JPH0831387A - 誘電体バリア放電ランプ - Google Patents

誘電体バリア放電ランプ

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JPH0831387A
JPH0831387A JP18516794A JP18516794A JPH0831387A JP H0831387 A JPH0831387 A JP H0831387A JP 18516794 A JP18516794 A JP 18516794A JP 18516794 A JP18516794 A JP 18516794A JP H0831387 A JPH0831387 A JP H0831387A
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dielectric
discharge
electrode
barrier discharge
dielectric barrier
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JP18516794A
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English (en)
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Hiromitsu Matsuno
博光 松野
Ryushi Igarashi
龍志 五十嵐
Kunio Kasagi
邦雄 笠木
Yasuo Onishi
安夫 大西
Yoshitoku Aiura
良徳 相浦
Fumitoshi Takemoto
史敏 竹元
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Ushio Denki KK
Ushio Inc
Original Assignee
Ushio Denki KK
Ushio Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 比較的低い電圧で放電を開始でき、光出力も
低下しない誘電体バリア放電ランプを提供することを目
的とする。 【構成】 平均放電ギャップ長がD(mm)であって、
誘電体バリア放電によってエキシマ分子を形成する放電
用ガスが全圧P(Pa)で充填され、PDが70kPa
・mm以上である放電空間と、前記エキシマ分子からの
光を取り出す光取り出し窓部を有する誘電体バリア放電
を利用した誘電体バリア放電ランプ装置において、放電
ギャップ長d(mm)が前記放電空間の平均放電ギャッ
プ長D(mm)未満である狭ギャップ部分を、前記放電
空間の一部に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、光化学反応用
の紫外線光源として使用される放電ランプの一種で、誘
電体バリア放電によってエキシマ分子を形成し、該エキ
シマ分子から放射される光を利用するいわゆる誘電体バ
リア放電ランプの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明に関連した技術としては、例え
ば、日本国公開特許公報平1−144560号があり、
そこには、放電容器にエキシマ分子を形成する放電用ガ
スを充填し、誘電体バリア放電(別名オゾナイザ放電あ
るいは無声放電。電気学会発行改定新版「放電ハンドブ
ック」平成1年6月再版7刷発行第263ページ参照)
によってエキシマ分子を形成せしめ、該エキシマ分子か
ら放射される光を利用するランプ、すなわち誘電体バリ
ア放電ランプについて記載されており、該放電容器は円
筒状であり、該放電容器の少なくとも一部は該誘電体バ
リア放電の誘電体を兼ねており、該誘電体は光透過性で
あり、該誘電体の少なくとも一部に導電性網状電極が設
けられた誘電体バリア放電ランプが記載されている。
【0003】また、日本国公開特許公報平5−2668
63号には、ランプ管端部における光出力を増大させる
目的で、実効静電容量を局所的に変化させる手段を有す
る誘電体バリア放電ランプが記載されており、例えば、
管中央部における放電ギャップに比較して管端部におけ
る放電ギャップを小さくすることによって、管端部にお
ける光出力を増大させている。
【0004】以下、従来の誘電体バリア放電ランプの概
略図である図4を使用して、一般的な誘電体バリア放電
の概要について説明する。放電容器1は誘電体であるガ
ラス製で、内側管2、外側管3を同軸に配置して中空円
筒状にしたものである。外側管3の外面には光通過性の
誘電体バリア放電用の電極4が、内側管2の外面にはア
ルミニウムの蒸着によって形成した光反射膜を兼ねた誘
電体バリア放電用の電極5がそれぞれ設けられている。
前記電極5を機械的、化学的に保護するために、電極5
の上に窒化ほう素からなる保護膜9が設けられている。
また放電容器1の一端には、ゲッタ7を収納するゲッタ
室6が設けられている。
【0005】電極4に対面した外側管3の内表面と電極
5に対面した内側管2の内表面の間には放電空間8が形
成される。なお、前記二つの内表面間の距離は、放電容
器1の加工精度によっては、必ずしも放電空間8の到る
ところで均一である訳ではない。従って、放電空間8の
放電ギャップ長も、放電空間8の到るところで均一とは
ならない。そこで中空円筒状である放電容器1の中心軸
と垂直であって、前記中心軸と交差する直線群のうち、
前記放電容器1の両端部からの距離が等しい直線を基準
線とし、前記基準線と中心軸方向に等間隔である複数の
直線を、前記基準線を中心として対称に、基準線を含み
7本以上前記直線群より選択し、選択した複数の直線が
前記二つの内表面と交差する地点での内表面間の距離を
加算平均したものを、放電空間8の平均放電ギャップ長
Dとする。
【0006】放電空間8に、誘電体バリア放電によって
エキシマ分子を形成する放電用ガスを充填し、交流電源
10によって電極4,5に電圧を印加すると、放電空間
8に誘電体バリア放電が安定に発生し、エキシマ光が放
出される。なお、ゲッタ7は放電空間8における不純ガ
ス(例えばH2 O等)を除去し、放電を安定にする機能
を持つ。
【0007】数十トール以上の中気圧または高気圧のア
ーク放電ランプなどで発生する通常のアーク放電におい
ては、放電空間に放電プラズマが一条だけ存在し、電極
面上には一個の小さな電極輝点が生じている。すなわ
ち、電極の面積を大きくしても実質的に電極としての役
割をしている部分は非常に小さい部分であり、放電プラ
ズマは一条だけ存在する。一方、前記放電ハンドブック
に記載されているように、誘電体バリア放電において
は、その放電路に誘電体が挿入されている。この誘電体
は放電プラズマが一条に収斂するのを阻止するので、プ
ラズマの直径が非常に小さく、かつ、放電の持続時間が
非常に短い微小な放電プラズマ(以後これをマイクロプ
ラズマと記す)が放電空間に多数存在することになる。
誘電体バリア放電ランプにおいてエキシマ光が高効率で
放出される原因の一つは、上記した多条のマイクロプラ
ズマの存在である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のような誘電体バ
リア放電ランプは、従来のグロー放電ランプやアーク放
電ランプには無い種々の特長を有しているため有用であ
る。しかし、従来の誘電体バリア放電ランプは、以下の
ような欠点がある。 (1)図4から明らかなように、電極4,5の間に二枚
の誘電体2,3が存在するので、前記誘電体における電
圧降下が大きく、従って放電の開始に高電圧の印加が必
要になるという欠点が生じる。すなわち、高電圧を発生
できる高価な電源が必要であった。
【0009】(2)エキシマ光を安定にかつ効率よく生
成するには、放電用ガスの圧力Pと平均放電ギャップ長
Dの積PDは、70kPa・mm以上が必須である。こ
のような放電空間条件においては、平均放電ギャップ長
Dを小さくすればするほど放電始動電圧の低下を実現で
きる。しかしながらエキシマ分子からの光を取り出す放
電空間が小さくなってしまうので、結果として光出力も
低下してしまう。
【0010】本発明は、以上のような事情に基づいて成
されたものであって、その課題は、比較的低い電圧で放
電を開始でき、光出力も低下しない誘電体バリア放電ラ
ンプを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の請求項1の発明は、放電容器を兼ねた誘電
体バリア放電の第一の誘電体と、前記第一の誘電体と対
向して、間隙を有して設けられた第二の誘電体と、前記
間隙に対面しない前記第一の誘電体の第一の面の少なく
とも一部に設けた誘電体バリア放電を行うための第一の
電極と、前記間隙に対面しない前記第二の誘電体の第一
の面の少なくとも一部に設けた誘電体バリア放電を行う
ための第二の電極と、前記間隙に対面する、前記第一の
誘電体の第二の面と前記第二の誘電体の第二の面によっ
て形成され、平均放電ギャップ長がD(mm)であっ
て、前記誘電体バリア放電によってエキシマ分子を形成
する放電用ガスが全圧P(Pa)で充填され、PDが7
0kPa・mm以上である放電空間と、前記エキシマ分
子からの光を取り出す光取り出し窓部とからなる誘電体
バリア放電を利用した誘電体バリア放電ランプ装置にお
いて、放電ギャップ長d(mm)が前記放電空間の平均
放電ギャップ長D(mm)未満である狭ギャップ部分
を、前記放電空間の一部に設けたものである。
【0012】本発明の請求項2の発明は、請求項1の発
明において、前記狭ギャップ部分の放電ギャップ長d
(mm)が前記平均放電ギャップ長D(mm)の0.3
から0.8倍の範囲にあるように構成したものである。
【0013】本発明の請求項3の発明は、請求項1の発
明または請求項2の発明において、前記第一の誘電体と
前記第二の誘電体が概略円筒状であり、かつ、前記第二
の誘電体が前記第一の誘電体の内側に設置され、前記第
二の誘電体の概略中心軸が前記第一の誘電体の概略中心
軸とずれているように構成したものである。
【0014】本発明の請求項4の発明は、請求項1乃至
請求項3のいずれかの発明において、前記第一の誘電体
と前記第二の誘電体が概略円筒状であり、前記光取り出
し窓部が前記第一の誘電体の一端に設置され、かつ、前
記第一の誘電体の他端の一部を細くすることによって前
記狭ギャップ部分が設けられているように構成したもの
である。
【0015】本発明の請求項5の発明は、請求項1乃至
請求項4のいずれかの発明において、前記第一の誘電体
と前記第二の誘電体が概略円筒状であり、かつ、前記第
二の誘電体が前記第一の誘電体の内側に設置され、概略
円筒状である前記第二の誘電体の一部を太くすることに
よって前記狭ギャップ部分が設けらるように構成したも
のである。
【0016】本発明の請求項6の発明は、請求項5の発
明において、交流電源と、前記交流電源からの電力を、
前記第一の電極と前記第二の電極に供給する給電線を有
し、前記第二の電極と前記給電線との接続が、概略円筒
状である前記第二の誘電体管の一部を太くした部分で行
われるように構成したものである。
【0017】
【作用】本発明の請求項1の発明においては、放電ギャ
ップ長d(mm)が放電空間の平均放電ギャップ長D
(mm)未満である狭ギャップ部分を前記放電空間の一
部に設けたので、前記狭ギャップ部分において比較的低
い印加電圧で放電が開始する。そしてこの放電が火種と
なって放電空間全体で放電が開始する。従って、高電圧
を印加する必要がないので電源が安価となり、平均放電
ギャップ長Dが小さくならないので光出力が低下しない
という利点を生じる。ここで平均放電ギャップ長D(m
m)は、前記狭ギャップ部分以外の放電空間で、前述の
ように計算したものである。
【0018】なお、先に述べたように誘電体バリア放電
においては、その放電路に誘電体が挿入され、この誘電
体が放電プラズマが一条に収斂するのを阻止する。よっ
て放電空間の一部に狭ギャップ部分が存在しても、マイ
クロプラズマが狭ギャップ部分にだけ集中することはな
く、該放電空間全体に比較的均一にマイクロプラズマが
発生する。
【0019】本発明者は、請求項1の発明において以下
の事実を見いだした。 (1)前記狭ギャップ部分の放電ギャップ長d(mm)
が、前記放電空間の平均放電ギャップ長D(mm)の
0.8倍を越えた場合には、放電始動電圧の低下の効果
が実用上少なかった。 (2)dがDの0.3未満においては、前記狭ギャップ
部分の光出力が低下して光出力が不均一になったり、放
電が不安定になった。
【0020】本発明の請求項2の発明においては、請求
項1の発明において、狭ギャップ部分の放電ギャップ長
d(mm)が放電空間の平均放電ギャップ長Dの0.3
から0.8倍の範囲にあるように構成したので、請求項
1の発明と同様な効果を得ることができるとともに、放
電始動電圧の低下の効果が実用上十分に得られ、また前
記狭ギャップ部分の光出力が低下せず光出力が不均一に
なったり、放電が不安定になったりしないという利点を
生じる。
【0021】本発明の請求項3の発明においては、請求
項1の発明または請求項2の発明において、第一の誘電
体と第二の誘電体が概略円筒状であり、かつ、前記第二
の誘電体が前記第一の誘電体の内側に設置され、前記第
二の誘電体の概略中心軸が前記第一の誘電体の概略中心
軸とずれているように構成したので、請求項1または請
求項2の発明と同様な効果を得ることができるととも
に、簡単に狭ギャップ部分を形成できるという利点を生
じる。
【0022】本発明の請求項4の発明においては、請求
項1乃至請求項3のいずれかの発明において、第一の誘
電体と第二の誘電体が概略円筒状であり、光取り出し窓
が前記第一の誘電体の一端に設置され、かつ、前記第一
の誘電体の他端に狭ギャップ部分が設けられているよう
に構成したので、請求項1乃至請求項3のいずれかの発
明と同様な効果を得ることができるとともに、前記狭ギ
ャップ部分によって光の一部が遮光されず、光取り出し
窓から有効に光を取り出せるという利点を生じる。
【0023】本発明の請求項5の発明においては、請求
項1乃至請求項4のいずれかの発明において、第一の誘
電体と第二の誘電体が概略円筒状であり、かつ、前記第
二の誘電体が前記第一の誘電体の内側に設置され、概略
円筒状である前記第二の誘電体の一部を太くすることに
よって前記狭ギャップ部分が設けらるように構成したの
で、請求項1乃至請求項4のいずれかの発明と同様な効
果を得ることができるとともに、前記第二の誘電体と比
較して径の大きい前記第一の誘電体を細くして前記狭ギ
ャップ部分を構成する場合と比較して機械的強度を大き
くすることができるという利点を生じる。
【0024】本発明の請求項6の発明においては、請求
項5の発明において、交流電源と、前記交流電源からの
電力を、第一の電極と前記第二の電極に供給する給電線
を有し、前記第二の電極と前記給電線との接続が、概略
円筒状である前記第二の誘電体管の一部を太くした部分
で行うように構成したので、請求項5の発明と同様な効
果を得ることができるとともに、以下の利点を生じる。
すなわち概略円筒状である前記第二の誘電体管の一部を
太くした部分、言いかえると、前記第二の電極の窪みに
相当する部分で接続をすると、窪みに給電線の一部がは
め込まれた構造にすることが可能となり、接続を電気
的、機械的に高信頼で行うことが出来る。
【0025】
【実施例】本発明の第一の実施例の誘電体バリア放電ラ
ンプを、図1に示す。放電容器1は合成石英ガラス製
で、第二の誘電体である外径14mmの内側管2と、第
一の誘電体である内径24mmの外側管3を同軸に配置
して中空円筒状にしたものである。発明者らは、放電空
間8の中央部を中心として、それと対称に5mm間隔毎
に、放電空間8の放電ギャップD1 、D2 、D3
4 、D5 、D6 、D7 の値を測定した。7水準の加算
平均は5.0mmであった。そこで、放電空間8の平均
放電ギャップ長Dの値を5mmとした。
【0026】外側管3の外面には金属網からなる光通過
性の誘電体バリア放電用の第一の電極4が、内側管2の
外面にはアルミニウムの蒸着によって形成した光反射膜
を兼ねた誘電体バリア放電用の第二の電極5がそれぞれ
設けられている。放電容器1の一端には、ゲッタ7を収
納するゲッタ室6が設けられている。ゲッタ室6を形成
するために第一の誘電体に設けた括れ部20の部分まで
電極4,5を延長し、狭ギャップ部分21を形成した。
狭ギャップ部分21における放電ギャップ長dの値は2
mmであり、Dの値の0.4倍である。アルミニウムの
蒸着によって形成した電極5を機械的、化学的に保護す
るために、電極5の上に窒化ほう素からなる保護膜9が
設けられている。放電空間8に、誘電体バリア放電によ
ってエキシマ分子を形成する放電用ガスとして、キセノ
ンを60kPa封入した。
【0027】外側の第一の電極4と内側の第二の電極5
に電源10を接続し、20kHzの高周波電圧を印加し
たところ、従来のように狭ギャップ部分を設けない場合
に比較すると低い電圧で放電が開始して、波長172n
mに最大値を有する真空紫外線が得られた。すなわち電
源、装置全体の小型化が可能になった。
【0028】本発明の第二の実施例の誘電体バリア放電
ランプの断面概略図を図2に示す。図1と符号が一致す
る要素は、図1と同様の要素を示す。第一の誘電体3と
第二の誘電体2を概略円筒状にし、かつ、第二の誘電体
管2を第一の誘電体管3の内部に、各々の中心軸をずら
して設置した構成で、狭ギャップ部分41の放電ギャッ
プ長dの値は4mmである。本実施例における平均的な
放電ギャップ長Dは、第二の誘電体管2と第一の誘電体
管3を同軸に設置した構成における平均放電ギャップ長
として定義した。この第二の実施例においては、簡単な
構成で挟ギャップ部分を形成することができる。
【0029】本発明の第三の実施例の誘電体バリア放電
ランプを、図3に示す。図1と符号が一致する要素は、
図1と同様の要素を示す。本実施例においては、第一の
誘電体3と第二の誘電体2が概略円筒状であり、第一の
誘電体3の一端に光取り出し窓33を設け、かつ、第一
の誘電体3の他端に、第二の誘電体2を膨らませること
によって狭ギャップ部分35を設けた。第一の実施例と
同様に平均放電ギャップ長Dの値を求めると、Dの値は
6mmであった。狭ギャップ部分41の放電ギャップ長
dの値は4mmであり、dの値はDの値の2/3倍であ
る。光取り出し窓33に近接した第二の誘電体2の端部
34は閉じられており、電極31,32は、それぞれ、
アルミニウム蒸着膜から成り立っている。放電用ガスと
して、塩素とキセノンの混合ガスを70kPa封入し
た。
【0030】第二の電極32へ電力を供給する給電線3
7と第二の電極32との接続は、第二の誘電体管2を膨
らませた部分、言い換えると、第二の電極32の窪みに
相当する部分36にバネ性を有するステンレス製の接触
リング38を挿入する方法に依った。
【0031】外側電極31と内側電極32に電源10を
接続し、15kHzの高周波電圧を印加したところ、従
来のように狭ギャップ部分を設けない場合に比較すると
低い電圧で放電が開始して、波長308nmに最大値を
有する真空紫外線が得られた。すなわち電源、装置全体
の小型化が可能になった。また狭ギャップ部分35が光
取り出し窓33の近傍になく、光の一部が遮光されない
ので、光取り出し効率が高くなった。さらに、第二の誘
電体2と比較して直径が大きい第一の誘電体3を細くす
ることなく狭ギャップ部分35を構成したので、機械的
強度が大きい誘電体バリア放電ランプを得ることが出来
た。また、第二の誘電体管32の一部に設けた窪み36
に接触リング38がはめ込まれた構造なので、第二の電
極32に電力を供給する給電線37と第二の電極32と
の接続を、電気的、機械的に高信頼で行うことが出来
た。
【0032】本発明の第四の実施例の誘電体バリア放電
ランプは、図4に示した従来の同軸円筒型のランプ構造
に加えて、第三の実施例における狭ギャップ部分と同一
構造の狭ギャップ部分を、放電容器の一端に設けた。第
一の実施例と同様にして求めた平均放電ギャップ長Dの
値は5mm、狭ギャップ部分の放電ギャップ長dの値は
4mmであり、dの値はDの値の0.8倍である。本実
施例においては、狭ギャップ部分における光出力は少々
低下したが、低い電圧で放電が開始する誘電体バリア放
電ランプが得られた。
【0033】上記実施例は全て同軸円筒状のランプであ
ったが、本発明は、平板状の誘電体を使用した平面型の
誘電体バリア放電ランプに対しても適用できることは自
明である。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、次の効果を得ることができる。本発明の請求項1の
発明においては、放電ギャップ長dが放電空間の平均放
電ギャップ長D未満である狭ギャップ部分を前記放電空
間の一部に設けたので、前記狭ギャップ部分において比
較的低い印加電圧で放電が開始して、この放電が火種と
なって放電空間全体で放電を開始させることができると
いう効果を有する。従って、電極間に高電圧を印加する
必要がないので、高電圧を電源で発生させる必要も無く
なり、安価な電源を適用できる。また平均放電ギャップ
長Dを小さくしなくても、低い印加電圧で誘電体バリヤ
放電が可能となったので、光を取り出す部分が小さくな
らず光出力が低下しない。
【0035】本発明の請求項2の発明においては、請求
項1の発明において、狭ギャップ部分の放電ギャップ長
d(mm)が平均放電ギャップ長D(mm)の0.3か
ら0.8倍の範囲にあるように構成したので、請求項1
の発明と同様な効果を得ることができるとともに、エキ
シマ光が安定にかつ効率よく生成する条件である放電用
ガスの圧力Pと平均放電放電ギャップ長Dの積PDが7
0kPa・mm以上である場合において、放電始動電圧
の低下の効果が実用上十分に得られる。また前記狭ギャ
ップ部分の光出力が低下せず光出力が不均一になった
り、放電が不安定になったりしないという効果を有す
る。
【0036】本発明の請求項3の発明においては、請求
項1の発明または請求項2の発明において、第一の誘電
体と第二の誘電体が概略円筒状であり、かつ、前記第二
の誘電体が前記第一の誘電体の内側に設置され、前記第
二の誘電体の概略中心軸が前記第一の誘電体の概略中心
軸とずれているように構成したので、請求項1または請
求項2の発明と同様な効果を得ることができるととも
に、簡単に狭ギャップ部分を形成できるという効果を有
する。
【0037】本発明の請求項4の発明においては、請求
項1乃至請求項3のいずれかの発明において、第一の誘
電体と第二の誘電体が概略円筒状であり、光取り出し窓
が前記第一の誘電体の一端に設置され、かつ、前記第一
の誘電体の他端に狭ギャップ部分が設けられているよう
に構成したので、請求項1乃至請求項3のいずれかの発
明と同様な効果を得ることができるとともに、前記狭ギ
ャップ部分によって光の一部が遮光されず、光取り出し
窓から有効に光を取り出せるという効果を有する。
【0038】本発明の請求項5の発明においては、請求
項1乃至請求項4のいずれかの発明において、第一の誘
電体と第二の誘電体が概略円筒状であり、かつ、前記第
二の誘電体が前記第一の誘電体の内側に設置され、概略
円筒状である前記第二の誘電体の一部を太くすることに
よって前記狭ギャップ部分が設けらるように構成したの
で、請求項1乃至請求項4のいずれかの発明と同様な効
果を得ることができるとともに、前記第二の誘電体と比
較して径の大きい前記第一の誘電体を細くして前記狭ギ
ャップ部分を構成する場合よりも機械的強度を大きくす
ることができるという効果を有する。
【0039】本発明の請求項6の発明においては、請求
項5の発明において、交流電源と、前記交流電源からの
電力を、前記第一の電極と前記第二の電極に供給する給
電線を有し、前記第二の電極と前記給電線との接続が、
概略円筒状である前記第二の誘電体管の一部を太くした
部分で行うように構成したので、請求項5の発明と同様
な効果を得ることができるとともに、以下の効果を有す
る。すなわち概略円筒状である前記第二の誘電体管の一
部を太くした部分、言いかえると、前記第二の電極の窪
みに相当する部分で接続をすると、窪みに給電線の一部
がはめ込まれた構造にすることが可能となり、接続を電
気的、機械的に高信頼で行うことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘電体バリア放電ランプの第一の実施
例の説明図である。
【図2】本発明の誘電体バリア放電ランプの第二の実施
例の説明図である。
【図3】本発明の誘電体バリア放電ランプの第三の実施
例の説明図である。
【図4】従来の誘電体バリア放電ランプの説明図であ
る。
【符号の説明】
1 放電容器 2 第二の誘電体 3 第一の誘電体 4,31 第一の電極 5,32 第二の電極 7 ゲッタ 8 放電空間 10 電源 21,35,41 狭ギャップ部分 33 光取り出し窓 36 窪み 38 接触リング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大西 安夫 兵庫県姫路市別所町佐土1194番地 ウシオ 電機株式会社内 (72)発明者 相浦 良徳 兵庫県姫路市別所町佐土1194番地 ウシオ 電機株式会社内 (72)発明者 竹元 史敏 兵庫県姫路市別所町佐土1194番地 ウシオ 電機株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電容器を兼ねた誘電体バリア放電の第
    一の誘電体と、 前記第一の誘電体と対向して、間隙を有して設けられた
    第二の誘電体と、 前記間隙に対面しない前記第一の誘電体の第一の面の少
    なくとも一部に設けた誘電体バリア放電を行うための第
    一の電極と、 前記間隙に対面しない前記第二の誘電体の第一の面の少
    なくとも一部に設けた誘電体バリア放電を行うための第
    二の電極と、 前記間隙に対面する、前記第一の誘電体の第二の面と前
    記第二の誘電体の第二の面によって形成され、平均放電
    ギャップ長がD(mm)であって、前記誘電体バリア放
    電によってエキシマ分子を形成する放電用ガスが全圧P
    (Pa)で充填され、PとDとの積であるPDが70k
    Pa・mm以上である放電空間と、 前記エキシマ分子からの光を取り出す光取り出し窓部と
    からなる誘電体バリア放電を利用した誘電体バリア放電
    ランプ装置において、 放電ギャップ長d(mm)が前記放電空間の平均放電ギ
    ャップ長D(mm)未満である狭ギャップ部分を、前記
    放電空間の一部に設けたことを特徴とする誘電体バリア
    放電ランプ。
  2. 【請求項2】 前記狭ギャップ部分の放電ギャップ長d
    (mm)が前記放電空間の平均距離のD(mm)の0.
    3から0.8倍の範囲にあることを特徴とする請求項1
    に記載の誘電体バリア放電ランプ。
  3. 【請求項3】 前記第一の誘電体と前記第二の誘電体が
    概略円筒状であり、かつ、前記第二の誘電体が前記第一
    の誘電体の内側に設置され、 前記第二の誘電体の概略中心軸が前記第一の誘電体の概
    略中心軸とずれていることを特徴とする請求項1または
    請求項2に記載の誘電体バリア放電ランプ。
  4. 【請求項4】 前記第一の誘電体と前記第二の誘電体が
    概略円筒状であり、 前記光取り出し窓部が前記第一の誘電体の一端に設置さ
    れ、 かつ、前記第一の誘電体の他端の一部を細くすることに
    よって前記狭ギャップ部分を設けたことを特徴とする請
    求項1乃至請求項3のいずれかに記載の誘電体バリア放
    電ランプ。
  5. 【請求項5】 前記第一の誘電体と前記第二の誘電体が
    概略円筒状であり、かつ、前記第二の誘電体が前記第一
    の誘電体の内側に設置され、 概略円筒状である前記第二の誘電体の一部を太くするこ
    とによって前記狭ギャップ部分を構成したことを特徴と
    する請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の誘電体バ
    リア放電ランプ。
  6. 【請求項6】 交流電源と、 前記交流電源からの電力を、前記第一の電極と前記第二
    の電極に供給する給電線を有し、 前記第二の電極と前記給電線との接続が、概略円筒状で
    ある前記第二の誘電体の一部を太くした部分で行われて
    いることを特徴とする請求項5に記載の誘電体バリア放
    電ランプ。
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