反対の面側に金
属からなる反射層が設けられている請求項5または6記
載の光磁気記録媒体。 - 【請求項8】 第2磁性層と反射層との間に、誘電体か
らなる干渉層が設けられている請求項7記載の光磁気記
録媒体。 - 【請求項9】 第2磁性層に情報が記録された請求項1
ないし4のいずれかに記載の光磁気記録媒体に光スポッ
トを照射し、該光スポット内では第1磁性層と第2磁性
層を静磁結合させ、該光スポット内の領域で第1磁性層
がその補償温度より低温である領域では第1磁性層と第
2磁性層の副格子磁化の向きを逆向きとし、光スポット
内の領域で第1磁性層がその補償温度以上の温度である
領域では第1磁性層と第2磁性層の副格子磁化の向きを
同じ向きとして、第2磁性層の磁化情報を磁気光学効果
により光学信号に変換し、該信号を記録信号として読み
出す情報記録再生方法。 - 【請求項10】 第2磁性層に情報が記録された請求項
5ないし8のいずれかに記載の光磁気記録媒体に光スポ
ットを照射し、該光スポット内では第1磁性層と第2磁
性層を静磁結合させ、該光スポット内の領域で第1磁性
層がその補償温度以上である領域では第1磁性層と第2
磁性層の副格子磁化の向きを逆向きとし、光スポット内
の領域で第1磁性層がその補償温度より低温である領域
では第1磁性層と第2磁性層の副格子磁化の向きを同じ
向きとして、第2磁性層の磁化情報を磁気光学効果によ
り光学信号に変換し、該信号を記録信号として読み出す
情報記録再生方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11609795A JPH08315438A (ja) | 1995-05-15 | 1995-05-15 | 光磁気記録媒体および該媒体を用いた情報記録再生方法 |
US08/644,157 US5717662A (en) | 1995-05-12 | 1996-05-10 | Super-resolution magneto-optical recording medium using magnetostatic coupling and information reproduction method using the medium |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11609795A JPH08315438A (ja) | 1995-05-15 | 1995-05-15 | 光磁気記録媒体および該媒体を用いた情報記録再生方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08315438A true JPH08315438A (ja) | 1996-11-29 |
Family
ID=14678637
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11609795A Pending JPH08315438A (ja) | 1995-05-12 | 1995-05-15 | 光磁気記録媒体および該媒体を用いた情報記録再生方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08315438A (ja) |
-
1995
- 1995-05-15 JP JP11609795A patent/JPH08315438A/ja active Pending
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