JPH08312768A - 無段変速機の回転速度指令方法及びその実施に使用する回転速度制御装置 - Google Patents

無段変速機の回転速度指令方法及びその実施に使用する回転速度制御装置

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JPH08312768A
JPH08312768A JP11613095A JP11613095A JPH08312768A JP H08312768 A JPH08312768 A JP H08312768A JP 11613095 A JP11613095 A JP 11613095A JP 11613095 A JP11613095 A JP 11613095A JP H08312768 A JPH08312768 A JP H08312768A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電圧降下又は外来ノイズの影響をうけずに、
無段変速機の回転速度を指令する回転速度指令方法及び
その実施に使用する回転速度制御装置の提供。 【構成】 無段変速機VSa(VSb, VSc, VSd)の回転速度を
制御する回転速度制御装置CRLa(CRLb, CRLc, CRSd)と、
回転速度制御装置CRLaから出力する回転速度を指令する
ディジタルの信号を回転速度制御装置CRLb, CRLc, CRLd
へ伝送する共通の信号線SGL とを備えて、無段変速機VS
a の回転速度に、無段変速機VSb, VSc, VSd の回転速度
を従属させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は無段変速機の回転速度指
令方法及びその実施に使用する回転速度制御装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】工場においては、搬送ラインにコンベア
が使用されており、そのコンベアを一定速度で移動させ
るために無段変速機により駆動している。また搬送ライ
ンには、複数のコンベアが夫々の搬送方向を同方向とし
て1列に配設される。
【0003】図4はコンベアを駆動する無段変速機の従
来の速度指令方法によるコンベアの模式図である。搬送
方向を矢符で示すように同方向としているコンベアA,
コンベアB,コンベアCが1列に配設されている。コン
ベアA(B,C)は、無段変速機VSa(VSb, VSc) の出力
軸と、コンベアA (B, C) のコンベアホイールとの間
に張設されたベルトBLa(BLb, BLc) により、無段変速機
VSa(VSb, VSc) の回転力がコンベアホイールに伝達され
て駆動されるようになっている。無段変速機VSa, VSb,
VSc は、モータの出力軸と直結する入力軸と、この入力
軸の回転力が変速機構を介して伝達される出力軸とを備
えている。
【0004】また、無段変速機VSa(VSb, VSc) は、変速
機構を駆動して出力軸の回転速度を変速するパイロット
モータPMa(PMb, PMc) と、出力軸の回転速度を検出する
回転センサRSa(RSb, RSc) とを備えている。無段変速機
VSa(VSb, VSc) はパイロットモータPMa(PMb, PMc) を駆
動すると、変速機構において出力軸と同心の円周上に配
置している複数の遊星車が、出力軸の径方向へ移動して
出力軸の回転速度を変速するようになっている。そし
て、パイロットモータPMa(PMb, PMc) を例えば正転させ
ると無段変速機VSa(VSb, VSc) の回転速度が上昇し、反
対に逆転させると回転速度が低下し、パイロットモータ
PMa(PMb, PMc) の回転量に応じて無段変速機VSa(VSb, V
Sc) の出力軸の回転速度が無段階に変速できるようにな
っている。
【0005】無段変速機VSa(VSb, VSc) のパイロットモ
ータPMa(PMb, PMc) には、速度信号設定部Zから出力さ
れる速度指令信号に基づいて回転速度制御装置CRLa(CRL
b, CRLc)から指令する回転速度に応じた駆動電流Ia(Ib,
Ic)が供給される。回転センサRSa(RSb, RSc) の検出出
力は、回転速度制御装置CRLa(CRLb, CRLc)へ入力され
る。そして無段変速機VSa の回転速度を指令する速度指
令信号が、回転速度制御装置CRLaから電圧又は電流のア
ナログ信号で共通の信号線SGL を介して回転速度制御装
置CRLb, CRLcへ入力されるようになっている。このよう
にして速度指令信号を与えることにより、無段変速機VS
a を主機に、無段変速機VSb, VScを従機になしてある。
【0006】次にこのコンベアの動作を説明する。出力
軸を無段変速機VSa, VSb, VSc の入力軸に直結している
図示しないモータを駆動すると、無段変速機が駆動す
る。いま、速度信号設定部Zからの速度指令信号によ
り、主機である無段変速機VSa の回転速度を指令する速
度指令信号が発生すると、その速度指令信号は回転速度
制御装置CRLaから信号線SGL を介して従機である無段変
速機VSb, VScの回転速度制御装置CRLb, CRLcへ入力され
る。それにより回転速度制御装置CRLa(CRLb, CRLc)から
速度指令信号に応じた駆動電流Ia(Ib, Ic)がパイロット
モータPMa(PMb, PMc) へ供給されてパイロットモータPM
a, PMb, PMc が駆動し、無段変速機VSa, VSb, VSc の出
力軸の回転速度は、速度指令信号に応じた回転速度にな
る。
【0007】また無段変速機VSa(VSb, VSc) の出力軸の
回転速度を検出する回転センサRSa(RSb, RSc) の検出出
力が回転速度制御装置CRLa(CRLb, CRLc)へ入力されて回
転速度制御装置CRLa(CRLb, CRLc)は速度指令信号と検出
出力とを比較して、その差が解消するようにパイロット
モータPMa(PMb, PMc) を駆動する。それにより無段変速
機VSa, VSb, VSc の出力軸の回転速度が安定し、等しい
回転速度になる。それによってコンベアA, B, Cが等
速度で移動する。このように無段変速機VSa, VSb, VSc
の速度指令信号を共通にして、主機の無段変速機VSa の
出力軸の回転速度に、従機の無段変速機VSb, VScの出力
軸の回転速度を従属させている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の無段
変速機の回転速度指令方法では、速度信号設定部から、
主機である無段変速機の回転速度制御装置及び、従機で
ある他の無段変速機の回転速度制御装置へ入力する速度
指令信号に、電圧又は電流を用いているから、電圧を用
いている場合は速度指令信号の信号線で電圧降下が生じ
ることがあり、また外来のノイズが生じることがあって
速度指令信号に誤差が生じる。
【0009】一方、電流を用いている場合は、電圧降下
の影響をうけないが、外来のノイズが生じると速度指令
信号に誤差が生じる。また、複数の回転速度制御装置が
速度指令信号の入力端子を共通に並列接続するから、入
力インピーダンスが低下して、これによっても速度指令
信号に誤差が生じる。したがって、主機の無段変速機の
出力軸の回転速度に従属させる従機の無段変速機の出力
軸の回転速度に誤差が生じることがあるという問題があ
る。
【0010】本発明は斯かる問題に鑑み、主機の無段変
速機の出力軸の回転速度に、従機の無段変速機の出力軸
の回転速度を常に正確に従属させ得る無段変速機の速度
指令方法及びその実施に使用する回転速度制御装置を提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1発明に係る無段変速
機の回転速度指令方法は、複数の無段変速機のうち、一
の無段変速機の回転速度を指令する信号を、他の無段変
速機の回転速度を指令する信号としている無段変速機の
回転速度指令方法において、他の無段変速機の回転速度
を指令する信号にディジタル信号を用いることを特徴と
する。
【0012】第2発明に係る回転速度制御装置は、回転
速度を変速するパイロットモータと、回転速度に応じた
周期のパルスを出力する回転センサとを備える無段変速
機の回転速度を制御する回転速度制御装置において、前
記パイロットモータへ駆動電流を供給する駆動電流端子
と、前記回転センサが出力するパルスを入力すべきパル
ス入力端子と、回転速度を指令する信号を与える信号入
出力兼用端子と、入力された前記信号に応じた第1パル
ス数を算出する手段と、前記パルスに応じた第2パルス
数を求める手段と、第1パルス数と第2パルス数とのパ
ルス数差を算出する手段と、パルス数差が所定値以上で
ある場合に増速信号を出力する手段と、パルス数差が所
定値未満である場合に減速信号を出力する手段とを備
え、増速信号又は減速信号に基づく駆動電流を駆動電流
端子からパイロットモータへ供給する構成としてあるこ
とを特徴とする。
【0013】
【作用】第1発明では、複数の無段変速機のうち、特定
の無段変速機の回転速度を指令する信号に基づくディジ
タルの信号により、他の無段変速機の回転速度を指令す
る。他の無段変速機はディジタルの信号により指令され
た回転速度になる。これにより、回転速度を指令する信
号をディジタルにしたことにより電圧降下、外来のノイ
ズの影響をうけず回転速度を正確に指令できる。
【0014】第2発明では、回転速度を指令するディジ
タル信号に応じた第1パルス数を算出し、指令した回転
速度で無段変速機が所定回転角度回転した同時間で回転
センサが出力するパルスに応じた第2パルス数を求め
る。第1パルス数と第2パルス数のパルス数差を算出
し、パルス数差が所定値以上 (未満) であると、増速
(減速) 信号を出力する。増速信号又は減速信号に基づ
く駆動電流により、無段変速機の回転速度を変速するパ
イロットモータを駆動する。これにより、回転速度を指
令するディジタルの信号により、無段変速機の回転速度
を変速できる。
【0015】
【実施例】以下本発明をその実施例を示す図面により詳
述する。図1は本発明に係る無段変速機の速度指令方法
によるコンベアの模式図である。搬送方向を矢符で示す
ように同方向になしているコンベアA, コンベアB, コ
ンベアC, コンベアDが1列に配設されている。コンベ
アA (B, C, D) は無段変速機VSa(VSb, VSc, VSd)の
出力軸に取付けたプーリPLa(PLb, PLc, PLd)と、コンベ
アA (B, C, D) のコンベアホイールAw(Bw,Cw,D
w)との間に張設されたベルトBLa(BLb, BLc, BLd)により
駆動されるようになっている。無段変速機VSa, VSb, VS
c, VSdは図示しないモータの出力軸と直結される入力軸
を備え、この入力軸の回転力が変速機構を介して伝達さ
れる出力軸を備えている。
【0016】また無段変速機VSa(VSb, VSc, VSd)には図
示しない変速機構を駆動するパイロットモータPMa(PMb,
PMc, PMd)を備えており、パイロットモータPMa(PMb, P
Mc,PMd)を駆動することにより、変速機構において出力
軸と同心の円周上に配設している複数の遊星車が出力軸
の径方向へ移動して、出力軸の回転速度を変速できるよ
うになっている。
【0017】そしてパイロットモータPMa(PMb, PMc, PM
d)を正転させた場合は、無段変速機VSa(VSb, VSc, VSd)
の出力軸の回転速度が上昇し、反対に逆転させた場合は
回転速度が低下し、パイロットモータPMa(PMb, PMc, PM
d)の回転量に応じて無段変速機VSa(VSb, VSc, VSd)の回
転速度を無段階に変速できるようになっている。無段変
速機VSa(VSb, VSc, VSd)にはその出力軸の回転速度に応
じた周期でパルスを出力し、回転速度を検出する高周波
センサからなる回転センサRSa(RSb, RSc, RSd)を備えて
いる。回転センサRSa(RSb, RSc, RSd)が回転速度に応じ
た周期で出力する出力パルスPa(Pb, Pc, Pd)は回転速度
制御装置CRLa(CRLb, CRLc, CRLd)の出力パルス入力端子
PTa(PTb, PTc,PTd) へ入力される。回転速度制御装置CR
La(CRLb,CRLc, CRLd)の駆動電流端子ITa(ITb, ITc, IT
d)から出力される駆動電流Ia(Ib,Ic, Id)はパイロット
モータPMa(PMb, PMc, PMd)へ供給される。回転速度制御
装置CRLa, CRLb, CRLc, CRLdの速度信号入出力兼用端子
STa, STb, STc, STdはディジタルの速度指令信号を伝送
する信号線SGL により共通に接続されており、回転速度
制御装置CRLaの速度指令信号入出力兼用端子STa から出
力した速度指令信号は、回転速度制御装置CRLb, CRLc,
CRLdの速度指令信号入出力兼用端子STb, STc, STd へ入
力される。
【0018】図2は回転速度制御装置CRLa, CRLb, CRL
c, CRLdの構成を示すブロック図であり、回転速度制御
装置CRLaについて示している。駆動電流端子ITa は、第
1, 第2, 第3駆動電流端子 ITa1 ,ITa2 ,ITa3 からな
っている。出力パルス入力端子PTa は第1, 第2, 第3
出力パルス入力端子 PTa1 ,PTa2 ,PTa3 からなってい
る。一側電源端子1aは第1駆動電流端子 ITa1 と接続さ
れ、他側電源端子1bは、電源スイッチ2と、ヒューズ3
と、双方向制御整流器4aとの直列回路を介して第2駆動
電流端子 ITa2 と接続される。ヒューズ3と双方向制御
整流器4aとの接続部は、双方向制御整流器4bを介して第
3駆動電流端子 ITa3 と接続される。
【0019】操作により比率が設定される比率設定部5
からの信号はアナログ/ディジタル(A/D) コンバータ6
へ入力され、アナログ/ディジタル変換されたディジタ
ル信号はCPU 7へ入力される。速度データを格納してい
るEEPROM8から読出した速度データはCPU 7へ入力され
る。EEPROM8から速度データを読出す指令をする読出し
指令スイッチ9からの指令信号はCPU 7へ入力される。
回転速度制御装置を主機又は従機のいずれかに選択する
主, 従切換スイッチ10からの信号はCPU 7へ入力され
る。第1出力パルス入力端子 PTa1 は制御電源Vc と接
続される。第2出力パルス入力端子 PTa2 は、入力され
た信号波形を整形するシュミット回路11を介してCPU 7
へ入力される。第3出力パルス入力端子 PTa3 は接地電
位に接続される。
【0020】CPU7から出力されるゲート信号GT1 (GT
2 ) は双方向制御整流器4a(4b)のゲート端子へ入力さ
れ、双方向制御整流器4a,4b を導通させるようになって
いる。CPU 7から出力されるディジタルの速度指令信号
は速度指令信号入出力兼用端子STa へ出力され、外部か
ら速度指令信号入出力兼用端子STa へ入力された速度指
令信号はCPU 7へ入力される。この速度指令信号にはIE
EEによって規格化されたRS-485データ通信用のノイズの
影響をうけにくいディジタル信号を用いる。電源スイッ
チ2とヒューズ3との接続部及び一側電源端子1aは、制
御電源20の入力側と接続され、その出力側は各部回路と
接続される。なお、他の回転速度制御装置CRLb, CRLc,
CRLdも同様に構成される。
【0021】次にこのような無段変速機の回転速度指令
方法により、コンベアを駆動する動作を、CPU 7の制御
内容を示す図3のフローチャートとともに説明する。先
ず、回転速度制御装置CRLaのEEPROM8には、異なる回転
速度の速度データを書込んでおく。また回転速度制御装
置CRLa, CRLb, CRLc, CRLdの比率設定部5を操作して所
要の比率、例えば数値“1”を設定しておく。また、回
転速度制御装置CRLaの主, 従切換スイッチ10を操作して
回転速度制御装置CRLaで速度制御される無段変速機VSa
を主機に選択する。
【0022】更に回転速度制御装置CRLb, CRLc, CRLdの
主, 従切換スイッチ10を操作して回転速度制御装置CRL
b, CRLc, CRLdで速度制御される無段変速機VSb, VSc, V
Sd を従機に選択する。ここで、回転速度制御装置CRLa,
CRLb, CRLc, CRLdに電源を投入し、それらの電源スイ
ッチ2を閉路すると、回転速度制御装置CRLa, CRLb, CR
Lc, CRLdは動作状態になる。また、無段変速機VSa, VS
b, VSc, VSdの入力軸と各別に直結している図示しない
各モータの電源を投入すると、夫々のモータが回転し
て、無段変速機VSa, VSb, VSc, VSdが駆動する。
【0023】そして無段変速機の回転速度を検出する回
転センサRSa, RSb, RSc, RSdの出力パルスPa, Pb, Pc,
Pdが出力パルス入力端子PTa, PTb, PTc, PTdへ入力さ
れ、シュミット回路11により波形整形した出力パルスが
CPU 7へ入力される。
【0024】ここで主機側の回転速度制御装置CRLaの読
出し指令スイッチ9を操作して、回転速度を指定し読出
しを指令する読出し指令信号をCPU 7へ入力すると、CP
U 7は入力された読出し指令信号に対応するアドレス信
号をEEPROM8へ入力して読出し指令信号に応じた速度デ
ータを読出す。その速度データによる速度指令信号をCP
U 7から速度指令信号入出力兼用端子STa へ出力する(S
1)。この速度指令信号は信号線SGL を介して回転速度制
御装置CRLb, CRLc, CRLdの速度指令信号入出力兼用端子
STb, STc, STd へ入力される。ここで、回転速度制御装
置CRLaのCPU 7は比率設定部5に設定している数値
“1”の比率データをアナログ/ディジタル変換して取
込み(S2)、その比率と速度指令信号とを乗算し(S3)、比
率を乗算した速度指令信号に対応する指令パルス数を算
出する(S4)。
【0025】続いて、指令速度信号による回転速度で無
段変速機VSa の出力軸が所定回転角度に達するまでの時
間と同時間内に、回転センサRSa から出力されたパルス
数、つまり出力パルス数を求める(S5)。続いて、算出し
た指令パルス数から出力パルス数を減算して、両パルス
数のパルス数差を算出する(S6)。そして算出したパルス
数差と、不感帯を定めているパルス数とを大小比較し、
パルス数差が不感帯を定めているパルス数より大である
と判別すると(S7)、CPU 7から増速信号であるゲート信
号GT1 を出力し(S8)、ステップ(S7)へ戻る。そしてゲー
ト信号GT1 により双方向制御整流器4aを導通させる。
【0026】そうすると第2駆動電流端子 ITa2 とパイ
ロットモータPMa と第1駆動電流端子 ITa1 を通って駆
動電流が流れ、パイロットモータPMa が正転して無段変
速機VSa の出力軸の回転速度が上昇する。反対にパルス
数差が不感帯を定めているパルス数より小であると判別
すると(S7)、CPU 7から減速信号であるゲート信号GT 2
を出力し(S9)、ステップ(S7)へ戻る。ゲート信号GT2
より双方向制御整流器4bが導通する。そうすると第3駆
動電流端子 ITa3 とパイロットモータPMa と第1駆動電
流端子 ITa1 とを通って駆動電流が流れ、パイロットモ
ータPMa へ供給する駆動電流の流れ方が、双方向制御整
流器4aが導通したときと変わりパイロットモータPMa が
逆転して無段変速機VSa の出力軸の回転速度が低下す
る。続いて速度制御中か否かを判別し、制御中と判別す
ると(S10) 、ステップ(S7)へ戻る。制御中でないと判別
すると制御動作を終了する。これにより主機である無段
変速機VSa の出力軸はEEPROM8から読出した速度信号に
比率を乗算した速度指令信号に基づいた回転速度で回転
することになる。
【0027】一方、従機である無段変速機VSb(VSc, VS
d) の回転速度制御装置CRLb(CRLc, CRLd)の速度指令信
号入出力兼用端子STb(STc, STd) には前述したように速
度指令信号が入力されて、回転速度制御装置CRLb(CRLc,
CRLd)のCPU 7 (7, 7) は入力された速度指令信号を
取込む(S1)。続いて、CPU 7 (7, 7) は回転速度制御
装置CRLaにおける場合と同様、比率設定部5 (5, 5)
に設定している数値“1”の比率データをアナログ/デ
ィジタル変換して取込み(S2)、その比率と速度指令信号
とを乗算し(S3)、比率を乗算した速度指令信号に対応す
る指令パルス数を算出する(S4)。続いて指令速度信号に
よる回転速度で無段変速機VSb(VSc, VSd)の出力軸が所
定回転角度に達するまでの時間と、同時間に回転センサ
RSb(RSc, RSd) から出力されたパルス数、つまり出力パ
ルス数を求める(S5)。
【0028】続いて算出した指令パルスから出力パルス
数を減算して、両パルス数のパルス数差を算出する(S
6)。そして算出したパルス数差と、不感帯を定めている
パルス数とを大小比較し、パルス数差が不感帯パルス数
より大であると判別すると(S7)、CPU 7 (7, 7) から
増速信号であるゲート信号GT1 ( GT1 ,GT1 )を出力し
(S8)、ステップ(S7)へ戻る。ゲート信号GT1 (GT1 ,GT
1 )により双方向制御整流器4a(4a, 4a)が導通し、第2
駆動電流端子 ITa2 (ITa2 ,ITa2 ) とパイロットモータ
PMb(PMc, PMd) と第1駆動電流端子 ITb1 (ITb1 ,IT
b1 ) とを通って駆動電流が流れ、パイロットモータPMb
(PMc, PMd) が正転して、無段変速機VSb(VSc,VSd) の出
力軸の回転速度が上昇する。反対にパルス数差が不感帯
を定めているパルス数より小であると判別すると(S7)、
CPU 7 (7, 7) から減速信号であるゲート信号GT2 (
GT2 ,GT2 )を出力し(S9)、ゲート信号GT2 ( GT2 ,GT
2 )により双方向制御整流器4b(4b, 4b)が導通する。
【0029】そうすると第3駆動電流端子 ITb3 (IT
c3 ,ITd3 ) とパイロットモータPMb(PMc, PMd) と第1
駆動電流端子 ITb1 (ITc1 ,ITd1 ) とを通って駆動電流
が流れ、パイロットモータPMb(PMc, PMd) が逆転して無
段変速機VSb(VSc, VSd) の出力軸の回転速度が低下す
る。続いて速度制御中か否かを判別し、制御中と判別す
ると(S10) 、ステップ(S7)へ戻る。制御中でないと判別
すると制御動作を終了する。このようにして、無段変速
機VSa, VSb, VSc, VSdの出力軸は速度指令信号で指令し
た回転速度に制御される。
【0030】これにより従機である無段変速機VSb, VS
c, VSd の出力軸の回転速度は、共通の速度指令信号に
より、主機の無段変速機VSa の出力軸の回転速度に従属
することになる。したがって、いずれの比率設定部5に
も同じ比率データを設定すれば、従機の無段変速機VSb,
VSc, VSd の出力軸の回転速度は、主機の無段変速機VS
a の出力軸の回転速度と等しくなる。
【0031】また従機の回転速度制御装置CRLb, CRLc,
CRLdの比率設定部5に異なる比率データを設定した場合
は、主機の無段変速機VSa の出力軸の回転速度に、従機
の無段変速機VSb, VSc, VSd の出力軸の回転速度が従属
し、無段変速機VSb, VSc, VSd の夫々の出力軸の回転速
度を異ならせることができる。これによりコンベアAの
移動速度に、コンベアB, C, Dの移動速度を従属させ
得、設定する比率データを異ならせた場合には、従属関
係を保持しながら、比率データに応じて夫々のコンベア
の移動速度を異ならせることができる。
【0032】そして主機から信号線SGL を介して従機へ
伝送する速度指令信号をディジタルにしたから、伝送途
中で電圧降下及び外来ノイズ等に起因して速度指令信号
に誤差を生じることがなく、従機の複数台の無段変速機
の出力軸の回転速度を常に正確に指令することができ
る。また複数の回転速度制御装置の速度指令信号入出力
兼用端子を共通に接続して、入力インピーダンスが低下
しても、速度指令信号がディジタルのため入力された速
度指令信号に誤差が生じることもない。
【0033】なお、主, 従切換スイッチにより速度指令
信号入出力兼用端子を、入力端子又は出力端子に選択で
きるから、従機側の無段変速機の回転センサの出力パル
スを主機側の回転速度制御装置へ伝送することができ、
主機側で従機の無段変速機の出力軸の回転速度の異常を
判別することもできる。なお、本実施例では回転速度制
御装置CRLa, CRLb, CRLc, CRLdを共通の信号線SGL で接
続したが、回転速度制御装置CRLaを各別の信号線で回転
速度制御装置CRLb, CRLc, CRLdと接続しても同様の効果
が得られる。
【0034】
【発明の効果】以上詳述したように第1発明は、一の無
段変速機の回転速度を指令する信号を、他の無段変速機
の回転速度を指令するディジタルの信号として他の無段
変速機の回転速度を指令するようにしたから、その信号
に電圧又は電流のアナログ信号を用いた場合のように、
信号伝送途中において電圧降下、外来のノイズの影響を
うけにくくなるので、他の無段変速機の回転速度を正確
に指令でき、また速度を指令する信号を伝送する信号線
の長さを長くすることができる。更に複数の回転速度制
御装置の回転速度を指令する信号を入力すべき入力端子
を共通に接続することによって入力インピーダンスが低
下しても、アナログ信号の場合のように入力される信号
に誤差が生じないから、アナログ信号を用いた場合に比
べて回転速度制御装置の使用台数を多くすることができ
る。
【0035】第2発明によれば、回転速度を指令するデ
ィジタルの信号を用いて、無段変速機の回転速度を制御
できる回転速度制御装置を提供できる、等本発明は優れ
た効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る無段変速機の回転速度指令方法に
よるコンベアの模式図である。
【図2】回転速度制御装置の構成を示すブロック図であ
る。
【図3】CPU の制御内容を示すフローチャートである。
【図4】従来の無段変速機の回転速度指令方法によるコ
ンベアの模式図である。
【符号の説明】
VSa 〜VSd 無段変速機 PMa 〜PMd パイロットモータ RSa 〜RSd 回転センサ CRLa〜CRLd 回転速度制御装置 SGL 信号線 ITa 〜ITd 駆動電流端子 PTa 〜PTd 出力パルス入力端子 STa 〜STd 速度指令信号入出力兼用端子 5 比率設定部 7 CPU 8 EEPROM 9 読出し指令スイッチ 10 主, 従切換スイッチ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年6月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】第2発明では、回転速度を指令するディジ
タル信号に応じた第1パルス数を算出し、指令した回転
速度で無段変速機が所定回転角度回転した同時間で回転
センサが出力するパルスに応じた第2パルス数を求め
る。第1パルス数と第2パルス数のパルス数差を算出
し、パルス数差が所定値超過 (未満) であると、増速
(減速) 信号を出力する。増速信号又は減速信号に基づ
く駆動電流により、無段変速機の回転速度を変速するパ
イロットモータを駆動する。算出したパルス数差が不感
帯を定めている所定値の範囲内にある場合は、増速信
号,減速信号のいずれをも出力しない。これにより、回
転速度を指令するディジタルの信号により、無段変速機
の回転速度を変速できる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】操作により比率が設定される比率設定部5
からの信号はアナログ/ディジタル(A/D) コンバータ6
へ入力され、アナログ/ディジタル変換されたディジタ
ル信号はCPU 7へ入力される。速度データを格納してい
るEEPROM8から読出した速度データはCPU 7へ入力され
る。EEPROM8から速度データを読出す指令をする読出し
指令スイッチ9からの指令信号はCPU 7へ入力される。
回転速度制御装置を主機又は従機のいずれかに選択する
主, 従切換スイッチ10からの信号はCPU 7へ入力され
る。第1出力パルス入力端子 PTa1 は制御電源Vc と接
続される。第2出力パルス入力端子 PTa2 は、入力され
た信号波形を整形するシュミット回路11を介してCPU 7
へ入力される。第3出力パルス入力端子 PTa3 0V
位に接続される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】続いて、指令速度信号による回転速度で無
段変速機VSa の出力軸が所定回転角度に達するまでの時
間と同時間内に、回転センサRSa から出力されたパルス
数、つまり出力パルス数を求める(S5)。続いて、算出し
た指令パルス数から出力パルス数を減算して、両パルス
数のパルス数差を算出する(S6)。そして算出したパルス
数差と、不感帯を定めているパルス数とを大小比較し、
パルス数差が不感帯を定めている上限のパルス数を超過
していると判別すると(S7)、CPU 7から増速信号である
ゲート信号GT1 を出力する(S8)。続いて速度制御中か否
かを判別し(S9)、速度制御中と判別するとステップ(S7)
へ戻る。そしてゲート信号GT1 により双方向制御整流器
4aを導通させる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】そうすると第2駆動電流端子 ITa2 とパイ
ロットモータPMa と第1駆動電流端子 ITa1 を通って駆
動電流が流れ、パイロットモータPMa が正転して無段変
速機VSa の出力軸の回転速度が上昇する。ステップ(S9)
において速度制御中でないと判別すると速度制御動作を
終了する。反対にパルス数差が不感帯を定めている下限
パルス数以下であると判別すると(S7)、続いてパルス
数差と不感帯を定めているパルス数とを大小比較し(S1
0) 、パルス数差が不感帯を定めている下限のパルス数
未満であると判別すると、CPU 7から減速信号であるゲ
ート信号GT2 を出力する(S11) 。このゲート信号GT2
より双方向制御整流器4bが導通する。そうすると第3駆
動電流端子 ITa3 とパイロットモータPMa と第1駆動電
流端子 ITa 1 とを通って駆動電流が流れ、パイロットモ
ータPMa へ供給する駆動電流の流れ方が、双方向制御整
流器4aが導通したときと変わりパイロットモータPMa が
逆転して無段変速機VSa の出力軸の回転速度が低下す
る。なお、ステップ(S10) においてパルス数差が不感帯
を定めている下限のパルス数未満でないと判別すると、
即ちパルス数差が不感帯を定めているパルス数の範囲内
にある場合は、増速信号、減速信号のいずれも出力しな
い。続いて速度制御中か否かを判別し(S9)速度制御中
と判別すると、ステップ(S7)へ戻る。制御中でないと判
別すると速度制御動作を終了する。これにより主機であ
る無段変速機VSa の出力軸はEEPROM8から読出した速度
信号に比率を乗算した速度指令信号に基づいた回転速度
で回転することになる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】続いて算出した指令パルスから出力パルス
数を減算して、両パルス数のパルス数差を算出する(S
6)。そして算出したパルス数差と、不感帯を定めている
パルス数とを大小比較し、パルス数差が不感帯を定めて
いる上限のパルス数を超過していると判別すると(S7)、
CPU 7 (7, 7) から増速信号であるゲート信号GT1 (G
T1 ,GT1 )を出力する(S8)。続いて速度制御中か否か
を判別し(S9)、速度制御中と判別するとステップ(S7)へ
戻る。そしてゲート信号GT1 (GT1 ,GT1 )により双方
向制御整流器4a(4a, 4a)が導通し、第2駆動電流端子 I
Ta2 (ITa2 ,ITa2) とパイロットモータPMb(PMc, PMd)
と第1駆動電流端子 ITb1 (ITb1 ,ITb1 )とを通って駆
動電流が流れ、パイロットモータPMb(PMc, PMd) が正転
して、無段変速機VSb(VSc, VSd) の出力軸の回転速度が
上昇する。ステップ(S9)において速度制御中でないと判
別すると速度制御動作を終了する。反対にパルス数差が
不感帯を定めている下限のパルス数以下であると判別す
ると(S7)、続いてパルス数差と不感帯を定めているパル
ス数とを大小比較し(S10) 、パルス数差が不感帯を定め
ている下限のパルス数未満であると判別すると、CPU 7
(7, 7) から減速信号であるゲート信号GT2 ( GT2
GT2 )を出力する(S11) 。このゲート信号GT2( GT2 ,G
T2 )により双方向制御整流器4b(4b, 4b)が導通する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】そうすると第3駆動電流端子 ITb3 (IT
c3 ,ITd3 ) とパイロットモータPMb(PMc, PMd) と第1
駆動電流端子 ITb1 (ITc1 ,ITd1 ) とを通って駆動電流
が流れ、パイロットモータPMb(PMc, PMd) が逆転して無
段変速機VSb(VSc, VSd) の出力軸の回転速度が低下す
る。なお、ステップ(S9)においてパルス数差が不感帯を
定めている下限のパルス数未満でないと判別すると、即
ちパルス数差が、不感帯を定めているパルス数の範囲内
にある場合は増速信号、減速信号のいずれも出力しな
い。続いて速度制御中か否かを判別し(S9)速度制御中
と判別すると、ステップ(S7)へ戻る。制御中でないと判
別すると速度制御動作を終了する。このようにして、無
段変速機VSa, VSb, VSc, VSdの出力軸は速度指令信号で
指令した回転速度に制御される。
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の無段変速機のうち、一の無段変速
    機の回転速度を指令する信号を、他の無段変速機の回転
    速度を指令する信号としている無段変速機の回転速度指
    令方法において、他の無段変速機の回転速度を指令する
    信号にディジタル信号を用いることを特徴とする無段変
    速機の回転速度指令方法。
  2. 【請求項2】 回転速度を変速するパイロットモータ
    と、回転速度に応じた周期のパルスを出力する回転セン
    サとを備える無段変速機の回転速度を制御する回転速度
    制御装置において、前記パイロットモータへ駆動電流を
    供給する駆動電流端子と、前記回転センサが出力するパ
    ルスを入力すべきパルス入力端子と、回転速度を指令す
    る信号を与える信号入出力兼用端子と、入力された前記
    信号に応じた第1パルス数を算出する手段と、前記パル
    スに応じた第2パルス数を求める手段と、第1パルス数
    と第2パルス数とのパルス数差を算出する手段と、パル
    ス数差が所定値以上である場合に増速信号を出力する手
    段と、パルス数差が所定値未満である場合に減速信号を
    出力する手段とを備え、増速信号又は減速信号に基づく
    駆動電流を駆動電流端子からパイロットモータへ供給す
    る構成としてあることを特徴とする回転速度制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017222448A (ja) * 2016-06-14 2017-12-21 東芝エレベータ株式会社 乗客コンベアのトラスの組み立て方法

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