JPH08313195A - 銃身射出口内面に硬質皮膜を施した猟銃 - Google Patents

銃身射出口内面に硬質皮膜を施した猟銃

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JPH08313195A
JPH08313195A JP14257495A JP14257495A JPH08313195A JP H08313195 A JPH08313195 A JP H08313195A JP 14257495 A JP14257495 A JP 14257495A JP 14257495 A JP14257495 A JP 14257495A JP H08313195 A JPH08313195 A JP H08313195A
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JP
Japan
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barrel
hunting
steel
rifle
hard film
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Application number
JP14257495A
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English (en)
Inventor
Naoaki Kitagawa
直明 北川
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Publication date
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  • Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高硬度の装弾でも銃身内部が摩耗されにく
く、膨らみが発生しないような表面処理を施した猟銃を
提供することを目的とするものである。 【構成】 炭素鋼またはステンレス鋼で作られている猟
銃射出口付近内表面を、TiN 、CrN 、TiAlN 、TiCNから
なる群から選ばれた少なくとも1種類の硬質皮膜で被覆
することによつて銃身射出口内面に硬質皮膜を施した猟
銃を構成し、目的を達し得た。 【効果】 銃身発射口付近内周面に硬質皮膜を施したの
で、銃身に絞りが設けられ、スチール散弾が用いられて
も、銃身が摩耗したり、銃身の変形を生じたりせず、通
常の鉛散弾を使用しても何ら問題はなく、銃身寿命が従
来より長くなるなど優れた効果が認められる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、日本国内において合法
的に所持でき、散弾を使用する猟銃、特に銃身射出口内
面に硬質皮膜を施した猟銃に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から狩猟に際して鉛製の散弾が使用
されているが、水鳥の狩猟に際しては、発射範囲が比較
的限られてるために、発射後、周辺に撒かれた鉛製散弾
が湖沼の底や岸辺に堆積するようになる。一方、水鳥に
は、餌と小砂利とを一緒に飲み込み、砂袋に蓄えて食物
を消化するという習性がある。このために、堆積してい
た鉛製散弾も小砂利と一緒に飲み込まれてしまい鉛の毒
が体内に吸収される結果、水鳥が死亡するに至り、環境
破壊をおこす原因となつている。したがつて、狩猟先進
国であるアメリカ、ヨーロツパなどでは、水鳥猟には、
鉛製散弾の使用を禁止し、スチール製散弾の使用を義務
づける法規制も検討されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】我国においても、当
然、同様な問題があり、通産省の指導の下で銃身が炭素
鋼に、クロムメツキ、クロム・モリブデンメツキを施し
た従来の猟銃を使用してスチール製散弾の発射試験を行
つた結果、銃身発射口付近(炭素鋼またはステンレス鋼
製のチョーク部材を取り付けた場合も含む。以下この部
分を「チョーク部」という)に、リング状態の膨らみが
認められた。このようにスチール製散弾を従来の猟銃で
撃つた場合に、チョーク部に膨らみを発生するのは、ス
チールは、鉛に較べて硬度が10倍も硬く、その硬度に銃
身が耐えられないためである。一方、これまで国内向け
に出荷されたほとんどの猟銃は、鉛製散弾用として作ら
れており、毒性の無いスチール製散弾に対応できる銃身
を有する猟銃はほとんど無いのが現状であり、毒性の無
いスチール製散弾に対応できる銃身を有する猟銃が望ま
れている。
【0004】本発明は、このような高硬度の装弾でも銃
身内部が摩耗しにくく、膨らみが発生しないような表面
処理を施した猟銃を提供することを目的とするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記問題を
解決し、前記目的を達成するために研究を重ねた結果、
炭素鋼銃身の内表面に硬質皮膜を施すことによつて目的
を達し得ることを見出して本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、炭素鋼またはステンレス鋼で作ら
れている猟銃射出口内表面を、TiN 、CrN 、TiAlN 、Ti
CNからなる群から選ばれた少なくとも1種類の硬質皮膜
で被覆してなる銃身射出口内面に硬質皮膜を施した猟銃
であり、猟銃先端部分に取り付け、散弾の拡がりを制御
するための炭素鋼またはステンレス鋼で作られているチ
ョーク部材の内表面を、TiN 、CrN 、TiAlN 、TiCNから
なる群から選ばれた少なくとも1種類の硬質皮膜で被覆
したチョークを有してなる銃身射出口内面に硬質皮膜を
施した猟銃である。銃身としては、ニツケル- クロム
鋼、ニツケル- クロム- モリブデン鋼、ステンレス鋼な
どで作られ、射出口付近は散弾の拡がりを押さえるため
に口径を絞つた部分を有している。また先端部分に炭素
鋼またはステンレス鋼で作られたチョークと呼ばれる部
材を有するものもある。
【0006】硬質皮膜としては、TiN 、CrN 、TiAlN 、
TiCNからなる群から選ばれた少なくとも1種類を使用す
る。硬質皮膜を施す方法としては、蒸着法、スパッタリ
ング法、イオンプレーティング法など公知の方法が適用
できるが、強固な付着力が要求される皮膜に対しては、
イオンプレーティング法が好ましく、皮膜厚さとして
は、部位によつても異なるが、発射口から20mmのところ
で 3μm程度とすることが好ましい。
【0007】
【作用】銃身は一般的に、ニツケル- クロム鋼、ニツケ
ル- クロム- モリブデン鋼、ステンレス鋼などで作ら
れ、銃腔内表面には錆防止のために、クロムメツキが施
されている。硬質皮膜は、散弾の拡がりを押さえるため
に口径がせばまつており、摩耗が激しく、散弾の圧力も
高い場所である銃身の発射口付近(チョーク部)に施す
ものであり、これによつて、鉛散弾の場合には、散弾が
軟らかいのでチョーク部に当たつたときにつぶれて通り
抜けて行くのに対して、スチール散弾の場合には、その
ままの形でチョーク部にぶつかつて行くものであるか
ら、チョーク部にリング状の膨らみを発生するものであ
るが、チョーク部に硬質皮膜を施すことによつて、銃身
を傷つけたり、破壊することを防ぎ得るものである。硬
質皮膜の形成方法としては、前記のように、イオンプレ
ーティング法が好ましく、CVD 法でも硬質皮膜は作成で
きるが、1000℃以上の高温で成膜する必要があるために
銃身材質の焼きがなまつて硬度劣化が起きるので不適で
ある。一般の銃身は、前記のように構成され、銃身のビ
ッカース硬度は、400 〜500Hv 、クロムメツキで500 〜
900Hv であるが、これに硬度 200Hv前後のスチール散弾
が数多く通過することによつて、摩耗、変形を生ずるも
のである。しかしながら、チョーク部に施す硬質皮膜
は、硬度が2000Hv前後あるのでスチール散弾を用いても
銃腔内の摩耗、変形を防ぎ得るものである。
【0008】
【実施例】次に、本発明の実施例を添付の図面に基づい
て述べる。図1は、猟銃の銃身先端部の形状例を示す概
略断面図、図2は、イオンプレーティング法における真
空容器内におけるターゲットと銃身との配置関係を示す
説明図である。
【0009】実施例1 イオンプレーティング装置としては、カソードアーク方
式を使用し、Niを12wt%、Moを2.4wt %、Cuを1.3wt %
を含むCr合金を円板状に加工して製作したターゲット2
を真空装置1に取り付けた。銃身(ニクロム・モリブデ
ン製、長さ約71cm、銃身の平行部分の内径18.5mm、チョ
ーク部の内径18mm、絞り長さ40mm)3を銃身外周面にマ
スキングを施して、ターゲット2の中心に対面するよう
に固定台4上に置き、ターゲット蒸発材料が直接銃腔内
に入るように位置させた。真空容器1内を 1×10−5To
rrまで排気し、銃身に1000Vの負のバイアス電圧を印加
し、Cr合金カソードよりアーク放電を生起させた。アー
ク放電を3分間続け、Crなどを蒸発、イオン化させ、銃
腔内をスパッタクリーニングを行つた。この時に、赤外
放射温度計により300 ℃にまで温度が上昇していること
を認めた。次に、Cr合金カソードのアーク放電を止め、
真空容器1内に窒素ガスを流しながら銃身3に300 Vの
負のバイアス電圧を印加し、再びCr合金カソードよりア
ーク放電を行つた。この成膜時間は、60分で、銃身温度
は、450 ℃前後になるようにバイアス電圧を調整した。
【0010】形成された高質皮膜の厚みを銃身先端から
内部に5mm 間隔で入つた位置を切断し、表面研磨し、光
学顕微鏡で拡大して測定した。その結果、先端部内面で
3.8 μm、10mm入つたところで3.6 μm、20mm入つたと
ころで3.6 μm、30mm入つたところで2.0 μm、40mm入
つたところで2.0 μm、50mm入つたところで1.0 μm、
60mm入つたところで0.4 μm、70mm入つたところではほ
とんど成膜されていなかつた。成膜された硬質皮膜表面
のビッカース硬度Hv(荷重50g)は、2400で、Crメツキ
と比較して約3〜5倍の硬度を有していた。
【0011】実施例2 金属蒸発源としてTiを用い、実施例1と同様にして処理
し、TiN を60分間成膜し、同様にして試験した。その結
果は、先端部内面で3.6 μmであつて、CrN とほぼ同等
の膜厚が得られた。またビッカース硬度Hvは、2300であ
つて、これも十分な硬度を有していた。TiN 膜は、金色
であり、銃身外周にマスキングを施さず、イオンプレー
ティングのターゲット2を左右、上下4方向に設けて、
銃身内外面を成膜すれば金色外観の銃身が作成できる。
銃身外周の防錆用の黒化処理も必要なく装飾的な銃身を
得ることができる。なお、得られた皮膜の孔食電位測定
(JIS-G0577 に準拠)を行い孔食電位を求めた結果、SU
S 304 以上の耐食性と孔食性とを示した。
【0012】実施例3 銃身3先端に絞りを調整するために、ネジで固定、取り
外しができる銃身と同様な材質で製作した「チョーク」
と呼ばれる長さが40mmの部材を実施例1、2と同様に処
理して成膜した。その結果、内面に2.0 μm以上の膜厚
が得られた。部材が小さいので、数多く真空容器1内に
設置し、ターゲット2と左右に取り付けて成膜すれば、
5〜10μmという厚膜にもなり、摩耗に関してかなりの
寿命を得ることができる。
【0013】
【発明の効果】本発明は、銃身発射口付近内周面に硬質
皮膜を施したので、銃身に絞りが設けられ、スチール散
弾が用いられても、銃身が摩耗したり、銃身の変形を生
じたりせず、通常の鉛散弾を使用しても何ら問題はな
く、銃身寿命が従来より長くなるなど優れた効果が認め
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】猟銃の銃身先端部の形状例を示す概略断面図で
ある。
【図2】イオンプレーティング法における真空容器内に
おけるターゲットと銃身との配置関係を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1 真空容器 2 ターゲット 3 銃身 4 固定台

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素鋼またはステンレス鋼で作られてい
    る猟銃射出口付近内表面を、TiN 、CrN 、TiAlN 、TiCN
    からなる群から選ばれた少なくとも1種類の硬質皮膜で
    被覆してなることを特徴とする銃身射出口内面に硬質皮
    膜を施した猟銃。
  2. 【請求項2】 猟銃先端部分に取り付け散弾の拡がりを
    制御するための炭素鋼またはステンレス鋼で作られてい
    るチョーク部材の内表面を、TiN 、CrN 、TiAlN 、TiCN
    からなる群から選ばれた少なくとも1種類の硬質皮膜で
    被覆したチョークを有してなることを特徴とする銃身射
    出口内面に硬質皮膜を施した猟銃。
JP14257495A 1995-05-17 1995-05-17 銃身射出口内面に硬質皮膜を施した猟銃 Pending JPH08313195A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1322799A1 (en) * 2000-09-27 2003-07-02 Molecular Metallurgy Inc. Surface treatment for improved hardness and corrosion resistance
US7140140B2 (en) 2004-04-21 2006-11-28 Tohoseiki Co., Inc. Choke tube

Cited By (3)

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