JPH08313079A - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

冷凍サイクル装置

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Publication number
JPH08313079A
JPH08313079A JP16572795A JP16572795A JPH08313079A JP H08313079 A JPH08313079 A JP H08313079A JP 16572795 A JP16572795 A JP 16572795A JP 16572795 A JP16572795 A JP 16572795A JP H08313079 A JPH08313079 A JP H08313079A
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JP
Japan
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frequency
refrigerant
refrigeration cycle
value
control means
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Application number
JP16572795A
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English (en)
Inventor
Yozo Ohata
畑 洋 三 大
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 冷媒の種類や成分比に応じてインバータ周波
数の制御を変更可能とし、各種の冷媒を適切に使用する
ことのできる冷凍サイクル装置を提供する。 【構成】 インバータ方式の冷凍サイクル装置におい
て、要求負荷に応じてインバータの出力周波数を設定す
る能力制御手段と、圧縮機の起動時に所定の周波数で所
定時間運転を行う周波数ホールド制御手段と、設定周波
数まで周波数を移行させる周波数上昇及び下降制御手段
と、運転能力の最大値及び最小値を決定する最大及び最
小周波数制御手段とを備えたインバータ出力周波数制御
手段を設ける。さらに、冷媒の種類、成分比に応じて設
定した複数の冷媒区分と、これらの冷媒区分毎にそれぞ
れ設定された各種周波数値を登録するインバータ出力周
波数設定手段を設ける。また、このインバータ出力周波
数設定手段に登録された冷媒区分に対応する周波数値を
選択し、インバータ出力周波数制御手段による周波数制
御を実行する手段を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷凍サイクル装置に係
わり、特に圧縮機の周波数をインバータで制御する、空
気調和機や冷凍機に使用される空気調和機や冷凍機に使
用されるインバータ方式の冷凍サイクル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、空気調和機や冷凍機に使用され
るインバータ方式の冷凍サイクル装置は、圧縮機と、凝
縮器と、絞り装置と、蒸発器とを順次接続した冷凍サイ
クルを備えている。また、圧縮機にはインバータが接続
されており、このインバータによって圧縮機の周波数が
制御されている。そして、冷凍サイクル内には冷媒が循
環しており、気体状の冷媒は圧縮機で圧縮されて温度・
圧力が上昇(断熱圧縮)した後、凝縮器で放熱して液化
する。そして、液体状の冷媒は膨張弁で膨張した後に蒸
発器に入り、この蒸発器を流れる間に被冷却流体から吸
熱して蒸発する。ここで、冷媒にはR−11、R−22
等のフロンガスが使用されている。
【0003】そして、この従来のインバータ方式の冷凍
サイクル装置は、冷凍サイクルに封入する冷媒を予め1
種類に特定し、特定された冷媒の種類に応じて設計仕様
が決められている。したがって、特定された設計仕様上
の冷媒(例えばR−22)を使用する限りは、圧縮機の
周波数制御等において最適な制御を行うことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の冷凍サイクル装置は、1種類の冷媒を使用する
ことを前提とし、冷媒の種類を変更することを予定して
いないものであるため、他の種類の冷媒を使用すると種
々の不都合が生じていた。すなわち、冷凍サイクル装置
の運転中の圧力特性、温度特性、能力特性、電気特性等
は冷媒の種類や成分比によって異なるため、従来の冷凍
サイクル装置において設計仕様上の冷媒以外の冷媒を使
用すると以下のような種々の不都合が生じる。 (a)冷凍サイクルの異常高圧又は異常低圧 (b)冷凍サイクルの異常過熱 (c)冷凍サイクルの過大能力又は過小能力 (d)起動時の急激な圧力変化による圧縮機内摺動部の
当たり等による信頼性の低下 (e)寝込起動時の急激な吐出圧力上昇による吐油量増
大に起因した潤滑不良によるコンプロック (f)除霜残りによる暖房時の能力不足 そこで、本発明は、上記種々の問題点を解消し、冷媒の
種類や成分比に応じてインバータ周波数の制御を変更可
能とすることによって、各種の冷媒を適切に使用するこ
とのできる冷凍サイクル装置を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
圧縮機、凝縮器、絞り装置、蒸発器等を順次接続してな
る冷凍サイクルと、前記圧縮機の運転周波数を制御する
インバータとを備えた冷凍サイクル装置において、要求
負荷に対応して前記インバータの出力周波数を設定する
能力制御手段と、前記圧縮機の起動時に予め設定された
周波数で所定時間運転を行う周波数ホールド制御手段
と、設定された周波数まで周波数を移行させる周波数上
昇制御手段及び周波数下降制御手段と、運転能力の最大
値及び最小値を決定する最大周波数制御手段及び最小周
波数制御手段とを備えたインバータ出力周波数制御手段
と、冷媒の種類、成分比に応じて設定した複数の冷媒区
分と、これらの冷媒区分毎にそれぞれ設定された、起動
時のホールド周波数値(Fh)、周波数上昇速度(f
u)、周波数下降速度(fd)、最高運転周波数値(F
H)、最低運転周波数値(FL)を登録するインバータ
出力周波数設定手段と、このインバータ出力周波数設定
手段に登録された冷媒区分に対応する周波数値を選択
し、前記インバータ出力周波数制御手段による周波数制
御を実行する手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】請求項2記載の発明は、前記冷媒区分を、
封入された冷媒の種類、成分比及び前記圧縮機の容量を
特定した冷凍サイクルに基づいて設定し、前記冷媒区分
毎の各制御周波数値を、それぞれの冷凍サイクルの各種
特性データと、基準となる冷媒封入時の冷凍サイクルの
特性データとの対比に基づいて設定したことを特徴とす
る。
【0007】請求項3記載の発明は、前記最大周波数制
御手段及び最小周波数制御手段は、前記能力制御手段か
らの運転指令周波数が、前記冷媒区分に対応して設定さ
れた、前記最高運転周波数値(FH)よりも高い値、も
しくは前記最低運転周波数値(FL)よりも低い値とな
った場合、前記最高運転周波数値、もしくは前記最低運
転周波数値に設定するように制御するようにしたことを
特徴とする。
【0008】請求項4記載の発明は、前記周波数上昇制
御手段及び周波数下降制御手段は、前記能力制御手段か
らの運転指令周波数が上昇もしくは下降した場合、前記
冷媒区分に対応して設定された周波数上昇速度(fu)
もしくは周波数下降速度(fd)に応じて、周波数の上
昇もしくは下降制御を行う制御手段を備えたことを特徴
とする。
【0009】請求項5記載の発明は、前記周波数ホール
ド制御手段は、起動時のホールド周波数値(Fh)を、
前記冷媒区分毎にそれぞれ複数備え、起動時にこれら複
数の周波数値を所定時間経過毎に順次切り換えて出力す
るようにしたことを特徴とする。
【0010】請求項6記載の発明は、圧縮機、凝縮器、
絞り装置、蒸発器、四方弁等を順次接続してなる冷凍サ
イクルと、前記圧縮機の運転周波数を制御するインバー
タとを備えた冷凍サイクル装置において、要求負荷に対
応して前記インバータの出力周波数を設定する能力制御
手段と、設定された周波数まで周波数を移行させる周波
数上昇制御手段及び周波数下降制御手段と、インバータ
の出力周波数を制御するインバータ出力周波数制御手段
と、冷媒の種類、成分比に応じて設定した複数の冷媒区
分と、これらの冷媒区分毎にそれぞれ設定された、指令
周波数設定値(Fs)、最高凝縮温度(Tc)、最低蒸
発温度(TE)、除霜周波数(FD)、最大電流(I
m)、最高高圧(Pm)、周波数最小変化幅(df)を
登録する制御値設定手段と、この制御値設定手段に登録
された冷媒区分に対応する制御設定値を選択し、前記イ
ンバータ出力周波数制御手段による周波数制御を実行す
る手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】請求項7記載の発明は、前記冷媒区分を、
封入された冷媒の種類、成分比及び前記圧縮機の容量を
特定した冷凍サイクルに基づいて設定し、前記冷媒区分
毎の各制御設定値を、それぞれの冷凍サイクルの各種特
性データと、基準となる冷媒封入時の冷凍サイクルの特
性データとの対比に基づいて設定したことを特徴とす
る。
【0012】請求項8記載の発明は、前記指令周波数設
定値(Fs)は室温(ta)と設定室温(Ts)との温
度差に応じて段階的に設定された複数の周波数設定値
(Fsn)から成り、前記能力制御手段は前記複数の周
波数設定値のうちの前記温度差の実測値に対応する周波
数値に応じて前記周波数上昇制御手段及び前記周波数下
降制御手段に運転指令を発するようにしたことを特徴と
する。
【0013】請求項9記載の発明は、前記能力制御手段
は、運転電流(i)が前記最大電流(Im)よりも高い
値となった場合、実運転周波数(f)から前記周波数最
小変化幅(df)を引いた値を指令周波数(fs)とす
るようにしたことを特徴とする。
【0014】請求項10記載の発明は、前記能力制御手
段は、凝縮温度(tc)が前記最高凝縮温度(Tc)よ
りも高い値となった場合、実運転周波数(f)から前記
周波数最小変化幅(df)を引いた値を指令周波数(f
s)とするようにしたことを特徴とする。
【0015】請求項11記載の発明は、前記能力制御手
段は、高圧圧力(P)が前記最高高圧(Pm)よりも高
い値となった場合、実運転周波数(f)から前記周波数
最小変化幅(df)を引いた値を指令周波数(fs)と
するようにしたことを特徴とする。
【0016】請求項12記載の発明は、前記能力制御手
段は、蒸発温度(te)が前記最低蒸発温度(TE)よ
りも低い値となった場合、実運転周波数(f)から前記
周波数最小変化幅(df)を引いた値を指令周波数(f
s)とするようにしたことを特徴とする。
【0017】請求項13記載の発明は、前記能力制御手
段は、室温(ta)と設定室温(Ts)との温度差に応
じて、実運転周波数(f)に前記周波数最小変化幅(d
f)を加えた値又は引いた値を指令周波数(fs)とす
るようにしたことを特徴とする。
【0018】請求項14記載の発明は、前記能力制御手
段は、前記熱源側熱交換器に設けられた除霜センサの温
度が所定値よりも低い場合、所定時間経過後に実運転周
波数(f)を前記除霜周波数(FD)とするようにした
ことを特徴とする。
【0019】請求項15記載の発明は、前記冷媒区分の
選択手段は、冷媒の比誘電率と温度を検出し、これらの
値から冷媒の種類、成分比を演算する成分検出装置の出
力により冷媒区分の設定が実行されるようにしたことを
特徴とする。
【0020】
【作用】請求項1記載の発明によれば、能力制御手段は
要求負荷に対応して前記インバータの出力周波数を設定
し、周波数ホールド制御手段は前記圧縮機の起動時に予
め設定された周波数で所定時間運転を行う。また、周波
数上昇制御手段及び周波数下降制御手段は、設定された
周波数まで周波数を移行させる。さらに、最大周波数制
御手段及び最小周波数制御手段は、運転能力の最大値及
び最小値を決定する。
【0021】さらに、インバータ出力周波数設定手段
は、冷媒の種類、成分比に応じて設定した複数の冷媒区
分と、これらの冷媒区分毎にそれぞれ設定された、起動
時のホールド周波数値(Fh)、周波数上昇速度(f
u)、周波数下降速度(fd)、最高運転周波数値(F
H)、最低運転周波数値(FL)とが登録されている。
【0022】そして、冷凍サイクル内に封入された冷媒
の種類及び成分比に基づいて前記インバータ出力周波数
設定手段に登録された複数の冷媒区分の中から最適の区
分が決定され、この冷媒区分に対応する周波数値に基づ
いて前記インバータ出力周波数制御手段によって周波数
制御が行われる。
【0023】請求項2記載の発明によれば、前記冷媒区
分が、封入された冷媒の種類、成分比と、前記圧縮機の
容量を特定した冷凍サイクルに基づいて設定される。ま
た、前記冷媒区分毎の各制御周波数値を、実際の冷凍サ
イクルの吐出圧力、吸込圧力、能力、使用電力の特性デ
ータと、基準となる冷媒封入時の冷凍サイクルの特性デ
ータとの対比に基づいて設定される。
【0024】請求項3記載の発明によれば、前記最大周
波数制御手段は、前記能力制御手段からの運転指令周波
数が、前記冷媒区分に対応して設定された、前記最高運
転周波数値(FH)よりも高い値となった場合、前記運
転指令周波数を前記最高運転周波数値に設定するように
制御される。一方、前記最小周波数制御手段は、前記能
力制御手段からの運転指令周波数が、前記冷媒区分に対
応して設定された、前記最低運転周波数値(FL)より
も低い値となった場合、前記運転指令周波数を前記最低
運転周波数値に設定するように制御される。
【0025】請求項4記載の発明によれば、前記周波数
上昇制御手段は、前記能力制御手段からの運転指令周波
数が上昇した場合、前記冷媒区分に対応して設定された
周波数上昇速度(fu)に応じて周波数の上昇制御を行
う。一方、前記周波数下降制御手段は、前記能力制御手
段からの運転指令周波数が下降した場合、前記冷媒区分
に対応して設定された周波数下降速度(fd)に応じて
周波数の下降制御を行う。
【0026】請求項5記載の発明によれば、前記周波数
ホールド制御手段は、起動時のホールド周波数値(F
h)を、前記冷媒区分毎にそれぞれ複数備え、起動時に
これらの複数の周波数値を所定時間経過毎に順次切り換
えて出力する。
【0027】請求項6記載の発明によれば、能力制御手
段は要求負荷に対応して前記インバータの出力周波数を
設定し、周波数上昇制御手段及び周波数下降制御手段は
設定された周波数まで周波数を移行させ、また、インバ
ータ出力周波数制御手段はインバータの出力周波数を制
御する。
【0028】また、制御値設定手段は、冷媒の種類、成
分比に応じて設定した複数の冷媒区分と、これらの冷媒
区分毎にそれぞれ設定された、指令周波数設定値(F
s)、最高凝縮温度(Tc)、最低蒸発温度(TE)、
除霜周波数(FD)、最大電流(Im)、最高高圧(P
m)、周波数最小変化幅(df)とが登録されている。
【0029】そして、冷凍サイクル内に封入された冷媒
の種類及び成分比に基づいて前記制御値設定手段に登録
された複数の冷媒区分の中から最適の区分が決定され、
この冷媒区分に対応する周波数値に基づいて前記インバ
ータ出力周波数制御手段によって周波数制御が行われ
る。
【0030】請求項7記載の発明によれば、前記冷媒区
分は、封入された冷媒の種類、成分比及び前記圧縮機の
容量を特定した冷凍サイクルに基づいて設定される。ま
た、前記冷媒区分毎の各制御設定値は、それぞれの冷凍
サイクルの各種特性データと、基準となる冷媒封入時の
冷凍サイクルの特性データとの対比に基づいて設定され
る。
【0031】請求項8記載の発明によれば、前記指令周
波数設定値(Fs)は室温(ta)と設定室温(Ts)
との温度差に応じて段階的に設定された複数の周波数設
定値(Fsn)から成り、前記能力制御手段は前記複数
の周波数設定値のうちの前記温度差の実測値に対応する
周波数値に応じて前記周波数上昇制御手段及び前記周波
数下降制御手段に運転指令を発する。
【0032】請求項9記載の発明によれば、前記能力制
御手段は、運転電流(i)が前記最大電流(Im)より
も高い値となった場合、実運転周波数(f)から前記周
波数最小変化幅(df)を引いた値を指令周波数(f
s)とする。
【0033】請求項10記載の発明によれば、前記能力
制御手段は、凝縮温度(tc)が前記最高凝縮温度(T
c)よりも高い値となった場合、実運転周波数(f)か
ら前記周波数最小変化幅(df)を引いた値を指令周波
数(fs)とする。
【0034】請求項11記載の発明によれば、前記能力
制御手段は、高圧圧力(P)が前記最高高圧(Pm)よ
りも高い値となった場合、実運転周波数(f)から前記
周波数最小変化幅(df)を引いた値を指令周波数(f
s)とする。
【0035】請求項12記載の発明によれば、前記能力
制御手段は、蒸発温度(te)が前記最低蒸発温度(T
E)よりも低い値となった場合、実運転周波数(f)か
ら前記周波数最小変化幅(df)を引いた値を指令周波
数(fs)とする。
【0036】請求項13記載の発明によれば、前記能力
制御手段は、室温(ta)と設定室温(Ts)との温度
差に応じて、実運転周波数(f)に前記周波数最小変化
幅(df)を加えた値又は引いた値を指令周波数(f
s)とする。
【0037】請求項14記載の発明によれば、前記能力
制御手段は、前記熱源側熱交換器に設けられた除霜セン
サの温度が所定値よりも低い場合、所定時間経過後に実
運転周波数(f)を前記除霜周波数(FD)とする。
【0038】請求項15記載の発明によれば、前記冷媒
区分の選択手段は、冷媒の比誘電率と温度を検出し、こ
れらの値から冷媒の種類、成分比を演算する成分検出装
置の出力により冷媒区分の設定が実行される。
【0039】
【実施例】以下、本発明による冷凍サイクル装置の各種
の実施例について図面を参照して説明する。第1の実施例 図1において符号1は圧縮機を示し、この圧縮機1の下
流側には凝縮器2が配管を介して接続されている。この
凝縮器2の下流側には絞り装置3が配管を介して接続さ
れており、この絞り装置の下流側には配管を介して蒸発
器4が接続されている。そして、この蒸発器4は配管を
介して圧縮機1に接続され、これら圧縮機1、凝縮器
2、絞り装置3、蒸発器4によって冷凍サイクルが構成
されている。さらに、圧縮機1にはインバータ7が接続
されており、このインバータ7には、インバータ7を制
御するマイコン6が接続されている。このマイコン6は
冷媒選択スイッチ8を備えており、商用電源5から電源
が供給されている。
【0040】図2は、冷媒の種類や成分比が異なる複数
の冷媒区分(A乃至H)と、それぞれの冷媒区分の特性
(吐出圧力、吸込圧力等)を示したものである。この図
からわかるように、冷媒の特性はその種類や成分比によ
って大きく異なる。なお、図2において飽和温度の値
は、温度勾配のあるものについては中間温度を示してい
る。また、No.C(HFC134a)及びNo.G
(HFC32/125)は、冷媒特性に合わせて圧縮機
排除容量を異なるものにして能力をNo.A(R−2
2)と同等にしたものである。また、サイクル温度は、
No.A(R−22)の温度上昇(k)に対する比率で
示されている。
【0041】ここで、本実施例は、冷媒区分AのR−2
2についての特性データを、基準の特性データとしてい
る。なお、後述する第2の実施例以下も同様である。
【0042】本実施例の制御は、図3に示した制御ブロ
ックに基づいて行われる。すなわち、始動信号が発せら
れると(ステップ20)、まず圧縮機2の周波数のホー
ルド制御が行われる(ステップ21)。次に、周波数の
上昇及び下降制御が行われ(ステップ22)、その後に
要求負荷に対応する出力周波数を設定すべく能力制御が
行われる(ステップ23)。次に、運転能力の最大値を
決定すべく最大周波数の制御が行われ(ステップ2
4)、その後に運転能力の最小値を決定すべく最小周波
数の制御が行われる(ステップ25)。この最小周波数
制御(ステップ25)が行われると、周波数ホールド制
御(ステップ21)に戻り、上記一連のステップが繰り
返される。
【0043】図4は、本実施例における制御の要部を示
しており、指令周波数(fs)が最高運転周波数(F
H)よりも大きいか否かを判定し(ステップ115)、
指令周波数(fs)が最高運転周波数(FH)よりも大
きい場合には、指令周波数(fs)を最高運転周波数
(FH)とする(ステップ116)。一方、指令周波数
(fs)が最高運転周波数(FH)よりも大きくない場
合にはそのままとする。
【0044】図6は、図2に示した各冷媒A乃至Hのそ
れぞれに対して、ホールド周波数値(Fh)、周波数上
昇速度(fu)、周波数下降速度(fd)、最高運転周
波数値(FH)、最低運転周波数値(FL)の設定例を
示したものである。そして、マイコン6に設けられた冷
媒選択スイッチ8を切り換えることによって、マイコン
6に記憶された冷媒区分A乃至Hのいずれかを選択する
ことができる。
【0045】次に、本実施例の作用及び効果について説
明する。図2における冷媒区分のNo.B(HFC13
4a)を例に取ると、従来の冷凍サイクル装置によれ
ば、このHFC134aは、No.A(R−22)の
0.7倍の冷却能力が限界である。このため、過負荷運
転等においては能力不足となってしまう。
【0046】そこで、本実施例による冷凍サイクル装置
を用いて、図6に示すように最高運転周波数(FH)
を、R−22の場合の80Hzよりも高い110Hzに
変更すれば、冷媒の循環流量が増大してR−22と同等
の能力が得られる。
【0047】一方、図2における冷媒区分No.F(H
FC32/125)を例に取ると、従来の冷凍サイクル
装置によれば、上記No.B(HFC134a)の場合
とは逆に、冷却能力がNo.A(R−22)の1.6倍
であり能力が大きくなり過ぎる。また、吐出圧力もN
o.A(R−22)の1.7倍、電力も1.6倍であ
り、このままでは圧縮機1が異常高圧や巻き線の過熱破
損を引き起こしてしまうという問題がある。そこで、本
実施例による冷凍サイクル装置を用いて図6に示したよ
うに最高運転周波数(FH)を、R−22の場合の80
Hzよりも低い60Hzに変更すれば、冷媒循環流量が
減少して冷却能力が低下し、吐出圧力及び電流も低下し
て圧縮機1の健全性を維持することができる。
【0048】なお、図6に示した各設定値はこれに限定
されるものではなく、例えば、図6では冷却能力が同等
である冷媒区分No.A、C、D、Eに対して同じ設定
値を用いているが、これらは区分によって多少増減させ
ることもできる。また、ヒートポンプを採用した冷凍サ
イクル装置であれば、冷房運転と暖房運転との間で設定
値を変えることもできる。
【0049】第2の実施例 次に、本発明による冷凍サイクル装置の第2の実施例に
ついて図面を参照して説明する。図5は、本実施例によ
る冷凍サイクルの制御フローチャートを示している。ま
ず、指令周波数(fs)が0か否かを判定し(ステップ
117)、指令周波数(fs)が0の時は停止指令であ
ると判定して実運転周波数(f)を0として圧縮機1を
停止する(ステップ118)。一方、指令周波数(f
s)が0でない時は、指令周波数(fs)が最低運転周
波数(FL)よりも小さいか否かを判定する(ステップ
119)。そして、指令周波数(fs)が最低運転周波
数(FL)よりも小さい時は、指令周波数(fs)を最
低運転周波数(FL)とする(106)。一方、指令周
波数(fs)が最低運転周波数(FL)以上であるとき
はそのままとする。
【0050】次に、本実施例の作用及び効果について説
明する。図2における冷媒区分のNo.B(HFC13
4a)を例に取ると、従来の冷凍サイクル装置によれ
ば、冷媒区分のNo.A(R−22)に比して吸込圧力
が0.6倍と低いため、圧縮機1の内部の各摺動部に対
する給油量が低下するという問題がある。すなわち、通
常、給油は圧縮機1の内部の主軸油溝を介して行われる
ため、周波数が低い場合には主軸回転数が低下して給油
量が減少する。このため、給油不足となって摺動部の当
たりが発生し、圧縮機がロックしてしまうという問題が
あった。
【0051】そこで、本実施例による冷凍サイクル装置
を用いて、図6に示したように最低運転周波数(FL)
をR−22の場合の30Hzよりも高い40Hzに変更
すれば、圧縮機1の主軸の回転数が高くなり、主軸油溝
を介して十分に給油されるために圧縮機のロックが防止
される。
【0052】一方、図2における冷媒区分のNo.F
(HFC32/125)を例に取ると、従来の冷凍サイ
クル装置によれば、冷却能力がR−22の場合に比して
1.4倍と過大である。すなわち、最低運転周波数(F
L)をR−22と同様に30Hzとすると過冷却となっ
てしまう。
【0053】そこで、本実施例による冷凍サイクル装置
を用いて、図6に示したように最低運転周波数(FL)
をR−22の場合の30Hzよりも低い25Hzに変更
すれば、冷媒循環流量が減少して冷却能力が低下し、過
冷却を防止できる。
【0054】第3の実施例 次に、本発明による冷凍サイクル装置の第3の実施例に
ついて図面を参照して説明する。図7は、本実施例にお
ける制御フローチャートを示している。まず、実運転周
波数(f)が指令周波数(fs)よりも小さいか否かを
判定する(ステップ110)。例えば装置の起動時や要
求負荷を高くする際には実運転周波数(f)は指令周波
数(fs)よりも小さいが、このような場合には、実運
転周波数(f)にHzアップ周波数(fu)を加えてこ
の値を新しい実運転周波数(f)とする(ステップ11
1)。そして、1秒経過したら(ステップ112)、ス
テップ110に戻って実運転周波数(f)が指令周波数
(fs)よりも小さいか否かを判定し、小さい場合には
実運転周波数(f)にHzアップ周波数(fu)を加え
てこの値を新しい実運転周波数(f)とする(ステップ
111)。以上のステップは実運転周波数(f)が指令
周波数(fs)に等しくなるまで繰り返される。
【0055】次に、本実施例の作用及び効果について説
明する。図2における冷媒区分のNo.B(HFC13
4a)を例に取ると、従来の冷凍サイクル装置によれ
ば、図6に示したように最高運転周波数(FH)と最低
運転周波数(FL)との差がNo.A(R−22)に比
して大きいので、装置の起動時や要求負荷を高くする際
には追従性が悪くなるという問題がある。
【0056】そこで、本実施例による冷凍サイクル装置
を用いて、図6に示したようにHzアップ周波数(f
u)を、R−22の場合の1Hzよりも大きい1.5H
zとして、周波数の上昇率を大きくしている。
【0057】一方、図2における冷媒区分のNo.F又
はG(HFC32/125)を例に取ると、従来の冷凍
サイクル装置によれば、吐出圧力、吸込圧力がNo.A
に比して高いので、装置の起動時や周波数上昇時に吐出
圧力の急激な上昇と吸込圧力の急激な低下によって圧縮
機1の摺動部がロックするという問題があった。
【0058】そこで、本実施例による冷凍サイクル装置
を用いて、図6に示したように、Hzアップ周波数(f
u)をNo.Fでは7Hz、圧縮機排除容積を小さくし
てR−22と同等の能力としたNo.Gでは0.8Hz
と、R−22よりも小さくする。このようにすれば、装
置の起動時等における吐出圧力の急上昇や吸込圧力の急
低下によって圧縮機1がロックすることを防止できる。
【0059】第4の実施例 次に、本発明による冷凍サイクル装置の第4の実施例に
ついて図面を参照して説明する。図7は、本実施例にお
ける制御フローチャートを示している。まず、実運転周
波数(f)が指令周波数(fu)よりも小さいか否かを
判定する(ステップ110)。そして、要求負荷を低く
する場合のように実運転周波数(f)が指令周波数(f
s)よりも小さくない場合には、次に実運転周波数
(f)が指令周波数(fs)よりも大きいか否かを判定
する(ステップ113)。次に、実運転周波数(f)が
指令周波数(fs)よりも大きい場合には、実運転周波
数(f)からHzダウン周波数(fd)を差し引いた値
を新しい実運転周波数(f)として運転する(ステップ
114)。そして、1秒経過したら(ステップ11
2)、ステップ110に戻って実運転周波数(f)が指
令周波数(fs)よりも小さいか否かを判定し、小さく
ない場合には次に実運転周波数(f)が指令周波数(f
s)よりも大きいか否かを判定する(ステップ11
3)。そして、実運転周波数(f)が指令周波数(f
s)よりも大きい場合には、実運転周波数(f)からH
zダウン周波数(fd)を差し引いた値を新しい実運転
周波数(f)とする(ステップ114)。以上のステッ
プは実運転周波数(f)が指令周波数(fs)に等しく
なるまで繰り返される。
【0060】次に、本実施例の作用及び効果について説
明する。図2における冷媒区分のNo.B(HFC13
4a)を例に取ると、従来の冷凍サイクル装置によれ
ば、図6に示したように最高運転周波数(FH)と最低
運転周波数(FL)との差がNo.A(R−22)に比
して大きいので、要求負荷を低下させる場合等において
追従性が悪くなるという問題がある。
【0061】そこで、本実施例による冷凍サイクル装置
を用いて、図6に示したようにHzダウン周波数(f
d)を、R−22の場合の2Hzよりも大きい2.5H
zとして、周波数の降下率を大きくしている。
【0062】一方、図2における冷媒区分のNo.F又
はG(HFC32/125)を例に取ると、従来の冷凍
サイクル装置によれば、吐出圧力、吸込圧力がNo.A
に比して高いので、要求負荷を低下させる場合等におい
て吐出圧力の急激な低下と低圧圧力の急激な上昇によっ
て異常音や異常振動が発生するという問題があった。
【0063】そこで、本実施例による冷凍サイクル装置
を用いて、図6に示したように、Hzダウン周波数(f
d)をNo.Fでは1.5Hz、圧縮機排除容積を小さ
くしてR−22と同等の能力としたNo.Gでは1.7
Hzと、R−22よりも小さくする。このようにすれ
ば、要求負荷を低下させる場合等において吐出圧力の急
激な低下や低圧圧力の急激な上昇による異常音や異常振
動の発生を防止できる。
【0064】第5の実施例 次に、本発明による冷凍サイクル装置の第5の実施例に
ついて図面を参照して説明する。図8は、本実施例にお
ける制御フローチャートを示している。カウンタnの初
期値は0である(ステップ101)。まず、カウンタn
がホールド終了カウントmか否かを判定する(ステップ
102)。ここでホールド終了カウントmは1よりも大
きい値、例えば5に設定してある。カウンタnがホール
ド終了カウントmに一致しない場合は、タイマーをスタ
ートさせる(ステップ103)。次に、カウンタnの値
を判定し(ステップ104)、このnの値に応じてホー
ルド周波数(Fhn)を決定し、このホールド周波数
(Fhn)を指令周波数(fs)とする(ステップ10
5)。すなわち、n=1であればfs=Fh1、n=2
であればfs=Fh2のようになる。そして、1分経過
する毎に(ステップ106)、カウンタnに1を加え
(ステップ107)、次にタイマをクリアする(ステッ
プ108)。そして、ステップ102に戻って上記ステ
ップを繰り返し、カウンタnがホールド終了カウントm
になったら(ステップ102)、カウンタnをクリアし
て(ステップ109)、Hzホールド制御を終了する。
【0065】次に、本実施例の作用及び効果について説
明する。図2における冷媒区分のNo.F、G、Hを例
に取ると、従来の冷凍サイクル装置によれば、冷媒区分
No.A(R−22)に比して吐出圧力が高いため、寝
込起動時の急激な吐出圧力上昇による吐油量の増加等の
ために潤滑不良を起こし、圧縮機1がロックしてしまう
という問題があった。
【0066】そこで、本実施例による冷凍サイクル装置
を用いて、図6に示したようにホールド周波数Fhnを
R−22よりも低めにすれば、吐出圧力の急上昇を回避
できるので、潤滑不良による圧縮機1のロックを防止す
ることができる。
【0067】一方、図2における冷媒区分のNo.B
(HFC134a)を例に取ると、冷却能力がR−22
に比して0.7倍と低いので、図6に示したようにホー
ルド周波数(Fhn)をR−22よりも高めにする。こ
れによって、装置の起動時における冷却能力の立上がり
不足を解消できる。
【0068】第6の実施例 次に、本発明による冷凍サイクル装置の第6の実施例に
ついて図面を参照して説明する。本実施例は、図9に示
したように、マイコン6は冷媒の種類や成分比を特定す
る演算回路9を内蔵している。また、凝縮器2と絞り装
置3との間にはリキッドタンク10が介装されており、
このリキッドタンク10の内部には静電容量センサ11
及び冷媒温度センサ12が冷媒液に没するように設けら
れている。そして、演算回路9は、静電容量センサ11
及び冷媒温度センサ12からの信号に基づいて冷媒の種
類や成分比を特定する。
【0069】静電容量センサ11は、図10に示したよ
うに同形同大の3枚の方形板電極11A、11B、11
Cがテフロンよりなるスペーサ11Dを介して離間して
平行に設けられている。そして、一対の信号線がそれぞ
れ外側の2枚の電極11A、11Bに接続されている。
静電容量センサ11は、平行平板コンデンサの静電容量
が極板間に充填された物質の種類によって異なることを
利用したものである。
【0070】図11は、本実施例における制御ブロック
を示している。まず、冷媒温度の検出(ステップ20
1)と、静電容量の検出(ステップ202)とを行う。
そして、検出された静電容量に基づいて比誘電率を演算
によって求める(ステップ203)。そして、比誘電率
及び冷媒温度の検出値に基づいて冷媒の種類と成分比を
演算によって特定する(ステップ204)。そして、特
定された冷媒種及び成分比に応じて図6に示した冷媒区
分A乃至Hのいずれかを選択して周波数制御を行う(ス
テップ205)。このように、本実施例による冷凍サイ
クル装置は、冷媒の種類と成分比を自動的に特定し、図
6に示した冷媒区分を自動的に変更、選定するものであ
る。
【0071】第7の実施例 次に、本発明による冷凍サイクル装置の第7の実施例に
ついて図面を参照して説明する。図12は、本実施例に
おける冷凍サイクルの系統図を示し、この図から分かる
ように圧縮機20、四方弁21、熱源側熱交換器22、
絞り装置23、利用側熱交換器24が順次接続されてい
る。圧縮機20にはインバータ25が接続されており、
このインバータ25には、インバータ25を制御するマ
イコン26が接続されている。インバータ25とマイコ
ン26とを接続するラインには電流センサ27が設けら
れている。マイコン26は、冷媒選択スイッチ28を備
えており、商用電源29から電源が供給されている。ま
た、圧縮機20の吐出側には高圧圧力センサ30が、熱
源側熱交換器22には凝縮温度センサ31及び除霜セン
サ32が、利用側熱交換器24には蒸発温度センサ33
が、利用側熱交換器24の近傍には室温センサ34がそ
れぞれ設けられており、これらのセンサはマイコン26
に接続されている。なお、暖房時においては、凝縮温度
センサ31が蒸発温度を検知し、蒸発温度センサ33が
凝縮温度を検知する。
【0072】なお、図12の熱源側熱交換器22と絞り
装置23との間には、上述した第6の実施例において図
9乃至11を参照して説明した、内部に静電容量センサ
11及び冷媒温度センサ12が設けられたリキッドタン
ク10が介設されている。そして、本実施例及び後述す
る第8乃至13の実施例に対して、上記第6の実施例を
適用することができる。
【0073】図13は本実施例における冷房時の制御フ
ローを示し、図14は暖房時の制御フローを示してお
り、図中符号ta、Ts及びFsはそれぞれ室温センサ
34で測定した室温、設定室温及び指令周波数設定値を
示している。これらの図から分かるように、本実施例に
おいては、室温(ta)と設定室温(Ts)との温度差
に応じて各指令周波数設定値(Fs)が設けられて、効
率的な冷却又は暖房を行なうことができる。
【0074】図15は、図2に示した各冷媒A乃至Hの
それぞれに対して、各指令周波数設定値(Fs)の設定
例を示している。そして、マイコン26に設けられた冷
媒選択スイッチ28を切り換えることによって、マイコ
ン26に記憶された冷媒区分A乃至Hのいずれかを選択
することができる。なお、図15には、最高凝縮温度
(TC)、最低蒸発温度(TE)、除霜周波数(F
D)、最大電流(Im)、最高高圧(Pm)、周波数最
小変化幅(df)の設定例も示されているが、これらに
ついては後述する第8の実施例以下で使用する。
【0075】次に、本実施例の作用及び効果について説
明する。図2における冷媒区分のNo.B(HFC13
4a)を例に取ると、従来の冷凍サイクルによれば、こ
のHFC134aは、No.A(R−22)の0.7倍
の能力が限界であるため、各指令周波数設定値(Fs)
をR−22と同様に設定したのでは能力不足になってし
まう。
【0076】そこで、本実施例による冷凍サイクル装置
を用いて、図15に示すように各指令周波数設定値(F
s)をR−22の場合よりも高い値に設定すれば、冷媒
循環量が増加してR−22と同等の能力が得られる。具
体的には、室温センサ34で測定した室温(ta)が設
定室温(Ts)よりも2℃高いTs+2の場合の指令周
波数設定値(Fs7)は、R−22が90Hzであるの
に対し、HFC134aは110Hzに設定されてい
る。また、室温(ta)が設定室温(Ts)よりも1℃
低いTs−1の場合の指令周波数設定値(Fs1)は、
R−22が25Hzであるのに対し、HFC134aは
35Hzに設定されている。
【0077】一方、冷媒区分No.F(HFC32/1
25)を例に取ると、従来の冷凍サイクルによれば、上
記No.B(HFC134a)の場合とは逆に、能力が
No.A(R−22)の1.6倍であり能力が大きくな
り過ぎる。
【0078】そこで、図15に示したように、各指令周
波数設定値FsをR−22よりも低い値に設定すれば、
冷媒循環量が減少してR−22と同等の能力が得られ
る。具体的には、室温センサ34で測定した室温(t
a)が設定室温(Ts)よりも2℃高いTs+2の場合
の指令周波数設定値(Fs7)は、R−22が90Hz
であるのに対し、HFC32/125は65Hzに設定
されている。また、室温(ta)が設定室温(Ts)よ
りも1℃低いTs−1の場合の指令周波数設定値(Fs
1)は、R−22が25Hzであるのに対し、HFC3
2/125は20Hzに設定されている。
【0079】第8の実施例 次に、本発明による冷凍サイクル装置の第8の実施例に
ついて図面を参照して説明する。図16は、本実施例に
よる冷凍サイクル装置の制御フローチャートを示してい
る。まず、電流センサ27で測定した運転電流(i)が
最大電流(Im)よりも大きいか否かを判定し(ステッ
プ301)、大きい場合には指令周波数(fs)を実運
転周波数(f)よりも周波数最小変化幅(df)だけ低
下させ(ステップ302)、ステップ303へ進む。一
方、運転電流(i)が最大電流(Im)よりも大きくな
い場合には、ステップ302を経ることなく、直接ステ
ップ303へ進む。そして、ステップ303では、運転
電流(i)が、最大電流(Im)から電流復帰幅(I
α)を引いた値よりも小さいか否かを判定し、小さい場
合には指令周波数(fs)を指令周波数設定値(Fs)
とする(ステップ304)。ここで、指令周波数設定値
(Fs)は、冷房運転時は図13に示した制御フローで
決定され、暖房運転時は図14に示した制御フローで決
定される。一方、運転電流(i)が、最大電流(Im)
から電流復帰幅(Iα)を引いた値よりも小さくない場
合には、ステップ304を経ることなく、ステップ30
1へ戻る。このようにすれば、インバータ25の電子部
品や圧縮機20の巻線を保護できると同時に、圧縮機2
0の吐出圧力を抑えることができる。
【0080】図2における冷媒区分のNo.D(HFC
32/125/134a)を例に取ると、従来の冷凍サ
イクル装置によれば、このHFC32/125/134
aの吐出圧力は、No.A(R−22)の吐出圧力の
1.1倍と高くなっている。
【0081】そこで、本実施例による冷凍サイクル装置
を用いて、図15に示したように、HFC32/125
/134aの最大電流ImをR−22の0.9倍にすれ
ば、過負荷時の圧縮機20の吐出圧力をR−22の場合
と同等程度に押さえることができる。
【0082】なお、本実施例、及び後述する第9乃至1
2の実施例における周波数最小変化幅(df)は、図1
5に示したように冷媒区分毎に設定された値が適用され
る。
【0083】第9の実施例 次に、本発明による冷凍サイクル装置の第9の実施例に
ついて図面を参照して説明する。図17は、本実施例に
よる冷凍サイクル装置の制御フローチャートを示してい
る。まず、凝縮温度(tc)が最高凝縮温度(Tc)よ
りも大きいか否かを判定し(ステップ305)、大きい
場合には指令周波数(fs)を実運転周波数(f)より
も周波数最小変化幅(df)だけ低下させ(ステップ3
06)、ステップ307へ進む。一方、凝縮温度(t
c)が最高凝縮温度(Tc)よりも大きくない場合に
は、ステップ306を経ることなく、直接ステップ30
7へ進む。そして、ステップ307では、凝縮温度(t
c)が、最高凝縮温度(Tc)から凝縮温度復帰幅(T
cα)を引いた値よりも小さいか否かを判定し、小さい
場合には指令周波数(fs)を指令周波数設定値(F
s)とする(ステップ304)。ここで、指令周波数設
定値(Fs)は、冷房運転時は図13に示した制御フロ
ーで決定され、暖房運転時は図14に示した制御フロー
で決定される。一方、凝縮温度(tc)が、最高凝縮温
度(Tc)から凝縮温度復帰幅(Tcα)を引いた値よ
りも小さくない場合には、ステップ308を経ることな
く、ステップ305へ戻る。このようにすれば、圧縮機
20の吐出圧力を抑えることができる。
【0084】また、図2に示したように、過負荷時等に
おいて圧縮機20の凝縮圧力を2.45MPa以下に抑
えようとすれば、冷房運転時にコンデンサとなる熱源側
熱交換器22の中間に設けられた凝縮温度センサ31に
よって検知された凝縮温度tcを飽和温度以下にすれば
良いが、No.D(HFC32/125/134a)、
No.E(HFC32/134a)、No.F及びG
(HFC32/125)、No.H(HFC125/1
43a/134a)では、過負荷運転時に能力不足にな
る可能性もあるので、圧縮機20をはじめとする冷凍サ
イクル部品の高耐化設計を行い、最高凝縮温度(Tc)
をNo.A(R−22)と同等とすることもできる。
【0085】第10の実施例 次に、本発明による冷凍サイクル装置の第10の実施例
について図面を参照して説明する。図18は、本実施例
による冷凍サイクル装置の制御フローチャートを示して
いる。まず、高圧圧力センサ30で測定した高圧圧力
(P)が最高高圧(Pm)よりも大きいか否かを判定し
(ステップ309)、大きい場合には指令周波数(f
s)を実運転周波数(f)よりも周波数最小変化幅(d
f)だけ低下させ(ステップ310)、ステップ311
へ進む。一方、高圧圧力(P)が最高高圧(Pm)より
も大きくない場合には、ステップ310を経ることな
く、直接ステップ311へ進む。そして、ステップ31
1では、高圧圧力(P)が、最高高圧(Pm)から高圧
復帰幅(Pα)を引いた値よりも小さいか否かを判定
し、小さい場合には指令周波数(fs)を指令周波数設
定値(Fs)とする(ステップ312)。ここで、指令
周波数設定値(Fs)は、冷房運転時は図13に示した
制御フローで決定され、暖房運転時は図14に示した制
御フローで決定される。一方、高圧圧力(P)が、最高
高圧(Pm)から高圧復帰幅(Pα)を引いた値よりも
小さくない場合には、ステップ311を経ることなく、
ステップ309へ戻る。この制御フローによれば、圧縮
機20の吐出圧力を抑えることができる。
【0086】しかしながら、従来の冷凍サイクルによれ
ば、図2に示したように、No.D(HFC32/12
5/134a)、No.F及びG(HFC32/12
5)、No.H(HFC125/143a/134a)
の場合、No.A(R−22)に比較して吐出圧力が高
いため、過負荷状態になる時点よりも低い負荷の時点で
図18に示した制御に移行してしまい、低周波数運転と
なって能力が低下してしまう。
【0087】そこで、圧縮機20を各冷媒に合わせて高
耐圧化設計として、図15に示したように最高高圧(P
m)を設定することによって、過負荷状態での能力をN
o.A(R−22)と同等にすることができる。
【0088】第11の実施例 次に、本発明による冷凍サイクル装置の第11の実施例
について図面を参照して説明する。図19は、本実施例
による冷凍サイクル装置の制御フローチャートを示して
いる。まず、蒸発温度センサ33で測定した蒸発温度
(te)が最低蒸発温度(TE)よりも低いか否かを判
定し(ステップ313)、低い場合には指令周波数(f
s)を実運転周波数(f)よりも周波数最小変化幅(d
f)だけ低下させ(ステップ314)、ステップ315
へ進む。一方、蒸発温度(te)が最低蒸発温度(T
E)よりも低くない場合には、ステップ314を経るこ
となく、直接ステップ315へ進む。そして、ステップ
315では、蒸発温度(te)が、最低蒸発温度(T
E)に蒸発温度復帰幅(TEα)を加えた値よりも大き
いか否かを判定し、大きい場合には指令周波数(fs)
を指令周波数設定値(Fs)とする(ステップ31
6)。ここで、指令周波数設定値(Fs)は、冷房運転
時は図13に示した制御フローで決定され、暖房運転時
は図14に示した制御フローで決定される。一方、蒸発
温度(te)が、最低蒸発温度(TE)に蒸発温度復帰
幅(TEα)を加えた値よりも大きくない場合には、ス
テップ316を経ることなく、ステップ313へ戻る。
この制御フローによれば、冷房運転時に蒸発器となる利
用側熱交換器24の凍結を防止し、液バックによる圧縮
機20の破損や冷凍機油希釈による潤滑不良等を防止で
きる。
【0089】しかしながら、図2に示したNo.D(H
FC32/125/134a)やNo.E(HFC32
/134a)のように非共沸混合冷媒であって温度勾配
の大きい冷媒では、モリエル線図が図20のようにな
る。そして、蒸発器の入口と出口との差がNo.A(R
−22)のように等温線に温度勾配のないもの(図2
1)に比べて非常に大きくなる。つまり、通常、蒸発温
度センサ33は蒸発器の入口付近に設けられるが、温度
勾配の大きいNo.D(HFC32/125/134
a)やNo.E(HFC32/134a)の場合、実際
には蒸発器の凍結が進んでいない時点で図19に示した
凍結防止制御に移行してしまい、実運転周波数(f)が
低下して能力が不必要に低下し、また、通常の運転範囲
を狭めてしまうという問題がある。
【0090】そこで、本実施例を用いて、図15に示し
たように、温度勾配の大きいNo.D(HFC32/1
25/134a)やNo.E(HFC32/134a)
の最低蒸発温度(TE)を、No.A(R−22)より
も低めに設定することによって上記問題点を解決するこ
とができる。
【0091】第12の実施例 次に、本発明による冷凍サイクル装置の第12の実施例
について図面を参照して説明する。図22は、本実施例
による冷凍サイクル装置の制御フローチャートを示して
いる。まず、冷房中の室温(ta)と設定室温(Ts)
との差が0.5℃よりも大きくなると(ステップ31
7)、指令周波数(fs)を実運転周波数(f)に周波
数最小変化幅(df)を加えた値とする(ステップ31
8)。また、室温(ta)と設定室温(Ts)との差が
−0.5℃よりも小さく(ステップ319)、かつ、−
1.0よりも小さくなると(ステップ320)、指令周
波数(fs)を0として圧縮機20を停止する(ステッ
プ321)。また、室温(ta)と設定室温(Ts)と
の差が−1.0℃よりも小さくないときは(ステップ3
20)、指令周波数(fs)を実運転周波数(f)から
周波数最小変化幅(df)を引いた値とする(ステップ
322)。
【0092】ここで、図15に示したように、冷媒の種
類に合わせて指令最大周波数となるFs8を異なった値
としているため、周波数最小変化幅(df)を同じ値に
すると、能力変化幅が異なり、制御の安定性や空調感に
違和感を生じることがある。
【0093】そこで、図15に示したように、冷媒の種
類によって周波数最小変化幅(df)を異なった値とす
れば、上記の問題点を解消することができる。
【0094】第13の実施例 次に、本発明による冷凍サイクル装置の第13の実施例
について図面を参照して説明する。図23は、本実施例
による冷凍サイクル装置の制御フローチャートを示して
いる。まず、暖房運転中(ステップ323)の除霜セン
サ32の温度(td)が−3℃よりも低くなると(ステ
ップ324)、タイマーを積算し(ステップ325)、
タイマーが55分積算すると(ステップ326)、四方
弁21を切り替え、実運転周波数(f)を除霜周波数
(FD)として除霜を開始する(ステップ327)。そ
して、除霜センサ温度が7℃よりも高くなるか(ステッ
プ328)又は10分経過してタイムアップすると(ス
テップ329)、四方弁21を元に切り替え、実運転周
波数(f)を、室温(ta)と設定室温(Ts)との差
によって定まる指令周波数(fs)に戻して除霜運転を
終了する(330)。
【0095】しかしながら、図2に示したように冷媒の
種類によって能力や圧力が異なるため、除霜周波数(F
D)を同じ値にすると、No.B(HFC134a)の
ように能力の小さいものでは除霜残りが生じてしまう。
一方、No.F(HFC32/125)のような能力が
大きいものは、除霜が早く終わってしまい、除霜センサ
32の追従が間に合わず、異常高圧を招くおそれがあ
る。
【0096】そこで、本実施例を用いて、図15に示し
たように、除霜周波数(FD)を冷媒の種類に応じて設
定すれば、上記の問題点を解消することができる。
【0097】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、冷媒の種
類、成分比に応じて設定した複数の冷媒区分と、これら
の冷媒区分毎にそれぞれ設定された、起動時のホールド
周波数値(Fh)、周波数上昇速度(fu)、周波数下
降速度(fd)、最高運転周波数値(FH)、最低運転
周波数値(FL)とを登録するインバータ出力周波数設
定手段を設け、このインバータ出力周波数設定手段に登
録された複数の冷媒区分の中から最適の区分を決定し、
この冷媒区分に対応する周波数値に基づいて前記インバ
ータ出力周波数制御手段によって周波数制御を行うよう
にしたから、冷媒の種類や成分比を変更した場合でも、
冷媒の循環流量を最適に制御することが可能である。
【0098】このため、従来の冷凍サイクル装置で問題
となる、(a)冷凍サイクルの異常高圧又は異常低圧、
(b)冷凍サイクルの異常過熱、(c)冷凍サイクルの
過大能力又は過小能力、(d)起動時の急激な圧力変化
による圧縮機内摺動部の当たり等による信頼性の低下、
(e)寝込起動時の急激な吐出圧力上昇による吐油量増
大に起因した潤滑不良によるコンプロックといった従来
の冷凍サイクルといった種々の不都合を一挙に解決する
ことができる。
【0099】請求項2記載の発明によれば、前記冷媒区
分を、封入された冷媒の種類、成分比と、前記圧縮機の
容量を特定した冷凍サイクルに基づいて設定し、前記冷
媒区分毎の各制御周波数値を、実際の冷凍サイクルの特
性データと、基準となる冷媒封入時の冷凍サイクルの各
種特性データとの対比に基づいて設定したから、実際に
使用されている冷媒の種類や成分比に対応した最適の周
波数制御を確実に行うことができる。
【0100】請求項3記載の発明によれば、前記最大周
波数制御手段及び最小周波数制御手段は、前記能力制御
手段からの運転指令周波数が、前記冷媒区分に対応して
設定された、前記最高運転周波数値(FH)よりも高い
値、もしくは前記最低運転周波数値(FL)よりも低い
値となった場合、前記最高運転周波数値、もしくは前記
最低運転周波数値に設定するように制御するようにした
から、圧縮機の過負荷運転時においても十分な冷却能力
を確保できるし、また、過大な冷却能力による圧縮機の
異常高圧や巻き線の過熱破損を防止して圧縮機の健全性
を確実に維持することができる。
【0101】請求項4記載の発明によれば、前記周波数
上昇制御手段及び周波数下降制御手段は、前記能力制御
手段からの運転指令周波数が、上昇もしくは下降した場
合、前記冷媒区分に対応して設定された、周波数上昇速
度(fu)、もしくは周波数下降速度(fd)に応じ
て、周波数の上昇もしくは下降制御を行うようにしたか
ら、冷媒の種類や成分比を変更した場合でも、装置の起
動時や要求負荷を変更する際の追従性が最適化され、ま
た、装置の起動時等において吐出圧力や吸込圧力の急変
によって圧縮機がロックしたり、異常音・異常振動が生
じたりすることを防止できる。
【0102】請求項5記載の発明によれば、前記周波数
ホールド制御手段は、起動時のホールド周波数値(F
h)を、前記冷媒区分毎にそれぞれ複数備え、起動時に
これらの複数の周波数値を所定時間経過毎に順次切り換
えて出力するようにしたから、冷媒の種類や成分比を変
更した場合でも、例えば寝込起動時の急激な吐出圧力上
昇による吐油量の増加に起因した潤滑不良が回避され、
圧縮機のロックを防止することができ、また、装置起動
時における冷却能力の立上がり不足を解消できる。
【0103】請求項6記載の発明によれば、冷媒の種
類、成分比に応じて設定した複数の冷媒区分と、これら
の冷媒区分毎にそれぞれ設定された、指令周波数設定値
(Fs)、最高凝縮温度(Tc)、最低蒸発温度(T
E)、除霜周波数(FD)、最大電流(Im)、最高高
圧(Pm)、周波数最小変化幅(df)を登録する制御
値設定手段とを設け、この制御値設定手段に登録された
複数の冷媒区分の中から最適の区分を決定し、この冷媒
区分に対応する制御設定値に基づいて前記インバータ出
力周波数制御手段によって周波数制御を行うようにした
から、冷媒の種類や成分比を変更した場合でも、冷媒の
循環流量を最適に制御することが可能である。
【0104】このため、従来の冷凍サイクル装置で問題
となる、(a)冷凍サイクルの異常高圧又は異常低圧、
(b)冷凍サイクルの異常過熱、(c)冷凍サイクルの
過大能力又は過小能力、(d)起動時の急激な圧力変化
による圧縮機内摺動部の当たり等による信頼性の低下、
(e)寝込起動時の急激な吐出圧力上昇による吐油量増
大に起因した潤滑不良によるコンプロック、(f)除霜
残りによる暖房時の能力不足といった従来の冷凍サイク
ルといった種々の不都合を一挙に解決することができ
る。
【0105】請求項7記載の発明によれば、前記冷媒区
分を、封入された冷媒の種類、成分比及び前記圧縮機の
容量を特定した冷凍サイクルに基づいて設定し、前記冷
媒区分毎の各制御設定値を、それぞれの冷凍サイクルの
各種特性データと、基準となる冷媒封入時の冷凍サイク
ルの特性データとの対比に基づいて設定したから、実際
に使用されている冷媒の種類や成分比に対応した最適の
周波数制御を確実に行うことができる。
【0106】請求項8記載の発明によれば、前記指令周
波数設定値(Fs)は室温(ta)と設定室温(Ts)
との温度差に応じて段階的に設定された複数の周波数設
定値(Fsn)から成り、前記能力制御手段は前記複数
の周波数設定値のうちの前記温度差の実測値に対応する
周波数値に応じて前記周波数上昇制御手段及び前記周波
数下降制御手段に運転指令を発するようにしたから、冷
却・暖房の能力が過大或いは過小となることなく迅速か
つ的確に周波数制御を行うことができる。
【0107】請求項9記載の発明によれば、前記能力制
御手段は、運転電流(i)が前記最大電流(Im)より
も高い値となった場合、実運転周波数(f)から前記周
波数最小変化幅(df)を引いた値を指令周波数(f
s)とするようにしたから、圧縮機の過負荷運転時にお
いても十分な冷却能力を確保できるし、また、過大な冷
却能力による圧縮機の異常高圧や巻き線の過熱破損を防
止して圧縮機の健全性を確実に維持することができる。
【0108】請求項10記載の発明によれば、前記能力
制御手段は、凝縮温度(tc)が前記最高凝縮温度(T
c)よりも高い値となった場合、実運転周波数(f)か
ら前記周波数最小変化幅(df)を引いた値を指令周波
数(fs)とするようにしたから、冷却・暖房の能力が
過大或いは過小となることなく迅速かつ的確に周波数制
御を行うことができる。
【0109】請求項11記載の発明によれば、前記能力
制御手段は、高圧圧力(P)が前記最高高圧(Pm)よ
りも高い値となった場合、実運転周波数(f)から前記
周波数最小変化幅(df)を引いた値を指令周波数(f
s)とするようにしたから、冷却・暖房の能力が過大或
いは過小となることなく迅速かつ的確に周波数制御を行
うことができる。
【0110】請求項12記載の発明によれば、前記能力
制御手段は、蒸発温度(te)が前記最低蒸発温度(T
E)よりも低い値となった場合、実運転周波数(f)か
ら前記周波数最小変化幅(df)を引いた値を指令周波
数(fs)とするようにしたから、冷却・暖房の能力が
過大或いは過小となることなく迅速かつ的確に周波数制
御を行うことができる。
【0111】請求項13記載の発明によれば、前記能力
制御手段は、室温(ta)と設定室温(Ts)との温度
差に応じて、実運転周波数(f)に前記周波数最小変化
幅(df)を加えた値又は引いた値を指令周波数(f
s)とするようにしたから、極めて高い安定性で周波数
の制御を行うことができ、最適な空調感を提供すること
ができる。
【0112】請求項14記載の発明によれば、前記能力
制御手段は、前記熱源側熱交換器に設けられた除霜セン
サの温度が所定値よりも低い場合、所定時間経過後に実
運転周波数(f)を前記除霜周波数(FD)とするよう
にしたから、異常高圧や除霜残りを防止しつつ、迅速か
つ的確に除霜を行うことができる。
【0113】請求項15記載の発明によれば、前記冷媒
区分の選択手段は、冷媒の比誘電率と温度を検出し、こ
れらの値から冷媒の種類、成分比を演算する成分検出装
置の出力により冷媒区分の設定が実行するようにしたか
ら、冷媒の種類と成分比を自動的に特定して冷媒区分を
自動的に変更、選定することができ、このため、周波数
の制御を迅速かつ確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による冷凍サイクル装置の一実施例の概
略系統図。
【図2】各種冷媒の性能特性を示した特性表。
【図3】本発明による冷凍サイクル装置の実施例の制御
ブロック図。
【図4】本発明による冷凍サイクル装置の第1の実施例
の制御フローチャート。
【図5】本発明による冷凍サイクル装置の第2の実施例
の制御フローチャート。
【図6】各種冷媒に対する周波数制御用設定値の一例を
示した図。
【図7】本発明による冷凍サイクル装置の第3及び第4
の実施例の制御フローチャート。
【図8】本発明による冷凍サイクル装置の第5の実施例
の制御フローチャート。
【図9】本発明による冷凍サイクル装置の第6の実施例
の概略系統図。
【図10】同実施例で使用する静電容量センサの一例を
示した斜視図。
【図11】同実施例の制御ブロック図。
【図12】本発明による冷凍サイクル装置の他の実施例
の概略系統図。
【図13】本発明による冷凍サイクル装置の第7の実施
例の冷房時の制御フローを示した図。
【図14】同実施例の暖房時の制御フローを示した図。
【図15】各種冷媒に対する制御設定値の一例を示した
図。
【図16】本発明による冷凍サイクル装置の第8の実施
例の制御フローチャート。
【図17】本発明による冷凍サイクル装置の第9の実施
例の制御フローチャート。
【図18】本発明による冷凍サイクル装置の第10の実
施例の制御フローチャート。
【図19】本発明による冷凍サイクル装置の第11の実
施例の制御フローチャート。
【図20】温度勾配の大きい冷媒のモリエル線図の一例
を示した図。
【図21】温度勾配のない冷媒のモリエル線図の一例を
示した図。
【図22】本発明による冷凍サイクル装置の第12の実
施例の制御フローチャート。
【図23】本発明による冷凍サイクル装置の第13の実
施例の制御フローチャート。
【符号の説明】
1、20 圧縮機 2 凝縮器 3、23 絞り装置 4 蒸発器 6、26 マイコン 7、25 インバータ 8、28 冷媒選択スイッチ 9 演算回路 11 静電容量センサ 12 冷媒温度センサ 21 四方弁 22 熱源側熱交換器 24 利用側熱交換器 27 電流センサ 30 高圧圧力センサ 31 凝縮温度センサ 32 除霜センサ 33 蒸発温度センサ 34 室温センサ f 実運転周波数 fs 指令周波数 fu Hzアップ周波数 fd Hzダウン周波数 Fhn ホールド周波数 Fs 指令周波数設定値 FH 最高運転周波数 FL 最低運転周波数 TC 最高凝縮温度 TE 最低蒸発温度 FD 除霜周波数 Im 最大電流 Pm 最高高圧 df 周波数最小変化幅

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧縮機、凝縮器、絞り装置、蒸発器等を順
    次接続してなる冷凍サイクルと、前記圧縮機の運転周波
    数を制御するインバータとを備えた冷凍サイクル装置に
    おいて、 要求負荷に対応して前記インバータの出力周波数を設定
    する能力制御手段と、前記圧縮機の起動時に予め設定さ
    れた周波数で所定時間運転を行う周波数ホールド制御手
    段と、設定された周波数まで周波数を移行させる周波数
    上昇制御手段及び周波数下降制御手段と、運転能力の最
    大値及び最小値を決定する最大周波数制御手段及び最小
    周波数制御手段とを備えたインバータ出力周波数制御手
    段と、 冷媒の種類、成分比に応じて設定した複数の冷媒区分
    と、これらの冷媒区分毎にそれぞれ設定された、起動時
    のホールド周波数値(Fh)、周波数上昇速度(f
    u)、周波数下降速度(fd)、最高運転周波数値(F
    H)、最低運転周波数値(FL)を登録するインバータ
    出力周波数設定手段と、 このインバータ出力周波数設定手段に登録された冷媒区
    分に対応する周波数値を選択し、前記インバータ出力周
    波数制御手段による周波数制御を実行する手段とを備え
    たことを特徴とする冷凍サイクル装置。
  2. 【請求項2】前記冷媒区分を、封入された冷媒の種類、
    成分比及び前記圧縮機の容量を特定した冷凍サイクルに
    基づいて設定し、前記冷媒区分毎の各制御周波数値を、
    それぞれの冷凍サイクルの各種特性データと、基準とな
    る冷媒封入時の冷凍サイクルの特性データとの対比に基
    づいて設定したことを特徴とする請求項1に記載の冷凍
    サイクル装置。
  3. 【請求項3】前記最大周波数制御手段及び最小周波数制
    御手段は、前記能力制御手段からの運転指令周波数が、
    前記冷媒区分に対応して設定された、前記最高運転周波
    数値(FH)よりも高い値、もしくは前記最低運転周波
    数値(FL)よりも低い値となった場合、前記最高運転
    周波数値、もしくは前記最低運転周波数値に設定するよ
    うに制御するようにしたことを特徴とする請求項1に記
    載の冷凍サイクル装置。
  4. 【請求項4】前記周波数上昇制御手段及び周波数下降制
    御手段は、前記能力制御手段からの運転指令周波数が上
    昇もしくは下降した場合、前記冷媒区分に対応して設定
    された周波数上昇速度(fu)もしくは周波数下降速度
    (fd)に応じて、周波数の上昇もしくは下降制御を行
    う制御手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の
    冷凍サイクル装置。
  5. 【請求項5】前記周波数ホールド制御手段は、起動時の
    ホールド周波数値(Fh)を、前記冷媒区分毎にそれぞ
    れ複数備え、起動時にこれら複数の周波数値を所定時間
    経過毎に順次切り換えて出力するようにしたことを特徴
    とする請求項1に記載の冷凍サイクル装置。
  6. 【請求項6】圧縮機、凝縮器、絞り装置、蒸発器、四方
    弁等を順次接続してなる冷凍サイクルと、前記圧縮機の
    運転周波数を制御するインバータとを備えた冷凍サイク
    ル装置において、 要求負荷に対応して前記インバータの出力周波数を設定
    する能力制御手段と、設定された周波数まで周波数を移
    行させる周波数上昇制御手段及び周波数下降制御手段
    と、インバータの出力周波数を制御するインバータ出力
    周波数制御手段と、 冷媒の種類、成分比に応じて設定した複数の冷媒区分
    と、これらの冷媒区分毎にそれぞれ設定された、指令周
    波数設定値(Fs)、最高凝縮温度(Tc)、最低蒸発
    温度(TE)、除霜周波数(FD)、最大電流(I
    m)、最高高圧(Pm)、周波数最小変化幅(df)を
    登録する制御値設定手段と、 この制御値設定手段に登録された冷媒区分に対応する制
    御設定値を選択し、前記インバータ出力周波数制御手段
    による周波数制御を実行する手段とを備えたことを特徴
    とする冷凍サイクル装置。
  7. 【請求項7】前記冷媒区分を、封入された冷媒の種類、
    成分比及び前記圧縮機の容量を特定した冷凍サイクルに
    基づいて設定し、前記冷媒区分毎の各制御設定値を、そ
    れぞれの冷凍サイクルの各種特性データと、基準となる
    冷媒封入時の冷凍サイクルの特性データとの対比に基づ
    いて設定したことを特徴とする請求項6に記載の冷凍サ
    イクル装置。
  8. 【請求項8】前記指令周波数設定値(Fs)は室温(t
    a)と設定室温(Ts)との温度差に応じて段階的に設
    定された複数の周波数設定値(Fsn)から成り、前記
    能力制御手段は前記複数の周波数設定値のうちの前記温
    度差の実測値に対応する周波数値に応じて前記周波数上
    昇制御手段及び前記周波数下降制御手段に運転指令を発
    するようにしたことを特徴とする請求項6に記載の冷凍
    サイクル装置。
  9. 【請求項9】前記能力制御手段は、運転電流(i)が前
    記最大電流(Im)よりも高い値となった場合、実運転
    周波数(f)から前記周波数最小変化幅(df)を引い
    た値を指令周波数(fs)とするようにしたことを特徴
    とする請求項6に記載の冷凍サイクル装置。
  10. 【請求項10】前記能力制御手段は、凝縮温度(tc)
    が前記最高凝縮温度(Tc)よりも高い値となった場
    合、実運転周波数(f)から前記周波数最小変化幅(d
    f)を引いた値を指令周波数(fs)とするようにした
    ことを特徴とする請求項6に記載の冷凍サイクル装置。
  11. 【請求項11】前記能力制御手段は、高圧圧力(P)が
    前記最高高圧(Pm)よりも高い値となった場合、実運
    転周波数(f)から前記周波数最小変化幅(df)を引
    いた値を指令周波数(fs)とするようにしたことを特
    徴とする請求項6に記載の冷凍サイクル装置。
  12. 【請求項12】前記能力制御手段は、蒸発温度(te)
    が前記最低蒸発温度(TE)よりも低い値となった場
    合、実運転周波数(f)から前記周波数最小変化幅(d
    f)を引いた値を指令周波数(fs)とするようにした
    ことを特徴とする請求項6に記載の冷凍サイクル装置。
  13. 【請求項13】前記能力制御手段は、室温(ta)と設
    定室温(Ts)との温度差に応じて、実運転周波数
    (f)に前記周波数最小変化幅(df)を加えた値又は
    引いた値を指令周波数(fs)とするようにしたことを
    特徴とする請求項6に記載の冷凍サイクル装置。
  14. 【請求項14】前記能力制御手段は、前記熱源側熱交換
    器に設けられた除霜センサの温度が所定値よりも低い場
    合、所定時間経過後に実運転周波数(f)を前記除霜周
    波数(FD)とするようにしたことを特徴とする請求項
    6に記載の冷凍サイクル装置。
  15. 【請求項15】前記冷媒区分の選択手段は、冷媒の比誘
    電率と温度を検出し、これらの値から冷媒の種類、成分
    比を演算する成分検出装置の出力により冷媒区分の設定
    が実行されるようにしたことを特徴とする請求項1又は
    6に記載の冷凍サイクル装置。
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