JPH08312327A - ディーゼルパティキュレートフィルタ - Google Patents
ディーゼルパティキュレートフィルタInfo
- Publication number
- JPH08312327A JPH08312327A JP7137484A JP13748495A JPH08312327A JP H08312327 A JPH08312327 A JP H08312327A JP 7137484 A JP7137484 A JP 7137484A JP 13748495 A JP13748495 A JP 13748495A JP H08312327 A JPH08312327 A JP H08312327A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fiber material
- particulate filter
- diesel particulate
- exhaust gas
- coating layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02B—INTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
- F02B3/00—Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
- F02B3/06—Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition
Landscapes
- Exhaust Gas After Treatment (AREA)
- Processes For Solid Components From Exhaust (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、セラミックス繊維材の表面にNO
X の還元作用を有するコーティング層を被覆し、NOX
の発生を低減できるディーゼルパティキュレートフィル
タを提供する。 【構成】 このディーゼルパティキュレートフィルタ
は、炭化ケイ素系セラミック繊維材5の線材表面にBa
2 In2 O5 ,Ba3 Y4 O9 ,BaLa2 O4 のバリ
ウム化合物7から成るコーティング層6を被覆する。フ
ィルタ本体4は、コーティング層6を被覆したセラミッ
ク繊維材5がランダムに積層された不織布から構成され
ている。コーティング層6は、バリウム化合物7とガラ
ス層8から構成されている。
X の還元作用を有するコーティング層を被覆し、NOX
の発生を低減できるディーゼルパティキュレートフィル
タを提供する。 【構成】 このディーゼルパティキュレートフィルタ
は、炭化ケイ素系セラミック繊維材5の線材表面にBa
2 In2 O5 ,Ba3 Y4 O9 ,BaLa2 O4 のバリ
ウム化合物7から成るコーティング層6を被覆する。フ
ィルタ本体4は、コーティング層6を被覆したセラミッ
ク繊維材5がランダムに積層された不織布から構成され
ている。コーティング層6は、バリウム化合物7とガラ
ス層8から構成されている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ディーゼルエンジン
の排気ガス中に含まれるパティキュレートを捕集するデ
ィーゼルパティキュレートフィルタに関する。
の排気ガス中に含まれるパティキュレートを捕集するデ
ィーゼルパティキュレートフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンでは、空気過剰率で
燃焼されるので排気ガス中にO2 が存在し、窒素酸化物
NOX が多量に排出される。これに対して、ガソリンエ
ンジンでは理論混合比で燃焼され、排気ガス中にはO2
が余り存在せず、NOX の問題がない。従来、ディーゼ
ルエンジンから窒素酸化物NOX が外部に排出されるの
を抑制するため、種々の触媒を組み込んだディーゼルパ
ティキュレートフィルタが知られている。例えば、ディ
ーゼルパティキュレートフィルタにゼオライト系の触媒
(Cu−ZSM−5)を組み込んだものが知られてい
る。また、ディーゼルパティキュレートフィルタに触媒
装置を組み込んだ構造では、一般のガソリンエンジンの
ように、ディーゼルパティキュレートフィルタの空隙を
通過させる方法である。
燃焼されるので排気ガス中にO2 が存在し、窒素酸化物
NOX が多量に排出される。これに対して、ガソリンエ
ンジンでは理論混合比で燃焼され、排気ガス中にはO2
が余り存在せず、NOX の問題がない。従来、ディーゼ
ルエンジンから窒素酸化物NOX が外部に排出されるの
を抑制するため、種々の触媒を組み込んだディーゼルパ
ティキュレートフィルタが知られている。例えば、ディ
ーゼルパティキュレートフィルタにゼオライト系の触媒
(Cu−ZSM−5)を組み込んだものが知られてい
る。また、ディーゼルパティキュレートフィルタに触媒
装置を組み込んだ構造では、一般のガソリンエンジンの
ように、ディーゼルパティキュレートフィルタの空隙を
通過させる方法である。
【0003】また、ディーゼルエンジンの排気ガスより
カーボン、煤、HC等のパティキュレート即ち粒子状物
質を捕集する排気ガス処理用フィルタの材料としては、
例えば、コーディエライトの他、無機繊維を用いるもの
が知られている。フィルタ本体として無機繊維を用いる
ものは、無機繊維材を糸状に撚り、その撚り糸を糸巻状
に積層し、無機繊維材をダイヤ形に織り込んでフェルト
化してフィルタ本体を作製しており、無機繊維材でフィ
ルタ本体を作製したものは、ディーゼルエンジンから排
出される排気ガス中のカーボン、スモーク等のパティキ
ュレートをフィルタ本体の表面と内部で捕捉するので、
コーディエライトで作製したハニカム型フィルタと比較
して小型に構成できる。
カーボン、煤、HC等のパティキュレート即ち粒子状物
質を捕集する排気ガス処理用フィルタの材料としては、
例えば、コーディエライトの他、無機繊維を用いるもの
が知られている。フィルタ本体として無機繊維を用いる
ものは、無機繊維材を糸状に撚り、その撚り糸を糸巻状
に積層し、無機繊維材をダイヤ形に織り込んでフェルト
化してフィルタ本体を作製しており、無機繊維材でフィ
ルタ本体を作製したものは、ディーゼルエンジンから排
出される排気ガス中のカーボン、スモーク等のパティキ
ュレートをフィルタ本体の表面と内部で捕捉するので、
コーディエライトで作製したハニカム型フィルタと比較
して小型に構成できる。
【0004】また、耐熱性フィルタとして、特開平6−
108820号公報に開示されているものがある。該耐
熱性フィルタは、通気性の隔壁間に耐熱性繊維をランダ
ムに集積した濾過層を設け、隔壁のうち少なくとも被濾
過流体の通過方向下流側に配置される隔壁を耐熱性繊維
から成る面状組織物で形成したものである。
108820号公報に開示されているものがある。該耐
熱性フィルタは、通気性の隔壁間に耐熱性繊維をランダ
ムに集積した濾過層を設け、隔壁のうち少なくとも被濾
過流体の通過方向下流側に配置される隔壁を耐熱性繊維
から成る面状組織物で形成したものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、触媒として
一般的に使用されるゼオライトは、分子がトンネル状で
あり、NOX の粒子はO2 粒子に比較して小さいので、
NOX はトンネル状分子間へ入ってNOX を吸着させる
ことができ、そこで、還元反応するが、排気ガス中の粒
子に邪魔され、十分な活用ができず、排気ガス中のNO
X の浄化率は20〜40%である。従来例では、フィル
タにゼオライトを組み込んだディーゼルパティキュレー
トフィルタが知られている。しかしながら、ゼオライト
系の触媒を組み込んだディーゼルパティキュレートフィ
ルタでは、ゼオライト系の触媒は炭化水素を還元剤とし
て用い、NOX を還元分解する特性があるが、ゼオライ
ト系の触媒を用いたNOX 用フィルタでは、炭化水素還
元剤として、メタノールやエタノールが必要となり、デ
ィーゼルエンジンにこの方法を用いることは構造が複雑
となり、実用化できない。また、触媒装置を組み込んだ
ディーゼルパティキュレートフィルタでは、空隙の壁面
表面にグラファイト、又はパティキュレートが堆積する
と、NOX がそれに接触し、HCが還元剤として作用し
難くなるおそれがある。
一般的に使用されるゼオライトは、分子がトンネル状で
あり、NOX の粒子はO2 粒子に比較して小さいので、
NOX はトンネル状分子間へ入ってNOX を吸着させる
ことができ、そこで、還元反応するが、排気ガス中の粒
子に邪魔され、十分な活用ができず、排気ガス中のNO
X の浄化率は20〜40%である。従来例では、フィル
タにゼオライトを組み込んだディーゼルパティキュレー
トフィルタが知られている。しかしながら、ゼオライト
系の触媒を組み込んだディーゼルパティキュレートフィ
ルタでは、ゼオライト系の触媒は炭化水素を還元剤とし
て用い、NOX を還元分解する特性があるが、ゼオライ
ト系の触媒を用いたNOX 用フィルタでは、炭化水素還
元剤として、メタノールやエタノールが必要となり、デ
ィーゼルエンジンにこの方法を用いることは構造が複雑
となり、実用化できない。また、触媒装置を組み込んだ
ディーゼルパティキュレートフィルタでは、空隙の壁面
表面にグラファイト、又はパティキュレートが堆積する
と、NOX がそれに接触し、HCが還元剤として作用し
難くなるおそれがある。
【0006】ところで、バリウム複合化合物(ブラウン
ミラライト化合物)は、酸素欠陥の秩序・無秩序転移を
示す化合物として知られている。この化合物は、ある温
度で転移する性質を持ち、その結晶相は、斜方晶からペ
ロブスカイト型立方晶に相転移し、この変化に伴い、無
秩序化した酸素欠陥によって、イオン伝導性が著しく向
上する。このイオン伝導性がNOX を分解する性質を持
っている。即ち、Vox +NO→(1/2)・N2 +
(1/2)・O2 +VoY の反応が生じる。ここで、V
ox はイオン化された酸素欠陥、及びVoY は秩序因子
である。
ミラライト化合物)は、酸素欠陥の秩序・無秩序転移を
示す化合物として知られている。この化合物は、ある温
度で転移する性質を持ち、その結晶相は、斜方晶からペ
ロブスカイト型立方晶に相転移し、この変化に伴い、無
秩序化した酸素欠陥によって、イオン伝導性が著しく向
上する。このイオン伝導性がNOX を分解する性質を持
っている。即ち、Vox +NO→(1/2)・N2 +
(1/2)・O2 +VoY の反応が生じる。ここで、V
ox はイオン化された酸素欠陥、及びVoY は秩序因子
である。
【0007】この発明の目的は、上記の課題を解決する
ことであり、ディーゼルエンジンの排気ガス中に含まれ
るパティキュレートをフィルタ繊維材で捕集するディー
ゼルパティキュレートフィルタにおいて、フィルタ繊維
材として炭化ケイ素系繊維材を用い、該繊維材の線材表
面にコーティングしたバリウム化合物の存在でNOXを
還元させ、排気ガス中のNOX を低減するディーゼルパ
ティキュレートフィルタを提供することである。
ことであり、ディーゼルエンジンの排気ガス中に含まれ
るパティキュレートをフィルタ繊維材で捕集するディー
ゼルパティキュレートフィルタにおいて、フィルタ繊維
材として炭化ケイ素系繊維材を用い、該繊維材の線材表
面にコーティングしたバリウム化合物の存在でNOXを
還元させ、排気ガス中のNOX を低減するディーゼルパ
ティキュレートフィルタを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、次のように構成されている。即ち、
この発明は、ディーゼルエンジンの排気ガス中に含まれ
るパティキュレートを捕集する繊維材から成るディーゼ
ルパティキュレートフィルタにおいて、前記繊維材がセ
ラミック繊維材から構成され、前記セラミック繊維材の
線材表面にはNOX の還元作用を有するバリウム化合物
から成るコーティング層が被覆され、前記コーティング
層を被覆した前記セラミック繊維材がランダムに積層さ
れた不織布から構成されていることを特徴とするディー
ゼルパティキュレートフィルタに関する。
を達成するために、次のように構成されている。即ち、
この発明は、ディーゼルエンジンの排気ガス中に含まれ
るパティキュレートを捕集する繊維材から成るディーゼ
ルパティキュレートフィルタにおいて、前記繊維材がセ
ラミック繊維材から構成され、前記セラミック繊維材の
線材表面にはNOX の還元作用を有するバリウム化合物
から成るコーティング層が被覆され、前記コーティング
層を被覆した前記セラミック繊維材がランダムに積層さ
れた不織布から構成されていることを特徴とするディー
ゼルパティキュレートフィルタに関する。
【0009】また、このディーゼルパティキュレートフ
ィルタでは、前記コーティング層を構成するバリウム化
合物は酸素欠陥の秩序−無秩序転移を示すBa2 In2
O5,Ba3 Y4 O9 又はBaLa2 O4 から構成され
ている。
ィルタでは、前記コーティング層を構成するバリウム化
合物は酸素欠陥の秩序−無秩序転移を示すBa2 In2
O5,Ba3 Y4 O9 又はBaLa2 O4 から構成され
ている。
【0010】また、前記線材表面への前記コーティング
層の被覆は、前記線材表面にオキシナイトライドガラス
の液層を付着させ、その表面にBa2 In2 O5 ,Ba
3 Y4 O9 又はBaLa2 O4 粉末を付着させたコーテ
ィング複合層を焼結することによって形成される。
層の被覆は、前記線材表面にオキシナイトライドガラス
の液層を付着させ、その表面にBa2 In2 O5 ,Ba
3 Y4 O9 又はBaLa2 O4 粉末を付着させたコーテ
ィング複合層を焼結することによって形成される。
【0011】また、このディーゼルパティキュレートフ
ィルタにおいて、前記セラミックス繊維材は、SiC繊
維材、SiC−Ti−O系繊維材又はSi3 N4 繊維材
から構成されている。
ィルタにおいて、前記セラミックス繊維材は、SiC繊
維材、SiC−Ti−O系繊維材又はSi3 N4 繊維材
から構成されている。
【0012】また、このディーゼルパティキュレートフ
ィルタでは、前記不織布で構成されるフィルタ本体の表
面には通電金網が配置され、前記通電金網に通電するこ
とによって前記フィルタ本体に捕集されたパティキュレ
ートが加熱焼却される。
ィルタでは、前記不織布で構成されるフィルタ本体の表
面には通電金網が配置され、前記通電金網に通電するこ
とによって前記フィルタ本体に捕集されたパティキュレ
ートが加熱焼却される。
【0013】また、このディーゼルパティキュレートフ
ィルタでは、前記不織布で構成されるフィルタ本体はそ
の外周部が遮熱層より被覆されて保温されている。
ィルタでは、前記不織布で構成されるフィルタ本体はそ
の外周部が遮熱層より被覆されて保温されている。
【0014】また、このディーゼルパティキュレートフ
ィルタは、排気ガス上流側にSiC繊維材やSi3 N4
繊維材のセラミック繊維材が配設され、排気ガス下流側
に前記セラミック繊維材の表面に前記コーティング層を
持つ前記不織布が配設されている。
ィルタは、排気ガス上流側にSiC繊維材やSi3 N4
繊維材のセラミック繊維材が配設され、排気ガス下流側
に前記セラミック繊維材の表面に前記コーティング層を
持つ前記不織布が配設されている。
【0015】
【作用】この発明によるディーゼルパティキュレートフ
ィルタは、上記のように構成され、次のように作用す
る。即ち、このディーゼルパティキュレートフィルタ
は、炭化ケイ素系や窒化ケイ素系セラミック繊維材の線
材表面に酸素欠陥の秩序−無秩序転移を示すバリウム化
合物から成るコーティング層を被覆し、これをランダム
に混合してフィルタ本体が構成されているので、前記フ
ィルタ本体を所定温度以上に昇温した排気ガスが通過す
ると、パティキュレートは排気ガス中に含まれる微粒子
の固まったものであるが、前記フィルタ本体の積層部の
繊維隙間を高温の排気ガスがジグザグ状に流れる時に該
パティキュレートが前記フィルタ本体に捕集され、繊維
間に堆積する。前記セラミック繊維材は互いに積層して
いるので、NOX を含む排気ガスが前記セラミック繊維
材に被覆されている前記コーティング層に衝突した時
に、前記コーティング層の酸素欠陥によるイオンと反応
し、NOX は還元されることになる。パティキュレート
は前記フィルタ本体と衝突しても前記コーティング層の
存在で前記セラミック繊維材が密着することがないの
で、NOX を含んだ排気ガスが衝突速度を持っていれ
ば、NOX の還元反応が速やかに起こることになる。
ィルタは、上記のように構成され、次のように作用す
る。即ち、このディーゼルパティキュレートフィルタ
は、炭化ケイ素系や窒化ケイ素系セラミック繊維材の線
材表面に酸素欠陥の秩序−無秩序転移を示すバリウム化
合物から成るコーティング層を被覆し、これをランダム
に混合してフィルタ本体が構成されているので、前記フ
ィルタ本体を所定温度以上に昇温した排気ガスが通過す
ると、パティキュレートは排気ガス中に含まれる微粒子
の固まったものであるが、前記フィルタ本体の積層部の
繊維隙間を高温の排気ガスがジグザグ状に流れる時に該
パティキュレートが前記フィルタ本体に捕集され、繊維
間に堆積する。前記セラミック繊維材は互いに積層して
いるので、NOX を含む排気ガスが前記セラミック繊維
材に被覆されている前記コーティング層に衝突した時
に、前記コーティング層の酸素欠陥によるイオンと反応
し、NOX は還元されることになる。パティキュレート
は前記フィルタ本体と衝突しても前記コーティング層の
存在で前記セラミック繊維材が密着することがないの
で、NOX を含んだ排気ガスが衝突速度を持っていれ
ば、NOX の還元反応が速やかに起こることになる。
【0016】従って、このディーゼルパティキュレート
フィルタは、前記コーティング層による排気ガス中に含
まれるNOX の還元作用によって、セラミック繊維材が
排気ガス中のNOX を低減すると共に、排気ガス中に含
まれるパティキュレートはセラミック繊維材で捕集され
て低減する。しかも、前記コーティング層を構成するバ
リウム化合物のブラウンミラライトであるBa2 In2
O5 ,Ba3 Y4 O9及びBaLa2 O4 は、熱エネル
ギーによってイオン変化の特性を有するものであるの
で、高温ではNOX の発生は多くなるが、高温でブラウ
ンミラライトが活性化し、NOX の還元作用が活発にな
り、また低温ではNOX の発生は少なく、ブラウンミラ
ライトの活性化を必要としない。低温時のカーボンの発
生は多いが、フィルタ自体で捕集する。また、ブラウン
ミラライトの活性化ではO2 を必要とするが、排気ガス
中にO2 が多量に含むディーゼルエンジンでは、NOX
の還元が良好に行われる。即ち、ブラウンミラライト
は、耐熱温度が900℃程度であり、400〜500℃
以上の温度によって陽イオンを作る秩序−無秩序転移を
示す化合物であり、温度上昇でイオン伝導性が良くなっ
てNOX を分解する機能を持つ。
フィルタは、前記コーティング層による排気ガス中に含
まれるNOX の還元作用によって、セラミック繊維材が
排気ガス中のNOX を低減すると共に、排気ガス中に含
まれるパティキュレートはセラミック繊維材で捕集され
て低減する。しかも、前記コーティング層を構成するバ
リウム化合物のブラウンミラライトであるBa2 In2
O5 ,Ba3 Y4 O9及びBaLa2 O4 は、熱エネル
ギーによってイオン変化の特性を有するものであるの
で、高温ではNOX の発生は多くなるが、高温でブラウ
ンミラライトが活性化し、NOX の還元作用が活発にな
り、また低温ではNOX の発生は少なく、ブラウンミラ
ライトの活性化を必要としない。低温時のカーボンの発
生は多いが、フィルタ自体で捕集する。また、ブラウン
ミラライトの活性化ではO2 を必要とするが、排気ガス
中にO2 が多量に含むディーゼルエンジンでは、NOX
の還元が良好に行われる。即ち、ブラウンミラライト
は、耐熱温度が900℃程度であり、400〜500℃
以上の温度によって陽イオンを作る秩序−無秩序転移を
示す化合物であり、温度上昇でイオン伝導性が良くなっ
てNOX を分解する機能を持つ。
【0017】また、セラミック繊維材の線材表面にブラ
ウンミラライトのコーティング層を作製するには、Si
C繊維の上にガラスを塗布し、次いでブラウンミラライ
ト粉末を付着させ、これを焼結することによって達成で
きる。ディーゼルエンジンで、負荷が大きく燃焼ガス温
度が上昇すると、ブラウンミラライトの活性温度が40
0〜500℃であるので、そのイオン化が活発になり、
NOX の還元作用が活発になる。また、温度が下がる
と、ブラウンミラライトのイオン化が低下するが、低温
ではディーゼルエンジンのNOX の発生は低減するの
で、問題はないことになる。一般に、フィルタのSiC
繊維に付着して捕集されたパティキュレートは、隙間多
数あるので、これらの隙間にNOX が入ると、ブラウン
ミラライト上で活性化が発生し、パティキュレートから
NOX を抜いて還元し、NOX の発生低減することにな
る。
ウンミラライトのコーティング層を作製するには、Si
C繊維の上にガラスを塗布し、次いでブラウンミラライ
ト粉末を付着させ、これを焼結することによって達成で
きる。ディーゼルエンジンで、負荷が大きく燃焼ガス温
度が上昇すると、ブラウンミラライトの活性温度が40
0〜500℃であるので、そのイオン化が活発になり、
NOX の還元作用が活発になる。また、温度が下がる
と、ブラウンミラライトのイオン化が低下するが、低温
ではディーゼルエンジンのNOX の発生は低減するの
で、問題はないことになる。一般に、フィルタのSiC
繊維に付着して捕集されたパティキュレートは、隙間多
数あるので、これらの隙間にNOX が入ると、ブラウン
ミラライト上で活性化が発生し、パティキュレートから
NOX を抜いて還元し、NOX の発生低減することにな
る。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明によるディ
ーゼルパティキュレートフィルタの実施例を説明する。
図1はディーゼルパティキュレートフィルタの一実施例
を示す概略断面図、図2は図1の線A−Aにおける断面
図、図3は図1のディーゼルパティキュレートフィルタ
におけるフィルタ本体の一実施例を示す断面図、図4は
フィルタ本体を構成するセラミック繊維材の線材の断面
図、図4は図1のディーゼルパティキュレートフィルタ
におけるフィルタ本体の別の実施例を示す断面図、及び
図6はディーゼルエンジンにおける燃料流量に対するト
ルクとNOX の発生量を示す概略線図である。
ーゼルパティキュレートフィルタの実施例を説明する。
図1はディーゼルパティキュレートフィルタの一実施例
を示す概略断面図、図2は図1の線A−Aにおける断面
図、図3は図1のディーゼルパティキュレートフィルタ
におけるフィルタ本体の一実施例を示す断面図、図4は
フィルタ本体を構成するセラミック繊維材の線材の断面
図、図4は図1のディーゼルパティキュレートフィルタ
におけるフィルタ本体の別の実施例を示す断面図、及び
図6はディーゼルエンジンにおける燃料流量に対するト
ルクとNOX の発生量を示す概略線図である。
【0019】この実施例のディーゼルパティキュレート
フィルタ1は、例えば、ディーゼルエンジンの排気管中
に組み込まれたケース3内に収容して構成され、ディー
ゼルエンジンから排出される排気ガスがフィルタ本体
4,20を矢印Gで示す方向に横断して流れることによ
って、排気ガス中に含まれる黒煙、カーボン、煤、HC
等のパティキュレートがフィルタ本体4で捕集され、捕
集されたパティキュレートは加熱焼却してフィルタ本体
4,20が再生される。フィルタ本体4,20は、後述
のセラミックス繊維で図2に示すように筒状で襞状に折
り曲げられて形成されている。フィルタ本体4,20の
再生については、従来のものと同様に通電金網9に通電
してフィルタ本体4,20を加熱し、フィルタ本体4,
20に捕集されているパティキュレートを加熱焼却して
達成できる。フィルタ本体4,20の形状は、図2では
順次コルゲート状に折り曲げられた形状に構成されてい
るが、円筒形等の筒状、平板状、波状、襞状等の形状に
構成することもできる。
フィルタ1は、例えば、ディーゼルエンジンの排気管中
に組み込まれたケース3内に収容して構成され、ディー
ゼルエンジンから排出される排気ガスがフィルタ本体
4,20を矢印Gで示す方向に横断して流れることによ
って、排気ガス中に含まれる黒煙、カーボン、煤、HC
等のパティキュレートがフィルタ本体4で捕集され、捕
集されたパティキュレートは加熱焼却してフィルタ本体
4,20が再生される。フィルタ本体4,20は、後述
のセラミックス繊維で図2に示すように筒状で襞状に折
り曲げられて形成されている。フィルタ本体4,20の
再生については、従来のものと同様に通電金網9に通電
してフィルタ本体4,20を加熱し、フィルタ本体4,
20に捕集されているパティキュレートを加熱焼却して
達成できる。フィルタ本体4,20の形状は、図2では
順次コルゲート状に折り曲げられた形状に構成されてい
るが、円筒形等の筒状、平板状、波状、襞状等の形状に
構成することもできる。
【0020】フィルタ本体4,20は、ケース3内を遮
熱層2で遮熱構造に構成した排気ガス通路13内に入口
14から出口15に延びるように配置されている。ケー
ス3とフィルタ本体4,20との間に配置された遮熱材
2は、ケース3を通じて外部に熱が放熱されるのを防止
するため配置されている。フィルタ本体4,20は、止
め金12によってケース3に固定されている。フィルタ
本体4,20には通電金網9が組み込まれている。フィ
ルタ本体4,20にディーゼルエンジンから排出される
排気ガスを流すと、排気ガス中に含まれているカーボ
ン、スモーク、HC、SOX 等のパティキュレートがフ
ィルタ本体4,20に捕集される。フィルタ本体4,2
0に捕集されたパティキュレートは、コントローラ10
の指令で通電金網9に端子11を通じて通電すると、パ
ティキュレートは加熱焼却され、CO2 ,H2 O等のガ
スとなって出口15から放出される。
熱層2で遮熱構造に構成した排気ガス通路13内に入口
14から出口15に延びるように配置されている。ケー
ス3とフィルタ本体4,20との間に配置された遮熱材
2は、ケース3を通じて外部に熱が放熱されるのを防止
するため配置されている。フィルタ本体4,20は、止
め金12によってケース3に固定されている。フィルタ
本体4,20には通電金網9が組み込まれている。フィ
ルタ本体4,20にディーゼルエンジンから排出される
排気ガスを流すと、排気ガス中に含まれているカーボ
ン、スモーク、HC、SOX 等のパティキュレートがフ
ィルタ本体4,20に捕集される。フィルタ本体4,2
0に捕集されたパティキュレートは、コントローラ10
の指令で通電金網9に端子11を通じて通電すると、パ
ティキュレートは加熱焼却され、CO2 ,H2 O等のガ
スとなって出口15から放出される。
【0021】フィルタ本体4,20は、襞状体が筒状に
形成され、入口14側では中空部18が開放されて他の
領域が遮蔽プレート16で閉鎖され、出口15側では中
空部18が遮蔽プレート17で閉鎖されて他の領域の中
央部19が開放されている。従って、排気ガス通路13
の入口14側から流れ込んだ排気ガスは、中空部18か
らフィルタ本体4,20を横断して中央部19の内側へ
流れ、排気ガス中のパティキュレートはフィルタ本体
4,20で捕集され、次いで出口15側へと排気され
る。また、フィルタ本体4,20の再生は、例えば、排
気ガス圧を圧力センサーで検出してフィルタ本体4,2
0のパティキュレートの捕集量を検出し、該捕集量が所
定量以上であれば、コントローラ10の指令で通電金網
9を通電制御してフィルタ本体4,20に捕集されてい
るパティキュレートを加熱焼却してフィルタ本体4,2
0を再生する。通電金網9は、例えば、Ni系金属によ
って金網構造に作製されており、フィルタ本体4,20
を均一に加熱できるように構成されている。
形成され、入口14側では中空部18が開放されて他の
領域が遮蔽プレート16で閉鎖され、出口15側では中
空部18が遮蔽プレート17で閉鎖されて他の領域の中
央部19が開放されている。従って、排気ガス通路13
の入口14側から流れ込んだ排気ガスは、中空部18か
らフィルタ本体4,20を横断して中央部19の内側へ
流れ、排気ガス中のパティキュレートはフィルタ本体
4,20で捕集され、次いで出口15側へと排気され
る。また、フィルタ本体4,20の再生は、例えば、排
気ガス圧を圧力センサーで検出してフィルタ本体4,2
0のパティキュレートの捕集量を検出し、該捕集量が所
定量以上であれば、コントローラ10の指令で通電金網
9を通電制御してフィルタ本体4,20に捕集されてい
るパティキュレートを加熱焼却してフィルタ本体4,2
0を再生する。通電金網9は、例えば、Ni系金属によ
って金網構造に作製されており、フィルタ本体4,20
を均一に加熱できるように構成されている。
【0022】このディーゼルパティキュレートフィルタ
1は、図3に示すように、板状に形成されたフィルタ本
体4の両面に通電金網9がサンドイッチ状に積層されて
いる。フィルタ本体4は、図4に示すように、炭化ケイ
素系セラミック繊維材5から構成され、該セラミック繊
維材5の線材表面には酸素欠陥の秩序−無秩序転移を示
すバリウム化合物7から成るコーティング層6が被覆さ
れ、コーティング層6を被覆したセラミック繊維材5が
ランダムに積層された不織布からフィルタ本体4が構成
されている。炭化ケイ素系のセラミックス繊維材5は、
SiC繊維材又はSiC−Ti−O系繊維材(Si−C
−O,Si−Ti−C−O,Si−C)から構成されて
いる。セラミック繊維材5は、長繊維をアトランダムに
フェルト状に積層して作製され、セラミックス繊維材5
の線径は、例えば、5〜15μm程度であり、長さは3
0〜150mm程度である。また、フェルト状に積層さ
れたフィルタ本体4は、例えば、その厚さが3〜5mm
程度に形成されている。
1は、図3に示すように、板状に形成されたフィルタ本
体4の両面に通電金網9がサンドイッチ状に積層されて
いる。フィルタ本体4は、図4に示すように、炭化ケイ
素系セラミック繊維材5から構成され、該セラミック繊
維材5の線材表面には酸素欠陥の秩序−無秩序転移を示
すバリウム化合物7から成るコーティング層6が被覆さ
れ、コーティング層6を被覆したセラミック繊維材5が
ランダムに積層された不織布からフィルタ本体4が構成
されている。炭化ケイ素系のセラミックス繊維材5は、
SiC繊維材又はSiC−Ti−O系繊維材(Si−C
−O,Si−Ti−C−O,Si−C)から構成されて
いる。セラミック繊維材5は、長繊維をアトランダムに
フェルト状に積層して作製され、セラミックス繊維材5
の線径は、例えば、5〜15μm程度であり、長さは3
0〜150mm程度である。また、フェルト状に積層さ
れたフィルタ本体4は、例えば、その厚さが3〜5mm
程度に形成されている。
【0023】このディーゼルパティキュレートフィルタ
1において、コーティング層6は、バリウム化合物7の
粉末をオキシナイトライドガラスの液層を付着させ、該
液層を焼結することによってガラス層8に転化し、バリ
ウム化合物7とガラス層8とがセラミック繊維材5の線
材表面に被覆される。バリウム化合物7は、特に、所定
温度において酸素欠陥の秩序−無秩序転移を示すブラウ
ンミラライト化合物であるBa2 In2 O5 ,Ba3 Y
4 O9 又はBaLa2 O4 を使用することができる。ま
た、オキシナイトライドガラスの液層は、Mg−Al−
Si−O−N、或いはY−Al−Si−O−N系のガラ
スのゾルゲル状の液層である。
1において、コーティング層6は、バリウム化合物7の
粉末をオキシナイトライドガラスの液層を付着させ、該
液層を焼結することによってガラス層8に転化し、バリ
ウム化合物7とガラス層8とがセラミック繊維材5の線
材表面に被覆される。バリウム化合物7は、特に、所定
温度において酸素欠陥の秩序−無秩序転移を示すブラウ
ンミラライト化合物であるBa2 In2 O5 ,Ba3 Y
4 O9 又はBaLa2 O4 を使用することができる。ま
た、オキシナイトライドガラスの液層は、Mg−Al−
Si−O−N、或いはY−Al−Si−O−N系のガラ
スのゾルゲル状の液層である。
【0024】このディーゼルパティキュレートフィルタ
1は、上記のように構成されており、次のように作動す
る。ディーゼルエンジンが駆動され、排気ガスが排気管
を通じてディーゼルパティキュレートフィルタ1の排気
ガス通路13に送り込まれる。排気ガスは入口14から
排気ガス通路13に送り込まれ、排気ガス通路13から
フィルタ本体4を通過し、フィルタ本体4で排気ガス中
に含まれるすす、カーボン、スモーク等のパティキュレ
ートが捕集され、クリーンな排気ガスは出口15へと排
出されている。捕集されたパティキュレートはフィルタ
本体4に堆積する。また、ケース3内には排気ガス圧又
はパティキュレート捕集量を検出するセンサーが設けら
れ、該センサーによって検出された排気ガス圧又は捕集
量の情報はコントローラ10に入力されるように構成さ
れている。更に、コントローラ10には、エンジン作動
状態、即ち、エンジン回転数を検出する回転センサー、
エンジン負荷を検出する負荷センサー、排気ガス温度を
検出する温度センサー等が設けられている。
1は、上記のように構成されており、次のように作動す
る。ディーゼルエンジンが駆動され、排気ガスが排気管
を通じてディーゼルパティキュレートフィルタ1の排気
ガス通路13に送り込まれる。排気ガスは入口14から
排気ガス通路13に送り込まれ、排気ガス通路13から
フィルタ本体4を通過し、フィルタ本体4で排気ガス中
に含まれるすす、カーボン、スモーク等のパティキュレ
ートが捕集され、クリーンな排気ガスは出口15へと排
出されている。捕集されたパティキュレートはフィルタ
本体4に堆積する。また、ケース3内には排気ガス圧又
はパティキュレート捕集量を検出するセンサーが設けら
れ、該センサーによって検出された排気ガス圧又は捕集
量の情報はコントローラ10に入力されるように構成さ
れている。更に、コントローラ10には、エンジン作動
状態、即ち、エンジン回転数を検出する回転センサー、
エンジン負荷を検出する負荷センサー、排気ガス温度を
検出する温度センサー等が設けられている。
【0025】コントローラ10は、エンジン作動状態の
これらの検出信号を受けて、エンジン作動状態に対応し
て予め決定されている排気ガス圧又は捕集量の検出値に
対応して通電金網9への通電を制御し、フィルタ本体4
の再生タイミングを制御するように構成されている。即
ち、コントローラ10は、圧力センサー等の各センサー
からの検出信号を受け、それらの検出値からエンジン作
動状態を判断し、予め設定されているパティキュレート
の捕集量になると、コントローラ10の指令で電極端子
11を通じて通電金網9に電流を流し、通電金網9は加
熱されてフィルタ本体4が加熱され、捕集されているパ
ティキュレートが加熱焼却される。即ち、パティキュレ
ートは、ディーゼルエンジンにおける空気過剰率の原理
を活かしてフィルタ本体4を通過する微量の排気ガスに
含まれる空気を利用して加熱燃焼され、パティキュレー
トをCO2 、H2 Oに変化させて焼却し、ガスになって
出口15から放出される。
これらの検出信号を受けて、エンジン作動状態に対応し
て予め決定されている排気ガス圧又は捕集量の検出値に
対応して通電金網9への通電を制御し、フィルタ本体4
の再生タイミングを制御するように構成されている。即
ち、コントローラ10は、圧力センサー等の各センサー
からの検出信号を受け、それらの検出値からエンジン作
動状態を判断し、予め設定されているパティキュレート
の捕集量になると、コントローラ10の指令で電極端子
11を通じて通電金網9に電流を流し、通電金網9は加
熱されてフィルタ本体4が加熱され、捕集されているパ
ティキュレートが加熱焼却される。即ち、パティキュレ
ートは、ディーゼルエンジンにおける空気過剰率の原理
を活かしてフィルタ本体4を通過する微量の排気ガスに
含まれる空気を利用して加熱燃焼され、パティキュレー
トをCO2 、H2 Oに変化させて焼却し、ガスになって
出口15から放出される。
【0026】次に、図5を参照して、この発明によるデ
ィーゼルパティキュレートフィルタの別の実施例を説明
する。図5に示すように、このディーゼルパティキュレ
ートフィルタにおけるフィルタ本体20は、排気ガス上
流側にSiC繊維材やSi3N4 繊維材のセラミック繊
維材5が配設され、排気ガス下流側にセラミック繊維材
5の表面にコーティング層6を持つ不織布から成るフィ
ルタ本体4が配設されている。この実施例では、排気ガ
ス上流側のセラミック繊維材5でカーボン、煤、HC等
のパティキュレートを捕集し、次いで排気ガス下流側の
コーティング層6を持つフィルタ本体4でNOX を還元
することができ、全体として排気ガスを浄化することが
できる。
ィーゼルパティキュレートフィルタの別の実施例を説明
する。図5に示すように、このディーゼルパティキュレ
ートフィルタにおけるフィルタ本体20は、排気ガス上
流側にSiC繊維材やSi3N4 繊維材のセラミック繊
維材5が配設され、排気ガス下流側にセラミック繊維材
5の表面にコーティング層6を持つ不織布から成るフィ
ルタ本体4が配設されている。この実施例では、排気ガ
ス上流側のセラミック繊維材5でカーボン、煤、HC等
のパティキュレートを捕集し、次いで排気ガス下流側の
コーティング層6を持つフィルタ本体4でNOX を還元
することができ、全体として排気ガスを浄化することが
できる。
【0027】このディーゼルパティキュレートフィルタ
1は、上記のように、排気ガス中のパティキュレートを
捕集するが、その場合に、フィルタ本体4はセラミック
繊維材5の表面にNOX の還元作用を果たすコーティン
グ層6が被覆されている。エンジンが駆動されると、図
6に示すように、エンジン負荷Lの上昇に応じて燃料流
量Qの供給が増加してトルクTが上昇し、それと共に排
気ガス温度GTが上昇する。排気ガス温度GTが上昇す
ると、破線Bで示すように、燃料の燃焼においてNOX
が多量に発生することになり、NOX が排気ガス中に多
量に含まれることになる。ところが、このディーゼルパ
ティキュレートフィルタ1では、セラミック繊維材5に
はコーティング層6が被覆されているので、例えば、エ
ンジン負荷が2/4負荷になると、排気ガス温度GTが
500℃に達するが、排気ガス温度GTが500℃以上
になると、コーティング層6を構成するバリウム化合物
によって排気ガス中のNOX に対する還元作用が活発に
なり、実線Aで示すように、排気ガス中のNOX は還元
されてN2 とO2 とになり、排気ガス中に含まれるNO
X は低減されることになる。即ち、エンジンの低負荷時
にはNOX の発生量が少ないので、コーティング層6の
NOX に対する還元作用はそれほど必要でないが、エン
ジンの中負荷以上ではコーティング層6のNOX に対す
る還元作用が活発になるので、排気ガス中のNOX の発
生量を低減することになる。従って、このディーゼルパ
ティキュレートフィルタは、エンジンの作動状態にマッ
チしてNOX の発生を抑制することができる。
1は、上記のように、排気ガス中のパティキュレートを
捕集するが、その場合に、フィルタ本体4はセラミック
繊維材5の表面にNOX の還元作用を果たすコーティン
グ層6が被覆されている。エンジンが駆動されると、図
6に示すように、エンジン負荷Lの上昇に応じて燃料流
量Qの供給が増加してトルクTが上昇し、それと共に排
気ガス温度GTが上昇する。排気ガス温度GTが上昇す
ると、破線Bで示すように、燃料の燃焼においてNOX
が多量に発生することになり、NOX が排気ガス中に多
量に含まれることになる。ところが、このディーゼルパ
ティキュレートフィルタ1では、セラミック繊維材5に
はコーティング層6が被覆されているので、例えば、エ
ンジン負荷が2/4負荷になると、排気ガス温度GTが
500℃に達するが、排気ガス温度GTが500℃以上
になると、コーティング層6を構成するバリウム化合物
によって排気ガス中のNOX に対する還元作用が活発に
なり、実線Aで示すように、排気ガス中のNOX は還元
されてN2 とO2 とになり、排気ガス中に含まれるNO
X は低減されることになる。即ち、エンジンの低負荷時
にはNOX の発生量が少ないので、コーティング層6の
NOX に対する還元作用はそれほど必要でないが、エン
ジンの中負荷以上ではコーティング層6のNOX に対す
る還元作用が活発になるので、排気ガス中のNOX の発
生量を低減することになる。従って、このディーゼルパ
ティキュレートフィルタは、エンジンの作動状態にマッ
チしてNOX の発生を抑制することができる。
【0028】
【発明の効果】この発明によるディーゼルパティキュレ
ートフィルタは、上記のように構成されており、次のよ
うな効果を有する。即ち、このディーゼルパティキュレ
ートフィルタは、炭化ケイ素系セラミック繊維材の線材
表面に酸素欠陥の秩序−無秩序転移を示すBa2 In2
O5 ,Ba3 Y4 O9 又はBaLa2 O4 のバリウム化
合物から成るコーティング層が被覆されているので、前
記バリウム化合物は排気ガス中に含まれるNOX を還元
作用で分解し、N2 とO2 に変化させ、排気ガス中のN
OX を低減する。また、前記セラミック繊維材の線材表
面には前記コーティング層が被覆されているので、排気
ガスが前記セラミック繊維材に直接接触することがな
く、前記セラミックス繊維材の耐久性を向上させること
ができる。
ートフィルタは、上記のように構成されており、次のよ
うな効果を有する。即ち、このディーゼルパティキュレ
ートフィルタは、炭化ケイ素系セラミック繊維材の線材
表面に酸素欠陥の秩序−無秩序転移を示すBa2 In2
O5 ,Ba3 Y4 O9 又はBaLa2 O4 のバリウム化
合物から成るコーティング層が被覆されているので、前
記バリウム化合物は排気ガス中に含まれるNOX を還元
作用で分解し、N2 とO2 に変化させ、排気ガス中のN
OX を低減する。また、前記セラミック繊維材の線材表
面には前記コーティング層が被覆されているので、排気
ガスが前記セラミック繊維材に直接接触することがな
く、前記セラミックス繊維材の耐久性を向上させること
ができる。
【0029】更に、前記フィルタ本体によるパティキュ
レートの捕集と前記フィルタ本体を再生するためのパテ
ィキュレートの加熱焼却を繰り返し行ったとしても、前
記フィルタ本体と前記通電金網とが離間して変形するこ
とがなく、前記フィルタ本体がパティキュレートの加熱
焼却時に局所的に異常過熱されず、前記フィルタ本体自
体では騒音が発生しない。また、前記フィルタ本体は、
両側が前記金網で挟み込まれているので、前記フィルタ
本体自体の成形が極めて容易に行うことができ、成形作
業性を向上させる。更に、前記フィルタ本体は、その外
側が前記金網で覆われているので、前記セラミックス繊
維が分離飛散することも防止される。
レートの捕集と前記フィルタ本体を再生するためのパテ
ィキュレートの加熱焼却を繰り返し行ったとしても、前
記フィルタ本体と前記通電金網とが離間して変形するこ
とがなく、前記フィルタ本体がパティキュレートの加熱
焼却時に局所的に異常過熱されず、前記フィルタ本体自
体では騒音が発生しない。また、前記フィルタ本体は、
両側が前記金網で挟み込まれているので、前記フィルタ
本体自体の成形が極めて容易に行うことができ、成形作
業性を向上させる。更に、前記フィルタ本体は、その外
側が前記金網で覆われているので、前記セラミックス繊
維が分離飛散することも防止される。
【0030】また、前記フィルタ本体を、排気ガス上流
側にSiC繊維材やSi3 N4 繊維材のセラミック繊維
材を配設し、排気ガス下流側にセラミック繊維材の表面
にコーティング層を持つ不織布から構成した場合には、
排気ガス上流側のセラミック繊維材でパティキュレート
を捕集し、次いで排気ガス下流側のコーティング層を持
つフィルタ本体でNOX を還元することができ、全体と
して排気ガスを浄化することができる。
側にSiC繊維材やSi3 N4 繊維材のセラミック繊維
材を配設し、排気ガス下流側にセラミック繊維材の表面
にコーティング層を持つ不織布から構成した場合には、
排気ガス上流側のセラミック繊維材でパティキュレート
を捕集し、次いで排気ガス下流側のコーティング層を持
つフィルタ本体でNOX を還元することができ、全体と
して排気ガスを浄化することができる。
【図1】この発明によるディーゼルパティキュレートフ
ィルタの一実施例を示す概略断面図である。
ィルタの一実施例を示す概略断面図である。
【図2】図1の線A−Aにおける断面図である。
【図3】図1のディーゼルパティキュレートフィルタに
おけるフィルタ本体の一実施例を示す断面図である。
おけるフィルタ本体の一実施例を示す断面図である。
【図4】フィルタ本体を構成するセラミック繊維材の線
材の断面図である。
材の断面図である。
【図5】図1のディーゼルパティキュレートフィルタに
おけるフィルタ本体の別の実施例を示す断面図である。
おけるフィルタ本体の別の実施例を示す断面図である。
【図6】ディーゼルエンジンにおける燃料流量に対する
トルクとNOX の発生量を示す概略線図である。
トルクとNOX の発生量を示す概略線図である。
1 ディーゼルパティキュレートフィルタ 4,20 フィルタ本体 5 セラミック繊維材 6 コーティング層 7 バリウム化合物 8 ガラス層 9 通電金網
Claims (7)
- 【請求項1】 ディーゼルエンジンの排気ガス中に含ま
れるパティキュレートを捕集する繊維材から成るディー
ゼルパティキュレートフィルタにおいて、前記繊維材が
セラミック繊維材から構成され、前記セラミック繊維材
の線材表面にはNOX の還元作用を有するバリウム化合
物から成るコーティング層が被覆され、前記コーティン
グ層を被覆した前記セラミック繊維材がランダムに積層
された不織布から構成されていることを特徴とするディ
ーゼルパティキュレートフィルタ。 - 【請求項2】 前記コーティング層を構成するバリウム
化合物は酸素欠陥の秩序−無秩序転移を示すBa2 In
2 O5 ,Ba3 Y4 O9 又はBaLa2 O4から構成さ
れていることを特徴とする請求項1に記載のディーゼル
パティキュレートフィルタ。 - 【請求項3】 前記線材表面への前記コーティング層の
被覆は、前記線材表面にオキシナイトライドガラスの液
層を付着させ、その表面にBa2 In2 O5,Ba3 Y
4 O9 又はBaLa2 O4 粉末を付着させたコーティン
グ複合層を焼結することによって形成されることを特徴
とする請求項2に記載のディーゼルパティキュレートフ
ィルタ。 - 【請求項4】 前記セラミックス繊維材は、SiC繊維
材、SiC−Ti−O系繊維材又はSi3 N4 繊維材か
ら構成されていることを特徴とする請求項1に記載のデ
ィーゼルパティキュレートフィルタ。 - 【請求項5】 前記不織布で構成されるフィルタ本体の
表面には通電金網が配置され、前記通電金網に通電する
ことによって前記フィルタ本体に捕集されたパティキュ
レートが加熱焼却されることを特徴とする請求項1に記
載のディーゼルパティキュレートフィルタ。 - 【請求項6】 前記不織布で構成されるフィルタ本体は
その外周部が遮熱層より被覆されて保温されていること
を特徴とする請求項1に記載のディーゼルパティキュレ
ートフィルタ。 - 【請求項7】 排気ガス上流側にSiC繊維材やSi3
N4 繊維材のセラミック繊維材が配設され、排気ガス下
流側に前記セラミック繊維材の表面に前記コーティング
層を持つ前記不織布が配設されていることを特徴とする
請求項1に記載のディーゼルパティキュレートフィル
タ。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7137484A JPH08312327A (ja) | 1995-05-12 | 1995-05-12 | ディーゼルパティキュレートフィルタ |
US08/642,434 US5682740A (en) | 1995-05-12 | 1996-05-03 | Diesel particulate filter apparatus |
EP96303175A EP0742352A3 (en) | 1995-05-12 | 1996-05-07 | Particle filter device of a diesel engine |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7137484A JPH08312327A (ja) | 1995-05-12 | 1995-05-12 | ディーゼルパティキュレートフィルタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08312327A true JPH08312327A (ja) | 1996-11-26 |
Family
ID=15199720
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7137484A Pending JPH08312327A (ja) | 1995-05-12 | 1995-05-12 | ディーゼルパティキュレートフィルタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08312327A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999019060A1 (fr) * | 1997-10-14 | 1999-04-22 | Isuzu Ceramics Research Institute Co., Ltd. | Catalyseur de purification de gaz d'echappement |
-
1995
- 1995-05-12 JP JP7137484A patent/JPH08312327A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999019060A1 (fr) * | 1997-10-14 | 1999-04-22 | Isuzu Ceramics Research Institute Co., Ltd. | Catalyseur de purification de gaz d'echappement |
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