JPH08312509A - スタータ用一方向クラッチ - Google Patents

スタータ用一方向クラッチ

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JPH08312509A
JPH08312509A JP7121327A JP12132795A JPH08312509A JP H08312509 A JPH08312509 A JP H08312509A JP 7121327 A JP7121327 A JP 7121327A JP 12132795 A JP12132795 A JP 12132795A JP H08312509 A JPH08312509 A JP H08312509A
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torque
roller
center
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Mitsuhiro Murata
村田  光広
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NipponDenso Co Ltd
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  • One-Way And Automatic Clutches, And Combinations Of Different Clutches (AREA)
  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 確実なトルク伝達を行なうことのできるスタ
ータ用一方向クラッチを提供すること。 【構成】 クラッチアウタ24の内周面には、ローラ2
6を収容する楔状のカム室24aが形成されており、ク
ラッチインナ25の外周面には、トルク伝達時にローラ
26を係止する係止凹部25aが形成されている。ここ
で、係止凹部25aの深さをh、ローラ26の半径を
R、クラッチインナ25の中心O1 とローラ26の中心
O2 とを結ぶ直線をAおよびローラ26の中心O2 とク
ラッチインナ25側のトルク作用点とを結ぶ直線をBと
して、直線Aと直線Bとの成す角度をθとすると、h≧
R(1−cosθ)の条件を満足する様に係止凹部25
aの深さhが決定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スタータに用いられる
一方向クラッチに関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術として、例えば実開昭59−2
6107号公報に開示されたスタータ用一方向クラッチ
がある。この一方向クラッチは、ローラを収容する楔状
空間の角度を適当な値に設定し、更に駆動体から突出す
る係止部を配設して、楔状空間に噛込むローラを当接さ
せて噛込量を一定値とすることにより、伝達トルクを一
定にして衝撃トルクを吸収している。しかし、この一方
向クラッチは、噛込量を一定にするために係止部を所定
の位置に設定する必要があるが、クラッチアウタに形成
された楔状空間の内周面とクラッチインナの外周面とに
接するローラの当接面が、楔状空間のわずかな傾斜によ
り大幅に左右に振れてしまうため、係止部を正確に位置
設定することができない。その結果、伝達トルクの最大
値を正確に決定できず、衝撃トルクの吸収が不十分とな
ってしまう。
【0003】このため本出願人は、クラッチアウタの内
周面とクラッチインナの外周面の何方か一方にローラを
収容する楔状空間を形成し、他方にローラを係止する係
止凹部を形成した一方向クラッチを提案した(提出日:
平成6年9月7日)。この一方向クラッチでは、過大な
衝撃トルク(所定のスタータ駆動トルク以上)が入力し
た時にローラが係止凹部から離脱できるように、係止凹
部の深さが設定されている。従って、ローラが係止凹部
から離脱してクラッチアウタとクラッチインナとが相対
回転することにより、所定値以上のトルクは伝達されな
い構成となっている。これにより、ローラが係止凹部か
ら離脱する時(クラッチアウタとクラッチインナとが相
対回転を開始する時)の衝撃トルクの所定値を係止凹部
の深さで正確に決定することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、先願に記載
した一方向クラッチでは、係止凹部の深さが浅い場合に
はローラに不安定な条件となり、最悪の場合、係止凹部
からローラが飛び出してトルク伝達ができなくなる可能
性を有していた。本発明は、上記事情に基づいて成され
たもので、その目的は、確実なトルク伝達を行なうこと
のできるスタータ用一方向クラッチを提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、以下の構成を採用した。請求項1では、
相対回転可能に設けられて、径方向に所定の間隔を隔て
て対面する外筒部と内筒部を有し、前記外筒部の内周面
には、断面円形の転動体を収容する楔状のカム室が形成
されて、前記内筒部の外周面には、トルク伝達時に前記
転動体を係止する係止凹部が形成されたスタータ用一方
向クラッチであり、前記係止凹部の深さをh、前記転動
体の半径をR、前記係止凹部に係止された前記転動体を
介して前記外筒部と前記内筒部との間でトルク伝達が行
なわれる時に、前記転動体の中心と前記内筒部の中心と
を結ぶ直線をA、および前記転動体の中心と前記内筒部
側のトルク作用点とを結ぶ直線をBとして前記直線Aと
前記直線Bとの成す角度をθとすると、 h≧R(1−cosθ) の条件を満足することを特徴とする。
【0006】請求項2では、相対回転可能に設けられ
て、径方向に所定の間隔を隔てて対面する内筒部と外筒
部を有し、前記内筒部の外周面には、断面円形の転動体
を収容する楔状のカム室が形成されて、前記外筒部の内
周面には、トルク伝達時に前記転動体を係止する係止凹
部が形成されたスタータ用一方向クラッチであり、前記
係止凹部の深さをh、前記転動体の半径をR、前記係止
凹部に係止された前記転動体を介して前記外筒部と前記
内筒部との間でトルク伝達が行なわれる時に、前記転動
体の中心と前記外筒部の中心とを結ぶ直線をA、および
前記転動体の中心と前記内筒部側のトルク作用点とを結
ぶ直線をBとして前記直線Aと前記直線Bとの成す角度
をθとすると、 h≧R(1−cosθ) の条件を満足することを特徴とする。
【0007】
【作用および発明の効果】
(請求項1)転動体を介して外筒部と内筒部との間でト
ルク伝達が行われる時、転動体は係止凹部に係止された
状態でカム室の内周面に当接している。ここで、仮に外
筒部から内筒部へトルク伝達される場合を考えると、転
動体には外筒部から押圧力が加わり、その押圧力を内筒
部の係止凹部で受けることになる。この時、係止凹部
は、外筒部から転動体に加わる押圧力に対して転動体に
モーメントが加わらない様に転動体を係止する必要があ
る。
【0008】そこで、係止凹部の深さhを内筒部側のト
ルク作用点より高くなるように設定すれば良い。即ち、
転動体の中心と内筒部の中心とを結ぶ直線をA、および
転動体の中心と内筒部側のトルク作用点とを結ぶ直線を
Bとして、直線Aと直線Bとの成す角度をθとした場合
に、転動体の半径RからRcosθを差し引いた値以上
の深さhを確保すれば良い。これにより、外筒部から転
動体に加わる押圧力方向に内筒部(つまり係止凹部の係
止壁面)が存在することになるため、転動体は係止凹部
に係止されてモーメントが加わらなくなるため、外筒部
と内筒部との間で確実にトルク伝達を行うことができ
る。
【0009】なお、転動体を介して内筒部から外筒部へ
トルク伝達される場合は、上記のように係止凹部の深さ
hを設定することにより、係止凹部に転動体を係止させ
た状態で外筒部側へ転動体を押圧することができる。こ
のため、外筒部から内筒部へトルク伝達される場合と同
様に、転動体にモーメントが加わることはなく、確実に
トルク伝達を行うことができる。
【0010】(請求項2)この請求項2では、内筒部の
外周面にカム室が形成されて、外筒部の内周面に係止凹
部が形成されている。つまり、カム室と係止凹部との位
置関係が請求項1の場合と反対である。但し、トルク伝
達時に転動体を係止凹部に係止させて転動体にモーメン
トが加わらない様にするための係止凹部の深さhは、請
求項1の場合と同様に決定することができる。具体的に
は、転動体の中心と外筒部の中心とを結ぶ直線をA、お
よび転動体の中心と内筒部側のトルク作用点とを結ぶ直
線をBとして、直線Aと直線Bとの成す角度をθとした
場合に、転動体の半径RからRcosθを差し引いた値
以上の深さhを確保すれば良い。これにより、転動体が
係止凹部に係止された状態で確実にトルク伝達を行うこ
とができる。
【0011】
【実施例】次に、本発明のスタータの実施例を図面に基
づいて説明する。図1はトルク伝達時のクラッチ部の拡
大断面図、図2はスタータ全体の半断面図である。本実
施例のスタータ1は、通電を受けてアーマチュアシャフ
ト2に回転力を発生するスタータモータ3、このスター
タモータ3の前方側(図2の左方側)でアーマチュアシ
ャフト2と同一軸上に配されたドライブシャフト4、ス
タータモータ3の回転力をドライブシャフト4に伝達す
る回転力伝達手段(後述する)、ドライブシャフト4の
外周に軸受5を介して嵌合されたピニオン6、スタータ
モータ3への通電およびピニオン6の押出力を発生する
マグネットスイッチ7等より構成されている。
【0012】(スタータモータ3の説明)スタータモー
タ3は、アーマチュアシャフト2を有するアーマチュア
8、このアーマチュア8の外周に配置される固定磁極
9、および固定磁極9を内周面に固定する円筒状のヨー
ク10等より構成されて、図示しないスタータスイッチ
がON操作されてマグネットスイッチ7に内蔵された接
点(図示しない)が閉じることにより、アーマチュア8
が通電されて回転する。
【0013】(ドライブシャフト4の説明)ドライブシ
ャフト4は、その先端部が軸受11を介してフロントハ
ウジング12の先端部に回転自在に支持されて、後端部
が軸受13を介してセンタケース14の小径円筒部14
a(後述のクラッチインナ)に回転自在に支持されてい
る。このドライブシャフト4は、その後端が径方向の外
側へフランジ状に突設して、遊星歯車減速機構(後述す
る)のプラネットキャリア4a(本発明のフランジ部)
として一体に設けられている。また、ドライブシャフト
4の後端中央部には、軸方向に沿った中空筒状の凹部が
形成されており、この凹部内に軸受15を配置してアー
マチュアシャフト2の先端を回転自在に支持している。
なお、センタケース14は、フロントハウジング12と
スタータモータ3のヨーク10との間に挟持されて、回
転力伝達手段の外周を覆っている。
【0014】(ピニオン6の説明)ピニオン6は、ドラ
イブシャフト4の外周にヘリカルスプライン嵌合するス
プラインチューブ16と一体に設けられている。このピ
ニオン6は、スプラインチューブ16がレバー17を介
してドライブシャフト4上をヘリカルスプラインに沿っ
て前方へ押し出されることにより、エンジンのリングギ
ヤGと噛み合うことができる。レバー17は、一端がス
プラインチューブ16の外周に係合されて、他端がマグ
ネットスイッチ7の先端側に突出するロッド18に係合
され、中間部でフロントハウジング12に揺動自在に支
持されている。
【0015】(マグネットスイッチ7の説明)マグネッ
トスイッチ7は、前述のスタータスイッチがON操作さ
れて内蔵するコイル(図示しない)が通電されると、コ
イルに発生する磁力によってスイッチ内部に収容された
プランジャ(図示しない)を吸引する。その結果、スタ
ータモータ3の接点を閉じるとともに、ロッド18を通
じてレバー17を揺動操作してピニオン6押出力を発生
する。
【0016】(回転力伝達手段の説明)回転力伝達手段
は、遊星歯車減速機構と一方向クラッチとから構成され
る。遊星歯車減速機構は、スタータモータ3の回転速度
を減速して、スタータモータ3の出力トルクを増大する
減速装置であり、アーマチュアシャフト2の外周に形成
されたサンギヤ19、このサンギヤ19に噛み合う3個
の遊星ギヤ20、各遊星ギヤ20と噛み合うインターナ
ルギヤ21、および前述のプラネットキャリア4aより
構成されている。
【0017】サンギヤ19は、アーマチュアシャフト2
と一体に回転することで、アーマチュアシャフト2の回
転を3個の遊星ギヤ20に伝達する。3個の遊星ギヤ2
0は、それぞれプラネットキャリア4aに固定されたピ
ン22に軸受23を介して回転自在に支持されており、
サンギヤ19およびインターナルギヤ21と噛み合いな
がらサンギヤ19の外周を公転することで、その公転力
がプラネットキャリア4aに伝達されてドライブシャフ
ト4に回転力を伝達する。インターナルギヤ21は、円
筒形状に設けられて、その外周面がセンタケース14の
円筒壁14b内周面に摺接して回転可能に組み込まれて
いる。
【0018】一方向クラッチは、遊星歯車減速機構のイ
ンターナルギヤ21を一方向(エンジンの回転を受けて
回転する方向)のみに回転可能に支持するもので、クラ
ッチアウタ24(本発明の外筒部)、クラッチインナ2
5(本発明の内筒部)、ローラ26(本発明の転動
体)、およびスプリング27等より構成されている。ク
ラッチアウタ24は、インターナルギヤ21より先端側
でインターナルギヤ21より小径の円筒形状に設けられ
て、インターナルギヤ21の先端で径方向の内側へ延び
る環状壁部28を介してインターナルギヤ21と一体に
設けられている。クラッチアウタ24の内周面には、図
1に示すように、ローラ26およびスプリング27を収
容する楔状のカム室24aが形成されている。このカム
室24aは、アウタ内周面の周方向に等間隔で複数設け
られている。
【0019】クラッチインナ25は、センタケース14
の小径円筒部14a(回転不能)によって構成されて、
クラッチアウタ24の内周側で径方向にクラッチアウタ
24と所定の間隔を保って配置されている。クラッチイ
ンナ25の外周面には、図1に示すように、トルク伝達
時にローラ26を係止する係止凹部25aが形成されて
いる。この係止凹部25aは、インナ外周面の周方向に
等間隔で複数(例えば、カム室24aの整数倍)設けら
れている。ローラ26は、円柱形に設けられて、スター
タモータ3の回転力をドライブシャフト4へ伝達する時
にクラッチアウタ24とクラッチインナ25とをロック
して、クラッチアウタ24(即ち、インターナルギヤ2
1)の回転を規制する。スプリング27は、図1に示す
ようにローラ26をカム室24aの狭い方へ押圧してい
る。
【0020】クラッチインナ25に形成された係止凹部
25aは、トルク伝達時にローラ26を確実に係止する
必要がある。つまり、係止凹部25aの深さが浅いと、
係止凹部25aからローラ26が飛び出してトルク伝達
できない場合が生じる。そこで、本発明者は、係止凹部
25aの深さと最大伝達トルクとの関係を実験により考
察した。なお、実験に際して、クラッチアウタ24およ
びクラッチインナ25はそれぞれ樹脂製(例えばナイロ
ン:商標名)、ローラ26は鉄製とした。また、図1に
示すように、係止凹部25aの深さをh、ローラ26の
半径をR、クラッチインナ25の中心O1 とローラ26
の中心O2 とを結ぶ直線をAおよびローラ26の中心O
2 とクラッチインナ25側のトルク作用点とを結ぶ直線
をBとして直線Aと直線Bとの成す角度をθとする。
【0021】ここで、R(1−cosθ)をh′とし
て、h/h′を横軸にとり、最大伝達トルクを縦軸にと
ると、図3に示す様な特性が得られることを発見した。
即ち、h/h′が1未満の場合は、係止凹部25aの深
さが十分でない(浅い)ことから、図4(a)に示すよ
うに、ローラ26に矢印C方向のモーメントが加わるた
め、容易にローラ26がクラッチインナ25の凸部25
bを乗り越えて係止凹部25aから飛び出してしまう。
一方、h/h′が1以上の場合は、図4(b)に示すよ
うに、クラッチアウタ24からローラ26への押圧方向
(ローラ26に矢印で示す方向)の延長線上に係止凹部
25aの壁面が存在するため、ローラ26にモーメント
が加わることはなく、ローラ26が容易に係止凹部25
aから飛び出すことはない。
【0022】但し、h/h′が1以上の場合でも、クラ
ッチアウタ24からローラ26へ過大な押圧力(例え
ば、スタータ駆動トルク以上の衝撃トルク)が加わる
と、図4(b)に破線で示すように、クラッチインナ2
5の凸部25bが撓むことで、ローラ26が凸部25b
を乗り越えて係止凹部25aから飛び出すことになる。
従って、h/h′が1以上の時の最大伝達トルクは、ロ
ーラ26から押圧力を受ける凸部25bの剛性によって
決定され、それまではローラ26の挙動が安定して(つ
まり係止凹部25aに係止されている)、確実にトルク
伝達が行われる。
【0023】次に、本実施例の作動を説明する。スター
タスイッチがON操作されると、マグネットスイッチ7
によりスタータモータ3の接点が閉じてアーマチュア8
が通電されることにより、アーマチュア8に回転力が発
生する。これにより、アーマチュアシャフト2とともに
サンギヤ19が回転して3個の遊星ギヤ20を回転駆動
する。この時、各遊星ギヤ20と噛み合うインターナル
ギヤ21は、各遊星ギヤ20の回転力を受けて図5のD
方向に回転しようとする。
【0024】このインターナルギヤ21の動作により、
クラッチアウタ24のカム室24aに収納されたローラ
26がスプリング27に押圧され、カム室24aの狭い
方へ移動してクラッチインナ25の外周面に形成された
係止凹部25aに係止される。これにより、クラッチア
ウタ24は、センタケース14に一体形成されたクラッ
チインナ25(固定されている)にローラ26を介して
ロックされて回転が規制される。その結果、クラッチア
ウタ24と一体を成すインターナルギヤ21の回転が規
制されるため、3個の遊星ギヤ20がピン22を中心と
して自転しながらサンギヤ19の外周を公転し、その公
転力がプラネットキャリア4aに伝達されて、ドライブ
シャフト4を回転駆動する。
【0025】一方、ドライブシャフト4に嵌合するピニ
オン6は、マグネットスイッチ7の吸引力により、レバ
ー17を介してスプラインチューブ16と一体にドライ
ブシャフト4の軸上を前方へ押し出されてリングギヤG
と噛み合うことで、スタータモータ3の回転力をリング
ギヤGに伝達する。
【0026】その後、エンジンが回転すると、ドライブ
シャフト4がエンジンにより高速で回されるため、プラ
ネットキャリア4aに支持された各遊星ギヤ20の自転
方向が反転する。これにより、回転規制されていたイン
ターナルギヤ21が各遊星ギヤ20の回転力を受けて図
5のE方向に回転する。その結果、それまで係止凹部2
5aに係止されていたローラ26がスプリング27の付
勢力に抗してカム室24aの広い方へ移動し、クラッチ
インナ25とクラッチアウタ24とのロックを解除する
ことにより、インターナルギヤ21は空転することがで
きる。これにより、エンジンで発生した回転力は、イン
ターナルギヤ21が空転することでアーマチュアシャフ
ト2へ伝達されることはなく、スタータモータ3のオー
バランを防止することができる。
【0027】(本実施例の効果)本実施例では、クラッ
チアウタ24からローラ26への押圧力方向の延長線上
に壁面(凸部25b)が存在する様に係止凹部25aの
深さを設定したことにより、トルク伝達時にローラ26
が容易に係止凹部25aから飛び出すことはなく、確実
にトルク伝達を行うことができる。また、クラッチイン
ナ25を樹脂製とした場合、クラッチアウタ24からロ
ーラ26を介して過大な衝撃トルクが加わった時に、ク
ラッチインナ25の凸部25bが撓んでローラ26が凸
部25bを乗り越えて係止凹部25aから飛び出すこと
ができる。これにより、クラッチインナ25へ衝撃トル
クが伝達されることはなく、衝撃力を吸収することがで
きる。
【0028】(変形例)本実施例では、クラッチアウタ
24を遊星歯車減速機構のインターナルギヤ21と一体
に設けたが、クラッチインナ25をインターナルギヤ2
1と一体に設けて、クラッチアウタ24を回転不能とし
ても良い。また、カム室24aと係止凹部25aとの位
置関係は上記実施例の場合と反対でも良い。即ち、クラ
ッチアウタ24の内周面に係止凹部25aを形成して、
クラッチインナ25の外周面にカム室24aを形成して
も良い。さらに、本実施例では、クラッチアウタ24を
インターナルギヤ21と一体に設けたことで、クラッチ
インナ25をセンタケース14に設けて回転不能とした
が、クラッチアウタ24およびクラッチインナ25共に
回転可能な構成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】トルク伝達時のクラッチ部の拡大断面図であ
る。
【図2】スタータ全体の半断面図である。
【図3】係止凹部の深さと最大伝達トルクとの関係を示
すグラフである。
【図4】ローラにモーメントが加わる時のクラッチ部断
面図(a)およびトルク伝達が行われる時のクラッチ部
断面図(b)である。
【図5】一方向クラッチの半断面図である。
【符号の説明】
1 スタータ 24 クラッチアウタ(外筒部) 24a カム室 25 クラッチインナ(内筒部) 25a 係止凹部 26 ローラ(転動体)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】相対回転可能に設けられて、径方向に所定
    の間隔を隔てて対面する外筒部と内筒部を有し、前記外
    筒部の内周面には、断面円形の転動体を収容する楔状の
    カム室が形成されて、前記内筒部の外周面には、トルク
    伝達時に前記転動体を係止する係止凹部が形成されたス
    タータ用一方向クラッチであり、 前記係止凹部の深さをh、前記転動体の半径をR、前記
    係止凹部に係止された前記転動体を介して前記外筒部と
    前記内筒部との間でトルク伝達が行なわれる時に、前記
    転動体の中心と前記内筒部の中心とを結ぶ直線をA、お
    よび前記転動体の中心と前記内筒部側のトルク作用点と
    を結ぶ直線をBとして前記直線Aと前記直線Bとの成す
    角度をθとすると、 h≧R(1−cosθ) の条件を満足することを特徴とするスタータ用一方向ク
    ラッチ。
  2. 【請求項2】相対回転可能に設けられて、径方向に所定
    の間隔を隔てて対面する内筒部と外筒部を有し、前記内
    筒部の外周面には、断面円形の転動体を収容する楔状の
    カム室が形成されて、前記外筒部の内周面には、トルク
    伝達時に前記転動体を係止する係止凹部が形成されたス
    タータ用一方向クラッチであり、 前記係止凹部の深さをh、前記転動体の半径をR、前記
    係止凹部に係止された前記転動体を介して前記外筒部と
    前記内筒部との間でトルク伝達が行なわれる時に、前記
    転動体の中心と前記外筒部の中心とを結ぶ直線をA、お
    よび前記転動体の中心と前記内筒部側のトルク作用点と
    を結ぶ直線をBとして前記直線Aと前記直線Bとの成す
    角度をθとすると、 h≧R(1−cosθ) の条件を満足することを特徴とするスタータ用一方向ク
    ラッチ。
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