JPH08312414A - ディーゼル機関の電子制御燃料噴射装置 - Google Patents

ディーゼル機関の電子制御燃料噴射装置

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JPH08312414A
JPH08312414A JP7117304A JP11730495A JPH08312414A JP H08312414 A JPH08312414 A JP H08312414A JP 7117304 A JP7117304 A JP 7117304A JP 11730495 A JP11730495 A JP 11730495A JP H08312414 A JPH08312414 A JP H08312414A
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valve
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幹士 木崎
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はプレストローク制御によって燃料圧
力を高圧化する機能を備えるディーゼル機関の電子制御
燃料噴射装置に関し、高回転・少噴射量領域において高
精度な燃料噴射量制御を実現することを目的とする。 【構成】 分配型電子制御燃料噴射ポンプのポンプ室に
スピル通路を連通する。スピル通路の導通状態を制御す
るスピル弁を設ける。分配型電子制御燃料噴射ポンプの
ポンプ圧送行程中の所定の時期にスピル弁を閉弁するプ
レストローク制御機構を設ける。機関回転数NEと燃料
噴射量Qとを検知する運転状態検知機構を設ける。NE
が高いほど、またQが少量であるほど小さなプレストロ
ーク量QPSが設定されたマップに従ってQPSを求め
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディーゼル機関の電子
制御燃料噴射装置に係り、特に、プレストローク制御に
よって燃料圧力を高圧化する機能を備えるディーゼル機
関の電子制御燃料噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ディーゼル機関の燃料噴射装
置として、例えば特開平2−37153号公報に開示さ
れる装置が知られている。この装置は、プランジャの往
復動により燃料の圧送を図る分配型電子制御燃料噴射ポ
ンプ(以下、単に燃料噴射ポンプと称す)と、該燃料噴
射ポンプのポンプ室に連通するスピル通路の導通状態を
制御するスピル弁とを備えており、燃料噴射の際の送油
率を変更する機能を有している。
【0003】すなわち、上記公報に開示される燃料噴射
ポンプのプランジャは、そのストローク量が変化するに
連れて変位速度が変化するようにカム駆動されている。
この場合、プランジャによって単位時間当たりに圧送さ
れる燃料の量、すなわちプランジャの送油率は、プラン
ジャのストローク量に応じて変化する。また、上記の燃
料噴射ポンプは、スピル弁が閉弁している場合に限りポ
ンプ室の内圧が昇圧して燃料噴射が可能な状態となる。
【0004】このため、上記の燃料噴射装置によれば、
スピル弁を閉弁する以前(燃料噴射を開始する以前)に
プランジャに与えるストローク量(以下、プレストロー
ク量と称す)と、スピル弁を開弁する際のストローク位
置(以下、噴射終了時期と称す)とを制御することで、
燃料噴射ポンプから、同一の量の燃料を、異なる送油率
で噴射させることができる。
【0005】かかる構成の下、上記従来の燃料噴射装置
は、内燃機関が軽負荷領域で運転している場合はプレス
トローク量と噴射終了時期とを制御し(以下、この制御
をプレストローク制御と称す)、内燃機関が軽負荷領域
以外の領域で運転している場合はプレストローク量を設
定することなく噴射終了時期のみを制御して、ディーゼ
ル機関の出力特性、排気特性等の向上を図っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した燃
料噴射ポンプは、内燃機関と同期して作動するように構
成されている。従って、そのプランジャの変位速度は、
機関回転数が高いほど高速となり、一回の燃料噴射時間
は、機関回転数が高くなるほど短時間となる。特に、内
燃機関にかかる負荷が小さい場合は燃料噴射量が少量と
なるため、高回転・軽負荷運転時には、燃料噴射時間が
極めて短時間となる。
【0007】このため、上記従来の燃料噴射装置におい
て、高回転運転中にプレストローク制御を実行するため
には、極めて短い時間の間にスピル弁を閉弁し、再度開
弁することが必要となる。この際、かかる高回転領域に
おいては、プランジャの変位速度が速く燃料送油率が大
きくなるため、スピル弁が完全に閉弁しなくともポンプ
室の内圧が高圧になって燃料の噴射が開始される現象、
すなわち、いわゆるスピルチョークが生ずる場合があ
る。スピルチョークによる噴射においては、燃料粘度や
スピル弁周辺の形状等の機差バラツキ等による影響が大
きく、精度の良い噴射量コントロールは困難である。
【0008】また、スピル弁が全閉位置に到達する場合
においても、全閉位置到達直とに生ずるバウンシングに
よってスピル弁の慣性の向きが閉弁方向から開弁方向に
変換された状況下でスピル弁に開弁指令が発せられる
と、異常に高い開弁応答性が発揮され、燃料噴射期間が
異常に短くなる。
【0009】このように、スピル弁を用いて燃料噴射期
間を制御する場合、スピル弁に対して閉弁指令を発して
から開弁指令を発するまでの期間が極めて短い領域で
は、燃料噴射量を高精度に制御することに困難が伴う。
この意味で、かかる制御の困難性を考慮することなく、
内燃機関が軽負荷である場合にはプレストローク制御を
実行する上記従来の燃料噴射装置は、高回転・少噴射量
領域では、車両のドライバビリティを悪化させる場合が
あるという問題を有するものであった。
【0010】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、高回転・少噴射量領域では、プレストローク量
を小さくし、又はプレストローク制御を禁止して、燃料
噴射ポンプの送油率を下げることにより、上記の課題を
解決するディーゼル機関の電子制御燃料噴射装置を提供
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、分配型電子制御燃料噴射ポンプと、該
分配型電子制御燃料噴射ポンプのポンプ室に連通するス
ピル通路を開閉するスピル弁とを備えると共に、前記ス
ピル弁の閉弁時期を前記分配型電子制御燃料噴射ポンプ
のポンプ圧送行程中の所定の時期に設定するプレストロ
ーク制御手段を備えるディーゼル機関の電子制御燃料噴
射装置において、機関回転数と燃料噴射量とを検知する
運転状態検知手段と、機関回転数が高いほど、また、燃
料噴射量が少量であるほど、プレストローク量を小さく
するプレストローク量操作手段と、を備えるディーゼル
機関の電子制御燃料噴射装置により達成される。
【0012】また、上記の目的は、請求項2に記載する
如く、分配型電子制御燃料噴射ポンプと、該分配型電子
制御燃料噴射ポンプのポンプ室に連通するスピル通路を
開閉するスピル弁とを備えると共に、前記スピル弁の閉
弁時期を前記分配型電子制御燃料噴射ポンプのポンプ圧
送行程中の所定の時期に設定するプレストローク制御手
段を備えるディーゼル機関の電子制御燃料噴射装置にお
いて、機関回転数と燃料噴射量とを検知する運転状態検
知手段と、機関回転数が高く、かつ、燃料噴射量が少い
所定の領域を、プレストローク制御の禁止領域として、
該禁止領域内ではプレストローク制御を禁止するプレス
トローク禁止手段と、を備えるディーゼル機関の電子制
御燃料噴射装置によっても達成される。
【0013】
【作用】請求項1記載の発明において、分配型電子制御
燃料噴射ポンプのプランジャの送油率は、プレストロー
ク手段によって大きなプレストローク量が設定されるほ
ど大きくなる。従って、高回転・少噴射量領域で、大き
なプレストローク量を伴うプレストローク制御が実行さ
れるとすれば、プランジャの変位速度が速くなり、噴射
圧が上昇してスピルチョークが発生し易くなり、また、
スピル弁の開弁信号がバウンシングと同期するほど閉弁
信号から開弁信号までの期間が短くなって、燃料噴射量
を高精度に制御することが困難な事態が生ずる。
【0014】これに対して、本発明におけるプレストロ
ーク量操作手段は、運転状態検知手段によって検知され
た機関回転数が高いほど、また、燃料噴射量が少量であ
るほど、プレストローク量を小さく設定する。このた
め、高回転・少量噴射量領域における分配型電子制御燃
料噴射ポンプの送油率が適当なレベルに抑制される。従
って、高回転・少量噴射量領域における燃料噴射期間が
燃料噴射量の制御性に悪影響を与えるほど短く、また噴
射圧が高くなることはなく、かかる領域においても高精
度な燃料噴射量制御が実現される。
【0015】請求項2記載の発明において、プレストロ
ーク禁止手段は、所定の高回転・少噴射量領域では、プ
レストローク制御の実行を禁止する。従って、本発明に
おいては、高回転・少噴射量領域でプレストローク量が
設定されることはない。この場合、高回転・少噴射量領
域における分配型電子制御燃料噴射ポンプの送油率が十
分に低くなり、高い制御性の確保に十分な燃料噴射期間
が確保される。このため、かかる領域においても高精度
な燃料噴射量制御が実現される。
【0016】
【実施例】図1は本発明の一実施例である電子制御燃料
噴射装置の要部である分配型電子制御燃料噴射ポンプ
(以下、単に燃料噴射ポンプと称す)10の正面断面図
を示す。また、図2は、本実施例の電子制御燃料噴射装
置を搭載するディーゼル機関の全体構成図を示す。以
下、図1および図2を参照して、本実施例の電子制御燃
料噴射装置の構成について説明する。
【0017】図1に示すように、燃料噴射ポンプ10
は、ドライブプーリ12を備えている。ドライブプーリ
12は、ディーゼル機関のクランクシャフトにベルト等
を介して連結される部材であり、燃料噴射ポンプ10
は、このドライブプーリ12が回転することによって駆
動される。ドライブプーリ12はドライブシャフト14
の先端に取付けられている。ドライブシャフト14の途
中には、ベーン式ポンプよりなる燃料フィードポンプ1
6(図1には90°転回した状態を示す)が設けられて
いる。また、ドライブシャフト14の基端側には円板状
のパルサ18が取付けられている。
【0018】パルサ18の外周部には、クランクアング
ルにして3.75度毎に、等角度間隔で突起が形成されてい
る。更に、パルサ18の外周部には、ディーゼル機関の
各気筒に対応して、上記の突起が存在しない領域(以
下、欠歯と称す)が、ディーゼル機関の気筒数と同じ数
だけ(本実施例においては4つ)等角度間隔で形成され
ている。
【0019】ドライブシャフト14の基端部は図示しな
いカップリングを介してカムプレート20に連結されて
いる。カムプレート20は、そのカムフェイス20aに
ディーゼル機関の気筒数と同数(本実施例では4個)の
凸部を備えると共に、スプリング22によってパルサ1
8方向に付勢されている。また、パルサ18とカムプレ
ート20との間には、ローラリング24が設けられてい
る。このローラリング24は、その円周に沿って、カム
プレート20のカムフェイス20aに対向する複数のカ
ムローラ26を備えている。
【0020】カムプレート20には燃料加圧用プランジ
ャ28の基端が、軸回りの回転が可能となるように取付
けられている。このため、ドライブシャフト14の回転
力は、カップリングを介してカムプレート20に伝達さ
れ、更にプランジャ28に伝達されることになる。従っ
て、ドイブシャフト14が回転すると、カムプレート2
0およびプランジャ28が、その回転に連動して回転さ
れる。この際、カムプレート20は、カムローラ26に
係合しながら回転するため、プランジャ28は、ドライ
ブシャフト14が1回転する間に、ディーゼル機関の気
筒数と同じ回数だけ軸長方向に往復駆動することにな
る。
【0021】プランジャ28はポンプハウジング30に
形成されたシリンダ32に嵌挿されており、プランジャ
28の先端面とシリンダ32の端面との間には、ポンプ
室34が形成されている。また、プランジャ28には、
その先端側の外周面に、ディーゼル機関の気筒数と同数
だけ等角度間隔でポンプ室34に連通する吸入溝36が
設けられていると共に、その内部に、ポンプ室34とプ
ランジャ28の側面とを連通する分配ポート38が設け
られている。一方、ポンプハウジング30には、所定回
転角毎にプランジャ28の吸入溝36に開口する吸入ポ
ート40と、ディーゼル機関の気筒数と同数だけ等角度
間隔で設けられ、所定回転角毎にプランジャ28の分配
ポート38に連通する分配通路42とが設けられてい
る。
【0022】ところで、燃料噴射ポンプ10には、燃料
供給ポート44を介して燃料が供給される。燃料供給ポ
ート44に燃料が供給された状況下でドライブシャフト
14が回転すると、燃料フィードポンプ16が駆動さ
れ、カムプレート20等が収納される燃料室46内に所
定圧力に昇圧された燃料が供給される。
【0023】上述した吸入ポート40は、燃料室46に
開口しているため、燃料室46内に導かれた燃料は、そ
の後吸入ポート40内に導かれる。また、吸入ポート4
0と吸入溝36とは、プランジャ28が復動する過程
で、すなわちポンプ室34の容積が拡大される過程で連
通するように構成されている。更に、分配ポート38と
分配通路42とは、プランジャ28が往動する過程で、
すなわちポンプ室34の容積が縮小される過程で連通す
るように構成されている。このため、燃料噴射ポンプ1
0においては、プランジャ28が一往復動作する毎に、
燃料室46からポンプ室34への燃料の吸入と、ポンプ
室34から分配通路42への燃料の吐出とが行われるこ
とになる。
【0024】ポンプハウジング30には、ポンプ室34
と燃料室46とを連通するスピル通路48が形成されて
いる。また、スピル通路48には、その導通状態を制御
するスピル弁50が配設されている。スピル弁50は、
コイル52に電流が通電されいない状態(オフ状態)で
は弁体54を開弁状態とし、一方、コイル52に適当な
電流が通電された状態(オン状態)では弁体54を閉弁
状態とする電磁弁である。従って、スピル弁50をオフ
状態とすれば、ポンプ室34の燃料を燃料室46内にス
ピルすることができ、一方、スピル弁50をオフ状態と
すれば、その燃料のスピルを停止することができる。
【0025】かかる構成によれば、プランジャ28がポ
ンプ室34の内圧を昇圧する方向に変位している過程で
あっても、スピル弁50がオン状態であればポンプ室3
4の圧力が上昇することはない。このため、本実施例の
燃料噴射ポンプによれば、スピル弁50の開閉状態を制
御することで、プランジャ28の動作タイミングとは独
立して、分配通路42に高圧燃料が供給される時期を制
御することができる。
【0026】ポンプハウシング30の下方には、ドライ
ブシャフト14の回転方向に対するカムローラ26の位
置を変更するタイマ装置56(図1には90°転回した
状態を示す)が設けられている。このタイマ装置56は
油圧により駆動される装置であり、タイマハウジング5
8、タイマハウジング58内に嵌挿されるタイマピスト
ン60、タイマピストン60を低圧室62側から加圧室
64側へ押圧するタイマスプリング66、及びタイマピ
ストン60とローラリング24とを連結するスライドピ
ン68とで構成される。
【0027】タイマハウジング58の加圧室64には、
燃料フィードポンプ16により加圧された燃料が導入さ
れるようになっている。そして、その燃料圧力とタイマ
スプリング66の付勢力との釣り合い関係によってタイ
マピストン60の位置が決定される。タイマ装置56の
加圧室64に供給される燃料圧力を調整するために、タ
イマ装置56にはタイミングコントロールバルブ70が
設けられている。このタイミングコントロールバルブ7
0は、タイマハウジング56の加圧室64と低圧室62
とを連通する連通路72に配設されており、ディーティ
制御を行うことで適当な開度を維持することができる。
かかる構成によれば、タイミングコントロールバルブ7
0を適当にデューティ駆動することで、ローラリング2
4の位置を変更することができ、ドライブシャフト14
の回転角に対するプランジャ28の往復動作タイミング
を変更することができる。
【0028】ローラリング24の上方には、パルサ18
の外周面に対向配置された電磁ピックアップコイルから
なる回転角センサ74が配設されている。回転角センサ
74は、パルサ18の突起が所定クランク角度毎(本実
施例の場合は3.75°CA毎)にその直近を通過する際
に、磁束の変化に応じたパルス信号を出力し、一方、そ
の直近をパルサ18の欠歯部分が通過する際には何らの
信号も出力しない。従って、回転角センサ74からパル
ス信号が出力されるタイミングを検出することで、ドラ
イブシャフト14の回転角、すなわち、ディーゼル機関
の回転角を検出することができる。
【0029】次に、図2を参照して、本実施例の電子制
御燃料噴射装置を搭載するディーゼル機関80の構成に
ついて説明する。ディーゼル機関80は、4気筒式の内
燃機関であり、各気筒毎に、シリンダ82、ピストン8
4及びシリンダヘッド86で囲まれた主燃焼室88が形
成されている。主燃焼室88には、同様に各気筒毎に設
けられた副燃焼室90が連設している。各副燃焼室90
には、上述した分配通路18に連通する燃料噴射ノズル
92が嵌挿されており、適当なタイミングで燃料が噴射
される。また、副燃焼室90には、始動補助装置として
の周知のグロープラグ94が取付けられている。
【0030】ディーゼル機関80には、吸気管96及び
排気管98がそれぞれ設けられている。吸気管96に
は、過給機を構成するターボチャージャ100のコップ
レッサ102が設けられ、排気管98にはターボチャー
ジャ100のタービン104が設けられている。また、
排気管98には、過給圧力を調節するウェイストゲート
バルブ106が設けられている。
【0031】吸気管96の途中には、アクセルペダル1
08の踏込量に連動して開閉されるスロットルバルブ1
10が設けられている。スロットルバルブ110の側方
には、このスロットルバルブ110をバイパスするバイ
パス路112、及びバイパス路112の導通状態を制御
するバイパス絞り弁114が設けられている。
【0032】バイパス絞り弁114は、2つのバキュー
ム・スイッチング・バルブ(VSV)116,118に
連通する二段のダイヤフラム室を有するアクチュエータ
120よって開閉制御される。このバイパス絞り弁60
は、各種運転状態に応じて開閉制御される弁機構であ
り、例えば、アイドル運転時には騒音振動等の低減のた
めに半開状態に、通常運転時には吸気能力の確保のため
に全開状態に、また、運転停止時には円滑な停止のため
に全閉状態に制御される。
【0033】上述したスピル弁50、タイミングコント
ロールバルブ70、グロープラグ94およびVSV11
6,118の制御は、電子制御ユニット(以下、ECU
と称す)122によって行われる。これら各構成要素の
制御を適切に行うため、本実施例の電子制御燃料噴射装
置は、上述した回転角センサ74の他、以下に示す各種
センサを備えており、ECU122には、それら各種セ
ンサの検出信号が供給されている。
【0034】すなわち、吸気管96には吸気温度THA
を検出する吸気温センサ124が設けられている。スロ
ットルバルブ110の近傍には、ディーゼル機関80の
負荷に相当するスロットル開度を検出するスロットル開
度センサ126が設けられている。スロットルバルブ1
10の下流には、ターボチャージャ100によって過給
された後の吸気圧、即ち過給圧を検出する吸気圧センサ
128が設けられている。ディーゼル機関80のシリン
ダブロックには、冷却水温THWを検出する水温センサ
130が設けられている。ディーゼルエンジン132の
クランクシャフトの近傍には、クランクシャフト132
の回転基準位置、例えば特定気筒の上死点に対するクラ
ンクシャフト132の回転位置を検出するクランク角セ
ンサ134が設けられている。更に、図示しないトラン
スミッションには、その出力軸の回転速度を検出する車
速センサ136が設けられている。
【0035】以下、本実施例の電子制御燃料噴射装置に
動作について説明する。上述の如く、本実施例の電子制
御燃料噴射装置においては、スピル弁50が閉弁してい
る場合に限り燃料噴射が行われる。このため、燃料噴射
ポンプ10のプランジャ28のリフト量(以下、プラン
ジャリフトと称す)が図3(A)に示す如く変化した際
に、図3(B)中に実線で示す如くスピル弁23を開閉
弁すれば、図3(A)中にで示す期間が燃料噴射期間
となる。また、図3(B)中に破線で示す如く電磁スピ
ル弁23を開閉弁すれば、図3(A)中にで示す期間
が燃料噴射期間となる。
【0036】この際、ディーゼル機関80においては、
各気筒の温度が圧縮工程の過程で適当な時期に着火が行
われるように燃料噴射を行う必要がある。このため、ス
ピル弁50の開閉制御は、基本的にはクランク角センサ
134によって検出されるクランク角を基準に行うこと
が必要である。しかし、本実施例の燃料噴射装置におい
ては、上述の如くタイマ装置56の機能により、プラン
ジャ28が往復運動するタイミングと内燃機関のクラン
ク角との関係を変更することが可能である。従って、本
実施例の燃料噴射装置においては、クランク角に対して
適当なタイミングを維持しつつ、図3(A)中に又は
で示すように、異なるリフト領域を燃料噴射期間に設
定することが可能である。
【0037】ところで、ディーゼル機関80において良
好な排気特性を得るためには、燃焼室88に供給する燃
料の微粒化を促進して燃焼性を高めることが有効であ
る。また、燃料の微粒化を促進するためには、高い圧力
で燃料噴射を行うことが望ましく、この意味では図3
(A)中に示す如く、プランジャ28に比較的大きな
プレストローク量を付与して燃料噴射を行うことが望ま
しい。
【0038】しかし、機関回転数NEが高く、かつ燃料
噴射量が少量となる運転領域、すなわち、高回転・少噴
射量領域で大きなプレストローク量を付与した場合、燃
料噴射量の制御が不能となる場合がある。図4は、かか
る現象が生ずる理由を説明するための図であり、高回転
・少噴射量領域において僅かづつ燃料噴射量の目標値を
変化させた際のスピル弁50のリフト量とクランク角と
の関係を示す。
【0039】図4中に実線、破線、二点鎖線、及び一点
鎖線で示す曲線は、クランク角θ0°CAにてスピル弁
50に開弁指令を発し、θ0 から非常に短い期間後(そ
れぞれクランク角θ1 、θ2 、θ3 、θ4 )の時点でス
ピル弁50に閉弁指令を発した際のリフト変化を示す。
【0040】比較的大きなプレストローク量が付与され
た場合、スピル弁50が閉弁する過程で、プランジャ2
8には高い送油率が付与されることになる。更に、ディ
ーゼル機関80が高回転領域で運転している場合は、プ
ランジャ28には高速の変位速度が付与される。このた
め、高回転領域で比較的大きなプレストローク量が付与
された場合、ポンプ室34の内圧は、スピル弁50の閉
弁動作が開始された後、急激に上昇することになる。
【0041】このようにスピル弁50の閉弁過程でポン
プ室34の内圧が急上昇すると、スピル弁50が全閉状
態となる前にポンプ室34の内圧が燃料噴射に必要な圧
力に到達し、燃料の噴射が開始される場合がある。この
現象は、スピルチョークと呼ばれる現象であり、上記の
如く、機関回転数NEが高く、かつ、比較的大きなプレ
ストローク量が付与されている場合に生ずる。
【0042】そのような状況で、ディーゼル機関80の
運転領域が少噴射領域となると、図4の実線、破線のよ
うに完全な閉弁状態が得られない程スピル弁閉弁指令か
ら開弁指令までの期間が短くなって、スピルチョークに
よる噴射のみで燃料噴射行程が終了してしまう場合があ
る。この場合、もはや精度の良い噴射量制御は望めな
い。
【0043】また、図4中に二点鎖線で示す如く、スピ
ル弁50のリフト量が全閉側変位端Lに到達する直前
に、クランク角θ3 °CA(θ2 <θ3 )において開弁
指令が発せられた場合は、開弁指令がθ1 °CA、若し
くはθ2 °CAに発せられた場合に比べて早期にスピル
弁50が全開状態となる。全閉側変位端に到達した際に
スピル弁50に生ずるバウンシングと開弁指令がほぼ同
期してしまったからである。このような逆転現象も当然
異常な噴射状態である。このため、高回転・少噴射領域
で、比較的大きなプレストローク量を付与して燃料噴射
を行った場合、図5に示す如く、特定の領域に、燃料噴
射量を精度良く制御することのできない領域が生ずるこ
とになる。
【0044】これに対して、高回転・少噴射領域で付与
するプレストローク量を小さく抑制すれば、すなわち、
送油率の小さいカムリフト工程にスピル弁閉弁期間を設
定すれば、スピル弁50が閉弁する過程でポンプ室34
に生ずる圧力上昇を緩やかにし、スピルチョークによっ
て噴射される燃料の量を減少させることができ、また、
送油率を小さくすることからスピル弁閉弁期間を長くと
ることになって確実に完全閉弁状態での噴射が実現され
る。
【0045】従って、ディーゼル機関80の運転状態に
応じてプレストローク量を適当に抑制すれば、前述した
問題点が解決される。このため、高回転・少噴射領域
で、プレストローク量を適当な値に抑制して燃料噴射を
行った場合、図6に示す如く、全ての領域において、燃
料噴射量を精度良く制御することが可能となる。
【0046】図7は、かかる機能を実現すべくECU1
22が実行するプレストローク量算出ルーチンの一例の
フローチャートを示す。また、図8は、本ルーチン中で
用いるプレストローク量QPSのマップの一例を示す。
すなわち、図7に示すルーチンが起動すると、先ずステ
ップ100において機関回転数NEを読み込む。次い
で、ステップ102において、他のルーチンで演算され
た燃料噴射量Qを読み込む。そして、ステップ104に
おいて、図8に示すNEとQとの2次元マップに基づい
て適当なプレストローク量QPSを算出して今回の処理
を終了する。
【0047】ここで、本実施例は、プレストローク量Q
PSのマップが、図8に示す如く、機関回転数NEが高
いほど、また、燃料噴射量Qが少ないほど、プレストロ
ーク量QPSが小さくなるように設定されている点に特
徴を有している。より具体的には、このQPSマップ
は、ディーゼル機関80の全ての運転領域において、燃
料噴射量の全てがスピルチョークのみによって満たされ
ることがないように、高回転・少噴射量領域ほど小さな
値となるように設定されている。
【0048】従って、本実施例の電子制御燃料噴射装置
においては、スピル弁50が全閉側変位端に到達するこ
となく燃料噴射が終了されるモードと、スピル弁50が
一旦は全閉変位端に到達した後に燃料噴射が終了される
モードとが混在することがない。このため、本実施例の
電子制御燃料噴射装置によれば、全閉側変位端における
スピル弁50のバウンシングの影響で、燃料噴射量の制
御が不能となることはなく、常に高精度な燃料噴射量制
御を実現することができる。
【0049】ところで、上記図7に示すルーチンにおい
ては、プレストローク量QPSをNEとQとに基づいて
設定しているが、吸気温THA、冷却水温THW等に応
じてQPSに補正を施したい場合がある。しかし、上記
の如く図8に示すマップに基づいて設定したQPSに、
改めて補正を施すこととすると、最終的に得られたQP
Sのもとでは、上記図5に示す如き制御不能領域が生ず
るおそれがある。このため、QPSにTHA,THW等
を反映させるためには、所望の補正を施した後のQPS
を、制御不能領域を発生させない適当な範囲内に収める
ことが必要である。
【0050】図9は、かかる機能を実現すべくECU1
22が実行するプレストローク量算出ルーチンの一例の
フローチャートを示す。すなわち、図9に示すルーチン
が起動すると、先ずステップ200で機関回転数NEを
読み込み、次いで、ステップ202で燃料噴射量Qを読
み込み、更に、ステップ204で冷却水温THW、及び
吸気温THAを読み込む。
【0051】次に、ステップ206では、制御不能領域
を排除することを考慮することなく、ディーゼル機関8
0の出力特性や排気特性に関する要求に応じて設定した
NEとQとの2次元基本マップに基づいて、基本のプレ
ストローク量QPSを算出する。従って、この基本のプ
レストローク量QPSを用いて燃料噴射量制御を行った
場合、高回転・少噴射領域では制御不能領域が生ずる場
合がある。
【0052】ステップ208では、冷却水温THWに基
づいて基本のQPSを補正する処理を行う。具体的に
は、ディーゼル機関80の出力特性や排気特性をより向
上するために、冷却水温THWの関数として導入した補
正係数XKTHWを用いて、QPS′=QPS・XKT
HWなる演算式に従って、THWに基づくプレストロー
ク量の補正値QPS′を求める。
【0053】また、ステップ210では、吸気温THA
に基づいて上記の補正値QPS′を更に補正する処理を
行う。具体的には、ディーゼル機関80の出力特性や排
気特性をより向上するために、吸気温THAの関数とし
て導入した補正係数XKTHAを用いて、QPS″=Q
PS′・XKTHAなる演算式に従って、THAに基づ
くプレストローク量の補正値QPS″を求める。
【0054】次に、ステップ212では、NEとQとに
基づいて、制御不能領域を生じさせることなく燃料噴射
量制御を実行し得る最大のプレストローク量(以下、限
界プレストローク量と称す)QPSMAXを、予め設定
したNEとQとの2次元マップに基づいて算出する。
【0055】そして、ステップ214で、THWおよび
THAに基づく補正後のQPS″が限界プレストローク
量QPSMAXより小さいかを判断し、QPS″<QP
SMAXが成立する場合はQPS″を最終的なプレスト
ローク量として今回の処理を終了する。一方、QPS″
<QPSMAXが不成立である場合は、ステップ216
でQPS″を限界プレストローク量QPSMAXに変更
して今回の処理を終了する。
【0056】上記図9に示すルーチンにおいて最終的に
決定されるプレトローク量の補正値QPS″は、ディー
ゼル機関80の運転状態に対して、燃料噴射量の制御不
能領域を生ずることのない値であり、かつ、ディーゼル
機関80において出力特性や排気特性等を良好に維持し
得る値である。従って、ECU122が図9に示すルー
チンを実行する場合、ディーゼル機関80の出力特性や
排気特性を損なうことなく、全ての運転領域において高
精度な燃料噴射量制御を実現することができる。
【0057】尚、上記の実施例においては、ECU12
2が、回転角センサ74の検出信号に基づいて、燃料噴
射ポンプ10のポンプ圧送行程中にスピル弁50に開弁
指令を発することで前記したプレストローク制御手段が
実現される。また、ECU122が上記ステップ100
及び102、又はステップ200及び202を実行する
ことにより前記した運転状態検知手段が、また上記ステ
ップ104、又はステップ212〜216を実行するこ
とにより前記したプレストローク量操作手段が、それぞ
れ実現される。
【0058】ところで、上述した実施例においては、必
要とされる全ての燃料噴射量がスピルチョークのみによ
って満たされることがないように、適当な範囲内でプレ
ストローク量QPSを設定することで制御不能領域の発
生を防止している。これに対して、所定の高回転・少噴
射量領域ではプレストローク制御を禁止して、プランジ
ャリフトが生ずる以前にスピル弁50を閉弁状態とする
ことによっても制御不能領域の発生を防止することが可
能である。
【0059】図10は、かかる機能を実現すべくECU
122が実行するプレストローク量算出ルーチンの一例
のフローチャートを示す。すなわち、図10に示すルー
チンが起動すると、先ずステップ300で機関回転数N
Eを読み込み、次いで、ステップ302で燃料噴射量Q
を読み込み、次にステップ304で、下記表1に示す如
く設定したNEの一次元マップに基づいて、プレストロ
ーク量QPSを求める。
【0060】
【表1】
【0061】上記の処理を終えたら、ステップ306に
おいて、下記表2に示す如く設定したNEの一次元マッ
プに基づいて、機関回転数NEの下でプレストローク制
御を実行した際に、燃料噴射量の制御不能領域が生ずる
ことのない燃料噴射量の最小値(以下、限界噴射量と称
す)Qpを求める。燃料噴射量の制御不能領域は、上述
の如く、機関回転数NEが高いほど生じ易いため、表2
に示す示す如く、限界噴射量QpはNEが高いほど大き
な値に設定される。
【0062】
【表2】
【0063】ステップ308では、上記ステップ302
で読み込んだ燃料噴射量Qが、限界噴射量Qpより小さ
いか否かの判別を行う。上記の如くQpは、制御不能領
域を生ずることなく燃料噴射量制御を行うために最小限
必要な燃料噴射量であるため、Q<Qpが成立する場合
は、制御不能領域が生ずる可能性があると判断すること
ができ、一方、Q<Qpが不成立である場合は、制御不
能領域が生ずる可能性がないと判断することができる。
【0064】このため、上記の判別の結果、Q<Qpが
成立する場合は以後ステップ310へ進みプレストロー
ク制御を禁止する処理を行った後今回のルーチンを終了
し、一方、Q<Qpが不成立である場合は以後ステップ
312へ進みプレストローク制御を実行して今回のルー
チンを終了する。
【0065】ところで、ステップ310においてプレス
トローク制御の実行が禁止された場合は、本実施例にお
いては、上記図3(B)に破線で示す如く、プランジャ
28にリフトが生ずる十分前にスピル弁50を閉弁し、
かつ、その後適当な量の燃料噴射が終了する時点でスピ
ル弁50を開弁する制御が実行される。かかる制御が実
行される場合、燃料噴射ポンプ10のポンプ室34の昇
圧が開始される時点では常にスピル弁50は全閉状態と
なる。このため、プレストローク制御の実行が禁止され
た場合は、全閉側変位端でスピル弁50のバウンシング
が生ずることはなく、燃料噴射量の制御不能領域が生ず
ることはない。
【0066】従って、ECU122によって本ルーチン
が実行される場合、プレストローク制御が実行されるか
否かに関わらず、常に、燃料噴射量の制御不能領域の発
生が防止されることになる。このため、本実施例の電子
制御燃料噴射装置によれば、ディーゼル機関80の全運
転領域において、精度良く燃料噴射量を制御することが
可能である。
【0067】尚、上記実施例においては、ECU122
が上記ステップ300,302を実行することにより前
記した運転状態検知手段が実現され、また、ECU12
2が上記ステップ304〜310の処理を実行すること
により前記したプレストローク禁止手段が実現される。
【0068】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、内燃機関の高回転・少噴射領域においては、プレス
トローク量が小さく設定される。このため、燃料噴射時
間が短時間となる高回転・少噴射領域においても、スピ
ル弁の最大変位端が全閉位置に到達する以前に、必要な
全ての燃料噴射量が噴射されることはない。従って、本
発明に係るディーゼル機関の電子制御燃料噴射装置によ
れば、高回転・少噴射領域を含む全ての領域において、
スピル弁を全閉位置まで変位させた後、再びスピル弁を
開弁方向に向けて変位させることにより、燃料噴射量の
制御を行うことになる。この場合、スピル弁が全閉位置
に到達した際に生ずるバウンシングの影響で、燃料噴射
時間が変動することはなく、燃料噴射時間が極めて短時
間となる高回転・少噴射領域をも含めて、常に高精度な
燃料噴射量制御を実現することが可能となる。
【0069】また、請求項2記載の発明によれば、内燃
機関の高回転・少噴射領域においてプレストローク制御
が禁止される。このため、燃料噴射時間が短時間となる
高回転・少噴射領域では、プレストローク量を設定する
ことなく、噴射終了時期の制御のみで燃料噴射量が制御
されることになる。この場合、スピル弁が全閉位置に到
達した際に生ずるバウンシングの影響で、燃料噴射時間
が変動することはない。このため、本発明に係るディー
ゼル機関の電子制御燃料噴射装置によれば、燃料噴射時
間が極めて短時間となる高回転・少噴射領域をも含め
て、常に高精度な燃料噴射量制御を実現することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるディーゼル機関の電子
制御燃料噴射装置の要部である分配型電子制御燃料噴射
ポンプの正面断面図である。
【図2】本実施例の電子制御燃料噴射装置を搭載するデ
ィーゼル機関の全体構成図である。
【図3】図3(A)は分配型電子制御燃料噴射ポンプの
プランジャに生ずるプランジャリフトのタイムチャート
である。図3(B)はスピル弁の開閉時期を表すタイム
チャートである。
【図4】高回転・少噴射領域で比較的大きなプレストロ
ーク量を伴うプレストローク制御を実行した際のスピル
弁のリフト量を表す図である。
【図5】高回転・少噴射領域で比較的大きなプレストロ
ーク量を伴うプレストローク制御を実行した際の燃料噴
射量を表す図である。
【図6】高回転・少噴射領域で比較的小さなプレストロ
ーク量を伴うプレストローク制御を実行した際の燃料噴
射量を表す図である。
【図7】本実施例において実行されるプレストローク量
算出ルーチンの第一の例のフローチャートである。
【図8】本実施例において用いられるプレストローク量
のマップの一例である。
【図9】本実施例において実行されるプレストローク量
算出ルーチンの第二の例のフローチャートである。
【図10】本実施例において実行されるプレストローク
実行判定ルーチンの一例のフローチャートである。
【符号の説明】
10 分配型電子制御燃料噴射ポンプ(燃料噴射ポン
プ) 14 ドライブシャフト 18 パルサ 20 カムプレート 24 ローラリング 26 カムローラ 28 プランジャ 34 ポンプ室 48 スピル通路 50 スピル弁 56 タイマ装置 74 回転角センサ 80 ディーゼル機関 122 電子制御ユニット(ECU) 124 吸気温センサ 126 スロトル開度センサ 130 水温センサ 134 クランク角センサ 136 車速センサ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分配型電子制御燃料噴射ポンプと、該分
    配型電子制御燃料噴射ポンプのポンプ室に連通するスピ
    ル通路を開閉するスピル弁とを備えると共に、前記スピ
    ル弁の閉弁時期を前記分配型電子制御燃料噴射ポンプの
    ポンプ圧送行程中の所定の時期に設定するプレストロー
    ク制御手段を備えるディーゼル機関の電子制御燃料噴射
    装置において、 機関回転数と燃料噴射量とを検知する運転状態検知手段
    と、 機関回転数が高いほど、また、燃料噴射量が少量である
    ほど、プレストローク量を小さくするプレストローク量
    操作手段と、 を備えることを特徴とするディーゼル機関の電子制御燃
    料噴射装置。
  2. 【請求項2】 分配型電子制御燃料噴射ポンプと、該分
    配型電子制御燃料噴射ポンプのポンプ室に連通するスピ
    ル通路を開閉するスピル弁とを備えると共に、前記スピ
    ル弁の閉弁時期を前記分配型電子制御燃料噴射ポンプの
    ポンプ圧送行程中の所定の時期に設定するプレストロー
    ク制御手段を備えるディーゼル機関の電子制御燃料噴射
    装置において、 機関回転数と燃料噴射量とを検知する運転状態検知手段
    と、 機関回転数が高く、かつ、燃料噴射量が少い所定の領域
    を、プレストローク制御の禁止領域として、該禁止領域
    内ではプレストローク制御を禁止するプレストローク禁
    止手段と、 を備えることを特徴とするディーゼル機関の電子制御燃
    料噴射装置。
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