JP3168848B2 - 誘電体バリア放電ランプ装置 - Google Patents

誘電体バリア放電ランプ装置

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JP3168848B2
JP3168848B2 JP28392494A JP28392494A JP3168848B2 JP 3168848 B2 JP3168848 B2 JP 3168848B2 JP 28392494 A JP28392494 A JP 28392494A JP 28392494 A JP28392494 A JP 28392494A JP 3168848 B2 JP3168848 B2 JP 3168848B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、光化学反応用
の紫外線光源として使用される放電ランプ装置の一種
で、誘電体バリア放電によってエキシマ分子を形成し、
該エキシマ分子から放射される光を利用するいわゆる誘
電体バリア放電ランプ装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明に関連した技術としては、例え
ば、日本国公開特許公報平1−144560号があり、
そこには、放電容器にエキシマ分子を形成する放電用ガ
スを充填し、誘電体バリア放電(別名オゾナイザ放電あ
るいは無声放電。電気学会発行改定新版「放電ハンドブ
ック」平成1年6月再版7刷発行第263ページ参照)
によってエキシマ分子を形成せしめ、該エキシマ分子か
ら放射される光を利用するランプ、すなわち誘電体バリ
ア放電ランプについて記載されており、該放電容器は円
筒状であり、該放電容器の少なくとも一部は該誘電体バ
リア放電の誘電体を兼ねており、該誘電体は光透過性で
あり、該誘電体の少なくとも一部に導電性網状電極が設
けられた誘電体バリア放電ランプが記載されている。
【0003】以下、誘電体バリア放電ランプの概略図で
ある図1を使用して、一般的な誘電体バリア放電の概要
について説明する。放電容器1は誘電体であるガラス製
で、内側管2、外側管3を同軸に配置して中空円筒状に
したものである。外側管3の外面には光通過性の誘電体
バリア放電用の電極4が、内側管2の外面にはアルミニ
ウムの蒸着によって形成した光反射膜を兼ねた誘電体バ
リア放電用の電極5がそれぞれ設けられている。前記電
極5を機械的、化学的に保護するために、電極5の上に
窒化ほう素からなる保護膜9が設けられている。
【0004】電極4に対面した外側管3の内表面と電極
5に対面した内側管2の内表面の間には放電空間8が形
成される。なお、前記二つの内表面間の距離は、放電容
器1の加工精度によっては、必ずしも放電空間8の到る
ところで均一である訳ではない。従って、放電空間8の
放電ギャップ長も、放電空間8の到るところで均一とは
ならない。そこで中空円筒状である放電容器1の中心軸
と垂直であって、前記中心軸と交差する直線群のうち、
前記放電容器1の両端部からの距離が等しい直線を基準
線とし、前記基準線と中心軸方向に等間隔である複数の
直線を、前記基準線を中心として対称に、基準線を含み
7本以上前記直線群より選択し、選択した複数の直線が
前記二つの内表面と交差する地点での内表面間の距離を
加算平均したものを、放電空間8の平均放電ギャップ長
dとする。
【0005】放電空間8に、誘電体バリア放電によって
エキシマ分子を形成する放電用ガスを充填し、交流電源
10によって電極4,5に電圧を印加すると、放電空間
8に誘電体バリア放電が安定に発生し、エキシマ光が放
出される。
【0006】数十トール以上の中気圧または高気圧のア
ーク放電ランプなどで発生する通常のアーク放電におい
ては、放電空間に放電プラズマが一条だけ存在し、電極
面上には一個の小さな電極輝点が生じている。すなわ
ち、電極の面積を大きくしても実質的に電極としての役
割をしている部分は非常に小さい部分であり、放電プラ
ズマは一条だけ存在する。一方、前記放電ハンドブック
に記載されているように、誘電体バリア放電において
は、その放電路に誘電体が挿入されている。この誘電体
は放電プラズマが一条に収斂するのを阻止するので、プ
ラズマの直径が非常に小さく、かつ、放電の持続時間が
非常に短い微小な放電プラズマ(以後これをマイクロプ
ラズマと記す)が放電空間に多数存在することになる。
【0007】並列に接続した複数個の誘電体バリア放電
ランプを一個の電源で点灯することが出来るのは、上記
した多条のマイクロプラズマが存在するからである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のような誘電体バ
リア放電ランプは、従来のグロー放電ランプやアーク放
電ランプには無い種々の特長を有しているため有用であ
る。特に、以下の構成の誘電体バリア放電ランプは、下
記のように種々の利点を有する。 (1)放電容器を概略円筒状にし、該放電容器の内側の
外面に該放電容器と概略同軸に内部電極を設けた構造に
すると、市販のガラス管、セラミックス管等を流用する
事が出来、かつ、構造も簡単になるので製作が容易にな
り、従って安価に誘電体バリア放電ランプを提供できる
という利点が生じる。 (2)1個の電源に接続されている該誘電体バリア放電
ランプの該導電性網状電極に対接した該放電容器の面積
の合計が160平方センチメートル以上であると、コン
パクトな装置で比較的大きな被処理物を一括して照射出
来るという利点が生じる。 (3)誘電体バリア放電ランプへの電気入力を該導電性
網状電極に対接した該放電容器の平方センチメートルで
表した面積で除した値を、以下、これを管壁負荷と記す
が、0.5W/cm2以下にすると、放電容器の温度上
昇が少なく、従って、被照射物を過剰に加熱しないとい
う利点が生じる。さらに、放電容器単位面積への紫外線
の入力が小さくなるので、放電容器の劣化が少なくな
り、長寿命が得られるという利点が生じる。
【0009】誘電体バリア放電ランプへの電気入力は、
電気学会オゾナイザ専門委員会編、コロナ社発行「オゾ
ナイザーハンドブック」1960年発行第232〜23
ページに記載されている、印加電圧とランプを流れる
電流の積分値、即ち電荷量(記号Q)のリサージュ図の
測定から求めた。図2に、横軸に印加電圧をとり、縦軸
に電荷量をとったリサージュ図の一例を示す。直線AB
と直線CDが平行、直線BCと直線ADが平行な二等辺
四辺形が得られ、該二等辺四辺形の面積から放電ランプ
への電気入力が算出される。直線ABおよび直線CDが
直線からややずれて曲線状になることも有ったが、この
場合はこれらの曲線を直線で近似した。
【0010】しかし、従来の誘電体バリア放電ランプ
は、以下のような欠点があることがわかった。市販のガ
ラス管、セラミックス管等には、個々の管および1本の
管の軸方向位置において肉厚、管径などにばらつきがあ
り、これが、個々のランプおよび1本のランプの軸方向
位置における光出力のばらつきを引き起こす。例えば、
図1において、外側管3の肉厚が図の左端で厚くなって
いるとすると、図の左端において電気入力が低下し、光
出力が低下する。すなわち、図の左端から遠い部分では
十分な光出力が有るのに対して、図の左端に近づくに連
れて光出力が低下することになる。この欠点は、放電容
器の管壁を誘電体バリア放電の誘電体として使用してい
る誘電体バリア放電ランプ独特のものである。
【0011】上記した肉厚、管径などのばらつきによる
光出力のばらつきは、当然ながら該誘電体バリア放電ラ
ンプの該導電性網状電極に対接した該放電容器の面積が
大きくなるに従って増大し、さらに、該管壁負荷の減少
に従って増大する。特に、該面積が160平方センチメ
ートル以上で、かつ、該管壁負荷が0.5W/cm2
下の場合には、上記した肉厚、管径などのばらつきおよ
び加工精度による放電ギャップ長のばらつきによる光出
力のばらつきが実用上無視できなかった。該面積は、並
列に接続した複数個の誘電体バリア放電ランプを一個の
電源で点灯するばあいには、それぞれの誘電体バリア放
電ランプの該面積の合計であることは自明である。
【0012】本発明は、以上のような事情に基づいて成
されたものであって、その課題は、1個の電源に接続さ
れている該誘電体バリア放電ランプの該導電性網状電極
に対接した該放電容器の面積の合計が160平方センチ
メートル以上であり、該誘電体バリア放電ランプへの電
気入力を該導電性網状電極に対接した該放電容器の平方
センチメートルで表した面積で除した値が0.5W以下
である誘電体バリア放電ランプ装置において、個々のラ
ンプおよびランプの軸方向位置による光出力のばらつき
の無い誘電体バリア放電ランプ装置を提供することであ
る。
【0013】
【問題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の請求項1の発明は、少なくとも外形が概略
円筒状である光透過性の放電容器と、該放電容器の外面
の少なくとも一部の全周に設けた導電性網状電極と、該
放電容器の内側の外面に該放電容器と概略同軸に設けた
内部電極と、該放電空間内に充填されたクリプトンと塩
素ガスを主成分とした放電用ガスからなる少なくとも1
個の誘電体バリア放電ランプと、誘電体バリア放電を行
うための少なくとも一個の電源を備え、1個の電源に接
続されている該誘電体バリア放電ランプの該導電性網状
電極に対接した該放電容器の面積の合計は160平方セ
ンチメートル以上であり、該誘電体バリア放電ランプへ
の電気入力を該導電性網状電極に対接した該放電容器の
平方センチメートルで表した面積で除した値が0.5W
/cm2以下である誘電体バリア放電ランプ装置におい
て、ボルトで表した放電開始電圧をVs、ランプへの印
加電圧をVpとした時、誘電体バリア放電ランプの放電
ギャップ、ガス圧、電源の出力電圧、周波数等を調整す
ることにより、Vs/Vpの値を0.55以下に規定し
たものである。
【0014】本発明の請求項2の発明は、請求項1の発
明において、ボルトで表した放電維持電圧をVm、cm
で表した放電ギャップ長をd、キロパスカルで表したク
リプトンと塩素ガスの圧力をpとした時、(Vm/d)
/pの値を35V/cm/kPaから80V/cm/k
Paの範囲に有るように構成したものである。
【0015】本発明の請求項3の発明は、請求項1ある
いは請求項2の発明において、2本以上の該誘電体バリ
ア放電ランプを並列に配置することにより、実質的な平
面状光源を構成したものである。
【0016】
【作用】少なくとも外形が概略円筒状である光透過性の
放電容器と、該放電容器の外面の少なくとも一部の全周
に設けた導電性網状電極と、該放電容器の内部に該放電
容器と概略同軸に設けた内部電極と、該放電容器内に充
填されたクリプトンと塩素ガスを主成分とした放電用ガ
スからなる少なくとも1個の誘電体バリア放電ランプ
と、誘電体バリア放電を行うための少なくとも一個の電
源を備え、1個の電源に接続されている該誘電体バリア
放電ランプの該導電性網状電極に対接した該放電容器の
面積の合計は160平方センチメートル以上であり、該
誘電体バリア放電ランプへの電気入力を該導電性網状電
極の平方センチメートルで表した面積で除した値が0.
5W以下である誘電体バリア放電ランプ装置において、
以下の事実を見いだした。
【0017】すなわち、個々のランプおよび一本のラン
プにおける管軸方向の位置における光出力のばらつき
は、ランプへの印加電圧Vpに対する放電開始電圧Vs
の割合に関係し、Vs/Vpが小さくなるにつれて低下
することを見いだした。なお、上記した放電開始電圧V
sおよび印加電圧Vpは、図2に示したリサージュ図か
ら求めたもので、それぞれ、DおよびCを横軸に投影し
た値の二分の一である。
【0018】ランプへの印加電圧Vpに対する放電開始
電圧Vsの割合が小さくなるに従って光出力のばらつき
が減少する機構は、以下のようであると推測される。図
2に示したリサージュ図において、ADおよびCB間は
放電が休止している期間であり、DおよびBで放電が開
始し、DCおよびBA間で該マイクロプラズマの発生と
消滅が繰り返し行われる。
【0019】放電開始電圧Vsがばらつくと、DCおよ
びBA間における該マイクロプラズマの発生回数がばら
つくことになる。放電開始電圧Vsに対して印加電圧V
pが十分に大きくない場合には、該マイクロプラズマの
発生回数が少なく、従って、放電開始電圧Vsのばらつ
きによる光出力のばらつきの割合が大きくなる。しか
し、印加電圧Vpに対する放電開始電圧Vsの割合が小
さい場合には、例え、放電開始電圧Vsがばらついたと
しても、該マイクロプラズマの発生回数が多いので光出
力のばらつきの割合が低下するものと考えられる。すな
わち、個々のランプおよび一本のランプにおける管軸方
向の位置における光出力のばらつきは、ランプへの印加
電圧Vpに対する放電開始電圧Vsの割合が小さくなる
に従って減少する傾向があり、特に、Vs/Vpの値が
0.55以下になると光出力のばらつきは急激に低下す
ることを見いだした。
【0020】本発明の請求項1の発明においては、ラン
プへの印加電圧Vpに対する放電開始電圧Vsの割合、
Vs/Vpの値を0.55以下に限定したので、放電容
器の管壁の肉厚、外径あるいは放電ギャップ長がばらつ
いたとしても、個々のランプおよび一本のランプの管軸
方向の位置における光出力のばらつきが小さい誘電体バ
リア放電ランプ装置を得ることが出来る。
【0021】本発明の請求項2の発明においては、ボル
トで表した放電維持電圧をVm、cmで表した放電ギャ
ップ長をd、キロパスカルで表したクリプトンと塩素ガ
スの圧力をpとした時、(Vm/d)/pの値を35V
/cm/kPaから80V/cm/kPaの範囲に規定
したので、光出力のばらつきが小さいという利点に加え
て、高効率の誘電体バリア放電ランプ得ることが出来
る。
【0022】請求項2の発明において高効率が得られる
機構は、以下のようである。我々は、図1と類似の構造
の誘電体バリア放電ランプにおいて、放電ギャップ長d
(cm)とクリプトンと塩素ガスの圧力p(キロパスカ
ル)を種々に変えて、発光効率と放電の安定性を調べ
た。なお、本発明に置ける放電ギャップ長dは、放電空
間構造が電極−誘電体−放電空間−誘電体−電極の場合
は、放電空間を挟む誘電体内表面間の距離であり、放電
空間構造が電極−誘電体−放電空間−電極の場合は、放
電空間を挟む誘電体内表面と対向する電極内表面間の距
離である。また、クリプトンと塩素ガスの圧力pは25
℃における値である。
【0023】発光効率を支配する最も大きな因子は放電
プラズマ中の電子のエネルギーであると考えられる。こ
こでV/dをEと置き替え、E/pを換算電界と呼ぶが
電子のエネルギーは換算電界E/pに強く依存する。発
光効率は、換算電界E/pが35より小さい範囲では1
0%よりも低下し、誘電体バリア放電ランプの高効率化
の目的は得られなくなった。また、換算電界E/pが8
0を越えると、発光効率はかなり低下し、90を越える
と、放電が不安定になり、光出力が不安定になった。即
ち、放電ギャップ長dとクリプトンと塩素ガスの圧力p
を調整することにより、換算電界E/pを35から80
の範囲内にすると、発光効率が10%を越え、さらに放
電も安定である誘電体バリア放電ランプが得られる。
【0024】なお、放電維持電圧Vmは、図2のリサー
ジュ図の測定から求めたもので、直線CDが横軸と交わ
る点の電圧の二分の一に相当する。
【0025】本発明の請求項3の発明においては、請求
項1あるいは請求項2の発明において、2本以上の該誘
電体バリア放電ランプを並列に配置することにより、光
出力の空間的なばらつきが小さく、かつ、高効率である
実質的な平面状光源装置を安価に得ることが出来る。
【0026】
【実施例】本発明の第1の実施例である誘電体バリア放
電ランプ装置の概略図を図1に示す。放電容器1は全長
約300mmの石英ガラス製で、外径16mm、肉厚1
mmの内側管2、外径約30mm、肉厚1.5mmの外
側管3を同軸に配置して中空円筒状にしたものである。
内側管2および外側管3の管軸方向の肉厚のばらつきは
±0.1mmである。外側管3は誘電体バリア放電の誘
電体バリアと光取り出し窓部材を兼用しており、その外
面に光を透過する金属網からなる電極4が設けられてい
る。金属網の管軸方向の長さは250mmである。すな
わち、該網状電極4に対接した該放電容器の面積は23
5平方センチメートルである。また、内側管2の外面
(放電容器の内側の外面)にはアルミニウムの蒸着によ
って形成した光反射膜を兼ねた誘電体バリア放電用の内
側電極5が設けられている。前記電極5を機械的、化学
的に保護するために、電極5の上に窒化ほう素からなる
保護膜9が設けられている。
【0027】電極4に対面した外側管3の内表面と電極
5に対面した内側管2の内表面の間には放電空間8が形
成される。従って、放電空間8における放電ギャップ長
dは約0.65cmである。
【0028】放電空間8に放電用ガスとして33kPa
のクリプトンと塩素ガスを充填して、周波数が約13k
Hzの電源10を使用してランプへの印加電圧をVpを
約12kVにして点灯したところ、該誘電体バリア放電
ランプの表面積1平方センチメートルあたりの入力電力
は0.3ワット、換算電界E/pは70V/cm/kP
a、Vm/Vpは0.36になり、クリプトン塩素のエ
キシマ分子から放射された波長222nmに最大値を有
する紫外線が、ランプの管軸方向位置でばらつくこと無
く、均一に、高効率で放出された。
【0029】本発明の第2の実施例の縦断面図を図3に
示す。実施例1の同軸円筒型誘電体バリア放電ランプと
類似の4本の誘電体バリア放電ランプ1a,1b,1
c,1dを、アルミニウムからなる冷却ブロック34に
並行して設置した構成で、ランプ1a,1bは電源10
aに並列接続されており、ランプ1c,1dは電源10
bに並列接続されている。30a,30b,30c,3
0dは、冷却用流体を流す孔である。誘電体バリア放電
ランプ1a,1b,1c,1dの外径は26.5mm、
放電ギャップ長は5mm、クリプトンと塩素ガスの封入
圧力は33kPa、ランプ一本当たりの網電極の長さは
250mmである。一個の電源に接続されているランプ
の該網状電極に対接した該放電容器の面積の合計は、4
16平方センチメートルである。
【0030】誘電体バリア放電ランプ1a,1b,1
c,1dは、石英ガラスからなる光取り出し窓31、冷
却ブロック34、側板35a,35bおよび図示してい
ないがランプの両端部の方向に位置する側板によって密
閉されている。光取り出し窓31の有効面積は、240
mm×240mmである。誘電体バリア放電ランプ1
a,1b,1c,1dと石英ガラスからなる光取り出し
窓31の間の空間36は、不活性ガス導入口32から導
入した窒素ガスで充満されている。尚、33は不活性ガ
ス排出口である。
【0031】電源10a,10bのランプ印加電圧を
8.5kVにしたところ、管壁負荷は0.25W/cm
2 、Vs/Vpは0.38、E/pは70V/cm/k
Paになり、波長222nmに最大値を有する紫外線
が、ランプの管軸方向位置でばらつくこと無く、かつ、
個々のランプによってばらつくことがなく、均一に、高
効率で放出された。その結果、光取り出し窓31の表面
においては均一な放射照度が得られ、実質的な平面光源
が安価に得られた。
【0032】本発明の第3の実施例は、第2の実施例に
おいて、電源10aにランプ1a,1dを接続し、電源
10bにランプ1b,1dを接続した構成である。電源
10aの出力を調整することによって、光取り出し窓3
1の中央部と周辺部の放射照度の比を変えられるという
利点が生じる。
【0033】本発明の第4の実施例は、第2の実施例に
おいて、ランプ1a,1b,1c,1dを一個の電源に
接続した構成である。第2の実施例と同等の効果が得ら
れ、さらに、電源部がコンパクトになるという利点が生
じる。
【0034】上記したすべての例は、蛍光体を有しな
い、いわゆる誘電体バリア放電紫外線放射ランプであっ
たが、放電容器に蛍光体を設けたいわゆる誘電体バリア
放電蛍光ランプにも適用できることは自明である。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、次の効果を得ることが出来る。本発明の請求項1の
発明においては、ランプへの印加電圧Vpに対する放電
開始電圧Vsの割合、Vs/Vpの値を0.55以下に
限定したので、放電容器の管壁の肉厚、外径あるいは放
電ギャップ長がばらついたとしても、個々のランプおよ
び一本のランプの管軸方向の位置における光出力のばら
つきが小さいという効果を有する。従って、放電容器と
して特別な材料を使用すること無く、市販の材料を使用
することが出来るので、安価に誘電体バリア放電ランプ
装置を得ることが出来ると言う利点が生じる。
【0036】本発明の請求項2の発明においては、請求
項1の発明において、ボルトで表した放電維持電圧をV
m、cmで表した放電ギャップ長をd、キロパスカルで
表したクリプトンと塩素ガスの圧力をpとした時、(V
m/d)/pの値を35V/cm/kPaから80V/
cm/kPaの範囲に規定したので、光出力のばらつき
が小さいという利点に加えて、高効率の誘電体バリア放
電ランプ装置を得ることが出来ると言う利点が生じる。
【0037】本発明の請求項3の発明においては、請求
項1あるいは請求項2の発明において、2本以上の該誘
電体バリア放電ランプを並列に配置するので、光出力の
空間的なばらつきが小さく、かつ、高効率である実質的
な平面状光源装置を安価に得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘電体バリア放電ランプ装置の実施例
の説明図である。
【図2】リサージュ図の説明図である。
【図3】本発明の誘電体バリア放電ランプ装置の他の実
施例の説明図である。
【符号の説明】
1 放電容器 1a,1b,1c,1d 誘電体バリア放電ランプ 2 内側管 3 外側管 4 網状電極 5 内側電極 31 光取り出し窓 34 冷却ブロック 35a,35b 側板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 小島 寛史 (56)参考文献 特開 平6−215736(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 65/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外形が概略円筒状である光透過性の放電容
    器と、該放電容器の外面の少なくとも一部の全周に設け
    た導電性網状電極と、該放電容器の内側の外面に該放電
    容器と概略同軸に設けた内部電極と、該放電空間内に充
    填されたクリプトンと塩素ガスを主成分とした放電用ガ
    スからなる少なくとも1個の誘電体バリア放電ランプ
    と、誘電体バリア放電を行うための少なくとも一個の電
    源を備え、1個の電源に接続されている該誘電体バリア
    放電ランプの該導電性網状電極に対接した該放電容器の
    面積の合計は160平方センチメートル以上であり、該
    誘電体バリア放電ランプへの電気入力を該導電性網状電
    極に対接した該放電容器の平方センチメートルで表した
    面積で除した値が0.5W/cm 2 以下である誘電体バ
    リア放電ランプ装置において、ボルトで表した放電開始
    電圧をVs、ランプへの印加電圧をVpとした時、Vs
    /Vpの値を0.55以下に規定したことを特徴とする
    誘電体バリア放電ランプ装置。
  2. 【請求項2】 ボルトで表した放電維持電圧をVm、c
    mで表した放電ギャップ長をd、キロパスカルで表した
    クリプトンと塩素ガスの圧力をpとした時、(Vm/
    d)/pの値を35から80の範囲に規定したことを特
    徴とする請求項1に記載の誘電体バリア放電ランプ装
    置。
  3. 【請求項3】 2本以上の該誘電体バリア放電ランプを
    並列に配置し、実質的な平面状光源を構成したことを特
    徴とする請求項1もしくは請求項2に記載の誘電体バリ
    ア放電ランプ装置。
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