JPH08311358A - 新規なフルオラン化合物、中間体及び発色性記録材料 - Google Patents

新規なフルオラン化合物、中間体及び発色性記録材料

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JPH08311358A
JPH08311358A JP7290321A JP29032195A JPH08311358A JP H08311358 A JPH08311358 A JP H08311358A JP 7290321 A JP7290321 A JP 7290321A JP 29032195 A JP29032195 A JP 29032195A JP H08311358 A JPH08311358 A JP H08311358A
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光広 柳田
Takehiro Sato
剛弘 佐藤
Shigeki Suga
繁己 菅
Tomoya Hidaka
友也 肥高
Toru Kawabe
徹 川邉
Mamoru Aizawa
守 会沢
Shinichi Sato
真一 佐藤
Izuo Aoki
伊豆男 青木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光に対する地肌の白色度および、発色画像の
耐光性に優れるばかりでなく、光にさらされた後も充分
に発色能を有する記録材料を得ること。 【解決手段】 発色性記録材料に一般式(I)で表され
るフルオラン化合物を含有すること。 【化1】 (式中R1 は炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、R
3 は炭素原子数1〜8のアルキル基を示し、R4 は水素
原子、炭素原子数1〜8のアルキル基を示し、R3 とR
4 は結合してNを含んだ環を形成してもよく、R2 は炭
素原子数1〜4のアルキル基を示し、nは0〜2の整数
を示す。但し、nが複数個のR2 で示される置換基はそ
れぞれ異なっていてもよい。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感熱記録紙、感圧複
写紙等の発色性記録材料に使用する発色性染料のフルオ
ラン化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】それ自体は無色あるいは殆ど無色である
が、顕色剤の作用によって発色する発色性染料と、それ
を発色させる顕色剤とからなる発色系に基く記録材料は
感圧複写紙、感熱記録紙等として今日広く使用されてい
る。そして、その発色性染料としては主にフルオラン化
合物が使用されており、それらにはその有する置換基に
よって、黒色系、緑色系、赤色系、青色系等の種々の発
色色調を有しており、その上に近赤外線にまで吸収を有
するものもある。最近、感熱記録紙は用途の拡大と伴
に、過酷な自然環境下に晒される状況で使用される用途
も多くなってきた。この為に、これらのフルオラン化合
物には発色画像及び地肌の保存性に優れた性質が要望さ
れているが満足するものはない。そこで、例えば感熱記
録紙の場合には、記録材料に必須である発色性染料のフ
ルオラン化合物とそれを発色させる顕色剤の他、感度を
改善する増感剤、保存性を改善する耐可塑性剤、酸化防
止剤、紫外線吸収剤等の材料を加えた処方により記録材
料の性能を向上させている。更には保護層、中間層等に
よって発色層を保護して保存性を改良する等の対策をし
ている。
【0003】本発明に類似する構造を有する化合物とし
ては、本願出願人が出願した特開昭63−156790
号記載のフルオラン化合物があり、本発明も該公開公報
の特許請求範囲に含まれているが、具体的な記載はされ
ていない。
【0004】記録材料、特に感熱、感圧記録紙において
耐光性とは光にさらされた後の地肌の白色度および発色
画像の褪色性が問題とされていた。しかし従来のフルオ
ラン化合物は光に対する化合物自体の安定性が悪く、光
によって分解してしまう欠点を有している。これによ
り、従来の感熱紙の未発色部は光にさらされた後、加熱
しても発色しない、または発色濃度が非常に薄いなどの
問題があった。即ち、光にさらされた未使用感熱紙は、
その発色能が著しく低下することになり、暗所に保存し
なければならなかった。上記特開昭63−156790
には耐光性に優れた、特に発色画像が光によって褪色し
ない記録材料が開示されているが、光にさらされた後の
発色能については何ら記載はない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、未だ
に発色性染料として充分満足できる性能を有するフルオ
ラン化合物は見出されていない。本発明の目的は、光に
対する地肌の白色度の保存性に優れ、発色画像の光によ
る耐褪色性に優れるばかりでなく、光にさらされた後も
未発色部に充分な発色能を有する記録材料を得ることに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、6位にp−置
換アミノ基を有するアニリノ基を有し、かつ、4位にア
ルキル基を有する下記の一般式(I)で表されるフルオ
ラン化合物、中間体、それを発色性染料として含有する
ことを特徴とする発色性記録材料である。
【0007】
【化4】
【0008】(式中R1 は炭素原子数1〜4のアルキル
基を示し、R3 は炭素原子数1〜8のアルキル基を示
し、R4 は水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基を
示し、R3 とR4 は結合してNとともに環を形成しても
よく、R2 は炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、n
は0〜2の整数を示す。但し、nが複数個のR2 で示さ
れる置換基はそれぞれ異なっていてもよい。)
【0009】上記一般式(I)の中で特に一般式
(I’)で表されるフルオラン化合物が発色性記録材料
として用いた場合好ましい。
【0010】
【化5】
【0011】(式中R1 は炭素原子数1〜4のアルキル
基を示し、R3 は炭素原子数1〜8のアルキル基を示
し、R2 は炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、nは
1〜2の整数を示す。但し、nが複数個のR2 で示され
る置換基はそれぞれ異なっていてもよい。)
【0012】一般式(I)、(I’)、(II)で表さ
れる化合物の置換基R1 、R2 の炭素原子数1〜4のア
ルキル基としてはメチル基、エチル基、n−プロピル
基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチ
ル基、tert−ブチル基等が具体的に挙げられる。R
3 、R4 、R5 の炭素原子数1〜8のアルキル基として
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プ
ロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert
−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、n
eo−ペンチル、tert−ペンチル基、n−ヘキシル
基、iso−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−
メチルペンチル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル
基、n−オクチル基などが具体的に挙げられる。また、
3 とR4 が結合してNとともに環を形成する場合は−
(CH2 m −を表し、m=4,5が挙げられる。
【0013】
【発明の実施の形態】一般式(I)で表されるフルオラ
ン化合物は次の反応式に従い製造できる。
【0014】
【化6】
【0015】(式中のR1 、R2 、R3 、R4 は前記と
同じであり、R5 は水素原子又は炭素原子数1〜8のア
ルキル基を示す。)
【0016】上記の反応式による本発明のフルオラン化
合物は、一般式(II)で表される3−アミノフェノー
ル誘導体と一般式(III)で表されるベンゾイル安息
香酸誘導体とを硫酸、リン酸、無水酢酸等の脱水縮合剤
の存在下、数時間〜数十時間縮合し、次いで有機溶媒
中、アルカリ性物質の存在下で分子内閉環反応して製造
できる。即ち、一般的に知られているフルオラン化合物
の製造方法を用いて製造することができる。
【0017】本発明の一般式(I)のフルオラン化合物
の製造方法で用いられる脱水縮合剤としては、硫酸であ
る場合には、純度60%以上が好ましく、さらに好まし
くは80%〜100%である。他の脱水縮合剤には、例
えば発煙硫酸、無水リン酸、ポリリン酸及び塩化亜鉛、
オキシ塩化リン等のルイス酸またはプロトン酸等が挙げ
られ、単独でまたは混合して使用しても良い。一般式
(II)で表されるジフェニルアミン誘導体と一般式
(III)で表されるベンゾイル安息香酸誘導体の割合
は1:0.8〜1:1.5(モル当量)が好ましく、さ
らに好ましくは1:1〜1:1.2である。反応温度は
−20〜80℃であり、好ましくは−10〜30℃であ
る。
【0018】本発明に用いられる一般式(III)のベ
ンゾイル安息香酸誘導体は、対応するフェノール誘導体
と、無水フタル酸とを、触媒のルイス酸またはプロトン
酸の存在下、有機溶媒中で反応させる方法が一般的であ
るが、有機溶媒としてはテトラクロロエタン、クロロベ
ンゼン、ジクロロベンゼン(o−、m−、p−)等があ
り、ニトロベンゼン、二硫化炭素を用いることもでき
る。用いられるルイス酸またはプロトン酸としては、塩
化アルミニウム、臭化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化
鉄、四塩化ジルコニウム、塩化タリウム、弗化硼素、塩
化錫、塩化銅、硫酸、リン酸等がある。対応するフェノ
ール誘導体1モルに対するこれら触媒の割合は2〜15
モル当量であるが、さらに好ましくは2〜4モル当量で
ある。反応温度は−20〜150℃が好ましく、更に好
ましくは20〜120℃で、反応時間は2〜72時間が
好ましい。
【0019】本発明に用いられる一般式(II)のジフ
ェニルアミン誘導体の製造法の具体例を示す。
【0020】一般式(II)で表されるジフェニルアミ
ン誘導体において、R5 が水素原子、R3 とR4 がメチ
ル基である場合の製造方法としては、例えば下記の反応
式に従い、触媒のルイス酸またはプロトン酸の存在下、
有機溶剤中で反応することにより行うことができる。
【0021】
【化7】
【0022】上記反応の有機溶媒としては、トルエン、
プソイドキュメン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロ
ロベンゼン(o−、m−、p−)等があり、反応により
生ずる水を共沸により反応系より留去して行うことが望
ましい。使用されるルイス酸またはプロトン酸として、
塩化亜鉛、塩化カルシウム、リン酸、硫酸等が使用さ
れ、反応温度としては100〜250℃、さらに好まし
くは150〜210℃である。
【0023】一般式(II)で表されるジフェニルアミ
ン誘導体において、R5 、 R3 、R4 がメチル基である
場合の製造法としては、例えば下記の反応式に従い、触
媒の銅化合物の存在下、有機溶剤中で反応し、さらに酸
またはアルカリの存在下、加水分解することにより行う
ことができる。
【0024】
【化8】
【0025】上記反応の有機溶媒としては、トルエン、
プソイドキュメン、キシレン等の芳香族系溶媒が好まし
く、反応により生ずる水を共沸により反応系より留去し
て行うことが望ましい。反応に使用される触媒として、
銅粉、酸化銅(I)、酸化銅(II)、ヨウ化銅
(I)、硝酸銅(II)、水酸化銅(II)、臭化銅
(I)、臭化銅(II)、酢酸銅(I)、酢酸銅(I
I)、硫酸銅(II)、テトラクロロ銅(II)酸テト
ラエチルアンモニウム塩、テトラクロロ銅(II)酸テ
トラメチルアンモニウム塩、テトラブロモ銅(II)酸
テトラエチルアンモニウム塩、テトラブロモ銅(II)
酸テトラメチルアンモニウム塩、テトラクロロ銅(I
I)酸セチルトリメチルアンモニウム塩等のテトラハロ
ゲノ銅(II)テトラアルキルアンモニウム塩、二塩化
ビス(エチレンジアミン)銅(II)、過塩素酸ビス
(N,N−ジエチルエチレンジアミン)銅(II)、二
塩化ビス(2,2’−ビピリジン)銅(II)・六水和
物、二ヨウ化ビス(2,2’−ビピリジン)銅(I
I)、硝酸ビス(2,2’−ビピリジン)銅(II)・
一水和物、硝酸トリス(2,2’−ビピリジン)銅(I
I)・六水和物、硝酸(2,2’−ビピリジン)銅(I
I)・三水和物、二臭化(2,2’−ビピリジン)銅
(II)、硝酸(1,10−フェナントロリン)銅
(I)、クロロ(1,10−フェナントロリン)(トリ
フェニルホスフィン)銅(I)、ヨード(1,10−フ
ェナントロリン)(トリ−n−ブチルホスフィン)銅
(I)、硝酸ビス(1,10−フェナントロリン)銅
(I)、ヨウ化ビス(1,10−フェナントロリン)銅
(I)、ビス〔ヨード(1,10−フェナントロリン)
銅(I)〕、二塩化ビス(1,10−フェナントロリ
ン)銅(II)、硝酸トリス(1,10−フェナントロ
リン)銅(II)、二塩化ビス(4,7−ジフェニル−
1,10−フェナントロリン)銅(II)、硝酸(1,
10−フェナントロリン)銅(II)、硝酸ビス(1,
10−フェナントロリン)銅(II)、二臭化(1,1
0−フェナントロリン)銅(II)、硫酸ビス(1,1
0−フェナントロリン)銅(II)、硫酸(1,10−
フェナントロリン)銅(II)、ビス(ジメチルグリオ
キシマト)銅(II)、ジクロロ(ジメチルグリオキシ
ム)銅(II)、ビス(グリシルグリシナト)銅(I
I)酸カリウム・六水和物、クロロ(グリシルグリシナ
ト)アクア銅(II)、ビス(グリシナト)銅(II)
・一水和物、ビス(アラニナト)銅(II)、ビス(サ
リチルアルデヒドオキシマト)銅(II)、ビス(2−
アミノエタノラト)銅・一水和物、ビス(8−キノリノ
ラト)銅(II)等が用いられる。また、中和剤として
炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が用いられる。反応に
要する温度は120〜250℃であるが、さらに好まし
くは170〜220℃である。また、加水分解には、硫
酸、塩酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の一般
的な酸またはアルカリが使用される。
【0026】次いで、本発明の一般式(I)で表される
フルオラン化合物の代表例を第1表に示した。
【0027】
【表101】
【0028】
【表102】
【0029】
【表103】
【0030】
【表104】
【0031】
【表105】
【0032】
【表106】
【0033】
【表107】
【0034】
【表108】
【0035】
【表109】
【0036】
【表110】
【0037】
【表111】
【0038】
【表112】
【0039】
【表113】
【0040】
【表114】
【0041】
【表115】
【0042】
【表116】
【0043】本発明のフルオラン化合物は単独で使用
し、その発色する色の記録材料を製造することは勿論で
あるが、それらの2種以上を混合使用したり、あるいは
他の発色性染料と混合使用したりすることもできる。例
えば赤色、青色、緑色の3原色の発色性染料また黒発色
染料を混合使用して真に黒色に発色する記録材料を製造
することができる。
【0044】本発明のフルオラン化合物と混合して使用
し得る発色性染料としては、フルオラン系、トリフェニ
ルメタン−フタリド系、フェノチアジン系、スピロピラ
ン系、ローダミンラクタム系等の種々の発色性染料が挙
げられる。
【0045】混合して使用し得るフルオラン化合物を例
示すれば、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニ
リノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7
−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソブ
チルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、
3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル
−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−イ
ソペンチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン、3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリ
ノ)フルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(o−クロ
ロアニリノ)フルオラン、3−(N−エチル−p−トル
イジノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−
(N−シクロヘキシル−N−メチルアミノ)−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン、3−ピロリジノ−6−メ
チル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−
メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジメチルアミノ
−7−(m−トリフロロメチルアニリノ)フルオラン、
3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフル
オラン、3−(N−エトキシプロピル−N−エチルアミ
ノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブ
チルアミノ−7−(o−フロロアニリノ)フルオラン、
3−ジエチルアミノベンゾ〔a〕フルオラン、3−ジメ
チルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、3−
ジエチルアミノ−5−メチル−7−ジベンジルアミノフ
ルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノ
フルオラン、3−ジエチルアミノ−5−クロロフルオラ
ン、3−ジエチルアミノ−6−(N,N’−ジベンジル
アミノ)フルオラン、3,6−ジメトキシフルオラン等
が挙げられる。また、近赤外吸収染料としては、3−
(4−(4−(4−アニリノ)−アニリノ)アニリノ−
6−メチル−7−クロロフルオラン、3,3−ビス(2
−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(4−メトキ
シフェニル)ビニル)−4,5,6,7−テトラクロロ
フタリド、3,6,6’−トリス(ジメチルアミノ)ス
ピロ〔フルオレン−9,3’−フタリド〕等が挙げられ
る。
【0046】混合割合は1:100〜100:1のうち
任意に選択できるが、好ましくは、本発明化合物に対し
て5〜30%を混合する。
【0047】本発明のフルオラン化合物を含有する発色
性記録材料は、光記録材料、キレート型記録材料、感圧
記録材料、感熱記録材料などがあるが、より具体的には
顕色剤と接触して発色させる機構の記録材料が一般的で
あり、代表的には感圧複写紙、感熱記録紙等が挙げられ
る。本発明のフルオラン化合物には近赤外部の波長の光
にも強く吸収をするものがあり近赤外吸収性染料として
記録材料に使用することも可能である。
【0048】本発明のフルオラン化合物を使用して感熱
記録紙を製造する方法は、既知の発色性染料の場合と同
様であり、例えば、発色性染料化合物の微粒子と顕色剤
の微粒子とを水溶性結合剤の水溶液中に分散させた懸濁
液を紙等の支持体に塗布して乾燥することにより製造で
きる。染料及び顕色剤の混合比率は、それぞれの種類に
応じ適宜変更しうるものであるが、通常、染料1重量部
に対して、顕色剤1〜10重量部、好ましくは2〜5重
量部である。上記懸濁液中には、増感剤、填料、分散
剤、発色画像安定化剤、酸化防止剤、減感剤、粘着防止
剤、消泡剤、光安定剤、蛍光増白剤等を必要に応じ含有
させることができる。また、上記発色層の上部および/
または下部にオーバーコート層やアンダーコート層を設
けることができる。この場合、これらの層には酸化防止
剤、光安定剤などを含有することができる。さらに酸化
防止剤、光安定剤は必要に応じマイクロカプセルに内包
するかたちで、これらの層に含有させることができる。
【0049】この際、使用する顕色剤としては、例えば
ビスフェノールA、4,4’-sec-ブチリデンビスフェ
ノール、4,4’−シクロヘキシリデンビスフェノー
ル、2,2−ジメチル−3,3−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)ブタン、2,2’−ジヒドロキシジフェニ
ル、ペンタメチレン−ビス(4−ヒドロキシベンゾエー
ト)、2,2−ジメチル−3,3−ジ(4−ヒドロキシ
フェニル)ペンタン、2,2−ジ(4−ヒドロキシフェ
ニル)ヘキサン等のビスフェノール化合物、4,4’−
ジヒドロキシジフェニルチオエーテル、1,7−ジ(4
−ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタ
ン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニルチオ)ジ
エチルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−
ジメチルジフェニルチオエーテル等の含硫黄ビスフェノ
ール化合物、4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、4−ヒ
ドロキシ安息香酸エチル、4−ヒドロキシ安息香酸プロ
ピル、4−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル、4−ヒド
ロキシ安息香酸ブチル、4−ヒドロキシ安息香酸イソブ
チル、4−ヒドロキシ安息香酸クロロベンジル、4−ヒ
ドロキシ安息香酸メチルベンジル、4−ヒドロキシ安息
香酸ジフェニルメチル等の4−ヒドロキシ安息香酸エス
テル類、安息香酸亜鉛、4−ニトロ安息香酸亜鉛等の安
息香酸金属塩、4−(2−(4−メトキシフェニルオキ
シ)エチルオキシ)サリチル酸などのサリチル酸類、サ
リチル酸亜鉛等のサリチル酸金属塩、4,4’−ジヒド
ロキシジフェニルスルホン、2,4’−ジヒドロキシジ
フェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−メチルジフ
ェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキ
シジフェニルスルホン、4−ヒドロキシ−4’−ブトキ
シジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシ−3,
3’−ジアリルジフェニルスルホン、3,4−ジヒドロ
キシ−4’−メチルジフェニルスルホン、4,4’−ジ
ヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラブロモジフェ
ニルスルホン等のヒドロキシスルホン類、4−ヒドロキ
シフタル酸ジメチル、4−ヒドロキシフタル酸ジシクロ
ヘキシル、4−ヒドロキシフタル酸ジフェニル等の4−
ヒドロキシフタル酸ジエステル類、2−ヒドロキシ−6
−カルボキシナフタレン等のヒドロキシナフトエ酸のエ
ステル類、ヒドロキシアセトフェノン、p−フェニルフ
ェノール、4−ヒドロキシフェニル酢酸ベンジル、p−
ベンジルフェノール、ハイドロキノン−モノベンジルエ
ーテル、更にトリブロモメチルフェニルスルホン等のト
リハロメチルスルホン類、4,4’−ビス(p−トルエ
ンスルホニルアミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタ
ン等のスルホニルウレア類、テトラシアノキノジメタン
等の電荷移動錯体等を挙げることができる。
【0050】増感剤としては例えば、ステアリン酸アミ
ドなどの高級脂肪酸アミド、ベンズアミド、ステアリン
酸アニリド、アセト酢酸アニリド、チオアセトアニリ
ド、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(4−メチルベン
ジル)、シュウ酸ジ(4−クロロベンジル)、フタル酸
ジメチル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジベン
ジル、イソフタル酸ジベンジル、ビス(tert−ブチルフ
ェノール)類、4、4’−ジヒドロキシジフェニルスル
ホンのジエーテル類、1,2−ビス(フェノキシ)エタ
ン、1,2−ビス(4−メチルフェノキシ)エタン、
1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2−ナ
フトールベンジルエーテル、ジフェニルアミン、カルバ
ゾール、2,3−ジ− m−トリルブタン、4−ベンジル
ビフェニル、4,4’−ジメチルビフェニル、m-ターフ
ェニル、ジ−β−ナフチルフェニレンジアミン、1−ヒ
ドロキシ−ナフトエ酸フェニル、2−ナフチルベンジル
エーテル、4−メチルフェニル−ビフェニルエーテル、
2,2−ビス(3,4−ジメチルフェニル)エタン、
2,3,5,6−テトラメチル−4’−メチルジフェニ
ルメタン等を挙げることができる。好ましくは、1,2
−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、2−ナフチル
ベンジルエーテルなどのエーテル類、m-ターフェニル、
4−ベンジルビフェニルなどの芳香族炭化水素類を挙げ
ることができる。
【0051】填料としては、クレー、タルク、カオリ
ン、サテンホワイト、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、硫酸バリウム、珪酸マグネシウム、珪
酸アルミニウム等を例示することができる。
【0052】分散剤としては、スルホコハク酸ジオクチ
ルナトリウム等のスルホコハク酸エステル類、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルアルコール硫
酸エステルのナトリウム塩、脂肪酸塩等を、
【0053】また発色画像安定化剤としては4−ベンジ
ルオキシ−4’−(2−メチルグリシジルオキシ)−ジ
フェニルスルホン、4,4’−ジグリシジルオキシジフ
ェニルスルホン、などのエポキシ基含有ジフェニルスル
ホン類、1,4−ジグリシジルオキシベンゼン、4−
(α−(ヒドロキシメチル)ベンジルオキシ)−4’−
ヒドロキシジフェニルスルホン、2−プロパノール誘導
体、サリチル酸誘導体、オキシナフトエ酸誘導体の金属
塩(特に亜鉛塩)、その他水不溶性の亜鉛化合物等を、
【0054】酸化防止剤としては2,2’−メチレンビ
ス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,
2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフ
ェノール)、4,4’−プロピルメチレンビス(3−メ
チル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチ
リデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノー
ル)、4,4’−チオビス(2−tert−ブチル−5−メ
チルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−
4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、
1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5
−シクロヘキシルフェニル)ブタン等を、
【0055】減感剤としては脂肪族高級アルコール、ポ
リエチレングリコール、グアニジン誘導体等を、
【0056】また粘着防止剤としてはステアリン酸、ス
テアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、カルナウバ
ワックス、パラフィンワックス、エステルワックス等を
例示することができる。
【0057】光安定剤としては、フェニルサリシレー
ト、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、p−
オクチルフェニルサリシレートなどのサリチル酸系紫外
線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−
ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロ
キシ−4−ベンジルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロ
キシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロ
キシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−
ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’
−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾ
フェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert
−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−
ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5
−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ
−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−
クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’−(3″,
4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)
−5’−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−
3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニ
ル〕−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロ
キシ−3’−ドデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ウンデ
シル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2
−(2’−ヒドロキシ−3’−ウンデシル−5’−メチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロ
キシ−3’−トリデシル−5’−メチルフェニル)ベン
ゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−テト
ラデシル−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’−ペンタデシル−
5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’−ヘキサデシル−5’−メチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロ
キシ−4’−(2″−エチルヘキシル)オキシフェニ
ル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−
4’−(2″−エチルヘプチル)オキシフェニル〕ベン
ゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−4’−
(2″−エチルオクチル)オキシフェニル〕ベンゾトリ
アゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−4’−(2″−プ
ロピルオクチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾー
ル、2−〔2’−ヒドロキシ−4’−(2″−プロピル
ヘプチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−
〔2’−ヒドロキシ−4’−(2″−プロピルヘキシ
ル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2’
−ヒドロキシ−4’−(1″−エチルヘキシル)オキシ
フェニル〕ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキ
シ−4’−(1″−エチルヘプチル)オキシフェニル〕
ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−4’−
(1’−エチルオクチル)オキシフェニル〕ベンゾトリ
アゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−4’−(1″−プ
ロピルオクチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾー
ル、2−〔2’−ヒドロキシ−4’−(1″−プロピル
ヘプチル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、2−
〔2’−ヒドロキシ−4’−(1″−プロピルヘキシ
ル)オキシフェニル〕ベンゾトリアゾール、ポリエチレ
ングリコールとメチル−3−〔3−tert−ブチル−
5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−ヒ
ドロキシフェニル〕プロピオネートとの縮合物などのベ
ンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2’−エチルヘキシ
ル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、エ
チル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートな
どのシアノアクリレート系紫外線吸収剤、ビス(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケー
ト、コハク酸−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジル)エステル、2−(3,5−ジ−ter
t−ブチル)マロン酸−ビス(1,2,2,6,6−ペ
ンタメチル−4−ピペリジル)エステルなどのヒンダー
ドアミン系紫外線吸収剤などを挙げることができる。
【0058】本発明のフルオラン化合物を発色性染料と
する感圧複写紙は、既知のフルオラン化合物等の発色性
染料の場合と同様に製造できる。例えば、公知の方法に
よりマイクロカプセル化した本発明化合物を適当な分散
剤によって分散し、紙に塗布して発色剤シートを作製す
る。また、顕色剤の分散液を紙に塗布して顕色剤シート
を作製する。このようにして作製された両シートを組合
せて感圧複写紙が作製される。感圧複写紙としては、発
色性染料の有機溶媒溶液を内包するマイクロカプセルを
下面に塗布担持している上用紙と顕色剤( 酸性物質) を
上面に塗布担持している下用紙とからなるユニットで
も、あるいはマイクロカプセルと顕色剤とが同一の紙面
に塗布されているいわゆるセルフコンテントペーパーで
あってもよい。その際使用する顕色剤としては従来既知
のものが用いられ、例えば酸性白土、活性白土、アパタ
ルジャイト、ベントナイト、コロイダルシリカ、珪酸ア
ルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸亜鉛、珪酸錫、焼
成カオリン、タルク等の無機酸性物質、蓚酸、マレイン
酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸、ステアリン酸等の脂
肪族カルボン酸、安息香酸、p- tert-ブチル安息香酸、
フタル酸、没食子酸、サリチル酸、3−イソプロピルサ
リチル酸、3−フェニルサリチル酸、3−シクロヘキシ
ルサリチル酸、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、
3−メチル−5−ベンジルサリチル酸、3−フェニル−
5−(2,2−ジメチルベンジル)サリチル酸、3,5
−ジ−(2−メチルベンジル)サリチル酸、2−ヒドロ
キシ−1−ベンジル−3−ナフトエ酸等の芳香族カルボ
ン酸、これら芳香族カルボン酸の亜鉛、マグネシウム、
アルミニウム、チタン等の金属塩、p−フェニルフェノ
ール−ホルマリン樹脂、p−ブチルフェノール−アセチ
レン樹脂等のフェノール樹脂系顕色剤、これらフェノー
ル樹脂系顕色剤と上記芳香族カルボン酸の金属塩との混
合物等を挙げることができる。
【0059】
【実施例】以下、実施例をもって本発明を詳細に説明す
るが、これによって本発明が限定される事はない。
【0060】実施例1(化合物1の合成例) 濃硫酸38g中に、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ
メチル)ベンゾイル安息香酸7.8g(0.029mo
l)と3−メトキシ−4’−ジメチルアミノジフェニル
アミン7.7g(0.032mol)とを加え、室温
で、24時間攪拌して反応した。反応終了後、生成物を
20%水酸化ナトリウム水溶液140mlとトルエン1
00mlの液中に分散し、攪拌しながら2時間加熱還流
した。次いで、水層を分液して除き、トルエン層を水洗
浄した後、濃縮した。析出した結晶を濾過乾燥して、
2,4−ジメチル−6−(4−ジメチルアミノフェニ
ル)アミノフルオラン、融点234.5−234.7℃
の淡黄白色結晶10.0gを得た。
【0061】〔参考例1〕実施例1に使用するベンゾイ
ル安息香酸誘導体の製造 ジクロロベンゼン64ml中に、無水フタル酸7.1
g、無水塩化アルミニウム17.4gを加え、次いで
2,4−ジメチルフェノール5.3gを室温のまま温度
が上昇しないように氷令しながら加えた。室温で24時
間撹拌した後、90℃で3時間加熱して反応を完結させ
た。次いで希塩酸水に分散して、アルカリ水溶液で抽出
した後、希塩酸で中和して結晶を析出させ、濾過、乾燥
して目的の2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)
ベンゾイル安息香酸7.0g、融点172.9〜17
3.6℃の白色結晶を得た。
【0062】〔参考例2〕 実施例1に使用するベンゾ
イル安息香酸誘導体の製造(別法) テトラクロロエタン100ml中に、無水フタル酸7.
1g、無水四塩化ジルコニウム5.6gを加え、次いで
2,4−ジメチルフェノール5.3gを室温のまま温度
が上昇しないように氷令しながら加えた。以下参考例1
と同様に処理して、目的の2−(2−ヒドロキシ−3,
5−ジメチル)ベンゾイル安息香酸7.3g、融点17
3.1〜173.9℃の白色結晶を得た。
【0063】実施例2−1 実施例1に使用するジフェ
ニルアミン誘導体の製造 プソイドキュメン12g中にレゾルシン12.1g、
N,N−ジメチル−p−フェニレンジアミン10.0
g、85%リン酸0.85gを加えて、生じてくる水を
留去しながら180℃から200℃で5時間還流した。
反応物をメチルイソブチルケトン300ml中に溶か
し、20%NaOH水溶液で抽出した後、得られたアル
カリ水溶液を希塩酸で中和しながらメチルイソブチルケ
トンに抽出した。有機層を濃縮すると沈殿物が生じ、濾
過乾燥して、融点105.4〜105.7℃の茶褐色粉
末を得た。収率は62.9%であった。
【0064】実施例2−2 実施例1に使用するジフェ
ニルアミン誘導体の製造(別法) プソイドキュメン60mlの中に、アニシジンのアセチ
ル体43.9g、N,N−ジメチルブロモアニリン6
3.8g、ヨウ化銅(I)1.0g、無水炭酸カリウム
73.5gを加え、195〜205℃で7時間加熱還流
した。反応液を200mlのエタノールにあけ、45.
0gのKOHを加え、2時間還流して加水分解した後、
水2000ml中に分散して希塩酸で中和すると沈殿が
生じた。得られた粗結晶59gをメタノールにより再結
晶して融点115.5〜117.5℃の白色結晶50.
2gを得た。収率は78.0%であった。
【0065】実施例2−3 実施例1に使用するジフェ
ニルアミン誘導体の製造(別法) 500ml反応フラスコにN−アセチルアニシジン11
5g、p−N,N−ジメチルアミノブロモアニリン14
9g、無水炭酸カリウム193g、硝酸ビス(1,10
−フェナントロリン)銅(II)・H2 O3.9g、
1,2,4−トリメチルベンゼン115mlを仕込み、
常圧、攪拌下、190〜200℃で5時間反応させた。
なお、この間反応により生成した水は1,2,4−トリ
メチルベンゼンと共に共沸留去させ、1,2,4−トリ
メチルベンゼンは水と分離後、反応系内に戻した。70
℃に冷却した反応溶液中にエチルアルコール400m
l、85%KOH115gを加えたものを2時間加熱還
流した。90℃まで冷却した反応溶液に水400ml、
トルエン800mlを加えたものを60℃で30分間攪
拌した。分離した有機層を水200mlで3回洗浄した
後、有機層中の溶媒を減圧で留去した。得られた残渣を
400mlメタノールで再結晶し、目的物である4−
N,N,−ジメチルアミノ−3’−メトキシジフェニル
アミンを119.0g得た。融点は115.0〜11
7.0℃であった。
【0066】実施例3(化合物4の合成例) 濃硫酸50g中に2−(2−ヒドロキシ−3,4,6−
トリメチル)ベンゾイル安息香酸11.0g(0.03
9mol)と3−メトキシ−4’−ジメチルアミノジフ
ェニルアミン7.7g(0.032mol)とを加え、
室温で、3日間攪拌して反応した。以下実施例1と同様
にして処理し、1,3,4−トリメチル−6−(4−ジ
メチルアミノフェニル)アミノフルオラン、融点24
4.2−245.5℃の淡黄白色結晶9.7gを得た。
【0067】 実施例4(感熱記録紙の作製) 染料分散液(A液) 本発明化合物(実施例1の化合物1) 7.0g ポリビニルアルコール15%水溶液 30.0g 填料(炭酸カルシウム) 13.5g 純水 49.5g 顕色剤分散液(B液) 4−イソプロポキシ−4’−ヒドロキシジフェニルスルホン 7.0g ポリビニルアルコール15%水溶液 30.0g 填料(炭酸カルシウム) 13.5g 純水 49.5g 填料分散液(C液) ポリビニルアルコール15%水溶液 30.0g 填料(炭酸カルシウム) 20.5g 純水 49.5g 上記組成の混合物をそれぞれサンドグラインダーで十分
に摩砕して、A液、B液及びC液の各分散液を調製し、
A液1重量部、B液2重量部及びC液1重量部を混合し
て塗布液を調製した。この塗布液をワイヤーロッド(N
o.12 )を使用して白色紙に塗布・乾燥した後、カレン
ダー掛け処理をして、感熱記録紙を作製した。
【0068】実施例5 実施例4のA液における本発明化合物を化合物1〔2,
4−ジメチル−6−(4−ジメチルアミノフェニル)ア
ミノフルオラン〕から実施例3で合成した化合物4
〔1,3,4−トリメチル−6−(4−ジメチルアミノ
フェニル)アミノフルオラン〕に変えた以外は実施例4
と同様にして感熱記録紙を作製した。
【0069】実施例6 実施例4のB液における顕色剤を4−イソプロポキシ−
4’−ヒドロキシジフェニルスルホンから4,4’−ジ
ヒドロキシ−3,3’−ジアリルジフェニルスルホンに
変えた以外は実施例4と同様にして感熱記録紙を作製し
た。
【0070】実施例7 実施例4のC液を m−ターフェニル 7.0g ポリビニルアルコール15%水溶液 30.0g 填料(炭酸カルシウム) 13.5g 純水 49.5g の組成に変えた以外は実施例4と同様にして感熱記録紙
を作製した。
【0071】比較例1 染料分散液の本発明の化合物の代わりに、2−アニリノ
−3−メチル−6−ジブチルアミノフルオランを使用
し、他は実施例4と同様にして、感熱記録紙を作製し
た。
【0072】比較例2 染料分散液の本発明の化合物の代わりに、2,3−ジメ
チル−6−(4−ジメチルアミノフェニル)アミノフル
オランを使用し、他は実施例4と同様にして、感熱記録
紙を作製した。
【0073】試験例1(感熱記録紙の耐光性試験) 実施例4,6及び比較例で作製した各々の感熱記録紙に
ついて、乾熱試験器((株)キシノ科学機械製)を用
い、170℃の温度で両面加熱して感熱記録紙の一部を
発色させた。次いで、未発色部及び発色部について、耐
光試験機(紫外線ロングライフフェードメーター、FA
L−5型、スガ試験機(株))を使用して耐光性試験
(12時間、24時間及び48時間)を行った。試験前
後の発色濃度について、マクベス反射濃度計RD−51
4、フィルターBW(ラッテン#106)を使用して測
定した。さらに未発色部についは黄色に着色したのでフ
ィルターにはY(ラッテン#47)をも使用して測定し
た。その結果を第2表に示した。
【0074】
【表2】
【0075】上記表の発色部において、()内の百分率
は試験後の各測定値を試験前の測定値で除算して百分率
とした数値であり、即ち画像の残存率を示すものであっ
て、大きい数値ほど褪色が少ないことを示している。
又、マクベス反射濃度計による測定値は大きい数値程発
色濃度が高いことを表している。表に示される様に、本
感熱記録紙は耐光性試験において、地肌の白色度が高
く、発色部の画像の褪色が少ない記録紙であるといえ
る。
【0076】試験例2 耐光性試験24時間後の実施例4,5,6,7及び比較
例1、2の各試験紙中に残存する染料の量を液体クロマ
トグラフィーで測定し、第3表に示した。
【0077】
【表3】
【0078】この耐光性試験後の染料残存率は、高い%
値程フルオラン化合物の光による分解が少ないことを示
しており、未発色部で言えば耐光試験後においても、充
分発色する能力が残存することを意味している。
【0079】試験例3 試験例2の結果を実際の画像で示す。即ち、実施例4、
6および比較例1の地肌部耐光試験前後の各試験紙を試
験例1と同様の方法で発色し、その発色濃度をマクベス
反射濃度計により測定した。結果を第4表に示した。
【0080】
【表4】
【0081】
【発明の効果】本発明によれば、光に対する安定性の優
れた(分解しない)フルオラン化合物が得られ、また、
光に対する地肌の白色度および、発色画像の耐光性に優
れるばかりでなく、光にさらされた後も未発色部に充分
な発色能を有する記録材料が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07C 65/40 B41M 5/18 105 (72)発明者 肥高 友也 千葉県市原市五井南海岸12−54 日本曹達 株式会社機能製品研究所内 (72)発明者 川邉 徹 千葉県市原市五井南海岸12−54 日本曹達 株式会社機能製品研究所内 (72)発明者 会沢 守 千葉県市原市五井南海岸12−54 日本曹達 株式会社機能製品研究所内 (72)発明者 佐藤 真一 千葉県市原市五井南海岸12−54 日本曹達 株式会社機能製品研究所内 (72)発明者 青木 伊豆男 千葉県市原市五井南海岸12−54 日本曹達 株式会社機能製品研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)で表されるフルオラン化合
    物。 【化1】 (式中R1 は炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、R
    3 は炭素原子数1〜8のアルキル基を示し、R4 は水素
    原子、炭素原子数1〜8のアルキル基を示し、R3 とR
    4 は結合してNとともに環を形成してもよく、R2 は炭
    素原子数1〜4のアルキル基を示し、nは0〜2の整数
    を示す。但し、nが複数個のR2 で示される置換基はそ
    れぞれ異なっていてもよい。)
  2. 【請求項2】 一般式(I’)で表される請求項1記載
    のフルオラン化合物。 【化2】 (式中R1 は炭素原子数1〜4のアルキル基を示し、R
    3 は炭素原子数1〜8のアルキル基を示し、R2 は炭素
    原子数1〜4のアルキル基を示し、nは1〜2の整数を
    示す。但し、nが複数個のR2 で示される置換基はそれ
    ぞれ異なっていてもよい。)
  3. 【請求項3】請求項1の一般式(I)で表されるフルオ
    ラン化合物を含有する発色性記録材料。
  4. 【請求項4】請求項2の一般式(I’)で表されるフル
    オラン化合物を含有する発色性記録材料。
  5. 【請求項5】 一般式(II)で表されるジフェニルア
    ミン誘導体。 【化3】 (式中R3 は炭素原子数1〜8のアルキル基を示し、R
    4 は水素原子、炭素原子数1〜8のアルキル基を示し、
    3 とR4 は結合してNとともに環を形成してもよく、
    5 は炭素原子数1〜8のアルキル基を示す。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013512084A (ja) * 2009-11-26 2013-04-11 サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティフィク 化学反応を実行するための金属集積植物の使用
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