JPH08311683A - 抗菌性に優れためっき製品 - Google Patents

抗菌性に優れためっき製品

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JPH08311683A
JPH08311683A JP12106195A JP12106195A JPH08311683A JP H08311683 A JPH08311683 A JP H08311683A JP 12106195 A JP12106195 A JP 12106195A JP 12106195 A JP12106195 A JP 12106195A JP H08311683 A JPH08311683 A JP H08311683A
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JP
Japan
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plating layer
nickel
water
copper
cobalt
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP12106195A
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English (en)
Inventor
Haruichiro Eguchi
晴一郎 江口
Takao Washimi
隆男 鷲見
Shikou Chiyou
志宏 趙
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Satosen Co Ltd
Original Assignee
Satosen Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】器具類に長期にわたり高度の抗菌性を付与する
ことを主な目的とする。 【構成】1.金属またはプラスチックに銅を22〜88重量
%含む銅−コバルト合金めっき層を設けたことを特徴と
する抗菌性に優れためっき製品。 2.金属またはプラスチックに(1)ニッケルめっき
層、ニッケル合金めっき層およびコバルトめっき層の少
なくとも1種と(2)銅を22〜88重量%含む銅−コバル
ト合金めっき層を順次設けたことを特徴とする抗菌性に
優れためっき製品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属材料および金属製
品ならびにプラスチック材料およびプラスチック製品に
抗菌性を付与する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌
(Methicillin-Resistant Staphylococcus aureus)に
よる合併症の発生問題が契機となって、病院、老人養護
施設、一般家庭、娯楽設備などで使用される各種の材料
および製品に対しても、各種の有害な菌が付着したり、
或いは発育乃至増殖しない様に努力がなされている。特
に、病院、公衆便所、公衆浴場、ホテル、百貨店、スー
パーマーケット、会社、遊技場、電車、バス、船舶、航
空機、空港などの不特定多数の人の手が触れる場所での
器具類、機器類、設備類など、例えば手洗いの蛇口、コ
ック、バルブ、水洗トイレのフラッシュレバー、扉のノ
ブ、ベッドの足、エレベーターのタッチパネル、電話
機、金融機関における現金自動支払機或いは振込機など
においても、有害な菌が付着し、増殖していることが考
えられるので、これらの器具類、機器類、設備類(以下
単に器具類という)などに抗菌性を付与することが、衛
生上必要となる。
【0003】これら器具類に抗菌性を付与する手段とし
て、それ自体が優れた抗菌性を有するコバルト、コバル
ト合金などのめっき層を形成することが知られている。
しかしながら、これらのコバルト系めっき層を器具類の
最表面に形成する場合には、外気と接触して変色しやす
い。例えば、コバルトめっきおよびコバルト−ニッケル
合金めっきは、黄色から灰色に変色し、コバルト−タン
グステンめっきは、より灰黒色に変化しやすく、これら
のめっきは、環境条件にもよるが、2〜3月程度の期間で
著しく変色を生じ、さらに腐食が進行して、外観が著し
く悪化することもある。
【0004】さらに、コバルトめっきおよびコバルト合
金めっき(Co−Ni、Co−Wなど)による抗菌性
は、大気中の水分、SO4 2-、NO3 -などと反応溶出す
るNiイオン、Wイオンなどによるものではなく、Co
イオンによるものである。しかるに、コバルトめっきお
よびコバルト合金めっきは、時間の経過とともに、その
表面にコバルト酸化物の皮膜が形成されて、コバルトイ
オンの溶出が減少し、抗菌性が低下してしまう。勿論、
めっき表面に形成された皮膜を定期的に物理的或いは化
学的手段により除去すれば、効果は再び発揮されるが、
この様な手段による定期的な皮膜の除去は、実用的であ
るとは言い難い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、器
具類に長期にわたり高度の抗菌性を付与することを主な
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の様な
従来技術の現状に鑑みて研究を進めた結果、金属製およ
びプラスチック製の器具類の表面に特定割合で銅を含有
するコバルトめっき層を形成させる場合には、上記の目
的を達成しうることを見出した。
【0007】また、金属製およびプラスチック製の器具
類の表面にニッケルめっき層またはニッケル合金めっき
層を形成した後、その上に特定割合で銅を含有するコバ
ルトめっき層を形成させる場合には、製品と銅−コバル
ト合金めっき層との接合がより強固になり、抗菌性がよ
り長期にわたり持続されることを見出した。
【0008】すなわち、本発明は、下記の抗菌性に優れ
た製品を提供するものである; 1.金属またはプラスチックに銅を22〜88重量%含む銅
−コバルト合金めっき層を設けたことを特徴とする抗菌
性に優れためっき製品。
【0009】2.金属またはプラスチックに(1)ニッ
ケルめっき層、ニッケル合金めっき層およびコバルトめ
っき層の少なくとも1種と(2)銅を22〜88重量%含む
銅−コバルト合金めっき層を順次設けたことを特徴とす
る抗菌性に優れためっき製品。
【0010】本発明においては、金属製またはプラスチ
ック製の器具類表面に銅−コバルトめっき層を設ける。
前述の様に、コバルトめっき或いは一部のコバルト合金
めっきは、めっき形成直後には、優れた抗菌性を発揮す
るものの、時間の経過とともにその効果を減ずること
が、知られている。また、銅自体の抗菌性も、低い。し
かるに、本発明でめっき層金属として使用するCo78〜
12重量%とCu22〜88重量%とからなるCu−Co合金
の場合には、長期にわたり、優れた抗菌性を発揮する。
本発明によるCu−Co合金がこの様に優れた効果を発
揮するのは、大要以下の様な理由によるものと推測され
る。
【0011】即ち、金属或いはプラスチックの器具類表
面にめっき層として形成されたCu−Co合金が大気中
の水分の存在下で腐食する場合、初期の腐食反応におい
ては、Coリッチ部分がアノードとなり、Cuリッチ部
分がカソードなって、Coイオンが溶出する。Cuは、
一般に酸化皮膜を形成し難く、また特にCuとCoとの
電位に大きな差がないため、Cuが腐食反応の強い駆動
力となり得ない。すなわち、弱い駆動力のために、反応
を持続的に進行させる結果となり、長期間の経過後に
も、抗菌効果を発揮するものと推測される。
【0012】金属製或いはプラスチック製の器具類に対
するCu−Co合金めっき層の形成は、器具類に加工す
る前の材料の状態で行っても良く、或いは器具類に加工
した状態で行っても良い。
【0013】さらに、本発明においては、金属製品また
はプラスチック製品に対するCu−Co合金めっき層の
密着をより良好にするために、製品の表面にニッケルめ
っき層、ニッケル合金めっき層およびコバルトめっき層
の少なくとも1種を形成した後、その上にCo78〜12重
量%とCu22〜88重量%とからなる銅−コバルトめっき
層を設けることが出来る。
【0014】Cu−Co合金めっき層の形成は、Cu含
有量22〜88重量%のCu−Co合金めっき層が形成でき
る限り特に限定されるものではないが、1例として、硫
酸銅10g/l、硫酸コバルト20g/l、ピロりん酸カリウム10
8g/lおよび四ほう酸二カリウム40g/lを含む浴を使用し
て、温度45〜65℃程度、pH約9.5、陰極電流密度0.5〜
2A/dm2程度の条件で行うことが出来る。陽極材料として
は、例えば、炭素板、黒鉛板、白金被覆チタン、白金被
覆チタン合金などが例示される。
【0015】本発明において、Cu含有量の含有量が22
重量%未満となる場合には、Cu−Co合金層をめっき
法により作製することが困難であること、およびめっき
層表面でCo酸化物が形成され、その溶出量が少なくな
って、抗菌効果が低下する。一方、Cu含有量が88重量
%を上回る場合には、Coの溶出が減少して、やはり抗
菌効果が低下する。Cu−Co合金中のCu含有量は、
40〜70重量%程度とすることがより好ましい。
【0016】金属製またはプラスチック製の器具類への
下地めっき層としてのニッケルめっき層、ニッケル合金
めっき層或いはコバルトめっき層は、通常の電気めっき
法または/および化学めっき(無電解めっき)法によ
り、形成することができる。下地めっき層の厚さは、特
に限定されるものではないが、通常1〜30μm程度でよ
い。
【0017】次いで、常法に従って、下地めっき層上に
電気めっき法および/または化学めっき法により、Cu
−Co合金めっき層を形成させる。Cu−Co合金めっ
き層の厚さは、特に限定されるものではないが、通常0.
5〜35μm程度の範囲内にある。
【0018】なお、下地めっき層およびCu−Co合金
めっき層の厚さは、使用環境を考慮して適宜定めれば良
く、上記の範囲外であっても良い。
【0019】従来から、金属製およびプラスチック製の
器具類にCu−Co合金めっき層を形成するには、各種
の前処理工程(脱脂工程、洗浄工程、触媒付与工程、活
性化工程など)、めっき層形成方法(電気めっき法、化
学めっき法乃至無電解めっき法など)などが採用されて
いる。本発明においては、これらの公知の前処理工程に
おける手法、条件などをそのまま採用することができ
る。
【0020】より具体的には、本発明による鉄系金属製
器具類は、例えば、(a)脱脂−水洗−酸性水溶液浸漬
−水洗−ニッケルめっき−水洗−Cu/Co合金めっき
層形成、(b)脱脂−水洗−酸性水溶液浸漬−水洗−C
oめっき層形成−水洗−Cu/Co合金めっき層形成、
(c)脱脂−水洗−酸性水溶液浸漬−水洗−Cu−Co
合金めっき層形成などの工程により、製造することが出
来る。
【0021】また、銅製および銅合金製(例えば黄銅
製)の器具類は、例えば、(d)脱脂−水洗−酸性水溶
液浸漬−水洗−Cu/Co合金めっき層形成などの工程
により、製造することが出来るし、上記の(a)〜
(c)に準じて製造することもできる。
【0022】さらに、プラスチック製の器具類に対して
も、上記と同様に公知の工程により前処理を行った後、
銅−コバルト合金めっき層を形成することができる。当
然のことながら、プラスチック製器具類の場合には、プ
ラスチックの種類に応じた適切な前処理工程が採用され
る。例えば、ABS樹脂に対しては、脱脂−水洗−エッ
チング(無水クロム酸/硫酸の混合水溶液)−中和(還
元剤を含む酸性水溶液中で無水クロム酸に由来する付着
物の6価クロムイオンを3価クロムイオンに還元する)
−水洗−触媒付与工程(塩化パラジウム/塩化第一ス
ズ)−水洗−活性化工程(硫酸水溶液)−無電解ニッケ
ルめっき層形成−硫酸水溶液浸漬−水洗−ニッケルめっ
き層形成−銅/コバルト合金めっき層形成などの公知の
工程により、銅/コバルト合金めっき層を形成すること
ができる。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、金属製およびプラスチ
ック製の器具類の抗菌性を著しく高めることが出来ると
ともに、その効果を長期にわたり持続させることが出来
る。
【0024】
【実施例】以下に参考例、実施例および比較例を示し、
本発明の特徴とするところをより一層明らかにする。
【0025】なお、実施例および比較例における抗菌性
性試験およびその判定は、以下の様にして行った。
【0026】1.試験に用いた菌の種類および濃度 大腸菌(Escherichia coli IFO 3301)および緑濃菌を
それぞれ37℃で21時間振動培養して、菌の濃度を大腸菌
で1.3×106cfu/mlとし、緑濃菌で1×106cfu/mlとした
後、Mueller Hinton寒天培地22ml(内径約85mmのシャー
レ;培地の厚さ約4mm)に接種し、固化させた。
【0027】2.試験方法 培地の中央に所定のめっき層を形成した円形供試材(直
径22mm×厚さ2mm)をおいて密着させ、28〜37℃で24〜4
8時間培養して、抗菌性を調べるハロー法により行っ
た。
【0028】3.効果の判定 供試材の周りにオリゴジナミー(菌が全く増殖していな
い透明な領域がハローとして現れる)が発現しているか
否かを肉眼で観察した。オリゴジナミー発現の状態を模
式的に示すと、図1の通りとなる。供試材のおかれた箇
所1の周囲にオリゴジナミー2が発現し、その周囲に不
透明部(菌が発育している部分)3が存在する。
【0029】比較例1 ステンレス鋼試験片(SUS304)を電解脱脂し、水洗し、
次に10%塩酸に3分間浸漬し、水洗した後、塩化ニッケ
ル240g/lおよび濃塩酸120ml/lのめっき浴を使用して、
浴温20℃、陰極電流密度20A/dm2で2分間電解した。次い
で、この試験片を水洗した後、硫酸ニッケル240g/l、塩
化ニッケル45g/lおよびホウ酸30g/lのめっき浴を使用し
て、空気攪拌下に浴温48〜53℃、陰極電流密度4A/dm2
58分間電解して、約35μmのニッケルめっき層を形成さ
せた。
【0030】大腸菌および緑濃菌のいずれに対しても、
供試材の周囲にオリゴジナミーが観察されず、抗菌性が
ないことを示した。
【0031】比較例2 ステンレス鋼試験片に代えて軟鋼試験片を使用する以外
は比較例1と同様にして、約35μmのニッケルめっき層
を形成させた。
【0032】大腸菌および緑濃菌のいずれに対しても、
供試材の周囲にオリゴジナミーが観察されず、抗菌性が
ないことを示した。
【0033】比較例3 ステンレス鋼試験片(SUS304)を電解脱脂し、水洗し、
次に10%塩酸に3分間浸漬し、水洗した後、塩化ニッケ
ル240g/lおよび濃塩酸120ml/lのめっき浴を使用して、
浴温18℃、陰極電流密度20A/dm2で2分間電解した。次い
で、この試験片を水洗した後、硫酸ニッケル240g/l、塩
化ニッケル45g/lおよびホウ酸30g/lのめっき浴を使用し
て、空気攪拌下に浴温48〜53℃、陰極電流密度4A/dm2
16分間電解して、約10μmのニッケルめっき層を形成さ
せた。次いで、この試験片を水洗した後、硫酸銅200g/l
および硫酸100g/lの銅めっき浴を使用して、空気攪拌下
に浴温約20〜25℃、陰極電流密度3A/dm2で41分間電解し
て、約25μmの銅めっき層を形成させた。
【0034】大腸菌については、供試材の周囲に幅約2.
0mmのオリゴジナミーが形成され、抗菌性を示した。し
かしながら、緑濃菌に対しては、オリゴジナミーが観察
されず、抗菌性がないことを示した。
【0035】実施例1 ステンレス鋼試験片を電解脱脂した後、水洗し、次に10
%塩酸に3分間浸漬し、水洗した。
【0036】次いで、このステンレス鋼試験片を塩化ニ
ッケル240g/lおよび濃塩酸120ml/lを含むニッケルめっ
き浴を使用して、陰極電流密度20A/dm2で2分間電解めっ
きした。次いで、試験片を水洗し、さらに硫酸ニッケル
240g/l、塩化ニッケル45g/lおよびホウ酸30g/lの無光沢
ニッケルめっき浴を使用して、空気攪拌下に陰極電流密
度4A/dm2で約16分間電解めっきを行って、厚さ約10μm
のニッケルめっき層を形成させた。
【0037】次いで、上記のニッケルめっき層を形成さ
せたステンレス鋼試験片を水洗した後、硫酸銅10g/l、
硫酸コバルト20g/l、ピロりん酸カリウム108g/lおよび
四ほう酸二カリウム40g/lの銅−コバルト合金めっき浴
を使用して、浴温55℃、陰極電流密度1A/dm2の条件下に
100分間電解し、水洗し、乾燥した。得られたCu−C
o合金めっき層の厚さは、約19μm(Cu含有量57重量
%)であった。
【0038】大腸菌および緑濃菌のいずれに対しても、
供試材の周囲に幅約4mmの広いオリゴジナミーが形成さ
れ、抗菌性を示した。
【0039】実施例2 軟鋼試験片を電解脱脂した後、水洗し、次に10%塩酸に
2分間浸漬し、水洗し、10%塩酸に3分間浸漬し、水洗し
た。
【0040】次に、この軟鋼試験片を塩化ニッケル240g
/lおよび濃塩酸120ml/lを含むニッケルめっき浴を使用
して、陰極電流密度20A/dm2で2分間電解めっきした。次
に、試験片を水洗した後、さらに硫酸ニッケル240g/l、
塩化ニッケル45g/lおよびホウ酸30g/lの無光沢ニッケル
めっき浴を使用して、空気攪拌下に陰極電流密度4A/dm2
で約16分間電解めっきを行って、厚さ約10μmのニッケ
ルめっき層を形成させた。
【0041】次いで、上記のニッケルめっき層を形成さ
せた軟鋼試験片を水洗した後、硫酸銅22g/l、硫酸コバ
ルト20g/l、ピロりん酸カリウム148g/lおよび四ほう酸
二カリウム40g/lの銅−コバルト合金めっき浴を使用し
て、浴温55℃、陰極電流密度1A/dm2の条件下に80分間電
解し、水洗し、乾燥した。得られたCu−Co合金めっ
き層の厚さは、約15μm(Cu含有量71重量%)であっ
た。
【0042】大腸菌および緑濃菌のいずれに対しても、
幅約4mmの広いオリゴジナミーが形成され、抗菌性を示
した。
【0043】実施例3 軟鋼試験片を電解脱脂した後、水洗し、次に10%塩酸に
2分間浸漬し、水洗し、10%塩酸に3分間浸漬し、水洗し
た。
【0044】次いで、この軟鋼試験片を塩化ニッケル24
0g/lおよび濃塩酸120ml/lを含むニッケルめっき浴を使
用して、陰極電流密度20A/dm2で2分間電解めっきした。
次いで、試験片を水洗した後、さらに硫酸ニッケル240g
/l、塩化ニッケル45g/lおよびホウ酸30g/lの無光沢ニッ
ケルめっき浴を使用して、空気攪拌下に浴温48〜53℃、
陰極電流密度4A/dm2で16分間電解めっきを行って、厚さ
約10μmのニッケルめっき層を形成させた。
【0045】次いで、上記のニッケルめっき層を形成さ
せた軟鋼試験片を水洗した後、硫酸銅5.8g/l、硫酸コバ
ルト20g/l、ピロりん酸カリウム95g/lおよび四ほう酸二
カリウム40g/lの銅−コバルト合金めっき浴を使用し
て、浴温55℃、陰極電流密度1A/dm2の条件下に100分間
電解し、水洗し、乾燥した。得られたCu−Co合金め
っき層の厚さは、約19μm(Cu含有量35重量%)であ
った。
【0046】大腸菌および緑濃菌のいずれに対しても、
供試材の周囲に幅約4mmの広いオリゴジナミーが形成さ
れ、抗菌性を示した。
【0047】実施例4 ABS樹脂試験片を洗浄液(炭酸ナトリウム10g/l、り
ん酸ナトリウム20g/lおよび界面活性剤2ml/l)に温度50
℃で4分間浸漬し、水洗した後、無水クロム酸400g/lと
硫酸400g/lとの混合水溶液に温度67℃で10分間浸漬し
て、エッチングを行った。
【0048】次いで、上記のABS樹脂試験片を水洗
し、濃塩酸50ml/lと酸性亜硫酸ナトリウム8ml/lと
の混合水溶液に2分間浸漬した後、水洗して中和した。
【0049】次いで、この試験片を塩化第一スズ10g/l
および濃塩酸8ml/lの混合水溶液に5分間浸漬し、水洗し
た後、塩化パラジウム0.2g/l、濃塩酸3ml/lの混合水溶
液に4分間浸漬し、水洗した。
【0050】次いで、上記の処理を終えたABS樹脂試
験片を硫酸ニッケル21g/l、乳酸28g/l、プロピオン酸2.
3g/lおよび次亜リン酸21g/lの無電解ニッケルめっき浴
に温度90℃、pH5.2で10分間浸漬し、水洗した後、さら
に硫酸100g/lの水溶液に浸漬し、水洗した。
【0051】次いで、上記の処理を終えたABS樹脂試
験片を硫酸ニッケル240g/l、塩化ニッケル45g/lおよび
ホウ酸30g/lのニッケルめっき浴に浸漬し、浴温35℃、
陰極電流密度1A/cm2で7分間電解した後、水洗し、ニッ
ケルめっきを層形成させた。
【0052】次いで、上記のABS樹脂試験片を硫酸ニ
ッケル240g/l、塩化ニッケル45g/lおよびホウ酸30g/lの
ニッケルめっき浴に浸漬し、空気攪拌下に浴温48〜53
℃、陰極電流密度4A/cm2で16分間電解した後、水洗し、
無光沢ニッケルめっき層(約10μm)を形成させた。
【0053】次いで、上記のABS樹脂試験片を硫酸銅
22g/l、硫酸コバルト20g/l、ピロりん酸カリウム148g/l
および四ほう酸二カリウム40g/lの銅−コバルト合金め
っき浴を使用して、浴温55℃、陰極電流密度1A/dm2の条
件下に80分間電解し、水洗し、乾燥した。得られたCu
−Co合金めっき層の厚さは、約17μm(Cu含有量71
重量%)であった。
【0054】大腸菌および緑濃菌のいずれに対しても、
供試材の周囲に幅約4mmの広いオリゴジナミーが形成さ
れ、抗菌性を示した。
【0055】実施例5 ポリアミド試験片を水酸化ナトリウム100g/lおよび界面
活性剤2ml/lの組成を有する洗浄液に温度60℃で10分間
浸漬し、水洗し、次いで塩酸80ml/lの水溶液に温度25℃
で3分間浸漬し、水洗した。
【0056】次に、上記の様にして洗浄したポリアミド
試験片を塩化第一スズ10g/lと濃塩酸8ml/lの混合溶液に
5分間浸漬し、水洗した後、塩化パラジウム0.3g/lと濃
塩酸3ml/lの混合水溶液に4分間浸漬し、水洗して、活性
化および触媒の付与を行った。
【0057】次に、上記のようにして前処理した試験片
を硫酸ニッケル21g/l、乳酸28g/l、プロピオン酸2.3g/l
および次亜リン酸21g/lからなる無電解Niめっき浴を
使用して、温度90℃、pH5.2、浸漬時間10分の条件で
無電解Niめっき処理した。
【0058】次いで、Ni無電解めっき処理後の試験片
を水洗した後、硫酸100g/lの水溶液に浸漬し、水洗し、
次いで硫酸ニッケル240g/l、塩化ニッケル45g/lおよび
ホウ酸30g/lという組成のニッケル電解めっき浴を使用
して、電解めっきを行った。電解めっき処理に際して
は、浴温35℃、陰極電流密度1A/dm2で7分間電解した
後、水洗して、全厚さ約1μmのニッケルめっき層を形
成させた。
【0059】次いで、電解Niめっきを行ったポリアミ
ド試験片に無光沢ニッケルめっきを施した。浴組成は、
硫酸ニッケル240g/l、塩化ニッケル45g/lおよびホウ酸3
0g/lである。めっき操作は、空気撹拌下に浴温48〜53
℃、陰極電流密度4A/dm2で16分間行い、厚さ10mのニッ
ケルめっき層を形成した。
【0060】次いで、上記の様にして無光沢ニッケルめ
っき層を形成したポリアミド試験片を水洗し、Cu−C
o合金めっき層を形成した。Cu−Co合金めっき浴の
組成は、硫酸銅10g/l、硫酸コバルト20g/l、ピロりん酸
カリウム108g/lおよび四ほう酸二カリウム40g/lであ
り、めっきに際しては、浴温55℃、陰極電流密度1A/dm2
の条件で96分間電解し、水洗し、乾燥した。得られたC
u−Co合金めっき層の厚さは、約6μm(Cu含有量57
重量%)であった。
【0061】大腸菌および緑濃菌のいずれに対しても、
供試材の周囲に幅約4mmの広いオリゴジナミーが形成さ
れ、抗菌性を示した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるメッキ製品の培地(ハロー法)を
用いての抗菌性を示す模式図である。 1…抗菌性を有する供試材 2…オリゴジナミー(透明で、菌の発育が抑制されてい
る部分) 3…不透明部(菌の発育が抑制されていない部分)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属またはプラスチックに銅を22〜88重量
    %含む銅−コバルト合金めっき層を設けたことを特徴と
    する抗菌性に優れためっき製品。
  2. 【請求項2】金属またはプラスチックに(1)ニッケル
    めっき層、ニッケル合金めっき層およびコバルトめっき
    層の少なくとも1種と(2)銅を22〜88重量%含む銅−
    コバルト合金めっき層を順次設けたことを特徴とする抗
    菌性に優れためっき製品。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007297713A (ja) * 2006-04-28 2007-11-15 Inha-Industry Partnership Inst 活性炭素−多種金属複合体の製造方法

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