JPH08311725A - ロータ式オープンエンド精紡機 - Google Patents
ロータ式オープンエンド精紡機Info
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- JPH08311725A JPH08311725A JP7114789A JP11478995A JPH08311725A JP H08311725 A JPH08311725 A JP H08311725A JP 7114789 A JP7114789 A JP 7114789A JP 11478995 A JP11478995 A JP 11478995A JP H08311725 A JPH08311725 A JP H08311725A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rotor
- outer rotor
- fiber
- inner rotor
- opening
- Prior art date
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- Spinning Or Twisting Of Yarns (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 アウターロータ内に供給された繊維を、引き
伸ばされた状態でアウターロータの内壁面に付着させ、
糸強力の大きな糸を製造する。 【構成】 アウターロータ1内に、アウターロータ1と
独立して積極駆動されるとともに一部がアウターロータ
1の繊維集束部1a近傍と対向し、一部が糸引出し通路9
の端部と対応する形状のインナーロータ5がアウターロ
ータ1と同軸線上に設けられている。インナーロータ5
には繊維束導入用の開口16が形成され、繊維集束部1a近
傍から糸引出し通路9と対向する位置まで繊維束Fを案
内する。インナーロータ5にはアウターロータ1の開口
部と対向する面に、旋回方向がアウターロータ1の回転
に伴う随伴気流と同方向となる旋回気流を起こすための
フィン18が複数形成されている。各フィン18はインナー
ロータ5の中心側から外周側に向かってその高さが順次
低くなる形状に形成されている。
伸ばされた状態でアウターロータの内壁面に付着させ、
糸強力の大きな糸を製造する。 【構成】 アウターロータ1内に、アウターロータ1と
独立して積極駆動されるとともに一部がアウターロータ
1の繊維集束部1a近傍と対向し、一部が糸引出し通路9
の端部と対応する形状のインナーロータ5がアウターロ
ータ1と同軸線上に設けられている。インナーロータ5
には繊維束導入用の開口16が形成され、繊維集束部1a近
傍から糸引出し通路9と対向する位置まで繊維束Fを案
内する。インナーロータ5にはアウターロータ1の開口
部と対向する面に、旋回方向がアウターロータ1の回転
に伴う随伴気流と同方向となる旋回気流を起こすための
フィン18が複数形成されている。各フィン18はインナー
ロータ5の中心側から外周側に向かってその高さが順次
低くなる形状に形成されている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は開繊された状態で供給さ
れた繊維が集束する繊維集束部を有するアウターロータ
内に、アウターロータと独立して積極駆動されるととも
に一部が糸引出し通路の端部と対応するインナーロータ
を設けたロータ式オープンエンド精紡機に関するもので
ある。
れた繊維が集束する繊維集束部を有するアウターロータ
内に、アウターロータと独立して積極駆動されるととも
に一部が糸引出し通路の端部と対応するインナーロータ
を設けたロータ式オープンエンド精紡機に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般にロータ式オープンエンド精紡機に
おいては、供給スライバがコーミングローラにより開繊
されて不純物が分離され、ばらばらに開繊された繊維が
高速回転するロータ内の負圧に基づいて繊維輸送通路
(繊維輸送チャンネル)内に生じる気流によってロータ
内に輸送される。そして、ロータ内へ輸送された繊維は
ロータの最大内径部である繊維集束部(繊維集束溝)に
集束され、ネーブルの中心に設けられたガイド孔(糸引
出し通路)から引出しローラにより引出され、同時にロ
ータの回転により加撚されて糸となり、ボビンにパッケ
ージとして巻取られるようになっている。
おいては、供給スライバがコーミングローラにより開繊
されて不純物が分離され、ばらばらに開繊された繊維が
高速回転するロータ内の負圧に基づいて繊維輸送通路
(繊維輸送チャンネル)内に生じる気流によってロータ
内に輸送される。そして、ロータ内へ輸送された繊維は
ロータの最大内径部である繊維集束部(繊維集束溝)に
集束され、ネーブルの中心に設けられたガイド孔(糸引
出し通路)から引出しローラにより引出され、同時にロ
ータの回転により加撚されて糸となり、ボビンにパッケ
ージとして巻取られるようになっている。
【0003】オープンエンド精紡機はリング精紡機に比
較して生産性が良い。しかし、オープンエンド精紡機で
は繊維集束部に集束された繊維束のはぎ取り点より上流
の繊維束にもある程度撚りが伝わっている。その結果、
回転している繊維束に、ロータの内壁面を繊維集束部に
向かって滑動して来る拘束力のない繊維がルーズに巻き
付いて糸外観を乱し、布にしたときの風合いが悪くなる
という欠点がある。
較して生産性が良い。しかし、オープンエンド精紡機で
は繊維集束部に集束された繊維束のはぎ取り点より上流
の繊維束にもある程度撚りが伝わっている。その結果、
回転している繊維束に、ロータの内壁面を繊維集束部に
向かって滑動して来る拘束力のない繊維がルーズに巻き
付いて糸外観を乱し、布にしたときの風合いが悪くなる
という欠点がある。
【0004】従来のオープンエンド糸の欠点を解消する
装置として、繊維集束部を有するロータ(アウターロー
タ)の内側に、繊維集束部に集束された繊維束を引出す
ための引出し孔を有するとともに前記ロータに対して差
動回転を行うドラフトロータ(インナーロータ)を設け
た装置が提案されている(例えば、特開昭51−640
34号公報)。この装置は図11に示すように、アウタ
ーロータ71の内側にインナーロータ72が同心状に設
けられている。そして、インナーロータ72がアウター
ロータ71より若干速く回転し、インナーロータ72に
形成された引出し孔73を経て繊維束Fを引き出すこと
により繊維束Fにドラフトを与えながら紡出する。ま
た、インナーロータ72にアウターロータ71の繊維集
束部71aに集束された繊維束Fに圧着しながら公転し
かつ自転する小円盤74を取付け、繊維束Fをその浮動
を抑制した状態でドラフトしながら紡出することも開示
されている。
装置として、繊維集束部を有するロータ(アウターロー
タ)の内側に、繊維集束部に集束された繊維束を引出す
ための引出し孔を有するとともに前記ロータに対して差
動回転を行うドラフトロータ(インナーロータ)を設け
た装置が提案されている(例えば、特開昭51−640
34号公報)。この装置は図11に示すように、アウタ
ーロータ71の内側にインナーロータ72が同心状に設
けられている。そして、インナーロータ72がアウター
ロータ71より若干速く回転し、インナーロータ72に
形成された引出し孔73を経て繊維束Fを引き出すこと
により繊維束Fにドラフトを与えながら紡出する。ま
た、インナーロータ72にアウターロータ71の繊維集
束部71aに集束された繊維束Fに圧着しながら公転し
かつ自転する小円盤74を取付け、繊維束Fをその浮動
を抑制した状態でドラフトしながら紡出することも開示
されている。
【0005】また、特開昭56−43428号公報、特
開昭57−56528号公報には、繊維吸引管からアウ
ターロータ内に繊維群を供給する場合、繊維群をインナ
ーロータの盤面に向かって放出し、繊維群がインナーロ
ータとの接触摩擦による打撃を受けて、さらにその進行
方向が変更されてアウターロータの内壁面に導かれるよ
うにした構成が開示されている。
開昭57−56528号公報には、繊維吸引管からアウ
ターロータ内に繊維群を供給する場合、繊維群をインナ
ーロータの盤面に向かって放出し、繊維群がインナーロ
ータとの接触摩擦による打撃を受けて、さらにその進行
方向が変更されてアウターロータの内壁面に導かれるよ
うにした構成が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】オープンエンド精紡機
で紡出される糸の強力を高めるには、繊維輸送通路から
ロータ(アウターロータ)内に送り込まれた繊維が、真
っ直ぐに伸びた状態でロータの繊維集束部に集束される
ことが重要である。ロータ内の旋回気流はロータの回転
に伴う随伴気流のため、ロータの内壁面から離れるほど
遅くなる。繊維輸送通路からロータ内に流入する気流は
比較的速く、また繊維輸送通路の出口がアウターロータ
の内壁面から離れているので出口付近の旋回気流の速度
が出口から流入する気流の速度より遅く、減速流れとな
り、その結果、繊維が折れ曲がった状態となってロータ
の内壁面に付着し易くなる。そして、特開昭51−64
034号公報に開始された従来装置では、この問題に関
しては何ら考慮がなされていない。
で紡出される糸の強力を高めるには、繊維輸送通路から
ロータ(アウターロータ)内に送り込まれた繊維が、真
っ直ぐに伸びた状態でロータの繊維集束部に集束される
ことが重要である。ロータ内の旋回気流はロータの回転
に伴う随伴気流のため、ロータの内壁面から離れるほど
遅くなる。繊維輸送通路からロータ内に流入する気流は
比較的速く、また繊維輸送通路の出口がアウターロータ
の内壁面から離れているので出口付近の旋回気流の速度
が出口から流入する気流の速度より遅く、減速流れとな
り、その結果、繊維が折れ曲がった状態となってロータ
の内壁面に付着し易くなる。そして、特開昭51−64
034号公報に開始された従来装置では、この問題に関
しては何ら考慮がなされていない。
【0007】また、特開昭56−43428号公報、特
開昭57−56528号公報の装置のようにインナーロ
ータの盤面に向かって繊維群を放出し、繊維群がインナ
ーロータとの接触摩擦による打撃を受ける構成では、繊
維が引き伸ばされるより折れ曲がる可能性の方が高く、
繊維が引き伸ばされた状態でアウターロータの内壁面に
付着させるのは難しい。
開昭57−56528号公報の装置のようにインナーロ
ータの盤面に向かって繊維群を放出し、繊維群がインナ
ーロータとの接触摩擦による打撃を受ける構成では、繊
維が引き伸ばされるより折れ曲がる可能性の方が高く、
繊維が引き伸ばされた状態でアウターロータの内壁面に
付着させるのは難しい。
【0008】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的は繊維輸送チャンネルからアウタ
ーロータ内に供給された繊維を、引き伸ばされた状態で
アウターロータの内壁面に付着させる手段をインナーロ
ータに設け、引き伸ばされた状態の繊維を繊維集束部に
集束させて、糸強力の大きな糸を製造することができる
ロータ式オープンエンド精紡機を提供することにある。
のであって、その目的は繊維輸送チャンネルからアウタ
ーロータ内に供給された繊維を、引き伸ばされた状態で
アウターロータの内壁面に付着させる手段をインナーロ
ータに設け、引き伸ばされた状態の繊維を繊維集束部に
集束させて、糸強力の大きな糸を製造することができる
ロータ式オープンエンド精紡機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め請求項1に記載の発明では、開繊された状態で供給さ
れた繊維が集束する繊維集束部を有するアウターロータ
内に、アウターロータと独立して積極駆動されるととも
に一部が糸引出し通路の端部と対応し、かつ前記繊維集
束部と対向して繊維束導入用の開口を形成したインナー
ロータを設けたロータ式オープンエンド精紡機におい
て、前記インナーロータに旋回方向が前記アウターロー
タの回転に伴う随伴気流と同方向となる旋回気流を起こ
す旋回気流発生手段を設けた。
め請求項1に記載の発明では、開繊された状態で供給さ
れた繊維が集束する繊維集束部を有するアウターロータ
内に、アウターロータと独立して積極駆動されるととも
に一部が糸引出し通路の端部と対応し、かつ前記繊維集
束部と対向して繊維束導入用の開口を形成したインナー
ロータを設けたロータ式オープンエンド精紡機におい
て、前記インナーロータに旋回方向が前記アウターロー
タの回転に伴う随伴気流と同方向となる旋回気流を起こ
す旋回気流発生手段を設けた。
【0010】請求項2に記載の発明では、前記旋回気流
発生手段は前記インナーロータの前記アウターロータの
開口部と対向する面に形成された複数のフィンである。
請求項3に記載の発明では、請求項1に記載の発明にお
いて、前記旋回気流発生手段は前記インナーロータの前
記アウターロータの開口部と対向する面に形成された複
数の溝である。
発生手段は前記インナーロータの前記アウターロータの
開口部と対向する面に形成された複数のフィンである。
請求項3に記載の発明では、請求項1に記載の発明にお
いて、前記旋回気流発生手段は前記インナーロータの前
記アウターロータの開口部と対向する面に形成された複
数の溝である。
【0011】請求項4に記載の発明では、請求項2又は
請求項3に記載の発明において、前記インナーロータの
前記アウターロータの開口部側端面は、インナーロータ
の外周寄りほど該開口部端面からの距離が大きくなるよ
うに形成されている。
請求項3に記載の発明において、前記インナーロータの
前記アウターロータの開口部側端面は、インナーロータ
の外周寄りほど該開口部端面からの距離が大きくなるよ
うに形成されている。
【0012】請求項5に記載の発明では、請求項1に記
載の発明において、旋回気流発生手段に代えて、前記イ
ンナーロータの前記アウターロータの開口部側端面の、
少なくとも外周寄りを粗面部とした。
載の発明において、旋回気流発生手段に代えて、前記イ
ンナーロータの前記アウターロータの開口部側端面の、
少なくとも外周寄りを粗面部とした。
【0013】請求項6に記載の発明では、請求項5に記
載の発明において、前記インナーロータのアウターロー
タの開口部側端面は、少なくとも繊維輸送通路の開口端
部より外周寄りが、インナーロータの外周寄りほど該開
口部端面からの距離が大きくなるように形成されてい
る。
載の発明において、前記インナーロータのアウターロー
タの開口部側端面は、少なくとも繊維輸送通路の開口端
部より外周寄りが、インナーロータの外周寄りほど該開
口部端面からの距離が大きくなるように形成されてい
る。
【0014】
【作用】請求項1〜請求項4に記載の発明では、繊維輸
送通路からアウターロータ内に輸送された開繊繊維はア
ウターロータ壁面に沿って滑動し、最大内径部である繊
維集束部に集束される。繊維集束部に集束された繊維束
の一端は引出しローラにより引出される糸と繋がってい
る。繊維束は繊維集束部からはぎ取られてアウターロー
タより若干速い速度で回転するインナーロータの回転に
より加撚されながら、インナーロータに案内されて糸と
して引出される。
送通路からアウターロータ内に輸送された開繊繊維はア
ウターロータ壁面に沿って滑動し、最大内径部である繊
維集束部に集束される。繊維集束部に集束された繊維束
の一端は引出しローラにより引出される糸と繋がってい
る。繊維束は繊維集束部からはぎ取られてアウターロー
タより若干速い速度で回転するインナーロータの回転に
より加撚されながら、インナーロータに案内されて糸と
して引出される。
【0015】インナーロータが回転すると旋回気流発生
手段の作用により、旋回方向が前記アウターロータの回
転に伴う随伴気流と同方向となる旋回気流が発生し、ア
ウターロータ内に生じる旋回気流の速度が繊維輸送通路
の出口近傍においても速くなる。従って、繊維輸送通路
からアウターロータ内に流入する気流は増速流れとな
り、アウターロータ内に輸送された繊維は、アウターロ
ータ内の旋回気流の作用によりその先端から引っ張ら
れ、真っ直ぐに引き伸ばされた状態でアウターロータの
内壁面に付着する。そして、引き伸ばされた状態で繊維
が繊維集束部に集束され、糸強力の強い糸が紡出され
る。
手段の作用により、旋回方向が前記アウターロータの回
転に伴う随伴気流と同方向となる旋回気流が発生し、ア
ウターロータ内に生じる旋回気流の速度が繊維輸送通路
の出口近傍においても速くなる。従って、繊維輸送通路
からアウターロータ内に流入する気流は増速流れとな
り、アウターロータ内に輸送された繊維は、アウターロ
ータ内の旋回気流の作用によりその先端から引っ張ら
れ、真っ直ぐに引き伸ばされた状態でアウターロータの
内壁面に付着する。そして、引き伸ばされた状態で繊維
が繊維集束部に集束され、糸強力の強い糸が紡出され
る。
【0016】また、請求項2に記載の発明では、旋回気
流発生手段がインナーロータの前記アウターロータの開
口部と対向する面に形成された複数のフィンで構成され
ており、インナーロータの回転に伴って旋回気流が効率
良く発生する。
流発生手段がインナーロータの前記アウターロータの開
口部と対向する面に形成された複数のフィンで構成され
ており、インナーロータの回転に伴って旋回気流が効率
良く発生する。
【0017】また、請求項4に記載の発明では、繊維輸
送通路からアウターロータ内に輸送された繊維は、円滑
にアウターロータの内壁面へ向かって移動して内壁面に
付着する。
送通路からアウターロータ内に輸送された繊維は、円滑
にアウターロータの内壁面へ向かって移動して内壁面に
付着する。
【0018】請求項5に記載の発明では、繊維輸送通路
からアウターロータ内に輸送された開繊繊維は、気流に
乗ってアウターロータ内壁面に向かって移動する際、そ
の前部が高速回転するインナーロータの粗面部と係合し
て引き伸ばし作用を受ける。その結果、繊維が引き伸ば
された状態でアウターロータ内壁面に付着する。そし
て、引き伸ばされた状態で繊維が繊維集束部に集束さ
れ、糸強力の強い糸として紡出される。繊維集束部に集
束された繊維束は繊維集束部からはぎ取られて、アウタ
ーロータにより加撚されながら、引出しローラにより糸
として引出される。
からアウターロータ内に輸送された開繊繊維は、気流に
乗ってアウターロータ内壁面に向かって移動する際、そ
の前部が高速回転するインナーロータの粗面部と係合し
て引き伸ばし作用を受ける。その結果、繊維が引き伸ば
された状態でアウターロータ内壁面に付着する。そし
て、引き伸ばされた状態で繊維が繊維集束部に集束さ
れ、糸強力の強い糸として紡出される。繊維集束部に集
束された繊維束は繊維集束部からはぎ取られて、アウタ
ーロータにより加撚されながら、引出しローラにより糸
として引出される。
【0019】請求項6に記載の発明では、請求項5に記
載の発明において、繊維輸送通路からアウターロータ内
に流入した気流は、インナーロータの端面に沿って流れ
る。従って、アウターロータ内に気流と共に輸送された
開繊繊維もインナーロータの表面に沿って円滑に移動
し、その後部が粗面部と係合した状態で前記作用を受け
易く、繊維を引き伸ばす作用がより円滑に行われる。
載の発明において、繊維輸送通路からアウターロータ内
に流入した気流は、インナーロータの端面に沿って流れ
る。従って、アウターロータ内に気流と共に輸送された
開繊繊維もインナーロータの表面に沿って円滑に移動
し、その後部が粗面部と係合した状態で前記作用を受け
易く、繊維を引き伸ばす作用がより円滑に行われる。
【0020】
(実施例1)以下、本発明を具体化した第1実施例を図
1及び図2に従って説明する。図1に示すように、アウ
ターロータ1は公知(例えば、特開平5−33226号
公報、特開平5−44119号公報等)の構成で機台フ
レーム上に回転可能に支承されると共に駆動手段(いず
れも図示せず)により回転駆動される中空のロータシャ
フト2の先端に、一体回転可能に嵌着固定されている。
ロータシャフト2にはその両端(片側のみ図示)に形成
された大径部2a内にベアリング3が固定され、ロータ
シャフト2を貫通するシャフト4がベアリング3を介し
てロータシャフト2と同軸線上に回転自在に支持されて
いる。シャフト4は先端にインナーロータ5が一体回転
可能に嵌着固定され、基端がスラスト軸受(図示せず)
に当接している。シャフト4は公知の駆動手段によりロ
ータシャフト2と独立してアウターロータ1と同方向に
回転駆動されるようになっている。
1及び図2に従って説明する。図1に示すように、アウ
ターロータ1は公知(例えば、特開平5−33226号
公報、特開平5−44119号公報等)の構成で機台フ
レーム上に回転可能に支承されると共に駆動手段(いず
れも図示せず)により回転駆動される中空のロータシャ
フト2の先端に、一体回転可能に嵌着固定されている。
ロータシャフト2にはその両端(片側のみ図示)に形成
された大径部2a内にベアリング3が固定され、ロータ
シャフト2を貫通するシャフト4がベアリング3を介し
てロータシャフト2と同軸線上に回転自在に支持されて
いる。シャフト4は先端にインナーロータ5が一体回転
可能に嵌着固定され、基端がスラスト軸受(図示せず)
に当接している。シャフト4は公知の駆動手段によりロ
ータシャフト2と独立してアウターロータ1と同方向に
回転駆動されるようになっている。
【0021】アウターロータ1の開放側と対向する位置
に配設されたハウジング6には、ボス部7がアウターロ
ータ1内に突出する状態に形成されている。ボス部7の
インナーロータ5との対向面には、フィードローラ及び
プレッサの作用により供給されると共に、コーミングロ
ーラ(いずれも図示せず)によって開繊された繊維を、
アウターロータ1内に案内する繊維輸送通路としての繊
維輸送チャンネル8の一端が開口されている。ボス部7
の中央には糸引出し通路9の一端が開口されたネーブル
10が配設されている。糸引出し通路9の一部を構成す
るヤーンパイプ11はネーブル10の中心線と交差する
状態で配設され、ヤーンパイプ11のネーブル10寄り
の端部11aが糸(繊維束F)の撚り開始点となってい
る。また、ハウジング6と対向する位置にはアウターロ
ータ1を覆うケーシング12がハウジング6の端面にO
リング13を介して当接される状態で配設されている。
ケーシング12はパイプ14を介して負圧源(図示せ
ず)に接続され、負圧源はケーシング12に作用する負
圧の強さを調整可能に構成されている。
に配設されたハウジング6には、ボス部7がアウターロ
ータ1内に突出する状態に形成されている。ボス部7の
インナーロータ5との対向面には、フィードローラ及び
プレッサの作用により供給されると共に、コーミングロ
ーラ(いずれも図示せず)によって開繊された繊維を、
アウターロータ1内に案内する繊維輸送通路としての繊
維輸送チャンネル8の一端が開口されている。ボス部7
の中央には糸引出し通路9の一端が開口されたネーブル
10が配設されている。糸引出し通路9の一部を構成す
るヤーンパイプ11はネーブル10の中心線と交差する
状態で配設され、ヤーンパイプ11のネーブル10寄り
の端部11aが糸(繊維束F)の撚り開始点となってい
る。また、ハウジング6と対向する位置にはアウターロ
ータ1を覆うケーシング12がハウジング6の端面にO
リング13を介して当接される状態で配設されている。
ケーシング12はパイプ14を介して負圧源(図示せ
ず)に接続され、負圧源はケーシング12に作用する負
圧の強さを調整可能に構成されている。
【0022】インナーロータ5はその外周面がアウター
ロータ1の繊維集束部1a近傍に位置する形状に形成さ
れ、ボス部7と対応する側の中央部にネーブル10の一
部が遊挿される凹部15が形成されている。インナーロ
ータ5には凹部15の底部近傍からインナーロータ5の
外周面まで半径方向に延びる開口16が形成されてい
る。この開口16は繊維集束部1aの存在する平面上に
設けられているので、繊維集束部1a近傍から糸引出し
通路9と対向する位置まで繊維束Fを案内することがで
きる。インナーロータ5の最大外径はアウターロータ1
の開口端の内径より大きく形成されている。アウターロ
ータ1は互いに嵌合固定された2個の部品6b,6cか
ら構成され、開口端の内径よりインナーロータ5の最大
外径が大きくてもインナーロータ5を収容可能になって
いる。
ロータ1の繊維集束部1a近傍に位置する形状に形成さ
れ、ボス部7と対応する側の中央部にネーブル10の一
部が遊挿される凹部15が形成されている。インナーロ
ータ5には凹部15の底部近傍からインナーロータ5の
外周面まで半径方向に延びる開口16が形成されてい
る。この開口16は繊維集束部1aの存在する平面上に
設けられているので、繊維集束部1a近傍から糸引出し
通路9と対向する位置まで繊維束Fを案内することがで
きる。インナーロータ5の最大外径はアウターロータ1
の開口端の内径より大きく形成されている。アウターロ
ータ1は互いに嵌合固定された2個の部品6b,6cか
ら構成され、開口端の内径よりインナーロータ5の最大
外径が大きくてもインナーロータ5を収容可能になって
いる。
【0023】図2に示すように、開口16の繊維集束部
1a寄りには、インナーロータ5の回転方向側寄りに撚
り伝播防止部材としてのピン17が配設されている。ピ
ン17は糸引出し通路9へ導かれる繊維束Fに対してイ
ンナーロータ5の回転方向側から接触し、ピン17より
上流の繊維束Fへの撚りの伝播を防止する機能を有す
る。
1a寄りには、インナーロータ5の回転方向側寄りに撚
り伝播防止部材としてのピン17が配設されている。ピ
ン17は糸引出し通路9へ導かれる繊維束Fに対してイ
ンナーロータ5の回転方向側から接触し、ピン17より
上流の繊維束Fへの撚りの伝播を防止する機能を有す
る。
【0024】インナーロータ5のアウターロータ1の開
口部と対向する面には、旋回方向がアウターロータ1の
回転に伴う随伴気流と同方向となる旋回気流を起こす旋
回気流発生手段としての複数のフィン18が所定間隔で
突設されている。図2に示すように、各フィン18はイ
ンナーロータ5の外周寄りほどインナーロータ5の回転
方向前側となるように湾曲した形状に形成されている。
図1に示すように、各フィン18はインナーロータ5の
中心側から外周側に向かってその高さが順次低くなる形
状に形成されている。また、インナーロータ5はフィン
18の先端から外周部までの厚さが、外周側ほど薄くな
るように形成されている。即ち、インナーロータ5のア
ウターロータ1の開口部側端面は、インナーロータ5の
外周側ほど該開口部端面からの距離が大きくなるように
形成されている次に前記のように構成された装置の作用
を説明する。紡出運転時には駆動手段の作用により、ロ
ータシャフト2及びシャフト4を介してアウターロータ
1及びインナーロータ5がそれぞれ同方向に回転駆動さ
れる。インナーロータ5はアウターロータ1の回転速度
とは異なり、繊維集束部1aからの繊維束Fのはぎ取り
速度(アウターロータ1の回転速度より若干速い)で回
転する。この状態でコーミングローラの作用により開繊
されて繊維輸送チャンネル8からアウターロータ1内に
送り込まれた開繊繊維が、アウターロータ1の内壁面に
付着すると共に内壁面に沿って滑動し、最大内径部であ
る繊維集束部1aに集束される。繊維集束部1aに集束
された繊維束Fは引出しローラ(図示せず)によりヤー
ンパイプ11を経て引出される糸Yと繋がっており、糸
Yの引出しに伴い繊維集束部1aからはぎ取られ、アウ
ターロータ1の回転により加撚されながら糸Yとして引
出される。糸Y及び繊維束Fに加わる撚りはヤーンパイ
プ11の端部11aを始点としてアウターロータ1の繊
維集束部1aまで伝わる。
口部と対向する面には、旋回方向がアウターロータ1の
回転に伴う随伴気流と同方向となる旋回気流を起こす旋
回気流発生手段としての複数のフィン18が所定間隔で
突設されている。図2に示すように、各フィン18はイ
ンナーロータ5の外周寄りほどインナーロータ5の回転
方向前側となるように湾曲した形状に形成されている。
図1に示すように、各フィン18はインナーロータ5の
中心側から外周側に向かってその高さが順次低くなる形
状に形成されている。また、インナーロータ5はフィン
18の先端から外周部までの厚さが、外周側ほど薄くな
るように形成されている。即ち、インナーロータ5のア
ウターロータ1の開口部側端面は、インナーロータ5の
外周側ほど該開口部端面からの距離が大きくなるように
形成されている次に前記のように構成された装置の作用
を説明する。紡出運転時には駆動手段の作用により、ロ
ータシャフト2及びシャフト4を介してアウターロータ
1及びインナーロータ5がそれぞれ同方向に回転駆動さ
れる。インナーロータ5はアウターロータ1の回転速度
とは異なり、繊維集束部1aからの繊維束Fのはぎ取り
速度(アウターロータ1の回転速度より若干速い)で回
転する。この状態でコーミングローラの作用により開繊
されて繊維輸送チャンネル8からアウターロータ1内に
送り込まれた開繊繊維が、アウターロータ1の内壁面に
付着すると共に内壁面に沿って滑動し、最大内径部であ
る繊維集束部1aに集束される。繊維集束部1aに集束
された繊維束Fは引出しローラ(図示せず)によりヤー
ンパイプ11を経て引出される糸Yと繋がっており、糸
Yの引出しに伴い繊維集束部1aからはぎ取られ、アウ
ターロータ1の回転により加撚されながら糸Yとして引
出される。糸Y及び繊維束Fに加わる撚りはヤーンパイ
プ11の端部11aを始点としてアウターロータ1の繊
維集束部1aまで伝わる。
【0025】インナーロータ5が高速回転すると、フィ
ン18の作用によりアウターロータ1内には、旋回方向
がアウターロータ1の回転に伴う随伴気流と同方向とな
る旋回気流が発生する。そして、この旋回気流はフィン
18の基端側(インナーロータ5の中央寄り)の方が先
端側より強い。従って、アウターロータ1の内壁面から
離れた繊維輸送チャンネル8の出口近傍においても、ア
ウターロータ1内の旋回気流が速くなる。その結果、繊
維輸送チャンネル8からアウターロータ1内に流入する
気流は増速流れとなり、アウターロータ1内に輸送され
た繊維は、アウターロータ1内の旋回気流の作用により
その先端から引っ張られ、真っ直ぐに引き伸ばされた状
態でアウターロータ1の内壁面に付着する。そして、内
壁面を滑動して引き伸ばされた状態で繊維が繊維集束部
1aに集束され、糸強力の強い糸が紡出される。
ン18の作用によりアウターロータ1内には、旋回方向
がアウターロータ1の回転に伴う随伴気流と同方向とな
る旋回気流が発生する。そして、この旋回気流はフィン
18の基端側(インナーロータ5の中央寄り)の方が先
端側より強い。従って、アウターロータ1の内壁面から
離れた繊維輸送チャンネル8の出口近傍においても、ア
ウターロータ1内の旋回気流が速くなる。その結果、繊
維輸送チャンネル8からアウターロータ1内に流入する
気流は増速流れとなり、アウターロータ1内に輸送され
た繊維は、アウターロータ1内の旋回気流の作用により
その先端から引っ張られ、真っ直ぐに引き伸ばされた状
態でアウターロータ1の内壁面に付着する。そして、内
壁面を滑動して引き伸ばされた状態で繊維が繊維集束部
1aに集束され、糸強力の強い糸が紡出される。
【0026】この実施例では各フィン18の高さがイン
ナーロータ5の中心側から外周側に向かって順次低くな
るように形成されているため、繊維輸送チャンネル8か
らアウターロータ1内に輸送された繊維がフィン18と
干渉せずに、円滑にアウターロータ1の内壁面へと導か
れる。
ナーロータ5の中心側から外周側に向かって順次低くな
るように形成されているため、繊維輸送チャンネル8か
らアウターロータ1内に輸送された繊維がフィン18と
干渉せずに、円滑にアウターロータ1の内壁面へと導か
れる。
【0027】また、この実施例では、繊維集束部1aか
らはぎ取られた繊維束Fは、ピン17に接触する状態で
糸引出し通路9へと導かれる。そして、ピン17より上
流側の繊維束Fへの撚りの伝播が防止され、回転してい
る繊維束Fに、アウターロータ1の内壁面を繊維集束部
1aに向かって滑動して来る拘束力のない繊維がルーズ
に巻き付くのが抑制される。
らはぎ取られた繊維束Fは、ピン17に接触する状態で
糸引出し通路9へと導かれる。そして、ピン17より上
流側の繊維束Fへの撚りの伝播が防止され、回転してい
る繊維束Fに、アウターロータ1の内壁面を繊維集束部
1aに向かって滑動して来る拘束力のない繊維がルーズ
に巻き付くのが抑制される。
【0028】(実施例2)次に第2実施例を図3及び図
4に従って説明する。この実施例ではインナーロータ5
に形成された旋回気流発生手段の構成が前記実施例と異
なっており、その他の構成は同じである。インナーロー
タ5にはアウターロータ1の開口部と対向する面に旋回
気流発生手段としての複数の溝19が放射状に形成され
ている。
4に従って説明する。この実施例ではインナーロータ5
に形成された旋回気流発生手段の構成が前記実施例と異
なっており、その他の構成は同じである。インナーロー
タ5にはアウターロータ1の開口部と対向する面に旋回
気流発生手段としての複数の溝19が放射状に形成され
ている。
【0029】この実施例の場合もインナーロータ5が回
転すると、溝19の作用によりアウターロータ1内に
は、旋回方向がアウターロータ1の回転に伴う随伴気流
と同方向となる旋回気流が発生する。そして、前記実施
例と同様に繊維輸送チャンネル8の出口近傍においても
アウターロータ1内の旋回気流が速くなり、アウターロ
ータ1内に輸送された繊維は、アウターロータ1内の旋
回気流の作用によりその先端から引っ張られ、真っ直ぐ
に引き伸ばされた状態でアウターロータ1の内壁面に付
着する。そして、引き伸ばされた状態の繊維が繊維集束
部1aに集束され、糸強力の強い糸が紡出される。
転すると、溝19の作用によりアウターロータ1内に
は、旋回方向がアウターロータ1の回転に伴う随伴気流
と同方向となる旋回気流が発生する。そして、前記実施
例と同様に繊維輸送チャンネル8の出口近傍においても
アウターロータ1内の旋回気流が速くなり、アウターロ
ータ1内に輸送された繊維は、アウターロータ1内の旋
回気流の作用によりその先端から引っ張られ、真っ直ぐ
に引き伸ばされた状態でアウターロータ1の内壁面に付
着する。そして、引き伸ばされた状態の繊維が繊維集束
部1aに集束され、糸強力の強い糸が紡出される。
【0030】溝19の作用により発生する旋回気流の強
さはフィン18の作用により発生する旋回気流より弱
い。しかし、溝19を形成する場合の加工の方がフィン
19を形成する場合に比較して容易である。
さはフィン18の作用により発生する旋回気流より弱
い。しかし、溝19を形成する場合の加工の方がフィン
19を形成する場合に比較して容易である。
【0031】(実施例3)次に第3実施例を図5及び図
6に従って説明する。この実施例ではインナーロータ5
に旋回気流発生手段を設ける代わりに、インナーロータ
5のアウターロータ1の開口部側端面に粗面部20を設
けた点が前記両実施例と大きく異なっている。粗面部2
0は凹部15を除いて全面に形成されている。粗面部2
9はインナーロータ5の外周側ほど該開口部端面からの
距離が大きくなるように、即ちテーパ状に形成されてい
る。粗面部20はショットブラストによるなし地状面、
ローレット加工面あるいはナイフなどの刃物で傷つけた
程度の粗さとなっている。
6に従って説明する。この実施例ではインナーロータ5
に旋回気流発生手段を設ける代わりに、インナーロータ
5のアウターロータ1の開口部側端面に粗面部20を設
けた点が前記両実施例と大きく異なっている。粗面部2
0は凹部15を除いて全面に形成されている。粗面部2
9はインナーロータ5の外周側ほど該開口部端面からの
距離が大きくなるように、即ちテーパ状に形成されてい
る。粗面部20はショットブラストによるなし地状面、
ローレット加工面あるいはナイフなどの刃物で傷つけた
程度の粗さとなっている。
【0032】この実施例では繊維輸送チャンネル8から
アウターロータ1内に輸送された開繊繊維は、旋回気流
に乗ってアウターロータ1の内壁面に向かって移動する
際、その前部がインナーロータ5の粗面部20と係合し
て引っ張られ、引き伸ばし作用を受ける。その結果、繊
維が引き伸ばされた状態でアウターロータ1の内壁面に
付着する。従って、引き伸ばされた状態で繊維が繊維集
束部1aに集束され、糸強力の強い糸として紡出され
る。
アウターロータ1内に輸送された開繊繊維は、旋回気流
に乗ってアウターロータ1の内壁面に向かって移動する
際、その前部がインナーロータ5の粗面部20と係合し
て引っ張られ、引き伸ばし作用を受ける。その結果、繊
維が引き伸ばされた状態でアウターロータ1の内壁面に
付着する。従って、引き伸ばされた状態で繊維が繊維集
束部1aに集束され、糸強力の強い糸として紡出され
る。
【0033】また、この実施例では粗面部20がテーパ
状に形成されているため、繊維輸送チャンネル8からア
ウターロータ1内に流入する気流が、アウターロータ1
内の旋回気流と円滑に合流し易い。その結果、流入気流
とともにアウターロータ1内に輸送された繊維が粗面部
20に沿って円滑にアウターロータ1の内壁面へと導か
れ、繊維が前記引き伸ばし作用を受け易くなる。
状に形成されているため、繊維輸送チャンネル8からア
ウターロータ1内に流入する気流が、アウターロータ1
内の旋回気流と円滑に合流し易い。その結果、流入気流
とともにアウターロータ1内に輸送された繊維が粗面部
20に沿って円滑にアウターロータ1の内壁面へと導か
れ、繊維が前記引き伸ばし作用を受け易くなる。
【0034】なお、本発明は前記各実施例に限定される
ものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。 (1) 図7及び図8に示すように、フィン18を放射
状にかつその高さが一定の状態で設けたり、図9に示す
ようにフィン18の湾曲方向を第1実施例と逆にしても
よい。フィン18を直線状に形成した場合及びインナー
ロータ5の回転方向に向かって延びる円弧状とした場合
に比較して、インナーロータ5の回転方向と逆方向に向
かって延びる図9に示す円弧状とした場合は、フィン1
8の先端部において渦流が発生し難いと思われる。
ものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。 (1) 図7及び図8に示すように、フィン18を放射
状にかつその高さが一定の状態で設けたり、図9に示す
ようにフィン18の湾曲方向を第1実施例と逆にしても
よい。フィン18を直線状に形成した場合及びインナー
ロータ5の回転方向に向かって延びる円弧状とした場合
に比較して、インナーロータ5の回転方向と逆方向に向
かって延びる図9に示す円弧状とした場合は、フィン1
8の先端部において渦流が発生し難いと思われる。
【0035】(2) 旋回気流発生手段として溝19を
設けた第2実施例において、インナーロータ5の端面を
テーパ状としてもよい。テーパ状にすることにより、繊
維輸送チャンネル8からアウターロータ1内に輸送され
た繊維が円滑にアウターロータ1の内壁面に向かって移
動する。
設けた第2実施例において、インナーロータ5の端面を
テーパ状としてもよい。テーパ状にすることにより、繊
維輸送チャンネル8からアウターロータ1内に輸送され
た繊維が円滑にアウターロータ1の内壁面に向かって移
動する。
【0036】(3) 第2実施例においてインナーロー
タ5の端面全体に粗面部20を設ける代わりに、インナ
ーロータ5の外周寄りにのみ粗面部20を設けてもよ
い。この場合、繊維輸送チャンネル8からアウターロー
タ1内に流入した気流は、インナーロータ5のテーパ状
の端面に沿って流れ、気流と共に輸送された開繊繊維も
インナーロータ5の表面に沿って円滑に移動する。そし
て、繊維の前部が外周部に形成された粗面部20と係合
して引き伸ばし作用を受け易くなり、繊維を引き伸ばす
作用がより効果的に行われる。
タ5の端面全体に粗面部20を設ける代わりに、インナ
ーロータ5の外周寄りにのみ粗面部20を設けてもよ
い。この場合、繊維輸送チャンネル8からアウターロー
タ1内に流入した気流は、インナーロータ5のテーパ状
の端面に沿って流れ、気流と共に輸送された開繊繊維も
インナーロータ5の表面に沿って円滑に移動する。そし
て、繊維の前部が外周部に形成された粗面部20と係合
して引き伸ばし作用を受け易くなり、繊維を引き伸ばす
作用がより効果的に行われる。
【0037】(4) インナーロータ5に粗面部20を
設ける場合、粗面部20をテーパ状とせずにインナーロ
ータ5の回転軸と直交する平面状としてもよい。また、
繊維輸送チャンネル8の開口端をボス部7の周面に設け
てもよい。
設ける場合、粗面部20をテーパ状とせずにインナーロ
ータ5の回転軸と直交する平面状としてもよい。また、
繊維輸送チャンネル8の開口端をボス部7の周面に設け
てもよい。
【0038】(5)繊維集束部1aに集束した繊維束F
を糸引出し通路9へ導く繊維束導入用の開口16は、糸
引出し通路9まで連続する通路に限らず、繊維集束部1
a近傍に繊維束Fを案内する部分があればよい。例えば
図10に示すように、インナーロータ5の外周寄りにガ
イド部21を設け、ガイド部21から糸引出し通路9ま
では開放された空間Sとしてもよい。また、撚り伝播防
止部材はなくてもよい。
を糸引出し通路9へ導く繊維束導入用の開口16は、糸
引出し通路9まで連続する通路に限らず、繊維集束部1
a近傍に繊維束Fを案内する部分があればよい。例えば
図10に示すように、インナーロータ5の外周寄りにガ
イド部21を設け、ガイド部21から糸引出し通路9ま
では開放された空間Sとしてもよい。また、撚り伝播防
止部材はなくてもよい。
【0039】(6)特開昭51−64034号公報に開
示された装置のように、インナーロータの繊維集束部寄
りに引出孔(牽出孔)を形成し、繊維束Fをドラフトし
ながら紡出する装置に適用してもよい。
示された装置のように、インナーロータの繊維集束部寄
りに引出孔(牽出孔)を形成し、繊維束Fをドラフトし
ながら紡出する装置に適用してもよい。
【0040】前記各実施例及び変更例から把握できる請
求項記載以外の発明について、以下にその効果とともに
記載する。 (1)請求項5に記載の発明において、インナーロータ
のアウターロータの開口部側端面をテーパ状に形成し、
その外周寄り部分のみを粗面部とする。この場合、繊維
の引き伸ばし作用がより効果的に行われる。
求項記載以外の発明について、以下にその効果とともに
記載する。 (1)請求項5に記載の発明において、インナーロータ
のアウターロータの開口部側端面をテーパ状に形成し、
その外周寄り部分のみを粗面部とする。この場合、繊維
の引き伸ばし作用がより効果的に行われる。
【0041】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1〜請求項4
に記載の発明によれば、アウターロータ内に生じる旋回
気流の速度が繊維輸送通路の出口近傍においても速くな
り、繊維輸送チャンネルからアウターロータ内に供給さ
れた繊維を、引き伸ばされた状態でアウターロータの壁
面に付着させることができる。その結果、引き伸ばされ
た状態の繊維が繊維集束部に集束されて、糸強力の大き
な糸を製造することができる。
に記載の発明によれば、アウターロータ内に生じる旋回
気流の速度が繊維輸送通路の出口近傍においても速くな
り、繊維輸送チャンネルからアウターロータ内に供給さ
れた繊維を、引き伸ばされた状態でアウターロータの壁
面に付着させることができる。その結果、引き伸ばされ
た状態の繊維が繊維集束部に集束されて、糸強力の大き
な糸を製造することができる。
【0042】請求項2に記載の発明によれば、旋回気流
が効率良く発生する。また、請求項4に記載の発明によ
れば、繊維輸送通路からアウターロータ内に輸送された
繊維を円滑にアウターロータの内壁面へ向かって移動さ
せて、引き伸ばし作用を受けた繊維を内壁面に付着させ
ることができる。
が効率良く発生する。また、請求項4に記載の発明によ
れば、繊維輸送通路からアウターロータ内に輸送された
繊維を円滑にアウターロータの内壁面へ向かって移動さ
せて、引き伸ばし作用を受けた繊維を内壁面に付着させ
ることができる。
【0043】請求項5及び請求項6に記載の発明では、
繊維輸送通路からアウターロータ内に輸送された開繊繊
維にインナーロータによる引き伸ばし作用を加え、引き
伸ばされた状態の繊維をアウターロータの壁面に付着さ
せることができる。その結果、引き伸ばされた状態の繊
維が繊維集束部に集束されて、糸強力の大きな糸を製造
することができる。
繊維輸送通路からアウターロータ内に輸送された開繊繊
維にインナーロータによる引き伸ばし作用を加え、引き
伸ばされた状態の繊維をアウターロータの壁面に付着さ
せることができる。その結果、引き伸ばされた状態の繊
維が繊維集束部に集束されて、糸強力の大きな糸を製造
することができる。
【0044】請求項6に記載の発明では、前記引き伸ば
し作用がより円滑に行われる。
し作用がより円滑に行われる。
【図1】第1実施例の断面図。
【図2】図1のII−II線の一部省略断面図。
【図3】第2実施例の断面図。
【図4】図3のIV−IV線の一部省略断面図。
【図5】第3実施例の断面図。
【図6】図5のVI−VI線の一部省略断面図。
【図7】変更例の断面図。
【図8】図7のVIII−VIII線の一部省略断面図。
【図9】別の変更例の一部省略断面図。
【図10】別の変更例のボス部側を見た断面図。
【図11】従来装置の断面図。
1…アウターロータ、1a…繊維集束部、5…インナー
ロータ、8…繊維輸送通路としての繊維輸送チャンネ
ル、9…糸引出し通路、16…開口、19…旋回気流発
生手段としてのフィン、19…同じく溝、20…粗面
部、F…繊維束。
ロータ、8…繊維輸送通路としての繊維輸送チャンネ
ル、9…糸引出し通路、16…開口、19…旋回気流発
生手段としてのフィン、19…同じく溝、20…粗面
部、F…繊維束。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 康志 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内
Claims (6)
- 【請求項1】 開繊された状態で供給された繊維が集束
する繊維集束部を有するアウターロータ内に、アウター
ロータと独立して積極駆動されるとともに一部が糸引出
し通路の端部と対応し、かつ前記繊維集束部と対向して
繊維束導入用の開口を形成したインナーロータを設けた
ロータ式オープンエンド精紡機において、 前記インナーロータに旋回方向が前記アウターロータの
回転に伴う随伴気流と同方向となる旋回気流を起こす旋
回気流発生手段を設けたロータ式オープンエンド精紡
機。 - 【請求項2】 前記旋回気流発生手段は前記インナーロ
ータの前記アウターロータの開口部と対向する面に形成
された複数のフィンである請求項1に記載のロータ式オ
ープンエンド精紡機。 - 【請求項3】 前記旋回気流発生手段は前記インナーロ
ータの前記アウターロータの開口部と対向する面に形成
された複数の溝である請求項1に記載のロータ式オープ
ンエンド精紡機。 - 【請求項4】 前記インナーロータの前記アウターロー
タの開口部側端面は、インナーロータの外周寄りほど該
開口部端面からの距離が大きくなるように形成されてい
る請求項2又は請求項3に記載のロータ式オープンエン
ド精紡機。 - 【請求項5】 請求項1に記載の発明において、旋回気
流発生手段に代えて、前記インナーロータの前記アウタ
ーロータの開口部側端面の、少なくとも外周寄りを粗面
部としたロータ式オープンエンド精紡機。 - 【請求項6】 前記インナーロータのアウターロータの
開口部側端面は、少なくとも繊維輸送通路の開口端部よ
り外周寄りが、インナーロータの外周寄りほどアウター
ロータの開口部端面からの距離が大きくなるように形成
されている請求項5に記載のロータ式オープンエンド精
紡機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7114789A JPH08311725A (ja) | 1995-05-12 | 1995-05-12 | ロータ式オープンエンド精紡機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7114789A JPH08311725A (ja) | 1995-05-12 | 1995-05-12 | ロータ式オープンエンド精紡機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08311725A true JPH08311725A (ja) | 1996-11-26 |
Family
ID=14646727
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7114789A Pending JPH08311725A (ja) | 1995-05-12 | 1995-05-12 | ロータ式オープンエンド精紡機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08311725A (ja) |
-
1995
- 1995-05-12 JP JP7114789A patent/JPH08311725A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |