JPH08315320A - 磁気抵抗効果型磁気ヘッド - Google Patents

磁気抵抗効果型磁気ヘッド

Info

Publication number
JPH08315320A
JPH08315320A JP11500995A JP11500995A JPH08315320A JP H08315320 A JPH08315320 A JP H08315320A JP 11500995 A JP11500995 A JP 11500995A JP 11500995 A JP11500995 A JP 11500995A JP H08315320 A JPH08315320 A JP H08315320A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
insulating film
film
magnetoresistive effect
head
extraction electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11500995A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazunori Onuma
一紀 大沼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP11500995A priority Critical patent/JPH08315320A/ja
Publication of JPH08315320A publication Critical patent/JPH08315320A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Heads (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 引き出し導体がシールドギャップ間隔に与え
る影響を回避し、良好な周波数特性を得るとともに、バ
ルクハウゼンノイズを大幅に低減させ、磁気抵抗効果素
子に応力が集中することを抑止する。 【構成】 MR素子3上の絶縁膜8の上面の段差が、M
R素子3と引出し電極5,6との重複接続部分である接
続部の引出し電極5,6上の絶縁膜8の上面と50nm
以下となるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばデジタルテープ
レコーダーやデータストレージ等の高密度デジタル記録
再生装置に搭載され、磁気抵抗効果を利用して記録信号
を再生する磁気抵抗効果型磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録は益々高密度化が進み、
狭トラック化、低インダクタンス化、高速転送速度の面
でバルクヘッドに比べ有利な薄膜磁気ヘッドの需要が伸
びている。この薄膜磁気ヘッドは、半導体集積回路と同
様に、蒸着、スパッタ等の成膜技術、写真製版、エッチ
ング等のフォトリソグラフィー技術を用いて製造される
ものであるため、ウエハー上にて高精度に一括生産で
き、量産性に優れているという点に特徴があり、今後ハ
ードディスクシステム等においては主流となると予測さ
れる。
【0003】近時では、上記薄膜磁気ヘッドにおいて
も、より高密度化に対応すべく高性能化の要求があり、
情報信号の記録用のものとしてインダクティブ型薄膜磁
気ヘッドが、再生用のものとして磁気抵抗効果型磁気ヘ
ッド(以下、単にMRヘッドと記す)を組み合わせた薄
膜磁気ヘッドや、インダクティブ型薄膜磁気ヘッドとM
Rヘッドとが同一基板上に一括作成されてなる複合型の
薄膜磁気ヘッドが一部で実用化されている。
【0004】上記MRヘッドは一般的な磁気誘導型の磁
気ヘッド(巻線を用いた磁気ヘッド)に比べ再生出力が
磁性媒体との相対速度に依存しないことから低相対速度
のシステムにおいても十分な出力を得ることが可能であ
り、今後、高密度記録再生を実現するために必須のデバ
イスとなると考えられる。
【0005】上記MRヘッドには、大きく分類して、磁
気抵抗効果素子(以下、単にMR素子と記す)の両側を
非磁性材にて挟み込んだノンシールド型MRヘッドと、
このノンシールド型MRヘッドの再生周波数特性を改善
するために上記MR素子を軟磁性材よりなる上下部シー
ルド板により狭持されたシールド型MRヘッド、及び耐
摩耗性等の諸特性の安定化の為に磁束を上記MR素子へ
導きこのMR素子を非露出型としたいわゆるヨーク型M
Rヘッドの3種類のものがある。
【0006】上記シールド型MRヘッドは、ノンシール
ド型MRヘッドと比較して周波数特性が良好であり高い
分解能が得られ、しかも上記ヨーク型MRヘッドと比較
してその作製方法が容易であり再生出力も高いことから
最も実用化がなされているMRヘッドである。このシー
ルド型MRヘッドには、センス電流がトラック幅方向に
流れる横型タイプとセンス電流がトラック幅方向に対し
て垂直方向に流れる縦型タイプとがあるが、現在では横
型タイプが主流となっている。
【0007】従来の横型タイプのMRヘッドは、図35
及び図36(図35中の線分A−A’よる断面図)に示
すように、軟磁性基板である下部シールド板101上に
絶縁膜102を介してMR素子103が形成され、この
MR素子103上に当該MR素子103にバイアス磁界
を印加するためのバイアス層107が形成され、MR素
子103及びバイアス層107の長手方向両端部に当該
MR素子103に長手方向に沿って(即ち、磁気記録媒
体摺動面Aに沿って)センス電流を供給するための電極
である引出し電極105,106がそれぞれ形成され、
バイアス層107上に絶縁膜108を介して軟磁性基板
である上部シールド板104が接合層109により接合
されて構成されている。
【0008】ここで、MR素子103は、その長手方向
が磁気記録媒体摺動面Aと平行になるように配置され、
その長手方向端部の一方が上記記録媒体摺動面Aに露出
されたかたちに研磨加工されている。
【0009】上述の従来の横型タイプのMRヘッドの製
造方法としては、図37(図35中の線分B−B’によ
る断面図)に示すように、先ず軟磁性材からなる下部シ
ールド板101(或いは非磁性基板上へ軟磁性薄膜を成
膜した基板)101上に絶縁膜102を形成する。そし
て、MR素子103及びバイアス層107を成膜し、フ
ォトリソグラフィー技術により所望の形状に加工する。
このとき、MR素子103の磁化容易軸方向をトラック
幅方向に安定化させる必要がある。
【0010】次いで、MR素子103へセンス電流を供
給するための電極である引出し電極105,106をM
R素子103(バイアス層107)上に形成、接続し再
度絶縁層108を成膜する。
【0011】そして、軟磁性材からなる上部シールド板
(或いは非磁性基板上へ軟磁性薄膜を成膜した基板)1
04を接着材109にて接合後、磁気記録媒体摺動面A
の研削加工等の後加工工程を経て上記MRヘッドが完成
する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記シール
ド型MRヘッドに於いては、その周波数特性は図36
(図35中の線分A−A’による断面図)及び図37
(図35中の線分B−B’による断面図)中のシールド
ギャップ間隔gによって決定され、このシールドギャッ
プ間隔gが小さいほど周波数特性は良好なものとなり、
より高密度の再生を行うことが可能となる。
【0013】ところが、上記横型タイプのMRヘッドの
場合、MR素子103が下部シールド板101と上部シ
ールド板104とにより挟み込まれているため、シール
ドギャップ間隔gの大きさは最も膜厚の大きい引出し電
極105,106の膜厚により規制されるので、これら
引出し電極105,106を薄く形成する必要がある。
しかしながら、引出し電極105,106を薄くすれ
ば、それだけこれら引出し電極105,106の電気抵
抗値が増大する。すると、MR素子103へ供給するセ
ンス電流を制御するセンス電流回路の負荷の増加等が発
生することになる。したがって、引出し電極105,1
06を薄く形成することは非常に困難であり、シールド
ギャップ間隔gを満足な値とすることは難しい。又、図
37に示した構造を有するMRヘッドの場合、磁気記録
媒体摺動面Aへ接着材109が露出するため、ヘッドの
信頼性にも問題が発生する。
【0014】これらの問題点に対応したMRヘッドとし
て、図38及び図39(図38中の線分C−C’による
断面図)に示す構造のMRヘッドや、図40、図41
(図40中の線分D−D’による断面図)、図42(図
40中の線分E−E’による断面図)、及び図43(図
29中の線分F−F’による断面図)に示すMRヘッド
が提案されている。
【0015】図38に示すMRヘッドは、図39に示す
ように、MR素子103及びバイアス層107と電気的
に接続される引出し電極105,106が下部シールド
板101に埋め込み形成されているため、引出し電極1
05,106はMR素子103の上面に対し同等の高さ
に或は段差的に低く形成されることとなり、引出し電極
105,106がシールドギャップ間隔gの値に影響を
及ぼすことはない。したがって、引出し電極105,1
06を所望の十分な膜厚に形成してセンス電流を安定に
確保しつつも、シールドギャップ間隔gの値を所定の小
さな値とすることで良好な周波数特性が得られることと
なる。
【0016】図40に示すMRヘッドについても同様で
あり、図42に示すように、MR素子103及びバイア
ス層107と電気的に接続される第1の引出し電極10
5,106が下部シールド板101に埋め込み形成され
ているため、第1の引出し電極105,106はMR素
子103の上面に対し同等の高さに或は段差的に低く形
成されているので、第1の引出し電極105,106が
シールドギャップ間隔gの値に影響を及ぼすことはな
い。
【0017】またこの場合、図41に示すように、第2
の引出し電極110,111もまた下部シールド板10
1に埋め込み形成されているため、第2の引出し電極1
10,111はMR素子103の上面に対し同等の高さ
に或は段差的に低く形成され、第2の引出し電極11
0,111に付いてもシールドギャップ間隔gの値に影
響を及ぼすことはない。したがって、引出し電極10
5,106及び110,111を所望の十分な膜厚に形
成してセンス電流を安定に確保しつつも、シールドギャ
ップ間隔gの値を所定の小さな値とすることにより良好
な周波数特性が得られる。
【0018】しかしながら、上記MRヘッドにもいくつ
かの問題点がある。
【0019】上記MRヘッドにおいては、MR素子の磁
区構造が関与した通常バルクハウゼンノイズ(以下、単
にB.H.Nと記す)と称されるノイズの発生が問題と
なっており、このB.H.Nを低減させることが求めら
れている。
【0020】このB.H.Nの発生原因は、主に磁壁の
移動であるとされており、磁壁の移動により磁化の回転
が起こる場合、MR素子中の欠陥や不純物、パターンエ
ッジの不整などにより磁壁の移動が不連続になる。これ
によって、磁気抵抗応答曲線が履歴を示したり、不連続
変化を示すようになり、再生出力にB.H.Nが発生す
ることとなる。
【0021】B.H.Nが発生することによってデジタ
ル記録再生システムにおけるエラーレートの悪化へつな
がることになり、これはMRヘッド特有の問題である。
【0022】MR素子に磁壁が発生する原因としては、
当該MR素子の保持力が大きい場合、パターン形状が不
連続な場合、MR素子に大きな応力が加わった場合、磁
歪が大きい場合、膜中の欠陥等、多くの要因がある。
B.H.Nを低減させるにはこれらの要因の制御が必要
であり現在様々な手法が報告されている。基本的に、
B.H.Nを低減するためには、MR素子の長手方向へ
一軸異方性を誘起し、単磁区状態とすることが有効であ
るとされており、MR素子単体でB.H.Nを低減しよ
うとした場合、MR素子の形状は形状異方性が強い細長
い短冊形状が理想的であると言える。このとき、MR素
子を形成する下地には不連続性の少ない平らで且つ面粗
度が良い上面が必要となる。前記した図38,図39に
示すMRヘッドの構造においては、MR素子103が短
冊形状とはならず鳥居様形状(短冊状部に略々直交した
引出し電極105,106と接続するための延在部を有
する形状)となるため図38中a1〜a4部へ示すよう
な磁壁の発生原因となる不連続部が発生することとな
り、B.H.Nの発生原因となる。
【0023】また、図40〜図43に示すヘッドでは素
子形状的には最も安定した短冊形状とすることができる
が、MR素子103の成膜面へ第1の引出し電極10
5、106を埋め込むための段差があることから、図4
2中のb1〜b4部のような磁区発生原因となる不連続
部が発生することとなり、B.H.Nの発生原因とな
る。
【0024】また更に、上記いずれの構造のヘッドにお
いても、MR素子103の上面が下層シールド板101
の表面に対し段差的に最も高くなることから、上層シー
ルド板104の接合時にMR素子103への応力が加わ
り易く、B.H.Nが発生し易いという問題がある。
【0025】そこで本発明は、かかる従来の技術的な課
題に鑑みて提案されたものであって、引き出し導体がシ
ールドギャップ間隔に与える影響を回避し、良好な周波
数特性を得るとともに、バルクハウゼンノイズを大幅に
低減させ、しかも上部シールド板の接合時において、磁
気抵抗効果素子に応力が集中することを抑止して、信頼
性の高いMRヘッドを提供することを目的とする
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明のMRヘッドは、
下部シールド板上にMR素子が形成され、このMR素子
上の接続部に引出し電極が積層されて電気的に接続され
るとともに、これらMR素子及び引出し電極を覆って絶
縁膜が成膜され、さらにこの絶縁膜上に上部シールド板
が接合されてなる磁気抵抗効果型磁気ヘッドをその対象
とする。
【0027】上記MRヘッドは、上記MR素子上の絶縁
膜の上面の段差が上記接続部の引出し電極上の絶縁膜の
上面と50nm以下とされてなることを特徴とするもの
である。
【0028】このとき、MR素子をその長手方向が磁気
記録媒体摺動方向と略々平行となるように配することが
好ましい。
【0029】この場合、各引出し電極上の磁気記録媒体
摺動面から所定距離離間した箇所に補助引出し電極を積
層することが好適である。
【0030】また、各引出し電極上の磁気記録媒体摺動
面から所定距離離間した箇所に補助引出し電極を積層す
るとともに、上部シールド板の補助引出し電極に対する
対向部に当該補助引出し電極の膜厚以上の深さの凹部を
形成することも好適である。
【0031】またこの場合、第1の絶縁膜上に、上面が
MR素子の上面以上の高さとされる接合受け部を設ける
ことも好ましい。
【0032】また、本発明のMRヘッドは、下部シール
ド板上にMR素子が形成され、このMR素子上の接続部
に引出し電極が積層されて電気的に接続されるととも
に、MR素子上の所定の位置に反強磁性膜若しくは強磁
性膜が成膜され、これらMR素子、反強磁性膜若しくは
強磁性膜、及び引出し電極を覆って絶縁膜が成膜され、
さらにこの絶縁膜上に上部シールド板が接合されてな
り、上記MR素子上の絶縁膜の上面の段差が上記反強磁
性膜若しくは強磁性膜上の絶縁膜の上面と50nm以下
とされてなることを特徴とするものである。
【0033】
【作用】本発明のMRヘッドにおいては、MR素子上の
絶縁膜の上面の段差が上記接続部の引出し電極上の絶縁
膜の上面と50nm以下とされているため、引出し電極
が上部,下部シールド板の間隔(シールドギャップ間
隔)に与える影響が回避される。したがって、引出し電
極の膜厚を十分に確保した上でシールドギャップ間隔を
所定の小さな値とすることが可能となり、良好な周波数
特性を得られることになる。さらに、MR素子の形状が
短冊形状とされているため、バルクハウゼンノイズ
(B.H.N)に対して最も安定性が高く、しかも平坦
な基板から作製することが可能となる。
【0034】さらに、上述の構成に加え、一対の引出し
電極上の磁気記録媒体摺動面から所定距離離間した箇所
に補助引出し電極を積層する。このとき例えば、引出し
電極は磁気記録媒体摺動面へ露出するために耐環境性を
目的とした導電材料を用いて成膜するものとし、補助引
出し電極は磁気記録媒体摺動面へ露出しないために低抵
抗値を持つ導電材料を用いて成膜するものとすることに
より、引出し電極に対する耐環境性及び高導電性の双方
の要求を満たすことが可能となる。さらに、MR素子上
の絶縁膜の上面の段差が上記接続部の引出し電極上の絶
縁膜の上面と50nm以下となるように成膜、或は上部
シールド板の補助引出し電極に対する対向部に当該補助
引出し電極の膜厚以上の深さの凹部を形成することによ
り、各引出し電極が上部,下部シールド板の間隔(シー
ルドギャップ間隔)に与える影響が回避され、各引出し
電極の膜厚を十分に確保した上でシールドギャップ間隔
を所定の小さな値とすることが可能となり、良好な周波
数特性を得られることになる。また、MR素子の形状が
短冊形状とされているために、B.H.Nに対して最も
安定性が高く、しかも平坦な基板から作製することが可
能となる。
【0035】また、第1の絶縁膜上に、上面がMR素子
の上面以上の高さとされる接合受け部を設けることによ
り、上部シールド板を接合する際に、MR素子に加えら
れる応力が緩和し、より安定したMRヘッドの作製が可
能となる。
【0036】また、本発明のMRヘッドにおいては、M
R素子上の所定の位置に反強磁性膜若しくは強磁性膜が
成膜されている。強磁性薄膜及び強磁性薄膜は何れもM
Rヘッドの磁区の動きを制限しB.H.Nの発生を低減
させる機能を有するため、MR素子の形状を短冊形状に
限定することなく、例えば作製の容易な鳥居様形状(短
冊状部に略々直交した引出し電極と接続するための延在
部を有する形状)とすることも可能となる。さらに、M
R素子上の絶縁膜の上面の段差が上記反強磁性膜若しく
は強磁性膜上の絶縁膜の上面と50nm以下となるよう
に成膜することにより、引出し電極が上部,下部シール
ド板の間隔(シールドギャップ間隔)に与える影響が回
避され、引出し電極の膜厚を十分に確保した上でシール
ドギャップ間隔を所定の小さな値とすることが可能とな
り、良好な周波数特性を得られることになる。また、M
R素子の形状が短冊形状とされているため、B.H.N
に対して最も安定性が高く、しかも平坦な基板から作製
することが可能となる。
【0037】
【実施例】以下、本発明に係るMRヘッドのいくつかの
実施例を図面を参照しながら説明する。
【0038】実施例1 先ず、第1実施例に係るMRヘッドは、図1,図2(図
1中で線分G−G’による断面図),図3(図1中で線
分H−H’による断面図),及び図4(図1中で線分I
−I’による断面図)に示すように、MR素子3が軟磁
性基板である下部シールド板1及び上部シールド板4で
挟み込まれた構造となっており、上部シールド板4は接
着層9により接合されて構成されている。ここで、MR
素子3は、略々短冊形状とされており、その長手方向が
磁気記録媒体摺動方向と略々平行となるように配されて
いる。
【0039】具体的には、下部シールド板1上に第1の
絶縁膜2を介してMR素子3及びこのMR素子3にバイ
アス磁界を印加するためのバイアス膜7が順次成膜さ
れ、このバイアス膜7上の接続部上に、MR素子3及び
バイアス層7にセンス電流を供給するための一対の引出
し電極5,6が被覆形成されている。ここで、MR素子
3の引出し電極5,6で狭持された部分が磁気抵抗効果
を奏する感磁部となる。さらに、これらバイアス膜7
(及びMR素子3)及び引出し電極5,6上に第2の絶
縁膜8が成膜され、この第2の絶縁膜8上に上部シール
ド板4が接着層9により接合されている。
【0040】ここで、図2に示すように、MR素子3上
の絶縁膜8の上面の段差が上記接続部の引出し電極5,
6上の絶縁膜8の上面と50nm以下とされている。
【0041】なお、下部,上部シールド板1,4は軟磁
性薄膜が形成された磁性基板若しくは非磁性基板として
も良い。
【0042】上記MRヘッドの具体的な作製例を図5〜
図8を参照しながら説明する。図5〜図8は何れも図1
中で線分G−G’による断面部を示したものである。
【0043】先ず、軟磁性材料であるNi−Znヘマタ
イト等の多結晶フェライトを材料とした下部シールド板
1に、第1の絶縁膜2としてAl2 3 またはSiO2
等がスパッタ法により形成される。ここで、第1の絶縁
膜2は、MR素子3の上面上に成膜されるため、面粗度
向上を目的とした鏡面研磨、若しくはスピン・オン・グ
ラス(SOG)と称される塗布型のSiO2 等を用いて
表面処理が施される。
【0044】第1の絶縁膜2上には、MR素子3及び当
該MR素子3へバイアス磁界を印加するためのバイアス
層7が形成される。MR素子3の材料としては、一般的
にNi−Fe合金が用いられ、バイアス層7には、Ta
/Ni−Fe−Ta合金が用いられる。なお、シャント
膜によるバイアス方式の場合はシャント膜上へMR素子
を形成するほうが望ましい(図示は省略する)。
【0045】MR素子3及びバイアス層7は、図5に示
すように、同時に短冊形状にエッチング加工され、所定
の間隔をもってMR素子3及びバイアス層7の上に引出
し電極5,6が形成される。このとき、バイアス層7
(MR素子3)の上面に対して最も段差的に高い部分は
MR素子と引出し電極5,6との接続部12,13であ
る。
【0046】引出し電極5,6は、MR素子3及びバイ
アス層7へセンス電流を供給するための導体であり、A
u、Mo、Pt、W等の導体により形成される。センス
電流は引出し電極間5、6間のみ流れるので実際に媒体
からの磁束変化を出力に変換する部分はこの導体間隔中
のMR素子であり、この導体間隔がトラック幅となる。
【0047】そして、MR素子3、バイアス層7、引出
し電極5、6上に第2の絶縁膜8が形成される。この第
2の絶縁膜8は、第1の絶縁膜2と同様に、SiO2
Al2 3 等をスパッタ法により形成し、その膜厚が引
出し電極5,6の導体膜厚に対し同等若しくは厚くなる
ように成膜する。
【0048】次いで、図6に示すように、第2の絶縁膜
8上にレジストパターン14が形成される。レジストパ
ターンは引出し電極5、及び6上へは形成されない形状
とされ、レジストパターンをマスクとし、リアクティブ
イオンエッチング又はイオンミーリング等の装置によ
り、引出し電極5,6の上部に形成された第2の絶縁膜
8にエッチング加工を施す。
【0049】このとき、第2の絶縁膜8のエッチング膜
厚(深さ)は、引出し電極5,6の膜厚に対し0〜50
nm程度小さいか、若しくは引出し電極膜5,6の膜厚
より大きくする。図7に引出し電極5,6の膜厚より大
きく(深く)エッチングを行った例を示す。
【0050】エッチング終了後、レジストを溶剤にて除
去すると図8へ示す構造となる。引出し電極5,6上の
第2の絶縁膜8は、エッチング処理により引出し電極
5,6の膜厚より薄くなるため、バイアス膜7(MR素
子3)の上面に対して最も段差的に高い部分は、バイア
ス膜7の上面上の第2の絶縁膜17となる。
【0051】したがって、下部,上部シールド板1,4
のシールドギャップ間隔gは、MR素子3、バイアス層
7、及び第1,第2の絶縁膜2,8により決定され、引
出し電極5,6がシールドギャップ間隔gに影響を及ぼ
すことはなくなる。
【0052】エッチング膜厚を引出し電極5,6の膜厚
と比較し0〜50nmほど小さく(浅く)した場合は接
続部12,13部が最も段差的に高い部分となるが、M
R素子3との差は50nm以内でありこの範囲内であれ
ば信頼性及び、周波数特性的にも問題とはならない。
【0053】その後、電極窓15,16部上に形成され
た第2の絶縁膜8をエッチングにより完全に除去し、接
着材9により上部シールド板4が接合され、所定の後加
工を経て、上記MRヘッドが完成する。
【0054】上述のように、本実施例1のMRヘッドに
おいては、第2の絶縁膜8が、そのMR素子3上の上面
に対する上記接続部(MR素子3と引出し電極5,6と
の接続部)上の上面の段差高さが50nm以下となるよ
うに成膜されているため、引出し電極5,6が下部,上
部シールド板1,4の間隔(シールドギャップ間隔g)
に与える影響が回避される。したがって、引出し電極
5,6の膜厚を十分に確保した上でシールドギャップ間
隔gを所定の小さな値とすることが可能となり、良好な
周波数特性を得られることになる。さらに、MR素子3
の形状が短冊形状とされているため、バルクハウゼンノ
イズ(B.H.N)に対して最も安定性が高く、しかも
平坦な基板から作製することが可能となる。
【0055】実施例2 実施例2のMRヘッドの構造を図9,図10(図9中に
線分J−J’による断面図),図11(図9中に線分K
−K’による断面図),及び図12(図9中に線分L−
L’による断面図)に示す。
【0056】上記実施例1に示したMRヘッドは、引出
し電極5,6が磁気記録媒体摺動面Aへ露出するため、
耐環境性があり且つ低抵抗値の導電材料である必要があ
る。それに対して、本実施例2のMRヘッドにおいて
は、図9に示すように、摺動面に露出する引出し電極
5,6上の磁気記録媒体摺動面Aから所定距離離間した
箇所に一対の補助引出し電極10,11を形成する。こ
こで、引出し電極5,6は耐環境性を目的とした導電材
料を用いたものとし、引出し電極10,11には低抵抗
値を持つ導電材料を用いる。
【0057】上記MRヘッドの具体的な作製例を図13
〜図23を参照して説明する。図13〜図16は何れも
平面図、図17〜図20は図9のJ−J’断面部、図2
1〜図23はL−L’断面部をを示したものである。
【0058】先ず、軟磁性材料であるNi−Znヘマタ
イト等の多結晶フェライトを材料とした下部シールド板
1上に、第1の絶縁膜2としてAl2 3 またはSiO
2 等がスパッタ法により形成される。ここで、第1の絶
縁膜2は、MR素子3の上面上に成膜されるため、面粗
度向上を目的とした鏡面研磨、若しくはスピン・オン・
グラス(SOG)と称される塗布型のSiO2 等を用い
て表面処理が施される。
【0059】第1の絶縁膜2上には、MR素子3及び当
該MR素子3へバイアス磁界を印加するためのバイアス
層7が形成される。MR素子3の材料としては、一般的
にNi−Fe合金が用いられ、バイアス層7には、Ta
/Ni−Fe−Ta合金が用いられる。なお、シャント
膜によるバイアス方式の場合はシャント膜上へMR素子
を形成するほうが望ましい(図示は省略する)。
【0060】MR素子3及びバイアス層7は、図13及
び図17に示すように、同時に短冊形状にエッチング加
工され、所定の間隔をもってMR素子3及びバイアス層
7の上に引出し電極5,6が形成される。このとき、バ
イアス層7(MR素子3)の上面に対して最も段差的に
高い部分はMR素子と引出し電極5,6との接続部1
2,13である。
【0061】引出し電極5,6は、MR素子3及びバイ
アス層7へセンス電流を供給するための導体であり、A
u、Mo、Pt、W等の導体により形成される。センス
電流は引出し電極間5、6間のみ流れるので実際に媒体
からの磁束変化を出力に変換する部分はこの導体間隔中
のMR素子であり、この導体間隔がトラック幅となる。
【0062】次いで、図14及び図21に示すように、
補助引出し電極10,11がスパッタにより形成され
る。補助引出し電極10,11の材料としては、比電気
抵抗が小さいAu、Cu、Ag等が望ましく、第1の引
出し電極5,6より厚く形成される。
【0063】次いで、図18に示すように、MR素子
3、バイアス層7、引出し電極5、6上に第2の絶縁膜
8が形成される。第2の絶縁膜8は、第1の絶縁膜2と
同様に、SiO2 ,Al2 3 等を用いてスパッタ法に
より形成し、その膜厚は引出し電極5及び6と補助引出
し電極10、11の膜厚の和と同等若しくは厚く成膜す
る。 第2の絶縁膜8は、以下に示すように、2段階に
分けてエッチング加工が行われる。
【0064】先ず第1段階として、図15及び図19に
示すように、レジストパターン14を形成する。レジス
トパターン14は引出し電極5,6及び補助引出し電極
10,11等上には形成されない形状である。このと
き、レジストパターン14をマスクとし、リアクティブ
イオンエッチング又はイオンミーリング等の装置を用い
て、引出し電極5,6の上部に形成された第2の絶縁膜
8若しくはMR素子3の上面の上部以外の第2の絶縁膜
8にエッチング加工を施す。
【0065】このとき、絶縁膜8のエッチング膜厚(深
さ)は引出し電極5,6の膜厚に対して0〜50nmほ
ど小さいか、若しくは引出し電極5,6膜厚より大きく
する。図10に、引出し電極5,6の膜厚より大きく
(深く)エッチングを行った例を示す。
【0066】エッチング終了後、レジストパターン14
を溶剤を用いて除去することにより、図20に示す構造
となる。引出し電極5,6上の第2の絶縁膜8は、エッ
チング処理により引出し電極5,6の膜厚より薄くなる
ため、バイアス膜7(MR素子3)の上面に対して最も
段差的に高い部分は、補助引出し電極10,11上の絶
縁膜8の形成部分となり、次いでMR素子3上の絶縁膜
17となる。
【0067】次いで、第2段階として、図16及び図2
2に示すように、レジストパターン18を形成する。レ
ジストパターン18は第2の引出し電極10,11等上
には形成されない形状であり、レジストパターン18を
マスクとし、リアクティブイオンエッチング又はイオン
ミーリング等の装置を用いて、補助引出し電極10,1
1の上部に形成された第2の絶縁膜8にエッチング加工
を施す。
【0068】このとき、第2の絶縁膜8に対するエッチ
ング膜厚(深さ)は、補助引出し電極10,11の膜厚
に対し0〜50nmほど小さいか、若しくは補助引出し
電極10,11の膜厚より大きくする。図11に引出し
電極膜厚より大きく(深く)エッチングを行った例を示
す。
【0069】エッチング終了後、レジストパターン18
を溶剤を用いて除去することにより図22に示す構造と
なる。
【0070】補助引出し電極10,11上の第2の絶縁
膜8は、エッチング処理により第2の引出し電極10,
11の膜厚より薄くなるため、バイアス膜7(MR素子
3)の上面に対して最も段差的に高い部分はMR素子3
の上面上の第2の絶縁膜8となる。
【0071】よって下部,上部シールド板1,4のシー
ルドギャップ間隔gは、MR素子3、バイアス層7、及
び第1,第2の絶縁膜2,8により決定され、引出し電
極5,6及び補助引出し電極10,11がシールドギャ
ップ間隔gに影響を及ぼすことはなくなる。
【0072】その後、電極窓15,16上に形成された
第2の絶縁膜8をエッチングにより完全に除去し、MR
素子3上に接着材9により軟磁性材料4が接合され、所
定の後加工を経て上記MRヘッドが完成する。
【0073】このように、本実施例2に係るMRヘッド
においては、引出し電極5,6上の磁気記録媒体摺動面
Aから所定距離離間した箇所に補助引出し電極10,1
1を積層する。このとき、引出し電極5,6は磁気記録
媒体摺動面Aへ露出するため、耐環境性を目的とした導
電材料を用いて成膜するものとし、補助引出し電極1
0,11は磁気記録媒体摺動面へ露出しないため、低抵
抗値を持つ導電材料を用いて成膜することにより、引出
し電極に対する耐環境性及び高導電性の双方の要求を満
たすことが可能となる。さらに、第2の絶縁膜8を、そ
のMR素子3上の上面に対する上記接続部(MR素子3
と引出し電極5,6及び補助引出し電極上10,11と
の各接続部)の各上面の段差高さがそれぞれ50nm以
下となるように成膜するすることにより、各引出し電極
5,6及び10,11が下部,上部シールド板1,4の
間隔(シールドギャップ間隔g)に与える影響が回避さ
れ、各引出し電極5,6及び10,11の膜厚を十分に
確保した上でシールドギャップ間隔gを所定の小さな値
とすることが可能となり、良好な周波数特性を得られる
ことになる。また、MR素子3の形状が短冊形状とされ
ているため、B.H.Nに対して最も安定性が高く、し
かも平坦な基板から作製することが可能となる。
【0074】実施例3 実施例−3のMRヘッドの構造を、図24、図25(図
24中で線分M−M’による断面図)、図26(図24
中で線分N−N’による断面図)、及び図27(図24
中で線分O−O’による断面図)に示す。
【0075】実施例3のMRヘッドは、実施例2の場合
と同様に、引出し電極5,6に加えて補助引出し電極1
0,11を設けた構成を有し、引出し電極5,6は、上
記実施例2と同様の方法で第2の絶縁膜8中に埋め込ま
れた構造とされている。さらに、このMRヘッドにおい
ては、上部シールド板4に補助引出し電極10,11に
対する対向部に当該補助引出し電極10,11の膜厚以
上の深さの凹部が形成されている。
【0076】このMRヘッドの作製方法を以下に示す。
【0077】実施例2においては、第2の絶縁膜8が2
段階に分けてエッチング加工されているが、第1段階の
エッチング加工までは実施例3においても同一の工程と
なる。但し、第2の絶縁膜8の膜厚は引出し電極5,6
の膜厚と同等以上あれば良く、実施例2の場合より薄く
することが可能である。
【0078】この工程の段階では、図28に示すよう
に、補助引出し電極10,11上に形成された第2の絶
縁膜の上面がバイアス膜7の上面に対して最も段差的に
高い部分となる。
【0079】次いで、上部シールド板4の第2の補助引
出し電極10,11に対する対向部に、補助引出し電極
10,11が入る逃げ溝となる凹部4aを形成する。こ
の凹部4aの深さは引出し電極10,11の膜厚より深
く形成し、エッチング加工若しくは機械的な加工により
形成する。
【0080】その後、上部シールド板4のMR素子3が
形成された下部シールド板1に対する位置合わせを行
い、上部シールド板4を接着材9により接合する。そし
て、所定の後加工を経て、上記MRヘッドが完成する。
【0081】このように、本第3実施例に係るMRヘッ
ドにおいては、引出し電極5,6上の磁気記録媒体摺動
面Aから所定距離離間した箇所に補助引出し電極10,
11を積層する。このとき、引出し電極5,6は磁気記
録媒体摺動面Aへ露出するため、耐環境性を目的とした
導電材料を用いて成膜するものとし、補助引出し電極1
0,11は磁気記録媒体摺動面へ露出しないため、低抵
抗値を持つ導電材料を用いて成膜することにより、引出
し電極に対する耐環境性及び高導電性の双方の要求を満
たすことが可能となる。さらに、上部シールド板4の補
助引出し電極に対する対向部に当該補助引出し電極1
0,11の膜厚以上の深さの凹部4aを形成することに
より、各引出し電極5,6及び10,11が下部,上部
シールド板1,4の間隔(シールドギャップ間隔g)に
与える影響が回避され、各引出し電極5,6及び10,
11の膜厚を十分に確保した上でシールドギャップ間隔
gを所定の小さな値とすることが可能となり、良好な周
波数特性を得られることになる。また、MR素子3の形
状が短冊形状とされているため、B.H.Nに対して最
も安定性が高く、しかも平坦な基板から作製することが
可能となる。
【0082】実施例4 本実施例4に係るMRヘッドにおいては、反強磁性薄膜
或は強磁性薄膜をMR素子の両端若しくはMR素子3の
引出し電極5,6との接続部に設ける。
【0083】これら強磁性薄膜及び強磁性薄膜は何れも
MR素子3における磁区の動きを制限してB.H.Nの
発生を低減させる機能を有する。
【0084】本実施例4に係るMRヘッドの構成を図2
9、図30(図29中の線分P−P’の断面図)、及び
図31(図29中の線分Q−Q’の断面図)に示す。こ
の場合、MR素子3の形状は短冊形状、鳥居様形状(短
冊状部に略々直交した引出し電極5,6と接続するため
の延在部を有する形状)の何れも可能である。図29〜
図31にMR素子を3構造が簡易である鳥居様形状とし
た例を示す。
【0085】MR素子3上へ反強磁性膜や強磁性膜19
を成膜することにより、この部分がバイアス膜7の上面
に対し最も高い部分となる。したがって、実施例1若し
くは実施例3の場合と同様に、反強磁性膜若しくは強磁
性膜19上に成膜された第2の絶縁膜8に反強磁性膜若
しくは強磁性膜19の膜厚と同等若しくは深くエッチン
グ加工を施すことにより、MR素子3の上面上の第2の
絶縁膜8に対して段差的に同等若しくは低くなりシール
ドギャップ間隔に与える影響を回避することができる。
【0086】実施例5 実施例5に係るMRヘッドは、上部シールド板4の接合
時に、MR素子3に応力が集中しないように接合受け部
21を設けた例である。実施例5に係るMRヘッドの平
面構造図を図32、図33(図32中で線分R−R’に
よる断面図)、及び図34(図32中で線分S−S’に
よる断面図)に示す。これらの図32〜図34において
は、何れも実施例1に示したMRヘッドの構造にを採用
した一例を示す。
【0087】先にも述べた通り、B.H.Nの原因の一
つにMR素子への応力があるが、この実施例3のMRヘ
ッドの構造においては直接的にMR素子3に応力が加わ
ることを防止し、更にMR素子3の安定性を増加させる
ものである。
【0088】実施例1の場合では、図2に示したよう
に、引出し電極5,6上に成膜した第2の絶縁膜8にエ
ッチング加工を施し、MR素子3(バイアス導体部7)
のトラック部となる部分の上部に成膜した第2の絶縁膜
8上の方がエッチング加工された部分より高く若しくは
0〜50nm以内の範囲で低くなるようになされてい
る。
【0089】図1〜図4に示すように、バイアス膜7
(MR素子3)の上面より最も高くなる部分は、MR素
子3の上部の部分となるため、上部シールド板4を接着
する場合、MR素子3の上面近傍に応力が集中する問題
が発生する。
【0090】実施例5においては、MR素子3の形成部
への応力(接合時の圧力)集中を防止するために、新た
に接合受け部21の如きパターンを設ける。
【0091】図32に示すように、接合受け部21はM
R素子3の周辺に配置され、段差的にMR素子3の上面
と比較して同等若しくは100nmほど高く形成されて
いる。このMRヘッドは、上部シールド板4を接合した
後、磁気記録媒体摺動面Aとなる位置まで研削加工を施
すことにより完成する。
【0092】接合受け部21には、MR素子3、バイア
ス膜7、及び第2の絶縁膜8の同一の積層膜によりこれ
らMR素子3、バイアス膜7、及び第2の絶縁膜8と同
時に形成されるもの(a)と、バイアス膜7上に新たに
受け膜22を設けるもの(b)とがある。
【0093】(a)の場合では、接合受け部21の高さ
はMR素子3の上面と同等となることから、上部シール
ド板4の接合時における応力集中は回避できるが、MR
素子3にも応力は加わることとなる。
【0094】一方、(b)の場合では、接合受け部21
が最も段差的に高くなることからMR素子部へ応力は加
わらない。図32〜34に(b)の場合の構造を示す。
【0095】受け膜22の膜厚は0〜50nm以内とす
ることにより接着材9の膜厚も、信頼性的に問題ない範
囲(100nm以下)に制御する事が可能となる。
【0096】これによりMR素子3への加重の集中を回
避でき、MR特性の安定化が可能となる。
【0097】
【発明の効果】本発明に係わる磁気抵抗効果型ヘッドに
おいては、引き出し導体がシールドギャップ間隔に与え
る影響を回避し、良好な周波数特性を得るとともに、バ
ルクハウゼンノイズを大幅に低減させ、しかも上部シー
ルド板の接合時において、磁気抵抗効果素子に応力が集
中することを抑止して、信頼性の高い磁気抵抗効果型磁
気ヘッドを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のMRヘッドの構造を模式的に表す平
面図である。
【図2】実施例1に係るMRヘッドの図1中の線分G−
G’による断面を模式的に示す断面図である。
【図3】実施例1に係るMRヘッドの図1中の線分H−
H’による断面を模式的に示す断面図である。
【図4】実施例1に係るMRヘッドの図1中の線分I−
I’による断面を模式的に示す断面図である。
【図5】実施例1に係るMRヘッドの作製工程に於いて
図1中の線分G−G’部による断面を各工程毎に模式的
に示す断面図である。
【図6】実施例1に係るMRヘッドの作製工程に於いて
図1中の線分G−G’部による断面を各工程毎に模式的
に示す断面図である。
【図7】実施例1に係るMRヘッドの作製工程に於いて
図1中の線分G−G’部による断面を各工程毎に模式的
に示す断面図である。
【図8】実施例1に係るMRヘッドの作製工程に於いて
図1中の線分G−G’部による断面を各工程毎に模式的
に示す断面図である。
【図9】実施例2に係るMRヘッドの構造を模式的に表
す平面図である。
【図10】実施例2に係るMRヘッドの図9中の線分J
−J’による断面を模式的に示す断面図である。
【図11】実施例2に係るMRヘッドの図9中の線分K
−K’による断面を模式的に示す断面図である。
【図12】実施例2に係るMRヘッドの図9中の線分L
−L’による断面を模式的に示す断面図である。
【図13】実施例2に係るMRヘッドの作製工程におい
て各工程毎に模式的に示す平面図である。
【図14】実施例2に係るMRヘッドの作製工程におい
て各工程毎に模式的に示す平面図である。
【図15】実施例2に係るMRヘッドの作製工程におい
て各工程毎に模式的に示す平面図である。
【図16】実施例2に係るMRヘッドの作製工程におい
て各工程毎に模式的に示す平面図である。
【図17】実施例2に係るMRヘッドの作製工程に於い
て各工程毎に模式的に示す断面図である。
【図18】実施例2に係るMRヘッドの作製工程に於い
て各工程毎に模式的に示す断面図である。
【図19】実施例2に係るMRヘッドの作製工程に於い
て各工程毎に模式的に示す断面図である。
【図20】実施例2に係るMRヘッドの作製工程に於い
て各工程毎に模式的に示す断面図である。
【図21】実施例2に係るMRヘッドの作製工程に於い
て各工程毎に模式的に示す断面図である。
【図22】実施例2に係るMRヘッドの作製工程に於い
て各工程毎に模式的に示す断面図である。
【図23】実施例2に係るMRヘッドの作製工程に於い
て各工程毎に模式的に示す断面図である。
【図24】実施例3に係るMRヘッドの構造を模式的に
表す平面図である。
【図25】実施例3に係るMRヘッドの図24中の線分
M−M’による断面を模式的に示す断面図である。
【図26】実施例3に係るMRヘッドの図24中の線分
N−N’による断面を模式的に示す断面図である。
【図27】実施例3に係るMRヘッドの図24中の線分
O−O’による断面を模式的に示す断面図である。
【図28】実施例3に係るMRヘッドの作製工程に於い
て図24中の線分N−N’による断面を模式的に示す断
面図である。
【図29】実施例3に係るMRヘッドの作製工程に於い
て図24中の線分Q−Q’による断面を模式的に示す断
面図である。
【図30】実施例4に係るMRヘッドの構造を模式的に
表す平面図である。
【図31】実施例4に係るMRヘッドの図29中の線分
P−P’による断面を模式的に示す断面図である。
【図32】実施例5に係るMRヘッド構造を模式的に表
す平面図である。
【図33】実施例5に係るMRヘッドの図33中の線分
R−R’による断面を模式的に示す断面図である。
【図34】実施例5に係るMRヘッドの図33中の線分
S−S’による断面を模式的に示す断面図である。
【図35】従来のMRヘッドの構造を模式的に表す平面
図である。
【図36】従来のMRヘッドの図35中の線分A−A’
による断面を模式的に示す断面図である。
【図37】従来のMRヘッドの図35中の線分B−B’
による断面を模式的に示す断面図である。
【図38】従来のMRヘッドの構造を模式的に表す平面
図である。
【図39】従来のMRヘッドの図38中の線分C−C’
による断面を模式的に示す断面図である。
【図40】従来のMRヘッドの構造を模式的に表す平面
図である。
【図41】従来のMRヘッドの図40中の線分D−D’
による断面を模式的に示す断面図である。
【図42】従来のMRヘッドの図40中の線分E−E’
による断面を模式的に示す断面図である。
【図43】従来のMRヘッドの図40中の線分F−F’
による断面を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 上部シールド板 2 第1の絶縁膜 3 MR素子 4 下部シールド板 5,6 引出し電極 7 バイアス膜 8 第2の絶縁膜 9 接着材 10,11 補助引出し電極

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部シールド板上に磁気抵抗効果素子が
    形成され、この磁気抵抗効果素子上の接続部に引出し電
    極が積層されて電気的に接続されるとともに、これら磁
    気抵抗効果素子及び引出し電極を覆って絶縁膜が成膜さ
    れ、さらにこの絶縁膜上に上部シールド板が接合されて
    なる磁気抵抗効果型磁気ヘッドにおいて、 上記磁気抵抗効果素子上の絶縁膜の上面の段差が上記接
    続部の引出し電極上の絶縁膜の上面と50nm以下とさ
    れてなることを特徴とする磁気抵抗効果型磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 磁気抵抗効果素子がその長手方向が磁気
    記録媒体摺動方向と略々平行となるように配されている
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気抵抗効果型磁気ヘ
    ッド。
  3. 【請求項3】 各引出し電極上の磁気記録媒体摺動面か
    ら所定距離離間した箇所に補助引出し電極が積層されて
    いることを特徴とする請求項1記載の磁気抵抗効果型磁
    気ヘッド。
  4. 【請求項4】 各引出し電極上の磁気記録媒体摺動面か
    ら所定距離離間した箇所に補助引出し電極が積層される
    とともに、 上部シールド板の補助引出し電極に対する対向部に当該
    補助引出し電極の膜厚以上の深さの凹部が形成されてい
    ることを特徴とする請求項1記載の磁気抵抗効果型磁気
    ヘッド。
  5. 【請求項5】 第1の絶縁膜上に、上面が磁気抵抗効果
    素子の上面以上の高さとされる接合受け部が設けられて
    いることを特徴とする請求項1記載の磁気抵抗効果型磁
    気ヘッド。
  6. 【請求項6】 下部シールド板上に磁気抵抗効果素子が
    形成され、この磁気抵抗効果素子上の接続部に引出し電
    極が積層されて電気的に接続されるとともに、 磁気抵抗効果素子上の所定の位置に反強磁性膜若しくは
    強磁性膜が成膜され、これら磁気抵抗効果素子、反強磁
    性膜若しくは強磁性膜、及び引出し電極を覆って絶縁膜
    が成膜され、さらにこの絶縁膜上に上部シールド板が接
    合されてなり、 上記磁気抵抗効果素子上の絶縁膜の上面の段差が上記反
    強磁性膜若しくは強磁性膜上の絶縁膜の上面と50nm
    以下とされてなることを特徴とする磁気抵抗効果型磁気
    ヘッド。
JP11500995A 1995-05-12 1995-05-12 磁気抵抗効果型磁気ヘッド Pending JPH08315320A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11500995A JPH08315320A (ja) 1995-05-12 1995-05-12 磁気抵抗効果型磁気ヘッド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11500995A JPH08315320A (ja) 1995-05-12 1995-05-12 磁気抵抗効果型磁気ヘッド

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08315320A true JPH08315320A (ja) 1996-11-29

Family

ID=14652022

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11500995A Pending JPH08315320A (ja) 1995-05-12 1995-05-12 磁気抵抗効果型磁気ヘッド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08315320A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000149233A (ja) 磁気ヘッド装置、並びに、その製造方法
JP2001084535A (ja) 薄膜磁気ヘッドの製造方法および磁気抵抗効果装置の製造方法
US6728064B2 (en) Thin-film magnetic head having two magnetic layers, one of which includes a pole portion layer and a yoke portion layer, and method of manufacturing same
JPH11283216A (ja) 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
JP3394266B2 (ja) 磁気書込/読取ヘッドの製造方法
JP2001344716A (ja) 磁気抵抗効果型ヘッドの製造方法
US7158352B2 (en) Magnetoresistive device and method of manufacturing same, and thin-film magnetic head and method of manufacturing same
JPH11161915A (ja) 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
US6671133B1 (en) Thin-film magnetic head and method of manufacturing same
US6387285B1 (en) Method of manufacturing thin-film magnetic head
US6842314B2 (en) Magnetoresistive device and method of manufacturing same, and thin-film magnetic head and method of manufacturing same
JPH08315320A (ja) 磁気抵抗効果型磁気ヘッド
JP3771017B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド及びその製造方法
JPH103617A (ja) 磁気抵抗効果型磁気ヘッド及びその製造方法
JP2002208114A (ja) 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
JP3464379B2 (ja) 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
JP3453735B2 (ja) 薄膜磁気ヘッド
JP3792396B2 (ja) 薄膜磁気ヘッドの磁極の形成方法および薄膜磁気ヘッドの製造方法
JP4010702B2 (ja) 薄膜磁気ヘッドの製造方法
JP3382139B2 (ja) 磁気ヘッドの製造方法
JP3474533B2 (ja) 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
JP2000123321A (ja) 薄膜磁気ヘッドの製造方法
JPH11175916A (ja) 薄膜磁気ヘッドおよびその製造方法
JPH08235532A (ja) 磁気抵抗効果型磁気ヘッド
JPH0793715A (ja) 薄膜磁気抵抗効果型ヘッド

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040217